以下、本発明を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、下記実施形態では、電源装置の一例として風力発電装置、及び電力変換部の一例として交流電力を直流電力に変換するコンバータを用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態の電池システム1の概略的な構成図を示し、図2は、電池装置20等の具体的な構成を説明するための図を示す。なお、図1及び図2に示す点線は、制御装置との間で種々の情報を送受可能な信号線(有線又は無線)を示す。
電池システム1は、図1に示すとおり、風力発電装置10、電池装置20、負荷30、制御装置40、及び表示装置50を含んでなり、風力発電装置10で発生した電力を電池装置20に供給し、電池装置20に充電(貯蔵)された電力を負荷30に供給するシステムである。なお、本実施形態の電池システム1は、上記構成に限定されず、構成を適宜追加・変更することも可能である。例えば、風力発電装置10で発生した電力を電力変換した後、負荷30に直接供給するような構成を追加してもよく、この場合、風力発電装置10で発生した電力と電池装置20で貯蔵されている電力とを組み合わせて負荷30に電力を供給することもできる。
風力発電装置10は、自然エネルギーである風力によって回転機を回転させて三相交流電力(交流電力)を発生させる電源装置であって、その構成自体は、一般的な風力発電装置と同様とすることができる。風力発電装置10は、発生した交流電力を、電力配線を介して電池装置20に対して供給する。
電池装置20は、風力発電装置10から供給された交流電力を直流電力に変換して充電(貯蔵)し、また、充電した直流電力を負荷30に適した電力に電力変換して供給する。電池装置20は、図2に示すとおり、複数且つ並列にそれぞれ接続された電池ユニット20A〜20Dで構成される。
電池ユニット20Aは、複数の充放電可能な電池セルが直列に接続された電池モジュール21Aと、風力発電装置10から交流電力の入力を受けて直流電力に変換するコンバータ22Aと、風力発電装置10からコンバータ22Aへの交流電力の入力を遮断することができるスイッチ23Aとを備える。電池ユニット20Aと実質的に同一の構成を有するように、電池ユニット20Bは、電池モジュール21Bと、コンバータ22Bと、スイッチ23Bとを備え、電池ユニット20Cは、電池モジュール21Cと、コンバータ22Cと、スイッチ23Cとを備え、電池ユニット20Dは、電池モジュール21Dと、コンバータ22Dと、スイッチ23Dとを備える。いずれの電池ユニット20A〜20Dも、互いに共通の同一の電力配線から上記交流電力の供給を受けることができる。なお、本実施形態の電池システム1では、並列にそれぞれ接続される電池ユニットとして、電池ユニット20A〜20Dの4つを用いて説明するが、この電池ユニットの数は4つに限られずに、少なくとも2つ以上であればよく、例えば、風力発電装置10の最大発電電力、又は負荷30の要求する電力などの種々の条件に応じて、その数を適宜変更することができる。
各電池モジュール21A〜21Dは、複数の電池セルを直列接続して構成された直流電源としての組電池であって、それぞれコンバータ22A〜22Dで変換された電力を充電する。各電池モジュール21A〜21Dを構成する各電池セルは、充放電可能な電池セルであって、例えば、リチウムイオン二次電池の電池セルを用いることができる。なお、各電池モジュール21A〜21Dを構成する電池セルの個数は、風力発電装置10の最大発電電力や並列に接続される電池ユニットの数、又は負荷30の要求する電力に応じて決めることができる。
また、電池モジュール21A〜21Dには、各電池モジュール21A〜21Dのそれぞれの両端の電圧を測定する電圧センサV1〜V4と、各電池モジュール21A〜21Dに流れる電流をそれぞれ測定する電流センサI1〜I4とが備えられる。各電圧センサV1〜V4で測定された各電圧値、及び各電流センサI1〜I4で測定された各電流値は、信号線を介して制御装置40に送られる。なお、電圧センサは、電池モジュールごとに備えられる場合に限られず、例えば、電池モジュールを構成する電池セルごとに備えるようにしてもよい。
コンバータ22A〜22Dは、風力発電装置10から供給される交流電力を直流電力に電力変換する電力変換器である。また、コンバータ22A〜22Dは、制御装置40からの指令を受けて起動(ON)及び停止(OFF)が制御される。コンバータ22A〜22Dは、一般に、入力された交流電力を直流電力に変換する際、電力損失を生じることが知られている。
ここで、図3に、一般的なコンバータにおける入力電力と変換効率との関係を表した図を示す。最大入力(最大入力電力値)Pmaxや最大効率時入力(最大の変換効率となる時の入力電力値)Peは、コンバータの製造メーカごとに異なるものの、一般的なコンバータは、図3に示すように、最大効率時入力Peより小さい入力電力になると急激に変換効率が悪化し、最大効率時入力Peから最大入力Pmaxになるまでの間は、比較的なだらかに変換効率が低下する傾向にある。したがって、一般化した値である最大入力Pmaxや最大効率時入力Peを用いることで、いかようなコンバータも本実施形態の電池システム1に適用することができる。ただし、同一のコンバータであっても、使用頻度や使用環境などの要因により、最大効率時入力Peなどの値は変化し得る。
スイッチ23A〜23Dは、それぞれ風力発電装置10から電力配線を介した各コンバータ22A〜22Dへの交流電力の入力を遮断するか否かを切り換えることができる切換手段であり、制御装置40からの指令を受けてON(閉)/OFF(開)を切り換える。各スイッチ23A〜23Dが、ONであれば、風力発電装置10からの交流電力が各コンバータ22A〜22Dに供給され、OFFであれば、風力発電装置10から各コンバータ22A〜22Dへの交流電力の供給は遮断される。なお、スイッチ23A〜23DをOFFとするとき、制御装置40は、スイッチ23A〜23Dのそれぞれに対応するコンバータ22A〜22Dも停止するよう制御することが望ましく、この場合、コンバータ22A〜22Dでの無駄な電力の消費を抑制することができる。
負荷30は、電池装置20から電力の供給を受けて駆動するものであって、交流電力で駆動する交流電力負荷又は直流電力で駆動する直流電力負荷である。負荷30が、交流電力負荷であれば、各電池ユニット20A〜20Dには、直流電力を交流電力に変換するインバータ(図示せず)が設けられ、直流電力負荷であれば、各電池ユニット20A〜20Dには、直流電力を負荷30が所望する直流電力(直流電圧)に変換することができるDC−DCコンバータ(図示せず)が設けられる。
制御装置40は、風力発電装置10が供給可能な電力の供給電力(発電電力)、各電池モジュール21A〜21Dの充電率、及び各コンバータ22A〜22Dの電力変換効率に基づいて、風力発電装置10から交流電力を供給すべき電池ユニット20A〜20Dを少なくとも1つ選択するよう電池装置20を制御する。また、制御装置40は、表示装置50も制御することができ、風力発電装置10の供給電力や電池ユニットの充電率など各種の情報を、適宜、表示装置50に表示させる。
制御装置40は、電池ユニット20A〜20Dを充電する処理機能として、例えば、図2に示すように、記憶部41、取得部42、選択部43、及び切換部44を有する。制御装置40は、例えば、種々の演算および制御を行うためのプロセッサ、情報(データ)を一時的に格納するとともに、制御時にワーキングエリアとして機能するRAM、プログラム等を格納するROM、及び周辺回路から構成され、上記各部の処理機能を実現することができる。なお、電池システム1の充電動作、すなわち、制御装置40が行う具体的な制御フローについては後述する。
記憶部41は、コンバータ22A〜22Dそれぞれの所定の電力変換効率に対応する基準電力値PbA〜PbDに関する情報を記憶・格納する。ここで、本実施形態における基準電力値とは、その値以上の電力値がコンバータに入力されるのであれば、該コンバータにおいては一定以上の電力変換効率での電力変換を保証できる値である。図3を用いて上記述べたように、最大効率時入力Peから最大入力電力Pmaxまでは比較的なだらかに電力変換効率は減少するが、その電力変換効率はほぼ高い水準に保つことができるので、本実施形態の電池システム1では、各コンバータ22A〜22Dにおける最適な電力変換効率に対応するそれぞれの最大効率時入力Peを、上記基準電力値PbA〜PbDとする。なお、本実施形態の電池システム1では、基準電力値PbA〜PbDとして、各コンバータ22A〜22Dのそれぞれの最大効率時入力Peを用いる場合を例にとって説明するが、本発明はこれに限られず、最大効率時入力Peの代わりに、例えば、図3に示すように、電力変換効率が90(%)以上となる電力のうち最も値が小さい入力電力値P’を用いるなど、電池システムの構成及びコンバータの電力変換効率の特性に応じて各基準電力値を適宜設定することができる。
取得部42は、風力発電装置10が供給する電力(供給電力)に関する情報及び複数の電池ユニット20A〜20Dがそれぞれ有する電池モジュール21A〜21Dの各モジュール情報(電圧値及び各電流値の情報)を所定のタイミングで取得する。取得部42は、取得した各電圧値及び各電流値により、公知の演算方法を用いて各電池ユニット20A〜20Dの充電率SOC(state of charge)を演算し、演算した結果を選択部43に通知する。充電率SOCは、満充電時における電池の容量に対して充電残量がどのくらいかを比率(パーセント)で表すものであり、電池モジュールごとの電圧と流れる電流とにより、公知の演算方法を用いて演算することができる。なお、本実施形態の電池システム1では、モジュール情報として各電圧値及び各電流値の情報を用い、充電率SOCを算出する場合を例にとって説明するが、本発明はこれに限られない。例えば、モジュール情報として各電圧値の情報又は各電流値の情報のいずれかの情報を用い、充電率SOCを求めるようにしてもよい。各電圧値の情報を用いる場合、例えば、静定時の電圧値と充電率SOCとのテーブルを予め用意しておき、静定時に各電圧値を取得し、上記テーブルを用い、取得した電圧値から充電率SOCを求めることができる。また、上記所定のタイミングとは、例えば、充電開始直前のタイミング、及び充電開始後一定時間ごとのタイミングとすることができる。
選択部43は、記憶部41に記憶された各コンバータ22A〜22Dの各基準電力値PbA〜PbDのうち最も大きい基準電力値を第一基準電力値として設定する。また、選択部43は、取得部42が取得した供給電力及び各電池モジュール21A〜21Dの各充電率SOCの各情報に基づいて、供給電力を上記第一基準電力値以上の電力に分配可能な電池ユニットの個数を決定する。そして、選択部43は、複数の電池ユニット20A〜20Dのうち風力発電装置10から電力を供給する電池ユニットを上記決定した個数だけ選択して充電する。
ただし、選択部43は、例えば、複数の基準電力値PbA〜PbDの中で第一基準電力値より小さい基準電力値の一つであって第一基準電力値の次に大きい値の基準電力値を第二基準電力値として設定し、供給電力を第一基準電力値以上の電力に分配可能な電池ユニットの個数よりも、基準電力値が第二基準電力値以下であるコンバータを有する電池ユニットの中から供給電力を第二基準電力値以上の電力で分配可能な電池ユニットの個数が多い場合、基準電力値が第二基準電力値以下であるコンバータを有する電池ユニットの中から第二基準電力値以上の電力に分配可能な電池ユニットの個数を決定し、風力発電装置10から電力を供給する電池ユニットを前記決定した個数だけ選択する。
また、選択部43は、各電池モジュール21A〜21Dの充電率の情報に基づいて、電池ユニット20A〜20Dに対して電力を供給する優先順位を充電率SOCの低い順に決定し、各電池ユニット20A〜20Dの基準電力値PbA〜PbDと供給電力と充電率とに基づいて、上記供給電力を分配可能な個数を決定し、該決定した個数の電池ユニットを上記優先順位に基づいて選択する。なお、本実施形態の電池システム1における制御装置40(選択部43)の詳細な選択方法については後述するフローチャートの中で説明する。
切換部44は、選択部43により選択された電池ユニット20A〜20Dのうち少なくとも1つの電池ユニットが備える電池モジュールの充電率が、選択部43が非選択の電池ユニットのうち少なくとも1つの電池ユニットの備える電池モジュールの充電率と同一又は略同一となったか否かを判断する。そして、切換部44は、該充電率と同一又は略同一となったと判断した場合、選択部43により選択され、且つ、同一又は略同一となった充電率の電池モジュールを備える電池ユニットに対して、風力発電装置10から供給されていた電力を、充電率が同一又は略同一の電池ユニットに対して交互に切り換えて供給する。なお、本実施形態の電池システム1における制御装置40(切換部44)の詳細な切換方法については後述のフローチャートの中で説明する。
表示装置50は、例えば、風力発電装置10の供給電力や、電池ユニットの充電率など各種の情報をユーザに対して表示するものであり、例えば、一般的な液晶パネルなどのモニタである。なお、表示装置50は、必要に応じて設ければよく、本実施形態の電池システム1においては省略してもよい。
以上のように構成される本実施形態の電池システム1においては、基準電力値PbA〜PbDのうち最も大きい第一基準電力値(例えば、コンバータ22Aの基準電力値PbAであり、PbA=40kW)以上の電力を、電池ユニット20A〜20Dの中から少なくとも1つ選択した電池ユニットにそれぞれ供給するのであれば、それら選択した各電池ユニットのコンバータは個々の基準電力値以上である第一基準電力値の電力が供給されることになるため電力変換効率は高く、その結果、電池装置20全体での充電効率も良い。しかし、第一基準電力値より小さい電力を、例えば、第一基準電力値をもつコンバータ22Aに供給してしまうと、このコンバータ22Aにおける電力変換効率が落ちてしまい、望ましくない場合がある。そのため、第一基準電力値以下の電力を電池ユニットに供給する場合は、第一基準電力値をもつコンバータ22Aを有する電池ユニット20Aを除外して電池ユニット20B〜20Dを選択候補とし、これら選択候補の電池ユニット20B〜20Dから電力の供給先を決定するようにする。
そして、上記選択候補である電池ユニット20B〜20Dに対して、第一基準電力値の次に値が小さい第二基準電力値(例えば、基準電力値PbBで、PbB=35kW)を供給するのであれば、これら電池ユニット20B〜20Dのコンバータ22B〜22Dは個々の基準電力値以上である第二基準電力値の電力が供給されることになるため、一定以上の電力変換効率での電力変換を保証でき、電池システム1全体の充電効率も高い状態を維持できる。
また、本実施形態の電池システム1では、供給電力Pをなるべく多くの電池ユニットに分配し均等に充電できるようにする。例えば、供給電力Pを分配して第一基準電力値(例えば、PbA=40kW)以上の電力を電池ユニットに対して供給しようとすると、供給電力Pが75kWであった場合、供給電力Pを均等に2つ以上の電池ユニットに分配することはできず(例えば、供給電力Pを2つに分配すると、37.5kWとなってしまい第一基準電力値(40kW)以下となってしまう)、そのため、1つの電池ユニットを選択して供給電力P(75kW)を供給するしかない。しかし、供給電力Pを分配して第一基準電力値の次に小さい値の第二基準電力値(例えば、Pb=35kW)以上の電力を電池ユニットに対して供給しようとすれば、供給電力Pが75kWであった場合でも、第一基準電力値をもつコンバータ22Aを有する電池ユニット20Aを除いた他の電池ユニット20B〜20Dのうち2つの電池ユニットに供給電力Pを均等に分配することができる(供給電力Pを均等に2つに分配すると、37.5kWとなり、第二基準電力値(35kW)以上となる)。その結果、電池モジュールを可能な限り並列に均等に充電することができる。
すなわち、本実施形態の電池システム1では、供給電力Pを分配して供給すべき電池ユニットを各基準電力値PbA〜PbDに基づいて選択し決定するものとする。さらに、供給する電池ユニットを選択するに際し、SOCを考慮し、SOCのなるべく低いものを選択するようにする。
以下、図4〜図7に示すフローチャートを参照して、制御装置40を用いて実施される本実施形態の電池システム1の充電動作処理について説明する。なお、図4〜図7のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
まず、電池システム1の充電動作処理を説明するにあたり、電池システム1は、図1及び図2を用いて上記説明した構成を有するものとし、更に、以下の事項を前提とする。電池ユニットの個数を固定値Nで表し、図2に示すように、電池ユニット20A〜20Dの4つを用いるので、N=4とする。そして、コンバータ22A〜22Dへの各最大入力電力値を固定値Pmaxで表し、Pmax=100kWとする。よって、図2に示す電池装置20の最大許容入力電力はN×Pmax=400kWとなる(風力発電装置10の供給電力はこの値を上回らないものとする)。さらに、コンバータ22A〜22Dそれぞれの所定の電力変換効率を有する基準電力値PbA〜PbDとして、PbA=40kW、PbB=30kW、PbC=35kW、PbD=25kWとする。また、これら基準電力値PbA〜PbDが予め記憶部41に記憶されているものとする。なお、コンバータ22A〜22Dで基準電力値が異なるとしているのは、例えば、複数の製造メーカのコンバータを混在させて電池システム1を構成する場合を想定しているからである。
また、さらなる前提として、充電前の電池モジュール21A〜21Dの各SOC(電池システム1の充電動作処理前の初期値のSOC)は、それぞれ80%、60%、70%、50%であるとして説明する。
以上を前提とし、以下、制御装置40を用いて実施される電池システム1の充電動作処理を説明する。
まず、取得部42は、各コンバータの基準電力値を記憶部41より取得し、これら複数の基準電力値を大きい順にソートして、該ソートした順にその値を配列Pb[i](1≦i≦N)として記憶部41に格納する(ステップS100)。上記前提条件で述べたように、本例においては、各コンバータ22A〜22Dの基準電力値PbA〜PbDがそれぞれ、PbA=40kW、PbB=30kW、PbC=35kW、PbD=25kWであるとすると、大きい順にソートした結果、PbA>PbC>PbB>PbDとなる。そして、基準電力値の配列Pb[i]にそれぞれ値を格納すると、本例ではN=4であるので、Pb[1]=40kW(PbA)、Pb[2]=35kW(PbC)、Pb[3]=30kW(PbB)、Pb[4]=25kW(PbD)である配列が作成される。なお、本例では、Pb[1]が第一基準電力値となる。
次いで、取得部42は、風力発電装置10の供給電力Pの情報を風力発電装置10から取得する(ステップS101)。本例では、取得部42は、例えば、風力発電装置10の供給電力Pが75kWであるとの情報を風力発電装置10から取得したものとする。
次いで、選択部43は、上記取得した供給電力Pの情報から、供給電力Pを電池ユニットの個数Nで除算し、この除算した値P/Nが基準電力値Pb[1]〜Pb[N]のうち最も大きい基準電力値Pb[1]以上であるか否かを判断する(ステップS102)。すなわち、本例では、選択部43は、供給電力Pである75kWを電池ユニットの個数Nである4で除算した値P/Nが、基準電力値Pb[1]である40kW以上であるか否かを判断する。
上記除算した値P/Nが、基準電力値Pb[1]以上である場合(ステップS102:Yes)、選択部43は、信号線を介して電池ユニット20A〜20Dの各スイッチ23A〜23Dに対して制御信号を送り、各スイッチ23A〜23DをONとする(ステップS103)。この場合、各スイッチ23A〜23DをONとしても、各コンバータ22A〜22Dに入力される電力は、それぞれ基準電力値Pb[1]以上となるので、コンバータ22A〜22Dでの電力変換効率が全て高い状態で、各電池モジュール21A〜21Dを充電することができる。なお、選択部43は、各スイッチ23A〜23DをONとする際、信号線を介して電池ユニット20A〜20Dの各コンバータ22A〜22Dに対しても制御信号を送り、各コンバータ22A〜22Dを起動する。
ステップS103の処理後、取得部42は、再度、供給電力Pの情報を風力発電装置10から取得し(ステップS104)、該取得した供給電力Pの情報から、供給電力Pを電池ユニットの個数Nで除算し、この除算した値P/Nが基準電力値Pb[1]以上であるか否かを判断する(ステップS105)。このステップS104〜S105の処理は、所定時間経過後に供給電力Pが変化した場合、電池装置20における充電効率を高く維持するために、電力の供給を受ける電池ユニットの個数N(=4)を変えた方が良いか否かを判断するために行う処理である。すなわち、ステップS104の処理前では、先のステップS101の処理で取得した供給電力Pに基づいて電力の供給を受ける電池ユニットの個数をN(=4)として決定しているが、この個数は、供給電力Pを各電池ユニット20A〜20Dに分配しても各電池ユニット20A〜20Dに基準電力値Pb[1]以上の電力が供給可能であるために決定されたものである。しかし、風力発電装置10のように自然エネルギーを利用した電源装置においてはその供給電力Pが変化するため、基準電力値Pb[1]以上の電力の供給を受けられる最適な電池ユニットの個数も変わり得ることとなる。したがって、供給電力Pに応じて電力の供給を受ける最適な電池ユニットの個数を変更することが好ましい。なお、供給電力Pの情報を取得するタイミングは、例えば、風力発電装置10の特性などの要因に応じて適宜設定することができる。
ステップS105の処理において、上記除算した値P/Nが、基準電力値Pb[1]以上である場合、すなわち、電力を供給する電池ユニットの個数Nを変更しなくても良い場合(ステップS105:Yes)、選択部43は、各電池モジュール21A〜21Dが充電終了したか否かを判断する(ステップS106)。ここで、各電池モジュール21A〜21Dにおける充電終了とは、例えば、各電池モジュール21A〜21Dが満充電となった場合や、各電池モジュール21A〜21Dに充電された電力を放電する必要が生じた場合である。なお、各電池モジュール21A〜21Dのうち少なくとも1つの電池モジュールが満充電等になった場合(例えば、充電率が所定値としての90%に達した場合)、選択部43は、この電池モジュールに対して電力供給を遮断するように対応するスイッチをOFFとし、他の電池モジュールに対してはP/(N−1)の電力供給を継続するよう制御できる。
充電終了であれば(ステップS106:Yes)、本処理フローは終了し、充電終了でなければ(ステップS106:No)、ステップS104の処理に移る。なお、本例では、供給電力Pが75kW及び電池ユニットの個数Nが4であれば、除算した値P/Nは、約18.75kWとなり、基準電力値Pb[1]である40kWより小さくなるため、ステップS102の処理の後、ステップS103〜S106の処理には進まず、下記ステップS107の処理に進む。
ステップS102の処理において(又は、ステップS105の処理において)、除算した値P/Nが基準電力値Pb[1]より小さい場合(ステップS102:No(又は、ステップS105:No))、取得部42は、各電池モジュール21A〜21Dの充電状態を示す情報を取得し、SOCを演算する(ステップS107)。本例では、上記除算した値P/Nは、約18.75kWであり、基準電力値Pb[1]である40kWより小さくなるため、取得部42は、各電池モジュール21A〜21Dの充電状態を示す情報として、各電圧センサV1〜V4で測定された各電圧値と、各電流センサI1〜I4で測定された各電流値とを、各電圧センサV1〜V4及び各電流センサI1〜I4から信号線を介して取得する。取得部42が、上記取得した各電圧値及び各電流値により、公知の演算方法を用いて各電池モジュール21A〜21DのSOCを演算する。なお、上記前提条件で述べたように、本例においては、取得部42が演算した結果、各電池モジュール21A〜21Dの充電動作処理前のSOC(初期値のSOC)は、それぞれ80%、60%、70%、50%であったものとする。
次いで、選択部43は、取得した各電池モジュール21A〜21DのSOCに基づいて、各電池ユニット20A〜20Dに対して電力を供給する優先順位を決定する(ステップS108)。すなわち、選択部43は、電池ユニット20A〜20Dに対して電力を供給する優先順位をSOCの低い順に決定するものとし、本例では、取得した電池モジュール21A〜21DのSOCが、それぞれ80%、60%、70%、50%であるため、電池ユニット20Dの優先順位を1番、電池ユニット20Bの優先順位を2番、電池ユニット20Cの優先順位を3番、電池ユニット20Aの優先順位を4番と決定する。
次に、図5に示すフローチャートに移り、選択部43は、選択候補の電池ユニットのうち、電力を同時に供給可能な電池ユニットの個数(同時にスイッチをON可能な個数)を変数Mで表し、M=N−1と設定する(ステップS109)。なお、ステップS109〜S118の各処理は、各電池ユニットに供給される電力が個々の基準電力値以上になるように、風力発電装置10から電力が供給される電池ユニットの個数を決定し、供給先の電池ユニットを上記決定した個数に選択するために行う処理である。
選択部43は、変数iを1と設定する(ステップS110)。そして、選択部43は、基準電力値を大きい順にソートした配列Pb[i](1≦i≦N)のうち最も大きい基準電力値Pb[1]の値を呼び出す。
選択部43は、供給電力PをMで除算した値P/Mが、基準電力値Pb[i]以上であるか否かを判断する(ステップS111)。本例では、現段階において、i=1であるので、選択部43は、供給電力Pである75kWを、M(=N(4)−1)である3で除算した値P/Mが、基準電力値Pb[1]である40kW以上であるか否かを判断する。
上記除算した値P/Mが基準電力値Pb[i]より小さい場合(ステップS111:No)、選択部43は、Pb[i]をもつコンバータに対応する電池ユニットを選択候補から外すか否かを判断する(ステップS112)。この判断対象の電池ユニットを選択候補から外すか否かは、例えば、判断対象の電池ユニットの上記優先順位が1番であるか否かで判断するものとし、優先順位が1番であれば、この電池ユニットは最も優先的に電力を供給しなければならない電池ユニットであるので、選択候補として外さないものとする。
なお、上記電池ユニットを選択候補から外すか否かは、上記優先順位で判断する場合に限られず、他の例として、各電池モジュール21A〜21DのSOCの平均値を算出し、その平均値から所定範囲を超えて下回っているか否かで判断してもよい。一例を挙げれば、各電池モジュール21A〜21DのSOCの平均値が約60%であり、判断対象の電池ユニットが有する電池モジュールのSOCが、その平均値より所定範囲を超えて(例えば、10%以上)下回っている場合は、この電池ユニットは、最も優先的に電力を供給しなければならない電池ユニットの1つであるので、この電池ユニットを選択候補として外さないと判断してもよい。
上記選択候補から外すと判断した場合(ステップS112:Yes)、選択部43は、i≧N−M+1の関係式を満たすか否かを判定する(ステップS113)。ステップS113の処理において関係式を満たさない場合(ステップS113;No)、選択部43は、iをi+1と設定し(ステップS114)、ステップS111の処理に移る。一方、ステップS113の処理において上記関係式を満たす場合(ステップS113:Yes)、又は、上記ステップS112の処理において上記選択候補から外さないと判断した場合(ステップS112:No)、選択部43は、M=M−1と再設定して(ステップS115)、Mが2以上であれば(ステップS116:Yes)、ステップS110の処理に移る。一方、Mが2より小さい場合(すなわち、Mが1の場合)(ステップS116:No)、選択部43は、電力の供給可能対象とする電池ユニットの個数を変数Qで表し、Q=1と設定する(ステップS117)。
一方、上記除算した値P/Mが基準電力値Pb[i]以上である場合(ステップS111:Yes)、選択部43は、電力の供給可能対象とする電池ユニットの個数を変数Qで表し、Q=Mと設定する(ステップS118)。
上記ステップS110〜S118の処理は、まず、供給電力PをM(=N−1)個の電池ユニットに対して基準電力値Pb[1]以上の電力で分配して供給可能か否かを判断し、供給可能で無いと判断した場合、基準電力値Pb[1]より小さい基準電力値Pb[2]〜Pb[4]以上の電力で、供給電力PをM個の電池ユニットに対して供給可能か否かを判断する。すなわち、上記処理は、最も大きい基準電力値Pb[1]以上で供給電力Pを電池ユニットに分配することを前提とするが、各電池モジュールのSOCを考慮した上で、且つ、基準電力値Pb[1]より小さい基準電力値Pb[2]〜Pb[4]で分配した方が選択可能な電池ユニットの個数が多い場合はそちらを選択するものである。
具体的には、本例では、P=75、M=3(N−1)、i=1であるとすると、まず、ステップS111の処理では、上記除算した値P/Mは25kWであり、Pb[1](=40kW)より小さいため、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[1]をもつコンバータ22Aに対応する電池ユニット21Aを選択候補から外すか否かを判断する。電池ユニット21Aの上記優先順位は4番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS113の処理では、i(ここでは、i=1)は、N−M+1(ここでは、N−M+1=2)以上でないため、ステップS114の処理に進み、i=i+1(ここでは、i=2)と設定し、ステップS111の処理に移る。
次に、上記除算した値P/Mは25kWであり、Pb[2](=35kW)以上でないため、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[2]をもつコンバータ22Cに対応する電池ユニット21Cを選択候補から外すか否かを判断する。電池ユニット21Cの上記優先順位は3番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS113の処理において、i(ここでは、i=2)は、N−M+1(ここでは、N−M+1=2)以上であるため、ステップS115の処理に進み、M=M−1(ここでは、M=2)と設定し、ステップS116の処理に移る。
ステップS116の処理において、M≧2(ここでは、M=2)を満たすので、ステップS110の処理に移る。ステップS110の処理でi=1と再設定され、且つ、M=2であるので、除算した値P/Mは、37.5kWであり、Pb[1](=40kW)以上でないため、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[1]をもつコンバータ22Aに対応する電池ユニット21Aを選択候補から外すか否かを判断する。電池ユニット21Aの上記優先順位は4番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS113の処理では、i(ここでは、i=1)は、N−M+1(ここでは、N−M+1=2)以上でないため、ステップS114の処理に進む。ステップS114の処理において、i=i+1(ここでは、i=2)と設定し、ステップS111の処理に移る。
次に、上記除算した値P/Mは37.5kWであり、Pb[2](=35kW)以上であるため、ステップS118の処理に進む。そして、ステップS118の処理において、選択候補の電池ユニットの中で、電力を同時に供給可能な電池ユニットの個数がM=2であるため、Q=M(=2)と設定する。
これらの処理を行うことにより、供給電力P(=75kW)を基準電力値Pb[1](=40kW)以上で電池ユニットに供給しようとすると、1つの電池ユニットしか選択できないが、供給電力Pを基準電力値Pb[2](=35kw)以上で電池ユニットに供給しようとすると、2つの電池ユニットが選択可能となる。
次いで、図5のフローチャートに戻り、i=1であれば(ステップS119:Yes)、優先順位に基づいてQ個の電池ユニットに電力(P/M)を供給するため、選択部43は、対応するスイッチをONとし(ステップS120)、図7に示すフローチャートのステップS130の処理に進む。ステップS120の処理は、i=1のとき、すなわち、供給電力Pを基準電力値Pb[1]以上の電力に分配してQ個の電池ユニットに供給する場合の処理である。この場合、どの電池ユニットを選択したとしても、各電池ユニットは個々のコンバータの基準電力値以上の電力が分配されることとなるので、全ての電池ユニット20A〜20Dを選択候補とし、上記優先順位にしたがって電池ユニットの選択を行う。
一方、i=1でなければ(ステップS119:No)、優先順位に基づいて、且つ、所定の電池ユニットを除いて選択したQ個の電池ユニットに電力(P/M)を供給するため、選択部43は、対応するスイッチをONとし(ステップS121)、図6に示すフローチャートのステップS122の処理に進む。ステップS121の処理は、i≠1のとき、すなわち、供給電力Pを基準電力値Pb[1]より小さく且つ基準電力値Pb[i]以上の電力に分配してQ個の電池ユニットに供給する場合の処理である。よって、例えば、基準電力値Pb[1]の基準電力値をもつコンバータを有する電池ユニットに基準電力値Pb[1]より小さい電力を供給してしまうと、電力変換効率が落ちてしまうので、これら電池ユニットを除いた電池ユニットを電力供給の選択候補とし、この選択候補の電池ユニットの中から上記優先順位にしたがって電池ユニットの選択を行う。
具体的には、本例では、上記処理の結果、i=2と設定されているので、基準電力値Pb[2]以上の電力をQ個の電池ユニットに供給することとなり、ステップS119の処理からステップS121の処理に進む。ステップS121の処理において、上記処理でQ=2と設定されているので、基準電力値Pb[1]をもつコンバータを有する電池ユニット20Aを除いた電池ユニット20B〜20Dを電力供給の選択候補とし、これら電池ユニット20B〜20Dの中から上記優先順位にしたがって2個の電池ユニットを選択する。すなわち、該選択候補の電池ユニット20B〜20Dのうち、優先順位が最も高い電池ユニット20Dと、次に高い電池ユニット20Bを選択し、これらにそれぞれ37.5kWを供給(充電)することとなる。よって、選択部43は、対応するスイッチ23B、23DをONとし、また、各コンバータ22B、22Dも起動する。各スイッチ23B、23DがONとなることで、コンバータ22B、22Dは、それぞれ基準電力値PbB(=30kW)、PbD(=20kW)以上の電力が入力されることとなる。その結果、コンバータ22B、22Dでの電力変換効率を高い状態で維持しつつ、電池モジュール21B、21Dは充電される。なお、これまでの処理を行った結果を、図8(A)の表に示す。
次に、まず、ステップS121の処理後の各処理について図6を参照して説明をし、次いで、ステップS120の処理後の各処理について図7を参照して説明をする。
まず、図6のフローチャートに示すように、ステップS121の処理から所定時間(例えば、1分間)経過後、取得部42は、充電中の電池モジュールの充電状態を示す情報を取得し、SOCを演算する(ステップS122)。すなわち、本例では、取得部42は、充電中の電池モジュール21B、21Dの充電状態を示す情報として、該電池モジュール21B、21Dの各電圧値及び各電流値をそれぞれ各電圧センサV2、V4及び各電流センサI2、I4から信号線を介して取得し、電池モジュール21B、21DそれぞれのSOCを演算する。なお、ステップS122の処理において、充電中の電池モジュールのみならず、全ての電池モジュール21A〜21Dの各電圧値及び各電流値をそれぞれ各電圧センサV1〜V4及び各電流センサI1〜I4から信号線を介して取得し、電池モジュール21A〜21DそれぞれのSOCを演算するようにしてもよい。この場合、下記ステップS123の処理等で、より正確な判断等をすることができる。
次いで、選択部43は、上記取得した充電中の電池モジュールの各SOCに基づいて、選択候補である各電池ユニットの電池モジュールのSOCが全て同一又は略同一であるか否かを判断する(ステップS123)。
ステップS123の処理において、選択候補の電池ユニットの電池モジュールのSOCが全て同一又は略同一でないと判断した場合(ステップS123:No)、選択部43は、上記取得した充電中の電池モジュールの各SOCに基づいて、充電中の電池モジュールのSOCが、上記選択候補であり且つ充電中で無い電池モジュールのSOCまで到達したか否か(同一又は略同一になったか否か)を判断する(ステップS124)。本例では、選択部43は、充電中の電池モジュール21BのSOC及び電池モジュール21DのSOCのうち少なくとも1つのSOCが、選択候補であり且つ充電中でない電池モジュール21CのSOCまで到達したか否かを判断する。
充電中の電池モジュールのSOCが、上記選択候補であり且つ充電中でない電池モジュールのSOCまで到達した場合(ステップS124:Yes)、切換部44は、同一又は略同一になった電池モジュールを有する各電池ユニットに対して電力P/Mが均等に供給されるように、信号線を介して対応するスイッチに信号を送り、それぞれのスイッチのON、OFFを所定のタイミングで相互に切り換える(ステップS125)。このとき、当該SOCまで到達していない電池ユニットについては、依然として電力P/Mが供給される。
一方、上記充電中の電池モジュールのSOCが、上記選択候補のうち充電中で無い電池モジュールのSOCまで到達していない場合(ステップS124:No)、ステップS127の処理に移る。なお、選択候補のうち充電中で無い電池モジュールが無い場合も同様に、ステップS127の処理に移る。
本例では、例えば、図8(B)の表に示すように、選択候補の電池ユニットの電池モジュールのSOCが全て同一又は略同一でない場合であって、充電中の電池モジュール21BのSOCが、選択候補であり且つ充電中でない電池ユニット20Cが有する電池モジュール21CのSOC(=70%)まで到達したとすると、切換部44は、電池ユニット20Bと電池ユニット20Cとへ電力37.5kWを相互に供給するべく、それぞれのスイッチ23Bとスイッチ23CのON、OFFを所定のタイミングで相互に切り換えるよう制御する。その結果、電池モジュール21Bと電池モジュール21Cを均等に充電し得ることになる。また、このとき、電池ユニット20Dには依然として電力37.5kWが供給されて電池モジュール21Dの充電がなされる。なお、上記スイッチ23Bとスイッチ23Cとを相互に切り換える上記所定のタイミングは、例えば、50msec〜100msec毎とすることができる。
また、ステップS123の処理において、選択候補の電池ユニットの電池モジュールのSOCが全て同一又は略同一であると判断した場合(ステップS123:Yes)、切換部44は、選択候補の電池ユニットと、非選択候補の電池ユニットとを均等充電するように各々対応するスイッチを相互に切り換えるよう制御する(ステップS126)。
本例では、例えば、後述するステップS127〜S129の処理の結果、ステップS122の処理に移ったとすると、すなわち、供給電力Pが75kWで変化が無く、該供給電力Pが継続して電池ユニット20A〜20Dに供給可能であるとすると、図8(C)の表に示すように、選択候補の電池ユニットの電池モジュールのSOCが全て同一又は略同一のSOC(=79%)となったとき、切換部44は、選択候補の電池ユニット20B〜20Dと、非選択候補の電池ユニット20Aとを均等充電するように各々対応するスイッチ23A〜23Dを相互に切り換えるよう制御する。
具体的には、図9(A)〜(D)に示すように、全ての電池ユニット20A〜20DのSOCが均等に充電可能なように、且つ、どの電池ユニット20A〜20Dに電力が供給されても各々基準電力値以上となるように、切換部44は、各スイッチ23A〜23Dを順次切り換える。
例えば、まず、図9(A)に示すように、スイッチ23C及びスイッチ23DをONとすれば、供給電力P(=75kW)が分配されてコンバータ22C及びコンバータ22Dに37.5kWずつの電力が供給される。次に、所定時間経過後、図9(B)に示すように、スイッチ23CをOFFとし、且つスイッチ23BをONとすれば、供給電力P(=75kW)が分配されてコンバータ22B及びコンバータ22Dに37.5kWずつの電力が供給される。同様に、所定時間経過後、図9(C)に示すように、スイッチ23DをOFFとし、且つスイッチ23CをONとすれば、供給電力P(=75kW)が分配されてコンバータ22B及びコンバータ22Cに37.5kWずつの電力が供給される。次に、図9(D)に示すように、スイッチ23B及びスイッチ23CをOFFとし、スイッチ23AをONとすれば、供給電力P(=75kW)がコンバータ22Aに電力が供給される。このように供給電力Pの供給先を切り換えることで、電池装置20の各電池ユニット20A〜20Dを均等に充電することができる。なお、図9の例であれば、スイッチ23AをONとしたとき、1つの電池モジュール21Aに集中して電力が供給されるため、スイッチ23AのみをONとする時間を、他の2つのスイッチをONとする時間よりも短くするなど、各スイッチの切り換えのタイミングは適宜自由に設定することができる。
図6のフローチャートに戻り、上記ステップS124、S125、又はS126の処理の後、取得部42は、風力発電装置10の供給電力Pの情報を風力発電装置10から取得する(ステップS127)。
取得部42は、ステップS127の処理で取得した供給電力Pの値が、所定の範囲を超えて変化したか否かを判断する(ステップS128)。この処理は、上記取得した供給電力Pが、先の処理で取得した供給電力P(例えば、ステップS101の処理で取得した供給電力P)と比べて、所定の範囲を超えて電力が変化したか否かを判断するために行う処理である。ここでの所定の範囲とは、例えば、風力発電装置10からの供給電力Pを分配する電力及び供給すべき電池ユニットの個数Mを変更した方が電池システム1における充電効率が良くなる場合の供給電力Pの変化の範囲である。上記所定の範囲を超えて変化したと判断した場合(ステップS128:Yes)、ステップS102の処理に移り、上記所定の範囲を超えて変化していないと判断した場合(ステップS128:No)、ステップS129の処理に移る。
ステップS129の処理において、選択部43が充電終了でないと判断した場合(ステップS129:No)、ステップS122の処理に戻り、一方、選択部43が充電終了であると判断した場合(ステップS129:Yes)、電池システム1の動作処理を終了する。
次に、ステップS120の処理後について図7を参照して説明をする。図7のフローチャートに示すように、ステップS120の処理後、取得部42は、充電中の電池モジュールの充電状態を示す情報を取得し、SOCを演算する(ステップS130)。
次いで、取得部42は、上記取得した充電中の電池モジュールの各SOCに基づいて、充電中の電池モジュールのSOCが、選択候補の電池モジュールのSOCまで到達したか否か(同一又は略同一になったか否か)を判断する(ステップS131)。
充電中の電池モジュールのSOCが、上記選択候補のうち電池モジュールのSOCまで到達した場合(ステップS131:Yes)、選択部43は、同一又は略同一になった電池モジュールを有する各電池ユニットに対して電力P/Mが均等に供給されるように、対応するスイッチに対して信号線を介して信号を送り、それぞれのスイッチのON、OFFを所定のタイミングで相互に切り換える(ステップS132)。このとき、当該SOCまで到達していない電池ユニットについては、所定時間の間(例えば、1分間)、依然として電力P/Mが供給され、その後、ステップS133の処理に移る。
一方、上記充電中の電池モジュールのSOCが、上記選択候補のうち充電中で無い電池モジュールのSOCまで到達していない場合(ステップS131:No)、ステップS133の処理に移る。
ステップS133〜S135の処理は、上記ステップS127〜S129の処理と同様であるので、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態の電池システム1は動作する。
<上記本実施形態の電池システム1において、他の条件での動作内容>
上述では、最初のステップS100の処理において、風力発電装置10の供給電力Pが75kWである場合を説明したが、別の条件として、供給電力Pが35kWである場合についても、図4〜図7、及び図10を参照しつつ、以下、簡単に説明する。
まず、ステップS100の処理において、取得部42は、上述と同様、Pb[1]=40kW(PbA)、Pb[2]=35kW(PbC)、Pb[3]=30kW(PbB)、Pb[4]=25kW(PbD)である配列を作成する。
次いで、ステップS101の処理において、取得部42は、風力発電装置10から供給電力P(=35kW)の情報を取得する。次いで、ステップS102の処理において、選択部43は、供給電力P(=35kW)を電池ユニットの個数N(=4)で除算した値(=約8.75kW)が、基準電力値Pb[1](=40kW)より小さいと判断して、ステップS107〜S110の処理を上述と同様に行い、M=3、i=1が設定される。
その後、ステップS111の処理において、選択部43は、供給電力P(=35kW)をM(=3)で除算した値約11.67kWが、基準電力値Pb[1](=40kW)より小さいと判断し、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[1]をもつコンバータ22Aに対応する電池ユニット21Aの上記優先順位は4番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS113の処理において、現段階では、M=3、i=1であるので、i≧N−M+1の関係式を満たさないので、ステップS114の処理に進む。ステップS114の処理において、i=2と再設定し、ステップS111の処理に移る。
再度、ステップS111の処理において、選択部43は、供給電力P(=35kW)をM(=3)で除算した値約11.67kWが、基準電力値Pb[2](=35kW)より小さいと判断し、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[2]をもつコンバータ22Cに対応する電池ユニット21Cの上記優先順位は3番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS113の処理において、現段階では、M=3、i=2であるので、i≧N−M+1の関係式を満たすので、ステップS115の処理に進む。ステップS115の処理において、M=M−1(=2)と再設定し、ステップS116の処理で、M≧2を満たすので、ステップS110の処理に移る。
ステップS110の処理で、再度i=1と設定された後、ステップS111の処理において、選択部43は、供給電力P(=35kW)をM(=2)で除算した値約17.5kWが、基準電力値Pb[1](=40kW)より小さいと判断し、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[1]をもつコンバータ22Aに対応する電池ユニット21Aの上記優先順位は4番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS113の処理において、現段階では、M=2、i=1であるので、i≧N−M+1の関係式を満たさないので、ステップS114の処理に進む。ステップS114の処理において、i=2と再設定し、ステップS111の処理に移る。
ステップS111の処理において、選択部43は、供給電力P(=35kW)をM(=2)で除算した値約17.5kWが、基準電力値Pb[2](=35kW)より小さいと判断し、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[2]をもつコンバータ22Cに対応する電池ユニット21Cの上記優先順位は3番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS113の処理において、現段階では、M=2、i=2であるので、i≧N−M+1の関係式を満たさないので、ステップS114の処理に進む。ステップS114の処理において、i=3と再設定し、ステップS111の処理に移る。
ステップS111の処理において、選択部43は、供給電力P(=35kW)をM(=2)で除算した値約17.5kWが、基準電力値Pb[3](=30kW)より小さいと判断し、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[3]をもつコンバータ22Bに対応する電池ユニット21Bの上記優先順位は2番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS112の処理において、現段階では、M=2、i=3であるので、i≧N−M+1の関係式を満たすので、ステップS115の処理に進む。ステップS115の処理において、M=M−1(=1)と再設定し、ステップS116の処理で、M≧2を満たさないので、ステップS117の処理に進む。
ステップS117の処理において、選択部43は、電力の供給可能対象とする電池ユニットの個数を変数Qで表し、Q=1と設定し、ステップS119の処理に進む。ステップS119の処理において、上記処理の結果、i=3(i≠1)であるので、ステップS121の処理に進む。供給電力Pが35kWである場合、少なくとも2つの電池ユニットに供給電力Pを分配すると、1つの電池ユニットは必ず基準電力値以下となってしまい、電力変換効率が落ちてしまうため、ステップS121の処理では、優先順位に基づいて且つ所定の電池ユニットを除いて選択した1個の電池ユニットに電力(35kW)を供給するよう、対応するSWをONとする。本例では、供給電力Pである35kWは、基準電力値Pb[1]より小さく基準電力値Pb[2]以上であるため、電池ユニット20Aを除いた電池ユニット20B〜20Dを選択候補とし、図10(A)に示すように、この選択候補の電池ユニット20B〜20Dの中から上記優先順位にしたがって電池ユニット20Dを選択し、この電池地ユニット20Dに電力35kWを供給するよう、対応するスイッチ23DをONとする。
次いで、ステップS122〜S124の処理に移り、ステップS124の処理において、図10(B)に示すように、充電中の電池モジュール21DのSOCが、選択候補の電池モジュール21BのSOCである60%まで到達したとすると、ステップS125の処理に進む。
ステップS125の処理において、切換部44は、同一又は略同一となった電池モジュール21B、21Dを有する各電池ユニット20B、20Dが均等充電するように各々対応するスイッチ21B、21Dを相互に切り換え、ステップS127〜S128の処理に進む。
ステップS127〜S128の処理において、取得部42が取得した供給電力Pが先の供給電力Pの35kWと変わらなかったものとすると、ステップS129の処理に進む。ステップS129の処理において、現段階では、まだ充電中であるものとし、ステップS122の処理に移る。そして、ステップS122の処理において、図10(C)に示すように、充電中の電池モジュール21B(又は21D)のSOCが、選択候補の電池モジュール21CのSOCである70%まで到達したとすると、ステップS125の処理に進む。
ステップS125の処理において、切換部44は、同一又は略同一となった電池モジュール21B〜21Cを有する各電池ユニット20B〜20Cが均等充電するように各々対応するスイッチを相互に順次切り換る。
次いで、ステップS127〜S129以降の処理に進み、選択部43が充電終了と判断すれば本処理フローを終了する。
<上記本実施形態の電池システム1において、更に他の条件での動作内容>
上述では、最初のステップS100の処理において、風力発電装置10の供給電力Pが75kW、35kWである場合を説明したが、別の条件として、供給電力Pが80kWである場合についても、図4〜図7、及び図11を参照しつつ、以下、簡単に説明する。
まず、ステップS100の処理において、取得部42は、上述と同様、Pb[1]=40kW(PbA)、Pb[2]=35kW(PbC)、Pb[3]=30kW(PbB)、Pb[4]=25kW(PbD)である配列が作成される。
次いで、ステップS101の処理において、取得部42は、風力発電装置10から供給電力P(=80kW)の情報を取得する。次いで、ステップS102の処理において、制御装置40は、供給電力P(=80kW)を電池ユニットの個数N(=4)で除算した値(=20kW)が、基準電力値Pb[1](=40kW)より小さいと判断して、ステップS107〜S110の処理を上述と同様に行い、M=3、i=1と設定する。
その後、ステップS111の処理において、選択部43は、供給電力P(=80kW)をM(=3)で除算した値約26.7kWが、基準電力値Pb[1](=40kW)より小さいと判断し、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[1]をもつコンバータ22Aに対応する電池ユニット21Aの上記優先順位は4番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS113の処理において、現段階では、M=3、i=1であるので、i≧N−M+1の関係式を満たさないので、ステップS114の処理に進む。ステップS114の処理において、i=2と再設定し、ステップS111の処理に移る。
再度、ステップS111の処理において、選択部43は、供給電力P(=80kW)をM(=3)で除算した値約26.7kWが、基準電力値Pb[2](=35kW)より小さいと判断し、ステップS113の処理に進む。ステップS112の処理では、Pb[2]をもつコンバータ22Cに対応する電池ユニット21Cの上記優先順位は3番と設定されているため、選択候補から外すものとし、ステップS113の処理に進む。ステップS113の処理において、現段階では、M=3、i=2であるので、i≧N−M+1の関係式を満たすので、ステップS115の処理に進む。ステップS114の処理において、M=M−1(=2)と再設定し、ステップS115の処理で、M≧2を満たすので、ステップS110の処理に移る。
ステップS110の処理で、再度i=1と設定された後、ステップS111の処理において、選択部43は、供給電力P(=80kW)をM(=2)で除算した値40kWが、基準電力値Pb[1](=40kW)以上と判断し、ステップS118の処理に進む。
ステップS118の処理において、電力の供給可能対象とする電池ユニットの個数を変数Qで表し、Q=2と設定し、ステップS119の処理に進む。ステップS119の処理において、i=1であるので、ステップS120の処理に進む。ステップS120の処理において、供給電力Pが80kWである場合、2つの電池ユニットに供給電力Pを分配しても、各電池ユニットに分配される電力は個々の基準電力値以上となるので、電力変換効率が高い状態を維持できる。よって、全ての電池ユニット20A〜20Dを選択候補とし、図11(A)に示すように、優先順位にしたがって2個の電池ユニット20B、20Dを選択し、これらに電力(40kW)を供給するよう、対応するスイッチ23B,23DをONとする。
次いで、ステップS130〜S131の処理に移り、ステップS131の処理において、図11(B)に示すように、充電中の電池モジュール21BのSOCが、選択候補の電池モジュール21CのSOCである70%まで到達したとすると、ステップS132の処理に進む。
ステップS132の処理において、同一又は略同一となった電池モジュール21B、21Cを有する各電池ユニット20B、20Cが均等充電されるように各々対応するスイッチ23B、23Cを相互に切り換え、ステップS133〜S134の処理に進む。なお、当該SOCまで到達していない電池ユニット20Dについては、依然として電力40kWが供給され続ける。
ステップS133〜S134の処理において、取得部42が取得した供給電力Pが先の供給電力Pの80kWと変わらなかったものとすると、ステップS135の処理に進む。ステップS135の処理において、現段階では、まだ充電中であるものとし、ステップS130の処理に移る。そして、ステップS130の処理において、図11(C)に示すように、充電中の電池モジュール21B、21C、又は21DのSOCが、選択候補の電池モジュール21AのSOCである80%まで到達したとすると、ステップS132の処理に進む。
ステップS132の処理において、切換部44は、同一又は略同一となった電池モジュール21A〜21Dを有する各電池ユニット20A〜20Dが均等充電するように各々対応するスイッチを相互に切り換る。すなわち、電池ユニット20A、20Bに各40kW、電池ユニット20B、20Cに各40kW、電池ユニット20C、20Dに各40kW、電池ユニット20A、20Dに各40kW、というサイクルで所定時間ごとにスイッチを切り換えることで、各電池ユニット20A〜20Dが均等充電し得る。
次いで、ステップS133〜S135以降の処理に進み、選択部43が充電終了と判断すれば本処理フローを終了する。
以上、本実施形態の電池システム1によれば、風力発電装置10からの供給電力に応じて、且つ、電力変換器22A〜22Dの電力変換効率をも考慮して、複数且つ並列にそれぞれ接続された電池ユニット20A〜20Dのうち供給すべき電池ユニットを選択することができるので、高い充電効率を維持して最適な個数の電池モジュールを充電することができる。
また、本実施形態の電池システム1によれば、電池モジュール21A〜21Dの充電状態を示す各充電情報を取得して、電池ユニットに電力を供給する優先順位を充電状態の低い順に決定することで、電池モジュールの充電状態を均等にしやすくすることができる。また、各電池モジュールの使用状況や、複数の電池モジュールの中に劣化した電池モジュールが存在するなどの要因で、各電池モジュール相互間で電圧がバラつくことも想定され、この場合、単に、並列にそれぞれ接続された複数の電池モジュールを同時に充電すれば、各電池モジュール間で相互充電作用が起こり、充電効率が落ちてしまう問題点もあった。しかし、優先順位を充電状態の低い順に決定するため、複数の電池ユニットに電力を供給するとしても、充電状態が近い電池モジュールを有する電池ユニットを選択して電力を分配供給し得るので、各電池モジュール間での電圧が相違することなどに起因する相互充電作用を抑制することができる。
さらに、本実施形態の電池システム1によれば、供給電力Pを第一基準電力値以上の電力で分配可能な電池ユニットの個数よりも、基準電力値が第一基準電力値より小さい第二基準電力値以下であるコンバータを有する電池ユニットの中から供給電力を第二基準電力値以上の電力で分配可能な電池ユニットの個数が多い場合、基準電力値が第二基準電力値以下であるコンバータを有する電池ユニットの中から供給電力Pを第二基準電力値以上の電力に分配可能な電池ユニットの個数を決定し、風力発電装置10から電力を供給する電池ユニットを決定した個数選択する。その結果、電池モジュールを可能な限り並列に均等に充電することができる。
またさらに、本実施形態の電池システム1によれば、選択部43により選択され、且つ、充電中の電池モジュールの充電状態が、非選択の電池ユニットのうち少なくとも1つの電池ユニットの有する電池モジュールの充電状態と同一又は略同一となった場合、風力発電装置10から供給されていた電力の供給先を、充電状態が同一又は略同一の電池ユニット間で所定のタイミングで交互に切り換える。その結果、充電状態がある程度高まり、充電状態が同一又は略同一になった少なくとも2つ以上の電池ユニットに対しては均等に電力を供給し、一方、低い充電状態の電池ユニットに対しては電力を供給し続けることができる。すなわち、充電状態が低い電池ユニットに対しては電力を供給し続けて他の電池モジュールと同等の充電率になるように早く充電をすることができ、且つ、電池モジュールの充電状態が同一又は略同一な電池ユニットに対しては均等を維持した状態で充電をすることができる。
さらに、本実施形態の電池システム1によれば、所定のタイミングで風力発電装置10が供給する電力の供給電力Pに関する情報を取得することで、供給電力Pが変化した場合であっても、供給電力Pに応じて電力の供給を受ける最適な電池ユニットの個数を決定し、高い充電効率を常に維持することが可能となる。
<変形例>
以上のように本発明の電池システムの好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではなく、特許請求の範囲に表現された思想及び範囲を逸脱することなく、種々の変形、追加、及び省略が当業者によって可能である。
例えば、上記実施形態では、電源装置の一例として風力発電装置を用いて説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、太陽光発電や商用電源を利用したものであってもよい。電源装置として太陽光発電装置を用いる場合、電源と電池ユニットとの間に配置される電力変換器は、DC/DCコンバータを用いればよく、この場合、DC/DCコンバータの電力変換効率から上記基準電力値を適宜設定する。また、電源装置として商用電源のように、一定の電力を受電することができるのであれば、例えば、制御装置40は、供給電力Pの情報を充電開始直後のみに取得するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、各コンバータ22A〜22Dの基準電力値PbA〜PbDがそれぞれ異なる値をもつ場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られず、複数のコンバータの各基準電力値のうち、2つの基準電力値(一基準電力値と該第一基準電力値より小さい第二基準電力値)が存在するのであれば、同じ基準電力値のコンバータがあってもよい。すなわち、コンバータ22A〜22Cの基準電力値が同じで(例えば、第一基準電力値)、コンバータ22Dの基準電力値(例えば、第二基準電力値)のみコンバータ22A〜22Cの基準電力値と異なっていてもよい。
さらに、上記実施形態では、制御装置40が、電池モジュールの充電状態を示す各充電情報を取得する場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ある程度、電池ユニット間の充電状態が均等である条件下で使用可能な場合、充電情報の取得を省略してもよい。この場合であっても、制御装置40は、風力発電装置10からの供給電力に応じて、且つ、電力変換器22A〜22Dの電力変換効率をも考慮して、並列にそれぞれ接続された複数の電池ユニット20A〜20Dのうち供給すべき電池ユニットを選択し、その後、非選択の電池ユニットをも含めて各電池ユニット20A〜20Dに均等に電力が供給されるように各スイッチ23A〜23DのON、OFFを順次、相互に切り換えるように制御することができる。
またさらに、上記実施形態では、制御装置40が、各充電情報に基づいて、電池ユニットに電力を供給する優先順位を充電状態の低い順に決定し、その決定した順に電力を供給するようにしたが、本発明はこれに限られない。例えば、充電情報から各電池モジュールの充電状態のバラつきが所定の範囲内に収まる場合は、制御装置40は、風力発電装置10からの供給電力に応じて、且つ、電力変換器22A〜22Dの電力変換効率をも考慮して、並列にそれぞれ接続された複数の電池ユニット20A〜20Dのうち供給すべき電池ユニットを選択し、均等に電力を供給するよう各スイッチ23A〜23DのON、OFFを所定のタイミングで相互に切り換えるように制御することもできる。一方、所定の範囲内に収まらない充電状態の電池ユニットがある場合、制御装置40は、該電池ユニットのみ電力を供給し続け、他の電池ユニット間はスイッチを相互に切り換えて均等に電力を供給するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、制御装置40は、選択部43により選択され、充電中の電池モジュールの充電状態が、非選択の電池ユニットのうち少なくとも1つの電池ユニットの有する電池モジュールの充電状態と同一又は略同一となった場合、風力発電装置10から供給されていた電力の供給先を、充電状態が同一又は略同一の電池ユニット間で交互に切り換えるようにしたが、本発明はこれに限られない。例えば、制御装置40は、選択され、充電中の全ての電池モジュールの充電状態が、非選択の電池ユニットの有する電池モジュールの充電状態と同一又は略同一となるまで、非選択の電池ユニットへの電力の供給をストップするように制御してもよい。
さらに、上記実施形態では、制御装置40において、それぞれの処理機能を有する各部が備えられている構成を説明したが、本発明はこれに限られず、各部を制御装置40と通信可能に接続されたネットワーク上に又は他の装置に備えて構成することもできる。またさらに、制御装置40には、用途に応じた各部がそれぞれ備えられているが、制御装置40に備えられている各部は、そのいくつかを一纏めにして構成されていてもよいし、一つの部をさらに複数の部に分割して構成されていてもよい。
本発明の電池システムは、複数の電池ユニットに備えられた電池モジュールを少なくとも充電を利用するシステムに適用することができ、例えば、電気自動車などモータの回生時に電力を二次電池に貯蔵し、当該二次電池に貯蔵した電力をモータの駆動時に使用する移動用システムとして利用することができる。また、風力発電や太陽光発電のような自然エネルギーを利用して発電した電力を二次電池に貯蔵し、当該二次電池に貯蔵した電力を家庭用の電気設備に使用する電力貯蔵システムや、当該二次電池に貯蔵した電力を交流電力負荷としての電力系統へ売電する電力売電システムなどの定置用システムとして利用することができる。