JP5298649B2 - 音楽装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数種類の楽器等により合奏された演奏を録音した音楽信号等から特定の楽器の楽音を分離したり除去したりする音楽装置に関する。
従来から音楽信号に含まれる音声を除去したり、楽音を除去したりするボイスキャンセラ装置が提案されている。例えば、ステレオ信号に含まれる人間の音声信号成分の周波数帯域を検出する音声信号検出部を備え、この音声信号検出部から送られる、音声信号成分の周波数帯域を示す検出信号に基づいて、ステレオ信号から検出信号が示す周波数帯域の同相信号成分を除去することによって、音声をキャンセルする装置が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、或る方向に存在する音源のみを抽出したり消去したりするために、複数系統の音声信号をそれぞれ複数の周波数帯域に分割すると共に、位相差算出部とレベル比算出部とにより算出された複数の周波数帯域ごとの位相差とレベル比とに基づいて、分割出力について所要の音声信号処理を施して、音源の定位情報を求め、所要の音源の除去等を行い得る装置も提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
特開平3−297300号公報(第3−5頁、第1図) 特開2007−135046公報(第2−14頁、第3図)
しかしながら、上述した最初の発明にあっては、具体的には左信号、右信号の減算を行って同相信号除去を行っているため、ステレオ方式で録音された信号がモノラル音になってしまい、中央方向に定位する音源しか分離できないという課題があった。また、上述した第2の発明によれば、位相差検出部等を備えた複雑な構成となり、信号除去等の処理アルゴリズムも複雑であるといった問題や、そもそも一般的なロックバンド演奏の内、ギター奏者の演奏を除去するためには、位相差情報は役に立たないことが多いという問題もあった。一般に楽曲の録音をする場合、古典音楽等一部の楽曲を除き、楽器毎に独立のマイクロフォンを用いて行われることが多い。これらの楽器の定位は「パンポット」機能を持つ装置(ミキサー等)を用いて行われる。ここで言う「パンポット」とは、各楽器音信号に対して左右の各録音トラックに対応する重み付け(乗算)係数を調整することにより各楽器音毎の左右間の「振幅比」を定め定位を設定する機能である。このパンポットを用いて録音定位を決める場合、位相情報は無視されることが多い。特に、エレキギターの場合はモノラルのピックアップ出力を電気的に増幅して用いることを前提としており、楽器本体の発する音が微小であるため、アコーステイック楽器の録音の様に、楽器本体に向けたステレオマイクを用いて録音することは無い。エレキギターの録音定位は前記パンポットにより振幅比のみ設定され、定位に関する位相情報は無視される場合が多い。エレキギターについて左右の録音波形を比較してもステレオマイクを用いた場合の様な位相関係にはなっていなかったため、位相情報を用いた方法は意味をなさなかった。
本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で正確に、複数種類の楽器等により合奏された演奏を録音した音楽信号から特定の楽器の楽音を分離、除去可能な音楽装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、左信号および右信号からなる2チャンネルの音楽信号をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する帯域分割手段と、
この分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、左信号と右信号のパワー比を求め、求めたパワー比に基づいて、その周波数帯域における、或る基準点においての音源の存在方向に関する情報である定位情報を算出する定位情報算出手段と、
前記分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、重み係数を与える重み付け関数と前記の定位情報とに基づいて、その周波数帯域の左信号及び右信号に乗じる重み係数を決定する重み係数決定手段と、
前記分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、決定された重み係数を分割された信号に乗ずることを左信号、右信号毎に行う重み乗算手段と、
重みを乗じられた総ての左信号を加算する左側加算手段と、
重みを乗じられた総ての右信号を加算する右側加算手段と、を備え
前記定位情報算出手段は、
左信号と右信号のパワー比を横軸、パワーを縦軸とする座標上における、各周波数帯域におけるパワー比、パワーのプロット位置を求め、これを定位情報とすることを特徴とするようにした。なお、音楽情報には楽音信号、音声信号等が含まれる。

定位情報算出手段は、帯域分割手段によって分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、左信号と右信号のパワー比を求め、求めたパワー比に基づいて、その周波数帯域における、或る基準点においての音源の存在方向に関する情報である定位情報を算出する。次いで、重み係数決定手段は、前記分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、重み係数を与える重み付け関数と前記定位情報とに基づいて、その周波数帯域の左信号及び右信号に乗じる重み係数を決定し、更に、重み乗算手段は、前記分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、決定された重み係数を分割された信号に乗ずることを左信号、右信号毎に行う。そして、左側加算手段が、重みを乗じられた総ての左信号を加算する一方、右側加算手段が、重みを乗じられた総ての右信号を加算する。この結果、定位情報が正確に得られた状態で、分割信号に適切な重み係数を乗じることができるので、正確に、複数種類の楽器等により合奏された演奏を録音した音楽信号から特定の楽器の楽音を分離、除去可能となる。
より具体的には、前記装置において、前記定位情報算出手段は、左信号と右信号のパワー比を横軸、パワーを縦軸とする座標上における、各周波数帯域におけるパワー比、パワーのプロット位置を求め、これを定位情報とする構成とし、また、重み係数決定手段は、前記座標上に前記重み付け関数を重畳させて、各プロットに対応して当該関数が示す重み係数を、その周波数帯域の左信号及び右信号に乗じる重み係数とする構成とするのが好適である。
また、重み付け関数としては、単峰性の山型形状のビーム関数、逆凸部型形状のディップ関数、および、左から右に単調増加する第1の関数と左から右に単調減少する第2の関数とを組合せた関数等が挙げられるが、これらに限られるものではない。更に、重み付け関数のパラメータが変更操作可能に構成することで使い勝手の良い音楽装置を実現できる。更に、前記座標上に前記重み付け関数を重畳させる際のその重畳状態を調整可能とするためのパラメータ(定位方向係数)を前記重み係数決定手段に与えるための設定手段を更に備え、前記重み係数決定手段は、与えられた定位方向係数に応じて前記重畳状態を変更する構成とするのが音楽信号の除去、抽出を操作性良く高精度に行えるため好ましい。そして、前記設定手段によって与えられる定位方向係数を予め設定された関係に基づいて係数変換して新たな2つの係数を求める係数変換手段を更に備え、実際の楽器演奏による左右の楽音信号を受信し、左側楽音信号に対して新たな第1の係数を乗じてこの乗算結果を前記左側加算手段に加算すると共に右側楽音信号に対して新たな第2の係数を乗じてこの乗算結果を前記右側加算手段に加算するように構成された装置も提供される。より具体的には、前記重み付け関数を逆凸部型形状のディップ関数とし前記重畳状態の変更をこのディップ関数を前記座標における横軸方向に移動させることとすれば良い。
本発明によれば、簡易な構成で正確に、複数種類の楽器等により合奏された演奏を録音した音楽信号から特定の楽器の楽音を分離、除去可能な音楽装置を実現することができるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は本発明の好適な実施形態である音楽装置1の構成図である。この音楽装置1は、信号帯域分割部10と、定位情報算出部20と、重み係数決定部30と、重み乗算部40と、L側加算部50と、R側加算部51とを有して構成される。この音楽装置1には、複数の楽器の楽音が混ざった左信号(L)および右信号(R)の2チャンネルの信号が入力されるが、音声信号等が入力されても良い。
信号帯域分割部10は、L側部11とR側部12とを有し、左信号および右信号からなる2チャンネルの音楽信号をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する。定位情報算出部20は、信号帯域分割部10にて分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、左信号と右信号のパワー比を求め、求めたパワー比に基づいて、その周波数帯域における、或る基準点においての音源の存在方向に関する情報である定位情報を算出する。なお、「定位情報」の定義は一概に行えないが、ここでは後にも説明するが、或る周波数帯域における、或る基準点においての音源の存在方向に関する情報(基準方向からの方向や位置等も含み)を意味するものである。また、上記或る基準点は例えばステレオマイクロフォンを用いて録音した場合について言えば、左右の両マイクロフォンの中間点等である。
また、重み係数決定部30は、信号帯域分割部10によって分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、重み係数を与える重み付け関数と上記の定位情報とに基づいて、その周波数帯域の左信号及び右信号に乗じる重み係数を決定する。重み乗算部40は、図1に示すように、信号帯域分割部10によって分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、重み係数決定部30によって決定された重み係数を分割された分割信号(信号帯域分割部10から直接出力される信号)に乗ずることを左信号、右信号毎に独立して行う。左信号に対しては、複数の乗算器41のぞれぞれが、順番に分割信号(信号帯域分割部10によって分割された直後の信号)と重みを乗じるように構成されており、同様に、右信号に対しては、複数の乗算器42のぞれぞれが、順番に分割信号と重みを乗じるように構成されている。そして、L側加算部50は、重みを乗じられた総ての左信号を加算すると共に、R側加算部51は、重みを乗じられた総ての右信号を加算するように構成されている。
(動作)
次に具体的な動作を図2、図3を参照して説明する。なお、説明の容易化のため、信号帯域分割部10が、左信号および右信号からなる2チャンネルの音楽信号を5個の周波数帯域に分割した場合を想定して説明する。
左信号(L)及び右信号(R)を入力された信号帯域分割部10が、これらの信号を5個の周波数帯域に分割した様子を図2に示す。図2中、Rは右信号、Lは左信号、5個の周波数帯域をそれぞれ(1)、(2)、(3)、(4)、(5)なる符号で示している。例えば、周波数帯域(1)では、R信号のレベルがL信号のレベルよりも大きく、周波数帯域(2)ではR信号、L信号のレベルが同一であり、周波数帯域(3)ではL信号のレベルがR信号のレベルより高くなっている。なお、周波数帯域の分割処理は、DFTフィルタバンク方等の公知の技術で実行可能でる(特許文献2参照)。
次いで、定位情報算出部20は、これら周波数帯域(1)〜(5)における左信号レベル、右信号レベルを受信し、それぞれの周波数帯域において、左信号と右信号のパワー比を求める。具体的には「LogR−LogL=Log(R/L)(Logは常用対数)」なる演算を行う。次いで、横軸をこのパワー比とし、縦軸をパワーとする座標上に各周波数帯域における値をプロットしていく。なお、図2(a)では縦軸をパワーとして、図2(b)では縦軸は、装置全体との関係を示すため、L信号の帯域分割部11の出力とR信号の帯域分割部12の出力の「帯域毎のパワー和」に対応付けて書いたが、定位情報算出部20の出力はパワー比であり、次段の重み係数決定部30で重み付け係数を決定するためには、図2(b)の縦軸の情報は必要ない。図2(b)の縦軸は、重み係数決定部30で決定された重み付け係数により重み乗算部40で影響を受ける信号帯域分割部10の各出力がどの様な信号であるのかを図3の様に対応付けてプロットした様子を示すためのものである。このプロットを重み付け関数と共に、例えば液晶表示器等により図5に示すように表示することにより除去又は抽出すべき信号に適用する関数の設定が容易になる。
図2はこの様子を示すものであり、「1」乃至「5」は周波数帯域(1)乃至(5)に相当する。例えば、周波数帯域(2)においてはR信号レベルとL信号レベルが同じであるので、パワー比の値は「0」であり、「2」は符号Cで示される中央線(点線図示)上にプロットされる。この場合、図中Cで示された点が基準点となる。また、周波数帯域(3)においては、R信号レベルの方がL信号レベルよりも小さくなるので、「C=0」よりも左側、即ち負の領域にプロットされる。このようにして、左信号と右信号のパワー比を横軸、パワーを縦軸とする座標上における、各周波数帯域におけるパワー比、パワーのプロット位置を求め、これを定位情報とする。なお、図2(b)中においてPow(L)、Pow(R)はそれぞれ左信号、右信号のパワーである。
次いで、これらの情報を受け取った重み係数算出部30は、前記座標上に重み付け関数を重畳させて、各プロットに対応して当該関数が示す重み係数を、その周波数帯域の左信号及び右信号に乗じる重み係数とする。今、重み付け関数の一例として、最小値(min)「0」で最大値(max)「1.0」のディップ関数(Dip関数)を例にとって説明する。図3に示すように、「5」に対する重みはminで「0」となり、「1」に対する重みは「W1」、「4」に対する重みは「W2」と決定し、これらを重み演算部40に出力する。なお、図3の場合には「2」、「3」に対しては、関数が定義されていないため例えば「1」として出力する。
重み演算部40は、例えば、帯域「1」に対する左及び右の分割信号に対してそれぞれ重みW1を乗じて出力し、帯域「4」に対する左及び右の分割信号に対してそれぞれ重みW2を乗じて出力し、…というように重み演算を行う。そして、L側加算部50が、重みを乗じられた総ての左信号を加算する一方、R側加算部51が重みを乗じられた総ての右信号を加算する。この結果、定位情報が正確に得られた状態で、分割信号に適切な重み係数を乗じることができるので、複数種類の楽器等により合奏された演奏を録音した音楽信号から特定の楽器の楽音を極めて正確かつ簡易に分離、除去可能となる。例えば、ギターを含む複数の楽音信号の中からギター楽音信号のみを分離したり除去したりすることが可能となる。
図4は重み付け関数の数例を挙げたものである。図4(a)は逆凸部型形状のディップ関数(Dip間数)、図4(b)は単峰性の山型形状のビーム関数(Beam関数)である。図4(c)は、左から右に単調増加する第1の関数(L_SHELF関数)と、左から右に単調減少する第2の関数(R_SHELF関数)とを示しておりこの「L_SHELF関数」と「R_SHELF関数」とは組合せて用いることができる。Dip間数を用いた場合には関数の最小値に対応する音源からの音を除去することが可能であり、また、Beam関数を用いた場合には、関数の最大値に対応する音源の音のみを分離抽出することができることになる。もちろん、図4に示すものは関数の一例であり、所要の楽音信号や音声信号を除去、分離するために適宜の重み付け関数を採用すれば良い。
なお、本実施形態において用いることができる単調増加関数として最も簡単なものは直線であるが、楽音信号は、大振幅のものは時間軸上でわずかな時間幅のものしかなく、殆どが小振幅なものであるため、直線ではなく小振幅での定位情報に対する分解能が高い関数、換言すれば、小振幅時の微分係数の絶対値が小さい関数を使用するのが望ましく、直線は極力避けたるのが好ましい。なお、「L_SHELF関数」と「R_SHELF関数」とを組合せてガウシアン型の関数を用いて良好な除去、分離性能を実現できることは確認済みである。
(マニュアル設定パネル)
図6は重み付け関数の各種のパラメータを操作子の操作によって変更可能な装置構成を示す。図6におけるマニュアル設定パネル100は、不図示の操作子によって各種のパラメータ変更制御を行うためのものである。今、図5のDip関数を例に採って説明する。この関数のパラメータとしては、逆凸部形状の谷部の深さを示す「Depth」、センター位置Cからの立上がり部までのオフセット量である「R_ShelfOffset」、センター位置Cからの立下がり部までのオフセット量である「L_ShelfOffset」がある。
マニュアル設定パネル100の不図示の操作子を操作してこれらパラメータ量の変更を指示するとその旨の制御信号が、重み係数決定部30に送信され、これを受けとった重み係数決定部30はこれらの制御信号に応答して、指示されたように上記パラメータ(なお、この「パラメータ」を「定位方向係数」とも称する)を変更する。オフセット量を変更すると模擬的に関数全体を左右に変更移動することが可能になる。このように、重み付け関数のパラメータが変更操作可能に構成されているので、所要の楽音信号や音声信号の除去や分離を極めて操作性良く行うことが可能となる。また、重み係数算出部30が、前述した座標上に重み付け関数を重畳させて各プロットに対応して当該関数が示す重み係数を求める際に、その重畳状態を細かに調整可能として楽音信号や音声信号の除去や分離を極めて高精度に行うことが可能になる。
(他の構成例)
図8は他の構成例の説明図、図7はこの構成例で行う処理の模式的な説明図である。図7(a)の模式的平面図に示すように、「ピアノ」、「ベース/ドラム」、「ギター」、「ボーカル」が配置され、複数の楽音信号や音声信号が発生可能となっている。なお、図中符号Rは右側、Lは左側を示し、符号Aはギターの位置を示す。この状態において、ギター(A)の楽音信号を除去し、その替わりに図7(b)に示すように、本装置を使用するユーザーが実際に演奏したギター(B)の楽音信号を他の音楽信号に混合して演奏を楽しむことを実現する。
図8に示すようにこの装置の構成の特徴的な部分は、図1に示す構成にマニュアル設定パネル100、係数変換部200、ミキサ部300を更に備えた点にある。上述したようにマニュアル設定パネル100は、前記座標上に重み付け関数を重畳させる際のその重畳状態を調整可能とするためのパラメータ(定位方向係数)を重み係数決定部30に与えるためのものであり、重み係数決定部30は、与えられた定位方向係数に応じて重み付け関数の重畳状態を変更する。図10は、あくまでも重み付け関数の一例としてのDip関数の重畳状態の変更例である(理解容易にため図2、3に示すプロットは不図示とする)。今、図5における「R_ShelfOffset」を「α」とし、「L_ShelfOffset」を「β」とする。すると、Dip関数の最小値部、即ち、中心部分の基準点からの距離が「(α+β)/2」であるので、マニュアル設定パネル100によってα、βが変化すると、Dip関数は全体的に左右方向(矢印Gで示す)に移動可能となり、前述した座標と重み付関数との重畳状態が変化する。
係数変換部200は、マニュアル設定パネル100からの定位方向係数(α、β)を受け付け、これを新たな2つの係数Lp、Rp(Lは左、Rは右、pはパンポットを意味する)を生成する。図9は係数変換の際に使用する係数変換テーブル210の説明図である。Dip関数の中心部分の基準点からの距離「(α+β)/2」とRpとLpとが対応付けて登録されている。例えば、「(α+β)/2」が最も小さな値minである場合には、係数変換部200は、2つの新たな係数を夫々係数R1、L1として求める。かくして、定方向係数から新たな2個の係数が求まる。なお、例えば係数RpとLpの関係は「Lp=1−Rp」とすれば良い。このような係数変換を行うのは、ミキサ部300が有するパンポット機能による定位位置と、定位方向係数α、βによって決定されるギター楽音信号除去方向とを一致させるためである。即ち、図7(a)の符号Aで示すギターの楽音信号を除去し、その位置に図7(b)の符号Bで示す、演奏者が演奏するギターの楽音信号を定位させるためである。
ミキサ部300は、ユーザーが実際にギターを演奏した左右ステレオの楽音信号を受信可能になっており、乗算器400、410と、L側加算部500、R側加算部510とを備える。そして、係数変換部200で求められた係数Lpは乗算器400の係数となり、ユーザーの演奏信号の左チャンネル信号(L)がこの乗算器400によって乗算されると共に、係数変換部200で求められた係数Rpは乗算器410の係数となり、ユーザーの演奏信号の右チャンネル信号(R)がこの乗算器410によって乗算される。更に、乗算器400による乗算結果は、L側加算部500によって、L側加算部50の加算結果と加算され出力されると共に、乗算器410による乗算結果は、R側加算部510によって、R側加算部51の加算結果と加算され出力される。かくして、ユーザーが実際に演奏するギターの楽音信号が混合されるように構成されている。
(動作)
ユーザーがマニュアル設定パネル100のα、βを調整して、Dip関数を移動させ、図7(a)の符号Aに示すギターの楽音信号を除去する。すると、この定位方向係数α、βは、係数変換部200に送られ、係数変換部200は新たな2つの係数Lp、Rpを求める。そして、求めた係数Lp、Rpが乗算器400、410の係数となり、ユーザーの演奏信号の左チャンネル信号(L)がこの乗算器400によって乗算されると共に、係数変換部200で求められた係数Rpは乗算器410の係数となり、ユーザーの演奏信号の右チャンネル信号(R)がこの乗算器410によって乗算される。そして、乗算器400による乗算結果は、L側加算部500によって、L側加算部50の加算結果と加算され出力されると共に、乗算器410による乗算結果は、R側加算部520によって、R側加算部51の加算結果と加算され出力される。かくして、ユーザーが実際に演奏するギターの楽音信号が混合される。即ち、図7(a)の符号Aに示すギターの楽音信号の替わりに図7(b)の符号Bに示すようにユーザーが演奏するギターの楽音信号が用いられ、あたかもユーザーが演奏に参加しているような気分を味わって演奏を楽しむことが可能になる。
なお、上述したのは重み付け関数としてDip関数を採用した場合の一例の動作であり、図4に示すような他の関数の定位方向係数を調整して、同様な処理を実行できる。また、以上のような処理は、例えば、CPUやDSPが記録部に記録されたプログラムを実行することにより実現することが可能である。もちろん、角乗算器41、42、400、410もプログラムを実行することによって実現可能である。
以上説明してきたように、音楽分野に適用して好適な装置を提供することができる。
音楽装置1の構成図である。 定位情報算出部20の動作の説明図である。 重み係数決定部30の動作の説明図である。 重み付け関数例の説明図である。 重み付け関数のパラメータ(定位方向係数)変更の説明図である。 マニュアル設定パネルの説明図である。 他の例の説明図である。 他の構成例の説明図である。 係数変換テーブル210の説明図である。 ディップ関数の重畳状態変更例の説明図である。
符号の説明
1 音楽装置
10 信号帯域分割部
20 定位情報算出部
30 重み係数決定部
40 重み乗算部
41 乗算器
42 乗算器
50 L側加算部
51 R側加算部
100 マニュアル設定パネル
200 係数変換部
210 係数変換テーブル
300 ミキサ部
400 乗算器
410 乗算器
500 L側加算部
510 R側加算部

Claims (8)

  1. 左信号および右信号からなる2チャンネルの音楽信号をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する帯域分割手段と、
    この分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、左信号と右信号のパワー比を求め、求めたパワー比に基づいて、その周波数帯域における、或る基準点においての音源の存在方向に関する情報である定位情報を算出する定位情報算出手段と、
    前記分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、重み係数を与える重み付け関数と前記の定位情報とに基づいて、その周波数帯域の左信号及び右信号に乗じる重み係数を決定する重み係数決定手段と、
    前記分割された複数の周波数帯域のそれぞれにおいて、決定された重み係数を分割された信号に乗ずることを左信号、右信号毎に行う重み乗算手段と、
    重みを乗じられた総ての左信号を加算する左側加算手段と、
    重みを乗じられた総ての右信号を加算する右側加算手段と、を備え
    前記定位情報算出手段は、
    左信号と右信号のパワー比を横軸、パワーを縦軸とする座標上における、各周波数帯域におけるパワー比、パワーのプロット位置を求め、これを定位情報とすることを特徴とする音楽装置。
  2. 請求項に記載の装置において、
    前記重み係数決定手段は、
    前記座標上に前記重み付け関数を重畳させて、各プロットに対応して当該関数が示す重み係数を、その周波数帯域の左信号及び右信号に乗じる重み係数とすることを特徴とする音楽装置。
  3. 請求項1および2の内のいずれか一項に記載の装置において、
    前記重み付け関数は、
    単峰性の山型形状のビーム関数、逆凸部型形状のディップ関数、および、左から右に単調増加する第1の関数と左から右に単調減少する第2の関数とを組合せた関数が含まれることを特徴とする音楽装置。
  4. 請求項1、2および3の内のいずれか一項に記載の装置において、
    前記重み付け関数のパラメータが変更操作可能に構成されていることを特徴とする音楽装置。
  5. 請求項1、2、3および4の内のいずれか一項に記載の
    前記音楽信号には、複数の楽音信号、音声信号が含まれることを特徴とする音楽装置。
  6. 請求項に記載の装置において、
    前記座標上に前記重み付け関数を重畳させる際のその重畳状態を調整可能とするためのパラメータ(定位方向係数)を前記重み係数決定手段に与えるための設定手段を更に備え、前記重み係数決定手段は、与えられた定位方向係数に応じて前記重畳状態を変更することを特徴とする音楽装置。
  7. 請求項に記載の装置において、
    前記設定手段によって与えられる定位方向係数を予め設定された関係に基づいて係数変換して新たな2つの係数を求める係数変換手段を更に備え、
    実際の楽器演奏による左右の楽音信号を受信し、左側楽音信号に対して新たな第1の係数を乗じてこの乗算結果を前記左側加算手段に加算すると共に右側楽音信号に対して新たな第2の係数を乗じてこの乗算結果を前記右側加算手段に加算するように構成されたことを特徴とする音楽装置。
  8. 請求項およびの内のいずれか一項に記載の装置において、
    前記重み付け関数は、逆凸部型形状のディップ関数であり、前記重畳状態の変更は、このディップ関数を前記座標における横軸方向に移動させることであることを特徴とする音楽装置。
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