本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる場合がある。
はじめに、図1を用いて本発明の半導体装置の一例について図面を参照して説明する。具体的には、半導体装置に設けられた温度を検出するセンサー部に関して説明する。なお、図1において、図1(B)は図1(A)のA−B間の断面の模式図を示している。
本発明の半導体装置は、基板101上に形成された半導体膜102と、当該半導体膜102を覆うように設けられた絶縁膜104と、当該絶縁膜104上に形成され且つ半導体膜102と電気的に接続する第1の導電膜105aおよび第2の導電膜105bとを少なくとも有している。半導体膜102は、第1の領域102aと第2の領域102bとを有しており、第1の領域102aと第1の導電膜105aとが電気的に接続し、第2の領域102bと第2の導電膜105bとが電気的に接続している。なお、図1に示す半導体装置において、第1の領域102aと第1の導電膜105aとの接続部103aと第2の領域102bと第2の導電膜105bとの接続部103bの一方または両方にシリサイドが設けられた構成とすることが好ましい。この場合、半導体膜102と第1の導電膜105aまたは第2の導電膜105bは、シリサイドを介して接続される。
基板101としては、ガラス基板、石英基板、セラミック基板またはステンレスを含む金属基板等を用いる事ができる。また、Si等の半導体基板を用いてもよい。他にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックやアクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能であり、このような基板であれば、その面積や形状に大きな制限が無いため、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることが可能となる。このような利点は円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。なお、基板の表面を、あらかじめ研磨処理等により平坦化しておいてもよい。
半導体膜102としては、非晶質(アモルファス)半導体またはセミアモルファス半導体で形成することができる。また多結晶半導体や単結晶半導体を用いていても良い。セミアモルファス半導体は、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいる。少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶領域を観測することができ、珪素を主成分とする場合にはラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしている。X線回折では珪素結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)を終端させるために水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。
絶縁膜104としては、CVD法やスパッタ法等により形成された、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、スピンコート法や液滴吐出法やスクリーン印刷法等により形成された、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
第1の導電膜105a、第2の導電膜105bとしては、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷法、液滴吐出法またはディスペンサ法等により形成された、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなる単層構造または積層構造を用いることができる。例えば、当該元素を複数含む合金からなる導電膜として、例えばCとTiを含有したAl合金、Niを含有したAl合金、CとNiを含有したAl合金、CとMnを含有したAl合金等を用いることができる。また、積層構造で設ける場合、例えば、AlをTiで挟んで積層(Ti膜とAl膜とTi膜を順に積層)させることによって設けることができる。
半導体膜102にシリサイドを設ける場合には、半導体膜102としてシリコン(Si)を含んだ半導体膜を用い、当該半導体膜とニッケル(Ni)、コバルト(Co)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、白金(Pt)等の金属との化合物で設けることができる。
また、図1に示す半導体装置では、第1の領域102aと第1の導電膜105aとの接続部103aまたは第2の領域102bと第2の導電膜105bとの接続部103bのいずれか一方(ここでは第1の領域102aと第1の導電膜105a)の接続において、ショットキー障壁が発生(ショットキーバリアダイオードが形成)する接続とし、他方(ここでは第2の領域102bと第2の導電膜105b)の接続部ではオーミック接触となるように設ける。なお、ここでいうオーミック接触とは、半導体膜に不純物領域を導入することによって、ショットキー障壁の厚さを薄くし、キャリアがトンネル効果により自由に通過できる状態を含む。
また、ショットキー障壁が発生する接続とするために、金属材料やシリサイド材料の仕事関数φmと半導体の電子親和力χを考慮して、上記第1の導電膜105a、105b、シリサイドの材料を選択する。半導体膜としてn型の半導体を用いる場合には、金属材料やシリサイド材料の仕事関数φmが半導体の電子親和力χより大きくなるように(φm>χ)材料を選択することが好ましく、例えば、白金(Pt)、ニッケル(Ni)またはこれらのシリサイドを用いることが好ましい。また、半導体膜としてp型の半導体を用いる場合には、金属材料やシリサイド材料の仕事関数φmが半導体の電子親和力χとエネルギーギャップEg/qより小さくなるように(φm<χ+Eg/q)材料を選択することが好ましい。また、オーミック接触とする場合には、上述した関係と逆になるように材料を選択するか、不純物元素の導入量を増やすことによりショットキー障壁の厚さを薄くすることによりキャリアがトンネル効果により自由に通過できるようにする。
本発明では、半導体膜と導電膜との接続部に形成されたショットキーバリアダイオードを温度センサーとして用いる。具体的には、半導体膜の表面に金属膜または金属シリサイドを形成して、その部分にショットキーバリアダイオードを意図的に形成し(ショットキー障壁を発生させ)、周囲の温度変化に応じて変化するショットキーバリアダイオードの抵抗値の変化を電気的に検出することによって温度センサーとして機能させる。ショットキーバリアダイオードを温度センサー部として用いた場合には、ショットキーバリアダイオードに逆方向バイアスを加えたときに流れる逆方向電流が温度に依存して変化することを利用することができる。特に、ショットキーバリアダイオードでは、逆方向にバイアスを加えたときに、当該バイアス電圧に対する逆方向電流の依存性が弱いため、仮に、測定時にバイアス電圧がふらついても逆方向電流のふらつきが小さく、温度に応じて変化する電流値を安定して測定することが可能である。
図1に示すように、半導体膜102と第1の導電膜105aおよび第2の導電膜105bとの接続において、一方をショットキー障壁が発生する接続とし、他方をオーミック接触とするために、一方の領域にのみ不純物領域を形成する。具体的には、半導体膜102における第1の領域102aと第2の領域102bのどちらか一方にだけ不純物元素を導入することにより、第1の領域102aと第2の領域102bの一方を不純物領域とし、他方を真性領域とする。例えば、第1の領域102aと第1の導電膜105aとの接続をショットキー障壁が発生する接続とし、第2の領域102bと第2の導電膜105bとの接続をオーミック接触とする場合には、第2の領域102bにのみn型(またはp型)を示す不純物元素を導入し、第1の領域102aには不純物元素の導入を行わない。
また、他にも、半導体膜102と第1の導電膜105aおよび第2の導電膜105bとの接続において、一方をショットキー障壁が発生する接続とし、他方をオーミック接触とするために、第1の領域102aと第2の領域102bとに含まれる不純物元素の濃度が異なるように設けてもよい。具体的には、第1の領域102aと第2の領域102bにそれぞれn型(またはp型)の不純物元素を異なる濃度で導入することにより、第1の領域102aと第2の領域102bの各々に異なる濃度の不純物領域を形成する。例えば、第1の領域102aと第1の導電膜105aとの接続をショットキー障壁が発生する接続とし、第2の領域102bと第2の導電膜105bとの接続をオーミック接触とする場合には、第2の領域102bに第1の領域102aより高濃度のn型(またはp型)を示す不純物元素を導入し、第1の領域102aを第2の領域102bより低濃度のn型(またはp型)不純物領域(n−領域(またはp−領域))とする。なお、低濃度の不純物領域とは、高濃度の不純物領域と比較して半導体膜に含まれる不純物元素の濃度が小さいことをいう。
なお、第1の領域102aと第2の領域102bとに不純物領域を形成する場合、半導体膜の不純物領域と導電膜との接続において、ショットキー障壁が発生する接続とするかオーミック接触とするかは、半導体膜に導入する不純物元素の濃度を調整することにより制御することができる。具体的には、前述したように、ショットキー障壁が発生する接続とする領域には低濃度の不純物元素を導入し、オーミック接触とする領域にはショットキー障壁を発生させる領域に導入する不純物より高濃度の不純物元素を導入する。例えば、ショットキー障壁が発生する接続とする領域には、P(リン)を1×1017cm−3未満またはB(ボロン)を1×1018cm−3未満の濃度で導入し、オーミック接触とする領域にはそれ以上の濃度で導入することが好ましい。
また、図1に示す半導体装置では、半導体膜102と第1の導電膜105aおよび第2の導電膜105bとの接続において、一方の接続にショットキー障壁が発生する接続とし、他方の接続がオーミック接触となるように設けた構成としたが、これに限られず両方の接続をショットキー障壁が発生する接続とすることも可能である。この場合、半導体膜102の第2の領域102bに第1の領域102aと同一の濃度のn型またはp型の不純物を導入して不純物領域を形成することによって、第1の領域102aと第1の導電膜105aとの接続部および第2の領域102bと第2の導電膜105bとの接続部でショットキーバリアダイオードを設ける構成とすることができる。また、他にも、半導体膜102の第1の領域102aおよび第2の領域102bに不純物元素を導入せずに真性半導体とすることによって、第1の領域102aと第1の導電膜105aとの接続部および第2の領域102bと第2の導電膜105bとの接続部でショットキーバリアダイオードを設ける構成とすることができる。
このように、基板上に設けられた半導体膜と導電膜との接続部にショットキーバリアダイオードを形成し、観測対象物から放射される赤外線を、例えば基板101の下側から半導体膜102(より詳しくは、第1の領域102a)で受光し、受光した赤外線の強さに応じて変化するショットキーバリアダイオードの抵抗値の変化を電気的に検出することによって、周囲の温度変化を測定することができる。
なお、図1では基板101上に形成された半導体膜102を用いた例を示したが、半導体膜102に代えて、基板101としてシリコン等の半導体基板を用い、当該半導体基板に第1の領域102aと第2の領域102bを作り込んで設けてもよい。この場合には、半導体基板に形成された第1の領域102aと第1の導電膜105a、第2の領域102bと第2の導電膜105bとの接続の少なくとも一方をショットキー障壁が発生する接続とする。半導体基板としては、不純物元素が導入されていない真性半導体を用いてもよいし、不純物元素を導入した不純物半導体を用いてもよい。不純物元素を導入した不純物半導体を用いる場合には、上述したように導入する不純物元素の濃度を調整することによりショットキー障壁が発生する接続とするかオーミック接触とするかを制御する。具体的には、ショットキー障壁が発生する接続とする領域には低濃度の不純物元素を導入し、オーミック接触とする領域にはショットキー障壁を発生させる領域に導入する不純物より高濃度の不純物元素を導入し、例えば、ショットキー障壁が発生する接続とする領域には、P(リン)を1×1017cm−3未満またはB(ボロン)を1×1018cm−3未満の濃度で導入し、オーミック接触とする領域にはそれ以上の濃度で導入することが好ましい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、トランジスタおよび上述したセンサー部を有する半導体装置の作製方法に関して図面を参照して説明する。具体的には、トランジスタとセンサー部を同一基板上に形成する方法に関して説明する。
まず、基板201上に絶縁膜202を形成し、当該絶縁膜202上に半導体膜203を形成する(図2(A))。
基板201としては、ガラス基板、石英基板、セラミック基板またはステンレスを含む金属基板等を用いる事ができる。また、Si等の半導体基板を用いてもよい。他にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックやアクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能であり、このような基板であれば、その面積や形状、大きな制限が無いため、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることが可能となる。このような利点は円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。なお、基板の表面を、あらかじめ研磨処理等により平坦化しておいてもよい。
絶縁膜202としては、CVD法やスパッタ法等を用いて、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。例えば、絶縁膜202を2層構造で設ける場合、1層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜で設け、2層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を設けるとよい。また、絶縁膜202を3層構造で設ける場合、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を設け、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を設け、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を設けるとよい。このように、下地膜として機能する絶縁膜202を形成することによって、基板201からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体膜203中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを抑制することができる。
半導体膜203としては、非晶質(アモルファス)半導体またはセミアモルファス半導体で形成することができる。また多結晶半導体膜を用いていても良い。セミアモルファス半導体は、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいる。少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶領域を観測することができ、珪素を主成分とする場合にはラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしている。X線回折では珪素結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)を終端させるために水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。
セミアモルファス半導体は、珪素を含む気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪素を含む気体としては、SiH4、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることが可能である。またGeF4を混合させても良い。この珪素を含む気体をH2、または、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈してもよい。希釈率は2〜1000倍の範囲、圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz、基板加熱温度は300℃以下でよい。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020cm−3以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019cm−3以下、好ましくは1×1019cm−3以下とする。ここでは、スパッタ法、CVD法等を用いてシリコン(Si)を主成分とする材料(例えばSixGe1−x等)で非晶質半導体膜を形成し、当該非晶質半導体膜をレーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法などの結晶化法により結晶化させる。また、他にも、DCバイアスを印加して熱プラズマを発生することにより、当該熱プラズマを半導体膜に作用させることによって半導体膜の結晶化を行うことも可能である。なお、あらかじめ半導体膜203にチャネルドープとして微量のリン(P)やボロン(B)等の不純物元素を導入しておいてもよい。チャネルドープとは、チャネル領域へ不純物を導入することをいう。
次に、半導体膜203を選択的にエッチングすることにより島状の半導体膜203a〜203cを形成し、当該半導体膜203a〜203cを覆うようにゲート絶縁膜204を形成する(図2(B))。
ゲート絶縁膜204としては、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。また、他にも半導体膜203a〜203cに酸素雰囲気下(例えば、酸素(O2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下または酸素と水素(H2)と希ガス雰囲気下)または窒素雰囲気下(例えば、窒素(N2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下または窒素と水素と希ガス雰囲気下またはNH3と希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行い、当該半導体膜203a〜203cの表面を酸化処理または窒化処理することによって、ゲート絶縁膜を形成することもできる。また、プラズマ処理として高周波(マイクロ波等)を用いて高密度(好ましくは、1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下)、且つ低電子温度(好ましくは0.5eV以上1.5eV以下)の条件下(以下、「高密度プラズマ処理」)で行うことが好ましい。高密度プラズマ処理により半導体膜203a〜203cに酸化処理または窒化処理を行うことによって形成されるゲート絶縁膜は、CVD法やスパッタ法等により形成された絶縁膜と比較して膜厚等が均一性に優れ、且つ緻密な膜を有している。
次に、半導体膜203aおよび半導体膜203bの上方にゲート絶縁膜204を介してゲート電極205を選択的に形成し、当該ゲート電極205をマスクとして半導体膜203a、半導体膜203bおよび半導体膜203cにn型またはp型の第1の不純物元素231を導入して第1の不純物領域206を選択的に形成する(図2(C))。ここでは、第1の不純物元素231として、n型を示す不純物元素を導入することによって、n型を示す第1の不純物領域206を形成する。n型を示す不純物元素として、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。
ゲート電極205としては、CVD法やスパッタ法等により、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の単層構造または積層構造で設けることができる。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成することもできる。例えば、窒化タンタルとタングステンとの積層構造で設けることができる。
次に、半導体膜203aおよび半導体膜203cをレジスト207で選択的に覆い、レジスト207および半導体膜203b上に形成されたゲート電極205をマスクとして、n型またはp型の第2の不純物元素232を導入することによって、半導体膜203bに第2の不純物領域208を選択的に形成する(図2(D))。ここでは、第2の不純物元素232として、p型を示す不純物元素を導入することによって、p型を示す第2の不純物領域208を形成する。p型を示す不純物元素として、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。
次に、レジスト207を除去した後、半導体膜203aおよび半導体膜203bのゲート電極205の側壁に絶縁膜234(サイドウォールともいう)を選択的に形成する。続けて、半導体膜203cの一部および半導体膜203bをレジスト209で選択的に覆い、レジスト209および半導体膜203a上に形成されたゲート電極205および絶縁膜234をマスクとして、n型またはp型の第3の不純物元素233を導入することによって、半導体膜203aに第3の不純物領域210を選択的に形成する(図2(E))。ここでは、第3の不純物元素233として、n型を示し且つ第1の不純物元素231より高濃度の不純物元素を導入することによって、n型を示す第3の不純物領域210を形成する。
次に、半導体膜203a〜203c、ゲート電極205および絶縁膜234を覆うように絶縁膜211、絶縁膜212を形成する(図3(A))。
絶縁膜211としては、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。
絶縁膜212としては、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜からなる単層または積層構造で設けることができる。また、他にも、スピンコート法、蒸着法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、図3(A)において、絶縁膜211を設けずに半導体膜203a〜半導体膜203c、ゲート電極および絶縁膜234を覆うように絶縁膜212を直接設けることも可能である。
次に、絶縁膜211および絶縁膜212に開口部213を選択的に形成し、半導体膜203a〜203cの一部を露出させる(図3(B))。ここでは、半導体膜203aにおける第3の不純物領域210、半導体膜203bにおける第2の不純物領域208、半導体膜203cにおける第1の不純物領域206および第3の不純物領域210が露出する。
次に、半導体膜203a〜203cの露出した表面に接するように金属膜214を形成する(図3(C))。
金属膜214としては、CVD法やスパッタ法等により、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、白金(Pt)等から選択された元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の単層構造または積層構造で設けることができる。
次に、熱処理を行い金属膜214が接する半導体膜203a〜203cの表面に金属シリサイド215a〜215dを形成する(図3(D))。ここでは、シリサイド215a〜215dとしてニッケルシリサイドを形成する。
なお、ここでは、半導体膜203a〜203cの表面に金属シリサイドを形成した例を示しているが、これより前の段階で半導体膜203aおよび半導体膜203bの表面にあらかじめ金属シリサイドを形成しておいてもよい。例えば、図2(E)の工程の後、レジスト209を除去し、再度半導体膜203cをレジストで覆い、半導体膜203aおよび半導体膜203bの露出した部分(ゲート電極205および絶縁膜234に覆われていない部分)全面にシリサイドを形成してもよい。このように、あらかじめ半導体膜203aおよび半導体膜203bの表面にシリサイドを形成しておき、図3(D)において半導体膜203cの表面にシリサイドを形成してもよい。
シリサイド215a〜215dとしては、半導体膜203a〜203cに含まれるシリコンと金属膜214との化合物によって形成されたニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、タングステンシリサイド、モリブデンシリサイド、チタンシリサイドまたは白金シリサイド等で設けることができる。
次に、絶縁膜212上および開口部213に半導体膜203a〜203cと電気的に接続する導電膜216を選択的に形成する(図3(E))。ここでは、半導体膜の表面にニッケルシリサイドを形成し、当該ニッケルシリサイドと電気的に接続するように導電膜216として、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)等を形成する。
以上の工程によって、半導体膜203a〜203cと導電膜216とが接続された、nチャネル型薄膜トランジスタ218a、pチャネル型薄膜トランジスタ218bおよびセンサー部218cを有する半導体装置を作製することができる。
nチャネル型薄膜トランジスタ218aにおいては半導体膜203aと導電膜216がシリサイド215aを介して接続されており、pチャネル型薄膜トランジスタ218bにおいては半導体膜203bと導電膜216がシリサイド215bを介して接続されている。また、センサー部218cにおいては、半導体膜203cに第1の不純物領域206で形成される第1の領域220aと第3の不純物領域210で形成される第2の領域220bとが設けられており、第1の領域220aと導電膜216はシリサイド215cを介して接続されており、第2の領域220bと導電膜216とはシリサイド215dを介して接続されている。なお、上記工程において半導体膜203a〜203cにシリサイドを形成せずに半導体膜203a〜203cと導電膜216とを接続させる構造としてもよい。この場合、導電膜216をシリサイドで形成してもよい。
また、上記作製工程において、nチャネル型薄膜トランジスタ218aにおける半導体膜203aと導電膜216との接続部217a(半導体膜203aとシリサイド215aとの接続)がオーミック接触となるように、半導体膜203aに導入する第3の不純物元素233の濃度を調整する。同様に、pチャネル型薄膜トランジスタ218bにおける半導体膜203bと導電膜216との接続部217b(第2の領域220bとシリサイド215dとの接続)がオーミック接触となるように、半導体膜203bに導入する第2の不純物元素232の濃度を調整する。また、センサー部218cにおける半導体膜203cの第1の領域220aと導電膜216との接続部217c(第1の領域220aとシリサイド215cとの接続)はショットキー障壁が発生するように、半導体膜203cに導入する第1の不純物元素231の濃度を調整し、且つ半導体膜203cの第2の領域220bと導電膜216との接続(第2の領域220bとシリサイド215dとの接続)はオーミック接触となるように、半導体膜203cに導入する第3の不純物元素233の濃度を調整する。
このように、本実施の形態では、半導体膜と導電膜との接続(半導体膜とシリサイドの接続)をオーミック接触とするかショットキー障壁が発生する接続とするかの制御を、半導体膜203a〜203cに対して導入する不純物元素の濃度を制御することにより行う。具体的には、ショットキー障壁が発生する接続とする領域には低濃度の不純物元素を導入し、オーミック接触とする領域にはショットキー障壁を発生させる領域に導入する不純物より高濃度の不純物元素を導入し、例えば、ショットキー障壁が発生する接続とする領域には、P(リン)を1×1017cm−3未満またはB(ボロン)を1×1018cm−3未満の濃度で導入し、オーミック接触とする領域にはそれ以上の濃度で導入することが好ましい。
なお、本発明の半導体装置に含まれる薄膜トランジスタの構造は上述した構造に限られない。例えば、図3(E)では、nチャネル型薄膜トランジスタ218aにおいてサイドウォールとして機能する絶縁膜234の下方に位置する半導体膜203aにLDD(Lightly Doped drain)領域を設け、pチャネル型薄膜トランジスタ218bにはLDD領域を設けていないが、両方にLDD領域を設けた構成としてもよいし、両方にLDD領域およびサイドウォールを設けない構造(図4(A))とすることもできる。また、薄膜トランジスタの構造として上述した構造に限られず、チャネル形成領域が1つ形成されるシングルゲート構造でもよいし、2つ形成されるダブルゲート構造または3つ形成されるトリプルゲート構造等のマルチゲート構造を用いることができる。また、ボトムゲート構造としてもよいし、チャネル形成領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極を有するデュアルゲート型としてもよい。また、ゲート電極205を下方に形成される第1の導電膜205aと上方に形成される第2の導電膜205bとの積層構造で設ける場合に、当該第1の導電膜205aをテーパー状で形成し、第1の導電膜205aにのみ重なるようにLDD領域を設ける構造(図4(B))で設けることもできる。また、ゲート電極205を下方に形成される第1の導電膜205aと上方に形成される第2の導電膜205bとの積層構造で設ける場合に、当該第2の導電膜205bの側壁に接し且つ第1の導電膜205aの上方に形成されるようにサイドウォールとして機能する絶縁膜234を設ける構造(図4(C))とすることも可能である。
また、センサー部218cは上述した構成に限られず、半導体膜203cと導電膜216との接続(半導体膜203cとシリサイド215cまたは215dとの接続)でショットキーバリアダイオードが形成される構造ならどのような構造で設けてもよい。
例えば、半導体膜203cの全面に第1の不純物元素231を導入し、当該半導体膜203cを第1の不純物領域206で設けた構造とすることもできる(図5(A))。この場合、第1の不純物領域206に導入する不純物元素の濃度を調整することにより、図3に示す半導体膜203cにおける第1の領域220aと導電膜216との接続および第2の領域220bと導電膜216との接続の双方にショットキーバリアダイオードが形成される。なお、図5(A)に示す構造は、図2(E)において、半導体膜203a、203cに第3の不純物元素233を導入する際に、半導体膜203c全体をレジスト209で覆い当該半導体膜203cに第3の不純物元素233 が導入されないようにすることによ
り設けることができる。
他にも、半導体膜203の第2の領域に第2の不純物元素232を導入し、n型の第1の不純物元素が導入された第1の領域220aと、p型の第2の不純物元素が導入された第2の領域220bとからなる構造とすることもできる(図5(B))。この場合、図3(E)に示す半導体膜203cにおける第1の領域220aと導電膜216との接続にショットキーバリアダイオードが形成され、第2の領域220bと導電膜216との接続がオーミック接触となる。なお、図5(B)に示す構造は、図2(D)において、半導体膜203bに第2の不純物元素232を導入する際に、半導体膜203cの一部にも同時に第2の不純物元素232を導入し、図2(E)において半導体膜203cに第3の不純物元素233を導入しないようにすることにより設けることができる。
また、他にも図2(C)において、半導体膜203cをレジスト227で覆い、半導体膜203aおよび半導体膜203bに第1の不純物元素231を導入し、その後半導体膜203cの一部(第2の領域220b)に第3の不純物元素233を導入して第3の不純物領域210を形成する構成としてもよい(図15(A)〜(D))。つまり、半導体膜203cの第1の領域220aは半導体膜203a、203bのチャネル形成領域と同様に第1の不純物元素231〜第3の不純物元素233が導入されていない構造となっている。この場合、半導体膜203cの第1の領域220aと導電膜216との接続にショットキーバリアダイオードが形成され、第2の領域220bと導電膜216との接続がオーミック接触となる。
また、半導体膜203cの第2の領域220bを第2の不純物領域208となるように形成してもよい(図16(A))。具体的には、図15(B)において、半導体膜203cが一部露出するようにレジスト207を形成し、半導体膜203cの一部(第2の領域220b)に第2の不純物元素232を導入し、図15(C)において、半導体膜203cをレジスト209で覆い第3の不純物元素233を導入しないようにすることによって設けることができる。この場合も、半導体膜203cの第1の領域220aと導電膜216との接続にショットキーバリアダイオードが形成され、第2の領域220bと導電膜216との接続がオーミック接触となる。
また、半導体膜203cの第2の領域220bを第1の不純物領域206となるように形成してもよい(図16(B))。具体的には、図15(A)において、半導体膜203cが一部露出するようにレジスト227を形成し、半導体膜203cの一部(第2の領域220b)に第1の不純物元素231を導入し、図15(C)において、半導体膜203cをレジスト209で覆い第3の不純物元素233を導入しないようにすることによって設けることができる。この場合、半導体膜203cの第1の領域220aと導電膜216との接続にショットキーバリアダイオードが形成され、第2の領域220bと導電膜216との接続がオーミック接触となる。なお、第1の不純物元素の濃度によっては、第2の領域220bと導電膜216との接続にショットキーバリアダイオードが形成される場合もある。
また、半導体膜203cに不純物元素を導入しなくてもよい(図16(C))。具体的には、図15(A)〜(C)の各工程において、半導体膜203cをレジストで覆い、第1の不純物元素231〜第3の不純物元素233を導入しないようにする。この場合、半導体膜203cの第1の領域220aと導電膜216との接続および第2の領域220bと導電膜216との接続にショットキーバリアダイオードが形成される。
また、センサー部218cの構造として、他にも図6に示す構造で設けることができる。なお、図6において、図6(B)は図6(A)のA−B間の断面の模式図を示している。
図6に示す構造は、基板101上に形成された半導体膜102と、当該半導体膜102を覆うように設けられた絶縁膜104と、当該絶縁膜104上に形成され且つ半導体膜102と電気的に接続する第1の導電膜125a、第2の導電膜125bおよび第3の導電膜125cとを有している。半導体膜102は、第1の領域122a、第2の領域122bおよび第3の領域122cが順に接して形成されており、第1の領域122aと第1の導電膜125aとが接続し、第2の領域122bと第2の導電膜125bとが接続し、第3の領域122cと第3の導電膜125cとが接続している。なお、第1の領域122aと第1の導電膜125aとの接続部123aにおける半導体膜102の表面にシリサイドを形成してもよい。また、同様に、第2の領域122bと第2の導電膜125bとの接続部123bおよび第3の領域122cと第3の導電膜125cとの接続部123cにおける半導体膜102の表面にシリサイドを形成してもよい。この場合、半導体膜102と第1の導電膜125a、第2の導電膜125bおよび第3の導電膜125cはシリサイドを介して接続される。
また、図6に示す構造では、半導体膜102の第1の領域122aと第1の導電膜125aとの接続および第3の領域122cと第3の導電膜125cとの接続をショットキー障壁が発生(ショットキーバリアダイオードが形成)する接続とし、第2の領域122bと第2の導電膜125bとの接続をオーミック接触となるように設ける。そのため、半導体膜102にn型またはp型の不純物元素を導入する際に、第1の領域122aおよび第3の領域122cに第2の領域122bより高濃度のn型またはp型の不純物元素を導入し、第2の領域122bを第1の領域122aおよび第3の領域122cより低濃度の不純物領域とする。例えば、半導体膜102の全面にn型の第1の不純物元素を導入し、その後、第1の領域122aおよび第3の領域122cとなる領域に選択的にn型の第2の不純物元素を導入して不純物領域を形成する。この際、第2の不純物元素として第1の不純物元素より濃度を高くすることにより、第1の領域122aおよび第3の領域122cには高濃度のn型不純物領域(n+領域)が形成され、第1の領域122aと第3の領域122cの間に設けられる第2の領域には低濃度のn型不純物領域(n−)が形成される。なお、n型不純物元素の代わりにp型不純物元素を用いてもよい。
このように、センサー部218cとして図6に示す構造(4端子法)を採用することによって、第1の導電膜125a〜第3の導電膜125cの抵抗等による測定誤差の影響を抑制することができるため、接続部123bの抵抗(ショットキーバリアダイオード特性)を正確に測定することが可能となる。
本実施の形態で示したように、トランジスタ等の半導体素子と温度センサーとして機能する半導体膜とを同一基板上に設け同一工程で形成することによって、半導体装置の作製工程を簡略化し低コスト化を達成することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置に関して図面を参照して説明する。具体的には、アンテナとして機能する導電膜を有する半導体装置に関して説明する。
本発明の半導体装置は、アンテナを設けた構成もとりうる(図7(A))。半導体装置にアンテナとして機能する導電膜を設けることによって、非接触でデータの入出力を行うことが可能となる。非接触でデータの入出力が可能である半導体装置は、その利用の形態によっては、RFIDタグ(Radio Frequency Identification)、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ(Radio Frequency)、無線タグ、電子タグまたは無線チップともよばれている。
アンテナとして機能する導電膜は、トランジスタやセンサー部等が含まれる素子群と同じように同一の基板101上に直接作り込んで設けることができる。例えば、基板101上に設けられた薄膜トランジスタ218a、218bやセンサー部218c等が含まれる素子群240の上方にアンテナとして機能する導電膜242を形成することによって設けることができる(図7(B))。具体的には、上記図3(E)まで作製した後に、導電膜216を覆うように絶縁膜241を形成し、当該絶縁膜241上に導電膜242を選択的に形成することによって設けることができる。なお、アンテナとして機能する導電膜242と素子群240に含まれるトランジスタが電気的に接続するように設ける。
導電膜242としては、CVD法、スパッタ法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等の印刷法等を用いて、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)から選択された元素、またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。例えば、スクリーン印刷法により、銀を含むペーストを用いて形成し、その後、50〜350度の加熱処理を行って形成する。なお、加熱する際に加圧して圧力を高めてもよい。圧力を高めて熱処理を行うことによって、より導電性の高い導電膜の形成が可能となる。または、スパッタ法によりアルミニウム膜を形成し、当該アルミニウム膜をパターン加工することにより形成する。アルミニウム膜のパターン加工は、ウエットエッチング加工を用いるとよく、ウエットエッチング加工後は200〜300度の加熱処理を行うとよい。
絶縁膜241としては、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜からなる単層または積層構造で設けることができる。また、他にも、スピンコート法、蒸着法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。
また、アンテナとして機能する導電膜242は、導電膜216と同一の層に設けることも可能である。この場合、絶縁膜241を設ける必要がなくなるため、プロセスの簡略化および材料の使用量を減らせるため低コスト化が達成できる。具体的には、図3(E)において、導電膜216を形成すると同時にアンテナとして機能する導電膜242を形成して設けるか、導電膜216を形成した後に続けてアンテナとして機能する導電膜242を形成することによって設けることができる。
半導体装置にアンテナを設ける方法として、他にも、トランジスタやセンサー部が含まれる素子群が形成された基板とは別の基板上にアンテナとして機能する導電膜を別途形成した後に、当該素子群と導電膜とを電気的に接続するように貼り合わせて設けることもできる。例えば、基板101上に薄膜トランジスタ218a、218bおよびセンサー部218c等が含まれる素子群240を形成し、基板243上にアンテナとして機能する導電膜242を形成し、当該素子群240に含まれるトランジスタと導電膜242が電気的に接続するように貼り合わせて設ける(図7(C))。ここでは、接着性を有する樹脂244を用いて貼り合わせを行い、素子群に含まれるトランジスタと導電膜242との電気的な接続は、接着性を有する樹脂244中に含まれた導電性粒子245を介して行うことができる。他にも、トランジスタと導電膜242との電気的な接続は、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤、ACP(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着剤、ACF(Anisotropic Conductive Film)等の導電性フィルムや半田接合等を用いて行うことも可能である。
このように、半導体装置にアンテナを設けることによって、例えば、半導体装置に設けられたセンサー部218cで得られた情報等を非接触で外部機器(リーダ/ライタ)に送信することができる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した半導体装置の構造や形成方法は、本実施の形態でも組み合わせて利用することができるし、本実施の形態で示した構造や形成方法も上記実施の形態でも組み合わせて利用することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態とは異なる半導体装置の作製方法に関して図面を参照して説明する。具体的には、トランジスタ、センサー部、記憶素子およびアンテナ等の素子形成層を支持基板上に形成し、その後支持基板から素子形成層を分離することにより半導体装置を作製するについて説明する。
まず、基板701の一表面に剥離層702を形成し、続けて下地となる絶縁膜703および非晶質半導体膜704(例えば非晶質珪素を含む膜)を形成する(図8(A))。なお、剥離層702、絶縁膜703および非晶質半導体膜704は、連続して形成することができる。
基板701は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁膜を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いるとよい。このような基板701であれば、その面積や形状に大きな制限はないため、基板701として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。なお、本工程では、剥離層702は、基板701の全面に設けているが、必要に応じて、基板701の全面に剥離層を設けた後に、フォトリソグラフィ法により選択的に設けてもよい。また、基板701に接するように剥離層702を形成しているが、必要に応じて、基板701に接するように下地となる絶縁膜を形成し、当該絶縁膜に接するように剥離層702を形成してもよい。
剥離層702は、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる。金属膜としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層又は積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。金属膜と金属酸化膜の積層構造としては、上述した金属膜を形成した後に、酸素雰囲気化におけるプラズマ処理、酸素雰囲気化における加熱処理を行うことによって、金属膜表面に当該金属膜の酸化物を設けることができる。例えば、金属膜としてスパッタ法により形成したタングステン膜を設けた場合、タングステン膜にプラズマ処理を行うことによって、タングステン膜表面にタングステン酸化物からなる金属酸化膜を形成することができる。また、この場合、タングステンの酸化物は、WOxで表され、Xは2〜3であり、Xが2の場合(WO2)、Xが2.5の場合(W2O5)、Xが2.75の場合(W4O11)、Xが3の場合(WO3)などがある。タングステンの酸化物を形成するにあたり、上記に挙げたXの値に特に制約はなく、エッチングレート等を基に、どの酸化物を形成するかを決めるとよい。また、プラズマ処理として、例えば上述した高密度プラズマ処理を行ってもよい。また、金属酸化膜の他にも、金属窒化物や金属酸化窒化物を用いてもよい。この場合、金属膜に窒素雰囲気下または窒素と酸素雰囲気下でプラズマ処理や加熱処理を行えばよい。
絶縁膜703は、スパッタ法やプラズマCVD法等により、珪素の酸化物または珪素の窒化物を含む膜を、単層又は積層で形成する。下地となる絶縁膜が2層構造の場合、例えば、1層目として窒化酸化珪素膜を形成し、2層目として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜として酸化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。または、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜は、基板701からの不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能する。
半導体膜704は、スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。
次に、非晶質半導体膜704を公知の結晶化法(レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とレーザ結晶化法を組み合わせた方法等)により結晶化して、結晶質半導体膜を形成する。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶質半導体膜705a〜705eを形成し、当該半導体膜705a〜705eを覆うようにゲート絶縁膜706を形成する(図8(B))。
結晶質半導体膜705a〜705eの作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚50〜60nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、必要に応じてレーザ光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いることよって結晶質半導体膜705a〜705eを形成する。
レーザ結晶化法で結晶質半導体膜を形成する場合、連続発振型のレーザビーム(CWレーザビーム)やパルス発振型のレーザビーム(パルスレーザビーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザビームは、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。なお、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、Arイオンレーザ、またはTi:サファイアレーザは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザビームを発振させると、半導体膜がレーザによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
また、結晶化を助長する金属元素を用いて非晶質半導体膜の結晶化を行うと、低温で短時間の結晶化が可能となるうえ、結晶の方向が揃うという利点がある一方、金属元素が結晶質半導体膜に残存するためにオフ電流が上昇し、特性が安定しないという欠点がある。そこで、結晶質半導体膜上に、ゲッタリングサイトとして機能する非晶質半導体膜を形成するとよい。ゲッタリングサイトとなる非晶質半導体膜には、リンやアルゴンの不純物元素を含有させる必要があるため、好適には、アルゴンを高濃度に含有させることが可能なスパッタ法で形成するとよい。その後、加熱処理(RTA法やファーネスアニール炉を用いた熱アニール等)を行って、非晶質半導体膜中に金属元素を拡散させ、続いて、当該金属元素を含む非晶質半導体膜を除去する。そうすると、結晶質半導体膜中の金属元素の含有量を低減又は除去することができる。
次に、結晶質半導体膜705a〜705eを覆うゲート絶縁膜706を形成する。ゲート絶縁膜706は、CVD法やスパッタ法等により、珪素の酸化物又は珪素の窒化物を含む膜を、単層又は積層して形成する。具体的には、酸化珪素を含む膜、酸化窒化珪素を含む膜、窒化酸化珪素を含む膜を、単層又は積層して形成する。
また、ゲート絶縁膜706は、半導体膜705a〜705eに対し前述の高密度プラズマ処理を行い、表面を酸化又は窒化することで形成しても良い。例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素(NO2)、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合のプラズマの励起は、マイクロ波の導入により行うと、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。
このような高密度プラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような、高密度プラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコン、或いは多結晶シリコン)を直接酸化(若しくは窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さは理想的には、ばらつきをきわめて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界でも酸化が強くされることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
ゲート絶縁膜は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
また、半導体膜に対し、連続発振レーザ若しくは10MHz以上の周波数で発振するレーザビームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた半導体膜705a〜705eは、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、上記ゲート絶縁層を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高いトランジスタ(TFT)を得ることができる。
次に、ゲート絶縁膜706上に、第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。ここでは、第1の導電膜は、プラズマCVD法やスパッタ法等により、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタングステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、半導体膜705a〜705dの上方にゲート電極として機能する導電膜(ゲート電極707とよぶことがある)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ法により、レジストからなるマスクを形成して、結晶質半導体膜705a〜705eに、イオンドープ法またはイオン注入法により、n型を付与する不純物元素を低濃度に添加して、n型不純物領域708とチャネル形成領域709を形成する。n型を付与する不純物元素は、15族に属する元素を用いれば良く、例えばリン(P)、砒素(As)を用いる。
次に、半導体膜705a〜705cおよび705eの上方にフォトリソグラフィ法によりレジストからなるマスクを形成して、結晶質半導体膜705dに、p型を付与する不純物元素を添加して、p型不純物領域710を形成する。p型を付与する不純物元素は、例えばボロン(B)を用いる(図8(C))。
次に、ゲート絶縁膜706とゲート電極707を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタ法等により、珪素、珪素の酸化物又は珪素の窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層又は積層して形成する。次に、絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、ゲート電極707の側面に接する絶縁膜711(サイドウォールともよばれる)を形成する。また、絶縁膜711の作製と同時に、ゲート絶縁膜706がエッチングされた絶縁膜712a〜712dが形成される。絶縁膜711は、後にLDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
次に、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、ゲート電極707および絶縁膜711をマスクとして用いて、結晶質半導体膜705a〜705c、705eにn型を付与する不純物元素を添加して、第1のn型不純物領域713(LDD領域ともよぶ)と、第2のn型不純物領域714とを形成する(図8(D))。第1のn型不純物領域713が含む不純物元素の濃度は、第2のn型不純物領域714の不純物元素の濃度よりも低い。なお、半導体膜705eでは、第1のn型不純物領域713と第2のn型不純物領域714が隣接して形成されている。
なお、LDD領域を形成するためには、サイドウォールの絶縁膜をマスクとして用いる手法がある。サイドウォールの絶縁膜をマスクとして用いる手法は、LDD領域の幅の制御が容易であり、また、LDD領域を確実に形成することができる。
続いて、ゲート電極707、絶縁膜711および半導体膜705e等を覆うように、絶縁膜を単層または積層して形成する(図8(E))。絶縁膜は、CVD方、スパッタ法、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料やシロキサン材料等により、単層または積層で形成する。例えば、絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜715として酸化珪素を含む膜を形成し、2層目の絶縁膜716として樹脂を含む膜を形成し、3層目の絶縁膜717として窒化珪素を含む膜を形成するとよい。
なお、絶縁膜715〜717を形成する前、または絶縁膜715〜717のうちの1つまたは複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザアニール法またはRTA法などを適用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法により絶縁膜715〜717をエッチングして、第2のn型不純物領域714、p型不純物領域710を露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電膜を形成し、当該導電膜を選択的にエッチングして導電膜718を形成する。なお、導電膜を形成する前に、コンタクトホールにおいて露出した半導体膜705a〜705eの表面にシリサイドを形成してもよい。シリサイドは、上記実施の形態で示したようにコンタクトホールを形成した後に、半導体膜705a〜705eの表面に金属膜を形成し、熱処理を行うことによって形成することができる。上記工程を経て、n型の薄膜トランジスタ751a〜751c、p型の薄膜トランジスタ751d、センサー部751eが完成する。
導電膜718は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜718は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン(TiN)膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜718を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
次に、導電膜718を覆うように、絶縁膜719を形成する(図9(A))。絶縁膜719は、SOG法、液滴吐出法またはスクリーン印刷法等を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。また、絶縁膜719は、好適には、0.75μm〜3μmの厚さで形成する。
続いて、フォトリソグラフィ法により絶縁膜719をエッチングして、導電膜718を露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電膜を形成する。導電膜は、プラズマCVD法やスパッタ法等を用いて、導電性材料により形成する。次に、導電膜をパターン加工して、導電膜720a〜720cを形成する。なお、導電膜720a、720bは、記憶素子が含む一対の導電膜のうちの一方の導電膜となる。従って、好適には、導電膜720a、720bは、チタン、又はチタンを主成分とする合金材料若しくは化合物材料により、単層又は積層で形成するとよい。チタンは、抵抗値が低いため、記憶素子のサイズの縮小につながり、高集積化を実現することができる。また、導電膜720a〜720cを形成するためのフォトリソグラフィ工程においては、下層の薄膜トランジスタ751a〜751d、センサー部751eにダメージを与えないために、ウエットエッチング加工を行うとよく、エッチング剤にはフッ化水素(HF)又はアンモニア過水を用いるとよい。
次に、導電膜720a〜720cの端部を覆うように、選択的に絶縁膜721を形成する。絶縁膜721は、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。また、絶縁膜721は、好適には、0.75μm〜3μmの厚さで形成する。
次に、導電膜720cに接し、アンテナとして機能する導電膜722を形成する(図9(B))。導電膜722は、CVD法、スパッタ法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等を用いて、導電性材料により形成する。好ましくは、導電膜722は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。具体的には、導電膜722は、スクリーン印刷法により、銀を含むペーストを用いて形成し、その後、50〜350度の加熱処理を行って形成する。なお、加熱処理を行う際にあわせて加圧しながら行うと特性のよい導電膜を形成することができるため好ましい。または、スパッタリング法によりアルミニウム膜を形成し、当該アルミニウム膜をパターン加工することにより形成する。アルミニウム膜のパターン加工は、ウエットエッチング加工を用いるとよく、ウエットエッチング加工後は200〜300度の加熱処理を行うとよい。
次に、導電膜720a、720bに接するように記憶素子として機能する有機化合物層723を形成する(図9(C))。記憶素子としては、電気的作用、光学的作用又は熱的作用等により、その性質や状態が変化する材料を用いることができる。例えば、ジュール熱による溶融、絶縁破壊等により、その性質や状態が変化し、下部電極と、上部電極とが短絡(ショート)することができる材料を用いればよい。そのため記憶素子に用いる層(ここでは有機化合物層)の厚さは、5nmから100nm、好ましくは10nmから60nmとするとよい。
ここでは、有機化合物層723は、液滴吐出法、スピンコート法、蒸着法、スクリーン印刷法等により形成する。続いて、有機化合物層723に接するように、導電膜724を形成する。導電膜724は、スパッタ法やスピンコート法、液滴吐出法、蒸着法、スクリーン印刷方等により形成する。
以上の工程を経て、導電膜720aと有機化合物層723と導電膜724との積層体からなる記憶素子部725および導電膜720bと有機化合物層723と導電膜724との積層体からなる記憶素子部726が完成する。
なお、上記の作製工程では、有機化合物層723の耐熱性が強くないため、アンテナとして機能する導電膜722を形成する工程の後に、有機化合物層723を形成する工程を行うことを特徴とする。
有機化合物層に用いる有機材料としては、例えば、4、4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物、ポリビニルカルバゾール(略称:PVK)やフタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物等を用いることができる。これら材料は、正孔輸送性の高い物質である。
また、他にも有機材料として、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料や、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。これら材料は、電子輸送性が高い物質である。
さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等の化合物等を用いることができる。
またメモリ材料層は単層構造であっても、積層構造であってもよい。積層構造の場合、上記材料から選び、積層構造することができる。また上記有機材料と、発光材料とを積層してもよい。発光材料として、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略称:TBP)等がある。
また、上記発光材料を分散してなる層を用いてもよい。発光材料分散してなる層において、母体となる材料としては、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)などの金属錯体等を用いることができる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等を用いることができる。
このような有機材料は、熱的作用等によりその性質を変化させるため、ガラス転移温度(Tg)が50℃から300℃、好ましくは80℃から120℃であるとよい。
また、有機材料や発光材料に金属酸化物を混在させた材料を用いてもよい。なお金属酸化物を混在させた材料とは、上記有機材料又は発酵材料と、金属酸化物とが混合した状態、又は積層された状態を含む。具体的には複数の蒸着源を用いた共蒸着法により形成された状態を指す。このような材料を有機無機複合材料と呼ぶことができる。
例えば正孔輸送性の高い物質と、金属酸化物を混在させる場合、当該金属酸化物にはバナジウム酸化物、モリブデン酸化物、ニオブ酸化物、レニウム酸化物、タングステン酸化物、ルテニウム酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物を用いると好ましい。
また電子輸送性の高い物質と、金属酸化物を混在させる場合、当該金属酸化物にはリチウム酸化物、カルシウム酸化物、ナトリウム酸化物、カリウム酸化物、マグネシウム酸化物を用いると好ましい。
メモリ材料層には、電気的作用、光学的作用又は熱的作用により、その性質が変化する材料を用いればよいため、例えば光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドープした共役高分子を用いることもできる。共役高分子として、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリフェニレンエチニレン類等を用いることができる。また、光酸発生剤としては、アリールスルホニウム塩、アリールヨードニウム塩、o−ニトロベンジルトシレート、アリールスルホン酸p−ニトロベンジルエステル、スルホニルアセトフェノン類、Fe−アレン錯体PF6塩等を用いることができる。
なお、ここでは、記憶素子部725、726として、有機化合物材料を用いた例を示したが、これに限られない。例えば、結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料や第1の結晶状態と第2の結晶状態の間で可逆的に変化する材料等の相変化材料を用いることができる。また、非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料を用いることも可能である。
結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料とは、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、硫黄(S)、酸化テルル(TeOx)、Sn(スズ)、金(Au)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、Co(コバルト)及び銀(Ag)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Ge−Te−Sb−S、Te−TeO2−Ge−Sn、Te−Ge−Sn−Au、Ge−Te−Sn、Sn−Se−Te、Sb−Se−Te、Sb−Se、Ga−Se−Te、Ga−Se−Te−Ge、In−Se、In−Se−Tl−Co、Ge−Sb−Te、In−Se−Te、Ag−In−Sb−Te系材料が挙げられる。また、第1の結晶状態と第2の結晶状態の間で可逆的に変化する材料とは、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びテルル(Te)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Ag−Zn、Cu−Al−Ni、In−Sb、In−Sb−Se、In−Sb−Teが挙げられる。この材料の場合、相変化は2つの異なる結晶状態の間で行われる。また、非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料とは、テルル(Te)、酸化テルル(TeOx)、パラジウム(Pd)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びビスマス(Bi)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Te−TeO2、Te−TeO2−Pd、Sb2Se3/Bi2Te3が挙げられる。
次に、記憶素子部725、726、アンテナとして機能する導電膜722を覆うように、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、保護膜として機能する絶縁膜727を形成する(図9(D))。絶縁膜727は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの炭素を含む膜、窒化珪素を含む膜、窒化酸化珪素を含む膜、有機材料により形成し、好ましくはエポキシ樹脂により形成する。
次に、薄膜トランジスタ751a〜751d、センサー部751e、記憶素子部725および726、アンテナとして機能する導電膜722等を含む素子形成層752を基板701から剥離する。ここでは、レーザ光の照射により絶縁膜をエッチングして、開口部728、729を形成し(図10(A))、物理的な力を用いて基板701から素子形成層752を剥離することができる。また、基板701から素子形成層752を剥離する前に、開口部728、729にエッチング剤を導入して、剥離層702を除去してもよい。エッチング剤は、フッ化ハロゲンまたはハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF3)を使用する。そうすると、素子形成層752は、基板701から剥離された状態となる。なお、剥離層702は、全て除去せず一部分を残存させてもよい。こうすることによって、エッチング剤の消費量を抑え剥離層の除去に要する処理時間を短縮することが可能となる。また、剥離層702の除去を行った後にも、基板701上に素子形成層752を保持しておくことが可能となる。
素子形成層752が剥離された基板701は、コストの削減のために、再利用することが好ましい。また、絶縁膜727は、剥離層702を除去した後に、素子形成層752が飛散しないように形成したものである。素子形成層752は小さく薄く軽いために、剥離層702を除去した後は、基板701に密着していないために飛散しやすい。しかしながら、絶縁膜727を形成することで、素子形成層752に重みが付き、基板701からの飛散を防止することができる。また、絶縁膜727を形成することで、基板701から剥離した素子形成層752が応力等により巻かれた形状になることがなく、ある程度の強度を確保することができる。
ここでは、レーザ光の照射により絶縁膜をエッチングして開口部728、729を形成した後に、素子形成層752の一方の面を、第1のシート材730に接着させて基板701から完全に剥離する(図10(B))。続いて、素子形成層752の他方の面に、第2のシート材731を設け、その後加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って、第2のシート材731を貼り合わせる。また、第2のシート材731を設けると同時または設けた後に第1のシート材730を剥離し、代わりに第3のシート材732を設ける。そして、加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って、第3のシート材732を貼り合わせる。そうすると、第2のシート材731と第3のシート材732により封止された半導体装置が完成する(図10(C))。
なお、第1のシート材730と第2のシート材731によって封止を行っても良いが、基板701から素子形成層752を剥離するためのシート材と素子形成層752を封止するためのシート材に異なるシート材を用いる場合には、上述したように、第2のシート材731と第3のシート材732で素子形成層752を封止する。これは、例えば、基板701から素子形成層752を剥離する際に、第1のシート材730が素子形成層752のみならず基板701への接着が懸念される場合等、粘着力が弱いシート材を利用したいときに有効となる。
封止に用いる第2のシート材731、第3のシート材732として、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなるフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルム等を利用することができる。また、フィルムは、被処理体と加熱処理と加圧処理が行われるものであり、加熱処理と加圧処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。また、第1のシート材730と第2のシート材731の表面には接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層に相当する。また、封止後に内部への水分等の侵入を防ぐために封止するシート材にシリカコートを行うことが好ましく、例えば、接着層とポリエステル等のフィルムとシリカコートを積層指せたシート材を利用することができる。
また、第2のシート材731、第3のシート材732として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、及び帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料等を用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込んだり、塗布することによって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
なお、特に封止処理が必要ない場合には、図10(B)に示した構造で完成させることも可能である。また、封止処理は、基板701または絶縁膜727のどちらか一方の面の封止を選択的に行ってもよい。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した材料や形成方法は、本実施の形態でも組み合わせて利用することができるし、本実施の形態で示した材料や形成方法も上記実施の形態でも組み合わせて利用することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、非接触でデータの入出力が可能である半導体装置の適用例に関して図面を参照して以下に説明する。非接触でデータの入出力が可能である半導体装置は、その利用の形態によっては、RFIDタグ(Radio Frequency Identification)、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ(Radio Frequency)、無線タグ、電子タグまたは無線チップともよばれている。
本実施の形態で示す半導体装置90は、演算処理回路81、検出部82、記憶部83およびアンテナ84等が設けられており、アンテナ84を介して非接触で外部の機器(例えば、リーダ/ライタ80)とデータを交信する機能を有している(図11)。
演算処理回路81は、リーダ/ライタ80から入力された信号に従って、検出部82または記憶部83とデータの入出力を行う。例えば、検出部82で検出されたデータの抽出、当該データの記憶部83への書き込みまたは記憶部83に書き込まれたデータの読み込み等を行う。そして、検出部82で検出されたデータ等に基づいて演算処理を行い、その結果をリーダ/ライタ80に出力する。
検出部82は、少なくとも上記実施の形態で示したいずれかの構造で設けられたセンサー部を有しており、温度特性を物理的手段により検出することができる。なお、温度センサー以外にも他のセンサー部を設けることにより、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度、気体成分、液体成分等の特性を物理的又は化学的手段により検出することができる。また、検出部82は、物理量または化学量を検出する検出素子85と当該検出素子85で検出された物理量または化学量を電気信号等の適切な信号に変換する検出制御回路86とを有している。検出素子85としては、抵抗素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオード等で形成することができる。なお、検出部82は複数設けてもよく、この場合、複数の物理量または化学量を同時に検出することが可能である。
また、ここでいう物理量とは、温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度等を指し、化学量とは、ガス等の気体成分やイオン等の液体成分等の化学物質等を指す。化学量としては、他にも、血液、汗、尿等に含まれる特定の生体物質(例えば、血液中に含まれる血糖値等)等の有機化合物も含まれる。特に、化学量を検出しようとする場合には、必然的にある特定の物質を選択的に検出することになるため、あらかじめ検出素子85に検出したい物質と選択的に反応する物質を設けておく。例えば、生体物質の検出を行う場合には、検出素子85に検出させたい生体物質と選択的に反応する酵素、抗体分子または微生物細胞等を高分子等に固定化して設けておくことが好ましい。
記憶部83は、検出部82によって検出されたデータ等を記憶させることが可能であり、データが記憶される記憶素子87と当該記憶素子87へのデータの書き込みや読み込み等の制御を行う制御回路88とを有している。なお、記憶部83は1つに限定されず、複数であっても良く、SRAM、フラッシュメモリ、ROM、FeRAMまたは有機メモリ等を用いることができる。また、これらを組み合わせて設けることもできる。なお、有機メモリとは、一対の電極間に有機化合物を有する層を挟んで設けたものをいう。有機メモリは、小型化、薄膜化および大容量化を同時に実現することができるため、記憶部83を有機メモリで設けることにより、半導体装置の小型化、軽量化を達成することができる。
次に、リーダ/ライタ80と半導体装置90とのデータの入出力に関して簡単に説明する。まず、リーダ/ライタ80から電磁波として送られてきた信号は、アンテナ84において交流の電気信号に変換される。そして、電源回路91において、交流の電気信号を用いて電源電圧を生成し、各回路へ電源電圧を供給する。復調回路92では、交流の電気信号を復調し、演算処理回路81に供給する。演算処理回路81では、入力された信号に従って各種演算処理を行い検出部82や記憶部83等に命令を下し、データの入出力を行う。そして、演算処理回路81から変調回路93に検出部82で検出されたデータが送られ、変調回路93から当該データに従ってアンテナ84に負荷変調を加える。リーダ/ライタ80は、アンテナ84に加えられた負荷変調を電磁波で受け取ることにより、結果的にデータを読み取ることが可能となる。
なお、本実施の形態で示す半導体装置90は、各回路への電源電圧の供給を、電源(バッテリ94)を設けずに電磁波により行うタイプとしてもよいし、バッテリ94を設けることによりバッテリ94により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよいし、バッテリ94を設けて電磁波とバッテリ94により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。半導体装置にバッテリを設けない場合は、バッテリの交換も不要となるため半導体装置の低コスト化を実現することができる。
また、上記実施の形態で示したように、可撓性を有する基板を用いて半導体装置を形成することによって、折り曲げることが可能な半導体装置を得ることが可能となるため、曲面を有する物体に貼り付けて設けることが可能となる。
次に、可撓性を有し、非接触でデータの入出力が可能な半導体装置の使用形態の一例について説明する。表示部3210を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ3200が設けられ、品物3220の側面には半導体装置3230が設けられる(図13(B))。品物3220が含む半導体装置3230にリーダ/ライタ3200をかざすと、表示部3210に品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品に関する情報が表示される。また、商品3260をベルトコンベアにより搬送する際に、リーダ/ライタ3200と、商品3260に設けられた半導体装置3250を用いて、該商品3260の検品を行うことができる(図13(C))。このように、システムに半導体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。また、上記実施の形態で示したように、曲面を有する物体に貼り付けた場合であっても、半導体装置に含まれるトランジスタ等の損傷を防止し、信頼性の高い半導体装置を提供することが可能となる。
また、上述した非接触データの入出力が可能である半導体装置における信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が使用用途を考慮して適宜選択すればよく、伝送方式に伴って最適なアンテナを設ければよい。
例えば、半導体装置における信号の伝送方式として、電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
また、半導体装置における信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよく、例えば、アンテナとして機能する導電膜を線状(例えば、ダイポールアンテナ(図14(A)))、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ(図14(B)))またはリボン型の形状(図14(C)、(D))等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
アンテナとして機能する導電膜は、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電膜を形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、珪素樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
また、上述した材料以外にも、セラミックやフェライト等をアンテナに適用してもよいし、他にもマイクロ波帯において誘電率および透磁率が負となる材料(メタマテリアル)をアンテナに適用することも可能である。
また、電磁結合方式または電磁誘導方式を適用する場合であって、アンテナを備えた半導体装置を金属に接して設ける場合には、当該半導体装置と金属との間に透磁率を備えた磁性材料を設けることが好ましい。アンテナを備えた半導体装置を金属に接して設ける場合には、磁界の変化に伴い金属に渦電流が流れ、当該渦電流により発生する反磁界によって、磁界の変化が弱められて通信距離が低下する。そのため、半導体装置と金属との間に透磁率を備えた材料を設けることにより金属の渦電流を抑制し通信距離の低下を抑制することができる。なお、磁性材料としては、高い透磁率を有し高周波損失の少ないフェライトや金属薄膜を用いることができる。
また、アンテナを設ける場合には、1枚の基板上にトランジスタ等の半導体素子とアンテナとして機能する導電膜を直接作り込んで設けてもよいし、半導体素子とアンテナとして機能する導電膜を別々の基板上に設けた後に、電気的に接続するように貼り合わせることによって設けてもよい。
なお、上述した以外にも可撓性を有する半導体装置の用途は広範にわたり、非接触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのようなものにも適用することができる。例えば、半導体装置20を紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関して図12を用いて説明する。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図12(A))。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図12(B))。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図12(C))。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図12(D))。書籍類とは、書物、本等を指す(図12(E))。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図12(F))。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図12(G))。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図12(H))。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話機等を指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等に半導体装置を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。半導体装置の設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。可撓性を有する半導体装置を用いることによって、紙等に設けた場合であっても、上記実施の形態で示した構造を有する半導体装置を用いて半導体装置を設けることにより、当該半導体装置に含まれる素子の破損等を防止することができる。
本発明の半導体装置は、上記実施の形態で示したようにセンサー部を設けることによって、温度等の物理量または化学量を検出することができる。そのため、人間や動物等に上述した半導体装置を携帯させることによって、生体情報や健康状態等の様々な情報を場所を問わず簡単に知ることが可能となる。また、半導体装置の携帯の方法としては、人間を例に挙げると体の表面に貼り付けて設ける方法や人体に埋め込んで設ける方法等が考えられるが、検出したい物理量や化学量を考慮して適宜個人が選択して設ければよい。以下に、本発明の半導体装置の使用形態の具体例について図面を参照して説明する。
上記実施の形態で示した温度を検出する素子を含む半導体装置502を動物501に埋め込み、動物501付近に設けられたえさ箱等にリーダ/ライタ503を設ける(図13(A))。そして、リーダ/ライタ503を用いて、半導体装置502により検出される動物501の体温等の情報を定期的に読み取ることにより、動物501の健康状態を監視し管理することができる。この場合、あらかじめ、半導体装置502に識別番号を記憶させておくことにより複数の動物を同時に管理することができる。
また、上記実施の形態で示した温度を検出する素子を含む半導体装置506を食品505に設け、包装紙や陳列棚にリーダ/ライタ507を設ける(図11(B))。そして、リーダ/ライタ507を用いて、半導体装置506により検出される情報を定期的に読み取ることにより、食品505の鮮度を管理することができる。
また、上記実施の形態で示した温度を検出する素子や光を検出する素子を含む半導体装置512を植物511に設け、植物511の植木鉢等にリーダ/ライタ513を設ける(図13(C))。そして、リーダ/ライタ513を用いて、半導体装置512により検出される情報を定期的に読み取ることで、日照時間の情報を得ると共に、花の開花時期や出荷時期の情報を正確に予想することができる。特に、光を検出する素子を含む半導体装置512においては、同時に太陽電池を設けることによって、リーダ/ライタ513からの電磁波による電力供給とあわせて、外部からの光によって半導体装置512に電力を供給することが可能となる。太陽電池は、検出素子と併用させて設けてもよいし、検出素子とは別に設けてもよい。
また、上記実施の形態で示した温度を検出する素子や圧力を検出する素子を含む半導体装置515を人体の腕に貼り付けるかもしくは埋め込んで設ける(図11(D))。そして、リーダ/ライタを用いて、半導体装置515により検出される情報を読み取れば、体温、血圧、脈拍等の情報を得ることができる。
また、温度を検出する素子を含む半導体装置516を耳たぶに埋め込む(図11(E))。そして、リーダ/ライタを用いて、半導体装置516により検出される情報を読み取れば、体温の情報を得ることができる。また、安息の状態で測定する体温を基礎体温とよぶが、この基礎体温には一定のリズムがあり、測定結果により、自分自身の体調を把握することができる。基礎体温は、目を覚ましたら、動かずにそのままの状態で測定しなければならず、好ましくは、口中の舌下で5分間測定する。つまり、基礎体温を測定するには、基礎体温計を清潔に保ちつつ、毎日口中に入れて測定するという煩雑さがある。しかしながら、本発明の半導体装置517を口中に埋め込んでおけば、基礎体温計を使用する必要がなくなり、毎日口にリーダ/ライタをかざせば、体温を測定することができる(図11(E))。
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサーを備えた半導体装置を埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん現在の体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した材料や形成方法は、本実施の形態でも組み合わせて利用することができるし、本実施の形態で示した材料や形成方法も上記実施の形態でも組み合わせて利用することができる。