JP5292081B2 - 樹脂成形体および樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂成形体および樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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本発明は、樹脂成形体および樹脂成形体の製造方法の改良に関する。
一般に、一回の型内への樹脂の射出にて樹脂成形体を製造できない場合には、予め樹脂部品を製造しておき、樹脂成形体を製造する型内に上記樹脂部品を挿入し、型内にモールド樹脂を射出して樹脂部品とモールド樹脂を一体化して樹脂成形体を製造するインサート成形を行う場合がある。
樹脂成形体としては、たとえば、環状であって凹部を備えて当該凹部内にコイルを収容保持するコイルボビンを樹脂部品とし、インサート成形によってモールド樹脂でコイルボビンの内外周および凹部を被覆したものがある(たとえば、特許文献1参照)。この場合、予めコイルボビンにコイルを収容してインサート成形時に注入されるモールド樹脂に押されてコイルが変形してしまうことを阻止するために、コイルボビンが必要となる。
このコイルボビンを形成する樹脂材料よりモールド樹脂の樹脂材料が高い融点を持つ場合、型内に注入される高温のモールド樹脂でコイルボビンの外表面を溶融しつつコイルボビンとモールド樹脂とを一体化できるのであるが、コイルボビンとモールド樹脂とが異なる線膨張係数を持つ樹脂材料である場合、コイルへ通電を断続的に行うことでコイルが発熱を繰り返すので、コイルボビンとモールド樹脂とが膨張と収縮とを繰り返し、コイルボビンからモールド樹脂が剥離して、シール性を損なう虞がある。
そのため、コイルボビンとモールド樹脂とを同一の樹脂材料で形成することが望まれるが、高温のモールド樹脂の型内への注入のみではコイルボビンの外表面を溶融する熱量を与えるが足りずにコイルボビンとモールド樹脂を充分に融着させることができない虞があり、それゆえ、特許文献1に開示されている技術では、コイルボビンCを成形する際の型温度と樹脂注入温度より、インサート成形時の型温度とモールド樹脂注入温度を高くするとともに、図9に示すように、コイルボビンCの内外周に先端が薄肉に形成される突条Fを設けて、モールド樹脂Mで確実に突条Fの先端を溶融するようにしている。
特開平09−63835号公報
上述した従来の樹脂成形体は、樹脂部品であるコイルボビンCに対して然程大きくなくモールド樹脂Mの注入量も少ないために、モールド樹脂Mがその場に留まって突条Fを溶かすだけの熱量と圧力が突条Fに負荷でき、突条Fとモールド樹脂Mとの融着を期待できる。
しかしながら、樹脂成形体の容積が樹脂部品に対して著しく大きく、樹脂部品の一部をモールド樹脂で被覆するような成形を行う場合、このような樹脂成形体を成形する型内に樹脂部品の一部を挿入すると樹脂部品と型との間の空隙が大きく樹脂部品の外周に突条を設けても、型内に射出されるモールド樹脂で突条に充分に熱量と圧力を負荷できない。
そこで、図10に示すように、樹脂部品Pの型S内に挿入される部位の型外側端部の外周に突条F’を設けるとともに、突条F’周りの空隙を薄くするようにし、さらに、モールド樹脂を型S内に射出するゲートGを突条F’付近に設けて熱量と圧力を突条F’に与えることで上記不具合を解消しようとする試みもあるが、モールド樹脂は図10中の矢印に示すように、突条F’付近に留まらずに樹脂部品Pの先端側の容積が大きい空隙へ流れてしまい、樹脂部品PのゲートGとは反対側へのモールド樹脂の回り込み不良が生じるとともに、突条F’に充分に熱量と圧力を負荷できず、融着不良を起こしてしまう虞がある。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、樹脂部品とモールド樹脂とを確実に融着させて一体化できる樹脂成形体および樹脂成形体の製造方法を提供することである。
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段における樹脂成形体は、樹脂部品をインサート成形してモールド樹脂と一体化されてなり、モールド樹脂が、樹脂部品の外周を被覆する被覆部と、被覆部とは別個のゲートから射出され被覆部とは独立して樹脂部品の外周を被覆する融着部と、樹脂部品の外周を覆って被覆部と融着部とを接続するとともに肉厚が被覆部および融着部の肉厚より薄肉の絞り部とを備えたことを特徴とする。
また、上記した目的を達成するため、本発明の他の課題解決手段における樹脂成形体の製造方法は、樹脂部品をインサート成形してモールド樹脂と一体化して樹脂成形体を製造する製造方法であって、モールド樹脂で樹脂部品の外周を被覆する被覆部と、被覆部とは独立して樹脂部品の外周を被覆する融着部と、被覆部と融着部とを接続して樹脂部品の外周を被覆する絞り部とを形成する型を用い、被覆部と融着部とに別々のゲートからモールド樹脂を射出し、融着内へ射出されたモールド樹脂の融着部から被覆部へ移動する流れに絞り部で抵抗を与えて、融着部においてモールド樹脂と樹脂部品とを融着させることを特徴とする。
請求項1から4の発明によれば、樹脂部品の外周を被覆するモールド樹脂が樹脂部品の外周を被覆する被覆部と、被覆部とは別個のゲートから射出され被覆部とは独立して樹脂部品の外周を被覆する融着部と、樹脂部品の外周を覆って被覆部と融着部とを接続するとともに肉厚が被覆部および融着部の肉厚より薄肉の絞り部とを備えているので、融着部に対向する樹脂部品の外周周りには、樹脂部品の外周を溶融させるのに充分な圧力と熱量が作用し、融着部においてモールド樹脂と樹脂部品とを確実に融着して樹脂部品とモールド樹脂とを一体化することができ、樹脂部品とモールド樹脂との間が確実にシールされるのである。
また、請求項5から7の発明によれば、モールド樹脂で樹脂部品の外周を被覆する被覆部と、被覆部とは独立して樹脂部品の外周を被覆する融着部と、被覆部と融着部とを接続して樹脂部品の外周を被覆する絞り部とを形成する型を用い、融着部に被覆部とは独立したゲートからモールド樹脂を射出し、融着部内へ射出されたモールド樹脂の融着部から被覆部へ移動する流れに絞り部で抵抗を与えて、融着部においてモールド樹脂と樹脂部品とを融着させるので、融着部に対向する樹脂部品の外周周りには、樹脂部品の外周を溶融させるのに充分な圧力と熱量が作用し、融着部においてモールド樹脂と樹脂部品とを確実に融着して樹脂部品とモールド樹脂とを一体化することができ、樹脂部品とモールド樹脂との間が確実にシールされるのである。
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。図1は、本発明の一実施の形態における樹脂成形体が具現化したモータの蓋の平面図である。図2は、本発明の一実施の形態における樹脂成形体が具現化したモータの蓋の斜視図である。図3は、本発明の一実施の形態における樹脂成形体が具現化した蓋を用いたモータの縦断面図である。図4は、本発明の一実施の形態における樹脂成形体が具現化した蓋を用いたモータの平面図である。図5は、本発明の一実施の形態における樹脂部品の斜視図である。図6は、樹脂部品を型内に挿入してインサート成形する加工工程を説明する図である。図7は、本発明の一実施形態における樹脂成形体の絞り部の断面図である。図8は、本発明の一実施の形態の一変形例における樹脂成形体が具現化したモータの蓋の斜視図である。
図1から図3に示すように、一実施の形態における樹脂成形体1は、モータ10の蓋に具現化されており、具体的には、モータ10のロータ14の回転位置を検出するセンサを内包する樹脂部品2と、これに一体化されるモールド樹脂3とを備えており、具体的には、樹脂部品2をインサート品としてその一部を図示しない型内に挿入し、型内にモールド樹脂3を射出することで成形される。
また、成形されたモールド樹脂3は、樹脂部品2の外周を被覆する被覆部3aと、被覆部3aとは別個のゲートG1から射出され被覆部3aとは独立して樹脂部品2の外周を被覆する融着部3bと、樹脂部品2の外周を覆って被覆部3aと融着部3bとを接続するとともに肉厚が被覆部3aおよび融着部3bの肉厚より薄肉の絞り部3cとを備えている。
他方、この樹脂成形体1を蓋として利用するモータ10は、具体的には、図3に示すように、巻線12が巻回されるステータ11と、当該ステータ11を内周側に収容する筒状のケース13と、ケース13の開口端に取付けられるとともにロータ14の回転位置を検出するセンサたるレゾルバステータ15を保持する蓋たる樹脂成形体1と、ケース13と樹脂成形体1に回転自在に軸支されるロータ14とを備えて構成されている。なお、図3においては、モータ10を図1に示すように樹脂成形体1とともにB−Bで切断した断面を展開したものである。
この場合、ステータ11は、U,V,W相の三相の巻線12と、巻線12が巻回されるとともにケース13内に収容されるとともに焼き嵌めによって固定されるコア16とを備え、ケース13内に充填されるモールド樹脂17に巻線12が被覆されている。そして、このモールド樹脂17の図3中下端には、複数の凹部17aが形成される。なお、このようにステータ11における巻線12がモールド樹脂17で覆われても、巻線12へ通電可能なように、巻線12の線端部を各相毎に集合させてモールド樹脂17から突出させてある。
また、ケース13は、図3および図4に示すように、この場合、底部13aと筒部13bとを備えて有底筒状に形成され、底部13aには、ロータ14を軸支するボールベアリング25を保持する凹部13cが形成され、筒部13bの側部には内周側に突出する突条13dが設けられ、さらに、筒部13bの開口端にはフランジ13eが設けられている。また、フランジ13eには、後述する樹脂成形体1に設けた爪3jが挿入される孔13fと、モータ10を機器へボルト締結するボルトの挿通を許容する取付孔13gとが設けられている。
つづいて、樹脂成形体1の説明に戻ると、樹脂成形体1を、図1および図2に示すように、モータ10のケース13の蓋として機能させるために、モールド樹脂3にて、被覆部3a、融着部3bおよび絞り部3cの他に、被覆部3aと一体とされてケース13の開口端に嵌合して当該開口端を閉塞する蓋体3dと、蓋体3dに設けられてロータ14が挿通される挿通孔3eと、蓋体3dのケース13側に設けられてモールド樹脂17とケース13との間の環状隙間A内に挿入される筒状のソケット3fと、蓋体3dのステータ11側面における凹部17aに符合する位置に設けられる凸部3gと、蓋体3dの側部から延長されるソケット状の通電コネクタ3hとが形成されている。
さらに、樹脂成形体1は、蓋として機能するために、樹脂部品2以外にも、金属製の断面L字で環状のベアリング座18、および、巻線12に電流を供給する三つの巻線通電端子28、筒状のカラー19をインサート品としてインサート成形することによって、これらがモールド樹脂3で一体化されている。
各巻線通電端子28は、上述のようにインサート成形によってモールド樹脂3により被覆され、その一端が通電コネクタ3h内まで伸び、他端は蓋体3dの挿通孔3eを避けた位置に設けた透孔3iからモータ10の外方に向けてくようにして突出している。
さらに、この蓋体3dは、ケース13のフランジ13eに設けた取付孔13gに符合する位置に筒状であって金属製のカラー19を保持しており、このカラー19は、ケース3に樹脂成形体1を取付けると、取付孔13gに通じて、取付孔13gとともにモータ10を機器へ取付ける図示しないボルトの挿通を許容する。このカラー19は、モータ10の機器へのボルト締結の際における締付力を受けることになり、樹脂成形体1に無理な負荷が作用することを避けることができる。
また、ベアリング座18の内周側には、ロータ14を軸支するボールベアリング26が装着されている。このように、ベアリング座18をインサート成形によって一体化しておくことで、樹脂成形体1に負担をかけずにボールベアリング26を固定することができる。
さらに、蓋体3dには、ケース13のフランジ13eに設けた孔13fに符合する位置に立ち上がる爪3jが形成されており、この爪3jをケース13の孔13fに挿入すると爪3jが孔13fの周囲に引っ掛かって、ケース13に樹脂成形体1を固定することができるようになっている。
他方、樹脂部品2は、図5に示すように、ロータ14の回転位置を検出するセンサとしてのレゾルバステータ15と、レゾルバステータ15への通電と信号取出用の接続端子27と内部に収容しており、具体的には、内部に接続端子27の端部が突出されるソケット状のセンサコネクタ2aと、レゾルバステータ15を保持する環状のセンサ保持部2bと、センサコネクタ2aとセンサ保持部2bとを連結する断面矩形の腕部2cとを備えて構成されている。
そして、この実施の形態にあっては、上記の樹脂成形体1を製造するに際して、樹脂成形体1を成形する型内に、上記樹脂部品2、巻線通電端子28、ベアリング座18およびカラー19を位置決めて挿入し、当該型内に溶融したモールド樹脂3を注入するインサート成形することにより、上記した各部が一体化される。
ここで、樹脂部品2を単にモールド樹脂3にて一体化するのみでは、樹脂部品2の周りのモールド樹脂3との融着が不十分となりかねない。そこで、本発明では、モールド樹脂3で樹脂部品2の外周を被覆する被覆部3aと、被覆部3aとは別個のゲートG1から射出され被覆部3aとは独立して樹脂部品2の外周を被覆する融着部3bと、樹脂部品2の外周を覆って被覆部3aと融着部3bとを接続するとともに肉厚が被覆部3aおよび融着部3bの肉厚より薄肉の絞り部3cとを形成するようにしている。
詳細には、被覆部3aは、この場合、モールド樹脂3で形成する蓋体3dと一体化されており、この被覆部3aより外方側となる蓋体3dから側方に突出する樹脂部品2の外周を被覆して被覆部3aに連なる絞り部3cと、絞り部3cに連なり樹脂部品2の外周を被覆する融着部3bを設けている。
融着部3bは、樹脂部品2のモールド樹脂3によって被覆される部位のうち最外方端部の外周を被覆するようになっており、絞り部3cは、断面が環状矩形で樹脂部品2の腕部2cの外周を被覆するとともに、肉厚が被覆部3aおよび融着部3bの肉厚より薄肉に設定され、これら被覆部3a、融着部3bおよび絞り部3cは図6に示すように、上下に分割される型30,31に樹脂部品2を挿入し、型30に形成したゲートG1からモールド樹脂3を射出することによって形成されることになる。
また、図6および図7に示すように、絞り部3cの融着部3bへのモールド樹脂注入口となるゲートG1側の辺32における肉厚は反体側の辺33における肉厚より薄くなっており、図7中左右の辺34,35は辺32と辺33の肉厚の中間の肉厚となるように設定されており、溶融したモールド樹脂3がこれらの辺32,33,34,35と通過する際には、モールド樹脂3の流れに充分に抵抗を与えることができるように設定されている。
さらに、被覆部3aは、絞り部3cの樹脂部品2周りの各部の肉厚より厚い肉厚をもっており、樹脂部品2の腕部2cの絞り部3cよりセンサ保持部2b側の外周と、センサ保持部2bを被覆し、センサ保持部2bを被覆する部位にて挿通孔3eを形成するとともに、ベアリング座18を保持し、蓋体3dと一体とされている。
また、この場合、樹脂成形体1の成形にあたり、この樹脂成形体1を成形する型へモールド樹脂3を注入するために、上記した融着部3bに接続されるゲートG1のほかに、図1に示すように、五つのゲートG2,G3,G4,G5,G6が設けられており、具体的には、被覆部3aのセンサ保持部2bを保持する部位に集中して設けてある。なお、融着部3bに接続されるゲートG1以外のゲートG2,G3,G4,G5,G6の設置数と設置箇所は、樹脂成形体1の形状、構造、容積に応じて適宜最適となるように設定すればよい。
上記のように構成された樹脂成形体1は、樹脂部品2をインサート品としてインサート成形することによって成形されるが、ゲートG1から融着部3bに注入されたモールド樹脂3は、ゲートG1側の肉厚が薄くなっているので辺32を通過するときの流れに与えられる抵抗が大きいため、辺32を通過しつつも樹脂部品2の反対側へ回り込んで融着部3b内が速やかにモールド樹脂3で満たされる。
このように、絞り部3cの肉厚を、ゲートG1から遠ざかる程、厚くなるように設定することで、融着部3bのゲートG1へ対面する部位の反対側へも速やかにモールド樹脂3を満たすことができる。なお、絞り部3cの肉厚は、上記したところでは、ゲートG1から遠ざかる程、段階的に厚くなるようになっているが、無段階に厚くなるように設定しても同様の効果を得ることができる。
その後も順次、ゲートG1からモールド樹脂3が融着部3b内へ押し出されて供給されるので、モールド樹脂3は、各辺32,33,34,35を通過して肉厚が厚くなる被覆部3a内へ流れ込むが、絞り部3cは薄肉に設定されており各辺32,33,34,35を通過する際のモールド樹脂3の流れに抵抗が与えられて適度に流れにくくなっているため、融着部3b内はゲートG1から順次注入されるモールド樹脂3によって加圧されるとともに、先に融着部3b内に注入されて温度が低下したモールド樹脂3は後から注入される温度が高いモールド樹脂3によって押し出されて絞り部3cを通過して被覆部3a内へ流入することになる。
したがって、融着部3bに対向する樹脂部品2の外周周りには、樹脂部品2の外周を溶融させるのに充分な圧力が作用するとともに、融着部3b内は順次注入される高温のモールド樹脂3が充満して温度が低下したモールド樹脂3を被覆部3aへ押しやることになるため、樹脂部品2の外周に充分な熱量を与えることができ、樹脂部品2の外周を確実に溶融させて、融着部3bにおいてモールド樹脂3と樹脂部品2とを確実に融着して樹脂部品2とモールド樹脂3とを一体化することができ、樹脂部品2とモールド樹脂3との間が確実にシールされるのである。
また、このようにセンサコネクタ2aと一体化されて内部にレゾルバステータ15と接続端子27とを保持する樹脂部品2をインサート成形することで、側方にセンサコネクタ2aと通電コネクタ3hとが突出する複雑な形状の樹脂成形体1を型の構造の複雑化を避けつつ成形することができる。
なお、センサコネクタ2aを樹脂部品2で形成しておき、樹脂部品2をインサート成形することで、モールド樹脂3によって形成される通電コネクタ3hとセンサコネクタ2aとを近傍に配置することができる利点もある。
そして、このように構成された蓋としての樹脂成形体1をケース13に取付けると、ソケット3fが環状隙間A内に入り込むとともに、凸部3gおよび被覆部3aの樹脂部品2の腕部2cを被覆する部位が凹部17a内に侵入し、樹脂成形体1がケース13に円周方向に位置決められ、爪3jと孔13fにガタが生じていても、ケース13に対して樹脂成形体1をガタ無く正確な位置決めのもとに固定することができ、ステータ11に対してレゾルバステータ15を正確に位置決めることができる。
また、図3に示すように、ソケット3fの下端には、シールリング40が装着されており、このシールリング40は、ケース13の筒部13bとフランジ13eとの境の彎曲部と樹脂成形体1との間に介装されて、ケース13と樹脂成形体1との間がシールされるようになっている。
さらに、上記した透孔3iから巻線12の線端部が挿通されるようになっており、当該巻線12の線端部と巻線通電端子28とを接続することができるようになっている。
ロータ14は、ケース13に保持されるボールベアリング25と樹脂成形体1に保持されるボールベアリング26に回転自在に軸支され、レゾルバステータ15に対向するレゾルバロータ41とを備えて構成されて、外周にコア16に対向する磁石42を備えている。
したがって、このモータ10は、レゾルバステータ15とレゾルバロータ41とでロータ14の回転位置を検出して、巻線12へ通電して回転磁界を形成することで、ロータ14を駆動するブラシレスモータとされており、このように、巻線12への通電とセンサへの通電および信号の受取のためのコネクタが蓋として機能する樹脂成形体1に集約され、グロメットなどによるシールを施さなくともこれらが樹脂モールドによってシールされるので防水性能が向上することになる。
そして、上述したように、本発明では、樹脂部品2の外周を被覆するモールド樹脂3が樹脂部品2の外周を被覆する被覆部3aと、被覆部3aとは別個のゲートG1から射出され被覆部3aとは独立して樹脂部品2の外周を被覆する融着部3bと、樹脂部品2の外周を覆って被覆部3aと融着部3bとを接続するとともに肉厚が被覆部3aおよび融着部3bの肉厚より薄肉の絞り部3cとを備えているので、融着部3bに対向する樹脂部品2の外周周りには、樹脂部品2の外周を溶融させるのに充分な圧力と熱量が作用し、融着部3bにおいてモールド樹脂3と樹脂部品2とを確実に融着して樹脂部品2とモールド樹脂3とを一体化することができ、樹脂部品2とモールド樹脂3との間が確実にシールされるのである。
なお、融着部3bは、樹脂部品2のモールド樹脂3によって被覆される部分の最外方端に形成されるのみならず、たとえば、図8に示すように、樹脂部品2の腕部2cの途中であってソケット3fより内周側に設けられてもよく、このような場合、樹脂部品2を被覆される部位の途中に融着部3bが設けられる都合上融着部3bの前後に絞り部3cを設けるようにしてもよい。
また、樹脂成形体1の説明にあたり、樹脂成形体1がモータ10の蓋である場合について説明したが、特に、樹脂成形体1がモータ10の蓋であるのは具体的一例であって、何らかの樹脂部品をインサート品として樹脂部品の一部をモールド樹脂で被覆するインサート成形を行って樹脂成形体を形成する場合に本発明を適用することができるのは当然であり、樹脂成形体の形状および構造は上記した具体的形状および構造のみに限定されることは無く、樹脂成形体の用途についても同様にモータの蓋に限定されるものではない。
さらに、樹脂部品2は、上述したところでは、断面矩形であるが、断面円形とされてもよく、その場合には、融着部および絞り部を円形とするようにしてもよい。また、樹脂部品2の外周周りに突条を設けてモールド樹脂3との融着を促進させるようにしてもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の一実施の形態における樹脂成形体が具現化したモータの蓋の平面図である。 本発明の一実施の形態における樹脂成形体が具現化したモータの蓋の斜視図である。 本発明の一実施の形態における樹脂成形体が具現化した蓋を用いたモータのB−B縦断面図である。 本発明の一実施の形態における樹脂成形体が具現化した蓋を用いたモータの平面図である。 本発明の一実施の形態における樹脂部品の斜視図である。 樹脂部品を型内に挿入してインサート成形する加工工程を説明する図である。 本発明の一実施形態における樹脂成形体の絞り部の断面図である。 本発明の一実施の形態の一変形例における樹脂成形体が具現化したモータの蓋の斜視図である。 従来技術における樹脂部品とモールド樹脂とを一体化するための構造を示した図である。 従来技術における樹脂部品とモールド樹脂とを一体化する工程を説明する図ある。
符号の説明
1 樹脂成形体
2 樹脂部品
2a センサコネクタ
2b センサ保持部
2c 腕部
3 モールド樹脂
3a 被覆部
3b 融着部
3c 絞り部
3d 蓋体
3e 挿通孔
3f ソケット
3g 凸部
3h 通電コネクタ
3i 透孔
3j 爪
10 モータ
11 ステータ
12 巻線
13 ケース
13a ケースにおける底部
13b ケースにおける筒部
13c ケースにおける凹部
13d ケースにおける突条
13e ケースにおけるフランジ
13f ケースにおける孔
13g ケースにおける取付孔
14 ロータ
15 レゾルバステータ
16 コア
17 モールド樹脂
17a モールド樹脂における凹部
18 ベアリング座
19 カラー
25,26 ボールベアリング
28 巻線通電端子
27 接続端子
30,31 型
32,33,34,35 絞り部の辺
40 シールリング
41 レゾルバロータ
42 磁石
A 環状隙間
G1,G2,G3,G4,G5,G6 ゲート

Claims (7)

  1. 樹脂部品をインサート成形してモールド樹脂と一体化した樹脂成形体において、モールド樹脂は、樹脂部品の外周を被覆する被覆部と、被覆部とは別個のゲートから射出され被覆部とは独立して樹脂部品の外周を被覆する融着部と、樹脂部品の外周を覆って被覆部と融着部とを接続するとともに肉厚が被覆部および融着部の肉厚より薄肉の絞り部とを備えたことを特徴とする樹脂成形体。
  2. 絞り部は、インサート成形時に融着部内へ射出されたモールド樹脂の融着部から被覆部へ移動する流れに抵抗を与え、融着部においてモールド樹脂と樹脂部品とを融着を促進させることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 絞り部の肉厚は、ゲートから遠ざかる程、段階的或いは無段階に厚くなることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂成形体。
  4. 樹脂部品は、モータのロータの回転位置を検出するセンサを内包するセンサ保持部と、センサへの通電と信号取出用の接続端子を内包したセンサコネクタと、センサコネクタとセンサ保持部とを連結するとともにセンサと接続端子とを電気的に接続する導電体を内包する連結部を備え、モールド樹脂はセンサ保持部と連結部の一部を被覆してモータのケースの開口端に取付けられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の樹脂成形体。
  5. 樹脂部品をインサート成形してモールド樹脂と一体化して樹脂成形体を製造する製造方法において、モールド樹脂で樹脂部品の外周を被覆する被覆部と、被覆部とは独立して樹脂部品の外周を被覆する融着部と、被覆部と融着部とを接続して樹脂部品の外周を被覆する絞り部とを形成する型を用い、融着部に被覆部とは独立したゲートからモールド樹脂を射出し、融着部内へ射出されたモールド樹脂の融着部から被覆部へ移動する流れに絞り部で抵抗を与えて、融着部においてモールド樹脂と樹脂部品とを融着させることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
  6. 絞り部の肉厚は、ゲートから遠ざかる程、段階的或いは無段階に厚くなることを特徴とする請求項5に記載の樹脂成形体の製造方法。
  7. 樹脂部品は、モータのロータの回転位置を検出するセンサを内包するセンサ保持部と、センサへの通電と信号取出用の接続端子を内包したセンサコネクタと、センサコネクタとセンサ保持部とを連結するとともにセンサと接続端子とを電気的に接続する導電体を内包する連結部を備え、モールド樹脂でセンサ保持部と連結部の一部を被覆して樹脂成形体がモータのケースの開口端に取付けられることを特徴とする請求項5または6に記載の樹脂成形体の製造方法。
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