JP5291983B2 - テラヘルツ波周波数分解イメージング装置 - Google Patents

テラヘルツ波周波数分解イメージング装置 Download PDF

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Description

本発明は、テラヘルツ波周波数分解イメージング装置に関するものである。
テラヘルツ波は、光波と電波との中間領域に相当する0.01THz〜100THz程度の周波数を有する電磁波であり、光波と電波との間の中間的な性質を有している。このようなテラヘルツ波の応用として、測定対象物で透過または反射したテラヘルツ波の2次元像における各画素の電場振幅の時間波形を測定して、この時間波形を高速フーリエ変換することで該測定対象物の周波数分解された2次元情報を取得する技術が研究されている。
このテラヘルツ波周波数分解イメージング技術は、一般に以下のようなものである。すなわち、光源(例えば、フェムト秒レーザ光源)から出力されたパルス光は、分岐部により2分岐されてポンプ光およびプローブ光とされる。そのうちポンプ光はテラヘルツ波発生部に入力されて、これにより、このテラヘルツ波発生部からパルステラヘルツ波が発生する。この発生したテラヘルツ波は、測定対象部で透過または反射されることで該測定対象物の情報(例えば、吸収係数、屈折率)を取得し、その後、合波部によりプローブ光と合波され、プローブ光と略同一タイミングでテラヘルツ波検出用の電気光学結晶に入射される。
テラヘルツ波およびプローブ光が入力された電気光学結晶では、テラヘルツ波の伝搬に伴い複屈折が誘起され、その複屈折によりプローブ光の偏光状態が変化する。そこで、分岐部と合波部との間のプローブ光の光路上に偏光子が設けられるとともに、電気光学結晶の出力側に検光子が設けられて、この検光子を透過したプローブ光の強度が検出されることで、電気光学結晶におけるプローブ光の偏光状態の変化が検出され、ひいては、テラヘルツ波の電場振幅が検出されて、測定対象物の特性が得られる。このように、テラヘルツ波を用いた測定対象物の情報の測定技術は、パルステラヘルツ波がテラヘルツ波検出用の電気光学結晶上で引き起こす電気光学効果を利用するものである。
また、一般に、テラヘルツ波のパルス幅はピコ秒程度であるのに対して、プローブ光のパルス幅はフェムト秒程度であり、テラヘルツ波と比べてプローブ光のパルス幅は数桁狭い。このことから、テラヘルツ波検出用の電気光学結晶へのテラヘルツ波およびプローブ光の相対的な入射タイミングが掃引されることで、パルステラヘルツ波の電場振幅の時間波形が得られる。さらに、この時間波形を高速フーリエ変換することにより、測定対象物の周波数分解された2次元情報を取得することができる。
特許文献1に開示された発明では、光源から出力されるパルス光に基づいて所定帯域に亘ってチャープされるとともにパルス伸長された白色光のプローブ光が生成されるとともに、テラヘルツ波検出用の電気光学結晶から出力されるブローブ光が上記所定帯域に亘って分光される。そして、分光後のプローブ光の各波長成分の偏光状態が検出されることで、テラヘルツ波の電場振幅の時間波形が得られ、さらに、その時間波形の周波数スペクトルが得られる。したがって、この特許文献1に開示された発明では、テラヘルツ波の電場振幅の時間波形の周波数スペクトルが1パルス毎に得られる。
特開2005−233683号公報
特許文献1に開示された発明では、テラヘルツ波周波数分解イメージングを行おうとすると、テラヘルツ波の光軸に対して相対的に測定対象物を走査することが必要となり、それ故、所要時間が長い。また、従来の一般的なテラヘルツ波周波数分解イメージング技術では、膨大な量のデータを処理することが必要であるので、この点でも所要時間が長い。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、テラヘルツ波周波数分解イメージングを短時間で行うことができる装置を提供することを目的とする。
本発明に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置は、(1) パルス光を出力する光源と、(2)光源から出力されたパルス光を2分岐して、その2分岐したパルス光のうち一方をポンプ光とし他方をプローブ光として出力する分岐部と、(3) 分岐部から出力されたポンプ光を入力することでテラヘルツ波を発生し出力するテラヘルツ波発生部と、(4)テラヘルツ波発生部から出力され測定対象物で透過または反射したテラヘルツ波と、分岐部から出力されて到達したプローブ光とを入力し、これらテラヘルツ波およびプローブ光を互いに同軸となるように合波して出力する合波部と、(5)合波部から出力されたテラヘルツ波およびプローブ光を入力し、テラヘルツ波の伝搬に伴い複屈折が誘起され、その複屈折によりプローブ光の偏光状態を変化させて、そのプローブ光を出力する電気光学結晶と、(6)分岐部から合波部に到るまでのポンプ光およびテラヘルツ波の光路と、分岐部から合波部に到るまでのプローブ光の光路との間の光路長差を調整する光路長差調整部と、(7)電気光学結晶から出力されたプローブ光のビーム断面における偏光状態変化の分布を検出することにより、測定対象物で透過または反射したテラヘルツ波の像を撮像する撮像部と、(8)光路長差調整部に対して光路長差を一定間隔の各値に設定するよう指示するとともに、撮像部に対して光路長差の各値においてテラヘルツ波像を撮像するよう指示する制御部と、(9)光路長差調整部により光路長差が各値に設定されているときに撮像部により撮像されたテラヘルツ波像を順次に入力し、これら入力したテラヘルツ波像の画素毎に当該画素データに特定周波数に応じた係数を乗じた値を加算して、各画素の当該加算値に基づいて特定周波数のテラヘルツ波像を求める演算部と、を備えることを特徴とする。
このテラヘルツ波周波数分解イメージング装置では、光源から出力されたパルス光は、分岐部により2分岐されて、その2分岐されたパルス光のうち一方がポンプ光とされ、他方がプローブ光とされる。分岐部から出力されたポンプ光はテラヘルツ波発生部に入力されて、これにより、テラヘルツ波発生部からテラヘルツ波が出力される。テラヘルツ波発生部から出力され測定対象物で透過または反射したテラヘルツ波と、分岐部から出力されたプローブ光とは、合波部により互いに同軸となるように合波されて出力する。合波部から出力されたテラヘルツ波およびプローブ光が電気光学結晶に入力されると、その電気光学結晶においてテラヘルツ波の伝搬に伴い複屈折が誘起され、その複屈折によりプローブ光の偏光状態が変化して、そのプローブ光が出力される。電気光学結晶から出力されたプローブ光のビーム断面における偏光状態変化の分布が撮像部により検出されて、測定対象物で透過または反射したテラヘルツ波の像が取得される。
また、光路長差調整部により、分岐部から合波部に到るまでのポンプ光およびテラヘルツ波の光路と、分岐部から合波部に到るまでのプローブ光の光路との間の光路長差が調整される。制御部による制御により、光路長差が一定間隔の各値に光路長差調整部により設定されるとともに、光路長差の各値においてテラヘルツ波像が撮像部により撮像される。そして、演算部では、光路長差調整部により光路長差が各値に設定されているときに撮像部により撮像されたテラヘルツ波像が順次に入力され、これら入力されたテラヘルツ波像の画素毎に当該画素データに特定周波数に応じた係数を乗じた値が加算されて、各画素の当該加算値に基づいて特定周波数のテラヘルツ波像が求められる。ここで、特定周波数のテラヘルツ波像を求める際の演算では、離散フーリエ変換やウェーブレット変換などの周波数解析のアルゴリズムが用いられる。
演算部は、周波数および係数それぞれの値を互いに対応付けて記憶する記憶部を有し、特定周波数に対応する係数を記憶部から読み出して、その読み出した係数を画素データに乗じるのが好適である。また、演算部は、光路長差調整部による光路長差の調整の期間または撮像部によるテラヘルツ波像の撮像の期間に乗算処理または加算処理を行うのが好適である。
本発明に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置は、分岐部から合波部に到るまでのポンプ光およびテラヘルツ波の光路上においてポンプ光またはテラヘルツ波の通過および遮断を交互に行う光変調部を更に備えるのが好適である。そして、制御部は、光路長差調整部により光路長差が各値に設定されている期間に、光変調部によりポンプ光またはテラヘルツ波の通過および遮断を行わせ、光変調部によりポンプ光またはテラヘルツ波が通過している期間に撮像部によりテラヘルツ波像を撮像させ、光変調部によりポンプ光またはテラヘルツ波が遮断している期間に撮像部によりバックグラウンド像を撮像させるのが好適である。また、演算部は、光路長差調整部により光路長差が各値に設定されているときに撮像部により撮像されたテラヘルツ波像およびバックグラウンド像を順次に入力し、この入力したテラヘルツ波像からバックグラウンド像を差し引いたテラヘルツ波像を求め、この求めたテラヘルツ波像の画素毎に当該画素データに特定周波数に応じた係数を乗じた値を加算して、各画素の当該加算値に基づいて特定周波数のテラヘルツ波像を求めるのが好適である。
本発明によれば、テラヘルツ波周波数分解イメージングを短時間で行うことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1の構成図である。この図に示されるテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1は、光源11、分岐部12、テラヘルツ波発生部21、光路長差調整部22、偏光子31、合波部41、電気光学結晶42、検光子43、撮像部44、演算部51Aおよび制御部52Aを備える。
光源11は、一定の繰返し周期でパルス光を出力するものであり、好適にはパルス幅がフェムト秒程度であるパルスレーザ光を出力するフェムト秒パルスレーザ光源である。分岐部12は、例えばビームスプリッタであり、光源11から出力されたパルス光を2分岐して、その2分岐したパルス光のうち一方をポンプ光としてミラーM1へ出力し、他方をプローブ光としてミラーM4へ出力する。
分岐部12から出力されたポンプ光は、ミラーM1〜M3により順次に反射されて、テラヘルツ波発生部21に入力される。なお、分岐部12からテラヘルツ波発生部21に到るまでのポンプ光の光学系を、以下では「ポンプ光学系」という。
テラヘルツ波発生部21は、ポンプ光を入力することでパルステラヘルツ波を発生し出力するものであり、例えば、非線形光学結晶、光アンテナ素子、半導体および超伝導体の何れかを含んで構成される。テラヘルツ波発生部21が非線形光学結晶を含む場合、このテラヘルツ波発生部21は、ポンプ光入射に伴って発現する非線形光学現象によりテラヘルツ波を発生することができる。
テラヘルツ波は、光波と電波との中間領域に相当する0.01THz〜100THz程度の周波数を有する電磁波であり、光波と電波との間の中間的な性質を有している。また、パルステラヘルツ波は、一定の繰返し周期で発生し、パルス幅が数ピコ秒程度である。テラヘルツ波発生部21から出力されたテラヘルツ波は、測定対象物9を透過することで測定対象物9の情報(例えば、吸収係数、屈折率)を取得し、その後、レンズL1およびレンズL2を経て合波部41に入力される。なお、テラヘルツ波発生部21から合波部41に到るまでのテラヘルツ波の光学系を、以下では「テラヘルツ波光学系」という。テラヘルツ波光学系の光路上に設けられたレンズL1およびレンズL2は、測定対象物9を透過したテラヘルツ波を電気光学結晶42上に結像させる。
一方、分岐部12から出力されたプローブ光は、ミラーM4〜M8により順次に反射され、偏光子31を通過して、合波部41に入力される。なお、分岐部12から合波部41に到るまでのプローブ光の光学系を、以下では「プローブ光学系」という。
3個のミラーM1〜M3は光路長差調整部22を構成している。すなわち、ミラーM1およびM2が移動することで、分岐部12からテラヘルツ波発生部21に到るまでのポンプ光学系の光路長が調整される。これにより、光路長差調整部22は、分岐部12から合波部41に到るまでのポンプ光学系およびテラヘルツ波光学系の光路と、分岐部12から合波部41に到るまでのプローブ光学系の光路との間の光路長差ΔLを調整することができる。
合波部41は、テラヘルツ波発生部21から出力され測定対象物9で透過したテラヘルツ波を入力するとともに、分岐部12から出力され偏光子31を経て到達したプローブ光を入力し、これらテラヘルツ波およびプローブ光を互いに同軸となるように合波して電気光学結晶42へ出力する。この合波部41はペリクルであるのが好適である。
電気光学結晶42は、合波部41から出力されたテラヘルツ波およびプローブ光を入力し、テラヘルツ波の伝搬に伴い複屈折が誘起され、その複屈折によりプローブ光の偏光状態を変化させて、そのプローブ光を検光子43へ出力する。電気光学結晶42における複屈折はテラヘルツ波の伝搬に伴うポッケルス効果に因るものであり、その複屈折の大きさはテラヘルツ波の電場強度に応じたものである。電気光学結晶42を通過するプローブ光は、その複屈折により偏光状態が変化する。その偏光状態が変化したプローブ光が検光子43へ出力される。
撮像部44は、電気光学結晶42から出力され検光子43を通過し更にレンズL3およびレンズL4を経たプローブ光を受光して、その受光したプローブ光の像を撮像する。レンズL3およびレンズL4は、電気光学結晶42上のプローブ光の像を撮像部44の撮像面上に結像させる。撮像部44は、偏光子31および検光子43とともに用いられることにより、電気光学結晶42から出力されたプローブ光のビーム断面における偏光状態変化の分布を検出することにより、測定対象物9で透過したテラヘルツ波の像を撮像することができる。
演算部51Aは、撮像部44による撮像により得られたテラヘルツ波像のデータを入力して、このデータに基づいて特定周波数のテラヘルツ波像を求める。なお、特定周波数のテラヘルツ波像とは、特定周波数におけるテラヘルツ波の周波数分解像を意味する。制御部52Aは、光源11におけるパルス光の出力動作、光路長差調整部22における光路長差ΔLの調整動作、撮像部44における撮像動作および演算部51Aにおける解析動作それぞれを制御する。
次に、テラヘルツ波周波数分解イメージング装置1の動作の概略について説明する。光源11から出力されたパルス光は、分岐部12により2分岐されてポンプ光およびプローブ光とされる。分岐部12から出力されたポンプ光は、ミラーM1〜M3により順次に反射されて、テラヘルツ波発生部21に入力される。テラヘルツ波発生部21では、ポンプ光の入力に応じてテラヘルツ波が発生し出力される。テラヘルツ波発生部21から出力されたテラヘルツ波は、測定対象部9を透過して合波部41に入力される。一方、分岐部12から出力されたプローブ光は、ミラーM4〜M8により順次に反射され、偏光子31により直線偏光とされ、合波部41に入力される。
合波部41に入力されたテラヘルツ波およびプローブ光は、合波部41により互いに同軸となるように合波されて、略同一タイミングで電気光学結晶42に入力される。テラヘルツ波およびプローブ光が入力された電気光学結晶42では、テラヘルツ波の伝搬に伴い複屈折が誘起され、その複屈折によりプローブ光の偏光状態が変化する。そして、この電気光学結晶42におけるプローブ光の偏光状態変化の分布は、プローブ光学系の光路上に設けられた偏光子31、電気光学結晶42の出力側に設けられた検光子43、および、この検光子43を透過したプローブ光を撮像する撮像部44により、光強度分布として撮像される。このようにして、電気光学結晶42におけるプローブ光の偏光状態変化の分布が検出され、ひいては、測定対象物9で透過したテラヘルツ波の像が得られる。
以上のようなテラヘルツ波像の撮像は、ポンプ光学系およびテラヘルツ波光学系の光路とプローブ光学系の光路との間の光路長差ΔLが光路長差調整部22により一定間隔の各値に設定されて行われる。一般に、テラヘルツ波のパルス幅はピコ秒程度であるのに対して、プローブ光のパルス幅はフェムト秒程度であり、テラヘルツ波と比べてプローブ光のパルス幅は数桁狭い。このことから、光路長差調整部22により光路長差ΔLが一定間隔の各値に設定されることで、電気光学結晶42へのテラヘルツ波およびプローブ光の相対的な入射タイミングが掃引される。そして、光路長差ΔLの各値において撮像部44によりテラヘルツ波像が撮像さえることにより、テラヘルツ波像の時間変化の様子、すなわち、テラヘルツ波像の各画素における電場振幅の時間波形が得られる。さらに、この時間波形が高速フーリエ変換されることにより、測定対象物9の周波数分解された2次元情報が取得され得る。
ここで、比較例のテラヘルツ波周波数分解イメージング技術について、図2〜図5を用いて説明する。図2は、テラヘルツ波周波数分解イメージング技術において一定間隔の各タイミングで得られるテラヘルツ波像を示す図である。この図に示されるように、N個のテラヘルツ波像F〜FN−1が得られるとする。ここで、テラヘルツ波像Fは、光路長差ΔLが値(Δ+nδ)に設定されているときに撮像により得られた像である。Nは2以上の整数であり、nは0以上N未満の各整数である。また、Δは光路長差の基準値であり、δは光路長差の設定ステップ幅である。
なお、このとき、電気光学結晶42へのテラヘルツ波およびプローブ光の相対的な入射タイミングは間隔(δ/c)で掃引される。すなわち、テラヘルツ波像Fは、相対的入射タイミング(t+nτ)に設定されているときに撮像により得られた像である。ここで、cは光速であり、tは基準時刻であり、τは時間間隔(δ/c)である。
図3は、テラヘルツ波周波数分解イメージング技術においてテラヘルツ波像の各画素の電場振幅の時間波形を求める方法を説明する図である。同図(a)には、N個のテラヘルツ波像F〜FN−1のうち、相対的入射タイミング(t+nτ)(すなわち、光路長差(Δ+nδ))に設定されているとき)に撮像により得られたテラヘルツ波像Fn1、相対的入射タイミング(t+nτ)(すなわち、光路長差(Δ+nδ))に設定されているとき)に撮像により得られたテラヘルツ波像Fn2、および、相対的入射タイミング(t+nτ)(すなわち、光路長差(Δ+nδ))に設定されているとき)に撮像により得られたテラヘルツ波像Fn3、が示されている。ここで、「n<n<n」である。
同図(b)には、N個のテラヘルツ波像F〜FN−1において共通の或る画素について、テラヘルツ波の電場振幅の時間波形が示されている。同図(b)に示されるようなテラヘルツ波の電場振幅の時間波形が全画素について得られて、同図(c)に示されるように全画素でテラヘルツ波の電場振幅の時間波形が得られる。
図4は、テラヘルツ波周波数分解イメージング技術において各画素について電場振幅の時間波形に基づいて得られる周波数スペクトルを示す図である。同図(a)に示される各画素の電場振幅の時間波形に対して高速フーリエ変換が行われて、同図(b)に示されるような各画素の周波数スペクトルが得られる。このような高速フーリエ変換処理が全画素について行われる。
図5は、テラヘルツ波周波数分解イメージング技術において特定周波数のテラヘルツ波像を求める方法を説明する図である。同図(a)に示されるテラヘルツ波像の各画素の周波数スペクトルが同図(b)に示されるように得られると、その周波数スペクトルにおける特定周波数(例えば1THz)の振幅が各画素で得られて、同図(c)に示されるように特定周波数のテラヘルツ波像が得られる。
以上のように図2〜図5を用いて説明した比較例のテラヘルツ波周波数分解イメージング技術では、N個のテラヘルツ波像F〜FN−1のデータを記憶しておき、各画素について高速フーリエ変換処理を行う必要がある。それ故、膨大な量のデータを処理することが必要であるので、この点でも所要時間が長い。また、特許文献1に開示された発明でも、前述したように特定周波数のテラヘルツ波像を得るために要する時間が長い。
そこで、本実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1では、このような比較例のテラヘルツ波周波数分解イメージング技術が有する問題点を解消するために、制御部52Aおよび演算部51Aそれぞれは以下のような処理を行う。すなわち、制御部52Aは、光路長差調整部22に対して光路長差ΔLを一定間隔δの各値に設定するよう指示するとともに、撮像部44に対して光路長差ΔLの各値においてテラヘルツ波像を撮像するよう指示する。また、演算部51Aは、光路長差調整部22により光路長差ΔLが各値に設定されているときに撮像部44により撮像されたテラヘルツ波像F〜FN−1を順次に入力し、これら入力したテラヘルツ波像F〜FN−1の画素毎に当該画素データに特定周波数に応じた係数を乗じた値を加算して、各画素の当該加算値に基づいて特定周波数のテラヘルツ波像を求める。更に具体的には以下のとおりである。
以下では、電場振幅の時間波形に基づいて周波数スペクトルを求める際に行う離散フーリエ変換において特定周波数として第kの周波数成分(kc/Nδ、c:光速)を得る場合について説明する。また、テラヘルツ波像の或る1つの画素について説明するが、以下に説明する処理は全画素について行われる。
光路長差調整部22により光路長差ΔLが値(Δ+nδ)に設定されて、電気光学結晶42へのテラヘルツ波およびプローブ光の相対的入射タイミングが値(t+nτ)に設定され、この状態で撮像部44によりテラヘルツ波像Fが得られる。このようにしてN個のテラヘルツ波像F〜FN−1が順次に得られる。撮像部44により順次に得られたN個のテラヘルツ波像F〜FN−1のデータは、演算部51Aに順次に入力される。演算部51Aでは、順次に入力されるN個のテラヘルツ波像F〜FN−1のデータに基づいて、以下のような処理が行われる。
最初のテラヘルツ波像Fのデータが演算部51Aに入力されると、演算部51Aでは、そのテラヘルツ波像Fの画素データxが用いられて、下記(1)式で表される演算によりAk,0,Bk,0が求められる。
次のテラヘルツ波像Fのデータが演算部51Aに入力されると、演算部51Aでは、そのテラヘルツ波像Fの画素データxが用いられて、下記(2)式で表される演算によりAk,1,Bk,1が求められる。
更に次のテラヘルツ波像Fのデータが演算部51Aに入力されると、演算部51Aでは、そのテラヘルツ波像Fの画素データxが用いられて、下記(3)式で表される演算によりAk,2,Bk,2が求められる。
一般にテラヘルツ波像Fのデータが演算部51Aに入力されると、演算部51Aでは、そのテラヘルツ波像Fの画素データxが用いられて、下記(4)式で表される演算によりAk,n,Bk,nが求められる。
最後にテラヘルツ波像FN−1のデータが演算部51Aに入力されると、演算部51Aでは、そのテラヘルツ波像FN−1の画素データxN−1が用いられて、下記(5)式で表される演算によりAk,N−1,Bk,N−1が求められる。
これらの数式において画素データxに乗じられる係数は、特定周波数として第kの周波数(kc/Nδ)による係数であり、cos(2πnk/N),sin(2πnk/N)と表される。上記(5)式は下記(6)式で表される。
この(6)式で表されるAおよびBは、離散フーリエ変換処理により得られる第kの周波数におけるXの実部および虚部を表している。さらに、演算部51Aでは、下記(7)式で表される演算が行われることで、第kの周波数におけるXの絶対値(|X|)および位相(arg(X))が得られる。
このように、演算部51Aでは、光路長差調整部22により光路長差ΔLが各値に設定されているときに撮像部44により撮像されたテラヘルツ波像F〜FN−1が順次に入力され、これら入力されたテラヘルツ波像Fの画素毎に当該画素データxに特定周波数に応じた係数を乗じた値が累積加算されて、各画素の当該累積加算値に基づいて特定周波数のテラヘルツ波像が求められる。
ここで、特定周波数の個数は、1であってもよいし、2以上であってもよい。特定周波数の個数が2以上である場合には、各々の特定周波数について上記の処理が演算部51Aで行われる。ところで、実際のテラヘルツ波周波数分解イメージング技術の適用においては、一般に、全ての周波数についてテラヘルツ波像を得る必要はなく、1個または数個の特定周波数についてテラヘルツ波像を得ることができれば充分である。本実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1は、特定周波数のテラヘルツ波像を求めることができ、その一方で特定周波数以外の不要な周波数のテラヘルツ波像を求めるための処理を行う必要がない。したがって、このテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1は、テラヘルツ波周波数分解イメージングを短時間で行うことができる。
また、演算部51Aでは、各テラヘルツ波像Fが順次に入力されたときに、当該画素データxに特定周波数に応じた係数を乗じた値が累積加算されて当該累積加算値が記憶されればよく、これ以降はテラヘルツ波像Fのデータは不要であり廃棄されてもよい。したがって、本実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1は、膨大な量のデータを記憶する必要がなく、この点でもテラヘルツ波周波数分解イメージングを短時間で行うことができる。
また、演算部51Aは、周波数および係数(cos(2πnk/N),sin(2πnk/N))それぞれの値を互いに対応付けて記憶する記憶部を有し、各テラヘルツ波像Fが入力される度に特定周波数に対応する係数を記憶部から読み出して、その読み出した係数を画素データxに乗じるのが好適である。このようにすることで、テラヘルツ波周波数分解イメージング装置1は、テラヘルツ波周波数分解イメージングを更に短時間で行うことができる。
本実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1では、図6に示されるように、演算部51Aは、光路長差調整部22による光路長差の調整の期間または撮像部44によるテラヘルツ波像の撮像の期間に乗算処理または加算処理を行うのが好適である。図6は、第1実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1の動作例を説明するフローチャートである。
同図に示されるように、テラヘルツ波像Fの画素データxを用いてAk,0,Bk,0を求める上記(1)式の演算は、光路長差調整部22により光路長差(Δ)から光路長差(Δ+δ)に変更されている期間、または、光路長差(Δ+δ)に設定された状態でテラヘルツ波像Fが撮像部44により取得されている期間、に行われる。テラヘルツ波像Fの画素データxを用いてAk,1,Bk,1を求める上記(2)式の演算は、光路長差調整部22により光路長差(Δ+δ)から光路長差(Δ+2δ)に変更されている期間、または、光路長差(Δ+2δ)に設定された状態でテラヘルツ波像Fが撮像部44により取得されている期間、に行われる。一般に、テラヘルツ波像Fの画素データxを用いてAk,n,Bk,nを求める上記(4)式の演算は、光路長差調整部22により光路長差(Δ+nδ)から光路長差(Δ+(n+1)δ)に変更されている期間、または、光路長差(Δ+(n+1)δ)に設定された状態でテラヘルツ波像Fn+1が撮像部44により取得されている期間、に行われる。
このように、光路長差調整部22により光路長差の設定と撮像部44によるテラヘルツ波像の撮像とが交互に行われるとともに、これら光路長差設定および撮像と演算部51Aにおける演算とが並列的に行われることにより、テラヘルツ波周波数分解イメージングを更に短時間で行うことができる。
また、通常の電場振幅の時間波形のイメージングでは、光路長差が固定されて像が取得される。具体的には、測定したい測定対象物において透過テラヘルツ波強度が最大となる光路長差(時間波形におけるピークとなる光路長差)に設定される。ここで測定対象物が交換された場合、測定対象物の屈折率や厚さの相違により、新たな測定対象物について改めて最適な光路長差が設定されなければならない。しかし、本実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置を用いることにより、或る特定周波数のテラヘルツ波像が取得されるので、測定対象物が交換されても最適な光路長差を改めて設定し直す必要はない。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2の構成図である。この図に示されるテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2は、光源11、分岐部12、テラヘルツ波発生部21、光路長差調整部22、光変調部23、偏光子31、合波部41、電気光学結晶42、検光子43、撮像部44、演算部51Bおよび制御部52Bを備える。
図1に示された第1実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1の構成と比較すると、この図7に示される第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2は、光変調部23を更に備える点で相違し、演算部51Aに替えて演算部51Bを備える点で相違し、また、制御部52Aに替えて制御部52Bを備える点で相違する。
光変調部23は、分岐部12から合波部41に到るまでのポンプ光およびテラヘルツ波の光路上に設けられ、ポンプ光またはテラヘルツ波の通過および遮断を交互に行う。図7に示される実施形態では、光変調部23は、ポンプ光学系のうち分岐部12とミラーM1との間の光路上に設けられていて、ポンプ光の通過および遮断を交互に行う。
制御部52Bは、光路長差調整部22により光路長差が各値(Δ+nδ)に設定されている期間に、光変調部23によりポンプ光の通過および遮断を行わせる。そして、制御部52Bは、光路長差が各値(Δ+nδ)に設定されている期間であって、光変調部22によりポンプ光が通過している期間に、撮像部44によりテラヘルツ波像Fn,sを撮像させる。また、制御部52Bは、光路長差が各値(Δ+nδ)に設定されている期間であって、光変調部22によりポンプ光が遮断している期間に、撮像部44によりバックグラウンド像Fn,bを撮像させる。
演算部51Bは、光路長差調整部22により光路長差が各値(Δ+nδ)に設定されているときに撮像部44により撮像されたテラヘルツ波像Fn,sおよびバックグラウンド像Fn,bを順次に入力し、この入力したテラヘルツ波像Fn,sからバックグラウンド像Fn,bを差し引いたテラヘルツ波像Fを求め、この求めたテラヘルツ波像Fの画素毎に当該画素データに特定周波数に応じた係数を乗じた値を加算して、各画素の当該加算値に基づいて特定周波数のテラヘルツ波像を求める。テラヘルツ波像F〜FN−1から特定周波数のテラヘルツ波像を求める方法は、第1実施形態の場合と同様である。
この第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2は、第1実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1と同様の効果を奏することができる他、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、理想的には、電気光学結晶42にテラヘルツ波が入力されていないときに該電気光学結晶42にプローブ光が入力されても、そのプローブ光は、検光子43を透過することができず、撮像部44により受光されない。しかし、実際には、電気光学結晶42にテラヘルツ波が入力されていないときに該電気光学結晶42にプローブ光が入力されたとき、そのプローブ光の一部は、検光子43を透過して撮像部44により受光される。撮像部44によるテラヘルツ波像の撮像の際にも、理想的な場合には検光子43を透過しない筈であるプローブ光の偏光成分の一部は、実際には検光子43を透過してバックグランドとして撮像部44により受光される。第2実施形態では、テラヘルツ波像Fn,sからバックグラウンド像Fn,bが差し引かれることで、バックグラウンドが除去されたテラヘルツ波像Fが求められ、この求められたテラヘルツ波像Fから特定周波数のテラヘルツ波像が求められる。したがって、第2実施形態では、より精確な特定周波数のテラヘルツ波像が得られる。
次に、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いた測定例について説明する。
図8は、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いて測定対象物としてのカルママゼピン(CBZ)を測定する例を説明する図である。カルママゼピンには結晶多形があり、そのうちのCBZ1およびCBZ3それぞれは、同図(a)に示されるように互いに異なる特徴的な吸収波長を有している。すなわち、CBZ1の吸収は波長1.0THz付近にピークがあり、CBZ3の吸収は波長1.25THz付近にピークがある。
前述した比較例のテラヘルツ波周波数分解イメージングによりテラヘルツ波像を得た場合、同図(b)に示されるように、CBZ1とCBZ3とは互いに区別され得ない。しかし、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いて特定周波数1.0TH付近zのテラヘルツ波像を得た場合、同図(c)に示されるように、CBZ1の像は強く現れるが、CBZ3の像は得られない(または、弱い)。また、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いて特定周波数1.25THz付近のテラヘルツ波像を得た場合、同図(d)に示されるように、CBZ3の像は強く現れるが、CBZ1の像は得られない(または、弱い)。
このように、CBZ1とCBZ3とを区別して同定するには、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いて特定周波数1.0THz付近および1.25THz付近それぞれのテラヘルツ波像を得ればよい。また、一般に、測定対象物に特有の吸収を示す特定周波数のテラヘルツ波像を得ることで、その測定対象物を同定することができる。
図9は、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いて測定対象物としての特定形状のアルミニウム箔を測定する例を説明する図である。同図(a)に示されるように、星型の開口を有するアルミニウム箔91をプラスチック板92の主面上に貼り付けたものを測定対象物とする。テラヘルツ波は、プラスチック板92を透過することができるが、アルミニウム箔91を透過することができない。
同図(b)に示される像は、テラヘルツ波の電場振幅の像であって、その電場振幅の時間波形においてピークとなる光路長差が光路長差調整部22により設定されたときに得られた像である。同図(b)に示される像は、広帯域に亘る周波数成分を含んでいるので、そのうちの低周波成分によりボケが生じている。
これに対して、同図(b)に示される像は、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いて得られた高周波数(2.5THz)のテラヘルツ波像である。このように、特定周波数として高周波数を用いると、ボケが抑制されて空間分解能が高いテラヘルツ波像が短時間で得られる。
このように高周波数のテラヘルツ波像の空間分解能が高いことを利用することにより、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2は、以下のような動作をすることもできる。すなわち、測定対象物9,レンズL1,レンズL2および電気光学結晶42それぞれの位置によっては、測定対象物9を透過したテラヘルツ波の像が電気光学結晶42上に結像される際に、その像にボケが生じる場合がある。電気光学結晶42上の像のボケを小さくするには、測定対象物9,レンズL1,レンズL2および電気光学結晶42それぞれの位置を光軸方向に調整することが必要である。第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いることにより、空間分解能が高いテラヘルツ波像が得られるので、このテラヘルツ波像を確認しながら、より鮮明なテラヘルツ波像が得られるように測定対象物9,レンズL1,レンズL2および電気光学結晶42それぞれの位置を高精度かつ短時間に調整することができる。
具体的には以下のように行われる。図10は、第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2における調整の方法を説明する図である。テラヘルツ波周波数分解イメージング装置2により、同図(a)に示されるような高周波数のテラヘルツ波像が得られるとする。このテラヘルツ波像のうち同図(a)中において破線で示されるライン上の強度分布が同図(b)のように得られるとする。同図(b)に示される強度分布がよりシャープになるように、測定対象物9,レンズL1,レンズL2および電気光学結晶42それぞれの位置が調整されればよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上記実施形態では、測定対象物9を透過したテラヘルツ波が測定されたが、測定対象物9で反射したテラヘルツ波が測定されてもよい。また、上記実施形態では、演算部51A,51Bにおいて特定周波数のテラヘルツ波像を求める際の演算の際に、離散フーリエ変換が用いられたが、ウェーブレット変換などの他の周波数解析のアルゴリズムが用いられてもよい。
第1実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1の構成図である。 テラヘルツ波周波数分解イメージング技術において一定間隔の各タイミングで得られるテラヘルツ波像を示す図である。 テラヘルツ波周波数分解イメージング技術においてテラヘルツ波像の各画素の電場振幅の時間波形を求める方法を説明する図である。 テラヘルツ波周波数分解イメージング技術において各画素について電場振幅の時間波形に基づいて得られる周波数スペクトルを示す図である。 テラヘルツ波周波数分解イメージング技術において特定周波数のテラヘルツ波像を求める方法を説明する図である。 第1実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置1の動作例を説明するフローチャートである。 第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2の構成図である。 第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いて測定対象物としてのカルママゼピン(CBZ)を測定する例を説明する図である。 第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2を用いて測定対象物としての特定形状のアルミニウム箔を測定する例を説明する図である。 第2実施形態に係るテラヘルツ波周波数分解イメージング装置2における調整の方法を説明する図である。
符号の説明
1,2…テラヘルツ波周波数分解イメージング装置、11…光源、12…分岐部、21…テラヘルツ波発生部、22…光路長差調整部、23…光変調部、31…偏光子、41…合波部、42…電気光学結晶、43…検光子、44…撮像部、51A,51B…演算部、52A.52B…制御部、L1〜L4…レンズ、M1〜M8…ミラー。

Claims (4)

  1. パルス光を出力する光源と、
    前記光源から出力されたパルス光を2分岐して、その2分岐したパルス光のうち一方をポンプ光とし他方をプローブ光として出力する分岐部と、
    前記分岐部から出力されたポンプ光を入力することでテラヘルツ波を発生し出力するテラヘルツ波発生部と、
    前記テラヘルツ波発生部から出力され測定対象物で透過または反射したテラヘルツ波と、前記分岐部から出力されて到達したプローブ光とを入力し、これらテラヘルツ波およびプローブ光を互いに同軸となるように合波して出力する合波部と、
    前記合波部から出力されたテラヘルツ波およびプローブ光を入力し、テラヘルツ波の伝搬に伴い複屈折が誘起され、その複屈折によりプローブ光の偏光状態を変化させて、そのプローブ光を出力する電気光学結晶と、
    前記分岐部から前記合波部に到るまでのポンプ光およびテラヘルツ波の光路と、前記分岐部から前記合波部に到るまでのプローブ光の光路と、の間の光路長差を調整する光路長差調整部と、
    前記電気光学結晶から出力されたプローブ光のビーム断面における偏光状態変化の分布を検出することにより、前記測定対象物で透過または反射したテラヘルツ波の像を撮像する撮像部と、
    前記光路長差調整部に対して前記光路長差を一定間隔の各値に設定するよう指示するとともに、前記撮像部に対して前記光路長差の各値においてテラヘルツ波像を撮像するよう指示する制御部と、
    前記光路長差調整部により前記光路長差が各値に設定されているときに前記撮像部により撮像されたテラヘルツ波像を順次に入力し、これら入力したテラヘルツ波像の画素毎に当該画素データに特定周波数に応じた係数を乗じた値を加算して、各画素の当該加算値に基づいて前記特定周波数のテラヘルツ波像を求める演算部と、
    を備えることを特徴とするテラヘルツ波周波数分解イメージング装置。
  2. 前記演算部が、前記周波数および前記係数それぞれの値を互いに対応付けて記憶する記憶部を有し、前記特定周波数に対応する前記係数を前記記憶部から読み出して、その読み出した係数を前記画素データに乗じる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波周波数分解イメージング装置。
  3. 前記演算部が、前記光路長差調整部による光路長差の調整の期間または前記撮像部によるテラヘルツ波像の撮像の期間に乗算処理または加算処理を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波周波数分解イメージング装置。
  4. 前記分岐部から前記合波部に到るまでのポンプ光およびテラヘルツ波の光路上においてポンプ光またはテラヘルツ波の通過および遮断を交互に行う光変調部を更に備え、
    前記制御部が、前記光路長差調整部により前記光路長差が各値に設定されている期間に、前記光変調部によりポンプ光またはテラヘルツ波の通過および遮断を行わせ、前記光変調部によりポンプ光またはテラヘルツ波が通過している期間に前記撮像部によりテラヘルツ波像を撮像させ、前記光変調部によりポンプ光またはテラヘルツ波が遮断している期間に前記撮像部によりバックグラウンド像を撮像させ、
    前記演算部が、前記光路長差調整部により前記光路長差が各値に設定されているときに前記撮像部により撮像されたテラヘルツ波像およびバックグラウンド像を順次に入力し、この入力したテラヘルツ波像からバックグラウンド像を差し引いたテラヘルツ波像を求め、この求めたテラヘルツ波像の画素毎に当該画素データに前記特定周波数に応じた係数を乗じた値を加算して、各画素の当該加算値に基づいて特定周波数のテラヘルツ波像を求める、
    ことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波周波数分解イメージング装置。
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