JP5289869B2 - 刃先交換式切削工具及び切削加工方法 - Google Patents

刃先交換式切削工具及び切削加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、軸線回りに回転される工具本体の先端側外周部に設けられた複数のインサート取付座にインサートが着脱可能に装着された刃先交換式切削工具及びこのような刃先交換式切削工具を用いて被削材の正面切削加工を行う切削加工方法に係り、特に、複数のインサート取付座に荒削り用インサートと仕上げ用インサートとを交互に装着させて仕上げ切削を高送りで行うようにした刃先交換式切削工具において、横方向の送り速度を速くした場合においても、仕上げ面が良好な切削加工が安定して行えるようにした点に特徴を有するものである。
従来から、軸線回りに回転される工具本体の先端側外周部に設けられた複数のインサート取付座にインサートが着脱可能に装着された正面フライス等の刃先交換式切削工具を用い、金属で構成された被削材を正面切削加工することが行われている。
そして、このような刃先交換式切削工具を用いて被削材を正面切削加工するにあたり、従来においては、一般に工具本体の先端側外周部に設けられた複数のインサート取付座に荒削り用インサートを装着させた荒削り用の刃先交換式切削工具により、上記の被削材に対して荒削りの正面切削加工を行った後、工具本体の先端側外周部に設けられた複数のインサート取付座に仕上げ用インサートを装着させた仕上げ用の刃先交換式切削工具を用いて仕上げの正面切削加工を行うようにしている。
しかし、このように荒削り用の刃先交換式切削工具と仕上げ用の刃先交換式切削工具との2種類の刃先交換式切削工具を用いて、被削材を正面切削加工する場合、各刃先交換式切削工具を準備するためのコストが高くつくと共に、それぞれの切削加工に応じて、これらの刃先交換式切削工具を交換させることが必要になり、これらの切削加工に要する時間が長くなって、切削加工効率が非常に悪くなるという問題があった。
このため、近年においては、特許文献1,2に示すように、刃先交換式切削工具における複数のインサート取付座に、荒削り用インサートと仕上げ用インサートとを装着させ、1つの刃先交換式切削工具によって仕上げ切削を効率よく行うようにしたものが提案されている。
ここで、特許文献1に示されるものにおいては、仕上げ用インサートにおける底刃を軸方向先端側に向けて曲率半径Rが50〜500mmの凸の円弧状に形成し、軸方向の切込みを大きくした場合においても、良好な仕上げ面が得られるようにすることが提案されている。
また、特許文献2に示されるものにおいては、仕上げ用インサートにおける底刃を荒削り用インサートの底刃よりも軸方向先端側に僅かに突出させると共に、仕上げ用インサートにおける外周刃を、荒削り用インサートにおける外周刃よりも一刃当りの送り量以上引っ込むように設け、仕上げ用インサートにおける外周刃が切削を行わないようにして、仕上げ用インサートに加わる負荷を低減させることが提案されている。
ここで、近年においては、上記のような刃先交換式切削工具において、その横方向の送り速度を速くして、効率のよい切削加工を行うことが要望されている。
そして、上記の特許文献1,2に示される刃先交換式切削工具において、その横方向の送り速度を速くした場合、荒削り用インサートや仕上げ用インサートに加わる負荷が大きくなり、特に、荒削り用インサートや仕上げ用インサートにおける軸方向先端の外周側におけるコーナー刃に加わる負荷が非常に大きくなり、切削加工時にビビリが発生して仕上げ面の状態が悪くなったり、荒削り用インサートや仕上げ用インサートにおけるコーナー刃に欠損が生じたりするという問題があった。
特開2008−100316号公報 特開平9−38819号公報
本発明は、軸線回りに回転される工具本体の先端側外周部に設けられた複数のインサート取付座にインサートが着脱可能に装着された刃先交換式切削工具において、被削材を正面切削加工する場合における上記のような様々な問題を解決することを課題とするものである。
そして、本発明においては、上記の複数のインサート取付座に荒削り用インサートと仕上げ用インサートとを装着させて仕上げ切削を高送りで行うようにした刃先交換式切削工具において、その横方向の送り速度を速くして切削加工を行うようにした場合においても、ビビリが発生して仕上げ面の状態が悪くなったり、荒削り用インサートや仕上げ用インサートにおけるコーナー刃に欠損が生じたりするということがなく、仕上げ面が良好な切削加工が安定して行えるようにすることを課題とするものである。
本発明に係る刃先交換式切削工具においては、上記のような課題を解決するため、軸線回りに回転される工具本体の先端側外周部に設けられた複数のインサート取付座に、荒削り用インサートと仕上げ用インサートとが周方向に等間隔で交互に着脱可能に装着された刃先交換式切削工具において、上記の荒削り用インサートにおける荒削り用底刃と荒削り用外周刃とが交差するコーナー部が角取りされて荒削り用コーナー刃が設けられると共に、上記の仕上げ用インサートにおける軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃と仕上げ用外周刃とが交差するコーナー部が角取りされて仕上げ用コーナー刃が設けられ、上記の荒削り用コーナー刃における軸方向の高さをh1(mm)、その半径方向の長さをc1(mm)、その半径方向に対する傾斜角をθ1(°)、上記の軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃の曲率半径をR(mm)、上記の仕上げ用コーナー刃における軸方向の高さをh2(mm)、その半径方向の長さをc2(mm)、その半径方向に対する傾斜角をθ2(°)と、上記の仕上げ用インサートの一刃当りの送り量をfz(mm/刃)とした場合に、h1≦0.6、h2>h1、100≦R≦500、θ1<θ2の条件を満たし、上記のc1とc2とが(c2−c1)>fz/2の条件を満たすように設定すると共に、上記の仕上げ用底刃が荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出するようにして、被削材の正面切削加工を行うようにした。
また、本発明に係る切削加工方法においては、軸線回りに回転される工具本体の先端側外周部に設けられた複数のインサート取付座に、荒削り用インサートと仕上げ用インサートとが周方向に等間隔で交互に着脱可能に装着された刃先交換式切削工具を用いて被削材の正面切削加工を行う切削加工方法において、上記の荒削り用インサートにおける荒削り用底刃と荒削り用外周刃とが交差するコーナー部が角取りされて荒削り用コーナー刃が設けられると共に、上記の仕上げ用インサートにおける軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃と仕上げ用外周刃とが交差するコーナー部が角取りされて仕上げ用コーナー刃が設けられ、上記の荒削り用コーナー刃における軸方向の高さをh1(mm)、その半径方向の長さをc1(mm)、その半径方向に対する傾斜角をθ1(°)、上記の軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃の曲率半径をR(mm)、上記の仕上げ用コーナー刃における軸方向の高さをh2(mm)、その半径方向の長さをc2(mm)、その半径方向に対する傾斜角をθ2(°)と、上記の仕上げ用インサートの一刃当りの送り量をfz(mm/刃)とした場合に、h1≦0.6、h2>h1、100≦R≦500、θ1<θ2の条件を満たすと共に、上記のc1とc2とfzとが(c2−c1)>fz/2の条件を満たすようにし、上記の仕上げ用底刃を荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出させて、被削材の正面切削加工を行うようにした。
ここで、本発明の刃先交換式切削工具において、上記の荒削り用インサートに、軸方向の高さh1、半径方向の長さc1が上記のような条件を満たす荒削り用コーナー刃を設けるにあたっては、この荒削り用コーナー刃の半径方向に対する傾斜角θ1を10°〜30°の範囲にすることが好ましい。
また、本発明の刃先交換式切削工具においては、上記の荒削り用インサートにおける荒削り用外周刃を上記の仕上げ用外周刃よりも半径方向に突出させることが好ましく、仕上げ用外周刃に対する荒削り用外周刃の突出量Eを0.5mm以下にすることが好ましい。
また、本発明の刃先交換式切削工具において、上記のように仕上げ用インサートにおける仕上げ用底刃を、荒削り用インサートにおける荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出させるにあたっては、工具本体に設けられたインサート取付座に仕上げ用インサートを着脱可能に装着させるにあたり、上記の仕上げ用インサートの取付位置を軸方向に調整する調整機構を設け、この調整機構により仕上げ用底刃を荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出させる量を調整させるようにすることが好ましい。
そして、本発明の刃先交換式切削工具においては、仕上げ切削を行うにあたり、軸方向の切込み量を上記の荒削り用インサートにおける荒削り用コーナー刃の軸方向の高さh1以下で行うようにする。
本発明の刃先交換式切削工具においては、上記の荒削り用インサートにおける荒削り用底刃と荒削り用外周刃とが交差するコーナー部を角取りして荒削り用コーナー刃を設けるにあたり、この荒削り用コーナー刃における軸方向の高さh1を0.6mm以下にしたため、横方向の送り速度を速くして切削加工を行う場合においても、この荒削り用コーナー刃に加わる負荷が低減されて、切削時にビビリが発生したり、この荒削り用コーナー刃に欠損が発生するのが防止される。
また、本発明の刃先交換式切削工具においては、上記のように荒削り用インサートに荒削り用コーナー刃を設けると共に、仕上げ用インサートにおける軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃と仕上げ用外周刃とが交差するコーナー部を角取りして仕上げ用コーナー刃を設けるにあたり、荒削り用コーナー刃における軸方向の高さh1(mm)と、その半径方向の長さc1(mm)と、仕上げ用コーナー刃における軸方向の高さh2(mm)と、その半径方向の長さc2(mm)と、仕上げ用インサートの一刃当りの送り量fz(mm/刃)とが、h2>h1及び(c2−c1)>fz/2の条件を満たすと共に、上記の仕上げ用底刃が荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出するようにしたため、切削加工時に、上記の仕上げ用インサートにおいては、仕上げ用外周刃や仕上げ用コーナー刃が被削材にあたるのが抑制され、軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃だけが被削材を切削するようになる。
このため、本発明の刃先交換式切削工具においては、横方向の送り速度を速くして切削加工を行う場合においても、上記の仕上げ用外周刃や仕上げ用コーナー刃に負荷が加わるということがなく、ビビリが発生したり、これらが欠損したりするのが防止され、上記の仕上げ用底刃により仕上げ面の切削が適切に行えるようになり、特に、軸方向の切込み量がこの荒削り用コーナー刃の軸方向の高さh1以下であれば、その切込み量を大きくしても、荒削り用コーナー刃等に加わる負荷が低減され、適切な仕上げ切削を効率よく行えるようになる。
また、このように仕上げ用インサートにおいては、仕上げ用外周刃や仕上げ用コーナー刃が被削材にあたるということがなく、この仕上げ用インサートに加わる負荷が少なくなるため、この仕上げ用インサートの材料に耐摩耗性に優れた高硬度材料を用いることができるようになり、この仕上げ用インサートを長期にわたって安定して使用できると共に、良好な仕上げ面が得られるようになる。
さらに、本発明の刃先交換式切削工具においては、上記のように軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃の曲率半径Rを100〜500mmの範囲にしたため、曲率半径Rを小さくした場合のように仕上げ面が粗くなったり、曲率半径Rを大きくした場合のように仕上げ用底刃に大きな負荷が加わってビビリが発生したりするのが防止され、良好な仕上げ面の切削加工が行えるようになる。
また、本発明の刃先交換式切削工具において、上記の荒削り用コーナー刃の半径方向に対する傾斜角θ1を10°〜30°の範囲にすると、この荒削り用コーナー刃の一刃当たりの送りに対する切り屑の厚みが薄くなり、上記のように横方向の送り速度を速くして切削加工を行う場合においても、切り屑が詰まったり、ビビリが発生したり、この荒削り用コーナー刃に欠損が発生するのが一層防止されるようになる。
また、本発明の刃先交換式切削工具において、前記のように荒削り用外周刃を仕上げ用外周刃よりも半径方向に突出させると、荒削り用インサートや仕上げ用インサートを工具本体のインサート取付座に取り付ける際の誤差等、いわゆる外周振れがある場合においても、上記のように仕上げ用外周刃や仕上げ用コーナー刃が被削材にあたるのが防止されるようになる。但し、仕上げ用外周刃に対する荒削り用外周刃の突出量Eが大きくなりすぎると、結果的に仕上げ用インサートの仕上げ用底刃による有効切削径が減少して、適切な仕上げ切削が行えなくなるため、上記のように仕上げ用外周刃に対する荒削り用外周刃の突出量Eを0.5mm以下にすることが好ましい。
以下、この発明の実施形態に係る刃先交換式切削工具を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明における刃先交換式切削工具は、特に下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
この実施形態における刃先交換式切削工具においては、図1及び図2に示すように、中心部に貫通された取付穴11が設けられた工具本体10の先端側外周部に、周方向に所要間隔を介して複数(図に示す例では4つ)の切り屑ポケット12が設けられると共に、各切り屑ポケット12における回転方向後方側の面にインサート取付座13が設けられている。
そして、カートリッジ20aに平面が略四角形状になった荒削り用インサート20を装着させると共に、カートリッジ30aに平面が略四角形状になった仕上げ用インサート30を装着させ、このように荒削り用インサート20を装着させたカートリッジ20aと、仕上げ用インサート30を装着させたカートリッジ30aとを、上記の工具本体10におけるインサート取付座13に交互に着脱可能に装着させると共に、上記の各カートリッジ20a,30aにそれぞれ調製ネジ20b,30bを設け、これらの調製ネジ20b,30bによってカートリッジ20aに装着された荒削り用インサート20と、カートリッジ30aに装着された仕上げ用インサート30の取付位置を工具本体10の軸方向に調整するようにしている。
ここで、上記のように工具本体10のインサート取付座13にカートリッジ20aを介して装着させた各荒削り用インサート20においては、図3に示すように、荒削り用底刃21と荒削り用外周刃22とが交差するコーナー部が角取りされて、荒削り用コーナー刃23が設けられている。
また、上記のように工具本体10のインサート取付座13にカートリッジ30aを介して装着させた各仕上げ用インサート30においては、図4に示すように、軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃31と仕上げ用外周刃32とが交差するコーナー部が角取りされて、仕上げ用コーナー刃33が設けられている。
そして、上記の荒削り用インサート20においては、上記のコーナー部の角取りを小さくし、この荒削り用コーナー刃23の半径方向の長さc1(mm)を小さくすると共に、この荒削り用コーナー刃23の半径方向に対する傾斜角θ1を10°〜30°の範囲にし、荒削り用コーナー刃23の軸方向の高さh1(mm)が0.6mm以下になるようにしている。
また、上記の仕上げ用インサート30においては、軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃31の曲率半径R(mm)を100〜500mmの範囲にすると共に、上記のコーナー部の角取りを上記の荒削り用インサート20よりも大きくし、この仕上げ用コーナー刃33の半径方向の長さc2(mm)を大きくすると共に、この仕上げ用コーナー刃33の半径方向に対する傾斜角θ2を通常45°程度にし、その軸方向の高さh2(mm)も荒削り用コーナー刃23の軸方向の高さh1(mm)より大きくなるようにしている。
そして、上記のように工具本体10のインサート取付座13に荒削り用インサート20と仕上げ用インサート30とを取り付けた状態において、この刃先交換式切削工具を回転させて、上記の荒削り用インサート20と仕上げ用インサート30とを同じ位置に導いて、荒削り用インサート20と仕上げ用インサート30とを重ねた場合、図5に示すように、仕上げ用インサート30における仕上げ用底刃31が荒削り用インサート20における荒削り用底刃31よりも軸方向先端側に突出すると共に、荒削り用インサート20における荒削り用外周刃22が仕上げ用インサート30における仕上げ用外周刃32よりも半径方向に突出するようにしている。
ここで、仕上げ用インサート30における仕上げ用底刃31を、荒削り用インサート20における荒削り用底刃31よりも軸方向先端側に突出させる突出量xが大きくなると、切削時に仕上げ用底刃31に加わる負荷が大きくなって、ビビリが発生したり、仕上げ用底刃31に欠損が発生したりするおそれがあるため、この突出量xを0.1mm程度にすることが望ましい。
また、荒削り用インサート20における荒削り用外周刃22を、仕上げ用インサート30における仕上げ用外周刃32よりも半径方向に突出させる突出量Eについては、前記のように0.5mm以下にすることが好ましい。
さらに、この実施形態における刃先交換式切削工具においては、上記のように工具本体10のインサート取付座13に荒削り用インサート20と仕上げ用インサート30とを取り付けた状態において、上記の荒削り用コーナー刃23における軸方向の高さh1(mm)と、その半径方向の長さc1(mm)と、上記の仕上げ用コーナー刃33における軸方向の高さh2(mm)と、その半径方向の長さc2(mm)と、上記の仕上げ用インサート30の一刃当りの送り量fz(mm/刃)とが、h2>h1及び(c2−c1)>fz/2の条件を満たすようにしている。
このようにすると、この実施形態における刃先交換式切削工具を回転させながら横方向に送って切削加工を行う場合、荒削り用インサート20において被削材を切削した後、回転して次の仕上げ用インサート30が横方向にfz/2送られながら同じ回転位置に導かれたとしても、上記のように仕上げ用コーナー刃33における軸方向の高さh2が荒削り用インサート20における軸方向の高さh1よりも大きくなっていると共に、仕上げ用コーナー刃33における半径方向の長さc2が荒削り用コーナー刃23における半径方向の長さc1よりもfz/2以上大きくなっているため、仕上げ用インサート30における仕上げ用外周刃32及び仕上げ用コーナー刃33の位置においては、すでに被削材が荒削り用インサート20における荒削り用外周刃22及び荒削り用コーナー刃23によって切削された状態になっている。このため、仕上げ用外周刃32や仕上げ用コーナー刃33が被削材にあたるということがなく、この仕上げ用インサート30において軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった上記の仕上げ用底刃31だけが被削材を切削するようになる。
この結果、この刃先交換式切削工具における横方向の送り速度を速くして切削加工を行う場合においても、上記の仕上げ用外周刃32や仕上げ用コーナー刃33に負荷が加わるということがなく、ビビリが発生したり、これらが欠損したりするのが防止され、上記の仕上げ用底刃31によって仕上げ面の切削が適切に行え、良好な仕上げ面が得られるようになる。
次に、この発明に係る刃先交換式切削工具の具体的な実施例を挙げ、この発明に係る刃先交換式切削工具においては、横方向の送り速度を速くして切削加工を行うようにした場合においても、長期にわたって良好な仕上げ面の切削加工が行えることを明らかにする。
(実施例1)
実施例1の刃先交換式切削工具においては、直径が200mmの工具本体を用い、上記の実施形態に示すように、この工具本体の先端側外周部に、周方向に所要間隔を介して4つの切り屑ポケットを設け、各切り屑ポケットにおけるインサート取付座に対して、略四角形状になった荒削り用インサートと仕上げ用インサートとをそれぞれカートリッジを介して交互に2枚取り付けるようにした。
ここで、この実施例1においては、上記の荒削り用インサートとして、微粒子超硬合金で構成されたインサートの表面にPVD法によってTiAlN被膜をコーティングさせたものを用いる一方、上記の仕上げ用インサートとして、サーメットで構成されたインサートの表面にPVD法によってTiAlN被膜をコーティングさせたものを用いた。
そして、この実施例1においては、上記の荒削り用インサートにおいて、その荒削り用コーナー刃における半径方向に対する傾斜角θ1を26.6°、軸方向の高さh1を0.5mm、半径方向の長さc1を1.0mmにした。
また、上記の仕上げ用インサートにおいては、軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃の曲率半径Rを340mm、仕上げ用コーナー刃における半径方向に対する傾斜角θ2を45°、軸方向の高さh2を2.2mm、半径方向の長さc2を2.2mmにした。
また、仕上げ用底刃が荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出する突出量xを0.1mm、荒削り用外周刃が仕上げ用外周刃よりも半径方向に突出する突出量Eを0.2mmにした。
そして、この実施例1の刃先交換式切削工具においては、S15Cで構成された被削材に対して、切削速度Vcを300m/min,横方向の送り速度Vfを1900mm/min,仕上げ用インサート及び荒削り用インサートにおける1刃当りの送り量fzをそれぞれ2mm/刃、軸方向の切込みを0.3mm、半径方向の切込みを110mmにして切削加工を行った。
この結果、この実施例1の刃先交換式切削工具においては、切削長100mの切削加工においても、仕上げ用インサートや荒削り用インサートに欠損が生じたり、切削時にヒビリが発生するということがなく、表面粗さRaが0.52μmになった良好な仕上げ面の切削加工が行えた。
なお、この実施例1における刃先交換式切削工具において、上記の4つの各インサート取付座に仕上げ用インサートを取り付けて同様に切削加工を行った場合、初期の段階で上記の仕上げ用インサートに欠損が生じた。
(実施例2)
実施例2の刃先交換式切削工具においても、上記の実施例1と同様に、直径が200mmの工具本体を用い、この工具本体の先端側外周部に、周方向に所要間隔を介して4つの切り屑ポケットを設け、各切り屑ポケットにおけるインサート取付座に対して、略四角形状になった荒削り用インサートと仕上げ用インサートとをそれぞれカートリッジを介して交互に2枚取り付けるようにした。
ここで、この実施例2においては、上記の荒削り用インサートとして、微粒子超硬合金で構成されたインサート(ロックウェルA硬度91.8)の表面にPVD法によってTiAlCrN被膜をコーティングさせたものを用いる一方、上記の仕上げ用インサートとして、微粒子超硬合金で構成されたインサート(ロックウェルA硬度92.9)の表面にPVD法によってTiAlCrN被膜をコーティングさせたものを用いた。
そして、この実施例2においては、上記の荒削り用インサートにおいて、その荒削り用コーナー刃における半径方向に対する傾斜角θ1を26.6°、軸方向の高さh1を0.5mm、半径方向の長さc1を1.0mmにした。
また、上記の仕上げ用インサートにおいては、軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃の曲率半径Rを180mm、仕上げ用コーナー刃における半径方向に対する傾斜角θ2を45°、軸方向の高さh2を2.2mm、半径方向の長さc2を2.2mmにした。
また、仕上げ用底刃が荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出する突出量xを0.1mm、荒削り用外周刃が仕上げ用外周刃よりも半径方向に突出する突出量Eを0.3mmにした。
そして、この実施例2の刃先交換式切削工具においては、FC300で構成された被削材に対して、切削速度Vcを180m/min,横方向の送り速度Vfを1140mm/min,仕上げ用インサート及び荒削り用インサートにおける1刃当りの送り量fzをそれぞれ2mm/刃、軸方向の切込みを0.3mm、半径方向の切込みを160mmにして切削加工を行った。
この結果、この実施例2の刃先交換式切削工具においては、切削長120mの切削加工においても、仕上げ用インサートや荒削り用インサートに欠損が生じたり、切削時にヒビリが発生するということがなく、表面粗さRaが1.5μmになった良好な仕上げ面の切削加工が行えた。
本発明の一実施形態に係る刃先交換式切削工具の概略底面図である。 同実施形態に係る刃先交換式切削工具の概略側面図である。 同実施形態に係る刃先交換式切削工具おいて、荒削り用インサートを工具本体に取り付けた状態を示した部分説明図である。 同実施形態に係る刃先交換式切削工具おいて、仕上げ用インサートを工具本体に取り付けた状態を示した部分説明図である。 同実施形態に係る刃先交換式切削工具おいて、上記の荒削り用インサートと仕上げ用インサートとが同じ位置にある状態の関係を示した図である。
符号の説明
10 工具本体
11 取付穴
12 切り屑ポケット
13 インサート取付座
20 荒削り用インサート
20a カートリッジ
20b 調製ネジ
21 荒削り用底刃
22 荒削り用外周刃
23 荒削り用コーナー刃
30 仕上げ用インサート
30a カートリッジ
30b 調製ネジ
31 仕上げ用底刃
32 仕上げ用外周刃
33 仕上げ用コーナー刃
h1 荒削り用コーナー刃の軸方向の高さ
θ1 荒削り用コーナー刃の半径方向に対する傾斜角
c1 荒削り用コーナー刃の半径方向の長さ
h2 仕上げ用コーナー刃の軸方向の高さ
θ2 仕上げ用コーナー刃の半径方向に対する傾斜角
c2 仕上げ用コーナー刃の半径方向の長さ
E 荒削り用外周刃が仕上げ用外周刃よりも半径方向に突出した量
x 仕上げ用底刃が荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出した量

Claims (6)

  1. 軸線回りに回転される工具本体の先端側外周部に設けられた複数のインサート取付座に、荒削り用インサートと仕上げ用インサートとが周方向に等間隔で交互に着脱可能に装着された刃先交換式切削工具において、上記の荒削り用インサートにおける荒削り用底刃と荒削り用外周刃とが交差するコーナー部が角取りされて荒削り用コーナー刃が設けられると共に、上記の仕上げ用インサートにおける軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃と仕上げ用外周刃とが交差するコーナー部が角取りされて仕上げ用コーナー刃が設けられ、上記の荒削り用コーナー刃における軸方向の高さをh1(mm)、その半径方向の長さをc1(mm)、その半径方向に対する傾斜角をθ1(°)、上記の軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃の曲率半径をR(mm)、上記の仕上げ用コーナー刃における軸方向の高さをh2(mm)、その半径方向の長さをc2(mm)、その半径方向に対する傾斜角をθ2(°)と、上記の仕上げ用インサートの一刃当りの送り量をfz(mm/刃)とした場合に、h1≦0.6、h2>h1、100≦R≦500、θ1<θ2の条件を満たし、上記のc1とc2とが(c2−c1)>fz/2の条件を満たすように設定すると共に、上記の仕上げ用底刃が荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出するようにして、被削材の正面切削加工を行うことを特徴とする刃先交換式切削工具。
  2. 請求項1に記載の刃先交換式切削工具において、上記の荒削り用コーナー刃の半径方向に対する傾斜角θ1が10°〜30°の範囲であることを特徴とする刃先交換式切削工具。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の刃先交換式切削工具において、上記の荒削り用外周刃が上記の仕上げ用外周刃よりも半径方向に突出し、その突出量Eが0.5mm以下であることを特徴とする刃先交換式切削工具。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の刃先交換式切削工具において、上記の工具本体に設けられたインサート取付座に仕上げ用インサートを着脱可能に装着させるにあたり、上記の仕上げ用インサートの取付位置を軸方向に調整する調整機構を設けたことを特徴とする刃先交換式切削工具。
  5. 軸線回りに回転される工具本体の先端側外周部に設けられた複数のインサート取付座に、荒削り用インサートと仕上げ用インサートとが周方向に等間隔で交互に着脱可能に装着された刃先交換式切削工具を用いて被削材の正面切削加工を行う切削加工方法において、上記の荒削り用インサートにおける荒削り用底刃と荒削り用外周刃とが交差するコーナー部が角取りされて荒削り用コーナー刃が設けられると共に、上記の仕上げ用インサートにおける軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃と仕上げ用外周刃とが交差するコーナー部が角取りされて仕上げ用コーナー刃が設けられ、上記の荒削り用コーナー刃における軸方向の高さをh1(mm)、その半径方向の長さをc1(mm)、その半径方向に対する傾斜角をθ1(°)、上記の軸方向先端側に向けて凸の円弧状になった仕上げ用底刃の曲率半径をR(mm)、上記の仕上げ用コーナー刃における軸方向の高さをh2(mm)、その半径方向の長さをc2(mm)、その半径方向に対する傾斜角をθ2(°)と、上記の仕上げ用インサートの一刃当りの送り量をfz(mm/刃)とした場合に、h1≦0.6、h2>h1、100≦R≦500、θ1<θ2の条件を満たすと共に、上記のc1とc2とfzとが(c2−c1)>fz/2の条件を満たすようにし、上記の仕上げ用底刃を荒削り用底刃よりも軸方向先端側に突出させて、被削材の正面切削加工を行うことを特徴とする切削加工方法。
  6. 請求項5に記載の切削加工方法において、上記の刃先交換式切削工具による軸方向の切込み量を、上記の荒削り用インサートにおける荒削り用コーナー刃の軸方向の高さh1以下にすることを特徴とする切削加工方法。
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