JP5288326B2 - リアクトル集合体 - Google Patents
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Description
<実施形態1>
図1(A)、(B)は、本発明リアクトル集合体の概略斜視図であり、(A)は、コアとコイルとの組合体、(B)は、この組合体がケースに収納された状態を示し、図1(C)は、本発明リアクトル集合体の回路図である。以下、図中の同一符号は同一名称物を示す。
平滑用リアクトル2Aは、環状コア10と、コア10のコイル巻回部に配置されるコイル11とを具える。
環状コア10とコイル11との組合体は、アルミニウム製のリアクトルケース12Aに収納される。リアクトルケース12A内には、ポッティング樹脂13が充填され、組合体は、渡り部11c及び巻線11の他方の端部11eを除いて樹脂13に覆われる。ポッティング樹脂には、エポキシ樹脂やウレタン樹脂、シリコーン樹脂を利用することができる。
共振用リアクトル3Aは、筒状コア30と、上述した渡り部11cとを具える。
巻線11wの両端部、つまり、延長された一方の端部(一端部)11eと、延長されていない他方の端部(他端部)11e、及び巻線11wの延長部分である渡り部11cの中間部にそれぞれ、端子部材14c,14a,14bが取り付けられる。各端子部材14a,14b,14cは、コイル11や渡り部11cに電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される導電部材であり、外部装置に接続される配線(図示せず)の端子部がボルト(図示せず)により取り付けられるため、ボルト孔14hを有する。また、各端子部材14a,14b,14cは、巻線11wが溶接される接合箇所を有する。溶接には、例えばTIG溶接などが好適に利用できる。
上記構成を具えるリアクトル集合体は、以下のようにして形成することができる。
コア片やギャップ材を接着剤などで固定してコイル巻回部を形成し、この外周にインシュレータ(筒状部)を配置し、更にその外周にコイル11を配置する。コイル11は、巻線11wを巻回して別途作製しておく。また、所定の形状の渡り部11cを形成しておく。コイル11の端面をインシュレータ(枠状部16)及び端部コア10eで挟むようにコイル11に枠状部16及び端部コア10eを配置して、接着剤などで端部コア10eとコイル巻回部とを接合して、組合体を形成する。
上記構成を具えるリアクトル集合体1Aは、平滑用リアクトル2Aに具えるコイル11を構成する巻線11wを共振用リアクトル3Aに共通に利用することで、部品点数を削減することができる(図1(C))。また、リアクトル集合体1Aは、上記巻線11w(渡り部11c)と筒状コア30とにより共振用リアクトル3Aが構成されることで、巻線の巻回作業や端子部材の取り付け作業などを削減することができ、組立作業性に優れる。
実施形態1では、コアケース33に収納された筒状コア30を説明したが、コアケース33を省略してもよい。この場合、渡り部11cの所定の位置に、両半割れ片31a,31bの凹部(内周面)で渡り部11cの外周を覆うように両片31a,31bを配置し、両片31a,31bの接合面同士を接着剤で接合する。接着剤に代えて、締結帯を利用したり、各半割れ片31a,31bにおいて磁気特性に影響の少ない箇所にボルト孔を設け、ボルト及びナットを利用したりして、両片31a,31bを一体にしてもよい。また、コアケース33を省略する場合、渡り部11cの外周を絶縁シートや絶縁紙といった絶縁材(図示せず)で覆ったり、絶縁製ボビンを配置すると、筒状コア30との間の絶縁性を高められる。渡り部11cの外周に配置した筒状コア30は、渡り部11cの長手方向にずれないように、例えば、フランジ部を具える]状の固定具(図示せず)を用いてリアクトルケース12Aに固定する。上記フランジ部にネジ孔を設けて、フランジ部とリアクトルケース12Aとをネジ止めしたり、接着剤を用いることで、フランジ部をケース12Aに固定できる。
実施形態1では、一対の半割れ片を組み合わせて筒状となる筒状コア30を説明したが、筒状に一体成形された筒状コアや、C字状のように一部が切り欠かれた形状の筒状コアを利用することができる。一体成形された筒状コアは、渡り部の端部(巻線の一端部)に端子部材を溶接する前に、渡り部に挿通させることで、渡り部の外周に配置することができる。
実施形態1では、共振用リアクトルに具える筒状コア30を一つとしているが、複数の筒状コアの集合体とし、この集合体を合わせることで所望の磁気特性を得る構成としてもよい。筒状コアの数が少ないと、筒状コアの準備時間や渡り部への配置時間が短くてすみ、組立作業性に優れる。一方、複数の筒状コアの集合体により共振用リアクトルを構成する場合、各筒状コアを小さくできることから、設置の自由度が大きく、渡り部の形状の自由度も大きくなる。
実施形態1では、筒状コア30にギャップ材を有する構成を説明したが、ギャップを設けなくてもよいし、空気のみを存在させたエアギャップとしてもよい。エアギャップの場合、両半割れ片を組み合わせたときに半割れ片間に所望の隙間ができるようにコアケースに各半割れ片をそれぞれ固定すると、所望のギャップ距離を設けられる。ギャップ材を介在させると、所望のギャップ距離を維持し易い。
実施形態1では、平滑用リアクトル2Aがリアクトルケース12Aに収納される構成を説明したが、ケース12Aを省略することができる。この場合、平滑用リアクトル2Aと共振用リアクトル3Aとを一体に樹脂モールドした構成とすると、両リアクトル2A,3Aを一体に取り扱える上に、両リアクトル2A,3Aの機械的保護や絶縁性の向上を図ることができる。樹脂モールドには、絶縁性樹脂、具体的には、エポキシ樹脂やウレタン樹脂、PPS樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。リアクトルケースを省略することにより、リアクトル集合体を更に小型にすることができる。
図3は、別の本発明リアクトル集合体の概略斜視図であり、(A)は、コアとコイルとの組合体、(B)は、この組合体がケースに収納された状態を示す。リアクトル集合体1Bは、平滑用リアクトル2Bと共振用リアクトル3Bの双方がリアクトルケース12Bに収納されている点が実施形態1と異なる。以下、この点を中心に説明する。
3A,3B 共振用リアクトル
10 環状コア 10e 端部コア 10m 磁性体部 11 コイル 11w 巻線
11e 巻線の端部 11c,11Bc 渡り部 11r 巻返し部
12A,12B リアクトルケース 13 ポッティング樹脂 14a,14b,14c 端子部材
14h ボルト孔 15 端子台 15h ボルト穴 16 枠状部
30 筒状コア 31a,31b 半割れ片 32 ギャップ材 33 コアケース
33a,33b 分割体 33c 連結部 34 フランジ部 34h ボルト孔
40 導体
100 環状コア 110 コイル 111 巻線 111e 巻線の端部
120 リアクトルケース 130 ポッティング樹脂
140a,140b,141,142 端子部材
L リアクトル
Claims (8)
- 巻線を巻回してなるコイルと、このコイルが配置される環状コアとを有する主リアクトルと、
前記コイルを形成する巻線の一端側が延長されており、この延長部分の外周を覆うように筒状コアが配置されている副リアクトルと、
巻線の他端部に接続される第1の端子部材と、
巻線において前記延長部分の中間部に接続される第2の端子部材と、
巻線において延長された一端部に接続される第3の端子部材とを具え、
前記第1の端子部材と前記第2の端子部材とは、同じ形状であり、前記コイルの軸方向と直交する方向に並列して配置されており、
前記筒状コアは、第2の端子部材と第3の端子部材との間に配置されていることを特徴とするリアクトル集合体。 - 前記主リアクトルは、平滑用リアクトルであり、前記副リアクトルは、共振用リアクトルであることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル集合体。
- 前記筒状コアは、複数の筒状コアの集合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリアクトル集合体。
- 前記巻線は、銅製の平角線の表面にエナメル被覆を具える被覆線であり、
前記第1の端子部材は、前記巻線の他端部と接続する平面の接合箇所を有し、
前記第2の端子部材は、前記巻線の延長部分の中間部と接続する平面の接合箇所を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル集合体。 - 前記筒状コアは、一対の半割れ片を組み合わせて筒状に構成され、
前記半割れ片は、開閉可能なコアケースに収納されており、
前記コアケースの開閉に対応して、前記各半割れ片の接合面間が開閉するように両半割れ片がコアケースに収納されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル集合体。 - 前記主リアクトルと前記副リアクトルとが一つのリアクトルケースに収納されており、かつ両リアクトルが一体に樹脂モールドされていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル集合体。
- 前記主リアクトルは、リアクトルケースに収納されており、
前記コアケースは、前記リアクトルケースに固定するための固定片を具えることを特徴とする請求項5に記載のリアクトル集合体。 - 前記リアクトルケースは、絶縁性樹脂からなる端子台を具え、
前記第1の端子部材及び第2の端子部材は、導電性板を階段状に折り曲げ、一端側を垂直に折り返してなる屈曲形状で、この階段状の折り曲げ部分で前記端子台に一体化されており、
前記導電性板の折り返した一端側を巻線と接合することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のリアクトル集合体。
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