JP5286461B1 - 吸引式搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な形状の板状および/またはシート状の被搬送体を反りやずれを起こすことなく搬送ベルトに吸引密着させて搬送することができ、吸引力が一律であって被搬送体の局部的な歪を生ずることの無い搬送装置を提供する。
【解決手段】被搬送体を搬送する複数の貫通孔が貫穿された有孔スチールベルトと、前記有孔スチールベルトの裏側に在って前記被搬送体の搬送路に沿って延設して該有孔スチールベルトを通して該被搬送体を吸引する筐体状の吸引体と、前記被搬送体および前記吸引体の間に介挿される通気性を有するシート状の繊維性シートと、から成り、前記吸引体の上面は前記有孔スチールベルトと所定の間隔を隔てて通気性を有する多孔質板が配置されるとともにその下部には空気室が形成され、該吸引体の壁面および/または底面に貫設される吸引管を通して該空気室内の空気が外部に強制排気される構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】被搬送体を搬送する複数の貫通孔が貫穿された有孔スチールベルトと、前記有孔スチールベルトの裏側に在って前記被搬送体の搬送路に沿って延設して該有孔スチールベルトを通して該被搬送体を吸引する筐体状の吸引体と、前記被搬送体および前記吸引体の間に介挿される通気性を有するシート状の繊維性シートと、から成り、前記吸引体の上面は前記有孔スチールベルトと所定の間隔を隔てて通気性を有する多孔質板が配置されるとともにその下部には空気室が形成され、該吸引体の壁面および/または底面に貫設される吸引管を通して該空気室内の空気が外部に強制排気される構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、様々な形状の板状やシート状の被搬送体を、反り、ずれおよび浮き上がりを生ぜしめることなく搬送ベルトに密着させて搬送することができる吸引式の搬送装置に関する。
ICカード、電子回路基板等の検査およびシートに対するプリントでは、ベルトコンベア等の搬送装置に板状やシート状の被搬送体を載置して行なわれることが多い。この場合に、被搬送体がベルト搬送中に反りやずれを起こすと、検査が良好に行われなかったり、検査不能になったり、あるいは、印刷がずれてしまったり、擦れてしまったりする不具合が生ずる。
このため、被搬送体がベルト搬送中に反りやずれを起こすことを防止する技術が特開2000−95380号公報に開示されている。
特開2000−95380号公報に開示の発明は「カード状物を、傾斜や平行ずれを起こさずに搬送できるようにする」ことを課題としていて、解決手段を「カード検査装置は、カードを供給するカード供給部、供給されたカードを搬送しながら検査するカード検査部、検査されたカードを良品と不良品に振り分けるカード搬出部とから構成される。各部におけるカードの搬送は、複数の搬送ベルトを並列に所定間隔を隔てて配置し、前記所定間隔内に吸着手段を配置し、吸着手段によってカードを吸着しながら搬送する」構成としている。
特開2000−95380号公報に開示の発明は「カード状物を、傾斜や平行ずれを起こさずに搬送できるようにする」ことを課題としていて、解決手段を「カード検査装置は、カードを供給するカード供給部、供給されたカードを搬送しながら検査するカード検査部、検査されたカードを良品と不良品に振り分けるカード搬出部とから構成される。各部におけるカードの搬送は、複数の搬送ベルトを並列に所定間隔を隔てて配置し、前記所定間隔内に吸着手段を配置し、吸着手段によってカードを吸着しながら搬送する」構成としている。
しかし、特開2000−95380号公報に開示の技術は、並列に所定間隔を隔てて配置した搬送ベルトにカードを掛架させるため、カードの形状や大きさに制約があり、また、所定間隔内に吸着手段を配置しているため、吸引力に差が生じて一律ではないため、局部的な歪が生ずる。
一方で、縦横に複数の円孔が形成されている搬送ベルトを通して被搬送体を吸引する技術が特開2009−274399公報に開示されている。
特開2009−274399号公報に開示の発明は「プラテンを介しての用紙の加熱性能及び用紙の吸引性能を両立できる搬送装置を提供する。」ことを課題としていて、解決手段を「搬送装置は、用紙を搬送する搬送ベルトと、発熱する発熱部と、吸引力を発生する吸引部と、搬送ベルトにより搬送される用紙の搬送路に沿って延在し、発熱部の熱および吸引部の吸引力を用紙へ媒介する、多孔質材により形成された板状のプラテンと、を備えることを特徴とする」構成としている。
特開2009−274399号公報に開示の発明は「プラテンを介しての用紙の加熱性能及び用紙の吸引性能を両立できる搬送装置を提供する。」ことを課題としていて、解決手段を「搬送装置は、用紙を搬送する搬送ベルトと、発熱する発熱部と、吸引力を発生する吸引部と、搬送ベルトにより搬送される用紙の搬送路に沿って延在し、発熱部の熱および吸引部の吸引力を用紙へ媒介する、多孔質材により形成された板状のプラテンと、を備えることを特徴とする」構成としている。
しかし、特開2009−274399号公報に開示の技術は、被搬送体が用紙の場合には吸引力が効率的に働くかもしれないが、被搬送体が板状の場合には吸引力が効率的に働かないことが実証テストから判明した。
そこで、本願発明は、様々な形状の板状やシート状の被搬送体を反りやずれを起こすことなく搬送ベルトに密着させて搬送することができ、吸引力が一律であって被搬送体の局部的な歪を生ずることの無い搬送装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る吸引式搬送装置は、板状またはシート状の被搬送体を搬送する複数の貫通孔が貫穿された有孔スチールベルトと、前記有孔スチールベルトの裏側に在って前記被搬送体の搬送路に沿って延設され、その上面に該有孔スチールベルトと微少な間隔を隔てて通気性を有するプラスチック製の多孔質板が配置されて該有孔スチールベルトを通して該被搬送体を吸引する吸引体と、前記多孔質板の上面または下面に接するように配置される通気性を有するシート状の繊維性シートと、から成り、前記吸引体は筐体状を呈し、該吸引体を構成する前記多孔質板の下部には空気室が形成され、該吸引体の壁面または底面に貫設される吸引管を介して該空気室内の空気が外部に強制排気される、ことを特徴としている。なお、「有孔スチールベルトの裏側」とは、被搬送体を載置する面(表面)の反対側の面をいい、「被搬送体の搬送路」とは、被搬送体が有孔スチールベルト上に載置される位置から被搬送体が有孔スチールベルトから離脱する位置までをいう。また、「繊維性シート」とは、主に繊維を主体にした、和紙および西洋紙や、ポリエステル、ポリアミド、レーヨン、アセテート、木綿、絹、羊毛等の単体繊維あるいはこれらの混用繊維からなる織布、不織布等の布帛をいう。そして、「微少な間隔」とは、走行中の有孔スチールベルトが繊維性シートあるいは多孔質板に接触することのない最少の間隔をいう。
また、本願請求項2に係る吸引式搬送装置は、請求項1に記載の吸引式搬送装置であって、前記繊維性シートおよび前記多孔質板は着脱可能となっている、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3に係る吸引式搬送装置は、請求項1または請求項2に記載の吸引式搬送装置であって、前記有孔スチールベルトの貫通孔の開口率は20%〜85%である、ことを特徴としている。なお、貫通孔の開口率とは、
貫通孔の開口率=(貫通孔の面積の総和)/(当該部分の有孔スチールベルトの面積)
で表せられる数値(%)をいう。
さらに、本願請求項4に係る吸引式搬送装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吸引式搬送装置であって、前記多孔質板の空孔率は20%〜65%である、ことを特徴としている。
また、本願請求項5に係る吸引式搬送装置は、請求項4に記載の吸引式搬送装置であって、前記吸引体と前記有孔スチールベルトとの間隔の調整は前記有孔スチールベルトの裏面に接して該有孔スチールベルトの走行に伴って回動する円筒状または球状のガイドローラの上下方向の移動に因り行なわれる、ことを特徴としている。
また、本願請求項2に係る吸引式搬送装置は、請求項1に記載の吸引式搬送装置であって、前記繊維性シートおよび前記多孔質板は着脱可能となっている、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3に係る吸引式搬送装置は、請求項1または請求項2に記載の吸引式搬送装置であって、前記有孔スチールベルトの貫通孔の開口率は20%〜85%である、ことを特徴としている。なお、貫通孔の開口率とは、
貫通孔の開口率=(貫通孔の面積の総和)/(当該部分の有孔スチールベルトの面積)
で表せられる数値(%)をいう。
さらに、本願請求項4に係る吸引式搬送装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吸引式搬送装置であって、前記多孔質板の空孔率は20%〜65%である、ことを特徴としている。
また、本願請求項5に係る吸引式搬送装置は、請求項4に記載の吸引式搬送装置であって、前記吸引体と前記有孔スチールベルトとの間隔の調整は前記有孔スチールベルトの裏面に接して該有孔スチールベルトの走行に伴って回動する円筒状または球状のガイドローラの上下方向の移動に因り行なわれる、ことを特徴としている。
上記構成により本願発明は以下の効果を奏する。
(1)一本の有孔スチールベルト上に被搬送体を載置するようにしているため、様々な形状の被搬送体を搬送することができる。
(2)有孔スチールベルトと、吸引体の上面に配置された多孔質板および繊維性シートにより吸引力が一律となる。なお、有孔スチールベルト上の被搬送体同士を互いに接することなく間隔を有するように載置して、その周囲の有孔スチールベルトの貫通孔を開口させることにより、被搬送体の反りやずれを起こすことを無くし、局部的な歪を生ずることも無くすことができる。
(3)被搬送体が薄膜のシートやフィルムである場合には、通気シートを有孔スチールベルトの上面に配置することにより、有孔スチールベルトの貫通孔による薄膜のシートやフィルムの窪みを生ぜしめることなく、被搬送体を歪ませることなく搬送することができる。
(4)多孔質板および繊維性シートは着脱自在となっており、かつ、貼り合わせることなく単に重ね合わせているだけなので、別個に交換が可能であることから、メンテナンスが容易であるとともに、被搬送体の形状、素材等に応じた最適な多孔質板および繊維性シートの組合せとすることができる。
(5)吸引体と有孔スチールベルトとの間隔が調整可能であるため、被搬送体の状況に応じた間隔とすることにより、吸引体の吸引力を有効に有孔スチールベルト上の被搬送体に作用させることができるとともに吸引体と有孔スチールベルトとの接触を避けることができる。
(1)一本の有孔スチールベルト上に被搬送体を載置するようにしているため、様々な形状の被搬送体を搬送することができる。
(2)有孔スチールベルトと、吸引体の上面に配置された多孔質板および繊維性シートにより吸引力が一律となる。なお、有孔スチールベルト上の被搬送体同士を互いに接することなく間隔を有するように載置して、その周囲の有孔スチールベルトの貫通孔を開口させることにより、被搬送体の反りやずれを起こすことを無くし、局部的な歪を生ずることも無くすことができる。
(3)被搬送体が薄膜のシートやフィルムである場合には、通気シートを有孔スチールベルトの上面に配置することにより、有孔スチールベルトの貫通孔による薄膜のシートやフィルムの窪みを生ぜしめることなく、被搬送体を歪ませることなく搬送することができる。
(4)多孔質板および繊維性シートは着脱自在となっており、かつ、貼り合わせることなく単に重ね合わせているだけなので、別個に交換が可能であることから、メンテナンスが容易であるとともに、被搬送体の形状、素材等に応じた最適な多孔質板および繊維性シートの組合せとすることができる。
(5)吸引体と有孔スチールベルトとの間隔が調整可能であるため、被搬送体の状況に応じた間隔とすることにより、吸引体の吸引力を有効に有孔スチールベルト上の被搬送体に作用させることができるとともに吸引体と有孔スチールベルトとの接触を避けることができる。
以下、本願発明を実施するための形態に係る吸引式搬送装置について、図1ないし図6に基づいて説明する。なお、図1ないし図6において、符号1は実施例1に係る吸引式搬送装置、符号2は実施例2に係る吸引式搬送装置、符号3は実施例3に係る吸引式搬送装置、符号11は有孔スチールベルト、符号13は貫通孔、符号15は被搬送体、符号20は吸引体、符号21は吸引体受、符号23は吸引筐体、符号25は多孔質板、符号27は多孔質板受、符号29は空気室、符号31は吸引管、符号33は繊維性シート、符号35はガイドローラ、符号41は駆動プーリ、符号43は従動プーリ、符号45はコンベア用フレーム、である。
吸引式搬送装置1は、主に、有孔スチールベルト11と、有孔スチールベルト11の裏側に在って被搬送体15の搬送路に沿って延設される吸引体20と、吸引体20および有孔スチールベルト11の間に介挿される繊維性シート33と、から構成されている。
有孔スチールベルト11は、コンベア用フレーム45に軸支される駆動プーリ41および従動プーリ43間に架け渡される鋼製ベルトであって、両側縁部を除いた全面に貫通孔13が千鳥状に貫穿されている。なお、図6に示すように、実施例1における有孔スチールベルト11の貫通孔13は、その直径が2.0mmφ、センターピッチが2.5mm、で貫穿されていて、貫穿部分の開口率は58.0%となっている。
吸引体20は、上面が開放された直方体の吸引筐体23と、吸引筐体23に蓋をするように着脱自在に配置される多孔質板25とから構成されていて、コンベア用フレーム45に固着されている吸引体受21に支持されている。多孔質板25は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の均一なプラスチック粉末を焼結成形することにより多数の空孔が形成される通気性のある多孔質の板であって、実施例における多孔質板25の空孔率は37%であった。そして、吸引筐体23および多孔質板25に囲繞された空間は空気室29となっていて、吸引筐体23の底面には吸引管31が貫設され、吸引管31の一端は吸引筐体23内に開口し、他端は図示外の吸気ファンに連接している。また、空気室29の上部には格子状の多孔質板受27が取着されていて、多孔質板25は多孔質板受27上に載置されている。
実施例で使用した繊維性シート33は、一般的にクリーンルームで使用される無塵紙であって、多孔質板25と多孔質板受27との間に介挿されている。
有孔スチールベルト11の走行方向に対して吸引体20の前方と後方にはコンベア用フレーム45に支持される一対の球状のガイドローラ35が配設されている。このガイドローラ35は有孔スチールベルト11の裏面に当接し、有孔スチールベルト11の走行に伴って自由回動するようになっていて、上下方向に移動することに因り有孔スチールベルト11の吸引体20に対するレベルを調整して吸引体20および有孔スチールベルト11の間隙が調整可能となっている。
つぎに、吸引式搬送装置1の作用について説明する。
有孔スチールベルト11が被搬送体15を搬送しているとき、あるいは搬送しようとしているときに吸引体20に連接している図示外の吸気ファンを稼動させると、空気室29内の空気が強制的に排気されて負圧になり、繊維性シート33および多孔質板25から成る積層通気体を通って空気が流入することにより、積層通気体に吸引力が発生する。
有孔スチールベルト11が被搬送体15を搬送しているとき、あるいは搬送しようとしているときに吸引体20に連接している図示外の吸気ファンを稼動させると、空気室29内の空気が強制的に排気されて負圧になり、繊維性シート33および多孔質板25から成る積層通気体を通って空気が流入することにより、積層通気体に吸引力が発生する。
積層通気体の吸引力は有孔スチールベルト11の貫通孔13を通して有孔スチールベルト11上の被搬送体15に作用するが、積層通気体の繊維性シート33および多孔質板25の重ね合わせの効果により被搬送体15に均等に作用して、被搬送体15の反りやずれを起こすこと無く、かつ、被搬送体15に局部的な歪を生ずることが無く、有孔スチールベルト11に密着させて搬送することができる。
そして、有孔スチールベルト11が吸引体20に対してその間隙が調整可能となっていることから、有孔スチールベルト11に吸引体20の表面が接触することの無い最少限の間隙とすることにより、積層通気体の吸引力の効果がより有効になるとともに、有孔スチールベルト11と多孔質板25との磨耗を防ぐことができる。さらに、摩擦抵抗が小さくなることから、有孔スチールベルト11を駆動する図示外のモータの負荷を小さくすることができるので省電力化が可能となる。
なお、吸引式搬送装置1における積層通気体は、多孔質板25の下面に繊維性シート33が重ね合わされていて、有孔スチールベルト11に直接的に多孔質板25が対面している。このため、有孔スチールベルト11が繊維性シート33に接することがなく繊維性シート33の捲れを防ぐことができる。
つぎに実施例2に係る吸引式搬送装置2を説明するが、吸引式搬送装置2の構成は、吸引式搬送装置1と略同様であり、異なるところは、繊維性シート33および多孔質板25から成る積層通気体の構成にある。そこで、吸引式搬送装置2については、主に、積層通気体の構成およびその構成の相違に因る作用効果について説明する。
吸引式搬送装置2は、吸引式搬送装置1と同様に、主に、有孔スチールベルト11と、有孔スチールベルト11の裏側に在って被搬送体15の搬送路に沿って延設される吸引体20と、吸引体20および有孔スチールベルト11の間に介挿される繊維性シート33と、から構成されている。なお、有孔スチールベルト11、吸引体20および繊維性シート33の構成、仕様は、実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
実施例2においては、繊維性シート33は多孔質板25上に重置されていて、有孔スチールベルト11に直接的に対面している。
前述したように、吸引式搬送装置2の作用については吸引式搬送装置1と略同様であり、異なるところは繊維性シート33および多孔質板25から成る積層通気体の相違に因る作用であるので、主に、その点について説明する。
吸引体20に連接している図示外の吸気ファンが稼動すると、積層通気体に吸引力が発生し、この吸引力は有孔スチールベルト11上の被搬送体15に均等に作用して、被搬送体15の反りやずれを起こすこと無く有孔スチールベルト11に密着して搬送することができる。吸引式搬送装置2における積層通気体は、多孔質板25の上面に繊維性シート33が重ね合わされていて、有孔スチールベルト11に直接的に繊維性シート33が対面している。このため、多孔質板25よりもライフサイクルの短い繊維性シート33の交換は極めて容易であるものの、有孔スチールベルト11が通気シート31に接することによる損傷を受け易くなる。このため、吸引式搬送装置2においては、吸引体20および有孔スチールベルト11の間隙の調整が吸引式搬送装置1よりも重要な要素となる。
つぎに実施例3に係る吸引式搬送装置3を説明するが、吸引式搬送装置3の構成は、吸引式搬送装置1および吸引式搬送装置2と略同様であり、異なるところは、繊維性シート33の介挿される位置にある。すなわち、吸引式搬送装置1および吸引式搬送装置2では、有孔スチールベルト11の裏側に繊維性シート33が介挿されているが、吸引式搬送装置3では、有孔スチールベルト11の表側に繊維性シート33が介挿されている。そこで、吸引式搬送装置3については、主に、繊維性シート33の介挿位置およびその相違に因る作用効果について説明する。
吸引式搬送装置3は、主に、有孔スチールベルト11と、有孔スチールベルト11の裏側に在って被搬送体15の搬送路に沿って延設される吸引体20と、有孔スチールベルト11の表面に載置されて有孔スチールベルト11とともに走行する繊維性シート33と、から構成されている。なお、有孔スチールベルト11、吸引体20および繊維性シート33の構成、仕様は、実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
吸引式搬送装置3においては、繊維性シート33はその両サイドに有孔スチールベルト11の貫通孔13が開口するように、すなわち、有孔スチールベルト11の貫通孔13が貫穿された部分の幅よりも狭い幅の繊維性シート33を、その両サイドに有孔スチールベルト11の貫通孔が視認し得るように配置している。また、吸引体20の幅は繊維性シート33の幅よりも広くなっている。
なお、本明細書における「幅」とは有孔スチールベルト11の走行方向、すなわち、被搬送体15は搬送される方向に直交する方向の長さをいう。また、繊維性シート33は有孔スチールベルト11とともに同一走行速度で被搬送体15を搬送するが、その場合、繊維性シート33と有孔スチールベルト11とを一体化させて駆動プーリ41および従動プーリ43間に架け渡しても良いし、繊維性シート33と有孔スチールベルト11とは別体として別個の駆動プーリおよび別個の従動プーリ間に架け渡して有孔スチールベルト11の走行速度と一致させるようにしても良い。
なお、本明細書における「幅」とは有孔スチールベルト11の走行方向、すなわち、被搬送体15は搬送される方向に直交する方向の長さをいう。また、繊維性シート33は有孔スチールベルト11とともに同一走行速度で被搬送体15を搬送するが、その場合、繊維性シート33と有孔スチールベルト11とを一体化させて駆動プーリ41および従動プーリ43間に架け渡しても良いし、繊維性シート33と有孔スチールベルト11とは別体として別個の駆動プーリおよび別個の従動プーリ間に架け渡して有孔スチールベルト11の走行速度と一致させるようにしても良い。
前述したように、吸引式搬送装置3の作用については吸引式搬送装置1や吸引式搬送装置2と略同様であり、異なるところは繊維性シート33の介挿位置にあるので、主に、その点について説明する。
吸引体20に連接している図示外の吸気ファンが稼動すると、多孔質板25に吸引力が発生する。この吸引力は有孔スチールベルト11の貫通孔13および繊維性シート33を介して、有孔スチールベルト11上の被搬送体15に均等に作用する。また、繊維性シート33の両サイドに有孔スチールベルト11の貫通孔13が開口し、吸引体20の幅が繊維性シート33の幅よりも広くなっているので、吸引力の一部は繊維性シート33の両サイドの貫通孔13からの空気の流入に費やされて、有孔スチールベルト11自体が吸引体20に吸い寄せられて密着することなく、残余の吸引力が繊維性シート33上の搬送体15の均等に作用し、搬送体15の反りやずれを起こすこと無く搬送することができる。
さらに、搬送体15が薄膜のシートの場合には、吸引式搬送装置1や吸引式搬送装置2では搬送体15を直接有孔スチールベルト11上に載置するため搬送体15に貫通孔13の窪みが現出し、有孔スチールベルト11上の搬送体15に対するプリントのずれや滲みという不具合が生ずる恐れがあるが、吸引式搬送装置3では搬送体15と有孔スチールベルト11との間に繊維性シート33が介在するため、このような不具合が生じない。
ここで、吸引式搬送装置について行なった実証テストについて説明する。
出願人は下記の仕様の吸引式搬送装置を製作し、有孔スチールベルトの開口率および吸引体の空孔率を変えて実験を行なった。
吸引式搬送装置の仕様
有孔スチールベルトの搬送距離:1,000mm
有孔スチールベルトの走行速度:30m/min
有孔スチールベルトの幅:200mm
吸引体の空気室の大きさ:長さ800mm×幅210mm×深さ20mm
吸気ファンの能力:2.4m3/h
繊維性シート:クリーンルーム用無塵紙
吸引式搬送装置の仕様
有孔スチールベルトの搬送距離:1,000mm
有孔スチールベルトの走行速度:30m/min
有孔スチールベルトの幅:200mm
吸引体の空気室の大きさ:長さ800mm×幅210mm×深さ20mm
吸気ファンの能力:2.4m3/h
繊維性シート:クリーンルーム用無塵紙
上記の実験により、有孔スチールベルトの開口率が20%〜85%、多孔質板の空孔率が20%〜65%、の場合に、被搬送体に対する吸引式搬送装置の吸着効果が高まることが判明した。
1 実施例1に係る吸引式搬送装置
2 実施例2に係る吸引式搬送装置
3 実施例3に係る吸引式搬送装置吸引式搬送装置
11 有孔スチールベルト
13 貫通孔
15 被搬送体
20 吸引体
25 多孔質板
29 空気室
31 吸引管
33 繊維性シート
35 ガイドローラ
2 実施例2に係る吸引式搬送装置
3 実施例3に係る吸引式搬送装置吸引式搬送装置
11 有孔スチールベルト
13 貫通孔
15 被搬送体
20 吸引体
25 多孔質板
29 空気室
31 吸引管
33 繊維性シート
35 ガイドローラ
Claims (5)
- 板状またはシート状の被搬送体を搬送する複数の貫通孔が貫穿された有孔スチールベルトと、
前記有孔スチールベルトの裏側に在って前記被搬送体の搬送路に沿って延設され、その上面に該有孔スチールベルトと微少な間隔を隔てて通気性を有するプラスチック製の多孔質板が配置されて該有孔スチールベルトを通して該被搬送体を吸引する吸引体と、
前記多孔質板の上面または下面に接するように配置される通気性を有するシート状の繊維性シートと、から成り、
前記吸引体は筐体状を呈し、該吸引体を構成する前記多孔質板の下部には空気室が形成され、該吸引体の壁面または底面に貫設される吸引管を介して該空気室内の空気が外部に強制排気される、ことを特徴とする吸引式搬送装置。 - 前記繊維性シートおよび前記多孔質板は着脱自在となっている、ことを特徴とする請求項1に記載の吸引式搬送装置。
- 前記有孔スチールベルトの貫通孔の開口率は20%〜85%である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸引式搬送装置。
- 前記多孔質板の空孔率は20%〜65%である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吸引式搬送装置。
- 前記吸引体と前記有孔スチールベルトとの間隔の調整は前記有孔スチールベルトの裏面に接して該有孔スチールベルトの走行に伴って回動する円筒状または球状のガイドローラの上下方向の移動に因り行なわれる、ことを特徴とする請求項4に記載の吸引式搬送装置。
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