JP5285518B2 - 画像形成装置の走査光学系の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における走査光学系に係り、特に、光源からの光を平行光束とするカップリングレンズ(コリメータレンズ)と、ポリゴンミラーにより偏向された光の被走査面上における走査速度を等速とするfθレンズとを、光学用透明樹脂レンズとし、それにもかかわらず環境温度変化による主走査方向の像面上での焦点シフトを許容範囲に収められるようにした、画像形成装置における走査光学系に関するものである。
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置においては、帯電装置により感光体ドラムを一様に帯電した後、形成する画像の信号で変調した光で感光体ドラムを露光して静電潜像を形成し、感光体ドラムに形成された静電潜像に対する現像装置による現像、現像によって形成された感光体ドラム上のトナー画像の転写装置による用紙への転写、用紙上に転写されたトナー画像の定着装置による定着、という工程によって画像形成が行われる。
このうち、一様に帯電した感光体ドラムへの露光を行う走査光学系として、高速機においては、レーザーダイオード等を形成する画像の信号で変調し、ポリゴンミラーで主走査方向(感光体ドラムの軸方向)に偏向して、fθレンズを用いた走査光学系により、等角速度走査を等速度走査に変換して感光体ドラムを走査するようにした走査光学系が用いられる。
このような走査光学系においては、一般的に、レーザーダイオード等の光源装置から放射されたレーザー光を、コリメータレンズ等のカップリングレンズで略平行光束に変換した後、感光体ドラム上の走査面上で所望のビームスポット径を得るため、アパーチャ(絞り)により光束を一定の大きさに絞り、シリンドリカルレンズのような、副走査方向(主走査方向に直交する方向)にのみ屈折力を有する光学素子を透過させてポリゴンミラー上に主走査方向に線状に結像させ、走査面上の等角速度走査を等速走査に変換するfθレンズを介し、走査面上に光ビームスポットとして結像させるよう構成されている。
このうち、fθレンズは2群2枚で構成される場合が多く、第1レンズは主走査方向の収差補正及び等角速度走査から等速走査への変換機能、第2レンズはポリゴンミラーの面倒れに対する補正機能を、というように光学的な機能を分離させて設計されるのが一般的である。
またfθレンズの材質は、環境変動による屈折率変化、屈折率分布変化、熱変形等の影響を受けにくい光学用ガラス(例えばBK7等)が使用されていたが、近年では装置の小型化や軽量化、部材コストの削減等の要請から、光学用アクリル樹脂(PMMA)やシクロオレフィン系樹脂(COP)等の光学用透明樹脂を用いることが多くなっている。
しかしながら、これら光学用アクリル樹脂(PMMA)やシクロオレフィン系樹脂(COP)等の光学用透明樹脂は、ガラスと比較すると温湿度変化の影響を受けやすく、さらに光学用アクリル樹脂(PMMA)は吸湿性が高いため、レンズ内の屈折率分布が変化して光学性能の劣化を引き起こしやすい。一方、シクロオレフィン系樹脂(COP)は湿度変化に対する吸湿性が低く、屈折率分布の変化等の影響を受けにくいが、温度変化に対しては、熱変形や屈折率変動を起こしてやはり光学性能の劣化を引き起こす。
また、半導体レーザ等の光源装置からの拡散光を略平行光束に変換するカップリングレンズは、温湿度変化により焦点シフトが生じた場合に光学性能の変化が大きく、従来はこのカップリングレンズは光学ガラスが用いられていた。しかしながら光学ガラスを使用した場合、光学用透明樹脂を使用した場合と比較してコストアップするため、シクロオレフィン系樹脂が使用される場合もあるが、そのままでは温度変化による屈折率変動の影響を受け、カップリングレンズの焦点距離の変動を引き起こす。そのため、カップリングレンズに回折格子を設けたり、カップリングレンズを2枚構成にし、それぞれに正と負の屈折力を持たせて、焦点距離変動を打ち消すことによりこの問題を解決するなどの方法が取られていた。
このように、走査光学系に光学用透明樹脂を用いたことで環境温度変化で焦点位置ズレが起こることに対しては、例えば特許文献1にシリンドリカルレンズをアクリル樹脂で、fθレンズをガラスで製作した場合の温度変化による、焦点位置ずれを実用上許容できる範囲に抑えるようにしたレーザビーム走査光学系が示されている。この特許文献1に示されたレーザビーム走査光学系では、シリンドリカルレンズを保持した光源ユニットが温度変化で変形し、ポリゴンミラー付近での結像位置が元の位置から変動して、感光体付近での結像位置が元の位置から移動するが、温度上昇に伴って樹脂製のシリンドリカルレンズも変形し、結像位置が光源ユニットの変形を相殺する方向に変化するのを利用し、焦点ずれを実用上許容できる範囲に抑えている。
また特許文献2には、結像レンズBにプラスチックレンズを使用した光走査装置において、光源とコリメータレンズを鏡筒で一体化し、この鏡筒を第1の鏡筒部材と第2の鏡筒部材で構成して、光走査装置の温度が上昇してプラスチックレンズBの屈折率変化により結像位置がΔx変位したとき、コリメータレンズが鏡筒の膨張によりΔL移動して結像位置を戻し、鏡筒を線膨張率の異なる複数の部材で構成することによって、きめの細かな調整が可能となり、正確な温度補正が可能となるようにした光走査装置が開示されている。
さらに特許文献3には、走査光学装置の光学系を、光源部と、光源部から発したレーザー光を副走査方向にのみ収束させるシリンドリカルレンズと、シリンドリカルレンズにより収束されたレーザー光を動的に主走査方向に偏向するポリゴンミラーと、偏向されたレーザー光を被走査面上に結像させる走査結像レンズとで構成し、光源部は、半導体レーザーと、レーザー光をほぼ平行光にするコリメータレンズとを備え、これらは円筒状のプラスチック製の固定保持部材により固定、保持されていて、コリメータレンズの焦点距離に対してバックフォーカスを小さくすることにより、固定支持部材の実効長Lを短くして、温度変化によるピント位置のずれを抑えることができる走査光学装置が提案されている。
特開平5−19189号公報 特開平10−293261号公報 特開2005−189500号公報
光学用透明樹脂でfθレンズやカップリングレンズを構成した場合、前記したように温度変化に対しての屈折率変動が光学ガラスと比較して大きいため、それぞれのレンズによる焦点距離の変化が大きくなる。また、半導体レーザ等の光源装置からの拡散光を平行光束に変換するカップリングレンズは、温度変化が生じた場合、半導体レーザとカップリングレンズの光軸方向の距離が、光学素子と半導体レーザが設置されている共通の固定部材の線膨張係数に比例した分だけ伸縮することになる。
レンズ材料として光学用透明樹脂を使用している場合、熱膨張による半導体レーザとカップリングレンズの距離の変動よりも、温度変化に対する焦点距離の変動の方が大きく、カップリングレンズと半導体レーザの距離が短くなったのと同じ状態になる。この時、カップリングレンズの焦点距離を温度tの関数で表したfcol(t)と、fθレンズの焦点距離ffθ(t)の比(横倍率)の2乗に比例して被走査面での光軸方向の焦点位置ずれが起こるという問題がある。
こういった問題に対してカップリングレンズに回折格子を設ける方法では、回折格子の設計を別途行う必要があり、回折格子の金型製作も通常のレンズ金型と比べて特殊なものとなるので、必要となる工数も多くなる。レンズを2枚構成にしてキャンセルさせる方法は、2枚のレンズを使用するため、部材点数の増加やコストアップが生じる。
また、特許文献1に示されたレーザビーム走査光学系は、シリンドリカルレンズをアクリル樹脂で、fθレンズをガラスで製作した場合であり、前記したように装置の小型化や軽量化、部材コストの削減等の要請から、fθレンズとカップリングレンズに光学用アクリル樹脂(PMMA)やシクロオレフィン系樹脂(COP)等の、光学用透明樹脂を用いた場合には適用できない。
また特許文献2、特許文献3に示された光走査装置、走査光学装置は、光源装置とコリメータレンズとを保持部材で一体化しており、そのため、走査光学系の焦点距離にバラツキが生じた場合、光源装置とコリメータレンズの距離を可変させてのピント調整を行うことが困難となり、所望のビームスポット径が得られないという問題が出る。
そのため本発明においては、fθレンズとカップリングレンズに光学用アクリル樹脂(PMMA)や、シクロオレフィン系樹脂(COP)等の光学用透明樹脂を用いた場合でも、環境温湿度の変動による主走査方向の像面上での焦点シフトを減少させるようにした、画像形成装置における走査光学系を提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明になる画像形成装置走査光学系の製造方法は、
光源装置と、該光源装置からの拡散光を平行な光束とするカップリングレンズと、該カップリングレンズにより平行光束とされた光源装置からの光を偏向し、被走査面上を主走査方向に走査させる走査光学手段と、該走査光学手段により偏向された光を被走査面上に光スポットとして集光させ、前記被走査面上における走査速度を等速とするfθレンズと、からなる画像形成装置走査光学系の製造方法において、
前記カップリングレンズを保持するカップリングレンズホルダを光軸方向に移動可能として合焦状態で固定すると共に、前記光源装置を保持して樹脂とガラス繊維からなる複合材料で構成した筐体とをさらに有し、前記走査光学系におけるfθレンズとカップリングレンズとを光学用透明樹脂で構成して、
前記筐体の線膨張係数をα、前記カップリングレンズホルダの線膨張係数をα、前記カップリングレンズの入射面と前記光源装置を構成する光源との距離をL、前記カップリングレンズホルダの筐体への固定点からカップリングレンズの入射面までの距離をL、前記fθレンズの主走査方向焦点距離をffθ、前記カップリングレンズの焦点距離をfcolとしたとき、下記式を満たすように光学系を設計したことを特徴とする画像形成装置走査光学系の製造方法である
Figure 0005285518

ここで、Lは焦点深度、a、b、cは定数、tは設計温度、tは環境温度、Rは環境温度tでの走査光学系の主走査方向入射側曲率半径、Rは環境温度tでの走査光学系の主走査方向射出側曲率半径、Sはfθレンズの厚みである。
このように、fθレンズとカップリングレンズとを光学用透明樹脂で構成すると共に、筐体に光源装置及びカップリングレンズを保持するカップリングレンズホルダとを保持し、かつ、カップリングレンズホルダを光軸方向に移動可能として合焦状態で固定することで、走査光学系の焦点距離にバラツキがある場合にも光源装置とコリメータレンズの距離を可変させてのピント調整を行った後に固定することが可能となる。
さらに、走査光学系レンズを合成単レンズとみなしたときに(1)式を満足するように設計することで、筐体に保持した光源装置と光学用透明樹脂で構成したカップリングレンズとは、カップリングレンズ自体の焦点シフト量と筐体の変形による焦点シフト量とが互いに相殺しあい、かつ、その差に、fθレンズの主走査方向焦点距離とカップリングレンズの焦点距離の比の2乗を乗じた値とfθレンズの主走査方向の焦点距離変動とが略等しくなるようにすることで、焦点シフトを最小限に抑えることができる。また、環境変動時の焦点シフト量が小さければ設計上の焦点深度は浅く取ることができるから、走査光学系の設計難易度を下げることができる。しかも、カップリングレンズは高価なガラスを使用することなく、従来の透明光学樹脂を利用することができ、さらに、回折格子を設ける必要がないからコストダウンが可能となると共に、回折格子の設計が不要になって光学設計が簡略化できる。
このように本発明になる画像形成装置走査光学系の製造方法によれば、fθレンズとカップリングレンズとを光学用透明樹脂で構成しても、走査光学系の環境温度による焦点シフト量を最小限に抑えることができ、環境温度変化時の光学性能の劣化を抑えることが可能となると共に、環境変動時の焦点シフト量が小さいことで、設計上の焦点深度は浅く取ることができるから、走査光学系の設計時の難易度を下げることができる。また、走査光学系の焦点距離にバラツキが生じても、光源装置とコリメータレンズの距離を固定する前に可変させることが可能であるからピント調整を容易に行うこともできる。
本発明に係る光走査光学装置を画像形成装置における感光体の露光装置に応用した構成概略の斜視図である。 図1に示した光走査光学装置の副走査方向断面図である。 光源とカップリングレンズを収容したカップリングレンズホルダとを保持した筐体の概略断面図である。 fθレンズの焦点距離が100mmで、Lを5mmとした場合の温度変化に対する、ΔLimageの変化を示したグラフである。 を最適化した場合の温度変化に対する、ΔLimageの変化を示したグラフである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明に係る画像形成装置における走査光学系の構成概略の斜視図で、図2はこの図1に示した光走査光学装置の副走査方向断面図、図3は光源とカップリングレンズを収容したカップリングレンズホルダとを保持し、カップリングレンズホルダを光軸方向に移動可能とした筐体の概略断面図である。この図1乃至図3における同一構成要素には同一番号を付してある。
最初に図1、図2を参照し、本発明に係る光走査光学装置について説明すると、例えば波長670nmの半導体レーザよりなる光源1と、その半導体レーザよりなる光源1からの光を平行光とするカップリングレンズとしての非球面コリメータレンズ2と、この平行光を所定の大きさとする開口31を備えた開口絞り(アパーチャー)3と、平行光とされた光源1からの光を主走査方向10に長い線状として、被走査面9上を走査させる回転反射鏡(ポリゴンミラー)5の反射面5aに結像させるシリンドリカルレンズ4などの線状集光素子と、ポリゴンミラー5により偏向された光の被走査面上における走査速度を等速とする、fθレンズ6、7などの走査光学系、反射鏡8などで構成されている。本発明においては、シリンドリカルレンズ4は、光学ガラスであるS−BSL7(株式会社オハラ製)を用いた。なお、反射鏡8は、必要に応じて設ければ良く、各光学部材の配置構成(レイアウト)によっては無くても構わない。
fθレンズ6、7は、主走査方向に正のパワーを、主走査方向と直交する副走査方向に負のパワーを持つ第1レンズ6と、副走査方向に正のパワーを有している第2レンズ7とで構成され、どちらかのレンズが非球面形状を有して構成されている。そして本発明においては、コリメータレンズ2、fθレンズ6、7を例えばシクロオレフィン系樹脂(COP)であるZEONEXE330R(日本ゼオン株式会社製)等の光学用透明樹脂を使用して形成し、また、コリメータレンズ2は後記図3で詳細を説明するが、カップリング(コリメータレンズ)レンズホルダに収容されて、光源1と共にポリカーボネート、ガラス繊維、ABSの複合材料の、例えばRN7740D(帝人株式会社製)等の材質の筐体に保持されている。
次に、光源1と、カップリングレンズ(コリメータレンズ)2を収容したカップリングレンズホルダ21、とを保持した筐体20の概略断面図である図3について説明する。
筐体20は前記したように、ポリカーボネート、ガラス繊維、ABSの複合材料の、例えばRN7740D(帝人株式会社製)等の材質で構成され、カップリングレンズ(コリメータレンズ)2を収容したカップリングレンズホルダ21と、光源(半導体レーザ)1を固定した光源固定部材23とを保持している。
カップリングレンズホルダ21は樹脂により筒状に形成され、中央にカップリングレンズホルダ固定リブ22が設けられていて、筐体20に対して光軸方向に移動して焦点調節を行った後、24で示した位置に接着剤が盛られてカップリングレンズホルダ固定リブ22により固定される。
そして本発明においては、この図3に示したように、筐体20の線膨張係数をα、カップリングレンズホルダ21の線膨張係数をα、カップリングレンズ(コリメータレンズ)2の入射面と光源装置を構成する光源1との距離をL、カップリングレンズホルダ21の筐体への固定点24からカップリングレンズ2の入射面までの距離をL、カップリングレンズ2の焦点距離をfcol、fθレンズの主走査方向焦点距離をffθとする。また、設計温度をt、環境温度変化後の温度をtとする。前述したパラメータはすべて設計温度tでの値とする。
環境温度がt→tに変化した時のレーザダイオード(光源)1とコリメータレンズ2の距離LColは、温度変化による筐体20とカップリングレンズホルダ21の膨張変化の差に相当するので、上記パラメータを用いて、
Figure 0005285518
と表せる。
次に、主走査方向のレーザダイオード1の位置と像面の縦倍率を求める。
環境温度tのとき、走査光学系の全レンズを合成単レンズとみなしたときの屈折率をn(t)、レンズ中心厚みをS(t)、主走査方向入射側曲率半径をR(t)、主走査方向射出側曲率半径をR(t)とした時、走査光学系の主走査焦点距離f(t)は、
Figure 0005285518
となる。
横倍率Mと縦倍率Mを求めると、
Figure 0005285518
と表せる。これは上記の焦点距離で構成される光学系において、物点での光軸方向に移動した場合の像点での焦点位置の移動量を示す。
従って、環境温度がt→tに変化した場合のレーザーダイオード1とカップリングレンズ2の距離がLcolになった時の像点での焦点位置の移動量ΔL
Figure 0005285518
となる。
ここで、式4の符号が負になっているのは、Lcolが大きくなると、像点の焦点位置が光進行方向に対して逆向きに移動するからである。
次に、fθレンズの環境温度変化時の焦点距離移動量を求める。
式2中の変数、n(t)、R(t)、R(t)、S(t)はそれぞれ、温度tの関数で書き換えられる。
Figure 0005285518
ここで、αはfθレンズの材料の線膨張係数、R、R、Sはそれぞれ、環境温度tでの走査光学系の主走査方向入射側曲率半径、主走査方向射出側曲率半径、レンズ厚みであり、a、b、cは温度変化に対する屈折率の変化を近似した時の定数である。
式5〜式8を式2に代入して
Figure 0005285518
を得る。
式9にt=tを代入して
Figure 0005285518
を得る。
環境温度がt→tに変化した場合に像点での焦点移動量ΔLは、
Figure 0005285518
となる。
式4と式11から、環境温度がt→tに変化した場合の像点での焦点位置移動量は、
Figure 0005285518
である。
そして、環境温度がt→tに変化した場合の像点での焦点位置移動量ΔLimageが、所望の光学性能(ビームスポット径等)を満たす焦点位置の範囲(焦点深度)Lの範囲内であれば温度変化しても焦点ずれが無いことになるので、
Figure 0005285518
を満たす様に各パラメータを設定すれば、温度変化しても、焦点ずれの少ない走査光学系を設計する事ができる。
次に、実際の光学設計例について説明する。まず、比較的焦点距離が短い場合について実施例を示す。パラメータは以下の表1に示したとおりである。
Figure 0005285518
表1でRが負になっているのは光の進行方向とは逆方向に曲率中心がある事を示している。即ち、これは凸レンズになっている事を示す。
は常温(20±15℃)の代表値として中心値である20℃を採用した。
また、屈折率の温度変化に対する係数a、b、cについてはシクロオレフィン系樹脂(COP)のZEONEXE48R(日本ゼオン株式会社製)の実験値から算出したものである。また、αは同樹脂の線膨張係数である。
αはポリカーボネート、ガラス繊維、ABSの複合材料であるRN7740D(帝人株式会社製)の線膨張係数である。
αは一般的なポリカーボネートの線膨張係数である。
表1に示した数値のうちLはコリメータレンズの焦点距離から確定する距離である。従ってここでは最適化できるパラメータとしてはLが好適である。
Figure 0005285518
表2はfθレンズの焦点距離が100mmで、Lを5mmとした場合の温度変化に対するΔLimageの変化を示している。図4は、fθレンズの焦点距離が100mmで、Lを5mmとした場合の温度変化に対する、ΔLimageの変化を示したグラフであり、縦軸はΔLimage、横軸は環境温度を示している。
画像形成装置の一般的な使用環境は10℃〜35℃の範囲であり、その場合画像形成装置中の走査光学系の環境温度は最大で約50℃程度になるため、表2における環境温度tを10℃〜50℃としている。
表2及び図4から、温度が上がるにつれて、焦点位置が感光ドラムの光進行方向側へ10℃〜50℃の範囲で1mm程ずれている事がわかる。
次に、Lを最適化した場合のパラメータを表3に示す。また、Lを最適化した場合の温度変化に対するΔLimageの変化を表4及び図5に示す。図5において、縦軸はΔLimage、横軸は温度を示している。
Figure 0005285518
Figure 0005285518
このとき、Lは負の値を示すが、これは、接着点がコリメートレンズ2よりも光源1側にある事を示す。Lを最適化する事で温度変化に対する焦点位置変化を略0にする事ができる。焦点深度Lが4mmあれば、温度に対する焦点位置のずれを最小限にする事が可能となり、画像品質を維持する事が可能となる。
本発明によれば、走査光学系におけるfθレンズ、カップリングレンズを光学用透明樹脂で構成しても、環境温度変化があっても焦点シフトを許容範囲に収めることができるから、画像形成装置を安価に、しかも環境温度の変化でも画像品質を落とさないように製作することができる。
1 光源(半導体レーザ)
2 コリメータレンズ(カップリングレンズ)
3 アパーチャー(開口絞り)
31 開口
4 シリンドリカルレンズ
5 ポリゴンミラー
6、7 fθレンズ
8 反射鏡
9 感光体(被走査面)
10 走査方向
α 筐体20の線膨張係数
α カップリングレンズホルダの線膨張係数
カップリングレンズの入射面と前記光源装置を構成する光源との距離
カップリングレンズホルダの筐体への固定点からカップリングレンズの入射面までの距離
fθh fθレンズの主走査方向焦点距離
col カップリングレンズの焦点距離
Δffθ 単位温度当たりのfθレンズの主走査方向の焦点距離変動

Claims (3)

  1. 光源装置と、該光源装置からの拡散光を平行な光束とするカップリングレンズと、該カップリングレンズにより平行光束とされた光源装置からの光を偏向し、被走査面上を主走査方向に走査させる走査光学手段と、該走査光学手段により偏向された光を被走査面上に光スポットとして集光させ、前記被走査面上における走査速度を等速とするfθレンズと、からなる画像形成装置走査光学系の製造方法において、
    前記カップリングレンズを保持するカップリングレンズホルダを光軸方向に移動可能として合焦状態で固定すると共に、前記光源装置を保持して樹脂とガラス繊維からなる複合材料で構成した筐体とをさらに有し、前記走査光学系におけるfθレンズとカップリングレンズとを光学用透明樹脂で構成して、
    前記筐体の線膨張係数をα、前記カップリングレンズホルダの線膨張係数をα、前記カップリングレンズの入射面と前記光源装置を構成する光源との距離をL、前記カップリングレンズホルダの筐体への固定点からカップリングレンズの入射面までの距離をL、前記fθレンズの主走査方向焦点距離をffθ、前記カップリングレンズの焦点距離をfcolとしたとき、下記式を満たすように光学系を設計したことを特徴とする画像形成装置走査光学系の製造方法
    Figure 0005285518
    ここで、Lは焦点深度、a、b、cは定数、tは設計温度、tは環境温度、Rは環境温度tでの走査光学系の主走査方向入射側曲率半径、Rは環境温度tでの走査光学系の主走査方向射出側曲率半径、Sはfθレンズの厚みである。
  2. 前記筐体が、ポリカーボネート、ガラス繊維、ABS樹脂からなる複合材料からなることを特徴とする請求項1に記載した画像形成装置走査光学系の製造方法
  3. 前記設計温度tが常温であり、前記環境温度tが10℃以上50℃以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置走査光学系の製造方法
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