JP5279611B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材上の画像を加熱する画像加熱装置に関する。画像加熱装置としては、例えば、記録材上の未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置等を挙げることができる。また、インクジェット方式などの染料や顔料を含む液体により画像形成を行う画像形成装置においてインクを速く乾かすための装置を挙げることができる。
例えば、電子写真方式の複写機・レーザービームプリンタ等の画像形成装置においては、電子写真感光ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置によりトナー画像として現像する。このトナー画像を転写装置により記録材上に転写し、その記録材を、画像加熱装置である定着装置の加熱ニップ部(定着ニップ部)を通過(以下、通紙と記す)させて熱と圧力を付与することによってトナー画像を記録材上に加熱定着している。定着装置としては、ヒートローラ方式、ベルト加熱方式などがある。ヒートローラ方式の定着装置は、加熱手段としてのハロゲンランプにより加熱される加熱回転体としての定着ローラと、この定着ローラと接して定着ニップ部を形成する加圧回転体としての加圧ローラを有する。そして、定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ記録材上のトナー画像に定着ローラの熱とニップ圧を付与することによってトナー画像を記録材上に加熱定着させている(特許文献1)。ベルト方式の定着装置は、加熱回転体と加圧回転体として互いに対向する定着ベルトと加圧ベルトを設け、これら両ベルト間でシートを挟持搬送しながら定着を行う構成とされている。このベルト方式の定着装置は、ヒートローラ方式の定着装置に比して、充分なニップ幅が得られ、装置の小型化、高速化対応できる定着方式である(特許文献2)。特に、ベルトを懸架するローラを最小の2本とし、小型化/低コスト化を実現している。ベルト懸架ローラを最小の2本とすることで、定着装置全体を低熱容量化し、定着装置が定着可能温度達するまでの時間を短縮することを実現している。このような熱容量の小さいベルト方式の定着装置においては、加熱ベルトなどの加熱媒体を電磁誘導作用により生じるジュール熱で直接加熱する電磁誘導加熱方式によるものが、より省エネルギーを目指したものとして注目されている。ヒートローラ方式の定着装置では、定着ローラの温度制御を行うために、少なくとも1つのメイン温度検知手段(メインサーミスタ)Aを定着ローラの外周面に近接、若しくは接触させて配置している。そしてメイン温度検知手段Aの検知温度に基づいて温度制御回路によりハロゲンランプに対する通電制御すなわち温度制御を行っている。電磁誘導加熱方式を利用したベルト加熱方式の定着装置では、定着ベルトの温度制御を行うために、少なくとも1つの温度検知手段を定着ベルトの外周面あるいは内周面に近接もしくは接触して配置している。そして、その温度検知手段の検知温度に基づいて温度制御回路により誘導コイルに対する通電制御すなわち温度制御を行っている。
ところで、定着ニップ部に通紙させる記録材の最大サイズが仮にA3サイズ紙(A3縦)まで対応している定着装置であれば、A3サイズ以外に、下記の各種サイズの記録材を通紙可能としているのが一般的である。A3サイズ以外の各種サイズの記録材としては、B4縦、A4横、A4縦、A5横、A5縦、B5横、B5縦、洋形封筒、葉書等の各種サイズの記録材がある。これらの記録材を、A3縦の最大サイズ記録材に対して、以下では小サイズ記録材と呼ぶ。この場合、温度検知手段は、定着ニップ部において記録材が通過する領域(通紙部)の温度を検知するために、最小サイズの記録材が確実に通過する領域に配置されるのが一般的である。更に、小サイズ記録材を使用した場合には、定着ニップ部における記録材の非通紙部分に熱が滞り、非通紙部の温度が上昇する、いわゆる端部昇温(非通紙部昇温)が起きるという問題があった。小サイズ記録材の連続的な通紙によって加熱回転体の非通紙部が極端に高温になった場合、その直後に大サイズ記録材を通紙すると、小サイズ記録材の非通紙部に相当する大サイズ記録材部分で、記録材上のトナーが加熱回転体に奪われる。これにより、加熱回転体が汚染されてしまうホットオフセットという問題が発生してしまう。そこで、加熱回転体の非通紙部分の温度が、大サイズ記録材の通紙が可能な程度に下がるまで、機械の動作を禁止する方法がある。また、動作禁止の時間をなるべく正確に短くするために、加熱回転体の非通紙部分の温度を検知する温度検知手段をサブ温度検知手段Bとして設ける対策も知られている。この様なサブ温度検知手段Bは、大サイズ記録材が通過する加熱回転体部分の表面温度を検知するので、サブ温度検知手段Bが検知する加熱回転体部分は、加熱回転体に加圧回転体が当接している部分である。また、小サイズ記録材を通紙した際、加熱回転体の耐熱温度等を考慮して、加熱回転体の最の高い温度を検知できる部分にサブ温度検知手段Cを配置する対策も知られている。このサブ温度検知手段Cの温度に応じて機械の動作を止めたり、小サイズ記録材の生産性を落としたりする。このようなサブ温度検知手段Cは、加熱回転体の端部で、加圧回転体が当接していない部分に設置される場合が多い。
特開平5−35138号公報 特開2004−341346号公報
しかしながら、上記定着装置では温度検知手段が上記のメイン温度検知手段Aとサブ温度検知手段Bとサブ温度検知手段Cの少なくとも3つ必要になってしまい、コストアップ、装置の大型化等の問題がある。本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。その目的は、より少ない温度検知手段の数で、小サイズ記録材の生産性をできるだけ高く維持し、小サイズ記録材通紙後に大サイズ記録材を通紙する際の待ち時間もできるだけ短くできる、ベルト方式の画像加熱装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、加熱回転体と、複数のベルト懸架部材間に懸架されて回転し、前記加熱回転体との間でニップ部を形成する無端状の加圧ベルトと、前記複数のベルト懸架部材の少なくとも1つのベルト懸架部材を揺動部材にして他のベルト懸架部材に対する相対位置を変位させることで、回転時の加圧ベルトのベルト懸架部材軸線方向への寄り移動を制御するベルト寄り制御手段と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する画像加熱装置において、前記加熱回転体の通紙部の温度を検知して加熱回転体の通紙部の温度を所定の画像加熱用温度に温調するための第1の温度検知手段と、前記加熱回転体の非通紙部の温度を検知する第2の温度検知手段を備え、前記第2の温度検知手段は、前記加熱回転体の非通紙部であって、かつ前記加圧ベルトが寄り制御されているときに、加圧ベルトが加熱回転体に対して圧接する部分の加熱回転体の温度であるニップ部温度と、加圧ベルトが加熱回転体に対して圧接されない部分の加熱回転体の温度である非ニップ部温度を検知できる位置に設置されており、前記ニップ部温度の検知情報と前記非ニップ部温度の検知情報が装置の制御信号として使用されることを特徴とする。
本発明によれば、より少ない温度検知手段の数で、小サイズ記録材の生産性をできるだけ高く維持し、小サイズ記録材通紙後に大サイズ記録材を通紙する際の待ち時間もできるだけ短くできる、ベルト方式の画像加熱装置を提供することができる。
(a)は実施例1における画像加熱装置としての定着装置の要部の拡大横断側面模型図と制御系統のブロック図ある。(b)は定着ベルトの層構成模型図である。 図1の定着装置の加熱回転体ユニットと加圧回転体ユニットの正面側(記録材導入口)を見た概略図である。 (a)・(b)・(c)は加圧回転体ユニットの加圧ベルト寄り制御動作の説明図である。(d)は加圧ベルト寄り制御機構の説明図である。 (a)は加熱回転体ユニットと加圧回転体ユニットの縦縦断正面模式図である。(b)は大サイズ記録材であるA4横紙を通紙した場合のメインサーミスタTH1とサブサーミスタTH2の各サーミスタの検知温度のグラフである。 (a)は定着ベルトの温度測定点を示す概略図である。(b)は小サイズ記録材であるA4縦紙を通紙した場合のメインサーミスタTH1とサブサーミスタTH2の各サーミスタの検知温度のグラフである。 (a)は実施例2の定着装置における、サブサーミスタの位置と加圧ベルトの寄り制御範囲を示した概略図である。(b)は実施例2の定着装置における、小サイズ記録材であるA4縦紙を通紙した場合のメインサーミスタTH1とサブサーミスタTH2の各サーミスタの検知温度のグラフである。 (a)は本発明に従う画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置の一例の概略構成を示す断面模式図である。(b)は定着ベルトを寄り制御しない場合の定着ベルト寄り止め手段の例である。(c)はW1の範囲、W2の範囲での加圧ベルトの寄り制御手段の説明図である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、実施例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は実施例にて説明する各種構成にのみ限定されるものではない。即ち、本発明の思想の範囲内において実施例において説明する各種構成を他の公知の構成に代替可能である。
[実施例1]
《画像形成部》:図7の(a)は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置Fとして搭載した画像形成装置1の一例の概略構成を示す断面模式図である。この画像形成装置1は電子写真方式レーザープリンタであり、パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置300から制御回路部(制御手段)100に入力する電気的画像情報に対向した画像を記録材(シート)Sに形成して出力する。制御回路部100は操作部200や外部ホスト装置300との間で各種の電気的情報の授受をするとともに、画像形成装置1の画像形成動作、定着装置Fの動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。従って、以下に説明する画像形成動作や定着装置動作は制御回路部100によって制御されるものである。この画像形成装置1は、潜像を担持する回転可能な像担持体として電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと記す)2を備えている。ドラム2は矢印の時計方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動され、その外面が帯電手段としての帯電器3によって所定の極性・電位に一様に帯電される。その一様帯電面に対して露光手段としてのレーザースキャナ4により画像情報に対応したレーザー走査露光5がなされる。これにより、ドラム2の面には走査露光した画像情報に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像が現像手段としての現像器6によってトナー画像として現像される。そして、そのトナー画像が、ドラム2と転写手段としての転写ローラ7との当接部である転写部8において、該転写部8に導入された記録材Sに対して順次に転写される。記録材Sは装置内下部の給紙カセット10内に積載収納されている。所定の給紙タイミングで給紙ローラ11が駆動されると、給紙カセット10内の記録材Sが1枚分離給紙されて、搬送路12を通ってレジストローラ対13に至る。レジストローラ対13は記録材Sの先端部を受け止めて記録材Sの斜行修正をする。また、ドラム2上のトナー画像の先端部が転写部8に到達したときに記録材Sの先端部も転写部8に丁度到達するタイミングとなるように、ドラム2上のトナー画像と同期をとって、記録材Sを転写部8に給送する。転写部8を通った記録材Sはドラム2の面から分離されて、定着装置Fへと搬送される。この定着装置Fにより記録材S上の未定着トナー画像が加熱・加圧により固着画像として記録材面に定着される。そして、その記録材が搬送路13を通って排出ローラ対14によって装置上部の排出トレイ15へと排出、積載される。また、記録材分離後のドラム2の面はクリーニング装置9によって転写残トナー等の残留付着物が除去されて清掃され、繰り返して作像に供される。
《定着装置(画像加熱装置)》:以下の説明において、定着装置Fまたはこれを構成している部材について、長手又は長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。定着装置Fについて正面又は正面側とは記録材導入口側の面である。背面又は背面側とは正面又は正面側とは反対の面である。前後方向とは、装置の背面側から正面側に向かう方向(前方向)と装置の正面側から背面側に向かう方向(後方向)である。左右とは装置を正面から見て左又は右である。上流又は下流とは記録材搬送方向に関して上流又は下流である。記録材の幅とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の寸法である。図1の(a)は本実施例における画像加熱装置としての定着装置Fの要部の拡大横断側面模型図と制御系統のブロック図ある。この定着装置Fはベルト方式・電磁誘導加熱方式の装置である。この定着装置Fは、定着手段としての加熱回転体ユニット20と、加圧手段としての加圧回転体ユニット21と、電磁誘導加熱手段としての誘導加熱コイルユニット22と、を有する。加熱回転体ユニット20と加圧回転体ユニット21は上下に配設されており、圧接されることで加熱ニップ部(二ップ部)としての定着ニップ部Nを形成する。誘導加熱コイルユニット(励磁コイルアセンブリ)22は加熱回転体ユニット20の上側において、加熱回転体ユニット20に対向させて配設されている。
(1)加熱回転体ユニット:加熱回転体ユニット20は、記録材の搬送方向に関して上流側と下流側とにほぼ並行に配設された、第1のベルト懸架部材と第2のベルト懸架部材としての定着テンションローラ23と定着ローラ24を有する。また、この両ローラ間に懸回張設した、加熱回転体としての、無端状(エンドレス)で可撓性を有する定着ベルト25を有する。また、該両ローラ間に、定着ベルト25の下行側のベルト部分の内面に対面させて定着パッド26が定置配設されている。本実施例において、定着テンションローラ23は、外径20mm・内径18mmの鉄製の中空ローラである。定着ローラ24は、外径20mm・内径18mmの鉄合金製の中空ローラを芯金にして、その外周面に弾性層としてのシリコーンゴム層が設けられた高摺動性の弾性ローラである。このように弾性層を設けることで、定着モータM1から駆動ギア列(不図示)を介して定着ローラ24に入力された駆動力を定着ベルト25へ良好に伝達することができるとともに、定着ベルト25からの記録材Sの分離性を確保するためのニップ部を形成できる。シリコーンゴムの硬度はJIS−A15度、熱伝導率は0.8W/mKである。シリコーンゴム層によって、内部への熱伝導も少なくなるためウォーミングアップタイムの短縮にも効果がある。
定着ベルト25は、図1の(b)の層構成模型図のように、内径が40mmで、厚みが75μmのニッケル電鋳円筒体を基層(金属層、導電層、電磁誘導発熱体層)25aとし、この基層25aの外周には弾性層25bが300μmの厚みで設けられている。基層25aは、定着装置のクイックスタート性を向上させるために薄い方が好ましいが、電磁誘導加熱の効率も考慮し、ある程度の厚みも必要である。従って、10〜100μm程度が好ましい。弾性層25bは、なるべく薄くすることがクイックスタート性を向上させるためには好ましいが、定着ベルト表面を柔らかくし、トナーを包み込み溶かす効果を持たせるためにある程度の厚さが必要であり、100〜1000μmが好ましい。弾性層の材料としては、公知の弾性材料を使用することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。本実施例では、シリコーンゴムを用い、硬度はJIS−A20度、熱伝導率は0.8W/mKである。この弾性層25bの変形によって、定着ベルト25への記録材Sの巻き付きを防止し、定着ベルト25からの良好な分離性能を得ることができる。更に、弾性層25bの外周には、表面離型層25cとして、フッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。離型層25cは、PFAチューブやPFAコートを用いることができる。PFAコートは厚さが薄く出来、材質的にもPFAチューブに比較してトナーを包み込む効果がより大きい点で優れている。一方で、機械的及び電気的強度はPFAチューブがPFAコートよりも優っているので、場合により使い分けることができる。熱を記録材Sになるべく多く伝えるためには、どちらにしても、離型層25cは薄いほうが好ましいが、機械の使用で摩耗することなどを考慮すると10〜100ミクロン程度であることが望ましい。本実施例においては、厚さ30μmのPFAチューブを用いた。基層25aの内面には、内面層25dとして、ポリイミド層(PI層)を15μm厚で設けた。PI層25dは定着ベルト25の内面の摺動性確保のために設けられている。その厚さが厚すぎると、定着ベルトの温度を検知する温度検知手段の熱応答性や、クイックスタート性にも影響を及ぼすため、10〜100μm程度が望ましい定着パッド26は定着ローラ24に対し非接触に近接配置されている。本実施例では定着ローラ24と定着パッド26間の最近接部での離間距離(ギャップ)が3mmに設定されている。この定着パッド26は、厚さ3mm、幅12mmの弾性体としての耐熱性シリコーンゴムから構成されている。定着パッド26の表面には、摺動する定着ベルト内面との摩擦抵抗を減らすために低摺動性シートとしてのガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバーが設けられている。このパッドカバーによって定着ローラ24の駆動トルクが抑えられるので、モータの大型化を伴うことなく安定して定着ベルト25を回転させることができる。
(2)加圧回転体ユニット:加圧回転体ユニット21は、記録材の搬送方向に関して上流側と下流側とにほぼ並行に配設された、第1のベルト懸架手段と第2のベルト懸架手段としての加圧テンションローラ27と加圧ローラ28を有する。また、この両ローラ27・28間に懸回張設した、加圧回転体としての、エンドレスで可撓性を有する加圧ベルト29を有する。また、両ローラ27・28間に、加圧ベルト29の上行側のベルト部分の内面に対面させて加圧パッド30が付勢部材(不図示)により上方に押し上げ付勢されて配設されている。加圧テンションローラ27は、外径20mm・内径16mmである鉄合金製の中空ローラを芯金にして、その外周面に、熱伝導率を小さくして加圧ベルト29からの熱伝導を少なくするためにシリコーンスポンジ層を設けたものである。加圧ローラ28は、外径20mm・内径16mmの鉄合金製で低摺動性の中空剛性ローラである。加圧ベルト29は、内径が40mmで、厚みが75μmのニッケル円筒体を基層とし、表面は離型層としてフッ素樹脂であるPFAチューブを30μmの厚みで設けられている。加圧パッド30は加圧ローラ28に対して接触させて配置されている。即ち、記録材搬送方向に沿った1つの定着ニップ部Nに圧抜け部がなく連続した加圧力分布とするために、加圧ベルト29の内面と加圧ローラ28との間の楔状の空間Zに隙間無く加圧パッド30の端部が組み込まれている。即ち、加圧パッド30(パッドカバー)は加圧ローラ28に接触するように配置されている。加圧パッド30は、厚さ3mm、幅15mmの弾性体としての耐熱性シリコーンゴムから構成されている。加圧ベルト29の内面と加圧ローラ28の楔状の空間Zに位置する加圧パッド部分に棒状部材としてのワイヤを加圧パッドの長手方向に沿って略全域に設ける構成としても構わない。具体的には、ワイヤは上記耐熱性シリコーンゴムに固定される。その結果、この空間Zにおけるニップ圧の落ち込みをさらに抑制することができる。この場合、ワイヤは、低摺動性のカバーにて上述のシリコーンゴムと共に被覆する構成とされる。加圧パッド30の表面には、定着パッド26と同様に、摺動する加圧ベルト内面および加圧ローラ28との摩擦抵抗を減らすために低摺動性シートとしてPIシートにフッ素樹脂でコーティングしたカバーカバーが設けられている。あるいはガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバーが設けられている。
(3)誘導加熱コイルユニット:誘導加熱コイルユニット22は、励磁コイル31と磁性体コア32を有する。励磁コイル31は、電磁誘導加熱駆動回路(高周波コンバーター)103に接続されていて、AC電源部104から10〜2000[kW]の高周波電力が供給される。そのため、コイルの温度上昇を抑える目的で、導体表面積を大きくするために、エナメル線の細いものを複数本より合わせて、いわゆるリッツ線にしたものを用いており、被覆には耐熱性のものを使用した。磁性体コア32は高透磁率かつ低損失のものを用いる。コア32は磁気回路の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いている。代表的なものとしてはフェライトコアが挙げられる。誘導加熱コイルユニット22によって生成された磁界が、定着ベルト25の基層25aであるニッケル層に渦電流を発生させ、定着ベルト25が電磁誘導加熱される。
(4)シフト機構:加圧回転体ユニット21は加熱回転体ユニット20に対して、制御回路部100で制御されるシフト機構101により上下に揺動される。加圧回転体ユニット21は上方に揺動されることで、実線示のように、加熱回転体ユニット20に対して所定の押圧力で加圧当接された加圧状態にされる。また、加圧回転体ユニット21は下方に揺動されることで、2点鎖線示のように、加熱回転体ユニット20から離間した加圧解除状態にされる。加圧状態において、加圧ローラ28が加圧ベルト29と定着ベルト25を挟んで定着ローラ24に対して圧接する。また、加圧パッド30の付勢部材による上方への押し上げ付勢力により、加圧パッド30が加圧ベルト29と定着ベルト25を挟んで定着パッド26に対して圧接する。これにより、加熱回転体ユニット20の定着ベルト25と加圧回転体ユニット21の加圧ベルト29の圧接により記録材搬送方向において幅広の定着ニップ部Nが形成される。シフト機構101の具体的な構成は図には省略したけれども、例えば、電磁ソレノイドやモータに連結されたカムを用いた昇降動機構等で構成することができる。制御回路部100は、画像形成装置がプリント動作(画像形成動作)をしていない、いわゆるスタンバイ時(待機時)は、加圧回転体ユニット21を加圧解除状態に保持するようにシフト機構101を制御する。また、制御回路部100は、実際にプリント動作が開始されると(画像形成実行時)、記録材Sが定着装置Fに挿入される前に、加圧回転体ユニット21を加圧状態に保持するようにシフト機構101を制御する。
(5)定着動作:制御回路部100は、画像形成装置のスタンバイ時においては、上記のように、シフト機構101を加圧解除状態にして、加圧回転体ユニット21を加熱回転体ユニット20から離間させた状態に保持している。このスタンバイ時において、制御回路部100は、定着モータM1をオンに保持している。従って、定着モータM1から駆動ギア列(不図示)を介して定着ローラ24に駆動力が伝達されて、定着ローラ24が矢印の時計方向に所定の速度で回転している。この定着ローラ24の回転により、定着ベルト25、定着テンションローラ23が、同じ方向に回転駆動されている。定着ベルト25は、定着ローラ24のシリコーンゴム表面と定着ベルト25の内面ポリイミド層との摩擦によって回転する。また、制御回路100は、電磁誘導加熱駆動回路103をオンにしてAC電源部104から誘導加熱コイルユニット22の励磁コイル31に対して高周波電力を供給している。これにより、回転駆動されている定着ベルト25が電磁誘導加熱されて昇温する。定着ベルト25の温度が、定着ベルトの通紙部に対応する部分の温度を検知する第1の温度検知手段であるメインサーミスタTH1により検知される。そのメインサーミスタTH1で検知される定着ベルト25の通紙部温度に関する検知情報(電気的信号)がA/D(アナログ/デジタル)コンバーター105を介して制御回路部100に入力する。制御回路部100はメインサーミスタTH1から入力する温度検知情報が所定の定着温度(所定の画像加熱用温度)に対応する温度検知情報に維持されるように励磁コイル31への電力供給を制御して、定着ベルト25の温度を温調している。また、また、制御回路部100は、加圧モータM2をオンに保持している。従って、加圧モータM2から駆動ギア列(不図示)を介して加圧ローラ28に駆動力が伝達されて、加圧ローラ28が矢印の反時計方向に所定の速度で回転している。この加圧ローラ28の回転により、加圧ベルト29、加圧テンションローラ27が、同じ方向に回転駆動されている。上記のように、画像形成装置のスタンバイ時においては、定着装置Fは、加圧回転体ユニット21を加熱回転体ユニット20から離間させた状態に保持され、定着ベルト25は回転駆動され、かつ加熱されて所定の定着温度に温調されている。また、加圧ベルト25も回転駆動されている。
ここで、メインサーミスタTH1は、定着パッド26に弾性支持部材33を介して配設されており、検知素子面は定着ベルト25の内面と弾性的に接触している。本実施例においては、温度検知手段として、このメインサーミスタTH1の他に、第2の温度検知手段としてのサブサーミスタTH2を有する。このサブサーミスタTH2も、定着パッド26に弾性支持部材33を介して配設されており、検知素子面は定着ベルト25の内面と弾性的に接触している。メインサーミスタTH1とサブサーミスタTH2の詳細な配設位置や働きについては後述する。制御回路部100はプリント開始信号に基づいて、記録材Sが定着装置Fに挿入される前に、加圧回転体ユニット21を加圧状態に保持するようにシフト機構101を制御する。そして、定着ニップ部Nに未定着トナー画像tを有する記録材Sが導入される。記録材Sは未定着トナー画像tが形成されている面を定着ベルト25側にして導入される。その記録材Sが定着ニップ部Nを挟持搬送されて、未定着トナー画像tが定着ベルト25の熱とニップ圧により記録材面に固着画像として定着される。制御回路部100は、所定1枚又は連続複数枚のプリントジョブ(モノ又はマルチプリントジョブ)が終了したら、画像形成装置をスタンバイ状態にして次のプリントジョブのプリント開始信号の入力待ちをする。このスタンバイ時において、定着装置Fは、加圧回転体ユニット21を加熱回転体ユニット20から離間させた状態に保持される。定着ベルト25は回転駆動されており、かつ加熱されて所定の定着温度に温調されている。また、加圧ベルト25も回転駆動されている。但し、制御回路部100は、所定に設定されたスタンバイ時間が経過すると画像形成装置をスリーピング状態に移行させる。このスリーピング状態時においては、誘導加熱コイルユニット22への電力供給を停止させる。また、定着モータM1と加圧モータM2の駆動も停止させる。制御回路部100は、スリーピング状態においてプリント開始信号が入力されたら、画像形成装置をスタンバイ状態に移行させて、定着モータM1と加圧モータM2の駆動をオンし、また誘導加熱コイルユニット22への電力供給を開始する。
(6)ベルト寄り制御手段:ここで、ベルト方式の定着装置を駆動した場合のベルトの寄り現象(回転時のベルトのベルト懸架部材軸線方向への寄り移動現象)によるベルト端部破損等を解決するためのベルト寄り制御手段について説明する。ベルト寄り制御手段は、一般に、ベルトを懸架する複数のベルト懸架部材の少なくとも1つのベルト懸架部材を揺動部材にして他のベルト懸架部材に対する相対位置を変位させる。これにより、回転時のベルトのベルト懸架部材軸線方向への寄り移動を制御する制御するものが実用されている。より具体的には、複数のベルト懸架部材としての複数のローラのうちの少なくとも一つのローラの片側端部を変位させることで、各ローラ間のアライメントを変化させてベルトの寄り位置を制御するものが実用されている。図2は図1の(a)の定着装置Fの加熱回転体ユニット20と加圧回転体ユニット21の正面側(記録材導入口)を見た概略図である。定着テンションローラ23と加圧テンションローラ27の右側(奥側)Rの端部(ローラ軸右端部)23Rと27Rはそれぞれユニット20と21の右側スライド板金20Rと21Rに回転可能に、また傾動可能な状態に位置固定されて保持されている。定着テンションローラ23と加圧テンションローラ27の左側(手前側)Lの端部(ローラ軸左端部)23Lと27Lはそれぞれユニット20と21の左側スライド板金20Lと21Lに回転可能に、かつ縦方向の長穴34に沿って上下移動可能に保持されている。そして、定着テンションローラ23のローラ軸左端部23Lを矢印の上方向X1又は下方向X2に変位させることで、定着テンションローラ長手における定着ベルト25の位置をX´1方向又はX´2方向に制御するものである。また、加圧テンションローラ27のローラ軸左端部27Lを矢印の上方向Y1又は下方向Y2に変位させることで、加圧テンションローラ長手における加圧ベルト29の位置をY´1方向又はY´2方向に制御するものである。より具体的には、定着テンションローラ23をX1方向に移動すると、定着ベルトはX´1方向に移動し、X2方向に移動するとX´2方向に移動し、この動きを制御することで、定着ベルト25の寄り制御が可能となる。同様に、加圧テンションローラ27をY1方向に移動すると加圧ベルト29はY´1の方向に移動し、Y2方向に移動するとY´2の方向に移動し、この動きを制御することで、加圧ベルト29の寄り制御が可能となる。
図3の(a)〜(c)を参照して、加圧回転体ユニット21の加圧ベルト29の片寄り制御を具体的に説明する。なお、図3の(a)〜(c)は、便宜上、加圧ベルト29の幅を図1の(a)の加圧ベルト29の幅よりも長く誇張して描いてある。図3の(a)のように、加圧ベルト29が矢印の反時計方向aに回転している過程において、加圧ベルト29が矢印Y´2の左側に許容量以上寄り移動した場合、左側寄り検知センサSL(ベルト寄り検知手段)が加圧ベルト29の左側端部29Lを検知する。その検知信号がA/Dコンバーター105(図1の(a))を介して制御回路部100に入力する。制御回路部100はその検知信号の入力に基づいて、図3の(d)の寄り制御駆動部102を所定に作動させる。即ち、寄り制御アーム102aを図3の(d)において時計回り方向Uにあらかじめ決まられた値だけ回転させる。すると、加圧テンションローラ27のローラ軸左端部27Lが、(b)に示すように、矢印Y1方向に上昇し、加圧ベルト29が矢印Y´1の右方向に戻し移動される。また、加圧ベルト29の回転過程において、加圧ベルト29が(b)のように矢印Y´1の右側に許容量以上寄り移動した場合、右側寄り検知センサSR(ベルト寄り検知手段)がその加圧ベルト29の右側端部29Rを検知する。その検知信号がA/Dコンバーター105を介して制御回路部100に入力する。制御回路部100はその検知信号の入力に基づいて、図3の(d)の寄り制御駆動部102を所定に作動させる。即ち、寄り制御アーム102aを図3の(d)において反時計回り方向Dにあらかじめ決まられた値だけ回転させる。すると、加圧テンションローラ27のローラ軸左端部27Lが、(c)に示すように、矢印Y2方向に下降し、加圧ベルト29が矢印Y´1の右方向に戻し移動される。前記のように、加圧テンションローラ27のローラ軸右側端部27Rは、加圧回転体ユニット21の右側スライド板金21Rに回転可能に、また傾動可能な状態に位置固定されて保持されている。加圧テンションローラ27のローラ軸左側端部27Lは、左側スライド板金21Lに設けられ縦方向の長孔34を貫通して上下動自在になっている。従って、テンションローラ27は、ローラ軸右側端部27Rを支点にして、ローラ軸左側端部27Lが上下動して、全体として傾斜するようになっている。
このように、制御回路部100は加圧ベルト29が回転している間、左側寄り検知センサSLと右側寄り検知センサSRとから入力するベルト寄り検知信号に基づいて寄り制御駆動部102を所定に制御する。即ち、加圧テンションローラ27のローラ軸左端部27Lを上下動させる動作を繰り返すことで加圧ベルト29の左右方向への寄り移動を制御して、加圧ベルト29の寄り移動をほぼ所定の制御幅範囲内に納めることができる。本実施例においては、加圧ベルト29は、約45秒で左右に往復し、その移動距離(寄り移動制御幅)は約10mmであった。ここで、図3の(d)において、35Lは加圧回転体ユニット21のユニットフレームの左側板金である。加圧ローラ28はこの左側板金35Lと右側板金(不図示)との間に回転可能に支持されている。左側スライド板金21Lは左側板金35Lに対して長穴36Lとガイドピン37Lとにより前後方向にスライド可能に配設されている。そして、左側スライド板金21Lは、左側板金35Lとの間に縮設された突っ張りバネ38Lにより前方向に移動付勢されている。右側スライド板金21R(図3の(d))も、同様に、その側の右側板金に対して長穴とガイドピンとにより前後方向にスライド可能に配設されている。そして、右側スライド板金21Rは、左側板金との間に縮設された突っ張りバネにより前方向に移動付勢されている。これにより、加圧テンションローラ27が加圧ベルト29に張りを与える方向に移動付勢され、加圧ベルト29が加圧ローラ28と加圧テンションローラ27との間に張設状態に保持される。39Lは、加圧回転体ユニット21を加熱回転体ユニット20に対して上下揺動させるシフト機構101(図1の(a))の左側の昇降動用カムである。上記において、ベルト寄り検知手段SL・SRと、制御回路部100と、寄り制御駆動部102が、加圧ベルト29の寄りを制御する寄り制御手段である。即ち、ベルト寄り検知手段SL・SRの加圧ベルト寄り検知結果に基づいて第2のベルト懸架部材である加圧テンションローラ27の傾きを変化させて加圧ベルト29の寄りを制御する寄り制御手段である。第1のベルト懸架手段である加圧ローラ28の傾きを変化させて加圧ベルト29の寄りを制御する構成の寄り制御手段にすることもできる。
ここで、上記の実施例においては、加圧ベルト29についての寄り制御を説明したが、定着ベルト25と加圧ベルト29の少なくとも一方を寄り制御する。図7の(b)は、定着ベルト25を寄り制御しない場合の定着ベルト寄り止め手段の例である。定着ベルト25を寄り制御しない場合、定着ベルト25の両端部を、定着テンションローラ24に、ほぼベルト幅と同じ間隔で設けられた、突き当て部材51、52に突き当てておく。この付き当て部材51、52は定着ローラ23に設ける、あるいは定着ローラ23、定着テンションローラ24の両方に設けることもできる。つき当て部材51、52の材質としては、耐熱性の樹脂であるPPS(ポリフェニルスルファイド)、LCP(液晶ポリマー)を使うことができる。
(7)第1と第2の温度検知手段
前記のように、加熱回転体ユニット20の定着パッド26には、第1の温度検知手段としてのメインサーミスタTH1が弾性支持部材33を介して配設されており、検知素子面は定着ベルト25の内面と弾性的に接触している。また、このメインサーミスタTH1の他に、第2の温度検知手段としてのサブサーミスタTH2を有し、このサブサーミスタTH2も、定着パッド26に弾性支持部材33を介して配設されており、検知素子面は定着ベルト25の内面と弾性的に接触している。このメインサーミスタTH1とサブサーミスタTH2の配設位置や働きを図4・図5を参照して説明する。図4の(a)は定着装置Fの加熱回転体ユニット20と加圧回転体ユニット21の縦縦断正面模式図である。本実施例におけるメインサーミスタTH1とサブサーミスタTH2の長手方向の幅Tは約5mmであった。本実施例においては、メインサーミスタTH1とサブサーミスタTH2はそれぞれ所定の定位置に固定されて配設されており長手方向等に移動することはない。本実施例において記録材の搬送(通紙)は記録材幅中心のいわゆる中央基準搬送でなされる。Oはその中央基準線(仮想線)である。Aは定着ベルト25の長手寸法、Bは加圧ベルト29の長手寸法である。本実施例においては、A>Bの設定である。誘導加熱コイルユニット22は、定着ベルト25のほぼ長手全長領域を加熱する。メインサーミスタTH1は、定着ベルト25の通紙部の温度を検知して定着ベルト25の通紙部の温度を所定の画像加熱用温度に温調するための温度検知手段である。このメインサーミスタTH1は、装置に通紙使用可能な最大サイズ記録材(大サイズ記録材)、最小サイズ記録材、その間の各種サイズの記録材の何れもが通紙部(通紙域)となる定着ベルト部分に対応させて配設されている。本実施例では、大サイズ記録材はA4横である。加圧ベルト29の長手寸法Bは大サイズ記録材であるA4横記録材の幅よりも大きい。また、本実施例では、メインサーミスタTH1は上記の中央基準線Oに対応する定着ベルト部分の温度、即ち定着ベルト25の長手中央近傍の温度を検知するように、定着ベルト25の長手略中央部の内面に当接するように設置されている。
サブサーミスタTH2は、定着ベルト29の長手方向端部の内面に当接するように設置されている。より詳しくは、定着ベルト25の非通紙部(記録材搬送領域外)であって、かつ加圧ベルトが寄り制御されているときのニップ部温度と非ニップ部温度を検知できる位置に設置されている。ニップ部温度とは、加圧ベルト29が定着ベルト25に対して圧接する部分の定着ベルト25の温度である。非ニップ部温度とは、加圧ベルト29が定着ベルト25に対して圧接されない部分の定着ベルト25の温度である。サブサーミスタTH2の配設位置は、更に正確には、メインサーミスタTH1の位置を原点として、定着ベルト29の長手方向(定着ベルトの軸方向)に、平行にX軸を取る(メインサーミスタTH1からサブサーミスタTH2に向かう方向をプラス)。そのときの、加圧ベルト29の寄り制御範囲Sの最小位置座標をS1、最大値をS2とし、サブサーミスタTH2の幅Tの座標最小位置をT1、最大位置をT2とすると、以下の関係が成り立つこととする。S1<T1<T2<S2。つまり、サブサーミスタTH2が当接している定着ベルト部分は、加圧ベルト29の寄り制御に従って、加圧ベルト29が当接している場合(ニップ部)と、していない場合(非ニップ部)があるということである。また、サブサーミスタTH2は、大サイズ記録材であるA4横の紙を通紙した場合の紙端から5〜10mm程度に置かれ、紙端近傍の定着ベルト内面温度を検知できるようになっている。
メインサーミスタTH1は、通紙部に対応する定着ベルト内面温度を検知し、その検知結果をA/Dコンバーター105を介して制御回路部100に入力する。制御回路部100はメインサーミスタTH1から入力する温度検知情報が所定の定着温度に対応する温度検知情報に維持されるように励磁コイル31への電力供給を制御して、定着ベルト25の温度を所定の定着温度に温調する。また、メインサーミスタTH1を定着ベルト25の異常昇温検知手段として使用する場合は、制御回路部100は次のような制御をする。即ち、メインサーミスタTH1が所定の温度以上を所定の連続する時間以上検知した場合に、AC電源部104から誘導加熱コイルユニット22への電力供給を遮断するように制御する。本実施例においては、定着装置Fは280mm/sのプロセススピードで駆動される。通紙枚数は、大サイズ記録材であるA4横の通紙では、60枚/分で通紙される。ここでA4横とは、A4紙の長辺側が、記録材の進行方向(搬送方向)と垂直(直交方向)になる様に通紙される場合を指す。また、A4縦の通紙では、45枚/分で通紙される。ここでA4縦とは、A4の短辺側が、記録材の進行方向と垂直になる様に通紙される場合である。また、制御回路部100は、A4縦通紙では、後ほど説明するが、必要に応じて、1分あたりの通紙枚数(単位時間当たりの通紙枚数)を減らす制御を行う。ここではA4横を大サイズ記録材、A4縦を小サイズ記録材と呼ぶ。
1)大サイズ記録材であるA4横を通紙した場合:大サイズ記録材であるA4横を通紙した場合のメインサーミスタTH1とサブサーミスタTH2の各サーミスタの検知温度のグラフを図4の(b)に示す。また、実験的に図5の(a)に示すように、定着ベルト内側のニップ部温度と非ニップ部温度、ベルト表面中央温度、A4横端部ベルト温度も測定し、図4の(b)に合わせて載せた。本実施例においては、加圧ベルト29の寄り制御で加圧ベルト29の位置が長手方向に移動することで、サブサーミスタTH2に対して、ニップ部と非ニップ部が行き来することになる。従って、サブサーミスタTH2の検知温度は、ニップ部と非ニップ部の温度を交互に検知することになり、図4の(b)に示すような、変化を示すことになる。定着ベルト内面の温度は、同じ長手位置においては、表面の温度に比べて常に5〜20℃程度高くなる。まず、スタンバイ1の部分について説明する。ここで、スタンバイ1は、画像形成装置がプリント開始信号待ちをしているプリント動作前におけるスタンバイ時である。スタンバイ1においては、加熱回転体ユニット20と加圧回転体ユニット21は加圧されておらず、定着ベルト25の温度は長手中央から端部に行くほど、定着ベルト25の端部からの放熱の影響もあり、温度が低くなっている。その結果、プリント動作前のスタンバイ1の間は、定着ベルト25の温度は、メインサーミスタTH1>ニップ部>非ニップ部、という温度関係になっている。また、定着ベルト表面の温度は、同じ長手位置においては、定着ベルト裏面の温度に比べて常に5〜10℃程度低くなっている。
次に、A4横通紙部分について説明する。この時は加熱回転体ユニット20と加圧回転体ユニット21は加圧されている。A4横の通紙を開始すると、「ベルト表面中央温度」と「A4横端部ベルト表面温度」は、一旦下がる。しかし「メインサーミスタ検知温度」が所定の定着温度である170℃になる様に温調制御されるので、「ベルト表面中央温度」と「A4横端部ベルト表面温度」も一定に制御される。一方、「ニップ部温度」は、A4横の通紙域の外に位置するので、通紙開始後温度上昇が見られるが、メインサーミスタTH1の温調制御によって、やがて185℃程度で安定する。「ニップ部」は通紙域外であるが、加圧ベルト29は定着ベルト25に当接し、定着ベルト25から加圧ベルト29への熱が奪われるので、この程度の温度上昇になっている。「非ニップ部温度」は、通紙域外であり、かつ加圧ベルト29も当接していないので、最も昇温していることになる。実際のプリント動作においては、各部材の温度が、定着部材耐熱温度(ここでは215℃)を、越えないように制御するが、図4の(b)に示す様に、A4横などの大サイズ記録材では、定着部材が耐熱温度を超えないように設計していることが多い。従って、A4横サイズの通紙では、特別な制御は必要ない。また、定着ベルト表面温度が、ホットオフセット発生境界温度(ここでは190℃)を越えていると、次のプリントジョブを始めることは出来ない。しかし、A4横の通紙では、ホットオフセット境界温度をベルト表面温度が越えることはないように設計していることが多い。従って、A4横サイズの通紙では、次のプリントジョブに対する待ち時間も特に発生しない。ここでホットオフセットとは、定着ベルト25がある温度を越えた場合に、トナーが記録材Sから定着ベルト25に移って定着ベルトが汚れる現象である。スタンバイ2においては、スタンバイ状態に向けて温度が安定していく。ここで、スタンバイ2とは、所定1枚又は連続複数枚のプリントジョブが終了して、画像形成装置がスタンバイ状態に移行して次のプリントジョブのプリント開始信号の入力待ちに入ったスタンバイ時である。このスタンバイ2においては、加熱回転体ユニット20と加圧回転体ユニット21は加圧が解除される。
2)小サイズ記録材であるA4縦紙を通紙した場合:次に、小サイズ記録材であるA4縦紙を通紙した場合のメインサーミスタTH1とサブサーミスタTH2の各サーミスタの検知温度のグラフを図5の(b)に示す。まず、スタンバイ1の部分について説明する。スタンバイ時は、加熱回転体ユニット20と加圧回転体ユニット21は加圧されておらず、定着ベルト29の温度は長手中央から端部に行くほど、定着ベルト29の端部からの放熱の影響もあり、温度が低くなっている。その結果、プリント動作前のスタンバイ1の間は、定着ベルト29の温度は、メインサーミスタTH1>ニップ部>非ニップ部、という温度関係になっている。また、定着ベルト表面の温度は、同じ長手位置においては、裏面の温度に比べて常に5〜10℃程度低くなっている。次にA4縦通紙の部分について説明する。A4縦の通紙を開始すると、通紙部に対応するメインサーミスタTH1の検知温度は下がり、やがて所定の定着温度(図5の(b)においては170℃)で温調制御される。一方、非ニップ部の温度は、記録材や加圧ベルト29で熱が奪われることがないので、徐々に昇温していき、ある時間以上通紙すると、非ニップ部で最も高い温度(図5の(b)においては210℃)を検知するようになる。ここでは、定着部材の耐熱温度が215℃なので、非ニップ部の温度が210℃に維持されるように、A4縦の生産性を下げていくこととする。小サイズ記録材の生産性を制御するとは、定着装置Fを通過する記録材の単位時間当たりの枚数を減少させた画像形成を行うことである。定着装置Fを通過する記録材の間隔を大きくする制御、定着装置Fの記録材排出速度を小さくする制御などである。本実施例においては、A4縦は初期で45枚/分で通紙されているが、非ニップ部の温度が210℃を検知後、1分毎に40枚/分、35枚/分、30枚/分と下げることとした。このようにすることで非ニップ部温度は210℃に制御された。生産性を下げる制御に関しては、制御回路部100にサブサーミスタTH2が検知した温度が入力され、その入力値に従って、画像形成装置の各部に制御信号が供給されることによって行われる。
このとき、ニップ部の温度は、記録材に熱を奪われることがないので昇温していくが、加圧ベルト29に熱は奪われるので、非ニップ部よりは、ある時間以上通紙すると、非ニップブよりは温度が低くなる。つまり通紙時は、最も高い温度を検知するのは、非ニップ部であり、この温度を一定に保つように生産性を調整することになる。
次に、スタンバイ2の部分について説明する。通紙が終了するとメインサーミスタTH1は温調温度180℃で一定に温調される。また、非ニップ部は、定着ベルト端部からの放熱などの影響もあり、徐々に温度が落ちていく、最終的にコピー開始前の160℃に落ち着く。一方、ニップ部の温度も同様に温度が落ちていくが、非ニップ部ほど定着ベルト端部からの放熱の影響がないので、非ニップ部ほど温度は落ちず170℃で落ち着くことになる。
また、このスタンバイ2の途中で大サイズ記録材であるA4横サイズの記録材を通紙する場合は、ホットオフセットが起きないように、ニップ部の温度が、ホットオフセット境界温度190℃以下になったら、プリント開始を受け付けることとする。より正確には、図5の(b)における、「A4端部ベルト表面温度」で、プリント受付時間を判断する方が良いが、本実施例では、「A4端部ベルト表面温度」により近い温度を示す「ニップ部温度」で判断することとする。このプリント開始を判断するのは、A4横サイズの通紙域により近い、ニップ部の温度で行うほうが好まく、非ニップ部の温度で判断するより、より正確な時間で判断することができる。
以上は、便宜上、ニップ部温度、非ニップ部温度で説明したが、本実施例においては、加圧ベルト29の寄り制御と同期させて、サブサーミスタTH2がニップ部温度も非ニップ部温度も検知することが可能である。従って、ひとつのサブサーミスタTH2で下記の制御事項1と制御事項2を行うことが可能である。制御事項1:「小サイズ記録材を通紙したときに、定着部材の温度が耐熱限界に近づいたら、生産性を落とす」。制御事項2:「小サイズ記録材を通紙した後に、ホットオフセットが起きないように大サイズ記録材のプリントを受け付ける判断をする」。
上記実施例の定着装置(画像加熱装置)の構成をまとめると次の通りである。加熱回転体としての無端状の定着ベルト25を有する。また、複数のベルト懸架部材27・28間に懸架されて回転し、定着ベルト25との間でニップ部Nを形成する無端状の加圧ベルト29を有する。ベルト懸架部材27・28の少なくとも1つのベルト懸架部材28を揺動部材にして他のベルト懸架部材28に対する相対位置を変位させることで、回転時の加圧ベルト29のベルト懸架部材軸線方向への寄り移動を制御するベルト寄り制御手段を有する。そして、前記ニップ部で画像tを担持した記録材Sを挟持搬送して加熱する装置である。また、定着ベルト25の通紙部の温度を検知して定着ベルト25の通紙部の温度を所定の画像加熱用温度に温調するための第1の温度検知手段TH1と、定着ベルト25の非通紙部の温度を検知する第2の温度検知手段TH2を備えている。第2の温度検知手段TH2は、定着ベルト25の非通紙部であって、かつニップ部温度と非ニップ部温度を検知できる位置に設置されている。ニップ部温度は、加圧ベルト29が定着ベルト25に対して圧接する部分の定着ベルト25の温度である。非ニップ部温度は、加圧ベルト29が定着ベルト25に対して圧接されない部分の定着ベルト25の温度である。そして、ニップ部温度の検知情報と非ニップ部温度の検知情報が制御回路部100に入力して装置の制御信号として使用される。
装置に通すことのできる記録材の幅が2種類以上あり、最大幅でない記録材を小サイズ記録材とすると、前記ニップ部温度の検知情報と前記非ニップ部温度の検知情報が小サイズ記録材を通す際の装置の制御信号として使用される。前記ニップ部温度の検知情報が、装置に対する小サイズ記録材の単位時間当たりの通過枚数を制御する制御信号として、前記非ニップ部温度の検知情報が、装置の稼働を停止させる制御信号として使用される。前記ニップ部温度の検知情報が、小サイズ記録材通紙後の装置の稼働再開を許可するタイミングを測る制御信号として、前記非ニップ部温度の検知情報が、装置に対する小サイズ記録材の単位時間当たりの通過枚数を制御する制御信号として使用される。即ち、ベルト方式の画像加熱装置において、小サイズ記録材の生産性をなるべく高くすると共に、小サイズ記録材通紙後の待ち時間も短縮することを目的としている。そのために、加圧ベルト29の寄り制御を利用して、加熱回転体25の次のような位置1と位置2の温度を一つの温度検知手段TH2で検知する。位置1:加圧ベルト当接部分に対応する部分(二ップ部)、位置2:加圧ベルト非当接部分に対応する部分(非二ップ部)。位置1で加熱回転体25の最も高い温度部分の温度を検知し小サイズ記録材の生産性を制御すると共に、位置2で、加熱回転体表面の画像端部の温度を予測し、小サイズ記録材通紙後の待ち時間を短縮する。
[実施例2]
本実施例における画像形成部は実施例1と同様である。本実施例の定着装置においては、図6の(a)に示すように、加圧ベルト29が寄り制御で移動する範囲を、通紙時とスタンバイ時とで異なることとする。通紙時は、加圧ベルト29の端部がW1の範囲で移動するように寄り制御を行う。W1の範囲、W2の範囲での加圧ベルト29の寄り制御は、以下のように行う。図7の(c)に示すように、ベルト位置検出部材53が加圧ベルト29の端部に設けられている。さらに、ベルト位置検出部材の位置を検知するためのフォトセンサー54、55、56、57が設けられている。フォトセンサーは例えば、54と54´がセットになっており、54発光部、54´が受光部である。フォトセンサー54の位置までベルトが来れば、発光部54からの光が受光部54´に入らず、ベルトがフォトセンサー54の位置まで来ていることが検知できる。したがって、W1に相当する範囲が、ベルト位置検出部材53の位置で、フォトセンサー54と55の間の範囲である。W2に相当する範囲が、フォトセンサー56と57の間の範囲である。これにより、これらのセンサの受光状態を検知して、W1の範囲、W2の範囲での加圧ベルト29の寄り制御をおこなうことができる。また、スタンバイ時は、加圧ベルト29の端部がW2の範囲で移動するように寄り制御を行う。つまり、通紙時には、より温度の高くなる可能性のある非ニップ部の温度をサブサーミスタTH2が検知できるように、サブサーミスタTH2が、ニップ部にかからないように加圧ベルト29の寄り制御を行う。一方、スタンバイ時は、通紙部端部の温度をより正確に検知できるニップ部の温度(定着ベルトと加圧ベルトが着した時にニップとなる部分の温度)を検知できるように、サブサーミスタTH2が、常にニップ部になるように加圧ベルト29の寄り制御を行う。
小サイズ記録材であるA4縦紙を通紙した場合の実際の各サーミスタTH1とTH2の検知温度を図6の(b)に示す。通紙中は、加圧ベルト29の端部がW1の範囲で移動するように寄り制御を行うことで、サブサーミスタTH2は非ニップ部の温度を検知できる。従って定着部材の最も高い温度部の温度を検知することができる。また、その後のスタンバイ中は、サブサーミスタTH2はニップ部の温度を検知できるので、検知温度がホットオフセット発生境界温度を下回ったときに、大サイズ記録材のコピーを受け付けることを判断できることとなる。本実施例のような構成をとることで、実施例1に比べて、より正確な温度、時間の制御が可能となる。また、定着ベルト25の熱容量が小さい等の理由で、加圧ベルト29の寄り制御をしている間の温度上昇が大きい定着装置においては、本実施例の発明は有効である。
上記実施例の定着装置(画像加熱装置)の構成をまとめると次の通りである。加圧ベルト29が寄り制御によって移動する範囲を変更可能である。即ち、加圧ベルト29が寄り制御によって移動する範囲を選択することが可能である。第2の温度検知手段TH2が当接する定着ベルト25の長手位置に、加圧ベルト29が常に当接するように加圧ベルトを寄り制御する寄り制御範囲W2を選ぶことができる。また、第2の温度検知手段TH2が当接する定着ベルト25の長手位置に、加圧ベルト29が常に当接しないようにする寄り制御する寄り制御範囲W1を選ぶことができる。加圧ベルト29の寄り制御範囲を、装置の動作状態(スタンバイ時と通紙時)で切り替える。
[実施例3]
本実施例における画像形成部は実施例1と同様である。本実施例においては、制御回路部100は小サイズ記録材のプリントジョブ実行時に、「ニップ部温度」を、一定に保つように、小サイズ記録材の生産性を制御する。このときに、「ニップ部温度」をホットオフセット境界温度よりも常に低くなる温度で制御すれば、その後の大サイズ記録材のプリントジョブで、待ち時間が発生しないようにできるという利点が生まれる。また、このとき「非ニップ部温度」は、その温度が定着部材耐熱温度に近づいた場合に、定着装置を停止するための制御信号として使うことができる。なお、本実施例においても、実施例1と同様に、サブサーミスタ一つで、加圧ベルト29の寄り制御の位置と同期させて、「ニップ部温度」と「非ニップ部温度」の温度を検知できる。
[その他]
1)上記の各実施例の定着装置(画像加熱装置)は、加熱回転体としての定着ベルト25を、誘導加熱コイルユニットやハロゲンランプなどの適宜の加熱手段にて外部加熱又は内部加熱される熱ローラにした構成にすることもできる。2)上記の各実施例の定着装置(画像加熱装置)は、記録材の通紙を中央基準搬送にした構成にすることもできる。
F・・定着装置(画像加熱装置)、20・・加熱回転体ユニット、21・・加圧回転体ユニット、22・・誘導加熱コイルユニット、25・・加熱回転体(定着ベルト)、27・28・・ベルト懸架部材(加圧テンションローラ、加圧ローラ)、29・・加圧回転体(加圧ベルト)、SL・SR・・ベルト寄り検知手段、100・・制御回路部(制御手段)、102・・寄り制御駆動部、TH1・TH2・・第1と第2の温度検知手段、W1・W2・・寄り制御範囲

Claims (9)

  1. 加熱回転体と、複数のベルト懸架部材間に懸架されて回転し、前記加熱回転体との間でニップ部を形成する無端状の加圧ベルトと、前記複数のベルト懸架部材の少なくとも1つのベルト懸架部材を揺動部材にして他のベルト懸架部材に対する相対位置を変位させることで、回転時の加圧ベルトのベルト懸架部材軸線方向への寄り移動を制御するベルト寄り制御手段と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する画像加熱装置において、
    前記加熱回転体の通紙部の温度を検知して加熱回転体の通紙部の温度を所定の画像加熱用温度に温調するための第1の温度検知手段と、前記加熱回転体の非通紙部の温度を検知する第2の温度検知手段を備え、
    前記第2の温度検知手段は、前記加熱回転体の非通紙部であって、かつ前記加圧ベルトが寄り制御されているときに、加圧ベルトが加熱回転体に対して圧接する部分の加熱回転体の温度であるニップ部温度と、加圧ベルトが加熱回転体に対して圧接されない部分の加熱回転体の温度である非ニップ部温度を検知できる位置に設置されており、
    前記ニップ部温度の検知情報と前記非ニップ部温度の検知情報が装置の制御信号として使用されることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 装置に通すことのできる記録材の幅が2種類以上あり、最大幅でない記録材を小サイズ記録材とすると、前記ニップ部温度の検知情報と前記非ニップ部温度の検知情報が小サイズ記録材を通す際の装置の制御信号として使用されることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記ニップ部温度の検知情報が、装置に対する小サイズ記録材の単位時間当たりの通過枚数を制御する制御信号として、前記非ニップ部温度の検知情報が、装置の稼働を停止させる制御信号として使用されることを特徴とする請求項2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記ニップ部温度の検知情報が、小サイズ記録材通紙後の装置の稼働再開を許可するタイミングを測る制御信号として、前記非ニップ部温度の検知情報が、装置に対する小サイズ記録材の単位時間当たりの通過枚数を制御する制御信号として使用されることを特徴とする請求項2に記載の画像加熱装置。
  5. 前記加熱回転体が、無端状の定着ベルトであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像加熱装置。
  6. 前記第1の温度検知手段と第2の温度検知手段が、前記定着ベルトの内部に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の画像加熱装置。
  7. 前記加圧ベルトが寄り制御によって移動する範囲を選択することが可能であることができることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像加熱装置。
  8. 前記第2の温度検知手段が当接する前記加熱回転体の長手位置に、前記加圧ベルトが常に当接するように加圧ベルトを寄り制御する寄り制御範囲と、前記第2の温度検知手段が当接する前記加熱回転体の長手位置に、前記加圧ベルトが常に当接しないようにする寄り制御する寄り制御範囲を選ぶことができることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の画像加熱装置。
  9. 前記加圧ベルトの寄り制御範囲を、装置の動作状態で切り替えることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の画像加熱装置。
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