JP5278165B2 - 焦点検出装置、撮像素子および電子カメラ - Google Patents

焦点検出装置、撮像素子および電子カメラ Download PDF

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Description

本発明は、焦点検出装置、撮像素子および電子カメラに関し、特に、位相差検出方式の焦点検出系を撮像素子に組み込んだ構成の焦点制御技術に関する。
従来より、電子カメラ等の焦点検出技術として、コントラスト検出方式と、位相差検出方式とが知られている。コントラスト検出方式は、撮像素子から出力される画像信号を用いて、撮像光学系によって形成された物体像の先鋭度を所定の関数で評価して求め、関数値が極値をとるように撮像光学系の光軸上の位置を調節するものである。位相差検出方式は、撮像光学系の射出瞳の異なる部分を通過した2光束を用いて物体像をそれぞれ形成し、二つの物体像間の位置的位相差を検出し、これを撮像光学系のデフォーカス量に換算するものである。位相差検出方式ではデフォーカス量を求めることができるため、撮像光学系のレンズの光軸上の位置を僅かに移動させながら評価関数値を求めるコントラスト検出方式よりも、合焦までの時間を短縮することができる。
従来の位相差検出方式では、撮像光学系を通過した光束をコンデンサレンズで2つに分け、2つに分けた光束をセパレータレンズによって(撮像素子とは別の)検出素子上にそれぞれ再結像させていた。近年、そのような構成を省き、撮像素子自体に位相差検出方式の焦点検出系を組み込む技術が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
例えば、全画素の光電変換部(フォトダイオード)を2つに分け、それぞれが撮像光学系の射出瞳の異なる領域を透過した光束を受光する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、画素毎の2つの光電変換部からの電荷信号が、予め求められている合焦状態での電荷信号と対比され、位相差検出方式の焦点検出が行われる。
また、カラーフィルタを設けた画素において光電変換部を分割せずに撮像用とし、カラーフィルタを設けていない画素において光電変換部を2つに分割して焦点検出用とする技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。これにより、撮像用の画像信号の読み出しの際にはカラーフィルタを設けた画素からの電荷信号のみが用いられ、焦点検出の際にはカラーフィルタを設けていない画素からの電荷信号のみが用いられ、位相差検出方式の焦点検出が行われる。
特開2001−83407号公報(図18) 特開2003−244712号公報(図2)
上述の従来技術では、各画素内において2つの光電変換部を離して配置するため、双方の光電変換部の間の領域は受光部としては機能せず、単位画素の受光面積が低下する。このため、光電変換部の最大蓄積電荷数が減少し、ダイナミックレンジが低下する。一部の画素のみを焦点検出用としても、焦点検出用の画素の光電変換部近辺が構造的に最も複雑となるため、画素数増大のために画素の微細化を図る場合、焦点検出用の画素のサイズの限界が撮像素子全体での画素サイズの限界となってしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、位相差検出方式の焦点検出系を撮像素子に組み込んだ構成において、単位画素の受光面積を低下させない技術を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間に配置されて互いに屈折率の異なる第1光学部材および第2光学部材とをそれぞれ備えるともに、上記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、上記光電変換部と、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において上記第1型画素とは上記光電変換部との位置関係が異なるように配置された上記第1光学部材および上記第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、上記複数の第1および第2電荷信号に基づいて上記撮像光学系の結像状態を検出する結像状態検出部とを具備する焦点検出装置である。これにより、上記撮像光学系を透過した光のうち、上記第1電荷信号に寄与する成分と、上記第2電荷信号に寄与する成分とが異なるものになるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記複数の第1型画素および上記複数の第2型画素は、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において上記撮像光学系からの入射光を上記光電変換部に集光させる集光部をさらに備え、上記第1光学部材および上記第2光学部材は、上記集光部と上記光電変換部との間に配置されるようにしてもよい。これにより、上記撮像光学系からの光を効率的に集光するという作用をもたらす。この場合において、さらに、上記第1光学部材および上記第2光学部材が、両者を合わせて上記光電変換部全体に対向するように、かつ、両者が上記光電変換部にそれぞれ対向する面が互いに異なるように、かつ、両者が上記撮像光学系の光軸方向において互いに重ならないように配置され、上記複数の第1型画素内の上記第1光学部材と上記第2光学部材との境界面の位置と、上記複数の第2型画素内の上記第1光学部材と上記第2光学部材との境界面の位置とが、上記光軸方向に上記光電変換部の中央を通る軸に対して反対側になるように上記第1光学部材および上記第2光学部材が配置されるようにしてもよい。これにより、上記第1型画素と上記第2型画素とで、上記撮像光学系の異なる領域からの光を選択的に集光するという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記複数の第1型画素および上記複数の第2型画素は、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において上記撮像光学系からの入射光を光電変換部に集光させる集光部をさらに備え、上記第1光学部材および上記第2光学部材は、上記撮像光学系と上記集光部との間に配置されるようにしてもよい。これにより、上記撮像光学系からの光を上記光電変換部まで効率的に集光するという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記複数の第1型画素および上記複数の第2型画素は、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において所定の波長域の光を選択的に透過させる光学フィルタをそれぞれ備えるようにしてもよい。これにより、上記複数の第1型画素および上記複数の第2型画素への入射光を、所定の波長域に制限させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記複数の第1型画素の各々は、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において、所定の波長域の光を選択的に透過させる第1光学フィルタ、または、上記第1光学フィルタとは異なる波長域の光を選択的に透過させる第2光学フィルタの何れか一方をさらに備え、上記複数の第2型画素の各々は、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において、上記第1光学フィルタまたは上記第2光学フィルタの何れか一方をさらに備えるようにしてもよい。これにより、一部の上記第1型画素への入射光と、他の上記第1型画素へ入射光とで、その波長域が異なるものになるという作用をもたらす。また、一部の上記第2型画素への入射光と、他の上記第2型画素へ入射光とで、その波長域が異なるものになるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記複数の第1型画素の各々および上記複数の第2型画素の各々は、上記第1光学部材および上記第2光学部材と上記光電変換部との間の位置に、上記撮像光学系からの入射光を反射によって上記光電変換部に導く導波部材をさらに備えるようにしてもよい。これにより、上記第1光学部材または上記第2光学部材を透過して上記光電変換部に入射する光の光路が長くなるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記第1光学部材と上記第2光学部材の少なくとも一方は、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、シロキサン、タングステン、アルミニウム、銅の何れかの材料によって形成することができる。これにより、適切な製造工程を経ることで、第1光学部材または上記第2光学部材を単一材料で形成させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記第1光学部材または上記第2光学部材の少なくとも一方は、上記撮像光学系側の表面において、内部よりも反射率の低い光学材料の膜が積層されたものであってもよい。これにより、上記撮像光学系からの光を上記光電変換部まで効率的に集光するという作用をもたらす。
また、本発明の第2の側面は、撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、上記撮像光学系からの入射光を上記光電変換部に集光させる集光部と、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間に形成された光学層とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、上記光電変換部と、上記集光部と、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間に形成された上記光学層とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、上記複数の第1および第2電荷信号に基づいて上記撮像光学系の結像状態を検出する結像状態検出部とを具備する焦点検出装置であって、上記複数の第1型画素の各々および上記複数の第2型画素の各々は、上記光学層とは屈折率の異なる光学部材をさらに備え、上記複数の第1型画素および上記複数の第2型画素における上記光学部材は、その外縁と、上記撮像光学系の光軸方向に上記光電変換部の中央を通る直線とが離れるように、かつ、上記光電変換部の一部のみに対向するように配置され、上記複数の第1型画素の上記光学部材における上記直線側の一端の位置と、上記複数の第2型画素の上記光学部材における上記直線側の一端の位置とが、上記直線に対して反対側になるように上記光学部材が配置される焦点検出装置である。これにより、上記第1型画素と上記第2型画素とで、上記撮像光学系の異なる領域からの光を選択的に集光するという作用をもたらす。
また、この第2の側面において、上記第1光学部材または上記第2光学部材の少なくとも一方は、上記撮像光学系側の表面において、内部よりも反射率の低い光学材料の膜が積層されたものであってもよい。これにより、上記撮像光学系からの光を上記光電変換部まで効率的に集光するという作用をもたらす。
また、本発明の第3の側面は、撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、屈折率の異なる複数の光学材料の膜を積層したものであって上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において上記光電変換部の一部のみに対向するように配置された光学部材とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、上記光電変換部と、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において上記第1型画素とは上記光電変換部との位置関係が異なるように配置された上記光学部材とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、上記複数の第1および第2電荷信号に基づいて上記撮像光学系の結像状態を検出する結像状態検出部とを具備する焦点検出装置である。これにより、上記光学部材の大きさおよび配置を適切に選択すれば、上記撮像光学系を透過した光のうち、上記第1電荷信号に寄与する成分と、上記第2電荷信号に寄与する成分とが異なるものになるという作用をもたらす。
また、この第3の側面において、上記光学部材は、積層面の法線が上記撮像光学系の光軸方向に直交するように屈折率の異なる複数の光学材料の膜を交互に積層したものであってもよい。これにより、上記光学部材の積層面に対して斜めに入射する光は、透過後に位相差が生じるという作用をもたらす。
また、本発明の第4の側面は、撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、上記撮像光学系からの上記光電変換部への光路間に形成された光学層と、上記光学層内に配置されて上記光学層よりも屈折率が高い第1導波路と、上記光学層内において上記第1導波路に隣接して配置されて上記第1導波路よりも屈折率が高い第2導波路とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、上記光電変換部と、上記撮像光学系からの上記光電変換部への光路間に形成された上記光学層と、上記第1型画素とは上記光電変換部との位置関係が異なるように上記光学層内において互いに隣接して配置された上記第1導波路および上記第2導波路とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、上記複数の第1および第2電荷信号に基づいて上記撮像光学系の結像状態を検出する結像状態検出部とを具備する焦点検出装置である。これにより、上記撮像光学系を透過した光のうち、上記第1電荷信号に寄与する成分と、上記第2電荷信号に寄与する成分とが異なるものになるという作用をもたらす。
また、この第4の側面において、上記複数の第1型画素および上記複数の第2型画素は、上記光路間において上記撮像光学系からの入射光を上記光電変換部に集光させる集光部を備え、上記複数の第1型画素内の上記第1導波路および上記第2導波路の位置関係と、上記複数の第2型画素内の上記第1導波路および上記第2導波路の位置関係とが、上記撮像光学系の光軸方向に上記光電変換部の中央を通る軸に対して対称になるように、上記第1光学部材および上記第2光学部材が配置されるようにしてもよい。これにより、上記第1型画素と上記第2型画素とで、上記撮像光学系の異なる領域からの光を選択的に集光するという作用をもたらす。
また、本発明の第5の側面は、撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間に配置されて互いに屈折率の異なる第1光学部材および第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、上記光電変換部と、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において上記第1型画素とは上記光電変換部との位置関係が異なるように配置された上記第1光学部材および上記第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、上記光電変換部をそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第3電荷信号をそれぞれ出力する複数の撮像画素とを具備する撮像素子である。これにより、上記第1光学部材および上記第2光学部材の配置を適切に選択すれば、上記撮像光学系を透過した光のうち、上記第1電荷信号に寄与する成分と、上記第2電荷信号に寄与する成分とが異なるものとなるという作用をもたらす。
また、本発明の第6の側面は、撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間に配置されて互いに屈折率の異なる第1光学部材および第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、上記光電変換部と、上記撮像光学系から上記光電変換部への光路間において上記第1型画素とは上記光電変換部との位置関係が異なるように配置された上記第1光学部材および上記第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、上記光電変換部をそれぞれ備えるとともに、上記光電変換部の受光量に応じた第3電荷信号をそれぞれ出力する複数の撮像画素と、上記複数の第3電荷信号に基づいて画像データを生成する信号処理部と、上記複数の第1および第2電荷信号に基づいて上記撮像光学系の結像状態を検出する結像状態検出部と、結像状態検出部が求めた上記結像状態に基づいて合焦位置に近づくように上記撮像光学系のレンズ位置を調整する焦点制御部とを具備する電子カメラである。これにより、上記撮像光学系を透過した光のうち、上記第1電荷信号に寄与する成分と、上記第2電荷信号に寄与する成分とが異なるものになるという作用をもたらす。
本発明によれば、位相差検出方式の焦点検出系を撮像素子に組み込んだ構成において、焦点検出用の画素の光電変換部を分割する必要がないため、単位画素の受光面積を低下させずに済むという優れた効果を奏し得る。
本発明の第1の実施の形態におけるカメラシステムのブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における撮像素子の画素配列を示す平面模式図である。 図2において、焦点検出画素が配置された中央の画素列近辺の拡大図である。 本発明の第1の実施の形態における撮像素子の撮像画素の説明図である。 本発明の第1の実施の形態の撮像素子における、撮像光学系の下側の領域からの光を集光する焦点検出画素の説明図である。 低屈折フィルタを透過後と、高屈折フィルタを透過後の透過光の位相の違いを示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態の撮像素子における、撮像光学系の上側の領域からの光を集光する焦点検出画素の説明図である。 前ピンの場合、合焦の場合、後ピンの場合における各焦点検出画素への入射光強度を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態のカメラシステムにおける撮像素子の焦点検出画素の断面模式図である。 本発明の第3の実施の形態のカメラシステムの撮像素子における、撮像光学系の上側の領域からの光を集光する焦点検出画素の断面模式図である。 本発明の第3の実施の形態のカメラシステムの撮像素子における、撮像光学系の下側の領域からの光を集光する焦点検出画素の断面模式図である。 本発明の第3の実施の形態の焦点検出画素において、高屈折フィルタの表面に反射防止膜を積層した構造を示す断面模式図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例の焦点検出画素において、低屈折フィルタおよび高屈折フィルタの表面に反射防止膜を積層した構造を示す断面模式図である。 本発明の第4の実施の形態のカメラシステムにおける撮像素子の焦点検出画素の断面模式図である。 本発明の第5の実施の形態のカメラシステムにおける撮像素子の焦点検出画素の断面模式図である。 本発明の第6の実施の形態のカメラシステムにおける撮像素子の焦点検出画素の断面模式図である。 本発明の第7の実施の形態のカメラシステムにおける撮像素子の焦点検出画素の断面模式図である。 本発明の実施の形態において、撮像光学系の上側または下側の領域からの光を集光する4つの焦点検出画素の屈折フィルタの配置の第1の例を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態において、撮像光学系の上側または下側の領域からの光を集光する4つの焦点検出画素の屈折フィルタの配置の第2の例を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態において、撮像光学系の上側または下側の領域からの光を集光する4つの焦点検出画素の屈折フィルタの配置の第3の例を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態において、撮像光学系の上側または下側の領域からの光を集光する4つの焦点検出画素の屈折フィルタの配置の第4の例を示す断面模式図である。 緑色光を選択的に透過させる画素および赤色光を選択的に透過させる画素の双方を焦点検出画素とした第1の実施の形態の変形例における、撮像光学系の上側または下側の領域からの光を集光する4画素の断面模式図である。 本発明の実施の形態の撮像素子全体における、焦点検出画素の配置の変形例を示す平面模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(本発明に係る屈折率の異なる2つのフィルタを設けた焦点検出装置を搭載したカメラシステムの例)
2.第2の実施の形態(カラーフィルタを省いた構成の例)
3.第3の実施の形態(低屈折フィルタを省いた構成の例)
4.第4の実施の形態(積層フィルタを設けた構成の例)
5.第5の実施の形態(フィルタをマイクロレンズよりも撮像光学系側に配置した構成の例)
6.第6の実施の形態(導波部材をさらに設けた構成の例)
7.第7の実施の形態(屈折性導波路および高屈折性導波路を設けた構成の例)
8.本発明の実施の形態の焦点検出画素の屈折フィルタの配置に係る変形例
9.本発明の実施の形態のカラーフィルタの配置に係る変形例
10.本発明の実施の形態の焦点検出画素の撮像素子内での配置に係る変形例
<1.第1の実施の形態>
[カメラシステムの全体の構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるカメラシステム100のブロック図である。カメラシステム100は、交換可能な撮像レンズユニット200と記録媒体300とを電子カメラ400に装着または挿入することで構成されている。
撮像レンズユニット200は、被写体からの光量を調節し、被写体の光像を電子カメラ400内の撮像素子500の画素配列面上に結像させるものである。この撮像レンズユニット200は、撮像光学系210と、絞り駆動機構220と、レンズ駆動機構230と、レンズ制御部240とを備える。
撮像光学系210は、被写体の光像を結像させるものである。この撮像光学系210は、被写体からの光を集光する凸レンズ212と、透過光量を調整する絞り214と、凹レンズ216とを備える。なお、図では煩雑となるため2枚のレンズ(212、216)のみを示したが、実際には多数のレンズから構成されることが多い。
レンズ制御部240は、次の2つの機能を備えるものである。第1に、後述の撮像制御部422の指令に従って絞り駆動機構220を制御することで、適正な露出条件となるように絞り214を調節する機能である。第2に、後述の焦点制御部418の指令に従ってレンズ駆動機構230を制御することで、凸レンズ212および凹レンズ216の位置を撮像光学系210の光軸上において調節し、ピントを合わせる機能である。
電子カメラ400は、被写体の光像を撮像レンズユニット200により撮像素子500の画素配列面上に結像させ、被写体画像の画像データを生成し、生成した画像データを記録媒体300に記録するものである。この電子カメラ400は、シャッタ406と、撮像素子500と、A/D変換部410と、アナログ信号処理部412と、タイミングジェネレータ414と、シャッタ駆動機構416と、焦点制御部418と、結像位置検出部420と、撮像制御部422とを備える。また、電子カメラ400は、液晶表示素子402と、液晶表示素子駆動回路404と、操作部424と、システムバス426と、記録部428と、メモリ430と、画像処理部432とをさらに備える。
撮像制御部422は、システムバス426を介して電子カメラ400のシステム制御を行うものである。
シャッタ406は、撮像素子500の画素配列面の露光時間を制御するものであり、先幕および後幕を備える。
シャッタ駆動機構416は、撮像制御部422の指令に従ってシャッタ406の先幕および後幕の走行を制御するものである。
タイミングジェネレータ414は、撮像制御部422の指令に従って撮像素子500を駆動するものである。
撮像素子500は、撮像光学系210からの光を受けて光電変換を行うものである。この撮像素子500は、位相差検出方式の焦点検出に用いられる電荷信号を出力する複数の焦点検出画素と、多数の撮像画素とを備える。なお、本明細書における「撮像画素」とは、いわゆる有効画素を指し、オプティカルブラックではなく、その電荷信号が撮像画像の画像データの生成に用いられる画素である。焦点検出画素および撮像画素はそれぞれ、受光量に応じた電荷を蓄積し、(アナログの)電荷信号を出力する。
アナログ信号処理部412は、撮像素子500から出力される各画素の電荷信号にクランプ処理、感度補正処理等が施すものである。
A/D変換部410は、アナログ信号処理部412によって所定の処理がされた各画素の(アナログの)電荷信号をデジタル信号に変換するものである。
画像処理部432は、A/D変換部410から出力される全画素のデジタル信号から撮像画素のデジタル信号を抽出して色補間処理等を施し、画像データを生成するものである。
記録部428は、画像処理部432により生成された画像データを記録媒体300に記録するものである。
液晶表示素子駆動回路404は、撮像制御部422の指令に従って、画像処理部432が生成した画像データを画像として液晶表示素子402に表示させるものである。
液晶表示素子402は、シャッタチャンスを伺っている間の被写体を動画像として表示し、また、撮像後には生成された静止画像を表示するものである。
システムバス426は、A/D変換部410から出力されたデジタル信号および画像データの転送と、撮像制御部422による制御信号の伝達に用いられるものである。
結像位置検出部420は、焦点検出画素の電荷信号に対応するデジタル信号に基づいて、撮像光学系210の光軸上における焦点面の位置を検出するものである。
焦点制御部418は、結像位置検出部420が検出した焦点面の位置に基づいて、レンズ制御部240を介してレンズ駆動機構230を制御することで、焦点面を撮像素子500の画素配列面上に合わせるものである。
メモリ430は、所定のフォーマットへのデータ変換や加工が行われる前の画像データ等を一時的に記憶するものである。
操作部424は、ユーザからの操作入力を受け付けるものであり、露出条件の設定釦、レリーズ釦等(図示せず)を備える。
本実施の形態の主な特徴は、位相差検出方式の焦点検出系を組み込んだ撮像素子500の焦点検出画素の構造にあり、その他の構成は従来のカメラシステムと同様であるため説明を省略する。
なお、結像位置検出部420は、特許請求の範囲に記載の結像状態検出部の一例である。また、撮像素子500、アナログ信号処理部412、A/D変換部410および結像位置検出部420は、特許請求の範囲に記載の焦点検出装置の一例である。また、アナログ信号処理部412、A/D変換部410および画像処理部432は、特許請求の範囲に記載の信号処理部の一例である。
[撮像素子の画素配列]
図2は、撮像素子500の画素配列を示す平面模式図である。図の左上にR、G、Bで示すように、撮像素子500は、焦点検出画素を除き、赤(:Red)、緑(:Green)、青(:Blue)の3原色に対応する画素をベイヤー正方配列としたものである。すなわち、図において斜線のパターンで示した画素が青色光を選択的に受光する画素である。また、細かい点による灰色のパターンで示した画素が赤色光を選択的に受光する画素である。また、何もパターンを施していない画素が緑色光を選択的に受光する画素である。
図の中央の画素列において「上」、「下」と記載した画素および中央の画素行において「左」、「右」と記載した画素は、焦点検出画素である。「上」は撮像光学系210の上側の領域を透過した光を選択的に集光する画素である。同様に、「下」は撮像光学系210の下側、「左」は撮像光学系210の左側、「右」は撮像光学系210の右側の各領域を透過した光を選択的に集光する画素である。なお、図では煩雑となるため29行×45列の画素数で示したが、実際には例えば約1000万個の画素が配列される。
図3は、図2において、焦点検出画素が配置された中央の画素列と、その左側2列の画素列の拡大図である。図3は、撮像光学系210の上側の領域からの光を集光する5個の焦点検出画素について、後述の説明に用いるため、上領域検出画素501、502、503、504、505の符号を付したものである。同様に、撮像光学系210の下側の領域からの光を集光する5個の焦点検出画素について、下領域検出画素506、507、508、509、510の符号を付したものである。
[撮像素子の撮像画素の構造]
図4は、緑色成分に対応する撮像画素の説明図であり、(a)はその断面模式図であり、(b)はそのフォトダイオード528の領域毎の入射光強度を示す。図4(a)に示すように、撮像画素は、マイクロレンズ522と、カラーフィルタ524と、素子間分離領域526と、フォトダイオード528と、シリコン酸化膜530とをシリコン基板(図示せず)上に形成した構造である。
マイクロレンズ522は、撮像光学系210からの光をフォトダイオード528上に集光させるものである。
カラーフィルタ524は、緑色光を選択的に透過させるものである。
素子間分離領域526は、フォトダイオード528を他の領域から電気的に分離するものである。
シリコン酸化膜530は、マイクロレンズ522およびカラーフィルタ524を透過した光をフォトダイオード528まで透過させるものである。また、シリコン酸化膜530は、フォトダイオード528と、カラーフィルタ524との間の領域全体であり、画素間で繋がっている。素子間分離領域526は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)や、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)等によって形成される。
図4(a)におけるフォトダイオード528は、図2の画素配列の列方向(いわゆる垂直方向)において下側のA領域528a、真ん中のB領域528b、上側のC領域528cの3つに均等に分けている。これは、入射光強度の説明上分けたものであり、実際にはそのように分かれておらず、一体形成されている(後述の図5、図7、図9乃至図20についても同様)。図中の丸で囲った「−」の印は、信号電荷の自由電子を示すが、フォトダイオード528およびその周辺領域のN型、P型の導電型を反対にし、正孔を信号電荷としてもよい。
図4(a)における破線は、撮像光学系210の上側の領域を透過してマイクロレンズ522に入射する光Lα(以下、適宜光Lαと略記する)の光路を示す。また、一点鎖線は、撮像光学系210の下側の領域を透過してマイクロレンズ522に入射する光Lβ(以下、適宜光Lβと略記する)の光路を示す。また、実線の矢印は、マイクロレンズ522の光軸に平行に入射する光の光路を示す。以上の表記は他の図においても同様である。なお、マイクロレンズ522の光軸方向は、撮像光学系210の光軸方向に一致する。
撮像光学系210を透過してきた光は、各画素に配置されたマイクロレンズ522により屈折され、カラーフィルタ524を透過して、緑色光近辺の波長域に制限される。そして、カラーフィルタ524を透過した光は、シリコン酸化膜530を透過して、光電変換を行うフォトダイオード528に入射する。
このとき、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαは、マイクロレンズ522によりフォトダイオード528の下側のA領域528aに集光される。また、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβは、マイクロレンズ522によりフォトダイオード528の上側のC領域528cに集光される。また、マイクロレンズ522の光軸に平行に入射する光は、B領域528bに集光される。したがって、図4(b)に示すように、撮像画素では、フォトダイオード528の各領域に入射光の強度は、ほぼ均一になる。
なお、光Lα、光Lβ、マイクロレンズ522の光軸に平行に入射する光の3方向からの入射光は、その位相が完全に揃っているとは限らない。しかし、ある一方向から発せられて撮像光学系210を透過する光であって、マイクロレンズ522の口径である例えば数μmの小さいエリアに入射する光であれば、光の位相はほぼ揃っていると考えられる。したがって、ある一方向から発せられてマイクロレンズ522を透過する光は、フォトダイオード528に入射するまでの光路において、干渉により弱められることは殆どない。
[撮像素子の焦点検出画素の構造]
図5は、撮像光学系210の下側の領域を透過した光Lβを集光する焦点検出画素の説明図であり、(a)はその断面模式図であり、(b)はフォトダイオード528の領域毎の入射光強度を示す。
撮像画素と、焦点検出画素との相違点は、以下の点である。すなわち、焦点検出画素のシリコン酸化膜530中には、本実施の形態の特徴である低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560が、両方でフォトダイオード528全体に対向する位置および形状で配置されている。なお、本明細書での「対向する」とは、互いに離れているが、マイクロレンズ522の光軸方向(各画素が形成されている不図示のシリコン基板の厚さ方向であって、撮像光学系210の光軸方向でもある)に見て、重なることを意味する。また、マイクロレンズ522は、その光軸がフォトダイオード528の中心(B領域528bの中心)を通るように配置される。
なお、フォトダイオード528は、特許請求の範囲に記載の光電変換部の一例である。また、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560のうち、一方が特許請求の範囲に記載の第1光学部材の一例であり、他方が特許請求の範囲に記載の第2光学部材の一例である。また、マイクロレンズ522は、特許請求の範囲に記載の集光部の一例である。また、カラーフィルタ524は、特許請求の範囲に記載の光学フィルタの一例である。また、マイクロレンズ522の光軸は、特許請求の範囲に記載の「光軸方向に前記光電変換部の中央を通る軸」の一例である。
低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560は、その厚さが等しく、その厚さ方向がマイクロレンズ522の光軸方向に一致するように配置されている。図5(a)に示す焦点検出画素では、低屈折フィルタ550の方が、高屈折フィルタ560よりもフォトダイオード528との対向面積が大きい。
具体的には、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面は、以下の条件を満たす位置に配置される。すなわち、光Lβの全てが高屈折フィルタ560を透過せずに低屈折フィルタ550を透過し、かつ、光Lαが低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560の両方を透過するという条件である。したがって、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面は、マイクロレンズ522の光軸よりも下側(フォトダイオード528のA領域528a側)に位置する。なお、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560に用いる光学材料については後述する。
図6は、低屈折フィルタ550を透過後または高屈折フィルタ560を透過後の透過光の位相の違いを示す説明図である。なお、図6(a)、(b)、(c)に示す3つの光の進行波は、図の左側の一点鎖線の枠内を比較すれば分かるように、もとは位相が揃っている。図6(b)は、比較として、同じ媒体中を光が進行した場合を示す。
図6(a)に示すように、ある媒体中から、相対的に屈折率の低い媒体(低屈折フィルタ550が対応)中に光が進行していく場合、屈折率の低い媒体中では、光の波長が相対的に長くなる。一方、図6(c)に示すように、ある媒体中から、相対的に屈折率の高い媒体(高屈折フィルタ560が対応)中に光が進行していく場合、屈折率の高い媒体中では、光の波長が相対的に短くなる。
この性質を利用して、本実施の形態では、低屈折フィルタ550の屈折率をn1、高屈折フィルタ560の屈折率をn2、両者の厚さをd(ナノメートル)、光の波長λ(ナノメートル)とした場合に、次式を満たすように屈折率n1、n2、厚さdを選択している。
(n2−n1)×d=λ÷2・・・(1)
これにより、マイクロレンズ522を透過した光が同じ位相で低屈折フィルタ550、高屈折フィルタ560にそれぞれ入射した場合、透過光の位相は、図6の右側の破線の枠内における(a)と(c)の進行波のように、互いに180°ずれる。波長と振幅が同じであって、位相が180°ずれた光同士が干渉した場合、光の強度はゼロとなる。
上述の原理に基づき、図5について再度説明する。撮像光学系210の上側の領域からの光Lαは、図では2本の破線のみを示したが、実際にはこの2本の破線に挟まれた内側の光が集光する。光Lαは、約半分が低屈折フィルタ550を透過し、残りが高屈折フィルタ560を透過するため、双方の透過光の位相が180°ずれる。このため、光Lαは、フォトダイオード528のA領域528aに入射する時点では、干渉により光強度は弱くなる。
光Lαのうち、低屈折フィルタ550を透過する光と、高屈折フィルタ560を透過する光の割合が同じであれば、原理的にはフォトダイオード528のA領域528aへの入射光強度はゼロとなる。しかし、図5(a)に示す焦点検出画素の場合、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面は、光Lαの半分より多くが高屈折フィルタ560を透過する位置にあるため、A領域528aへの入射光強度はゼロにはならない。
撮像光学系210の下側の領域からの光Lβは、マイクロレンズ522により屈折して、高屈折フィルタ560を透過せずに低屈折フィルタ550のみを透過するため、位相の異なる光同士の干渉は生じない。このため、フォトダイオード528のC領域528cへの入射光強度は、弱められない。したがって、図5(a)の焦点検出画素では、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαは殆ど集光されずに、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβが選択的に集光され、フォトダイオード528の各領域への入射光強度は図5(b)に示すようになる。
なお、光Lαの干渉はシリコン酸化膜530内で生じるが、光はフォトダイオード528の構成物質であるシリコン中も透過するため、フォトダイオード528中でも干渉が生じる。赤色光は、光の半分が吸収されるためには、シリコン酸化膜530とフォトダイオード528との界面から深さ3μmの位置まで達する必要がある。したがって、赤色光については、フォトダイオード528内においても、位相差が180°ずれた光Lαの干渉が十分に生じる。一方、赤色光よりも波長が短い青色光は、シリコン酸化膜530とフォトダイオード528との界面から深さ0.3μmの位置において光の半分が吸収されるため、フォトダイオード528内における光の干渉は、赤色光ほどは生じない。
図7は、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαを集光する焦点検出画素の説明図であり、(a)はその断面模式図であり、(b)はフォトダイオード528の領域毎の入射光強度を示す。図5(a)に示した撮像光学系210の下側の領域からの光Lβを集光する焦点検出画素との相違点は、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の大きさおよび配置のみである。低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560が両者を合わせてフォトダイオード528全体に対向するように配置される点と、両者の厚さ方向がマイクロレンズ522の光軸方向に一致するように配置される点は、同じである。
図7(a)に示す焦点検出画素では、高屈折フィルタ560の方が、低屈折フィルタ550よりもフォトダイオード528との対向面積が大きい。具体的には、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面は、次の条件を満たす位置にある。
すなわち、光Lαの全てが低屈折フィルタ550を透過せずに高屈折フィルタ560を透過し、かつ、光Lβが低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の両方を透過するという条件である。このため、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面は、図5(a)に示した焦点検出画素とは対称的に、マイクロレンズ522の光軸よりも図の上側に位置する。
したがって、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαは、高屈折フィルタ560のみを透過するため、位相の異なる光同士の干渉は生じない。このため、フォトダイオード528のA領域528aへの入射光強度は、弱められない。一方、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβは、約半分が低屈折フィルタ550を透過し、残りが高屈折フィルタ560を透過するため、双方の透過光の位相が180°ずれる。このため、光Lβは、フォトダイオード528のC領域528cに入射する時点では干渉により光強度は弱くなる。この結果、図7(a)の焦点検出画素では、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαが選択的に集光され、フォトダイオード528の各領域への入射光強度は図7(b)に示すようになる。
なお、図7(a)に示した光Lαを集光する焦点検出画素および図5(a)に示した光Lβを集光する焦点検出画素のうち、一方が特許請求の範囲に記載の第1型画素の一例であり、他方が特許請求の範囲に記載の第2型画素の一例である。
[焦点検出の原理]
図8は、焦点検出画素への入射光強度を示す説明図である。図8(a)は、焦点面が撮像素子500の画素配列面よりも撮像光学系210側に位置する場合(前ピンの場合)を示す。図8(b)は合焦の場合を示し、図8(c)は、焦点面が撮像素子500の内部側に位置する場合(後ピンの場合)を示す。なお、説明の簡単化のため、図では撮像光学系210は一枚のレンズとして表記している。
図3で符号を示したように、図8における上領域検出画素501乃至505は、図7(a)に示した撮像光学系210の上側の領域からの光Lαを集光する焦点検出画素である。また、図8における下領域検出画素506乃至510は、図5(a)に示した撮像光学系210の下側の領域からの光Lβを集光する焦点検出画素である。図8(a)、(b)、(c)では、下領域検出画素506乃至510の入射光強度を左側に示し、その右側に、上領域検出画素501乃至505の入射光強度を示した。
以下の説明では、撮像光学系210の光軸上の一直線の輝点(図示せず)から放射された光が撮像光学系210に入射するものとする。図8では説明の簡単化のため、撮像光学系210の上側の領域からの光に相当するLα、撮像光学系210の下側の領域からの光に相当するLβ、撮像光学系210の光軸方向の光Lγの3方向からの放射光のみを示した。これら3方向の光Lα、Lβ、Lγは、撮像光学系210により屈折し、撮像素子500に入射する。
撮像光学系210内の凸レンズ212、凹レンズ216の位置を調整し、撮像素子500の画素配列面上に焦点を合わせた場合、上領域検出画素501乃至505と、下領域検出画素506乃至510への入射光強度は、図8(b)に示すようになる。
より詳細には、上領域検出画素503と下領域検出画素508の間の画素が、撮像素子500の画素配列において中心に位置する画素、すなわち、撮像光学系210の光軸上の画素である。したがって、光Lα、Lβ、Lγは、撮像光学系210により屈折し、この光軸上の画素を中心に集光する。このため、上領域検出画素503と下領域検出画素508において入射光強度は高くなり、光軸上の画素から離れるほど入射光強度は小さくなる。これは、光Lα、Lβ、Lγは、理想的には光軸上に集光するはずだが、実際には撮像光学系210の収差等により若干の広がりを持つからである。
光軸方向の光Lγは、前ピン、後ピンに拘らず、光軸上の画素を中心に集光する。
前ピンの場合、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαは、光軸上の画素よりも下の上領域検出画素504を中心に集光する。このため、上領域検出画素504において入射光強度は大きくなる。一方、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβは、光軸上の画素よりも上の下領域検出画素507を中心に集光する。このため、下領域検出画素507において入射光強度は大きくなる。したがって、前ピンの場合、上領域検出画素501乃至505と、下領域検出画素506乃至510への入射光強度は、図8(a)に示すようになる。
後ピンの場合、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαは、下領域検出画素507を中心に集光するが、下領域検出画素507は光Lαを集光しない。このため、下領域検出画素507に近い上領域検出画素502、503において入射光強度は大きくなる。一方、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβは、上領域検出画素504を中心に集光するが、上領域検出画素504は光Lβを集光しない。このため、上領域検出画素504に近い下領域検出画素508、509において入射光強度は大きくなる。したがって、上領域検出画素501乃至505と、下領域検出画素506乃至510への入射光強度は、図8(c)に示すようになる。よって、上領域検出画素501乃至505と、下領域検出画素506乃至510とで、入射光強度が最大の画素の位置をそれぞれ検出すれば、どの程度、前ピンまたは後ピンであるかを判定することができる。
[焦点検出の動作例]
図1に示した本実施の形態のカメラシステム100のブロック図を参照しながら、焦点検出の動作を説明する。撮像前において、撮像制御部422および焦点制御部418は、不図示の電気接点部を介してレンズ制御部240と交信し、撮像レンズユニット200の固有の情報や、現在のレンズ位置および絞り位置の情報を取得する。
液晶表示素子402に動画が表示されている間(例えばユーザがシャッタチャンスを伺っている間)において、撮像素子500は露光されており、以下の処理が行われている。
撮像制御部422は、タイミングジェネレータ414を制御して、電子シャッタ動作により所定の時間間隔で撮像素子500の各画素(焦点検出画素および撮像画素)のフォトダイオード528に蓄積された電荷を電荷信号として出力させる。読み出された各画素の電荷信号は、アナログ信号処理部412によってクランプ処理、感度補正処理等が施された後、A/D変換部410によりデジタル信号に変換され、システムバス426に出力される。
結像位置検出部420は、各画素に対応するデジタル信号から、焦点検出画素のデジタル信号を抽出する。
次に結像位置検出部420は、光Lαを集光する焦点検出画素群(図2において「上」とした画素)と、光Lβを集光する焦点検出画素群(図2において「下」とした画素)とで、信号値が最も大きい画素の位置をそれぞれ検出する。信号値が最も大きい画素の位置の差に基づいて、結像位置検出部420は、撮像光学系210の光軸上における焦点面の位置を検出する。
なお、撮像光学系210の右側の領域からの光を集光する焦点検出画素群と、撮像光学系210の左側の領域からの光を集光する焦点検出画素群とで、信号値が最も大きい画素の位置をそれぞれ検出し、焦点面の位置を検出してもよい。ここで、撮像光学系210の右側の領域からの光を集光する焦点検出画素群は、図2において「右」とした画素であり、撮像光学系210の左側の領域からの光を集光する焦点検出画素群は、図2において「左」とした画素である。
焦点制御部418は、結像位置検出部420が求めた焦点面の位置に基づいて、レンズ制御部240を介してレンズ駆動機構230を制御して凸レンズ212や凹レンズ216のレンズ位置を調整し、合焦位置に合わせる。
一方、画像処理部432は、各画素のデジタル信号から、撮像画素のデジタル信号を抽出して、色補間処理等を施し、画像データを生成する。撮像制御部422は、液晶表示素子駆動回路404を制御することにより、この画像データを画像として液晶表示素子402に表示させる。
なお、光Lαを集光する焦点検出画素から出力される電荷信号および光Lβを集光する焦点検出画素から出力される電荷信号のうち、一方が特許請求の範囲に記載の第1電荷信号の一例であり、他方が特許請求の範囲に記載の第2電荷信号の一例である。また、撮像素子500の撮像画素から出力される電荷信号は、特許請求の範囲に記載の第3電荷信号の一例である。
[本実施の形態の効果]
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、1つの焦点検出画素におけるフォトダイオード528全体に対向する位置に、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560とを互いに隣接して配置する。これにより、撮像光学系210の上側または下側の領域からの光が透過した後に、低屈折フィルタ550を透過した光と、高屈折フィルタ560を透過した光との位相が180°ずれるため、両者が干渉により打ち消しあう。
したがって、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面の位置を変更するだけで、光Lαを検出する焦点検出画素と、光Lβを検出する焦点検出画素とを容易に作り分けることができる。
このため、1つの焦点検出画素内において、2つのフォトダイオードを設ける必要がないことから、フォトダイオード間の分離領域を形成する必要はない。したがって、画素面積を有効に利用できるため、従来技術よりも焦点検出画素のフォトダイオードの開口面積を大きくすることができる。この結果、焦点検出画素のフォトダイオード528の最大蓄積電荷量を多くできるため、焦点検出画素の光に対する感度を高くすることができる。よって、焦点検出の精度を向上させることができる。
さらに、各焦点検出画素には、撮像光学系210の上側、下側、左側、右側の何れかの領域からの光のみを検出させ、撮像光学系210の各領域に対応する4種類の焦点検出画素を別々に設ける。このため、従来技術のように1つの焦点検出画素内の2つのフォトダイオードの電荷信号を時間差で別々に読み出す必要がない。したがって、焦点検出の速度を向上させることができる。
また、屈折率の異なる低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560を配置するだけの単純な構造であるため、画素サイズの微細化に際して、大きな制約とはならない。
[低屈折フィルタおよび高屈折フィルタに用いる光学材料]
表1は、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の作製に用いることができる光学材料について、緑色光に対する屈折率が高い順に数例を挙げたものである。参考として、シリコン酸化膜530を形成する二酸化ケイ素(SiO)の屈折率も、最下行に示した。
Figure 0005278165
表1には挙げていないが、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の作製に用いることができる光学材料として、シロキサンも挙げられる。表1に挙げたシリコンとしては、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、ポリシリコンのいずれを用いてもよい。したがって、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560を作成する光学材料としては、例えば、表1に示す屈折率の異なる2つの光学材料から、前述の(1)式を満たす膜厚dが適正範囲となるものを選択すればよい。
ここでの「適正範囲」とは、撮像素子500の製造工程において十分に製造可能な薄さであって、焦点検出画素の光に対する感度を十分高く維持できる程度に、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の光に対する透過率を高くできる範囲である。光学材料によっては、膜厚が厚くなるほど光に対する透過率が下がるからである。各波長の光に対する透過率は、表1の消衰係数kにより求めることができるが、これについては後述の第3の実施の形態で説明する。
なお、表1に挙げたプラズマ窒化シリコン(P−SiN)は、窒化ケイ素(Si)の一例にすぎない。低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の素材に利用できる窒化ケイ素は、これに限定されるものではない。
[本実施の形態の補足事項]
なお、第1の実施の形態では、三原色のベイヤー正方配列の撮像素子500の画素の一部を焦点検出画素とする例を述べた。本発明は、かかる実施の形態に限定されるものではない。三原色をいわゆるハニカム配列とした場合や、補色系の配列の場合にも、本発明は適用可能である。
ベイヤー正方配列では、緑色成分に対応する画素が4画素に2つの割合で存在するため、これら2つの一方のカラーフィルタを赤色光または青色光を選択的に透過させるカラーフィルタに変更して、焦点検出画素を構成してもよい。このようにすれば、被写体から緑色光が発せられない場合においても、焦点検出の精度を高くすることができる。
図5(a)に示す撮像光学系210の上側の領域からの光Lαを集光する焦点検出画素を例に、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との面積比について補足する。この場合、マイクロレンズ522の光軸方向に見て、低屈折フィルタ550がフォトダイオード528に対向する面積と、高屈折フィルタ560がフォトダイオード528に対向する面積との面積比を、例えば3:1にしてもよい。
このようにすれば、フォトダイオード528の下半分の領域(図5(a)におけるB領域528bの下半分と、A領域528a全体)では、低屈折フィルタ550に対向する面積と、高屈折フィルタ560に対向する面積との比が1:1になる。そうすると、撮像光学系210の上側の領域を透過して、この焦点検出画素に入射する光は、半分が低屈折フィルタ550を透過し、残り半分が高屈折フィルタ560を透過するため、両者が相殺し、撮像光学系210の下側からの光のみを集光することができる。このように、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面の位置または面積比率を変えるだけで、焦点検出画素への入射光強度を容易に調整することができる。
<2.第2の実施の形態>
以下の第2の実施の形態乃至第7の実施の形態に係るカメラシステムは、第1の実施の形態とは撮像素子の焦点検出画素の構造のみが異なるため、相違点のみを説明する。
図9は、第2の実施の形態のカメラシステムにおける撮像素子の焦点検出画素の断面模式図であり、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβを集光するものを示した。撮像光学系210の上側の領域からの光Lαを集光する焦点検出画素については、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の配置を、マイクロレンズ522の光軸に対して対称位置となるようにすればよい(図示せず)。
図9と図5(a)とを対比すれば分かるように、第1の実施の形態との相違点は、カラーフィルタ524を除去した点である。この場合、様々な波長の光が焦点検出画素に入射するが、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560を構成する2種類の光学材料は、波長によって屈折率が変化する。すなわち、入射光の波長域が広いほど、低屈折フィルタ550を透過する光と、高屈折フィルタ560を透過する光との位相差をちょうど180°にすることが難しくなる。したがって、好ましくは第1の実施の形態のようにカラーフィルタを挿入した方がよいが、本実施の形態の構成においても、第1の実施の形態で述べた効果と同様の効果を得ることができる。
<3.第3の実施の形態>
[焦点検出画素の構造]
第1および第2の実施の形態では低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の両方を用いたが、必ずしもその必要はない。高屈折フィルタ560と、その周囲のシリコン酸化膜530との屈折率の差により、高屈折フィルタ560を透過する光と透過しない光との間で180°の位相差を生じさせることができれば、低屈折フィルタ550を省いてもよい。同様の原理で、高屈折フィルタ560を省き、低屈折フィルタ550により180°の位相差を生じさせる構造にしてもよい。
ただし、表1に示したように、一般に半導体に使用されている光学材料であって屈折率が低いものは、層間絶縁膜を形成する二酸化ケイ素と対比して、屈折率の差があまりない。二酸化ケイ素との屈折率の差が大きい光学材料は、消衰係数が高いものが多く、当該光学材料に入射した光が十分にフォトダイオード528まで達しない。したがって、焦点検出画素の光に対する感度を高くするためには、消衰係数の低い光学材料を選択することが望ましい。
図10は、第3の実施の形態のカメラシステムの撮像素子における、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαを集光する焦点検出画素の断面模式図であり、図10(a)、図10(b)のどちらの構造にしてもよい。
高屈折フィルタ560とフォトダイオード528との対向面積をフォトダイオード528の開口面積の半分より大きくし、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαの全てが高屈折フィルタ560を透過する構造が図10(a)である。反対に、高屈折フィルタ560とフォトダイオード528との対向面積をフォトダイオード528の開口面積の半分未満とし、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαが高屈折フィルタ560を全く透過しない構造が図10(b)である。
どちらの構造においても、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβの一部のみが、高屈折フィルタ560を透過する。また、どちらの構造においても、高屈折フィルタ560におけるフォトダイオード528のB領域528b側の一端は、マイクロレンズ522の光軸よりも図中上側に位置する。
なお、本実施の形態におけるマイクロレンズ522の光軸は、特許請求の範囲に記載の「撮像光学系の光軸方向に前記光電変換部の中央を通る直線」の一例である。
図11は、第3の実施の形態のカメラシステムの撮像素子における、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβを集光する焦点検出画素の断面模式図であり、図11(a)、図11(b)のどちらの構造にしてもよい。
高屈折フィルタ560とフォトダイオード528との対向面積をフォトダイオード528の開口面積の半分未満とし、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβが高屈折フィルタ560を全く透過しない構造が図1(a)である。反対に、高屈折フィルタ560とフォトダイオード528との対向面積をフォトダイオード528の開口面積の半分より大きくし、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβの全てが高屈折フィルタ560を透過する構造が図11(b)である。
どちらの構造においても、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαの一部のみが、高屈折フィルタ560を透過する。また、どちらの構造においても、高屈折フィルタ560におけるフォトダイオード528のB領域528b側の一端は、マイクロレンズ522の光軸よりも図中、下側に位置する。
[高屈折フィルタに用いる光学材料と透過率]
図10および図11に示した焦点検出画素の高屈折フィルタ560を例えばプラズマ窒化シリコンで形成した場合、高屈折フィルタ560を透過する光と、透過しない光との位相を180°ずらす膜厚dは、以下のようにして求めることができる。すなわち、表1に示したプラズマ窒化シリコンの屈折率と、高屈折フィルタ560の周囲のシリコン酸化膜を形成する二酸化ケイ素の屈折率と、緑色光の波長550nmとを(1)式に代入すればよい。
d=λ/{(n2−n1)×2}
=550/{(2.04−1.45)×2}=466nm
表1に示すように、プラズマ窒化シリコンの緑色光に対する消衰係数kはほぼゼロであるため、高屈折フィルタ560への入射光のほぼ全てが透過してフォトダイオード528に入射する。したがって、高屈折フィルタ560の介在によって焦点検出画素の光に対する感度を下げることはなく、実用上は問題ない。
別の例として、高屈折フィルタ560をシリコンで形成した場合の透過率について説明する。この場合、緑色光の位相を180°ずらすために必要な膜厚dは、上記同様に以下のようにして算出される。
d=λ/{(n2−n1)×2}
=550/{(4.08−1.45)×2}=104.5nm
ここで、緑色光に対するシリコンの消衰係数kは表1に示したように0.03である。したがって、高屈折フィルタ560の膜厚dを上記の104.5nmにした場合、その緑色光に対する透過率(反射成分を考慮しない)は、Ioを入射光強度、Iを透過光強度とすれば、次式で与えられる。
I/Io=exp{−4×π×k×(d/λ)}
=exp{−4×π×0.03×(104.5/550)}=0.93
同様に、青色光(波長450nm、以下、波長は省略)の位相を180°ずらすために必要な膜厚dと、その膜厚dにした場合の青色光に対する透過率(反射成分を考慮しない)は、以下の値になる。
d=450/{(4.69−1.45)×2}=69.4nm
I/Io=exp{−4×π×0.151×(69.4/450)}=0.746
同様に、赤色光(波長650nm、以下、波長は省略)の位相を180°ずらすために必要な膜厚dと、その膜厚dにした場合の赤色光に対する透過率(反射成分を考慮しない)は、以下の値になる。
d=650/{(3.85−1.45)×2}=135.4nm
I/Io=exp{−4×π×0.017×(135.4/650)}=0.956
したがって、上記の各膜厚dであれば、高屈折フィルタ560への入射光のうち、緑色光は93%、青色光は74.6%、赤色光は95.6%が透過してフォトダイオード528に入射する。透過率がこれらの値であれば、高屈折フィルタ560の介在によって焦点検出画素の光に対する感度を大きく下げることはなく、実用上は問題ないと言える。
[第3の実施の形態の変形例]
高屈折フィルタ560の材料としてシリコンを用いる場合、シリコン表面での反射率が高くなり、フォトダイオード528に到達する光量が減ることが考えられる。その場合、シリコン表面に反射防止膜を成膜するなどの手法により、複数の光学材料の膜を積層して高屈折フィルタ561を作成し、反射率を抑えてもよい。かかる手法による本実施の形態の変形例について、図12を参照しながら説明する。
図12(a)は、上記の反射防止膜563の層を積層した構造の高屈折フィルタ561を備える焦点検出画素の断面模式図であり、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαを集光するものである。この焦点検出画素は、高屈折フィルタ561の表面に反射防止膜563が形成されていることを除き、図10(a)と同様の構造である。
図12(a)において、高屈折フィルタ561は、高屈折性フィルタ層562におけるマイクロレンズ522側の表面に反射防止膜563を積層したものである。高屈折性フィルタ層562は右上がりの斜線で示した部分であり、反射防止膜563は細かい点により灰色のパターンとした部分である。
高屈折性フィルタ層562は、それを透過する光の位相と、それを透過せずに周囲のシリコン酸化膜530を透過する光の位相とを180°ずらすものである。すなわち、高屈折性フィルタ層562を形成する光学材料の屈折率と、高屈折性フィルタ層562の膜厚dは、(1)式を満たす。反射防止膜563は、例えば窒化シリコン(Si)で形成すればよい。窒化シリコン(Si)の膜は、その厚さと、入射光の波長とによって反射率が異なるため、入射光の波長に応じて、反射率が低くなる膜厚dにすることが望ましい。なお、反射防止膜563は、特許請求の範囲に記載の光学材料の膜の一例である。また、シリコン酸化膜530は、特許請求の範囲に記載の光学層の一例である。
図12(b)は、上記の反射防止膜563を用いた構成において、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβを集光する焦点検出画素の断面模式図である。図12(a)の焦点検出画素との相違点は、高屈折フィルタ561とフォトダイオード528との対向面積をフォトダイオード528の開口面積の半分より小さくした点である。すなわち、図12(b)の焦点検出画素では、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβが高屈折フィルタ561を全く透過せず、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαの一部のみが高屈折フィルタ561を透過する。
以上、第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。本実施の形態ではカラーフィルタを設けなかったが、第1の実施の形態のようにカラーフィルタを設けて入射光の波長域を制限してもよい。
なお、上記反射防止膜563は、第1の実施の形態のように低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560の両方を用いる場合においても適用可能であり、その適用例を図13に示す。図13(a)は、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαを集光する焦点検出画素の断面模式図であり、図13(b)は撮像光学系210の下側の領域からの光Lβを集光する焦点検出画素の断面模式図である。図5(a)および図7(a)に示した第1の実施の形態との違いは、低屈折フィルタ551と高屈折フィルタ564の構造のみである。
図13(a)において、低屈折フィルタ551は、低屈折性フィルタ層552におけるマイクロレンズ522側の表面に反射防止膜553を積層したものである。図中、低屈折性フィルタ層552は右下がりの斜線で示した部分であり、反射防止膜553は何もパターンを施していない部分である。また、高屈折フィルタ564は、高屈折性フィルタ層565におけるマイクロレンズ522側の表面に反射防止膜567を積層したものである。図中、高屈折性フィルタ層56は右上がりの斜線で示した部分であり、反射防止膜56は細かい点により灰色のパターンとした部分である。
低屈折フィルタ551および高屈折フィルタ564は、反射防止膜553、566におけるマイクロレンズ522側の面で段差が生じないように、隣接して配置される。ここで、低屈折性フィルタ層552の厚さと高屈折性フィルタ層565の厚さは等しく、反射防止膜553の厚さと反射防止膜567の厚さも等しい。したがって、低屈折性フィルタ層552および高屈折性フィルタ層565におけるフォトダイオード528側の面においても段差が生じない配置としている。これは、段差があると、段差の部分で光路が変わり、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαのみを集光する作用が低下するおそれがあるからである。
低屈折性フィルタ層552を透過する光の位相と、高屈折性フィルタ層565を透過する位相とが(1)式に基づいて180°ずれるように、両者の光学材料および厚さを選択している。反射防止膜553、56は、前記同様に例えば窒化シリコン(Si)で形成すればよい。図13(a)の焦点検出画素のカラーフィルタ524は緑色光を選択的に透過させるものであるから、反射防止膜553、56の膜厚は、緑色光近辺の波長域に対して反射率が低くなる値にすることが望ましい。
マイクロレンズ522の光軸およびフォトダイオード528に対する、低屈折フィルタ551および高屈折フィルタ564の位置関係は、第1の実施の形態で述べたものと同様である。すなわち、低屈折フィルタ551および高屈折フィルタ564の境界面をマイクロレンズ522の光軸よりも図中の上側にする必要がある。
反対に、低屈折フィルタ551および高屈折フィルタ564の境界面をマイクロレンズ522の光軸よりも図中の下側にすれば、図13(b)に示すように、撮像光学系210の下側の領域からの光Lβを集光する焦点検出画素が構成される。
<4.第4の実施の形態>
図14は、第4の実施の形態のカメラシステムにおける、撮像素子の焦点検出画素の断面模式図である。図14は、撮像光学系210の上側からの光Lαを集光する焦点検出画素であり、第3の実施の形態との相違点は、高屈折フィルタ560の代わりに積層フィルタ570を配置した点のみである。
積層フィルタ570は、各層の境界面がマイクロレンズ522の光軸に平行になるように、すなわち、積層面の法線がマイクロレンズ522の光軸方向に直交するように、屈折率の異なる2種類の光学材料の膜を交互に積層したものである。
積層フィルタ570は、マイクロレンズ522の光軸方向に見た場合、撮像光学系210の下側からの光Lβを全て透過させる位置において、フォトダイオード528のB領域528bに対向する面積が最小となるように配置されている。撮像光学系210の下側からの光Lβは、その殆どがマイクロレンズ522の光軸に対して斜めに積層フィルタ570に入射するが、この入射光は、積層フィルタ570を形成する光学材料の膜のうち、屈折率の高い方および低い方の両方を透過する。
すなわち、撮像光学系210の下側からの光Lβは、積層フィルタ570における屈折率の異なる膜を透過することで位相差が生じ、フォトダイオード528に達するまでに干渉により弱められる。したがって、積層フィルタ570全体の厚さ(マイクロレンズ522の光軸方向の厚さ)をdとした場合に、(1)式を満たすように2種類の光学材料を選択することが望ましい。本実施の形態ではそのように構成されているため、透過光の位相差が180°に近くなり、撮像光学系210の下側からの光Lβを弱める作用が強くなる。
一方、撮像光学系210の上側からの光Lαは、マイクロレンズ522の光軸近辺を除いて積層フィルタ570を透過しないため、フォトダイオード528のC領域528cを中心に集光される。したがって、図14に示す焦点検出画素は、撮像光学系210の上側からの光Lαを集光するものとなる。
撮像光学系210の下側からの光Lβを集光する焦点検出画素は、図14に示した画素構造において、積層フィルタ570の配置をマイクロレンズ522の光軸に対して対称にしたものとなる(図示せず)。すなわち、積層フィルタ570がフォトダイオードのB領域528bの下半分およびA領域528aに対向するように配置すればよい。以上、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態ではカラーフィルタを設けなかったが、第1の実施の形態のようにカラーフィルタを設けて入射光の波長域を制限してもよい。
また、屈折率の異なる2種類の光学材料の膜により積層フィルタ570を構成する例を述べたが、望ましくは180°程度の位相差を透過光に生じさせるものであれば、屈折率の異なる3種類以上の光学材料の膜により積層フィルタ570を構成してもよい。
また、積層フィルタ570は、特許請求の範囲に記載の光学部材の一例である。
<5.第5の実施の形態>
図15は、第5の実施の形態のカメラシステムにおける、撮像素子の焦点検出画素の断面模式図である。第2の実施の形態との相違点は、低屈折フィルタ556および高屈折フィルタ566をマイクロレンズ522から見てシリコン酸化膜530とは反対側に配置した点である。集光作用のあるマイクロレンズ522よりも撮像光学系210側に低屈折フィルタ556および高屈折フィルタ566を配置するため、両者のサイズは、本実施の形態のように、第2の実施の形態よりも大きくすることが望ましい。
図15に示した焦点検出画素は、撮像光学系210の下側の領域を透過した光Lβを集光するものである。低屈折フィルタ556と高屈折フィルタ566との境界面は、マイクロレンズ522の光軸よりも図の上側に位置する。撮像光学系210の上側からの光Lαを集光する焦点検出画素は、図15に示した画素構造において、低屈折フィルタ556および高屈折フィルタ566の配置をマイクロレンズ522の光軸に対して対称にしたものとなる(図示せず)。
以上、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態ではカラーフィルタを設けなかったが、第1の実施の形態のようにカラーフィルタを設けて入射光の波長域を制限してもよい。
<6.第6の実施の形態>
図16は、第6の実施の形態のカメラシステムにおける、撮像素子の焦点検出画素の断面模式図である。図7(a)に示した第1の実施の形態との相違点は、カラーフィルタ524を除いた点と、導波部材580を設けた点である。
導波部材580は、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560と、フォトダイオード528との間に配置される。導波部材580は、図では断面のみを示したが、マイクロレンズ522側において開口径が大きく、フォトダイオード528側において開口径が小さい中空の形状である。導波部材580における、マイクロレンズ522側の開口面積は、本実施の形態のように、マイクロレンズ522からの透過光が全て入射する程度であることが望ましい。その方が、焦点検出画素の光に対する感度が高くなるからである。導波部材580は、その内面が反射率の高い光学材料で形成されており、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560を透過した光を反射によってフォトダイオード528の主にB領域528bに導くものである。
ここで、光Lαの全てが低屈折フィルタ550を透過せずに高屈折フィルタ560を透過するように、かつ、光Lβが低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560を透過するように、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面は位置している。
したがって、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαは、高屈折フィルタ560のみを透過するため透過光に位相差は生じず、導波部材580の表面で反射してフォトダイオード528のB領域528bに達する際に、干渉により弱め合うことはあまりない。
一方、光Lβは、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560を透過することで180°の位相差が生じる。この光Lβは、導波部材580の内面で何回か反射してフォトダイオード528に達するため、フォトダイオード528に達するまでの光路は、第1の実施の形態よりも長くなる。光路が長い分、干渉による弱め合いの程度は、第1の実施の形態よりも大きくなる。したがって、撮像光学系210の下側の領域を透過した光Lβは、ほとんどフォトダイオード528には達しない。この結果、図16に示す焦点検出画素は、撮像光学系210の上側の領域からの光Lαを集光する。
撮像光学系210の下側からの光Lβを集光する焦点検出画素は、図16に示した画素構造において、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の配置をマイクロレンズ522の光軸に対して対称にしたものとなる(図示せず)。
以上、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態ではカラーフィルタを設けなかったが、第1の実施の形態のようにカラーフィルタを設けて入射光の波長域を制限してもよい。
また、位相差のある光の干渉を大きく生じさせるために、マイクロレンズ522を透過した光の光路を導波部材580の内面での反射によって長くすることが本実施の形態の技術思想である。したがって、導波部材580は、マイクロレンズ522側において開口径が大きく、フォトダイオード528側において開口径が小さいことが望ましい。そのため、マイクロレンズ522を透過した光は、フォトダイオード528の一部の領域に集光させることになるが、集光させる領域は、本実施の形態ようにB領域528bに限定されるものではなく、A領域528aやC領域528cであってもよい。
<7.第7の実施の形態>
図17は、第7の実施の形態のカメラシステムにおける、撮像素子の焦点検出画素の断面模式図である。第1の実施の形態との相違点は、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の代わりに中屈折性導波路590および高屈折性導波路592を設け、カラーフィルタ524を除去した点である。
中屈折性導波路590および高屈折性導波路592は、その横断面が台形となる略同一の形状であって互いに密着して配置されており、両者の境界面はマイクロレンズ522の光軸上に位置する。中屈折性導波路590とフォトダイオード528との間にはシリコン酸化膜530が介在するが、高屈折性導波路592とフォトダイオード528との間にはシリコン酸化膜530が介在しない。
中屈折性導波路590および高屈折性導波路592は、マイクロレンズ522側において横断面が大きく、フォトダイオード528側において横断面が小さい。両者のマイクロレンズ522側の横断面は、本実施の形態のように、マイクロレンズ522からの透過光の全てが、中屈折性導波路590または高屈折性導波路592に入射する程度に大きいことが望ましい。その方が、焦点検出画素の光に対する感度が高くなるからである。
高屈折性導波路592は、撮像光学系210の上側からの光Lαを内部での反射によってフォトダイオード528の主にB領域528bに導くものである。より詳細には、一般に、屈折率の低い媒体から屈折率の高い媒体へ向かって進行する光は、両者の境界面で反射する割合よりも、屈折率の高い媒体中へ入射する割合の方が大きい。反対に、屈折率の高い媒体から低い媒体へ向かって進行する光は、屈折率の低い媒体中へ入射する割合よりも、両者の境界面で反射する割合の方が大きい。そこで本実施の形態では、フォトダイオード528を形成するシリコン、高屈折性導波路592、中屈折性導波路590、シリコン酸化膜530の順に屈折率を大きくしている。
このため、図17において撮像光学系210の上側からの光Lαは、シリコン酸化膜530から高屈折性導波路592に入射後、フォトダイオード528に達するまでは、殆どが高屈折性導波路592の外部に漏れない。
高屈折性導波路592の方がシリコン酸化膜530乃至中屈折性導波路590よりも屈折率が高いため、光Lαは、高屈折性導波路592と、シリコン酸化膜530または中屈折性導波路590との境界面で反射を繰り返すからである。
一方、撮像光学系210の下側からの光Lβは、屈折率が相対的に低いシリコン酸化膜530から中屈折性導波路590に入射後、シリコン酸化膜530と中屈折性導波路590との境界面で反射し、高屈折性導波路592に入射する。そして、シリコン酸化膜530から高屈折性導波路592に直接入射する光Lαと、シリコン酸化膜530から中屈折性導波路590を経由して高屈折性導波路592に入射する光Lβとは、位相差の違いにより、干渉して弱め合う。
ここで第1に、撮像光学系210の下側からの光Lβの一部は、シリコン酸化膜530から中屈折性導波路590に入射後、高屈折性導波路592との境界面において反射し、高屈折性導波路592には入射しない。第2に、シリコン酸化膜530から中屈折性導波路590を経由して高屈折性導波路592に入射する光Lβは、シリコン酸化膜530から高屈折性導波路592に直接入射する光Lαの方よりも、光路が長くなる分、光強度も弱まる。
以上の2点を考慮すると、シリコン酸化膜530から高屈折性導波路592に直接入射する光Lαの方が、中屈折性導波路590を経由して高屈折性導波路592に入射する光Lβよりも、光量が多く、強度も強い。そのため、光Lβは干渉により弱まってフォトダイオード528には達せず、光Lαのみがフォトダイオード528に達する。この結果、図17に示す焦点検出画素は、撮像光学系210の上側からの光Lαを選択的に集光するものとなる。
撮像光学系210の下側からの光Lβを集光する焦点検出画素は、図17に示した画素構造において、中屈折性導波路590および高屈折性導波路592の配置をマイクロレンズ522の光軸に対して対称にしたものとなる(図示せず)。
以上、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、中屈折性導波路590は、特許請求の範囲に記載の第1導波路の一例である。また、高屈折性導波路592は、特許請求の範囲に記載の第2導波路の一例である。また、シリコン酸化膜530は、特許請求の範囲に記載の光学層の一例である。
中屈折性導波路590および高屈折性導波路592の光学材料は、例えば、表1において屈折率がシリコンと二酸化ケイ素の間である2種類のものを選択すればよい。
本実施の形態では、高屈折性導波路592とフォトダイオード528とを密着させる例を述べたが、本発明は、かかる実施の形態に限定されるものではない。シリコン酸化膜530は、高屈折性導波路592からフォトダイオード528への光の透過率の低下が実用上問題とならない程度の厚さであれば、高屈折性導波路とフォトダイオード528との間に介在させてもよい。
また、本実施の形態ではカラーフィルタを設けなかったが、第1の実施の形態のようにカラーフィルタを設けて入射光の波長域を制限してもよい。
<8.本発明の実施の形態の焦点検出画素の屈折フィルタの配置に係る変形例>
図18乃至図21は、本発明の実施の形態において、撮像光学系210の上側または下側の領域からの光を集光する4つの焦点検出画素の低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の配置の4つの例を示す断面模式図である。図18乃至図21のそれぞれにおいて、図中の上から1番目、3番目の画素は撮像光学系210の上側からの光Lαを集光する焦点検出画素である。また、図中の上から2番目、4番目の画素は撮像光学系210の下側からの光Lβを集光する焦点検出画素である。
本発明の実施の形態において、撮像光学系210の上側からの光Lαを集光する焦点検出画素の構造としては、2つ挙げられる。光軸の下側を高屈折フィルタ560とした場合(図18、図19が対応)と、光軸の下側を低屈折フィルタ550とした場合(図20、図21が対応)の2つである。これは、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面をマイクロレンズ522の光軸よりも上側にすればよいからである。
同様に、撮像光学系210の下側からの光Lβを集光する焦点検出画素の構造も2つ挙げられる。光軸の上側を低屈折フィルタ550とした場合(図18、図20が対応)と、光軸の上側を高屈折フィルタ560とした場合(図19、図21が対応)の2つである。これは、低屈折フィルタ550と高屈折フィルタ560との境界面をマイクロレンズ522の光軸よりも下側にすればよいからである。
そうすると、撮像光学系210の上側からの光Lαを集光する焦点検出画素と、撮像光学系210の下側からの光Lβを集光する焦点検出画素との組み合わせは、2×2で4通りとなる。図18乃至図21は、それら4通りの配置を示したものである。
低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560の配置は、消衰係数などの光学特性を考慮して決めることが望ましい。具体的には、焦点検出画素の光に対する感度を高めるため、低屈折フィルタ550および高屈折フィルタ560のうち、消衰係数が低い光学材料で形成されている方を、フォトダイオード528との対向面積が大きい方とする構成が好ましい。
さらに、複数の焦点検出画素の間で、光に対する感度が変わらないことが望ましい。そのためには、撮像光学系210の上側および下側からの光を集光する全ての焦点検出画素の間で、フォトダイオード528との対向面積が大きい方を低屈折フィルタ550または高屈折フィルタ560の何れかに統一することが好ましい。その点では、図18の配置よりも、図19の配置のように、フォトダイオード528との対向面積が大きい方を高屈折フィルタ560で統一すること方が望ましい。同様に、図21の配置よりも、図20の配置のように、フォトダイオード528との対向面積が大きい方を低屈折フィルタ550で統一すること方が望ましい。
<9.本発明の実施の形態のカラーフィルタの配置に係る変形例>
図22は、撮像光学系210の上側または下側の領域からの光を集光する4画素の断面模式図であり、本発明の実施の形態の変形例である。図中のカラーフィルタ525は、赤色光を選択的に透過させるものである。この変形例は、緑色光を選択的に透過させる画素と、赤色光を選択的に透過させる画素とを焦点検出画素としたものである。図中の上から1番目、2番目の画素は、撮像光学系210の上側からの光Lαを集光する焦点検出画素であり、図中の上から3番目、4番目の画素は、撮像光学系210の下側からの光Lβを集光する焦点検出画素である。
ここで、受光する波長域が異なる焦点検出画素同士で電荷信号を比較しても、焦点面の位置を正確に検出できない。このため、カラーフィルタ(524または525)が同じ画素同士で、撮像光学系210の上側および下側の光を集光する焦点検出画素からの電荷信号をそれぞれ読み出し、第1の実施の形態で述べたように焦点面の位置を検出する。したがって、図22では、図中の上から1番目、3番目の緑色光を選択的に受光する焦点検出画素から電荷信号を読み出して、焦点面の位置を検出すればよい。あるいは、図中上から2番目、4番目の赤色光を選択的に受光する焦点検出画素から電荷信号を読み出して、焦点面の位置を検出してもよい。
焦点検出およびピント調整の動作が行われている間、撮像素子500は露光されており、液晶表示素子402に表示させる画像の画像データが生成されている。したがって、この画像データから被写体の色の分布範囲を検出し、緑色成分の方が強ければ緑色光を選択的に受光する焦点検出画素を用いて焦点検出を行い、赤色成分が強ければ赤色光を選択的に受光する焦点検出画素を用いて焦点検出を行うこととしてもよい。このようにすれば、被写体の色の分布範囲に拘らずに、正確に焦点検出を行うことができる。
なお、カラーフィルタ524、525のうち、一方が特許請求の範囲に記載の第1光学フィルタの一例であり、他方が特許請求の範囲に記載の第2光学フィルタの一例である。
また、図22では、緑色光および赤色光を選択的に受光する画素を焦点検出画素とする例を述べたが、緑色光および青色光を選択的に透過させる画素を焦点検出画素とし、上記のように被写体の色の分布範囲に応じて焦点検出を行ってもよい。あるいは、赤、緑、青の3つの色成分に対応する画素について、焦点検出画素を配置し、上述と同様にしてもよい。
ただし、色補間処理を考慮して色再現性の低下を防ぐ点を最も重視すれば、ベイヤー正方配列では、第1の実施の形態のように他の色と比べて画素数が2倍である緑色に対応する画素のみを焦点検出画素とすることが好ましい。
<10.本発明の実施の形態の焦点検出画素の配置に係る変形例>
図23は、撮像素子全体における、焦点検出画素の配置の変形例を示す平面模式図である。第1の実施の形態で述べた図2では、青色成分に対応する画素を挟んで焦点検出画素を連続的に配置した。これは、焦点検出画素の配置の一例にすぎない。図23に示すように、撮像光学系210の上側または下側からの光を集光する1対の焦点検出画素の間隔および撮像光学系210の右側または左側からの光を集光する焦点検出画素の間隔を大きくしてもよい。
ここで、動画表示を行いながら焦点検出の動作を行う場合、全画素の電荷信号から、焦点検出画素に対応する電荷信号を抽出する。したがって、この抽出処理の容易さを考慮すれば、撮像光学系210の上側または下側からの光を集光する焦点検出画素は、画素の列方向(いわゆる垂直方向)に一直線上に並べて配置する方が望ましい。同様に、撮像光学系210の右側または左側からの光を集光する焦点検出画素は、画素の行方向(いわゆる水平方向)に並べて配置することが望ましい。
焦点検出画素の配置としては、図23および図2のように、撮像光学系210の像空間の中央の被写体にピントを合わせやすいように、中央の画素列および中央の画素行に十字状に配置させる方法が挙げられる。ただし、これはあくまで一例であり、焦点検出画素は、中央の画素列および中央の画像行以外に配置してもよく、撮像光学系210の光軸上の画素の近辺に多く配置してもよい。撮像光学系210の像空間の所望の位置の被写体にピントを合わせられるよう、撮像素子500の複数の領域に焦点検出画素の画素列または画素行を配置し、その中から選択した画素列乃至画素行を用いて焦点検出を行ってもよい。
また、ベイヤー正方配列における緑色成分に対応する画素の位置ではなく、赤色成分または青色成分に対応する画素の位置に焦点検出画素を配置してもよい。焦点検出画素の配置は、隣接した複数の画素でも、一定間隔の位置関係にある互いに離れた複数の画素でもよく、あるいは千鳥状の位置関係にある画素としてもよい。すなわち、焦点検出画素の配置は、焦点検出精度や撮像素子の撮像性能を勘案して決めればよい。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
100 カメラシステム
200 撮像レンズユニット
212 凸レンズ
216 凹レンズ
230 レンズ駆動機構
240 レンズ制御部
300 記録媒体
400 電子カメラ
410 A/D変換部
412 アナログ信号処理部
414 タイミングジェネレータ
418 焦点制御部
420 結像位置検出部
422 撮像制御部
432 画像処理部
500 撮像素子
522 マイクロレンズ
524、525 カラーフィルタ
528 フォトダイオード
530 シリコン酸化膜
550、551、556 低屈折フィルタ
560、561、564、566 高屈折フィルタ
553、563、567 反射防止膜
570 積層フィルタ
580 導波部材
590 中屈折性導波路
592 高屈折性導波路

Claims (14)

  1. 撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間に配置されて互いに屈折率の異なる第1光学部材および第2光学部材とをそれぞれ備えるともに、前記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、
    前記光電変換部と、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間において前記第1型画素とは前記光電変換部との位置関係が異なるように配置された前記第1光学部材および前記第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、前記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、
    前記複数の第1および第2電荷信号に基づいて前記撮像光学系の結像状態を検出する結像状態検出部と
    を具備し、
    前記第1光学部材と前記第2光学部材との境界面が前記光電変換部の中央を通る軸から離れた位置に配置され、
    前記複数の第1型画素内の前記第1光学部材および前記第2光学部材の境界面の位置と前記複数の第2型画素内の前記第1光学部材および前記第2光学部材の境界面の位置とが前記光電変換部の中央を通る軸に対して反対側に配置された焦点検出装置。
  2. 前記複数の第1型画素および前記複数の第2型画素は、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間において前記撮像光学系からの入射光を前記光電変換部に集光させる集光部をさらに備え、
    前記第1光学部材および前記第2光学部材は、前記集光部と前記光電変換部との間に配置される
    請求項1記載の焦点検出装置。
  3. 前記第1光学部材および前記第2光学部材は、両者を合わせて前記光電変換部全体に対向するように、かつ、両者が前記光電変換部にそれぞれ対向する面が互いに異なるように、かつ、両者が前記撮像光学系の光軸方向において互いに重ならないように配置される
    請求項2記載の焦点検出装置。
  4. 前記複数の第1型画素および前記複数の第2型画素は、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間において前記撮像光学系からの入射光を光電変換部に集光させる集光部をさらに備え、
    前記第1光学部材および前記第2光学部材は、前記撮像光学系と前記集光部との間に配置される
    請求項1記載の焦点検出装置。
  5. 前記複数の第1型画素および前記複数の第2型画素は、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間において所定の波長域の光を選択的に透過させる光学フィルタをそれぞれ備える
    請求項1に記載の焦点検出装置。
  6. 前記複数の第1型画素の各々は、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間において、所定の波長域の光を選択的に透過させる第1光学フィルタ、または、前記第1光学フィルタとは異なる波長域の光を選択的に透過させる第2光学フィルタの何れか一方をさらに備え、
    前記複数の第2型画素の各々は、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間において、前記第1光学フィルタまたは前記第2光学フィルタの何れか一方をさらに備える
    請求項1記載の焦点検出装置。
  7. 前記複数の第1型画素の各々および前記複数の第2型画素の各々は、前記第1光学部材および前記第2光学部材と前記光電変換部との間の位置に、前記撮像光学系からの入射光を反射によって前記光電変換部に導く導波部材をさらに備える
    請求項1記載の焦点検出装置。
  8. 前記第1光学部材と前記第2光学部材の少なくとも一方は、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、シロキサン、タングステン、アルミニウム、銅の何れかの材料によって形成される
    請求項1記載の焦点検出装置。
  9. 前記第1光学部材または前記第2光学部材の少なくとも一方は、前記撮像光学系側の表面において、内部よりも反射率の低い光学材料の膜が積層されたものである
    請求項1記載の焦点検出装置。
  10. 撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、前記撮像光学系からの入射光を前記光電変換部に集光させる集光部と、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間に形成された光学層とをそれぞれ備えるとともに、前記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、
    前記光電変換部と、前記集光部と、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間に形成された前記光学層とをそれぞれ備えるとともに、前記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、
    前記複数の第1および第2電荷信号に基づいて前記撮像光学系の結像状態を検出する結像状態検出部と
    を具備する焦点検出装置であって、
    前記複数の第1型画素の各々および前記複数の第2型画素の各々は、前記光学層とは屈折率の異なる光学部材をさらに備え、
    前記複数の第1型画素および前記複数の第2型画素における前記光学部材は、その外縁と、前記撮像光学系の光軸方向に前記光電変換部の中央を通る直線とが離れるように、かつ、前記光電変換部の一部のみに対向するように配置され、
    前記複数の第1型画素の前記光学部材における前記直線側の一端の位置と、前記複数の第2型画素の前記光学部材における前記直線側の一端の位置とが、前記直線に対して反対側になるように前記光学部材が配置される
    焦点検出装置。
  11. 前記光学部材は、前記撮像光学系側の表面において、内部よりも反射率の低い光学材料の膜が積層されたものである
    請求項10記載の焦点検出装置。
  12. 前記光学部材は、積層面の法線が前記撮像光学系の光軸方向に直交するように屈折率の異なる複数の光学材料の膜を交互に積層したものである
    請求項10記載の焦点検出装置。
  13. 撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間に配置されて互いに屈折率の異なる第1光学部材および第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、前記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、
    前記光電変換部と、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間において前記第1型画素とは前記光電変換部との位置関係が異なるように配置された前記第1光学部材および前記第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、前記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、
    前記光電変換部をそれぞれ備えるとともに、前記光電変換部の受光量に応じた第3電荷信号をそれぞれ出力する複数の撮像画素と
    を具備し、
    前記第1光学部材と前記第2光学部材との境界面が前記光電変換部の中央を通る軸から離れた位置に配置され、
    前記複数の第1型画素内の前記第1光学部材および前記第2光学部材の境界面の位置と前記複数の第2型画素内の前記第1光学部材および前記第2光学部材の境界面の位置とが前記光電変換部の中央を通る軸に対して反対側に配置された撮像素子。
  14. 撮像光学系からの光を受光して光電変換を行う光電変換部と、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間に配置されて互いに屈折率の異なる第1光学部材および第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、前記光電変換部の受光量に応じた第1電荷信号をそれぞれ出力する複数の第1型画素と、
    前記光電変換部と、前記撮像光学系から前記光電変換部への光路間において前記第1型画素とは前記光電変換部との位置関係が異なるように配置された前記第1光学部材および前記第2光学部材とをそれぞれ備えるとともに、前記光電変換部の受光量に応じた第2電荷信号をそれぞれ出力する複数の第2型画素と、
    前記光電変換部をそれぞれ備えるとともに、前記光電変換部の受光量に応じた第3電荷信号をそれぞれ出力する複数の撮像画素と、
    前記複数の第3電荷信号に基づいて画像データを生成する信号処理部と、
    前記複数の第1および第2電荷信号に基づいて前記撮像光学系の結像状態を検出する結像状態検出部と、
    結像状態検出部が求めた前記結像状態に基づいて合焦位置に近づくように前記撮像光学系のレンズ位置を調整する焦点制御部と
    を具備し、
    前記第1光学部材と前記第2光学部材との境界面が前記光電変換部の中央を通る軸から離れた位置に配置され、
    前記複数の第1型画素内の前記第1光学部材および前記第2光学部材の境界面の位置と前記複数の第2型画素内の前記第1光学部材および前記第2光学部材の境界面の位置とが前記光電変換部の中央を通る軸に対して反対側に配置された電子カメラ。
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