JP5276314B2 - 接着剤組成物および接着フィルム - Google Patents
接着剤組成物および接着フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5276314B2 JP5276314B2 JP2007330853A JP2007330853A JP5276314B2 JP 5276314 B2 JP5276314 B2 JP 5276314B2 JP 2007330853 A JP2007330853 A JP 2007330853A JP 2007330853 A JP2007330853 A JP 2007330853A JP 5276314 B2 JP5276314 B2 JP 5276314B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- resin
- molecular weight
- adhesive composition
- low molecular
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Description
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態にかかる接着剤組成物は、互いに質量平均分子量が異なる2種類の樹脂から少なくともなり、質量平均分子量がより大きく、接着性を備えている接着性樹脂と、質量平均分子量がより小さい低分子量樹脂と、を含むことを特徴とする。
接着性樹脂としては、接着性を有する限り特に制限はない。接着性を有する樹脂の中でも、高温の処理に対する耐熱性を有する接着性樹脂であることが好ましい。なお、「耐熱性を有する」とは、高温の熱処理を経た後であっても、接着強度が低下しない樹脂のことをいう。接着性樹脂としては、たとえば、少なくともスチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合してなる樹脂を挙げることができる。以下に、この接着性樹脂の詳細を説明する。
単量体組成物は、スチレンと、(メタ)アクリル酸エステルとを含む。また、単量体組成物中にはさらに、エチレン性二重結合を有するカルボン酸、二官能性モノマーなどを含むことがより好ましい。以下に各モノマーの詳細を説明する。
本実施の形態にかかる接着剤組成物は、上記単量体組成物に、スチレンを含む。上記スチレンは、200℃以上の高温環境下においても変質することが無いため、上記接着剤組成物の耐熱性が向上する。
上記単量体組成物は、さらに、(メタ)アクリル酸エステルを含んでいてもよい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、環式構造を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを例示することができる。
本発明にかかる接着剤組成物は、上記単量体組成物に、環式構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む。これにより、上記接着剤組成物の耐熱性が向上する。
上記単量体組成物は、(メタ)アクリル酸エステルとして、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むことができる。これにより、当該接着剤組成物から得られる接着剤層の柔軟性、クラック耐性が向上する。
上記単量体組成物は、さらにエチレン性二重結合を有するカルボン酸を含む。本実施形態において、このエチレン性二重結合を有するカルボン酸は、上述した水素結合を形成し得る置換基を含む構成単位を形成するモノマーに相当する。
で示されるカルボン酸であることが好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸又は下記一般式(2)
で示されるカルボン酸である。上記一般式(2)で示されるカルボン酸としては具体的には、R3がシクロヘキサン、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子を2個除いた基を有するものが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、より好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらのカルボン酸と、上記単量体組成物における他の成分との共重合は、好適に進み、さらに共重合後により得られるポリマーの構造が安定となる。よって、分子鎖同士の解離を防ぐことができるため、耐熱性、高温環境下における接着強度が向上する。
上記単量体組成物は、さらに二官能性モノマーを含む。二官能性モノマーを含むことにより、得られる接着剤組成物では、その構成分子が、当該二官能性モノマーを介して架橋される。架橋することによって、三次元構造をとり、当該接着剤組成物の質量平均分子量が大きくなる。一般に接着剤の技術分野において、構成する分子の質量平均分子量が大きくなると、接着剤組成物の内部エネルギーが向上することが知られている。そして、高温環境下における接着強度の高低は、この内部エネルギーも一つの要因となっていることが知られている。また、接着剤組成物の質量平均分子量が大きくなると、見かけのガラス転移点も上昇し、これにより接着強度が向上する。つまり、上記単量体組成物が、さらに二官能性モノマーを含むことによって、接着剤組成物の質量平均分子量が大きくなり、高温環境下における接着強度が向上する。
で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つの二官能性モノマーであることが好ましい。上記一般式(3)で示される化合物としては、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールアクリレート、ナフタレンジアクリレート、及び下記式(4)
で示される化合物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
本実施の形態にかかる接着剤組成物の主成分であるポリマーが、スチレンに由来する構成単位を含む場合、該構成単位が、スチレンブロックセグメントを構成していてもよい。
本実施の形態にかかる接着剤組成物には、他の添加成分としてジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミドやアクリロイルモルホリンなどのモルホリンを配合してもよい。これらの配合により、耐熱性と接着性との同時改善が期待できる。
本実施の形態にかかる接着剤組成物は、上記単量体組成物を共重合反応させて製造すればよい。上記単量体組成物を共重合反応させる方法としては、特に限定されるものではなく、たとえば、既存の攪拌装置を用いて、上記単量体組成物を攪拌すればよい。
エチレン性二重結合を有するカルボン酸を混合するタイミングは、当該カルボン酸と、当該カルボン酸以外の上記単量体組成物の成分とが、共重合反応可能であれば、限定されるものではない。
二官能性モノマーは、予め、共重合反応の開始前に、他の単量体組成物に混合することが最も好ましいが、これに限定されるものではない。たとえば、二官能性モノマーの一部又は全部を、他の単量体組成物の共重合反応開始後に混合しても、上述の接着剤組成物の質量平均分子量が大きくなる効果や、高温環境下における接着強度が向上する効果を、同様に得ることができる。
スチレンブロックセグメントの形成は、本実施の形態にかかる接着剤組成物の製造に用いるスチレンの全部又は一部を、当該スチレンの残部と、上記(メタ)アクリル酸エステルと、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを混合して共重合反応を開始させた後、当該共重合反応を終了させる前に、一括して、又は複数回に分けて回分的に、共重合反応系、即ち共重合反応させている反応器等に混合することにより行なう。
共重合反応における温度条件は、適宜設定すればよく、限定されるものではないが、60〜150℃であることが好ましく、さらに好ましくは70〜120℃である。
本実施形態にかかる接着剤組成物は、低分子量樹脂を含む。本明細書において、低分子量樹脂とは、接着剤組成物中に含まれている、互いに質量平均分子量が異なる少なくとも2種の樹脂のうち、質量平均分子量がより小さいものである。低分子量樹脂は、接着性樹脂を溶解可能な溶剤に溶解し得る樹脂であり、上記接着性樹脂を溶解する溶剤に対する溶解速度が、上記接着性樹脂の溶解速度より大きい樹脂である。
次に、第2の実施形態にかかる接着剤組成物について説明する。本発明の第2の実施形態にかかる接着剤組成物は、接着性樹脂と、該接着性樹脂の質量平均分子量より分子量が小さく、かつ、分解温度が200℃以上である低分子量体とを含む。
接着性樹脂としては、第1の実施形態にて説明した接着性樹脂と同じ接着性樹脂を用いることができる。
本実施形態にかかる接着剤組成物に含まれる低分子量体は、接着性樹脂の質量平均分子量より小さい分子量を有し、かつ、分解温度が200℃以上である化合物である。低分子量体の分子量は、1,000以上、40,000以下であることが好ましく、10,000以上、40,000以下であることがより好ましい。
以上述べてきた本発明に係る接着剤組成物は、用途に応じて様々な利用方法を用いることができる。たとえば、液状のまま、半導体ウェハー等の被加工体の上に塗布して接着剤層を形成する方法を用いてもよいし、本発明に係る接着フィルム、即ち、予め可撓性フィルム等のフィルム上に上記のいずれかの接着剤組成物を含む接着剤層を形成した後、乾燥させておき、このフィルム(接着フィルム)を、被加工体に貼り付けて使用する方法(接着フィルム法)を用いてもよい。
本実施形態にかかる接着剤組成物を取り除くための剥離液としては、通常用いられる剥離液を用いることができるが、特にPGMEAや酢酸エチル、メチルエチルケトンを主成分とする剥離液が環境負荷や剥離性の点で好ましい。
まず、本発明にかかる接着剤組成物を得るために必要な樹脂1〜4の調製を行った。樹脂1〜樹脂4のモノマーの組成と、得られた樹脂の質量平均分子量とを、表1に示す。なお、下記表1において、各モノマーの含有割合を示す数値は、スチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルの合計量を100質量部としたときの、各モノマーの含有量(質量部)を示す数値である。
まず、還流冷却器、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた容量300mlの4つ口フラスコに、溶剤としてPGMEA111.6g、及び、モノマー単量体としてメタクリル酸メチル10g、スチレン60g、イソボルニルアクリレート30g、アクリル酸5gを仕込み、N2の吹き込みを開始した。攪拌をはじめることで重合を開始させ、攪拌しながら100℃まで昇温した後、PGMEA13.33g、及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(重合開始剤)1gからなる混合液を滴下ノズルより、4時間かけて連続的に滴下した。滴下速度は一定とした。
実施例1から5および比較例に示す樹脂を用いた接着剤組成物を調製し、それぞれの樹脂の溶解速度を測定した。まず、溶解速度の測定方法について説明する。
まず、シリコンウェハー上に溶解速度を測定したい樹脂からなる接着剤組成物を塗布して、110℃、150℃、200℃の順でそれぞれ3分間ずつ加熱処理を行ない、厚さ15μmの接着剤の膜を形成した。
Claims (4)
- 基板をサポートプレートに一時的に固定するための接着剤組成物であって、
互いに質量平均分子量が異なる2種類の樹脂から少なくともなり、質量平均分子量がより大きく、接着性を備えている接着性樹脂と、質量平均分子量がより小さい低分子量樹脂と、を含み、
前記接着性樹脂は、スチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合してなる樹脂であり、
前記低分子量樹脂は、スチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合してなる樹脂であり、
前記接着性樹脂は、質量平均分子量が、50,000以上、500,000以下であり、
前記接着性樹脂の質量平均分子量と、前記低分子量樹脂の質量平均分子量との差は、40,000以上であり、
前記低分子量樹脂の含有量は、接着性樹脂の全質量に対して、5質量%以上、50質量%以下であることを特徴とする接着剤組成物。 - 接着性組成物を溶解する溶剤に対する接着性樹脂全体の溶解速度よりも、上記溶剤に対する前記低分子量樹脂の溶解速度の方が大きいことを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
- 前記低分子量樹脂が接着性を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
- フィルム上に、請求項1〜3の何れか1項に記載の接着剤組成物を含有する接着剤層を備えることを特徴とする接着フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007330853A JP5276314B2 (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 接着剤組成物および接着フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007330853A JP5276314B2 (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 接着剤組成物および接着フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009149819A JP2009149819A (ja) | 2009-07-09 |
JP5276314B2 true JP5276314B2 (ja) | 2013-08-28 |
Family
ID=40919330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007330853A Active JP5276314B2 (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 接着剤組成物および接着フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5276314B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5525779B2 (ja) * | 2009-08-04 | 2014-06-18 | 東京応化工業株式会社 | 接着剤組成物、及び接着フィルム |
CN104559852B (zh) * | 2014-12-31 | 2018-02-27 | 深圳市化讯半导体材料有限公司 | 一种用于薄晶圆加工的临时键合胶及其制备方法 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06310598A (ja) * | 1993-04-21 | 1994-11-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | ダイシング方法及びそれに用いるダイシング用粘着テープ |
JP2741362B2 (ja) * | 1995-12-05 | 1998-04-15 | 日化精工株式会社 | ウエハ−の仮着用接着剤 |
JP3717584B2 (ja) * | 1996-03-14 | 2005-11-16 | ニッタ株式会社 | 易剥離性ラベル |
JPH11131035A (ja) * | 1997-10-28 | 1999-05-18 | Nitto Denko Corp | 粘着組成物、それを用いた表面保護フィルムまたはシート、およびそれを用いた表面保護金属板 |
JP2000073036A (ja) * | 1998-08-26 | 2000-03-07 | Nippon Zeon Co Ltd | アクリル系粘接着剤組成物 |
JP2000234079A (ja) * | 1999-02-15 | 2000-08-29 | Nitta Ind Corp | 半導体ウエハ加工用シート |
JP4391623B2 (ja) * | 1999-06-10 | 2009-12-24 | ニッタ株式会社 | セラミック電子部品用生シートの仮止め粘着テープ及びセラミック電子部品の製造方法 |
JP3897236B2 (ja) * | 2001-11-26 | 2007-03-22 | ソマール株式会社 | 再剥離性粘着シート |
JP4580629B2 (ja) * | 2003-09-24 | 2010-11-17 | ソマール株式会社 | 粘着剤組成物及びそれを用いた再剥離性粘着シート |
KR100668943B1 (ko) * | 2004-04-23 | 2007-01-12 | 주식회사 엘지화학 | 편광판용 아크릴계 점착제 조성물 |
-
2007
- 2007-12-21 JP JP2007330853A patent/JP5276314B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009149819A (ja) | 2009-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4976829B2 (ja) | 接着剤組成物、及び接着フィルム | |
JP5020496B2 (ja) | 接着剤組成物および接着フィルム | |
JP5368845B2 (ja) | 接着剤組成物、接着フィルムおよび熱処理方法 | |
JP5525782B2 (ja) | 接着剤組成物および接着フィルム | |
JP5016296B2 (ja) | 接着剤組成物、及び接着フィルム | |
JP2011173956A (ja) | 接着剤組成物および接着フィルム | |
JP5276314B2 (ja) | 接着剤組成物および接着フィルム | |
JP2008063464A (ja) | 接着剤組成物、接着フィルム及び当該接着剤組成物の製造方法 | |
TW201035266A (en) | Adhesive composition and film adhesive | |
JP2008063463A (ja) | 接着剤組成物、接着フィルム及び当該接着剤組成物の製造方法 | |
JP2008063462A (ja) | 接着剤組成物、接着フィルム及び当該接着剤組成物の製造方法 | |
JP5323385B2 (ja) | 接着剤組成物、および接着フィルム | |
JP2009144048A (ja) | 接着剤の処理方法 | |
JP5497276B2 (ja) | 接着剤組成物の製造方法 | |
JP2011173955A (ja) | 接着剤組成物、接着フィルムおよび分離方法 | |
JP2011006595A (ja) | 接着剤組成物、および接着フィルム | |
JP2009185197A (ja) | 接着剤組成物及びその利用、並びに接着剤組成物の製造方法 | |
JP2008063461A (ja) | 接着剤組成物、接着フィルム及び当該接着剤組成物の製造方法 | |
JP2009144077A (ja) | 接着剤組成物 | |
JP2009144092A (ja) | 接着剤組成物、および接着フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100916 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121002 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130219 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130402 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130514 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130517 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5276314 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |