JP5272680B2 - 石鹸組成物 - Google Patents

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Description

本発明は石鹸組成物に関し、さらに詳しくは、泡立ち、泡質、使用感、溶解性および保存安定性に優れ、そして生産性に優れた石鹸組成物に関する。
従来、石鹸が洗浄剤として広く使用されてきたのは、製造が容易であって、起泡性に優れており、かつぬめり感がなく使用後のさっぱり感が好まれているためである。石鹸の洗浄剤としての優れた特性をさらに改善するために、様々な検討が行われている。
石鹸を使用する場合、泡質がクリーミーであれば使用感を飛躍的に改善し得ることが知られている。泡質をクリーミーにした石鹸としては、例えば、石鹸素地にジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどとクエン酸とを配合した固形石鹸(特許文献1)、多価アルコールおよび脂肪酸アルカノールアミドを配合した透明固形脂肪酸石鹸(特許文献2)、ポリビニルピロリドンを配合した固形石鹸(特許文献3)、ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物からなる整泡潤滑成分を含有する固形洗浄剤組成物(特許文献4)などが開示されている。
石鹸はまた、使用後、皮膚につっぱり感や刺激を与えることがある。これらは肌荒れの原因となるおそれがあるので、使用後の保湿効果(しっとり感)に優れ、皮膚に対してマイルドな石鹸組成物が種々検討されている。例えば、脂肪酸グリセリンエステルおよび遊離脂肪酸を配合した脂肪酸石鹸、(特許文献5)、多価アルコール、糖、糖アルコールなどの保湿剤を配合した脂肪酸石鹸(特許文献6)、ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物からなる整泡潤滑成分を含有する固形洗浄剤組成物(特許文献4)、ベンガラ、黄酸化鉄、塩化第二鉄などの水不溶性鉄塩を配合した石鹸組成物(特許文献7)などが開示されている。
特許文献1〜7に開示の石鹸組成物は、泡質や使用感を改善することができるが、泡立ちや、以下に述べるように、石鹸の使用中における保存安定性、および石鹸の成型工程における生産性の低下の問題がある。
石鹸を使用する場合、使用中の石鹸にひび割れや溶け崩れが生じるという問題がある。石鹸の使用中における保存安定性を改善するために、例えば、石鹸素地に対して、グリセリンまたはポリグリセリンの脂肪酸エステルを配合する方法(特許文献8)、分子中に水酸基を2個以上有するポリヒドロキシ脂肪酸塩を配合する方法(特許文献9)、ラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド、粉体およびポリアルキレングリコールを配合する方法(特許文献10)などが開示されている。
ところで、石鹸の製造工程には、石鹸素地の押出、型打などの成型工程がある。成型工程では、石鹸素地の組成や水分量、および配合成分などにより押出不良、ひび割れなど成型性に問題が生じ、生産性が低下することがある。石鹸の成型工程における生産性を改善するために、例えば、石鹸素地に対して、遊離脂肪酸およびカリウム石鹸を配合する方法(特許文献11)、非イオン系界面活性剤、無機塩およびシリコーンを配合する方法(特許文献12)などが開示されている。
特許文献8〜12に開示の方法は、石鹸の使用中における保存安定性や石鹸の成型工程における生産性を改善することができるが、泡立ちや、泡質および使用感の低下の問題がある。
一方、特許文献13には、グリセリンのアルキレンオキシド誘導体(a)、脂肪酸アルカリ金属塩(b)、グリセリン(c)および水(d)を含む石鹸組成物が開示されている。しかし、特許文献13に開示の石鹸組成物は、起泡性、泡質、使用感、溶解性、保湿性および生産性に優れているが、保存安定性に改善の余地がある。
このように、特許文献1〜13に開示の石鹸組成物は、泡立ち、泡質、使用感、溶解性、保存安定性および生産性を同時に満足できるものではない。
特開平8−27490号公報 特開2002−60796号公報 特開2007−70414号公報 特開2004−67943号公報 特開平8−283794号公報 特開2001−31560号公報 特開平6−264096号公報 特開平3−6297号公報 特開平10−279995号公報 特開2006−188435号公報 特開平8−27489号公報 特開2000−309795号公報 特開2006−206807号公報
本発明の目的は、泡立ち、泡質、使用感、溶解性および保存安定性に優れ、そして生産性に優れた石鹸組成物を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、特定のポリアルキレングリコール誘導体、脂肪酸アルカリ金属塩、グリセリンおよび水を特定の比率で組み合わせることにより、目的とする石鹸組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の石鹸組成物は、ポリアルキレングリコール誘導体(a)、脂肪酸アルカリ金属塩(b)、グリセリン(c)および水(d)からなる石鹸組成物であって、該ポリアルキレングリコール誘導体(a)が、式(I)で示される化合物:
O−(CHCHCHCHO)−R (I)
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数12〜20のアシル基であり、そしてnはオキシテトラメチレン基の平均付加モル数であって、3〜30の値である)であり、該化合物のエステル化率が0.55〜0.95であり、そして該石鹸組成物が、該ポリアルキレングリコール誘導体(a)を0.01〜20質量%、該脂肪酸アルカリ金属塩(b)を40〜99質量%、該グリセリン(c)を0.01〜20質量%および該水(d)を0.01〜20質量%の割合で含む。なお、オキシテトラメチレン基とは、式中、−CHCHCHCHO−で表される基をいう。
本発明の石鹸組成物は、泡立ち、泡質、使用感、溶解性および保存安定性に優れ、そして生産性に優れている。
本発明の石鹸組成物は、以下のポリアルキレングリコール誘導体(a)(以下、a成分という場合がある)、脂肪酸アルカリ金属塩(b)(以下、b成分という場合がある)、グリセリン(c)(以下、c成分という場合がある)および水(d)(以下、d成分という場合がある)からなり、必要に応じて添加剤などが添加される。以下、これらについて順次説明する。
(ポリアルキレングリコール誘導体(a))
本発明の石鹸組成物に用いられるポリアルキレングリコール誘導体(a)は、式(I)で示される化合物である。式(I)において、RとRとは同一であっても異なっていてもよく、RおよびRはそれぞれ水素原子または炭素数12〜20のアシル基であり、好ましくはそれぞれ水素原子または炭素数14〜18のアシル基であり、より好ましくはそれぞれ水素原子または炭素数16のアシル基である。アシル基の炭素数が12未満の場合は、泡立ちおよび溶け崩れによる保存安定性が悪くなる。炭素数が20を超える場合は、泡質、ひび割れによる保存安定性およびしっとり感が悪くなる。
アシル基が由来する脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸、およびヒドロキシル基置換脂肪酸が挙げられるが、しっとり感が得られる点で飽和脂肪酸がより好ましい。
脂肪酸としては、ラウリン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ヒドロキシステアリン酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上を同時に用いてもよい。好ましくはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸であり、より好ましくはパルミチン酸である。
式(I)で示される化合物には、RおよびRの両方が水素原子である化合物、RおよびRの一方が水素原子であり、かつ他方が炭素数12〜20のアシル基である化合物、ならびにRおよびRの両方が炭素数12〜20のアシル基である化合物が含まれる。
式(I)で示される化合物において、RおよびRに占める炭素数12〜20のアシル基の割合をエステル化率という。エステル化率は、以下の式により求められる。
エステル化率=[エステル化物のエステル価(EV)/(エステル化物のEV+エステル化物の水酸基価(OHV))]
式(I)で示される化合物のエステル化率は0.55〜0.95であり、好ましくは0.65〜0.85、より好ましくは0.70〜0.80である。エステル化率が0.55未満の場合は、泡立ちおよびさっぱり感が悪くなり、石鹸の製造工程では、型離れの悪化などにより、生産性および歩留まりの低下を招く。エステル化率が0.95を超える場合は、しっとり感が悪くなる。
式(I)において、オキシテトラメチレン基の平均付加モル数であるnの値は3〜30の値であり、好ましくは4〜20の値であり、より好ましくは6〜12の値である。オキシテトラメチレン基は、クリーミーな泡質としっとり感を得るための必須成分であり、nの値が小さい場合は、RおよびRのアシル基の炭素数が少ない方が好ましく、nの値が大きい場合は、RおよびRのアシル基の炭素数が多い方が好ましい。nの値が3未満の場合は、泡質および使用感が悪くなる。nの値が30を超える場合は、式(I)で示される化合物の原料となるポリテトラメチレングリコールを工業的に入手することが困難となる。
ポリアルキレングリコール誘導体(a)は、当業者が通常用いる方法で製造することができる。例えば、ポリテトラメチレングリコールと脂肪酸とのエステル化反応や、脂肪酸エステルとのエステル交換反応で得ることができる。
(脂肪酸アルカリ金属塩(b))
本発明の石鹸組成物に用いられる脂肪酸アルカリ金属塩(b)は、当業者が通常石鹸に用いる脂肪酸アルカリ金属塩である。脂肪酸アルカリ金属塩(b)は、当業者が通常用いる方法で製造される。製造方法としては、例えば、油脂けん化法、脂肪酸中和法、メチルエステルけん化法などが挙げられ、製造時に使用する装置も連続式およびバッチ式のいずれでもよい。脂肪酸アルカリ金属塩を製造するために用いられる油脂、脂肪酸および脂肪酸の低級アルキルエステルとしては、当業者が通常石鹸の製造に用いる油脂などが挙げられる。例えば、ヤシ油、パーム油、パーム核油、オリーブ油、コーン油、ヒマワリ油、大豆油、ナタネ油、キャノーラ油、ヒマシ油、牛脂、豚脂、馬油、羊脂、またはこれらの油脂の硬化油、半硬化油などの油脂;これらの油脂を構成する脂肪酸;これらの脂肪酸のメチルエステル、エチルエステルなどの脂肪酸の低級アルキルエステル;およびこれらの混合物が挙げられる。
これらの油脂などから石鹸を調製するためのアルカリ剤は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物が好ましい。
さらに、石鹸組成物には、脂肪酸アルカリ金属塩と脂肪酸とを並存させることが一般的である。本発明においては、脂肪酸アルカリ金属塩を調製した後に脂肪酸を添加してもよいし、上記油脂と上記アルカリ剤とを反応させるときに、アルカリ剤の添加量を少なくして未反応の遊離脂肪酸を残存させてもよい。
(グリセリン(c))
本発明の石鹸組成物に用いられるグリセリン(c)は、精製されたグリセリンまたは油脂およびグリセリン誘導体に由来する未精製のグリセリンのいずれを用いてもよい。グリセリンを添加することによって、a成分とグリセリンとの相乗効果により、しっとり感が得られる。
(水(d))
本発明の石鹸組成物に用いられる水(c)は、例えば、含まれる水分を除去(例えば、加熱による蒸発)するか、または別途水分を添加して水分量を規定の範囲内となるように調節してもよい。これらの中で、水分を除去(例えば、加熱による蒸発)して水分量を調節する方が好ましい。
(石鹸組成物)
本発明の石鹸組成物は、上述のように、ポリアルキレングリコール誘導体(a成分)、脂肪酸アルカリ金属塩(b成分)、グリセリン(c成分)および水(d成分)を特定の割合で含み、必要に応じて添加剤などが添加される。
a成分は、石鹸組成物に0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜8質量%の割合で含有される。0.01質量%未満の場合は、泡質、使用感および溶解性が悪くなり、さらに生産性に悪影響を及ぼす。20質量%を超える場合は、泡立ちが悪くなる。a成分は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
b成分は、石鹸組成物に40〜99質量%、好ましくは60〜90質量%の割合で含有される。40質量%未満の場合は、泡立ちが悪くなる。99質量%を超える場合は、しっとり感および溶解性が悪くなる。b成分は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
c成分は、石鹸組成物に0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%の割合で含有される。a成分との併用により、特にしっとり感がc成分単独よりも良好である。0.01質量%未満の場合は、しっとり感が悪くなり、石鹸素地のまとまりが低下することにより、生産性および歩留まりの低下を招く。さらに、a成分との相乗効果も得られない。20質量%を超える場合は、しっとり感は得られるが、石鹸素地の粘度の増加、固形性の低下、特定環境におけるグリセリンのしみ出しによる汗かき現象などにより、生産性および歩留まりの低下を招く。
d成分は、石鹸組成物に0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜18質量%の割合で含有される。0.01質量%未満の場合は、固形化するときの成型性が低下し、生産性の低下や崩壊および粉立ちの問題を招く。20質量%を超える場合は、石鹸素地の粘度の増加、ふやけ、固形性の低下、製造工程でのブロッキング、型離れの悪化などにより、生産性および歩留まりの低下を招く。
さらに本発明の石鹸組成物は、石鹸に通常使用される添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲で添加してもよい。
本発明の石鹸組成物は、固形石鹸の形態としてもよく、粉砕工程および乾燥工程を経て粉末石鹸の形態としてもよい。また、公知の透明化剤を、公知の処方または条件とともに用いて透明石鹸としてもよい。さらに、本発明の石鹸組成物は、身体用および洗顔用にすることができる。
次に実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。
(合成例1)ポリテトラメチレングリコール(8.6モル)のパルミチン酸エステル(化合物1)の合成
ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学工業株式会社製PTG650、n=8.6、水酸基価=180.3)622gとパルミチン酸(日油株式会社製NAA−160)385gとを200℃にて10時間反応させ、ポリテトラメチレングリコールのパルミチン酸エステル(化合物1)958gを得た。エステル価は85.2、水酸基価は28.4であることから、エステル化率は0.75であった。化合物1のnの値、合成に用いた脂肪酸、およびエステル化率を以下の表1に示す。
(合成例2)ポリテトラメチレングリコール(11.6モル)のステアリン酸エステル(化合物2)の合成
合成例1と同様にして、化合物2を合成した。化合物2のnの値、合成に用いた脂肪酸、およびエステル化率を以下の表1に示す。
(合成例3)ポリテトラメチレングリコール(3.2モル)のミリスチン酸エステル(化合物3)の合成
合成例1と同様にして、化合物3を合成した。化合物3のnの値、合成に用いた脂肪酸、およびエステル化率を以下の表1に示す。
(比較合成例1)ポリテトラメチレングリコール(8.6モル)の酢酸エステル(化合物4)の合成
脂肪酸として、式(I)のRおよびRのアシル基の炭素数が12未満の脂肪酸(酢酸)を用いた以外は、合成例1と同様にして、化合物4を合成した。化合物4のnの値、合成に用いた脂肪酸、およびエステル化率を以下の表1に示す。
(比較合成例2)ポリテトラメチレングリコール(8.6モル)のベヘニン酸エステル(化合物5)の合成
脂肪酸として、式(I)のRおよびRのアシル基の炭素数が20を超える脂肪酸(ベヘニン酸)を用いた以外は、合成例1と同様にして、化合物5を合成した。化合物5のnの値、合成に用いた脂肪酸、およびエステル化率を以下の表1に示す。
(エステル化率の算定)
エステル化率を以下の式で算定した。
エステル化率=[エステル化物のエステル価(EV)/(エステル化物のEV+エステル化物の水酸基価(OHV))]
(水酸基価(OHV)の測定)
水酸基価(OHV)をJIS K−1557 6.4に基づき測定した。
(エステル価(EV)の測定)
エステル価(EV)をJIS K−0070 3.1およびJIS K−0070 4.1に基づき測定した。
Figure 0005272680
(実施例1)
5L双腕式混練機(入江商会株式会社製PNV−5型)を用いてパーム油硬化脂肪酸(日油株式会社製「P44HD」)700gおよびヤシ油脂肪酸(日油株式会社製「ヤシ脂肪酸」)300gを70℃で溶解した。次いで、28質量%水酸化ナトリウム水溶液(キシダ化学株式会社製「試薬特級水酸化ナトリウム」に蒸留水を加え28質量%とした)を、上記の脂肪酸混合物と等モルとなるように用いて中和した。中和点の確認は、フェノールフタレイン指示液による微紅色の確認で行った。次いで、ヤシ油脂肪酸を、上記中和混合物に対して2質量%添加して過脂肪酸とした。このようにして得られた生成物(ニートソープ)に、合成例1で調製したポリアルキレングリコール誘導体(化合物1)およびグリセリン(日油株式会社製、「RG−S」)を、以下の表2に示す割合となるように添加した。次いで、水分量が10質量%になるまで加熱しながら攪拌し、乾燥して石鹸素地を得た。この石鹸素地を型打機により型打ちし、固形石鹸を得た。
(水分量)
JIS−K3304に基づき乾燥減量を測定した。
得られた石鹸について、(1)泡立ち、(2)泡質、(3)使用感、(4)溶解性、(5)保湿性および(6)生産性の評価を以下の方法で行った。
(1)泡立ち
10名の女性(10代〜30代)をパネラーとして、得られた石鹸を手に取って泡立ててもらった。泡立てたときの泡立ちについて、以下の基準で判定してもらった。
2点:泡が速やかに立ち、泡立ちが良好であると感じた場合。
1点:泡が立つまで若干時間を要すると感じた場合。
0点:泡が立つまで非常に時間を要し、泡立ちが悪いと感じた場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
○:合計点が14〜20点(泡立ちが良好な石鹸)
△:合計点が7〜13点(泡立ちが普通である石鹸)
×:合計点が0〜6点(泡立ちが悪い石鹸)
(2)泡質
10名の女性(10代〜30代)をパネラーとして、得られた石鹸を手に取って泡立ててもらった。泡立てたときの泡質について、以下の基準で判定してもらった。
2点:非常にクリーミーな泡質であると感じた場合。
1点:少しクリーミーではあるが、よりクリーミーであることが望ましいと感じた場合。
0点:クリーミーではないと感じた場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
○:14〜20点(泡質がクリーミーな石鹸)
△:7〜13点(泡質が普通である石鹸)
×:0〜6点(泡質が悪い石鹸)
(3)使用感
10名の女性(10代〜30代)をパネラーとして、得られた石鹸を使用してもらった。使用感について、以下の基準で判定してもらった。
2点:つっぱり感およびぬめり感を感じず、良好な洗い上がりである(しっとり感およびさっぱり感がある)と感じた場合。
1点:わずかにつっぱり感およびぬめり感を感じた場合。
0点:強いつっぱり感およびぬめり感を感じた場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
○:14〜20点(使用感が良好な石鹸)
△:7〜13点(使用感が普通である石鹸)
×:0〜 6点(使用感が悪い石鹸)
(4)溶解性
10名の女性(10代〜30代)をパネラーとして、得られた石鹸を手に取って溶かしてもらった。溶かしたときの溶解性について、以下の基準で判定してもらった。
2点:容易に溶解することができ、溶け残りがない場合。
1点:時間をかければすべて溶解し、溶け残りがない場合。
0点:溶けにくく、時間をかけても溶け残りがある場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
○:14〜20点(溶解性が良好な石鹸)
△:7〜13点(溶解性が普通である石鹸)
×:0〜6点(溶解性が悪い石鹸)
(5)保存安定性
得られた石鹸に針金を通して、石鹸全体を針金で吊り下げながら約20℃の水中に90分間浸漬した。次いで、石鹸を取り出し、針金で吊り下げたまま20℃恒温槽にて一昼夜放置して乾燥させた。乾燥させた石鹸の表面のひび割れを観察し、保存安定性について、以下の基準で判定した。
○点:全くひび割れがない。
△点:浅いまたは小さいひび割れがある。
×点:深いまたは大きいひび割れがある。
(6)生産性
石鹸素地を押出機および型打機を用いて成型したときの成型のし易さ(生産性)について、以下の基準で判定した。
○:ひび、割れおよび型離れに問題がなく、生産性が良好である。
△:ひび、割れおよび型離れにやや問題があり、生産性にわずかに影響を及ぼす。
×:ひび、割れおよび型離れに問題があり、生産性に悪影響を及ぼす。
結果を以下の表2に示す。
(実施例2および3)
実施例1と同様にして、表2に示す各成分を表2に示す割合で配合した。得られた固形石鹸について、実施例1と同様にして、上記(1)〜(6)の評価を行った。結果を以下の表2に示す。
(比較例1および2)
本発明に用いられるポリアルキレングリコール誘導体とは異なる比較合成例1および2で調製したポリアルキレングリコール誘導体(化合物4および5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、表2に示す各成分を表2に示す割合で配合した。得られた固形石鹸について、実施例1と同様にして、上記(1)〜(6)の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005272680
実施例1〜3の石鹸組成物(固形石鹸)は、泡立ち、泡質、使用感、溶解性および保存安定性に優れ、そして生産性に優れていた。
一方、比較例1および2の石鹸組成物では、十分な効果が得られなかった。比較例1では、式(I)のRおよびRのアシル基が炭素数12未満の酢酸に由来するため、泡立ち、使用感および保存安定性(溶け崩れ)が悪く、泡質もよいとはいえなかった。比較例2では、式(I)のRおよびRのアシル基が炭素数20を超えるベヘニン酸に由来するため、泡質、使用感、溶解性および保存安定性(ひび割れ)が悪く、泡立ちおよび生産性もよいとはいえなかった。
本発明の石鹸組成物は、泡立ち、泡質、使用感、溶解性および保存安定性に優れ、そして生産性に優れているため、固形石鹸などに利用できる。

Claims (1)

  1. ポリアルキレングリコール誘導体(a)、脂肪酸アルカリ金属塩(b)、グリセリン(c)および水(d)からなる石鹸組成物であって、
    該ポリアルキレングリコール誘導体(a)が、式(I)で示される化合物:
    O−(CHCHCHCHO)−R (I)
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数12〜20のアシル基であり、そしてnはオキシテトラメチレン基の平均付加モル数であって、3〜30の値である)であり、該化合物のエステル化率が0.55〜0.95であり、そして
    該石鹸組成物が、該ポリアルキレングリコール誘導体(a)を0.01〜20質量%、該脂肪酸アルカリ金属塩(b)を40〜99質量%、該グリセリン(c)を0.01〜20質量%および該水(d)を0.01〜20質量%の割合で含む、石鹸組成物。
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