JP5270048B1 - 土壌除染装置 - Google Patents

土壌除染装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5270048B1
JP5270048B1 JP2013024195A JP2013024195A JP5270048B1 JP 5270048 B1 JP5270048 B1 JP 5270048B1 JP 2013024195 A JP2013024195 A JP 2013024195A JP 2013024195 A JP2013024195 A JP 2013024195A JP 5270048 B1 JP5270048 B1 JP 5270048B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
particles
solid
liquid separation
purified water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013024195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014153240A (ja
Inventor
充典 小林
Original Assignee
株式会社日立機械
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社日立機械 filed Critical 株式会社日立機械
Priority to JP2013024195A priority Critical patent/JP5270048B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5270048B1 publication Critical patent/JP5270048B1/ja
Publication of JP2014153240A publication Critical patent/JP2014153240A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

【課題】 放射性物質で汚染された地域の土壌をその地域に移動して、溶脱剤のような化学物質を用いることなく除染し得、かつその全ての処理を連続処理で実行すること。
【解決手段】自動車Aの荷台に設置した土壌除染装置であり、除染対象の土壌を懸濁液化するスラリー作成手段2と、その懸濁液を受け取り一定以上のサイズの土壌粒子とそれを下回る土壌微粒子とに分離し、土壌微粒子をこれを分散する水と共に受け取り用タンク3に流下させる第1固液分離手段4と、これから受け取った土壌粒子の表層を研磨して、若干小さくなった土壌粒子と研磨離脱された土壌微粒子とを形成する表層研磨手段5と、これから受け取った土壌粒子と土壌微粒子とを分離し、土壌微粒子を浄水への懸濁状態で受け取り用タンク3に流下させ、土壌粒子は除染済み土壌として排出する第2固液分離手段7と、土壌微粒子の懸濁液を処理する固液分離装置10及びフィルタ手段13からなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セシウム137やセシウム134等の放射性物質で汚染された土壌を除染する土壌除染装置、特に汚染地域に移動して汚染土壌の除染処理を行うことができる土壌除染装置に関する。
放射性物質で汚染された土壌は、特にそれが人の利用に供される領域のそれであれば、人の健康に害を与えないレベルにまで除染するべきである。
例えば、2011年3月の原発の事故で放出された放射性物質は、風に乗る等により広い範囲に飛散し、広い範囲の土壌等を放射性物質で汚染することになった。多くの放射性物質が放出されたが、特に量が多く、かつ半減期の長いセシウム137の残存量が多いと思われる。セシウム134もセシウム137と同程度の量が放出されたようであるが、半減期が約2年と短いので、かなり減少しつつあると思われる。この原発事故に関しては、現時点では、これらのセシウムによる汚染が多くを占めていると思われる。これ以外の種々の理由で土壌が放射性物質で汚染されることもあり、その場合には、セシウムによる汚染とは限らない。いずれにしても、これらの汚染土壌は適切に除染されるべきである。
このような放射性物質で汚染された土壌の除染に関しては、汚染領域の表土を一定の厚さで剥ぎ取るだけの除染方法が提案され、報道されてもいる。このような除染方法では剥ぎ取った土壌の処理については、その上下を入れ替えて同じ場所に戻す天地替えとか、単に別の場所に運んで保管するといった処理方法の他には特に優れた方法が提案又は実行されていない。すなわち、このような除染方法では、特に放射性物質を多量に含む表土を単に剥ぎ取るだけであるから、剥ぎ取った土壌の量はきわめて多く、その隔離保管を行う場所を探すことが容易でないのが普通である。それ故、特に広い範囲の除染には全く適さない、というべきである。
特許文献1は、土壌表層部の汚染除去方法であり、これは、汚染物質により汚染された土壌の表層部を固定し、固定された表層部の土壌をその下層の土壌から剥ぎ取る土壌表層部の汚染除去方法である。土壌の表層部の固定は、その土壌に芝草のような植物を栽培することによって行う例だけが示されており、それ以外の方法は想定されていないものと思われる。
この特許文献1の土壌表層部の汚染除去方法によれば、所定の厚さの表土の剥ぎ取りが確実に行えるとか、剥ぎ取りの際の乾燥した土壌粒子の飛散を少なくすることができるとか、地中深くへの汚染物質の拡散を抑制できるとかの利点があることが主張されているが、いずれにしても、先の一定の厚さの表土の剥ぎ取り例と同様に、対象領域の表層土壌を剥ぎ取るだけのものであり、剥ぎ取った植物に絡んだ土壌の処理が次の問題である。これを隔離保管する必要があるが、そのような場所が容易に得られないことは明らかである。前記一定厚さの表土の剥ぎ取り例と同様な問題がある。
特許文献2は、汚染粒状物質の処理方法及び装置であり、この方法は、重金属、放射性物質、有機物のうち一つ又は組み合わせ状態で汚染された粒状物質を、溶脱用溶液と界面活性剤とこれらの混合物とからなる群から選択された汚染物質流動化溶液で洗浄し、それにより可溶性かつ分散性の汚染物質を汚染物質流動化溶液の液相状態で流動化する段階を含む粒状物質処理方法において、実質的に残留汚染のない同一サイズの大径の粒子を、中程度サイズの粒子、微粒子及び汚染物質流動化溶液から機械的に分離する段階と、分離した大径粒子を、水が主成分の洗浄溶液で洗浄し、それにより回収されるべき粒状物質を得る段階と、汚染物質流動化溶液の向流により中程度サイズの粒子から微粒子をサイズの差に従って分離して廃棄スラリーを生じさせる段階と、汚染物質流動化溶液の向流により微粒子を除去した状態の中程度サイズの粒子をアトリション研磨し、それにより中程度サイズの粒子から付着状態の微粒子を脱落させる段階と、脱落した微粒子を洗浄水の向流により中程度サイズの粒子からサイズの差に従って分離して、廃棄スラリー及び中程度サイズの粒子と洗浄水からなる流出液を追加的に生じさせる段階と、中程度サイズの粒子と洗浄水からなる流出液を脱水して、回収されるべき粒状物質を得る段階とを有する汚染粒状物質処理方法である。
またこの装置は、重金属、放射性物質、有機物のうち一つ又は組み合わせ状態で汚染された粒状物質を処理する装置において、粒状物質を溶脱用溶液と界面活性剤とこれらの混合物とからなる群から選択された汚染物質流動化溶液で洗浄し、実質的に残留汚染のない同一サイズの大径の粒子を、中程度サイズの粒子、微粒子及び汚染物質流動化溶液から機械的に分離し、分離した大径粒子を水で洗浄して回収されるべき粒状物質を得るためのサイズ・セパレータと、微粒子を汚染物質流動化溶液の向流により中程度サイズの粒子からサイズの差に従って分離して廃棄スラリーを生じさせる第1の鉱物ジグと、汚染物質流動化溶液の向流により微粒子を除去した状態の中程度サイズの粒子を研磨し、それにより付着状態の微粒子を中程度サイズの粒子から脱落させるアトリション・スクラバーと、脱落した微粒子を洗浄水の向流により中程度サイズの粒子からサイズの差に従って分離して、廃棄スラリーと中程度サイズの粒子及び洗浄水からなる流出液を追加的に生じさせる第2の鉱物ジグと、中程度サイズの粒子及び洗浄水からなる流出液を脱水して、回収されるべき粒状物質を得るクラリファイヤーを有する汚染粒状物質処理装置である。
従ってこの特許文献2の汚染粒状物質の処理方法及び装置によれば、土壌を回転ドラム又は振動スクリーン等のサイズセパレータで分類した上で、汚染物質流動化溶液で洗浄し、5mm以上の土壌粒子については、別に供給されている水でリンスし、残留汚染の有無を検査した上で、無ければ該土壌を掘り出した現場に戻し、他方、これより粒径の小さい土壌粒子は汚染物質流動化溶液で流動化された状態で次の段階に送り出される。以上の汚染物質流動化溶液としては、対象の土壌が、放射性物質で汚染されているものである場合には、これを溶脱する溶脱剤を用いるものであり、該溶脱剤としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸又は次亜塩素酸ナトリウム等を用いるものとされている。これらの溶脱剤は、このような大量の土壌の処理に用いるものであり、大量に要する。それ故、処理コストの上昇を招く結果となっている。またこれらの溶脱剤は、水分から除去する必要があり、溶脱作用を果たしたものも、そうでないものも後には除去する必要がある。
5mm以下の土壌粒子は次の段階で第1の鉱物ジグで処理され、60ミクロン以下の土壌粒子とそれより大サイズの5mm〜60ミクロンの土壌粒子とが分離され、後者の大サイズの土壌粒子はアトリション・スクラバーで研磨され、表面の微粒子が脱落させられた上で、更に第2の鉱物ジグで処理され、60ミクロン以下の土壌粒子とそれより大サイズの土壌粒子とに分離される。以上の60ミクロン以下の土壌粒子は、汚染物質流動化溶液中に分散したスラリーとなっており、いずれも沈澱設備へ送り込まれ、沈澱剤を加えて沈澱させられる。これらの土壌粒子は、有機物及び重金属で強く汚染されており、それらが沈澱することになるとされており、第1及び第2の鉱物ジグを用いる工程は、これらの汚染物質を除去するための工程であることが明らかである。
大サイズの土壌粒子は、十字流モードで作動する第3の鉱物ジグで処理され、密度の大きな重金属を含む廃棄固形粒子が取り出され、それ以外の土壌粒子は、脱水装置であるクラリファイヤで脱水され、乾燥パッドで乾燥されることになる。分離された廃棄固形粒子は処分され、乾燥された土壌粒子は、清浄度の検査を受けて、問題が無ければ、掘り出し現場に戻される。
この特許文献2の汚染粒状物質の処理方法及び装置によれば、放射性物質及び重金属等が混合状態となって汚染している土壌の汚染物質を除去することを目的とし、そのように作用するものであり、放射性物質の除去は、その工程の最初の段階で、サイズセパレータにおいて、汚染物質流動化溶液を構成する溶脱剤で土壌に含まれる放射性物質を溶脱除去することで行われる。その後の段階では、鉱物ジグその他では、重金属等の除去を目的とし、その通りに行われるものであるということができる。前記のように、放射性物質を溶脱する溶脱剤は、その使用により除染コストの上昇の結果を導き、更にその除去が必要になるものでもある。
また特許文献2の汚染粒状物質の処理方法及び装置は、いずれかの場所に設置して用いられるものであって、移動可能なものではない。それ故、除染対象の土壌はトラック等の運搬手段で設置した場所に持ち込んで処理し、再度持ち帰るというような厄介な作業を必要とするものでもある。
特許文献3は、粒状物からの金属、放射性汚染要因物等の除去方法であり、これは、金属、金属化合物、及び/又は放射性汚染要因物を、デブリ、微粒子フラクション及び大径粒子フラクションを含む粒状物から除去する方法において、粒状物を供給する段階(a)と、粒状物をふるい分ける段階(b)と、段階(b)からの粒状物と液体を結合させてスラリーを形成し、該スラリーを洗い落として大径粒子の表面から微粒子を脱落させる段階(c)と、スラリー中の段階(c)の大径粒子から段階(c)の微粒子を向流状態の液体によって分粒し、それにより微粒子を廃棄スラリーの一部として前記向流状態の液体で運ぶ段階(d)と、段階(d)で得た微粒子から植物片又はデブリを除去して汚染微粒子流を生じさせる段階(e)と、密度分離器、常磁性分離器又はこれらの組み合わせを用いて、段階(e)の微粒子と金属化合物、及び/又は放射性汚染要因物とを分離する段階(f)とを有する方法である。
この特許文献3の金属、放射性汚染要因物等の除去方法は、特許文献2の汚染粒状物質の処理方法及び装置と同様に、放射性物質のみではなく、重金属その他による複合汚染に係る粒状物の除染方法である。(a)の段階で供給され、(b)の段階でふるい分けられた大径粒子は検査した上で、プロセス外に排出される。(b)の段階で残ったより小さいサイズの粒状物は汚染要因物流動化溶液が加えられて中程度の粒子からこれに付着していた微粒子が洗い落とされる。この汚染要因物流動化溶液としては、可溶性放射性化合物を溶脱するために、特許文献2と同様に、炭酸カリウム等の溶出溶液を用いる。この段階で放射性汚染要因物を溶脱し、後の工程で分離除去されるものである。この後の工程は、比重の差等を利用して重金属等の汚染物質若しくは植物片等を除去する工程である。
この特許文献3の金属、放射性汚染要因物等の除去方法は、特許文献2と同様に溶脱剤を用いて放射性物質を除去する方法であり、後にその除去を行うことが必要になるし、そのような化学物質を用いるためのコスト上昇の問題もある。さらには、この方法を実施する装置類は、移動手段を持つものではないので、土壌の除染のためには、汚染地域から土壌を装置類の設置してある場所まで運ぶ必要があるという問題もある。
特開2012−223698号公報 特開平06−343948号公報 特開平07−185513号公報
本発明は、放射性物質で汚染された地域の土壌をその地域に移動して高いレベルで除染し、除染後の土壌をその地域に戻し、除去した高濃度の少量の放射線汚染物のみの隔離処分を行うこととする土壌除染装置を提供することを解決の課題とする。加えて土壌からの放射性物質の除去を溶脱剤のような化学物質を使用することなく、経済的に、かつ隔離処分すべき汚染物を増加させることなく、更に全ての処理段階を連続処理で能率的に実行することができる土壌除染装置を提供することを解決の課題とする。
本発明の1は、自動車の荷台に設置した土壌除染装置であって、
除染対象の土壌に浄水を添加して放射性物質で汚染された汚染土壌の分散した懸濁液を作成するスラリー作成手段と、
前記スラリー作成手段から懸濁液を受け取ってその懸濁液に更に浄水を噴射添加しながら、要除染レベル以上の放射性物質を中心まで含有するサイズを越える一定サイズ以上の土壌粒子とそれを下回るサイズの土壌微粒子とを分離し、該土壌微粒子及びこれが分散する水を下方の受け取り用タンクに流下させる第1固液分離手段と、
前記第1固液分離手段から前記一定サイズ以上の土壌粒子を受け取り、該土壌粒子に浄水を添加して流動移動させつつ撹拌し、土壌粒子相互の表面が擦れ合うようにして、該土壌粒子の表層を研磨する表層研磨手段と、
前記表層研磨手段から表層を研磨された土壌粒子、研磨により生じた土壌微粒子及びこれらを分散する水を受け取り、これらに更に浄水を噴射添加しながら、該浄水に分散懸濁した前記土壌微粒子と前記土壌粒子とを分離し、該土壌微粒子を分散した懸濁液のみを下方の受け取り用タンクに流下させ、該土壌粒子を除染済み土壌として外部に排出する第2固液分離手段と、
前記第1固液分離手段及び前記第2固液分離手段から分離して流下される土壌微粒子が分散した懸濁液を受け取る、該第1固液分離手段及び該第2固液分離手段の下方に配置する前記受け取り用タンクと、
前記受け取り用タンクが受け取った土壌微粒子の懸濁液を受け取り、該懸濁液から水とこれに分散している土壌微粒子とを分離する固液分離装置と、
前記固液分離装置で前記懸濁液の水から分離して除去された土壌微粒子を外部に排出する汚染土排出手段と、
前記固液分離装置により前記懸濁液の土壌微粒子から分離して排出される水から残留する除染対象の土壌由来の成分を除去するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段で残留する土壌由来の成分が除去された水を浄水として受け取って保管し、浄水を必要とする各部にその浄水を供給する浄水タンクと、
で構成し、
かつ以上のスラリー作成手段、第1固液分離手段、表層研磨手段、第2固液分離手段、固液分離装置、汚染土排出手段及びフィルタ手段について、各々それらの行う処理を連続処理で行うように構成した土壌除染装置である。
また以上の本発明の1の土壌除染装置においては、前記スラリー作成手段を、
除染対象の土壌を連続的に受け入れるためのホッパーであって、その受け入れ口に、受け入れる土壌に浄水を随伴させるための浄水導入手段を配したホッパーと、
前記ホッパーの下端にその軸方向に直交する向きで後部周側を連通させた管体と、
前記管体の後端に、その軸心に沿って後端から前端に向かって圧力水を噴射させるべく配したノズルと、
前記管体の前端に、該前端との間に周方向に開く排出口を構成すべく一定の隙間をあけて配した衝突板であって、該管体の軸方向に直交する平面内に配した衝突板と、
で構成することができる。
本発明の2は、本発明の1の土壌除染装置において、
前記第1固液分離手段又は第2固液分離手段を、
前記土壌の分散した水を入口端で受け入れ、該入口端の反対側の出口端で網の目開きより大サイズの土壌粒子を排出する、該入口端から出口端に向かって下向傾斜する網製円筒体と、
前記網製円筒体をその軸心を中心として回転自在に支持する支持手段と、
前記網製円筒体をその軸心を中心として回転駆動する回転駆動手段と、
前記網製円筒体の外部にその長さ方向に平行に配した管状の供給手段本体及び該供給手段本体に配した複数のノズルからなり、該網製円筒体内にその網目を通じて浄水を供給すべく、該ノズルから該網製円筒体に向かって浄水を噴射供給する浄水供給手段と、
で構成したものである。
本発明の3は、本発明の1又は2の土壌除染装置において、
前記表層研磨手段を、
前記第1固液分離手段で分離された土壌粒子を入口端で浄水とともに受け入れ、該入口端の反対側の出口端で研磨済みの土壌粒子及び土壌微粒子を排出する、該入口端から出口端に向かって下向傾斜する円筒体と、
前記円筒体をその軸心を中心として回転自在に支持する支持手段と、
前記円筒体をその軸心を中心として回転駆動する回転駆動手段と、
前記円筒体の内部に該円筒体の軸心と軸心を一致させずかつ平行に配した、該円筒体と逆向に回転駆動する研磨用撹拌部材であって、該円筒体の内周を下降流動する土壌粒子を、該土壌粒子相互が相互の表層を擦れ合い研磨し合うように、撹拌動作するべく配した研磨用撹拌部材と、
で構成したものである。
従って本発明の1の土壌除染装置によれば、放射性物質で汚染された地域に移動して、その地域の汚染土壌を受け入れて除染し、除染完了後は、除染済みの土壌を元の場所に戻すことができる。除染済みの土壌の放射線量は、第1固液分離手段で分離除去し、懸濁液の状態で受け取り用タンクに流下させる土壌粒子のサイズを大きくすること及び表層研磨手段での土壌粒子表層の研磨の程度を大きくすることで除染率はより高くすることができる。すなわち、必要に応じて、以上のサイズ及び研磨の程度を適切に設定することで、所望の放射線量の除染率に調整することができる。除染完了後には、除染済みの土壌の他に、除染によって土壌から分離された放射性物質を含む凝集フロックが生じるが、この量は、前記第1固液分離手段で分離する基準となる前記土壌粒子のサイズ及び表層研磨手段で研磨する土壌粒子の表層の程度によって決まる。前者が大きく、後者の程度が大きければ大きいほど、すなわち、除染率を高くすればするほど、凝集フロックの量は多くなる。逆にすれば少なくなる。もっとも、十分な除染率を確保した上で、大抵の場合は、元の場所に戻すことができる除染済みの土壌と比較して少量なものとなる。また除染に使用する浄水は循環使用することができる。それ故、除染現場の水の有無にかかわらず、どこでもこの装置を運転することができる。
また本発明の1の土壌除染装置によれば、このように、放射性物質で汚染された地域に移動してその地の土壌の除染作業を行うことができるため、汚染土壌を運搬する必要が無い。それ故、汚染されていない地域を汚染土壌で汚染するような虞を無くすることができるし、費用の面でも優れたものとなる。
なお、本発明は、本件発明者の調査研究の結果得られた、土壌に含まれる放射性物質は土壌粒子の表面を含む表層にその多くが存在するという知見に基づき、かつ他方で、サイズの小さな土壌粒子ほど体積に比して表面積が大きいという事実を前提に、土壌を、土壌粒子のサイズで分け、放射性物質を含む割合の高い一定のサイズ以下の土壌微粒子を土壌から除去し、更にそれより大サイズの土壌粒子についても、放射性物質を含む割合の高いその表層を研磨除去することにより、高い除去率の放射性物質の除去を行えるものとしたものである。
従って本発明においては、これを設置した自動車で、処理対象の土壌の存在する地域まで移動してその地の土壌の除染動作を行う。所定地域に移動後は、初めに、当該地域の除染対象の土壌をスラリー作成手段に導入する。ここでは、土壌に浄水タンクから供給される浄水を噴射添加し、土壌粒子をその浄水中に分散させ、土壌粒子の懸濁液を作成する。この懸濁液を次段の第1固液分離手段に受け渡し、ここで一定サイズ以下の土壌微粒子をそれより大きなサイズの土壌粒子から分離除去する。この分離除去は種々の手段によって行い得るが、対応するサイズの目開きの網を用いてこれを通過する微粒子をこれを分散する水と共に下方の受け取り用タンクに流下させることができる。土壌を浄水に分散して懸濁液としてあるので、サイズの小さな土壌微粒子をそれより大きな土壌粒子から良好に分離できる。
残ったサイズの大きな土壌粒子は、前記表層研磨手段に受け渡され、その表層が研磨される。土壌粒子は、表層研磨手段中では、浄水タンクから供給される浄水が添加され、流動性を確保して流動しながら撹拌され、この撹拌によって土壌粒子相互が擦れ合うことになり、その各々の表層が相互に研磨されることになる。こうして若干小さくなった土壌粒子と、研磨で生じた土壌微粒子は浄水により流動性を維持した状態で次の第2固液分離手段に受け渡される。
該第2固液分離手段では、土壌粒子及び研磨で生じた土壌微粒子は、更に浄水タンクから供給される浄水が噴射添加されて懸濁液となり、ここで、該懸濁液中のサイズの大きな土壌粒子が残され、サイズの小さな土壌微粒子を分散した状態の懸濁液が分離され、下方の受け取り用タンクに流下することになる。この分離は、第1固液分離手段の場合と同様に、種々の手段で行いうるが、適切な目開きの網を用いて行うことができる。
第2固液分離手段に残った以上の大サイズの土壌粒子は、除染済み土壌として外部に排出されることになる。前記したように、放射性物質は土壌粒子の表層に多くが含まれており、それ故、表層を研磨除去すると、土壌粒子に含まれている放射性物質の大部分が除去される結果となる。また当初よりサイズの小さかった土壌微粒子は、体積に比して表面積が大きく、かつ中心方向の寸法が小さいので、その殆どの部位に多くの放射性物質が含まれていると見ることができ、これらのサイズの小さな土壌微粒子を除去することで、土壌中の放射性物質の残存量をきわめて少なくすることができる。
こうして、前記のように、第2固液分離手段に残った大サイズの土壌粒子は、残存放射性物質の量をきわめて少なくすることが可能になり、元の場所に戻しても差し支えないものとなる。前記のように、残存放射性物質の量は、前記第1固液分離手段で分離する基準となる前記土壌粒子のサイズ及び表層研磨手段で研磨する土壌粒子の表層の程度によって決まるものであり、所望の種々のレベルとすることができるが、8000Bq/kgより十分に低いレベルにすることは容易である。
他方、前記受け取り用タンクに流下した土壌微粒子の懸濁液は、固液分離装置に送給され、ここで固液分離されることになる。これは、公知の技術を含めた種々の分離手段を用いて行うことができる。例えば、前記懸濁液中に凝集剤を投入し、これによって土壌微粒子を凝集させ、生じた凝集フロックをこれを含む水から分離除去する等によって行うことができる。こうして、例えば、凝集フロックとして分離除去された土壌微粒子は、汚染土排出手段で装置の外部に排出する。なお、このような凝集フロックは、放射性物質を多く含む土壌微粒子と凝集剤からなるものであるから、隔離処理することになる。人手に触れずに自動的に処理できるようにすることが好ましい。
また前記固液分離装置で、前記懸濁液の土壌微粒子から分離して排出される水は、この後、フィルタ手段を通過させ、以上の過程で除去されずに残存している可能性のある微量の凝集フロックや処理対象土壌由来の色や臭い成分等の種々の成分を除去し、得れた水を浄水として前記浄水タンクに移送する。このフィルタ手段としては公知の手段を採用することができる。複数種のフィルタ類を組み合わせることで効果を高めることができる。例えば、ペーパーフィルタ、ゼオライトフィルタなどである。
こうして本発明の1の土壌除染装置によれば、前記した効果を得ることができる。
また本発明の1の土壌除染装置において、前記スラリー作成手段を前記のように構成することが可能であり、そのように構成した場合は、この装置が受け入れた除染対象の土壌を前記スラリー作成手段で良好に浄水に分散した懸濁液とすることができる。それ故、サイズの小さな土壌微粒子を前記第1固液分離手段でそれより大きなサイズの土壌粒子から確実に分離して懸濁液の状態で下方の受け取り用タンクに流下させることができる。すなわち、ホッパーに投入された除染対象の土壌は浄水を添加された状態で管体の後部に流下すると、後端のノズルから噴出される圧力水でその団粒状等の塊状態が粉砕され、添加随伴する浄水及び圧力水中に分散することになる。このような圧力水等への分散状態の土壌は、圧力水等とともに後端の衝突板に衝突して飛散し、更に良好な分散状態の懸濁液となって、後部周囲の排出口から排出されることになる。
従って本発明の1の土壌除染装置において、前記スラリー手段を前記のように構成した場合は、放射性物質を多量に含むサイズの小さな土壌微粒子を良好にそれより大きなサイズの土壌粒子から分離することが可能であり、土壌に対する除染動作を高いレベルで行うことができる。
本発明の2の土壌除染装置によれば、前記網製円筒体内に土壌粒子及び土壌微粒子の分散した水を受け入れると、該網製円筒体には外部から浄水が噴射導入されており、該土壌粒子等は、更にその噴射導入されつつある浄水で適切に分散懸濁させられ、回転する網製円筒体中を撹拌されながらその傾斜に従って流下し、そのうちの該網製円筒体の網目を通過する小サイズの土壌微粒子のみが水への懸濁状態でその網目を通じて下方の前記受け取り用タンク内に流下することになる。
前記のように、土壌粒子等は浄水への懸濁状態又は浄水による流動状態で網製円筒体に導入され、回転する網製円筒体の内部で撹拌状態になっているところに、更に外部から浄水が噴射導入されるため、その浄水中に良好に分散した懸濁液となる。本発明の3の土壌除染装置によれば、そのため、土壌の微粒子がそれより大サイズの土壌粒子と水中で確実に分離状態となり、該網状円筒体の網目を通じて水分とともに確実に流下可能になり、放射性物質の含有量の多い土壌微粒子を確実に他の大サイズの土壌粒子から分離して下方の受け取り用タンク内に流下させることができることになる。
本発明の3の土壌除染装置によれば、第1固液分離手段で分離された土壌粒子を浄水とともに円筒体に導入すると、浄水を含んだ該土壌粒子は、該円筒体中をその下降傾斜に従って流動下降しながら該円筒体の回転動作及び該円筒体内にその長さ方向に沿って配した研磨用撹拌部材の該円筒体とは逆向きの回転動作を受けて良好に撹拌され、土壌粒子相互がその表面相互で擦れ合い、土壌粒子相互の表層が適度に研磨されることになる。こうして、土壌粒子の放射性物質を高い割合で含有する表層が微粒子となって分離し、これによって該土壌粒子から放射性物質が除去されることになる。
一実施例の土壌除染装置を示す概略平面説明図。 一実施例の土壌除染装置を示す概略側面説明図。 (a)は一実施例の土壌除染装置のスラリー作成手段及び第1固液分離手段を示す側面図(第1固液分離手段は右下がりであるべきであるが、作図の都合上、水平に描いてある)、(b)は背面図。 (a)は一実施例の土壌除染装置のスラリー作成手段の一部切欠側面図、(b)は衝突板を取り除いた状態の正面、(c)は(a)の一分切欠拡大断面図。 (a)は一実施例の土壌除染装置の表層研磨手段(右下がりであるべきであるが作図の都合上、水平に描いてある)の側面図、(b)は側面断面図(右下がりであるべきであるが作図の都合上、水平に描いてある)。 一実施例の土壌除染装置の表層研磨手段の正面図。 (a)は一実施例の土壌除染装置の第2固液分離手段を示す側面図(右下がりであるべきであるが、作図の都合上、水平に描いてある)、(b)は正面図。 (a)は一実施例の土壌除染装置における固液分離装置の固液分離部を示す側面説明図(右下がりであるべきであるが、作図の都合上、水平に描いてある)、(b)は分離対象水の導入部末端を示す一分切欠側面図、(c)は正面図。
発明を実施するための形態を、実施例に基づき、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施例の土壌除染装置は、図1及び図2に示すように、自動車Aの荷台に設置した土壌除染装置であり、除染対象の土壌の受け入れ手段である折りたたみ式のベルトコンベア1と、該ベルトコンベア1から土壌を受け取って該土壌を懸濁液化するスラリー作成手段2と、該スラリー作成手段2で作成した土壌の懸濁液を受け取って、要除染レベルの放射性物質を中心まで含有するサイズを十分に越える一定以上のサイズ、この実施例では25μm以上のサイズの土壌粒子とそれ以下の土壌微粒子とを分離し、土壌微粒子を浄水に懸濁状態で下方に位置する受け取り用タンク3に流下する第1固液分離手段4と、該第1固液分離手段4で分離された一定以上のサイズの土壌粒子を次段の表層研磨手段5に移送する移送コンベア6と、前記第1固液分離手段4から該移送コンベヤ6を介して受け取った土壌粒子の表層を研磨して、若干小さくなった土壌粒子とその表層から研磨分離された微小サイズの土壌微粒子とを形成する前記表層研磨手段5と、該表層研磨手段5で研磨形成された土壌粒子と微小サイズの土壌微粒子とを次段の第2固液分離手段7に移送する移送コンベア8と、該移送コンベア8を介して前記表層研磨手段5から受け取った土壌粒子と微小サイズの土壌微粒子とを分離し、該土壌微粒子を浄水に懸濁状態で下方の前記受け取り用タンク3に流下させ、他方、土壌粒子を排出する第2固液分離手段7と、該第2固液分離手段7で分離された土壌粒子を除染済み土壌として外部に排出する排出コンベア18と、前記第1固液分離手段4及び前記第2固液分離手段7で分離して流下される土壌微粒子が分散した懸濁液を受け取る、該第1固液分離手段4及び該第2固液分離手段7の下方に位置する前記受け取り用タンク3と、前記受け取り用タンク3が受け取った土壌微粒子の懸濁液を移送ポンプ装置9及び配管を通じて受け取り、該懸濁液から水とこれに分散している土壌微粒子とを分離する固液分離装置10と、該固液分離装置10で前記懸濁液の水から分離して除去される土壌微粒子を外部に排出する汚染土排出手段である汚染土排出コンベア11と、前記固液分離装置10で前記懸濁液の土壌微粒子から分離して排出される水をポンプ装置12a及び配管12bを通じて受け取って該水に残留する土壌由来の色や臭い等の成分その他の成分を除去するフィルタ手段13と、該フィルタ手段13で残留土壌微粒子が除去された水をポンプ装置14a及び配管14bを通じて浄水として受け取って保管し、前記スラリー作成手段2、前記表層研磨手段5、第1固液分離手段4、第2固液分離手段7及び前記固液分離装置10にその浄水を供給する浄水タンク15と、で構成したものである。
この土壌除染装置は、特に図1及び図2に示すように、自動車Aの荷台に設置する。
前記折りたたみ式のベルトコンベア1は、図1及び図2に示すように、自動車Aの荷台の前部右側から外部に延長できるように構成したもので、これ自体は公知の構成である。折りたたみ式であり、除染対象の土壌のある地域の所定の場所に移動して除染動作を開始する前に、図1及び図2に示すように、展開することができるようになっている。この折りたたみ式のベルトコンベア1の内端は、前記スラリー作成手段2の土壌受け入れ用のホッパー2aの直上に位置するように配置する。長さは、その外端が、自動車Aの荷台側部の地上に届く状態で、緩やかな傾斜となる寸法である。
前記スラリー作成手段2は、図1及び図2に示すように、自動車Aの荷台の右側上部に配置する。その構成は、特に図4(a)〜(c)に示すように、除染対象の土壌を連続的に受け入れるためのホッパー2aと、該ホッパー2aの下端に後部を連結連通させた管体2bと、該管体2bの後端に配した圧力水噴射用のノズル2cと、該管体2bの前端に一定の間隔をあけて取り付けた衝突板2dとで構成したものである。
前記ホッパー2aは、図4(a)〜(c)に示すように、その上開きの土壌の受け入れ口に、その内面に沿って2本の浄水導入管(浄水導入手段)2a1、2a1を180度の角度間隔で配する。これらの浄水導入管2a1、2a1は、前記浄水タンク15に対応する配管及び浄水送り出し用のポンプ装置16を介して接続しており、該ポンプ装置16によって、装置の動作中は常時浄水が送り込まれるようになっている。
該ホッパー2aの下端は、前記し、図4(a)〜(c)に示すように、前記管体2bの後部周側に接続している。該ホッパー2aの下端と該管体2bの後部とは、相互の軸心が直交する状態で連結し、ホッパー2aに投入された土壌が浄水導入管2a1、2a1を介して導入された浄水に随伴されて該管体2bの後部に流下するようになっている。
前記ノズル2cは、前記し、図4(b)、(c)に示すように、該管体2bの後端に配してあり、該管体2bの軸心に沿ってその後端から前端に向かって圧力水を噴射するようになっている。該ノズル2cは、図4(a)、(c)に示すように、所定の配管及びその途中に配してある圧力水発生用のポンプ装置17を介して前記浄水タンク15に接続してある。従って、この装置の運転中は、該ノズル2cから、浄水タンク15の保管する浄水がポンプ装置17で圧力を加えられて圧力水として噴射され、ホッパー2aを通じて浄水とともに管体b中に流下する除染対象土壌が、該圧力水によって分散され、当該圧力水及び随伴流下した浄水中に分散して土壌粒子の懸濁液が形成される。
前記衝突板2dは、前記し、図4(a),(c)に示すように、管体2bの前端に一定の隙間をあけてその軸心に直交する平面内に配置してあり、かつ該管体2bの前端にその周方向90度の角度間隔で配した連結軸で該管体2bの前端に結合してある。従って該衝突板2dと管体2bの前端との間には、周方向に開く排出口が開口している。それ故、前記のように、管体2b内で圧力水によって形成された懸濁液は、管体2bの前端まで到達すると、前記衝突板2dに衝突し、更に分散度を高め、土壌粒子が浄水中に一層良好に分散した懸濁液となった上で、周方向に開いた排出口から排出されることになる。
前記第1固液分離手段4は、図1及び図2に示すように、自動車Aの荷台の最前部、かつ最上部にその長さ方向に直交する向きに配置してある。特に後記網製円筒体4aがその位置にその向きで配してある。この第1固液分離手段4は、図3(a)、(b)に示すように、入口端から出口端に向かって下向傾斜する網製円筒体4aと、該網製円筒体4aをその軸心を中心として回転自在に支持する支持手段4bと、該網製円筒体4aをその軸心を中心として回転駆動する回転駆動手段4cと、該網製円筒体4aの外部斜め上方にその長さ方向に平行に配した浄水供給手段4dとで構成したものである。
前記網製円筒体4aは、図3(a)、(b)に示すように、この実施例では、複数の、例えば、6本の軸状部材を仮装円筒に沿って周方向60度の角度間隔で配し、これに複数のリング状部材を一定の間隔で外装し、相互を結合して円筒体の骨格を構成し、この骨格の内側に網材を内張りして構成したものである。内張りする網材は、図3(a)に示すように、出口端側では、出口側最外端から一つ内側のリング部材までを内張し、出口側最外端とそれより一つ内側のリング部材の間は網材を内張りせず、土壌粒子の排出口とする。該網製円筒体4aは、もちろん、これ以外の構成であっても差し支えはないが、この網製円筒体4aの内面上を土壌の懸濁液又は流動状態の土壌がなめらかに移動できるように、凹凸の少ないなめらかな構成とする必要がある。なお、網材の目開きは一定サイズの土壌粒子以下の粒子を通過させうるサイズ、すなわち、この実施例では、25μmを下回るサイズの粒子が通過しうる100メッシュの目開きの網材を採用した。
前記支持手段4bは、前記網製円筒体4aの外周の入口端近傍及び出口端近傍の二カ所に配した環状の鍔状レール部材4b1、4b1と、これらをそれぞれ転動自在に支持すべく周方向120度の角度間隔で配した支持輪4b2、4b2、4b2と、該支持輪4b2、4b2、4b2を回転自在に支持する図示しない支持枠とで構成したものである。なお、前記鍔状レール部材4b1、4b1は、前記網製円筒体4aの骨格を構成する6本の軸状部材に固設する。
前記回転駆動手段4cは、図3(a)、(b)に示すように、前記網製円筒体4aの外周の入口端近傍に配したベルト車4c1と、回転駆動用の電動機4c2と、該電動機4c2の出力軸に固設したベルト車4c3と該網製円筒体4aの外周に配したベルト車4c1に掛け渡したベルト4c4とで構成したものである。なお、該網製円筒体4aの外周に配したベルト車4c1は、前記網製円筒体4aの骨格を構成する6本の軸状部材に固設したものである。なお、この実施例では、回転駆動手段4cの駆動力を伝達手段としてベルトを採用したが、鎖(チェーン)及び鎖車を採用することも、ギヤ列を採用することも可能であり、かつそれら若しくはそれら以外の相応する手段を採用することは自由である。
前記浄水供給手段4dは、図3(a)、(b)に示すように、前記網製円筒体4aの外部斜め上方にこれと平行に配した供給手段本体であるパイプ体4d1と、該パイプ体4d1に該網製円筒体4aに向けて定間隔で配した複数のノズル4d2、4d2…とで構成したものであり、該パイプ体4d1には、前記浄水タンク15の浄水を供給する配管が接続してあり、該配管には浄水を送り込むポンプ装置16が接続してある。こうして、この除染装置の運転中には、ポンプ装置16で送り出される浄水が、該浄水供給手段4dのパイプ体4d1に供給され、これに配したノズル4d2、4d2…から該網製円筒体4aに噴射され、その網目を通じてその内部に供給されることになる。
なお、前記網製円筒体4aの入口端には、図3(a)に示すように、前記スラリー作成手段2の管体2bの前端の排出口が挿入状態に配される。該スラリー作成手段2で作成される除染対象土壌の懸濁液は、こうして、第1固液分離手段4の網製円筒体4aの入口端に吐出されることになる。
前記表層研磨手段5は、図1及び図2に示すように、自動車Aの荷台の、前記第1固液分離手段4及び前記スラリー作成手段2のホッパー2aより後方で、該第1固液分離手段4より下方にかつこれと平行に配置する。
この表層研磨手段5は、図5(a)、(b)及び図6に示すように、前記第1固液分離手段4で分離された土壌粒子を、前記移送コンベア6、導入ホッパー5a及び延長パイプ5bを介して入口端で、浄水とともに受け入れ、該入口端の反対側の出口端で研磨済みの土壌粒子及び研磨により生じた土壌微粒子を排出する、該入口端から出口端に向かって下向傾斜する円筒体5cと、該円筒体5cをその軸心を中心として回転自在に支持する支持手段5dと、該円筒体5cをその軸心を中心として回転駆動する回転駆動手段5eと、該円筒体5c内に配した研磨用撹拌部材5fとで構成したものである。
前記導入ホッパー5aは、図5(a)、(b)及び図6に示すように、前記円筒体5cの入口端の直前の若干上方に配した上広がりの部材であり、その内面に沿って浄水導入管5a1が配してある。この浄水導入管5a1は、前記浄水タンク15に対応する配管及び浄水送り出し用のポンプ装置16を介して接続しており、該ポンプ装置16によって、装置の動作中は常時浄水が送り込まれるようになっている。また前記延長パイプ5bは、該導入ホッパー5aの下端に接続しており、該延長パイプ5bは、同図に示すように、斜めに延びて下端が前記円筒体5cの入口端内に位置し、導入ホッパー5aで受け取った土壌粒子と随伴する浄水とを該円筒体5c内に導入できるようになっている。
前記円筒体5cは、図5(a)、(b)及び図6に示すように、金属(ステンレススチール)で構成した円筒部材であり、その出口端には、相互間に一定の間隔をあけた二つの枠環5c1、5c1が配してある。出口端に接する側の枠環5c1が該出口端に固設してあり、他方の枠環5c1は、出口端に固設した枠環5c1に周方向60度の角度間隔で配した連結軸で連結してある。該枠環5c1、5c1の間の隙間が研磨後の土壌粒子、研磨で生じた土壌微粒子及びこれらが分散した水の排出口になる。
前記支持手段5dは、図5(a),(b)及び図6に示すように、前記円筒体5cの外周の入口端近傍及び出口端近傍の二カ所に配した環状の鍔状レール部材5d1、5d1と、これらをそれぞれ転動自在に支持すべく周方向120度の角度間隔で配した支持輪5d2、5d2、5d2と、該支持輪5d2、5d2、5d2を回転自在に支持する図示しない支持枠とで構成したものである。なお、前記鍔状レール部材5d1、5d1は、前記円筒体5cの外周に固設してある。
前記回転駆動手段5eは、図5(a)及び図6に示すように、前記円筒体5cの外周の入口端近傍に配したベルト車5e1と、回転駆動用の電動機5e2と、該電動機5e2の出力軸に固設したベルト車5e3と該円筒体5cの外周に配したベルト車5e1に掛け渡したベルト5e4とで構成したものである。なお、該円筒体5cの外周に配したベルト車5e1は、前記円筒体5cの外周に固設したものである。なおこの実施例では、電動機5e2の回転駆動力の伝達手段としてベルト車及びベルトを用いているが、これに替えて、鎖
(チェーン)及び鎖車やギヤ列等を採用することも自由である。それ以外の伝達手段を採用することも可能である。
前記研磨用撹拌部材5fは、図5(a)、(b)及び図6に示すように、前記円筒体5cの軸心より低い位置にこの軸心と平行な回転軸5f1と、これに軸心で固設した複数の撹拌部材5f2、5f2…とで構成したものである。該撹拌部材5f2、5f2…は、同図に示すように、それぞれ正面から見て正方形の板状部材であり、これらを交互に周方向に45度ずつ位相をずらして該回転軸5f1にその軸心で結合固定したものである。複数の撹拌部材5f2、5f2…は一体に構成しても良い。またこの実施例では、以上のように構成したが、該撹拌部材5f2、5f2…を位相をずらさないで結合した態様の四角柱を該回転軸5f1に結合した態様の構成でも不都合ではない。また適切な撹拌機能を有すればその他の構成の撹拌部材を採用することも可能である。
図5(a)、(b)に示すように、該回転軸5f1には、前記円筒体5cの入口端から突出した端部にギヤ5f3が固設してあり、該回転軸5f1は、該ギヤ5f3、これが噛み合うギヤ5f4及びこれを固設した電動機5f5の出力軸を介して該電動機5f5によって回転駆動されるようになっている。この回転の向きは、前記円筒体5cの回転の向きと逆向きとする。
前記移送コンベア6は、図1及び図2に示すように、前記第1固液分離手段4の網製円筒体4aの出口端に構成してある排出口の直下に受け入れ端を位置させ、前記表層研磨手段5の円筒体5cの入口端の直前に配してある導入ホッパー5aの直上にその供給端を位置させたベルトコンベアである。公知の構成の部材である。
しかして第1固液分離手段4で分離された土壌粒子は、以上の移送コンベア6を通じて移送され、導入ホッパー5aに供給され、ここに配してある浄水導入管5a1から供給される浄水とともに延長パイプ5bを通じて円筒体5cの入口端に導入される。該円筒体5cは、出口端側に向かって下降傾斜しており、土壌粒子は加えられた浄水で流動性を与えられているので、該円筒体5c中を出口端側に向かって流動下降するが、同時に該円筒体5cは、その軸心を中心に回転しているので、これによって撹拌させられ、更にこの円筒体5c中に配してある研磨用撹拌部材5fの撹拌部材5f2、5f2…が該円筒体5cと逆向きに回転し、これによって一層高いレベルで撹拌動作が加えられる。土壌粒子は、こうして、粒子相互がその表面を擦り合い、相互にその表層を研磨し合う関係となる。土壌粒子は、これを繰り返しながら円筒体5cの出口端に流動移動し、研磨され、わずかに小サイズになった土壌粒子及び研磨によって新たに生じた土壌微粒子が随伴する水とともに、円筒体5cの出口端の排出口より排出されることになる。
前記第2固液分離手段7は、図1及び図2に示すように、自動車Aの荷台の前後方向では、前記第1固液分離手段4と前記表層研磨手段5の間で、高さ方向では、該表層研磨手段5より若干下方に位置し、それぞれと平行に配置してある部材である。
この第2固液分離手段7は、図7(a)、(b)に示すように、前記第1固液分離手段4と同様の構成で、入口端から出口端に向かって下向傾斜する網製円筒体7aと、該網製円筒体7aをその軸心を中心として回転自在に支持する支持手段7bと、該網製円筒体7aをその軸心を中心として回転駆動する回転駆動手段7cと、該網製円筒体7aの長さ方向に平行にその外部斜め上方に配した浄水供給手段7dとで構成したものである。該網製円筒体7aは第1固液分離手段4の網製円筒体4aと用いる網材の目開きのみが異なる。第2固液分離手段7の網製円筒体7aは、目開きを125メッシュとし、概ね20μm以上の土壌粒子が通過し得ないそれとしてある。これ以外、すなわち、該支持手段7b、該回転駆動手段7c及び該浄水供給手段7dは、それぞれ第1固液分離手段の支持手段4b、回転駆動手段4c及び浄水供給手段4dと全く同一の構成である。
前記移動コンベア8は、図1及び図2に示すように、前記表層研磨手段5の円筒体5cの出口端に構成してある排出口の直下に導入端が位置し、供給端が前記第2固液分離手段7の網製円筒体7aの入口端の手前若干上方に位置する前支分コンベア8aと該前支分コンベア8aの供給端の直下に導入端が位置し、供給端が該第2固液分離手段7の網製円筒体7aの入口端内に若干入った位置に位置する後支分コンベア8bとで構成したものである。前支分コンベア8a及び後支分コンベア8bは、それぞれ公知のベルトコンベアである。
前記排出コンベア18は、図1及び図2に示すように、前記第2固液分離手段7の網製円筒体7aの出口端の排出口の直下にその導入端が位置し、排出端が自動車Aの側部外に延長するようになっているコンベア装置である。不使用時には自動車Aの荷台に回転して戻せるようになっている。公知の構成のベルトコンベアである。
従って、この除染装置の運転中には、ポンプ装置16で送り出される浄水が、該浄水供給手段7dのパイプ体に配したノズルから該網製円筒体7a中に噴射され、その網目を通じて内部に供給されることになる。前記網製円筒体7aの入口端に、前記表層研磨手段5の円筒体5cから移送コンベア8の前支分コンベア8a及び後支分コンベア8bを介して送り込まれた研磨済みの土壌粒子、研磨によって生じた土壌微粒子及びこれらを流動化させている水は、該網製円筒体7aの中をその傾きに従って流動下降する。このとき、前記のように、浄水供給手段7dから網製円筒体7a内に供給され、該土壌粒子及び土壌微粒子はそれらの浄水が加えられ、該網製円筒体7aの回転によって撹拌され、懸濁液となり、研磨で生じた土壌微粒子の懸濁液がその網目を通じて下方に流下し、受け取り用タンク3に流れ落ちる。他方、研磨で若干小さくなった土壌粒子は、前記目開き(125メッシュ)の網目を通過できないので、出口端まで流動移動して、その排出口より排出落下し、前記排出コンベア18を通じて、除染済み土壌として外部に排出されることになる。
前記受け取り用タンク3は、図1及び図2に示すように、自動車Aの荷台前部の前記スラリー作成手段2、前記第1固液分離手段4、前記表層研磨手段5及び前記第2固液分離手段7を配した区画の下部がそれであり、該第1固液分離手段4の網製円筒体4aの網目及び該第2固液分離手段7の網製円筒体7aの網目を通過して流下する土壌微粒子の懸濁液を受け取り、一時保管する容器部材である。
前記移送ポンプ装置9は、前記受け取り用タンク3中に流下した土壌微粒子の懸濁液をくみ出すためのポンプ装置で、図2に示すように、前記受け取り用タンク3中に配してある。この移送ポンプ装置9は、図示しない配管を通じて、この中の土壌微粒子の懸濁液を前記固液分離装置10に送り込むようになっている。
前記固液分離装置10は、凝集剤投入部10a及び凝集剤混合タンク10bと、固液分離促進部10c及び固液分離部10dとの二つに分けて構成してあり、図1及び図2に示すように、前者の凝集剤投入部10a及び凝集剤混合タンク10bは、自動車Aの荷台の前記受け取り用タンク3を構成した区画の直後の区画に構成し、後者の固液分離促進部10c及び固液分離部10dは、凝集剤投入部10a及び凝集剤混合タンク10bを配した区画の直後の浄水タンク15を配した区画の更に直後の区画に構成したものである。
前記凝集剤投入部10aは、凝集剤を適量ずつ凝集剤混合タンク10bに投入するための手段であり、公知の手段である。また凝集剤混合タンク10bは、前記移送ポンプ装置9で受け取り用タンク3から図示しない配管を通じて土壌微粒子の懸濁液の供給を受け、この中で、投入された凝集剤を該懸濁液に均一に混合する容器部材であり、公知の手段である。この凝集剤混合タンク10bにおける該凝集剤と該懸濁液との撹拌混合は、この中に配してある図示しない水中ポンプが凝集剤を添加した懸濁液を前記固液分離促進部10cに送り出すポンピング動作で動くその流れ、及びこの中に流入する前記土壌微粒子の懸濁液の流入動作で行うようになっている。
前記固液分離促進部10cは、スパイラル流水路を構成する公知の装置であり、滞留時間を長くとることにより、前記凝集剤混合タンク10bから受け取った懸濁液中の土壌微粒子の凝集剤による凝集作用を十分に進行させ、土壌微粒子の凝集した凝集フロックを成長させて前記固液分離部10dに供給するものである。
該固液分離部10dは、図8(a)〜(c)に示すように、下降傾斜する網製円筒体10d1と、これを回転自在に支持する支持手段10d2と、該網製円筒体10d1を回転駆動する回転駆動手段10d3と、該網製円筒体10d1に浄水を噴射する浄水供給手段10d4と、以上の全構成要素を囲む箱状部材10d5であって、その底部付近で該網製円筒体10d1を通過した水を受け取る箱状部材10d5とで構成したもので、箱状部材10d5及び網製円筒体10d1の網材の目開きを除く構成は、前記第1固液分離手段4の各構成要素と全く同様である。該網製円筒体10d1の目開きは、凝集フロックとなっている土壌微粒子は通過させず、ほぼ水及び土壌由来の色や匂い原因成分等を通過させるそれである必要があり、この実施例では、125メッシュとしたものである。
すなわち、網製円筒体10d1は、網製円筒体4aと網材の目開き以外は全て同一であり、支持手段10d2は支持手段4bと、回転駆動手段10d3は回転駆動手段4cと、浄水供給手段10d4は浄水供給手段4dと全く同一の構成である。
この固液分離部10dの網製円筒体10d1には、図8(a)に示すように、その入口端に、前記固液分離促進部10cから延長する土壌微粒子の凝集した凝集フロックを含む水の移送用配管10d6の末端を進入させてある。この移送用配管10d6の末端には、特に図8(b)に示すように、その端部から一定間隔をあけて対面部を円錐状に構成した衝突板10d7が配してあり、この衝突板10d7は、該移送用配管10d6との間に周方向90度の角度間隔で配した連結軸で連結され、該移送用配管10d6の末端と該衝突板10d7との隙間が前記固液分離促進部10cから供給される凝集フロックを含む水の吐出口になっている。
従って前記固液分離促進部10cから供給される土壌微粒子の凝集した凝集フロックを含む水は、前記固液分離部10dに、前記移送用配管10d6で供給され、その末端から流出する際には、前記衝突板10d7に衝突し、ここで前記網製円筒体10d1内に広く分散させられながら流入することになる。該網製円筒体10d1に流入した凝集フロックを含む水は、該網製円筒体10d1中をその傾斜に従って出口端側に移動するが、このときその回転によって撹拌されながら前記浄水供給手段10d4から浄水が供給され、該網製円筒体10d1内で広げられ、撹拌される凝集フロックは、これに付着している土壌由来の色や匂いの原因成分等がその浄水によって洗い流されることになる。こうして、凝集フロックは土壌由来の成分等が除去されながら出口端側に下降し、凝集フロックとともに流れる水は、土壌由来の成分等と共に、該網製円筒体10d1の網目を通じて箱状部材10d5の底部側に流下することになる。なお前記浄水供給手段10d4から噴射供給される水は該網製円筒体10d1の網目の目詰まりを解消する役割も同時に果たしている。
該網製円筒体10d1の出口端まで移動した土壌微粒子の凝集した凝集フロックは、出口端の排出口から排出され、汚染土排出コンベア11の受け入れ端に落下し、これによって外部に排出される。他方、前記箱状部材10d5の底部に流下した水は、次段の前記フィルタ手段13に送り出される。この固液分離促進部10c及び固液分離部10dは、以上の構成を採用したが、いずれも他の公知の構成を採用することも可能である。また前記汚染土排出コンベア11は、図1及び図2に示すように、固液分離部10dの網製円筒体10d1の出口側下部から自動車Aの荷台の側部に延長するベルトコンベアであり、公知の構成である。
なお、前記汚染土排出コンベア11で排出される前記凝集フロックは、放射性物質を多く含む土壌微粒子と凝集剤からなるものであるから、隔離処理する。
またこの汚染度排出コンベア11で排出される土壌微粒子の凝集した凝集フロックは脱水及び包装処理その他を人手を介さずに自動で行うように構成する。
前記フィルタ手段13は、図1に示すように、自動車Aの荷台の最後部の区画に配した構成要素で、ペーパーフィルタ13a、ゼオライトフィルタ13b及び仕上げフイルタ13cの三種のフィルタで構成したものである。ペーパーフィルタ13aは、紙をフィルタ材として充填したフィルタ、ゼオライトフィルタ13bは、ゼオライトをフィルタ材として充填したフィルタ、また仕上げフィルタ13cは、活性炭をフィルタ材として充填したフィルタである。いずれも公知のフィルタ手段である。
該フィルタ手段13のペーパーフィルタ13aは、図1及び図2に示すように、前記固液分離装置10の固液分離部10dの箱状部材底部の出口部と接続する前記配管12bが接続してあり、該配管12bの途中に前記ポンプ装置12aが挿入してある。該ポンプ装置12aのポンピング動作で、該固液分離装置10の固液分離部10dの箱状部材底部の出口部から凝集フロックを取り除かれた水をくみ出し、これをフィルタ手段13のペーパーフィルタ13aに供給し、これでろ過し、次にゼオライトフィルタ13bでろ過し、更に最後に仕上げフィルタ13cで仕上げろ過を行う。こうして残存することのある凝集フロックや除染対象の土壌に含まれていた色や臭い成分等の種々の成分であって、放射性物質の除去の過程では除去されなかった種々の成分を除去し、浄水に再生する。
前記フィルタ手段13の仕上げフィルタ13cは、図1に示すように、前記浄水タンク15の受給口と接続する前記配管14bが接続してあり、該配管14bの途中には前記ポンプ装置14aが挿入してある。該フィルタ手段13で放射性物質以外の種々の土壌由来の残留成分等を取り除き、浄水に再生した水を、該ポンプ装置14aで、仕上げフィルタ13cの出口部からくみ出し、該配管14bを通じて前記浄水タンク15に供給する。
前記浄水タンク15は、図1及び図2に示すように、固液分離装置10の凝集剤投入部10a及び凝集剤混合タンク10bを配した区画と該固液分離装置10の固液分離促進部10c及び固液分離部10dを配した区画との間の区画に配した箱形容器状部材であり、前記フィルタ手段13で土壌由来の成分等まで除去された水を受け取って浄水として保管する容器部材である。またこの浄水タンク15は、前記のように、スラリー作成手段2、第1固液分離手段4、表層研磨手段5、第2固液分離手段7及び固液分離装置10の固液分離部10dに浄水を供給する手段でもあり、この装置で循環利用する水を保管する容器部材である。
なお、前記固液分離装置10の凝集剤投入部10a及び凝集剤混合タンク10bを配してある区画には、図1及び図2に示すように、この装置で用いる電力を賄うためのジーゼル発電機19を設置し、必要な配線を行う。こうしてこの装置では、電力の容易に得られない地域で土壌除染活動を行う際にも不都合無くそれを実行できる。前記のように、水を循環利用するので、水を容易に得られない地域で除染活動を行う場合にも不都合無くそれを実行できる。
従ってこの実施例の土壌除染装置によれば、放射性物質で汚染された地域に自由に移動して、その地域の汚染土壌を受け入れて除染し、除染完了後には、除染済みの土壌を元の位置に戻すことができる。除染済みの土壌の放射線量は、第1固液分離手段4で廃棄側に移動させる、すなわち、水への懸濁液として受け入れ用タンク3に流下させる土壌粒子のサイズを適切に設定すること及び表層研磨手段5で研磨する量の大きさを適切に設定することにより、所望のそれに合わせて調整可能である。通常、除染前それに対して80〜95%程度の除染率で除染できれば適切である場合が多いので、そのように設定する。
除染完了後には、除染済みの土壌の他に、除染によって土壌から分離された放射性物質を含む凝集フロックが生じるが、これは、前記のように、除染率の設定の仕方によって異なってくる。除染率を高くすると、上記の凝集フロックは多くなり、低くすれば少なくなる。極端に放射線量の高い地域の土壌の除染を行う場合でなければ、前記のような80〜95%程度の除染率で除染を行う場合は、このような凝集フロックは、前記のような元の場所に戻すことができる除染済みの土壌と比較して少量なものとすることができる。
またこの実施例の土壌除染装置で使用する浄水は、前記のように、循環使用するものであり、それ故、除染現場の水の有無にかかわらず、この実施例の装置はどこでも運転することができる。前記のように、ジーゼル発電機19を搭載するものであるから、除染現場で容易に電力が得られない場合でも問題なく運転することができる。
またこの実施例の土壌除染装置によれば、このように、放射性物質で汚染された地域に移動してその地の土壌の除染作業を行うことができるため、汚染土壌を運搬する必要が無い。それ故、汚染されていない地域を汚染土壌で汚染するような虞を無くすることもできるし、費用の面でも優れたものである。
この実施例の土壌除染装置は、前記したように、これを設置した自動車で、処理対象の放射性物質で汚染された土壌の存在する地域まで移動して処理動作を行う。所定地域に移動した後は、初めに、当該地域の除染対象の土壌を、受け入れ手段である折りたたみ式のベルトコンベア1を展開し、自動車Aの荷台の側方下に延長し、これを利用して該除染対象の土壌をスラリー作成手段2に導入する。
前記ベルトコンベア1で送り込まれる土壌は、その先端から、スラリー作成手段2のホッパー2aに連続的に投入され、該ホッパー2aに配してある浄水導入管2a1、2a1から供給される浄水に随伴されつつ下方の管体2b中に落下する。該管体2bの後端のノズル2cからは圧力水が噴射されており、これが落下してくる土壌に衝突し、該土壌の塊を粉砕し、この過程で前記随伴する水及び圧力水中に、該土壌の粒子が分散することになる。圧力水等に分散した土壌粒子は、それらとともに管体2b中を更に前方に移動し、前端の衝突板2dに衝突し、ここで更に浄水中への分散度が高くなり、こうして生じた土壌粒子の懸濁液は、該管体2bの先端の排出口から排出され、第1固液分離手段4の網製円筒体4aの入口端に導入されることになる。
この土壌粒子の懸濁液は、回転する網製円筒体4a中をその回転によって撹拌されつつその傾斜に従い出口端に向かって流動する。この過程で、該網製円筒体4aの網目より小サイズの土壌の微粒子及びこれを懸濁させている水は徐々に下方の受け取り用タンク3に流下する。前記浄水供給手段4dのノズルからは浄水が噴射されており、これによって、その網目に生じることのある土壌粒子による目詰まりは解消され、同時に、該網製円筒体4aの内部にその網目を通じて流れ込んだ浄水により、土壌粒子の懸濁液は、常時、希釈化が行われ、その中に土壌粒子が広く分散し、サイズの小さな微粒子やそれより大きな粒子が分離状態で存在することになり、該網状円筒体4aの網目を通じての、これより小サイズの土壌微粒子の受け取り用タンク3への分離流下が確実に行われるようになる。すなわち、網製円筒体4aでは、確実に100メッシュの網目を通過しうる250μmを下回る土壌微粒子をほぼ確実に受け入れ用タンク3に流下させることができる。
こうして網製円筒体4aの出口端の排出口では、殆ど前記サイズを越える土壌粒子のみが排出されることになる。この土壌粒子は、前記移送コンベア6で運ばれ、前記表層研磨手段5の導入用ホッパー5aに投入されることになる。ここに投入された土壌粒子は、浄水導入管5a1を通じて導入される浄水に随伴されつつ流動下降し、延長パイプ5bを通じて円筒体5cの入口端に導入されることになる。この円筒体5cの中では、浄水で流動性を与えられている土壌粒子は、該円筒体5cの回転及びこれと逆向きの回転をする研磨用撹拌部材5fの作用で、撹拌されながら、該円筒体5cの傾斜に従って出口端側に移動する。
該土壌粒子は、以上の円筒体5cの回転及び研磨用撹拌部材5fの逆向き回転によって以上のように撹拌され、隣接する土壌粒子相互の表面が擦れ合う関係となり、相互の表面を相互に研磨し合うことになる。こうして個々の土壌粒子は、その表層が研磨除去され、他方、これによって土壌粒子の表層から離脱した土壌微粒子が生じることになる。これらの土壌粒子及び微粒子は、撹拌状態で、前記のように、円筒体5cの出口端に流動移動し、出口端の排出口から排出されることになる。
該円筒体5cの出口端の排出口から排出された表層が研磨除去され若干小サイズになった土壌粒子と該研磨によって生じた土壌微粒子とは、移送コンベア8の前支分コンベア8a及び後支分コンベア8bで運ばれ、第2固液分離手段7の網製円筒体7aの入口端に投入される。該網製円筒体7aに投入された土壌粒子等は、その回転によって撹拌されることになるが、同時に、外方の浄水供給手段7dから浄水が噴射され、これが内部に流入し、該土壌粒子及び微粒子の懸濁液が形成され、網製円筒体7aの網目より小サイズの土壌微粒子及び浄水が該網目より下方の受け入れ用タンク3に流下する。土壌粒子等の懸濁液は網製円筒体7aの傾きに従って出口端に向かって流動しながら回転撹拌され、かつ外部の浄水供給手段7dから噴射する浄水の供給を受け、網目の目詰まりを解除しながら、希釈化を受け、網目を下回る小サイズの土壌微粒子及び水の流下が良好に行われる。網製円筒体7aの出口端の排出口には、こうして、網目のサイズを越えるサイズの土壌粒子及び若干の浄水のみが届き、該排出口から排出されることになる。すなわち、125メッシュの網目サイズを越える土壌粒子及びこれに随伴する若干の浄水のみが排出されることになる。
排出口から排出された土壌粒子等は、下方に配置された前記排出コンベア18で自動車Aの側部外に排出される。この土壌粒子は、除去すべきレベルの放射性物質を含む表層を除去し、また高いレベルの放射性物質を含む土壌微粒子も除去され、十分に除染されているので、これをこのまま土壌として元の場所に戻すことができる。通常、8000Bq/kgを十分下回るレベルまで除染することを目標として前記各部を設定し、これは容易に実現することができる。すなわち、前記したように、放射性物質は土壌粒子の表層に多くが含まれており、それ故、表層を研磨除去することで、土壌粒子に含まれている放射性物質の大部分が除去される結果となる。またサイズの小さな土壌微粒子は、体積に比して表面積が大きく、かつ中心方向の寸法が小さいので、その殆どの部位に多くの放射性物質が含まれていると見ることができ、これらのサイズの小さな土壌微粒子を除去することで、土壌中の放射性物質の残存量をきわめて少なくすることができるからである。
他方、前記受け取り用タンク3に流下した土壌微粒子の懸濁液は、順次、固液分離装置10に送り込まれる。固液分離装置10では、まず凝集剤混合部10bに導入され、導入された土壌微粒子の懸濁液中に、凝集剤投入部10aから凝集剤が投入される。凝集剤混合部10bでは、懸濁液がこの中に導入されるその動きと、この中の懸濁液が内部に配したポンプ装置で次の固液分離促進部10cに送り出されるその動きで、撹拌動作が生じ、投入された凝集剤は該懸濁液に混合されることになる。
該凝集剤混合部10bからは、以上のように、凝集剤を混合された土壌微粒子の懸濁液がポンプ装置で固液分離促進部10cに送り出され、該固液分離促進部10cを構成するスパイラル流水路を移動し、このスパイラル流水路を移動する間に、土壌微粒子が凝集した土壌フロックは、相互に結合し、成長することになる。このスパイラル流水路は、流路をできるだけ延長して、生成した土壌微粒子の凝集フロック相互を結合させ、その成長を図る趣旨のものである。
こうして、固液分離促進部10cで成長した土壌粒子の凝集フロックを含んだ水は、移送用配管10d6を通じて、次の固液分離部10dに移動し、該移送用配管10d6の末端でここに配した衝突板10d7に衝突して、網製円筒体10d1の入口端に広く分散して吐出される。水とともに該網製円筒体10d1の入口端に広く広げられて導入された凝集フロックは、更に外部の浄水供給手段10d4から噴射される浄水でその表面が洗浄され、これに付着している土壌由来の臭いや色の原因成分が洗い流されることになる。凝集フロックを含む水は、網製円筒体10d1内をその回転動作で撹拌されつつかつ以上の様な浄水による洗浄作用を受けつつその傾斜に従って出口端側に流動移動する。凝集フロックとともに導入された水及び浄水供給手段10d4で供給された水は、該網製円筒体10d1中をその傾斜に従って流れながら、その網目を通じて前記箱状部材10d5の底部に流下することになる。凝集フロックから洗い流された土壌由来の色や臭いの原因成分等はこれらの水とともに該箱状部材10d5の底部に流下することになる。土壌微粒子の凝集フロックは網目を通過することができないので、出口端の排出口まで移動し、ここから排出されることになる。
排出口から排出された凝集フロックは、汚染土排出コンベア11で受け取られ、自動車Aの荷台の側部外まで運び出される。なお、この凝集フロックは、放射性物質を多く含む土壌微粒子と凝集剤からなるものであるから隔離処理する。なお、この汚染度排出コンベア11で排出される土壌微粒子の凝集した凝集フロックは脱水処理及び包装操作その他を人手を介さずに自動で行うように構成する。
また前記固液分離装置10の固液分離部10dでその箱状部材10d5の底部に流下した水は、放射性物質を含む土壌微粒子の凝集フロックを除去したので、その面では、安全性の高いものとなっているが、土壌由来の種々の成分が残留しており、この水を浄水として循環利用する観点からは、これらの種々の成分を除去すべきである。
前記固液分離部10dの箱状部材10d5の底部に流下した水は、フィルタ手段13に導入され、順次、ペーパーフィルタ13a、ゼオライトフィルタ13b及び仕上げフィルタ13cを通過し、残存することのある微量の凝集フロックや除染対象の土壌由来の色や臭い成分等の種々の成分であって、放射性物質の除去の過程では除去されなかった成分を除去し、浄水に再生する。こうして再生された水は、前記浄水タンク15に送り込まれ、また浄水として使用できることになる。
<土壌除染結果>
以上の実施例の土壌除染装置で除染した5種の土壌の除染後の放射線量の測定結果を以下の表1に示す。また除染によって生じた凝集フロック及び浄水タンクに戻される水についてもその放射線量の測定結果を以下の表2に示す。
対象の土壌は、(1)福島県郡山市の側溝回収土、(2)福島県郡山市の混合庭土(1:3)、(3)福島県郡山市の混合庭土(1:5)、(4)福島県郡山市の混合庭土(1:7)及び(5)福島県郡山市の畑土壌である。
前記「混合庭土」は、それぞれ福島県郡山の庭土に括弧内に示した重量比で放射性物質で汚染されていない砂を混合したものであり、放射線量の異なる複数の土壌を作成する趣旨で行ったものである。
更に前記凝集フロックは、前記(2)、(3)及び(4)の混合庭土の除染によって生じた凝集フロックを同一の割合で混合したそれである。
また前記水も、前記(2)、(3)及び(4)の混合庭土の除染時にそれぞれ使用し、フィルタ手段で濾過されて前記浄水タンクに戻ったそれらを同一割合で混合したそれである。
除染前と除染後の以上の(1)〜(5)の土壌、凝集フロック及び水についての放射線の線量の測定は、EG & G ORTEC, GEM-15180-P 高純度ゲルマニウムガンマ線スペクトロメータを用いて行った。測定には、U-8容器を用いた。水を除くそれぞれの計測時間は7200秒である。水についての測定時間は86400秒である。いずれもヨウ素131については非検出である。


Figure 0005270048
Figure 0005270048
表1に示すように、この実施例による土壌に対する放射性物質の除染率は十分であると考える。いずれも元の場所に戻せるレベルに除染できている。なお、除染率は、放射能濃度の高い土壌の方が高くなる傾向が認められるが、前記のように、低い土壌であっても十分に高い除染率である。表2に示すように、凝集フロックは、放射線量が高いが、これは、土壌中に分散していたものを集中させたので、高くて当然であり、これは、前記のように、隔離処分する。表2に示すように、処理後の水は、完全に放射性物質が除去されており、繰り返し使用に全く問題がない。
本発明の土壌除染装置は、機械類の製造業の分野や土壌除染の分野で利用することができる。
1 ベルトコンベア
2 スラリー作成手段
2a ホッパー
2a1 浄水導入管
2b 管体
2c ノズル
2d 衝突板
3 受け取り用タンク
4 第1固液分離手段
4a 網製円筒体
4b 支持手段
4b1 鍔状レール部材
4b2 支持輪
4c 回転駆動手段
4c1 ベルト車
4c2 電動機
4c3 ベルト車(電動機の出力軸に固設)
4c4 ベルト
4d 浄水供給手段
4d1 パイプ体
4d2 ノズル
5 表層研磨手段
5a 導入用ホッパー
5a1 浄水導入管
5b 延長パイプ
5c 円筒体
5c1 枠環
5d 支持手段
5d1 鍔状レール部材
5d2 支持輪
5e 回転駆動手段
5e1 ベルト車
5e2 電動機
5e3 電動機の出力軸のベルト車
5e4 ベルト
5f 研磨用撹拌部材
5f1 回転軸
5f2 撹拌部材
5f3 ギヤ
5f4 電動機の出力軸のギヤ
5f5 電動機
6 移送コンベア(第1固液分離手段から表層用研磨手段に移送)
7 第2固液分離手段
7a 網製円筒体
7b 支持手段
7c 回転駆動手段
7d 浄水供給手段
8 移送コンベア(表層用研磨手段から第2固液分離手段に移送)
8a 前支分コンベア
8b 後支分コンベア
9 移送ポンプ装置(受け取り用タンクから固液分離装置に供給)
10 固液分離装置
10a 凝集剤投入口
10b 凝集剤混合タンク
10c 固液分離促進部
10d 固液分離部
10d1 網製円筒体
10d2 支持手段
10d3 回転駆動手段
10d4 浄水供給手段
10d5 箱状部材
10d6 移送用配管
10d7 衝突板
11 汚染度排出コンベア
12a ポンプ装置
12b 配管
13 フィルタ手段
13a ペーパーフィルタ
13b ゼオライトフィルタ
13c 仕上げフィルタ
14a ポンプ装置(仕上げフィルタから浄水タンクへ)
14b 配管
15 浄水タンク
16 ポンプ装置(浄水タンクからの浄水送り出し用)
17 ポンプ装置(スラリー作成手段への圧力水送り出し用)
18 排出コンベア(第2固液分離手段で分離された土壌粒子の排出用)
19 ジーゼル発電機
A 自動車

Claims (3)

  1. 自動車の荷台に設置した土壌除染装置であって、
    除染対象の土壌に浄水を添加して放射性物質で汚染された汚染土壌の分散した懸濁液を作成するスラリー作成手段と、
    前記スラリー作成手段から懸濁液を受け取ってその懸濁液に更に浄水を噴射添加しながら、要除染レベル以上の放射性物質を中心まで含有するサイズを越える一定サイズ以上の土壌粒子とそれを下回るサイズの土壌微粒子とを分離し、該土壌微粒子及びこれが分散する水を下方の受け取り用タンクに流下させる第1固液分離手段と、
    前記第1固液分離手段から前記一定サイズ以上の土壌粒子を受け取り、該土壌粒子に浄水を添加して流動移動させつつ撹拌し、土壌粒子相互の表面が擦れ合うようにして、該土壌粒子の表層を研磨する表層研磨手段と、
    前記表層研磨手段から表層を研磨された土壌粒子、研磨により生じた土壌微粒子及びこれらを分散する水を受け取り、これらに更に浄水を噴射添加しながら、該浄水に分散懸濁した前記土壌微粒子と前記土壌粒子とを分離し、該土壌微粒子を分散した懸濁液のみを下方の受け取り用タンクに流下させ、該土壌粒子を除染済み土壌として外部に排出する第2固液分離手段と、
    前記第1固液分離手段及び前記第2固液分離手段から分離して流下される土壌微粒子が分散した懸濁液を受け取る、該第1固液分離手段及び該第2固液分離手段の下方に配置する前記受け取り用タンクと、
    前記受け取り用タンクが受け取った土壌微粒子の懸濁液を受け取り、該懸濁液から水とこれに分散している土壌微粒子とを分離する固液分離装置と、
    前記固液分離装置で前記懸濁液の水から分離して除去された土壌微粒子を外部に排出する汚染土排出手段と、
    前記固液分離装置により前記懸濁液の土壌微粒子から分離して排出される水から残留する除染対象の土壌由来の成分を除去するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段で残留する土壌由来の成分が除去された水を浄水として受け取って保管し、浄水を必要とする各部にその浄水を供給する浄水タンクと、
    で構成し、
    かつ以上のスラリー作成手段、第1固液分離手段、表層研磨手段、第2固液分離手段、固液分離装置、汚染土排出手段及びフィルタ手段について、各々それらの行う処理を連続処理で行うように構成した土壌除染装置。
  2. 前記第1固液分離手段又は第2固液分離手段を、
    前記土壌の分散した水を入口端で受け入れ、該入口端の反対側の出口端で網の目開きより大サイズの土壌粒子を排出する、該入口端から出口端に向かって下向傾斜する網製円筒体と、
    前記網製円筒体をその軸心を中心として回転自在に支持する支持手段と、
    前記網製円筒体をその軸心を中心として回転駆動する回転駆動手段と、
    前記網製円筒体の外部にその長さ方向に平行に配した管状の供給手段本体及び該供給手段本体に配した複数のノズルからなり、該網製円筒体内にその網目を通じて浄水を供給すべく、該ノズルから該網製円筒体に向かって浄水を噴射供給する浄水供給手段と、
    で構成した請求項1の土壌除染装置。
  3. 前記表層研磨手段を、
    前記第1固液分離手段で分離された土壌粒子を入口端で浄水とともに受け入れ、該入口端の反対側の出口端で研磨済みの土壌粒子及び土壌微粒子を排出する、該入口端から出口端に向かって下向傾斜する円筒体と、
    前記円筒体をその軸心を中心として回転自在に支持する支持手段と、
    前記円筒体をその軸心を中心として回転駆動する回転駆動手段と、
    前記円筒体の内部に該円筒体の軸心と軸心を一致させずかつ平行に配した、該円筒体と逆向に回転駆動する研磨用撹拌部材であって、該円筒体の内周を下降流動する土壌粒子を、該土壌粒子相互が相互の表層を擦れ合い研磨し合うように、撹拌動作するべく配した研磨用撹拌部材と、
    で構成した請求項1又は2の土壌除染装置。
JP2013024195A 2013-02-12 2013-02-12 土壌除染装置 Expired - Fee Related JP5270048B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013024195A JP5270048B1 (ja) 2013-02-12 2013-02-12 土壌除染装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013024195A JP5270048B1 (ja) 2013-02-12 2013-02-12 土壌除染装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5270048B1 true JP5270048B1 (ja) 2013-08-21
JP2014153240A JP2014153240A (ja) 2014-08-25

Family

ID=49179162

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013024195A Expired - Fee Related JP5270048B1 (ja) 2013-02-12 2013-02-12 土壌除染装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5270048B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107884245A (zh) * 2017-12-08 2018-04-06 青岛农业大学 一种土壤样品研磨工具
CN114985055A (zh) * 2022-08-08 2022-09-02 徐州融鑫新材料有限公司 一种分散型纳米球形硅微粉加工用研磨装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06343948A (ja) * 1990-05-25 1994-12-20 Westinghouse Electric Corp <We> 汚染粒状物質の処理方法及び装置
JP2006326434A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Eco Techno:Kk 汚染土壌の浄化方法
JP2013064690A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Shonan Suri Kenkyukai Co Ltd 汚染土の除染方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06343948A (ja) * 1990-05-25 1994-12-20 Westinghouse Electric Corp <We> 汚染粒状物質の処理方法及び装置
JP2006326434A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Eco Techno:Kk 汚染土壌の浄化方法
JP2013064690A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Shonan Suri Kenkyukai Co Ltd 汚染土の除染方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107884245A (zh) * 2017-12-08 2018-04-06 青岛农业大学 一种土壤样品研磨工具
CN107884245B (zh) * 2017-12-08 2024-06-07 青岛农业大学 一种土壤样品研磨工具
CN114985055A (zh) * 2022-08-08 2022-09-02 徐州融鑫新材料有限公司 一种分散型纳米球形硅微粉加工用研磨装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014153240A (ja) 2014-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5739595B1 (ja) 汚染土壌浄化装置
KR101396416B1 (ko) 열 변형 파쇄를 이용한 복합오염 토양의 유류와 중금속 동시 탈리 장치 및 이를 포함하는 복합오염 토양의 정화 시스템 및 방법
JP2013164379A (ja) 放射能汚染土砂の処理装置
JP5990442B2 (ja) 汚染土壌の減容化処理方法
WO2014076928A1 (ja) 土壌の除染用分級装置及び土壌の除染システム
JP2013178221A (ja) 放射性物質に汚染された固形物の除染装置および除染方法
TWI549764B (zh) 機動式分離含重金屬之土壤顆粒處理方法
CN110270415A (zh) 研磨机
KR20200132488A (ko) 방사성 오염토양 정화 방법
CN106583438A (zh) 有毒有害的土壤进行修复***及方法
JP5270048B1 (ja) 土壌除染装置
JP4364889B2 (ja) 浚渫土の処理方法および装置
JP5912525B2 (ja) 放射性物質汚染土砂の洗浄、減容化方法
JP2020011224A (ja) 土壌浄化システム
JP2020082054A (ja) 土壌浄化システム
JP4697719B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法及びそれに用いる分離装置
JP2013178177A (ja) 土壌除染処理方法
JP2012106158A (ja) 汚染土壌洗浄槽
JP2013108758A (ja) 放射能汚染土壌の除染方法
JP5054848B1 (ja) 放射性物質による汚染土の除染用ミニプラント
CA2804656C (en) Bulk cleaning system
CN107262519A (zh) 放射性污染土壤净化***
JP6199154B2 (ja) 放射性物質の除去装置
CN110238115A (zh) 油泥清洗机
JP2020011221A (ja) 土壌浄化システム

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5270048

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees