JP5268240B2 - 光学用複合材料及び光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、屈折光学素子、回折光学素子、レンズ、プリズム、フィルター等の光学素子に使用される光学用複合材料に関するものである。
近年、カメラや液晶プロジェクター等に搭載される光学系には、屈折光学素子や回折光学素子が使用されている。屈折率、波長分散性、2次分散性の異なる複数の屈折光学素子や回折光学素子を使用することで、少ない数の光学素子で色収差を低減する光学系を実現することが可能である。これらの光学系を形成する光学素子には、従来から硝子材料(無機材料)が用いられる。しかしながら硝子材料からなる光学素子は、重量が重くまた割れ易い。そのため、軽量で低価格である合成樹脂材料(プラスチック材料)からなる光学素子の検討が進んでいる。
合成樹脂は硝子と比較して硬度低いため優れた加工性を有しており、形状の自由度が大きい。また、硝子は高温下での粉砕、研摩、もしくは圧縮成形により加工されるのに対し、合成樹脂は射出成形や注型成形により、短時間で容易に加工される。そのため合成樹脂の加工コストは硝子の加工コストに比べ非常に安価である。
しかしながら、現在実用化されている光学素子用の合成樹脂の、屈折率、波長分散性、2次分散性等の光学特性は、硝子の光学特性に比べて非常に限定的である。そのため、硝子材料から成る光学系と同様の光学設計が成り立たず、光学素子の数を削減することができなかったり、要求する色収差を補正することが困難となっている。
また、合成樹脂材料からなる光学素子は、硝子材料からなる光学素子と比較して、加工性に優れている反面傷つきやすい。そのため、時間の経過に伴い光学素子の表面に微細な傷が増えるため、光学素子の光透過率が経時的に低下してしまう。
また合成樹脂における弾性率、吸水率、熱膨張係数、屈折率の温度依存性は、硝子と比較して非常に大きい。たとえばポリメチルメタクリレート(PMMA)の吸水率は約2.0%と非常に大きい。そのため、温度変化に応じて体積が大きく変動し、焦点距離が変化してしまう。そのため、高い光学的安定性を求められる用途への合成樹脂の使用は困難であった。
合成樹脂材料からなる光学素子の、硝子材料からなる光学素子に比べて不利な点をまとめると、以下のようになる。
(1)屈折率、波長分散性、2次分散性等の光学特性の範囲が狭い。
(2)低弾性率、低表面硬度であるため、表面が傷つきやすい。
(3)熱膨張係数が大きい(10−4/℃程度)ため熱による形状変形が大きく、光学的安定性が劣る。
(4)屈折率の温度依存性が大きいため、光学的安定性が劣る。
(5)吸水率が高いため、光学的安定性が劣る。
そこで前記課題を解決し、合成樹脂材料からなる光学素子の使用できる範囲を拡大するための提案がなされている。すなわち合成樹脂に無機材料を混ぜることにより、従来の合成樹脂に比べ、弾性率が高く、吸水率が低く、熱膨張係数が小さく、屈折率の温度依存性の少ない複合材料を提案している。また、良好な屈折率の波長分散性、2次分散性、光散乱率を有する光学用複合体を提案している。
特開2005−162902号公報(特許文献1)には、シリカやアルミナなどの金属酸化物微粒子を、環状オレフィン系グラフト共重合体に添加し架橋させることで高弾性化にした光学用複合材料が開示されている。
特開2003−213067号公報(特許文献2)には、シリカ微粒子をアクリル樹脂中に分散させることで、熱膨張係数が8×10−5/℃以下まで低減した光学用複合材料が開示されている。
特開2004−83669号公報(特許文献3)には、金属脂肪族アクリルアルコキシドを加水分解し、極めて微小な顆粒状の金属酸化物が分散したアクリレートを形成し重合させることにより、吸水率を低減した光学用複合体が開示されている。
特開2003−73558号公報(特許文献4)には、金属酸化物からなる超微粒子をポリマー(PMMA)に分散させてなる光学用複合材料が開示されている。このとき超微粒子とポリマーはナノコンポジットを形成するため、従来では実現出来ないポリマーの弾性率、熱成形温度、ガスバリアー性、ガラス転移点、結晶化温度などの機械的、熱的、光学的効果が実現できると開示されている。尚ナノコンポジットとは、一般に量子閉じ込め効果など、粒子がナノサイズでなければ発現しない機能をポリマーとの複合組成体に持たせた複合材料である。
特開2004−269773公報(特許文献5)には、熱可塑性樹脂(PMMA)中に表面に疎水基及び官能基(主に水酸基)を有する金属酸化物を均一に分散することで、ナノコンポジットを形成する方法が開示されている。これによりワイパー等の摺擦にも耐えられる高い表面硬度を有する複合体を製造することが開示されている。
特開2005−162902号公報 特開2003−213067号公報 特開2004−083669号公報 特開2003−073558号公報 特開2004−269773号公報
しかしながら前述の特開2005−162902号公報に記載の光学用複合材料は、側鎖にポリシロキサン構造を有する環状オレフィン系グラフト共重合体に、平均微粒子径が50nm以下のシリカ等の金属酸化物を添加することで製造されている。しかしながらこの場合、ゾルーゲル反応特有のミクロ相分離により、金属酸化物の微粒子は必ず凝集してしまう。従ってドメインが大きくなった状態のままで光学用複合材料を光学素子に適用することとなるため、光散乱が生じ、所望の光学性能が得ることは難しい。
また、特開2003−213067号公報では、アクリル樹脂に平均微粒子径が10〜20nmのコロイダルシリカを30〜90wt%直接混合することで、低熱膨張係数の光学用複合材を得ている。しかしながら、無機成分であるシリカ微粒子の添加量が30wt%以上だと、シリカ微粒子が必ず凝集を起こしてしまう。そのため光散乱を生じ、透過率の低下により、所望の光学性能を得ることは難しい。
また、特開2004−83669号公報に記載の光学用複合材料は、微小顆粒を分散したアクリレートモノマー存在下で金属アルコキシドの無機重合体を得ている。しかしながら、アクリレートモノマーを重合させて高分子量化したときに、無機重合体成分と有機樹脂成分との相溶性は悪く、ミクロ相分離構造が生じる。そのため、微小顆粒が凝集してしまい、ミクロ相分離構造のドメインが大きくなった状態のままで、光学用複合材料を光学素子に適用した場合には、光散乱が生じ、透過率は低下する。
また、特開2003−73558公報には、ナノコンポジット効果により機械的物性が向上するという記載されている。しかしながら、検討の結果、明細書に開示されている光学用複合材料は、機械的物性が向上するものの、複合則で予測できる値の範囲を逸脱していない。複合則で予測できる値の範囲とは、金属酸化物超微粒子とポリマー(PMMA)を各々の体積比率でその物性を和した値の範囲であり、加成性の範囲と呼ばれている。すなわち、金属酸化物超微粒子の表面を酸性基で修飾するだけでは、金属酸化物超微粒子のポリマーに対する分散性は向上するものの、加成性の範囲を逸脱することはできない。
また、特開2004−269773公報には、ナノコンポジット効果により光学用複合材料の曲げ強度、曲げ弾性率、線膨張係数等の機械的物性が向上するという記載されている。しかしながら、この場合も前述の特開2003−73558公報と同様に、加成性の範囲を逸脱することはできないことができない。すなわち、金属酸化物超微粒子の表面を疎水基及び官能基(主に水酸基)を設けるだけでは、金属酸化物超微粒子のポリマーに対する分散性は向上するものの、加成性の範囲を逸脱することはできない。尚、加成性の範囲を考慮したナノコンポジット効果に関しては、後述の発明を実施するための最良の形態における<ナノコンポジット効果>において、詳細に説明する。
本発明の目的は、以上の課題を考慮してなされたものであり、弾性率、吸水率、熱膨張係数等の光学材料の機械特性において、加成性の範囲を逸脱した光学用複合体を提供することにあります。またこのときの屈折率の温度依存性や、屈折率の波長分散性、2次分散性、光散乱率といった光学特性が良好な光学用複合体を提供することである。
本発明は、合成樹脂と、該合成樹脂中に0.1vol%以上50vol%以下の割合で分散した平均粒子径が1nm以上30nm以下の微粒子とを有し、
前記微粒子は第1の官能基により表面の一部が修飾された第1の微粒子と、前記第1の官能基と異なる第2の官能基により表面の一部が修飾された第2の微粒子とを有し、前記第1の官能基による前記第1の微粒子の表面被覆率及び前記第2の官能基による前記第2の微粒子の表面被覆率は、30%以上70%以下であり、
前記第1の微粒子の第1の官能基と、前記第1の微粒子と隣り合う第2の微粒子の第2の官能基とは化学結合しており、官能基が化学結合した前記第1の微粒子と前記第2の微粒子間の表面距離は0.4nm以上280nm以下であることを特徴とする光学用複合材料に関する。
また、お互いが隣り合う微粒子は、分子間力により引き付けあっており、この時の光学用複合材料の弾性率が、前記合成樹脂の弾性率の2倍以上6倍以下である光学用複合材料を提供している。
またこの時の光学用複合材料の熱膨張係数が、前記合成樹脂の熱膨張係数の1/2以下1/5以上である光学用複合材料を提供している。
本発明によれば、合成樹脂にナノ微粒子を分散させた光学用複合材料において、微粒子を分子間力が働く状態で均一に分散させることで、加成性の範囲を逸脱するナノコンボジットを実現している。これにより、弾性率、吸水率、熱膨張係数、屈折率の温度依存性といった光学的安定性が飛躍的に向上するため、従来実現できなかった屈折率、屈折率の波長分散性、2次分散性、光散乱率を有する複合材料からなる光学素子を提供することを可能としている。
<ナノコンポジット効果>
ナノコンポジット効果について説明する。
本発明におけるナノコンポジット効果を説明する前に、まず、前述の特開2003−73558公報および特開2004−269773公報におけるナノコンポジット効果について説明する。特開2003−73558公報におけるナノコンポジット効果は、金属酸化物超微粒子の表面を酸性基及び塩基性基で修飾することにより実現している。また特開2004−269773公報におけるナノコンポジット効果は、金属酸化物超微粒子の表面に疎水基及び官能基(主に水酸基)を設けるにより実現している。
これらはともに、微粒子の表面を修飾することで、合成樹脂との反発力及び結合力を制御し、微粒子同士が凝集するの抑制するとともに機械的強度を向上させるものである。図4は特開2004−269773公報における複合光学材料の微粒子と合成樹脂の結合状態を示した模式図である。図4において、100は微粒子であり、110は合成樹脂である。微粒子100の表面は疎水基(R)、官能基(R)により修飾され覆われている。合成樹脂110は官能基(R)を有している。
図4において、微粒子100の疎水基(R)と合成樹脂110の官能基(R)は、お互いが反発するため、結果的に微粒子100の凝集は抑制される。また微粒子100の官能基(R)と合成樹脂110の官能基(R)は、お互いに結合しようとするため、微粒子100の流動を抑制し、複合光学材料の機械的強度は向上する。
具体的には、重合用モノマーであるメタクリル酸Meアクリル酸の官能基(R)と、微粒子表面の疎水基(R)とが反発し、微粒子の凝集を防いでいる。これと同時に、メタクリル酸Meアクリル酸の官能基(R)と、微粒子表面のアミノ基やエーテル基等の官能基(R)とが、水素結合、イオン結合、共有結合等の化学結合を起こすことで、複合光学材料の機械的強度を向上させる。すなわち、合成樹脂110と微粒子100の結合力と反発力のバランスを所定の状態に保つことにより、微粒子100の流動を抑制しナノコンポジット効果を実現している。
次に、特開2004−269773公報に記載のナノコンポジット効果を、実験結果として記載された表1、表2、表3の曲げ弾性率の値を例にとって説明する。重合用モノマーであるメタクリル酸Meアクリル酸の曲げ弾性率は3.1Gpa(比重1.1)、微粒子であるシリカの曲げ弾性率は30Gpa(比重2.2)であることが知られている。メタクリル酸Meアクリル酸にシリカ微粒子を添加し分散させた場合、加成性の範囲内で期待できる物性は、体積分率の和で表すことができる。シリカの添加量を30wt%とした場合、体積分率の和を計算すると、
Figure 0005268240
となる。すなわち期待できる曲げ弾性率は最大で約7Gpaである。すなわち7Gpaを越える曲げ弾性率を有する複合材料は、加成性の範囲を逸脱していると言うことができる。
しかしながら特開2004−269773公報の表1、表2、表3に記載の曲げ弾性率は、4.2〜4.6の範囲であり、これは加成性の範囲内である。同様に曲げ強度や線膨張係数に関しても同様であり、特開2004−269773公報に記載の複合材料のナノコンポジット効果は、加成性の範囲を逸脱するものであるとは言えない。尚、透明性が必要となる複合光学材料における加成性の範囲を逸脱する範囲とは、一般的に弾性率は2倍以上、熱膨張係数は1/2以下、吸水率は1/2以下程度となる。
次に、本発明におけるナノコンポジット効果について説明する。合成樹脂中に添加されお互いが所定の間隔で単分散している微粒子には、隣り合う微粒子間に非常に大きな相互作用、すなわち分子間力(ファン・デル・ワールス力)が働くことが知られている。本発明ではこの分子間力を利用することで、複合材料の剛直性の高め、加成性の範囲を逸脱するナノコンポジット効果を実現するものである。尚、複合材料の剛直性とは、ポリマー鎖の回転運動を拘束することによって、合成樹脂の自由運動が抑制されている程度を示すものである。すなわち、各微粒子を分子間力により強く引き付けられたまま、合成樹脂中に均一に単分散させることにより、各微粒子の間の合成樹脂の分子運動は強く拘束される。合成樹脂の分子運動は拘束されれば、複合材料の剛直性を高める事ができる。
図5は本発明における微粒子と合成樹脂の結合状態を示した模式図である。図5において、200a、200bは微粒子であり、210は合成樹脂である。微粒子200aの表面は、官能基(R)により修飾されている。また微粒子200bの表面は、官能基(R)と結合しあう官能基(R)により修飾されている。ただし官能基(R)(R)は、微粒子200a、200bの表面全体を覆うものではなく、官能基(R)(R)で表面修飾されていない表面部分と修飾されている部分とに分かれている。官能基による微粒子の表面被服率は30%以上70%以下が好ましい。表面被服率が30%以下の場合、官能基(R)(R)による結合力が不充分であり、分子間力に対して立体障害として十分な効果を得ることができない。また表面被服率が70%以上の場合、微粒子間に働く分子間力が小さくなり、均一に分散はするものの、化成性を逸脱する程度の機械的物性の向上が見られない。
図5において、微粒子200a、200bの官能基(R)(R)により表面修飾されていない部分には、微粒子200a、200bの間に分子間力が働き、お互いが結合する方向の非常に強い力が働いている。また微粒子200a、200bはその表面の官能基(R)、(R)により、結合している。このとき官能基(R)と官能基(R)による結合は、分子間力による微粒子の結合力の立体障害となる。そのため、分子間力がいくら大きくても、微粒子間の距離は一定の間隔(0.1以上500nm以下の範囲)に維持され、各微粒子は凝集することなく均一に単分散する。このとき、微粒子200a、200bの間には合成樹脂210が、運動が拘束された状態で存在している。これにより、複合材料の複合材料の剛直性は高くなり、複合材料の機械的物性は加成性の範囲を超えて向上する。尚、微粒子200a、200bの間に発生する反発力と結合力は、微粒子200a、200bの距離や、表面をそれぞれ修飾する官能基(R)(R)の表面被覆率により制御する事ができる。
すなわち、本発明におけるナノコンポジット効果とは、各微粒子をその表面の官能基により結合させ、このときの結合力を各微粒子間の分子間力による結合の立体障害とするものである。これに対して、特開2004−269773公報におけるナノコンポジット効果は、合成樹脂と微粒子の結合力と反発力の相互作用のバランスを取るものである。そのため、微粒子間にポリマー鎖の運動を拘束するような強固な結合力は発生せず、ある程度の機械的特性は向上するが、これは加成性の範囲を逸脱することができない。なお、特開2004−269773公報における微粒子は、微粒子の表面全体が官能基で覆われており、微粒子の間隔を100nm以下に小さくしても分子間力が発生しないと考えられる。これは、実験結果が加成性の範囲を逸脱していないことからも明らかである。
また、合成樹脂の吸水率は、微粒子と合成樹脂の相互作用により、複合材料の自由体積の減少により低減する。また本発明において、微粒子は0.1以上500nm以下の範囲の間隔を維持しており、分散させる微粒子の絶対量は多くなるが、各微粒子は均一に単分散しているため光散乱はほとんどない。
(実施の形態)
次に、本発明の具体的な実施の形態を説明する。本発明における複合光学材料からなる光学素子の模式図を図1に示す。図1において、複合光学材料1は合成樹脂3に、無機微粒子2を均一に分散させることにより構成されている。
<合成樹脂>
まず本発明における合成樹脂3について説明する。本実施の形態で用いられる合成樹脂は、光学特性の観点から透明性樹脂であることがより好ましい。透明性樹脂は成形プロセスの形態に応じて熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂を適宜選択することが可能である。熱可塑性樹脂として、例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、フェノール系樹脂、アリール系樹脂およびこれらの共重合体からなる熱可塑性樹脂等を用いることができる。特にアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂の1種または2種以上およびこれらの共重合体であることが、光学特性や成形性の観点からより好ましい。
また、本実施の形態で用いられる硬化性樹脂としては更に成形プロセスの形態に応じて熱硬化型、放射線硬化型等の樹脂を適宜選択することができる。例えばアクリル系樹脂組成物、スチレン系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ウレタン系樹脂組成物、シリコーン系樹脂組成物、フッ素系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物のいずれかを含有することを特徴とする樹脂を用いることができる。この場合、熱硬化型や放射線硬化型等の種々開始剤や反応機構に応じた官能基を樹脂組成物中に含有する必要がある。
更に上記合成樹脂中には必要に応じて離型剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、放射線安定剤、重合促進剤、重合禁止剤、導電剤、帯電防止剤、着色剤、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、粘度調整剤等を光学特性や、光学的安定性を損なわない範囲内で添加することができる。
<微粒子>
次に合成樹脂3に添加される微粒子2について説明する。微粒子2は、付与したい光学特性により選択することができる。具体的には、酸化珪素、酸化チタン、酸化ニノブ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化テルル、酸化イットリウム、インジウム錫酸化物等の金属酸化物粒子や、金、白金、銀等の金属粒子を使用することができる。更にはポリカーボネート樹脂への添加により、その複屈折率を緩和することで知られている炭酸ストロンチウムが使用可能である。また、増量剤としての炭酸カルシウム、あるいはリン酸チタンカリウム、アルミン酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等の金属化合物粒子も使用可能である。またや、ダイアモンド等の無機粒子、ポリスチレンラテックス粒子等の有機物粒子が使用可能である。
微粒子の大きさは、最大長が1nm以上30nm以下であることが好ましい。なお最大長とは、粒子の形状にかかわらず、粒子の重心を通る最長の径であり、粒子間距離とは各々の粒子の重心間距離を指す。
また合成樹脂に対して添加する微粒子の量は、0.1vol%以上50vol%以下の割合であり、添加した状態での微粒子間距離がいずれも500nm未満である。微粒子の量が0.1vol%未満だと、加成性を逸脱するナノコンポジット効果を発現することができない。また50vol%以上の微粒子を添加した場合は、合成樹脂が本来有している良成形性を著しく損なうため好ましくない。
微粒子の表面には官能基を付与されている。熱硬化性樹脂の場合は、樹脂との相溶性や2次加工時の反応性を付与するために、微粒子表面に(メタ)アクリル基やビニル基やスチリル基、グリシジル基等の官能基を配する。これらの官能基は、種々の手法により微粒子表面に配することが可能であるが、光学的安定性を考慮すると、微粒子表面に反応性二重結合を介して官能基を配することがより効果的である。
具体的には
Rm M(OR’)n−m−l Xl …(1)
(ここで、Rは(メタ)アクリル基、ビニル基、スチリル基、グリシジル基等の官能基である。Mはケイ素、チタニウム、アルミニウム、ジルコニウムまたはタンタルである。R’は炭素数1〜8のアルキル基であり、Xはハロゲンである。mは1からn−1−lの整数であり、nはMの原子価数であり、lは0からn−1の整数である。R、R’またはXが複数個存在するときは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物が好ましく用いられる。
より具体的には3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、テトラエトキシシランやテトラメトキシシラン等のアルコキシ化合物、γアミノプロピルトリエトキシシラン、N(βアミノエチル)γアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ有機官能基を有するシラン化合物(アミノ系シランカップリング剤)、またγメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γメタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどのビニル基を有するシラン化合物(ビニル系シランカップリング剤)を用いることもできる。更に、このようなシラン化合物の変わりに、ケイ素がタンタル、チタニウム、アルミニウム、またはジルコニウムである化合物を用いることができる。
微粒子の前述の官能基を形成するための表面修飾剤としては、アミン系の6−アミノヘキサノン酸、7−アミノヘプタノン酸、5−アミノバレリアン酸、3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、12−アミノラウリル酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸、エステル系のアゼライン酸メチル、グルタミン酸エチル、グルタミン酸メチル、モノエチルピメレート、スベリン酸メチル、ケトン系の3−フェロセンプロパンカルボン酸、レブリン酸、グリコシド系のグリチルリチン、グリチルリチン酸、アルコール系の16−ヒドロキシヘキサデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、4−ヒドロキシメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸、ラクトビオン酸などが挙げられる。
合成樹脂には少なくとも異なる官能基により修飾された、少なくとも2種類の微粒子を分散させる。このときの異なる官能基は、各微粒子の凝集に対する立体障害となるように、お互いが結合し合うものでなければならない。このお互いに結合しあう官能基を形成するためには、2つの修飾剤を組み合わせて使用することが有効である。組み合わせとしては一方がアミン系修飾剤であれば、対応する修飾剤はエステル系、ケトン系、グリコシド系、アルコール系が有効である。また一方がエステル系修飾剤であれば、対応する修飾剤はアミン系、グリコシド系、アルコール系が有効である。また一方がケトン系修飾剤であれば、対応する修飾剤はアミン系、グリコシド系、アルコール系が有効である。また一方がグリコシド系修飾剤であれば、対応する修飾剤はアミン系、エステル系、ケトン系、アルコール系が有効である。また一方がアルコール系修飾剤であれば、対応する修飾剤はアミン系、エステル系、ケトン系、グリコシド系が有効である。
尚、本発明における微粒子2の表面の修飾状態は、修飾剤で表面修飾されていない表面部分と修飾されている部分とに分かれている。微粒子の表面の修飾状態は、修飾剤による反応時間および純粋に混合する修飾剤の濃度により制御することができる。前記微粒子表面の修飾剤で修飾していない部分は、微粒子の分子間力によって凝集しようとするが、修飾した部分の化学結合が立体障害となり、粒子間距離は一定の間隔に維持される。
前述の各修飾剤に応じた微粒子の表面の化学修飾方法を、具体的に説明する。
[アミン系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子の合成方法]
純水90gに6−アミノヘキサノン酸を10g溶かした6−アミノヘキサノン酸水溶液中に金属酸化微粒子5gを混合する。混合後、前記金属酸化微粒子混合水溶液を約100℃で約二時間加熱し、蒸発乾固させることで、アミン系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子を得た。ここで、その他のアミン系表面修飾剤としては、7−アミノヘプタノン酸、5−アミノバレリアン酸、3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、12−アミノラウリル酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸なども好適である。
[エステル系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子の合成方法]
純水90gにアゼライン酸メチルを10g溶かしたアゼライン酸メチル水溶液中に金属酸化微粒子5gを混合する。混合後、前記金属酸化微粒子混合水溶液を約100℃で約二時間加熱し、蒸発乾固させることで、エステル系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子を得た。
ここで、その他のエステル系表面修飾剤としては、グルタミン酸エチル、グルタミン酸メチル、モノエチルピメレート、スベリン酸メチルなども好適である。
[ケトン系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子の合成方法]
純水90gに3−フェロセンプロパンカルボン酸を10g溶かした3−フェロセンプロパンカルボン酸水溶液中に金属酸化物微粒子5gを混合する。混合後、前記金属酸化物微粒子混合水溶液を約100℃で約二時間加熱し、蒸発乾固させることで、ケトン系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子を得た。ここで、その他のケトン系表面修飾剤としては、レブリン酸なども好適である。
[グリコシド系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子の合成方法]
純水90gにグリチルリチンを10g溶かしたグリチルリチン水溶液中に金属酸化物微粒子5gを混合する。混合後、前記金属酸化物微粒子混合水溶液を約100℃で約二時間加熱し、蒸発乾固させることで、グリコシド系表面修飾剤で被覆された金属酸化微粒子を得た。ここで、その他のグリコシド系表面修飾剤としては、グリチルリチン酸なども好適である。
[アルコール系表面修飾剤で被覆された金属酸化微粒子の合成方法]
純水90gに16−ヒドロキシヘキサデカン酸を10g溶かした16−ヒドロキシヘキサデカン酸水溶液中に金属酸化物微粒子5gを混合する。混合後、前記金属酸化物微粒子混合水溶液を約100℃で約二時間加熱し、蒸発乾固させることで、アルコール系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子を得た。ここで、その他のアルコール系表面修飾剤としては、15−ヒドロキシペンタデカン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、4−ヒドロキシメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸、ラクトビオン酸なども好適である。
尚、微粒子分散剤としては、ポリオール、アルカノールアミン、アルキルスルホン酸塩、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
<複合光学材料の製造方法>
合成樹脂に微粒子を分散させる方法は、前記分散状態を達成されるものであれば、特に限定はされず、種々の方法を用いることができる。直接分散法によりロール、ニーダー、インターナルミキサー、単軸、二軸、多軸混練装置等で合成樹脂に直接粒子を分散さることができる。またその際、必要に応じては粒子をあらかじめボールミル、ビーズミル、超音波ミル、サンドミル、ディスクミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等により分散溶媒に均一に分散させ、それを合成樹脂と混合してもよい。
一般に微粒子は1次粒子の凝集体として存在している場合が多く、高い微粒子分散性を求める場合においては好ましい状態であるとはいえない。そこで1次粒子による高い分散性を実現するために、種々の分散装置により微粒子の凝集体を壊砕する操作は有用となる。しかし、壊砕された微粒子はより化学的に活性な表面が露出することにより再凝集する場合がある。そこで、再凝集の抑制と微粒子分散性、マトリックス樹脂と微粒子の相互作用の更なる向上のために、分散操作中に表面処理を施すことがより好ましい。これにより活性な表面は再凝集することなく保護され、分散操作を行わない場合と比較して、更に多くの官能基を微粒子表面に配することが可能となる。
また、マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂の場合、分散媒は一般的な水もしくは有機溶媒といった分散溶媒に限らず用いることができる。より具体的にはマトリックス樹脂の少なくともひとつ以上の樹脂成分に分散させることができる。このことは、分散操作後不用となる分散溶媒の除去操作を行う必要が生じないため、より簡便に光学用複合材料を製造することができる。
ここで、複合材料の分散状態と透過率、散乱特性との関係を述べる。複合材料を光学用途に用いる場合、内部透過率を向上させることは勿論、光散乱率を実用上十分に低減させる必要がある。一般に、ある物質中に屈折率の異なる粒子を分散させてなる光学材料の場合、粒子の分散状態により散乱特性は大きく変化する。なお、ここでの実用上十分な光散乱率とは、光路長100μmの場合において1%未満であり、光路長1mmの場合において1%未満であると更に好適である。可視光領域内での光散乱を抑えるためには粒子の最大長を最低100nm以下に、好ましくは30nm以下に制御する必要がある。従って微粒子の凝集体は、散乱特性が大きく低下しない程度であれば存在してもかまわない。
実施例1では平均粒子径5nmのシリカ微粒子を5vol%、熱可塑性ポリマー中に溶融混練させ、反応させる場合について示す。
まず、前述の[アミン系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子の合成方法]により、表面被覆率50%の6−アミノヘキサノン酸表面修飾シリカ微粒子を製造する。同様に、前述の[エステル系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子の合成方法]により、表面被覆率50%のアゼライン酸メチル表面修飾シリカを製造する。この6−アミノヘキサノン酸表面修飾シリカ微粒子とアゼライン酸メチル酸表面修飾シリカ微粒子とを、それぞれ等量秤量し、熱可塑性のアクリル樹脂(デルペット80N/旭化成工業製)に添加する。尚、6−アミノヘキサノン酸とアゼライン酸メチルは互いが結合反応を示す。
次にシリカ微粒子を添加したアクリル樹脂を、図2に示す二軸混練装置(ULTnano05/テクノベル製)を用いて溶融混練を行った。図2(a)は二軸混練装置の横断面図、図2(b)は二軸混練装置の断面図である。ホッパー4から投入された前述の微粒子が添加されたアクリル樹脂は、シリンダー5の内部に搭載されたスクリュー6a、6bにより混練される。二軸混練装置のスクリュー6a、6bの径は15mm、L(スクリュー長さ)/D(スクリュー径)は10である。混練条件はスクリュー6a、6bの回転速度100回/分であり、混練時間はシリカ微粒子がアクリル樹脂中に一次分散するまでの時間とした。
二軸混練装置によって、シリカ微粒子表面に修飾された6−アミノヘキサノン酸のアミノ基とアゼライン酸メチルのエステル部位が徐々に反応する。その結果、シリカ微粒子間に水素結合ができ、アクリル樹脂のポリマー鎖の運動を拘束し始める。ここで前記シリカ微粒子間の有機層の厚みを透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した結果、約2nmであった。
なお本実施例では二軸混練装置を使用したが、より混連エネルギーを高めるために、スクリューを四軸等の多軸の装置を使用することも可能である。また混練中の任意の場所に、マイクロ波、エックス線、ガンマ線等の電磁波を照射して、シリカ微粒子あるいはアクリル樹脂にエネルギーを付与しても更に好適である。特に、電磁波を照射する場所としては、スクリュー先端部からダイス部に照射するとより効率的である。
次にシリカ微粒子をアクリル樹脂に添加したされた複合材料を、不図示のペレタイザーにてペレット化し、図3に示す射出成型装置(住友重機械工業製射出成形機SE7M(商品名))のホッパー7に投入した。ホッパー7に投入された複合材料は、シンリンダー8の内部に搭載されたスクリュー9により溶融、混練され、成形用金型10に射出される。成形用金型10はサイドゲートを配し両表面が鏡面光沢を有する型であり、射出成形条件は、金型温度は70℃、成形温度を240℃とした。このようにして50mm×50mm×1mmの試験片を成形した。
次に、この試験片の機械的物性及び光学的物性を測定した。測定方法を以下に示す。
(透過率の測定)
透過率は、前記試験片を日立製作所製分光光度計U−4000(商品名)を用いて、可視光波長領域内(380nm以上780nm以下)での最低の透過率を測定した。
(弾性率の測定)
弾性率は、前記試験片をユービーエム製動的粘弾性測定装置Rheosol−G3000(商品名)を用いることで25℃での値を測定した。
(熱膨張係数の測定)
熱膨張係数は、前記試験片をTAインスツルメント製熱機械分析装置TMA400(商品名)を用いて0℃〜50℃の値を測定した。
(吸水率の測定)
吸水率は、前記試験片を純水中に24時間浸漬し、その前後の重量変化を測定した。
(屈折率の測定)
屈折率は、前記試験片をカルニュー光学工業製アッベ式屈折計KPR−30A(商品名)を用いて、波長588nm、温度25℃で測定した。
(屈折率の温度変化の測定)
屈折率の温度変化は、前記試験片をカルニュー光学工業製アッベ式屈折計KPR−30A(商品名)を用いて、0℃〜50℃の範囲で波長588nmの光に対する値を測定した。
(散乱率の測定)
散乱率は、前記試験片を日立製作所製分光光度計U−4000(商品名)を用いて可視光波長領域内(380nm以上780nm以下)での最高の散乱率を測定した。
(粒子の分散性の評価)
粒子の分散性は、前記試験片を透過型電子顕微鏡(TEM,日本電子製)を用いることで得られた画像を、Media Cybernetics,Inc.製Image−Pro Plus(商品名)を用いて画像処理することで評価した。30nm以下の粒子の重心と、それに対して最も近接した30nm以下の粒子の重心との間距離が、100nm未満のものを良としそれ以外のものを不良とした。
また、凝集体数と非凝集体数の比は、0.1未満であるものを良、それ以上を不良とした。凝集体数と非凝集体数は、前記画像を、Media Cybernetics,Inc.製Image−Pro Plus(商品名)を用いて、面積が1μm×1μmとなる範囲において画像処理し、その中の凝集体数と非凝集体数を数えることで行った。
(SP値の比)
Fedorsの方法により、微粒子表面及び複合材料の各々のSP値を求め、これらの比を算出した。
この様にして測定した、複合材料の機械的物性及び、光学的物性を表1(a)、(b)に示す。本実施例における複合材料の弾性率は15.0GPa、熱膨張係数は1.4×10−5/℃、吸水率は0.1%となった。またここで、アクリル樹脂中に一次分散しているシリカ微粒子の微粒子径及び粒子間距離を透過型電子顕微鏡(TEM)観察した。その結果、シリカ微粒子の粒子径は5nm、粒子間の表面距離は約4nmであった。更に画像処理により凝集体数と非凝集体数の比を算出した結果、0.05となり、良好な分散性を示した。
アクリル樹脂単体の弾性率は約3.0GPa、熱膨張係数は約7.0×10−5/℃、吸水率は0.4%である。これに対し実施例1のシリカ微粒子を均一に分散したアクリル樹脂は、アクリル樹脂単体に比べ、弾性率は約5倍、熱膨張係数は約1/5、吸水率は1/4であり、透過率は89.5%、散乱率は0.8%の値を示した。すなわち、複合材料の加成性の範囲を逸脱した機械的物性を有すると伴に、良好な光学特性を有している。
実施例2では平均粒子径30nmのシリカ微粒子を0.1vol%、熱硬化性ポリマー中に液分散により反応させる場合について示す。
まず前述の[アルコール系表面修飾剤で被覆された金属酸化微粒子の合成方法]により、表面被覆率70%の16−ヒドロキシヘキサデカン酸で表面修飾されたシリカ微粒子を製造する。同様に、前述の[ケトン系表面修飾剤で被覆された金属酸化物微粒子の合成方法]により、表面被覆率50%の3−フェロセンプロパンカルボン酸で表面修飾されたシリカ微粒子を製造する。この16−ヒドロキシヘキサデカン酸修飾シリカ微粒子と3−フェロセンプロパンカルボン酸修飾シリカ微粒子とを、それぞれ秤量し、メチルメタクリレート(MMA)中に添加する。尚、16−ヒドロキシヘキサデカン酸と3−フェロセンプロパンカルボン酸は互いが結合反応を示す。
次にMMAと互いに反応する官能基を有する酸化チタン微粒子を不図示のビーズミル(ウルトラアペックスミル/寿工業製)を用い、液分散を行った。
まず、MMA及び前記表面修飾されたシリカ微粒子を、ホモジナイザーで粗大な凝集微粒子を破砕し、これを分散原液とした。この分散原液をビーズミルの攪拌容器(不図示)に投入した。ビーズミル装置の攪拌微粒子として、粒径0.03mmのジルコニア製のものを用い、この攪拌微粒子を攪拌容器の60vol%になるように入れた。ビーズミル装置の回転数は5,000rpmとし、48時間行った。このようにして得られた分散液中の微粒子の粒度分布をレーザー粒度分布計により測定したところ、平均粒径が30nmにまで一次分散していることが確認された。その後、ビーズミルによって得られた複合材料を、互いに対向させた2枚のガラス基板間の四隅に厚さ1mmのスペーサーを配し、ガラス基板間の中央に流延した。その後、ガラス基板に密着させながら展開し、ホットプレートを用いて加熱することで熱硬化させた。その後、ガラス基板間に形成された複合材料をガラス基板より剥離することで、測定試料を得た。この様にして成形した試験片の機械的物性及び、光学的物性を、実施例1と同様の方式により測定した。
表1(a)、(b)に示すように、この時の弾性率は7(GPa)、熱膨張係数は(2.3×10−5/℃)、吸水率は0.15%であった。また、MA中に一次分散しているシリカ微粒子の微粒子径及び粒子間距離を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察した。その結果、微粒子径30nm付近のシリカ微粒子が分散しており、粒子間の表面距離は約280nmであった。さらに、TEM画像による分散性の評価においても良好な分散性を示した。すなわち、複合材料の加成性の範囲を逸脱した機械的物性および光学特性を得ることが出来た。
実施例3では平均粒子径1nmのシリカ微粒子を10vol%、熱硬化性ポリマー中に液分散により反応させる場合について示す。
まず前述の方式により、表面被覆率30%の3−フェロセンプロパンカルボン酸で表面修飾されたシリカ微粒子と、表面被覆率30%の5−アミノバレリアン酸で表面修飾されたシリカ微粒子を製造する。これらの微粒子をそれぞれ秤量し、メチルメタクリレート(MMA)中に添加する。尚、3−フェロセンプロパンカルボン酸と5−アミノバレリアン酸は互いが結合反応を示す。
次にMMAと互いに反応する官能基を有するシリカ微粒子を不図示のビーズミル(ウルトラアペックスミル/寿工業製)を用い、液分散を行った。
まず、MMA及び前記表面修飾されたシリカ微粒子を、ホモジナイザーで粗大な凝集微粒子を破砕し、これを分散原液とした。この分散原液をビーズミルの攪拌容器に投入した。ビーズミル装置の攪拌微粒子として、粒径0.03mmのジルコニア製のものを用い、この攪拌微粒子を攪拌容器の60vol%になるように入れた。ビーズミル装置の回転数は5,000rpmとし、48時間行った。このようにして得られた分散液中の微粒子の粒度分布をレーザー粒度分布計により測定したところ、平均粒径が1nmにまで一次分散していることが確認された。その後、実施例2と同様にして試験片を成形し、試験片の機械的物性及び、光学的物性を測定した。
表1(a)、(b)に示すように、この時の弾性率は15.5(GPa)、熱膨張係数は(1.3×10−5/℃)、吸水率は0.15%であった。またここで、MA中に一次分散しているシリカ微粒子の微粒子径及び粒子間距離を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察した。その結果、微粒子は二次凝集することなく微粒子径1nm付近のシリカ微粒子が分散しており、粒子間の表面距離は約0.4nmであった。さらに、TEM画像による分散性の評価においても良好な光学特性を有している。すなわち、複合材料の加成性の範囲を逸脱した機械的物性および光学特性を得ることが出来た。
本実施例は二軸混練押出し装置を用い、アクリル樹脂に実施例1と同様の修飾剤を使ったチタニア粒子を20vol%添加した複合材料を調製した。微粒子の表面被覆率は、それぞれ50%である。アクリル樹脂はデルペット80N(旭化成工業製)を用い、チタニア粒子は平均粒子径が15nm(テイカ製)のものを用いた。これら、樹脂及び粒子を100℃で18時間予備乾燥した後に、スクリュー径15mm、L/D=25の二軸混練押出し装置(井元製作所製)を使用し、溶融混練した。スクリュー回転速度は75回転毎分である。得られた樹脂は水冷後、ペレタイザーにてペレットとし複合材料を得た。得られた複合材料は実施例1と同様にして試験片を成形し、機械的物性および光学特性を測定した。その結果を表1(a)、(b)に示す。
透過率、散乱率は光学材料として十分使用可能な特性を示した。弾性率は微粒子添加前後で3.2GPaから7.1GPaへと上昇し、熱膨張係数は60ppmから22ppmへと低減された。また、吸水率は2.2%から0.2%へと低減された。また屈折率は1.491から1.674へと上昇し、その温度依存性は0.00009/℃と改善され光学設計上有用な光学特性を示した。さらに、TEM画像による分散性の評価においても上記評価基準を満たす、優れた分散性を示した。すなわち、複合材料の加成性の範囲を逸脱した機械的物性および光学特性を得ることが出来た。
本実施例は実施例2と同様のビーズミルを用い、実施例2と同様の修飾剤を使った酸化ジルコニウム粒子の分散操作の後に粒子表面を修飾し、その後紫外線硬化型アクリルモノマーを添加し酸化ジルコニウム粒子が10vol%となるよう複合材料を調製した。微粒子の表面被覆率は、それぞれ50%である。使用する紫外線硬化型アクリルモノマーはRC−C001(大日本インキ化学工業製)を用い、酸化ジルコニウム(シーアイ化成製)は平均粒子径が7nmの粒子を用いた。
まずホモジナイザーで粗大な凝集粒子を破砕し、これを分散原液とした。前記分散原液をビーズミル(ウルトラアペックスミル/寿工業製)の攪拌容器に投入した。前記ビーズミル装置の攪拌粒子として粒径0.03mmのジルコニア製のものを用い、この攪拌粒子を攪拌容器の60vol%になるように入れた。ビーズミル装置の回転数は5,000rpmとし、3時間攪拌した後に、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを添加し24時間攪拌した。その後酸化ジルコニウム粒子が10vol%となるよう光硬化型アクリルモノマーを添加し21時間攪拌を行い複合材料とした。この時、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランにより処理された微粒子表面とRC−C001(大日本インキ化学工業製)のSP値の比は0.83であった。
次に、前記複合材料を互いに対向させた2枚のガラス基板間の四隅に厚さ1mmのスペーサーを配し、ガラス基板間の中央に流延し、ガラス基板に密着させながら展開した。その後HOYA CANDEO OPTRONICS株式会社製スポットUV光源装置EXECURE3000(商品名)を用いて照射量1,000mJ/cm2で紫外光で硬化した。その後、ガラス基板間に形成された複合樹脂成型体をガラス基板より剥離することで、測定試料を得た。この様にして成形した試験片の機械的物性及び、光学的物性を、実施例1と同様の方式により測定した。
透過率、散乱率は光学材料として十分使用可能な特性を示した。弾性率は微粒子添加前後で3.0GPaから7.2GPaへと上昇し、熱膨張係数は53ppmから25ppmへと低減された。また、吸水率は1.9%から0.5%へと低減された。また屈折率は1.524から1.562へと上昇し、その温度依存性は0.00008/℃と改善され光学設計上有用な光学特性を示した。さらに、TEM画像による分散性の評価においても上記評価基準を満たす、優れた分散性を示した。すなわち、複合材料の加成性の範囲を逸脱した機械的物性および光学特性を得ることが出来た。
本実施例は実施例2と同様のビーズミルを用い、酸化アルミニウム粒子の分散操作の後に実施例2と同様の修飾剤を使って微粒子表面を修飾し、その後熱硬化型樹脂を添加し酸化アルミニウム粒子が50vol%となるよう複合材料を調製した。微粒子の表面被覆率は、それぞれ30%である。使用する熱硬化型樹脂はジエチレングリコールビスアリルカーボネートを用い、酸化ジルコニウム(シーアイ化成製)は平均粒子径が20nmの粒子を用いた。
上記樹脂及び粒子をまずホモジナイザーで粗大な凝集粒子を破砕し、これを分散原液とした。前記分散原液をビーズミル(ウルトラアペックスミル/寿工業製)の攪拌容器に投入した。前記ビーズミル装置の攪拌粒子として粒径0.03mmのジルコニア製のものを用い、この攪拌粒子を攪拌容器の60vol%になるように入れた。ビーズミル装置の回転数は5,000rpmとし、3時間攪拌した後に、ビニルトリエトキシシランを添加し24時間攪拌した。その後酸化アルミニウム粒子が50vol%となるようジエチレングリコールビスアリルカーボネートを添加し21時間攪拌を行い複合材料とした。その後、実施例2と同様にして試験片を成形し、試験片の機械的物性及び、光学的物性を測定した。その結果を表1(a)、(b)に示す。
透過率、散乱率は光学材料として十分使用可能な特性を示した。弾性率は微粒子添加前後で4.2GPaから9.2GPaへと上昇し、熱膨張係数は110ppmから45ppmへと低減された。また、吸水率は3.0%から0.5%へと低減された。また屈折率は1.498から1.606へと上昇し、その温度依存性は0.00006/℃と改善され光学設計上有用な光学特性を示した。さらに、TEM画像による分散性の評価においても優れた分散性を示した。すなわち、複合材料の加成性の範囲を逸脱した機械的物性および光学特性を得ることが出来た。
本実施例では、添加する微粒子として綺麗な球形微粒子が作成できることで知られているポリスチレンラテックス粒子を使用した。またポリスチレンラテックス粒子の製造及び複合材料側への分散をマイクロ空間、反応場で行う方法を採用(マイクロリアクター法)し、微粒子の製造と合成樹脂への分散を同時に実施する方法を示す。また、上記までの実施例とは異なり使用するナノ微粒子として樹脂(ポリスチレンラテックス粒子)を用いている。
マイクロリアクターとは、特開2005−046650号等で開示されているように、微小容器を用いた新しい製造プロセスである。マイクロリアクターには、複数本の微細な流体供給路と繋がるその断面を円形に換算した場合の等価直径(円相当直径)が、数μm〜数百μm程度の微小空間(混合反応流路)が設けられている。この複数本の流体供給路を通して複数の流体を微小空間に合流することで、複数の流体を混合し、又は混合と共に化学反応を生じさせる装置である。
本実施例では、原料として三流体(三つの原料)を使用する。そのため3つの供給路A,B,Cと排出路Dからなるマイクロリアクタ−装置(不図示)を使用した。混合順序としては、まずAとBの流体を混合したのちCの流体と混合し、三流体の混合体が流路Dを通過・排出される。
本実施例は、ポリスチレンラテックス粒子としては、製品名:micromer(製品名01−00−151:コアフロント株式会社 平均粒径15nm 表面処理無し)等の市販材料を使用して、マイクロリアクタ−法により、表面処理を施しながら樹脂に分散させていく手法を採用した。また、特開2004−352812号等で開示されているように、まず純水に非イオン性乳化剤と重合開始剤を添加して昇温することで、ポリスチレンラテックス粒子を合成すると同時に表面処理、合成樹脂への分散処理を施する手法にも好適である。
また、ポリスチレンラテックス粒子への表面処理剤としては、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(製品名KBM503:信越化学社製)を使用した。また、複合材料としては紫外線硬化型のアクリルモノマー(製品名アデカオプトマー:旭電化工業製)を使用した。
次に具体的な製造方法を述べる。まず、流路Aに任意の流速でポリスチレンラテックス粒子(製品名:microme 粒子濃度25mg/ml、エタノール溶媒)を供給する。次に流路Bに同流速で、前述の表面処理剤3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(製品名KBM503:信越化学社製)を供給する。上記の状態で表面処理されたポリスチレンラテックス粒子を前述の日本電子製電子顕微鏡JEM−3010(商品名)で観察すると、その表面には約5nmの有機層が確認できた。尚、この結果より約5vol%の粒子濃度で調合された事が推察出来る。
さらに、AとBを60〜70℃の温度で調整されているマイクロ流路内で混合した後、流路Cから同流速で供給される紫外線効果型樹脂アデカオプトマー(旭電化工業製)と混合させ、最終的には三つの原料の分散ゾルを流路Dより採取した。なお所望の粒子径、粒子の濃度、表面有機層の厚みにより投入する原材料の量、流速、反応場の温度制御等を任意に設定してもよく、マイクロリアクターの形状も任意の形状、形式を用いることが出来る。
これにより得られた合成樹脂内に分散しているポリスチレンラテックス粒子は表面処理が施されているため良く分散されているようであり、TEM画像による分散性の評価においても優れた分散性を示した。
さらに得られた混合材料を前述の通り、互いに対向させた2枚のガラス基板間の四隅に厚さ200μmのスペーサーを配し、ガラス基板間の中央に流延し、ガラス基板に密着させながら展開した。そしてHOYA CANDEO OPTRONICS株式会社製スポットUV光源装置EXECURE3000(商品名)を用いて照射量1,000mJ/cm2で光硬化した。その後、ガラス基板間に形成された複合樹脂成型体をガラス基板より剥離することで、測定用試料を得た。その測定結果を表1(a)、(b)に示した。表1(a)、(b)の結果から、本実施例における複合材料は、加成性の範囲を逸脱した機械的物性および光学特性有するものであった。
このように、反応場としてマイクロ空間を利用したマイクロリアクターを利用することで、理想的なナノコンポジット材料が得られる。これによると添加する材料が無機材料のような高剛性(高弾性率、高硬度、低熱膨張係数、低吸水率等)で無くても、従来では考えられない機械物性を得ることできる。これは、ナノコンポジット効果が、いわゆる物性の体積比率の和(複合則)に則っているものではなく、理想的な状態を作り出せば、その粒子間の相互作用で粒子間或いはその周囲の有機材料、合成樹脂の運動が拘束されていることを証明している。
[比較例1]
比較例1では平均粒子径30nmのシリカ微粒子を0.02vol%、熱硬化性ポリマー中に液分散により反応させる場合について示す。
実施例2と同様にMMAと互いに反応する官能基を有するシリカ微粒子を不図示のビーズミル(ウルトラアペックスミル/寿工業製)を用い、液分散を行った。微粒子の表面被覆率は、それぞれ70%である。
まず、MMA及び前記表面修飾されたシリカ微粒子を、ホモジナイザーで粗大な凝集微粒子を破砕し、これを分散原液とした。この分散原液をビーズミルの攪拌容器に投入した。ビーズミル装置の攪拌微粒子として、粒径0.03mmのジルコニア製のものを用い、この攪拌微粒子を攪拌容器の60vol%になるように入れた。ビーズミル装置の回転数は5,000rpmとし、48時間行った。このようにして得られた分散液中の微粒子の粒度分布をレーザー粒度分布計により測定したところ、平均粒径が30nmにまで一次分散していることが確認された。その後、ビーズミルによって得られた複合材料を実施例2と同様の方式により試験片を作成し。この様にして成形した試験片の機械的物性及び、光学的物性を、実施例1と同様の方式により測定した。
この時のMA中に一次分散しているシリカ微粒子の微粒子径及び粒子間距離を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察した。その結果、微粒子は二次凝集することなく微粒子径30nm付近のシリカ微粒子が分散しており、粒子間の表面距離は約660nmであった。さらに、TEM画像による分散性の評価においても良好な分散性を示した。
しかしながら表1(a)、(b)に示すように、この時の弾性率は3.5(GPa)、熱膨張係数は(6.5×10−5/℃)、吸水率は0.35%であった。従って複合材料の加成性の範囲を逸脱した機械的物性を発現することはできなかった。
[比較例2]
比較例2では平均粒子径1nmのシリカ微粒子を15vol%、熱硬化性ポリマー中に液分散により反応させる場合について示す。微粒子の表面被覆率は、それぞれ30%である。
まず平均粒子径約1nmのシリカ微粒子の表面を修飾した12−アミノラウリル酸で表面修飾されたシリカ微粒子と5−アミノバレリアン酸で表面修飾されたシリカ微粒子をそれぞれ秤量し、メチルメタクリレート(MMA)中に添加する。次にMMAと互いに反応する官能基を有するシリカ微粒子を不図示のビーズミル(ウルトラアペックスミル/寿工業製)を用い、液分散を行った。
まず、MMA及び前記表面修飾されたシリカ微粒子を、ホモジナイザーで粗大な凝集微粒子を破砕し、これを分散原液とした。この分散原液をビーズミルの攪拌容器に投入した。ビーズミル装置の攪拌微粒子として、粒径0.03mmのジルコニア製のものを用い、この攪拌微粒子を攪拌容器の60vol%になるように入れた。ビーズミル装置の回転数は5,000rpmとし、48時間行った。このようにして得られた分散液中の微粒子の粒度分布をレーザー粒度分布計により測定したところ、平均粒径が1nmにまで一次分散していることが確認された。その後、ビーズミルによって得られた複合材料を実施例2と同様の方式により試験片を作成し。この様にして成形した試験片の機械的物性及び、光学的物性を、実施例1と同様の方式により測定した。
この時のMA中に一次分散しているシリカ微粒子の微粒子径及び粒子間距離を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察した。その結果、粒子間の表面距離は約0.2nmであり、一部シリカ微粒子の凝集体が観察された。さらに、TEM画像による分散性の評価においても上記評価基準を満足せず、多くの凝集体が観察された。
また表1(a)、(b)に示すように、この時の弾性率は1.8(GPa)、熱膨張係数は1.3×10−5/℃、吸水率は0.12%であった。従って複合材料の加成性の範囲を逸脱した機械的物性を発現することはできなかった。
実施例8
本比較例は実施例5と同様な操作により複合材料を調整しているが、酸化ジルコニウム粒子は1vol%となるように調整したものである。得られた複合材料は前記測定試料の作成法に従い測定試料を作成し、その後各種特性を評価した。結果を表1(a)、(b)に示す。微粒子の表面被覆率は、それぞれ50%である。
透過率、散乱率は光学材料として十分使用可能な特性を示した。弾性率は微粒子添加前後で3.0GPaから6.6GPaへと上昇し、熱膨張係数は53ppmから25ppmへと低減された。また、吸水率は1.9%から0.8%へと低減された。しかしながら屈折率温度依存性は0.00010/℃と改善されたものの、屈折率は1.524から1.528と大きな変化が無く、光学設計上有用な光学特性を示すことができなかった。尚、TEM画像による分散性の評価では良好な分散性を示した
[比較例
本比較例は実施例6と同様な操作により複合材料を調整しているが、酸化アルミニウム粒子は60vol%となるように調整したものである。得られた複合材料は前記測定試料の作成法に従い測定試料を作成し、その後各種特性を評価した。結果を表1(a)、(b)に示す。微粒子の表面被覆率は、それぞれ30%である。
透過率、散乱率は光学材料として使用可能な特性を示さなかった。特に散乱率が大きく、TEM画像による分散性の評価においても上記評価基準を満足せず、多くの凝集体が観察された。すなわち、複合材料の加成性の範囲を逸脱した機械的物性および光学特性を得ることはできなかった。
Figure 0005268240

本発明における光学用複合材料を使用して製造した光学素子の模式図 本発明における光学用複合材料を製造する二軸混練装置の断面図。 本発明における光学用複合材料を用いてプラスチックレンズを成形する射出成型装置。 従来における光学用複合材料の状態を示した模式図 本発明における光学用複合材料の状態を示した模式図
符号の説明
1 複合光学材料
2 無機微粒子
3 合成樹脂
4、7 ホッパー
5、8 シリンダー
6、9 スクリュー
10 成形用金型

Claims (8)

  1. 合成樹脂と、該合成樹脂中に0.1vol%以上50vol%以下の割合で分散した平均粒子径が1nm以上30nm以下の微粒子とを有し、
    前記微粒子は第1の官能基により表面の一部が修飾された第1の微粒子と、前記第1の官能基と異なる第2の官能基により表面の一部が修飾された第2の微粒子とを有し、
    前記第1の官能基による前記第1の微粒子の表面被覆率及び前記第2の官能基による前記第2の微粒子の表面被覆率は、30%以上70%以下であり、
    前記第1の微粒子の第1の官能基と、前記第1の微粒子と隣り合う第2の微粒子の第2の官能基とは化学結合しており、官能基が化学結合した前記第1の微粒子と前記第2の微粒子間の表面距離は0.4nm以上280nm以下であることを特徴とする光学用複合材料。
  2. 前記光学用複合材料の弾性率が、前記合成樹脂の弾性率の2倍以上6倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学用複合材料。
  3. 前記光学用複合材料の熱膨張係数が、前記合成樹脂の熱膨張係数の1/2以下1/5以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学用複合材料。
  4. 前記光学用複合材料の吸水率が、前記合成樹脂の吸水率の1/2以下1/10以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光学用複合材料。
  5. 前記第1の官能基又は前記第2の官能基は、(メタ)アクリル基、ビニル基、スチリル基、グリシジル基から選ばれる官能基であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学用複合材料。
  6. 前記合成樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂のいずれか、もしくはこれらの共重合体からなる熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学用複合材料。
  7. 前記微粒子が酸化珪素、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、インジウム錫酸化物からなる金属酸化物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学用複合材料。
  8. 前記請求項1乃至7に記載の光学用複合材料を成形から形成されることを特徴とする光学素子。
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