JP5265291B2 - 枚葉シートの塗布方法 - Google Patents
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Description
枚葉シートをロボットアームに載せて搬入し、上昇させたリフトピン上に枚葉シートを置いた後、ロボットアームを引き抜く。次にリフトピンを下降させ、枚葉シートを定盤上に配置し、吸着穴および/または吸着溝を介して枚葉シートを真空吸引し、定盤に吸着固定する。次にダイヘッドを移動してスリットから塗布液を押し出して塗布液を枚葉シートに塗布する。続いて真空破壊し、枚葉シートを定盤との吸着状態を解除し、リフトピンを上昇させて塗膜を形成した枚葉シートを持ち上げ、枚葉シートと定盤の間にロボットアームを挿入して枚葉シートをロボットアームに載せて持ち上げて取り出す。
この場合には、上記一連の工程を停止し、枚葉シートを除き再スタートする必要がある。
従って、うねりや反りが生じた薄い枚葉シートでも確実に定盤に吸着できる方法が望まれている。
樹脂としてはポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂などが例示される。また、樹脂シートとして、これら樹脂の積層シートも挙げられる。枚葉シートの厚みとしては、約0.8mm〜0.2mmのような薄い場合に、本発明は特に有効である。
これらは、通常、活性エネルギー性硬化性塗布物、熱硬化性塗布物であり、活性エネルギー線、または熱エネルギーによって硬化するものである。
塗布液は、活性エネルギー線または熱エネルギーで硬化する有機成分、機能を付与できる無機酸化物微粒子や有機系微粒子、光開始剤または熱開始剤、必要に応じてレベリング剤(平滑剤)、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを含有し、さらにこれらの成分を溶解または分散させるための水または各種の有機溶剤を含有する。
塗布液の物性として、粘度が約0.1〜50mPa・s、表面張力は濡れ性の観点から枚葉シートの表面張力より低いものが好ましく、通常、約20〜40mN/mのものが使用される。
多孔質シートとしては、連続気泡を有する多孔質の樹脂製、金属製またはセラミックス製のものが挙げられるが、熱伝導率の小さい樹脂製、すなわち樹脂粉末の焼結多孔質成形体からなるシートが好ましく用いられる。樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
また、多孔質シートの厚みは、特に限定されるものではないが、約0.1〜5.0mm、好ましくは0.3〜2.0mmである。
多孔質シートの気孔率は、約5〜50容積%、好ましくは約15〜35容積%である。
多孔質シートの大きさは、塗布する枚葉シートと同じ大きさかそれ以上にする。
また、多孔質シートの端面および塗布する枚葉シートより外側になる部分を、吸引漏れが発生し、吸着力が低下するのを防止するために、テープ等で塞ぐことが好ましい。
中央部から周辺部方向への真空吸引は、連続的に行っても良いが、そのための設備が複雑になるので、通常、区分けした区分毎に順に行う。その区分に対応する位置にある吸着穴を介して真空吸引する。
区分けは、枚葉シートの大きさによって異なるが、中央部および周辺部の2区分、中央部、中間部および周辺部の3区分などである。図4、図5は中央部(13)、中間部(14)および周辺部(15)の3区分の例を示す。中央部と中間部、または中間部と周辺部を同時に真空吸引して2区分とすることもある。
電磁弁11を順に開いてそれぞれの区分を真空吸引する。
区分の形状は矩形に限られるものではなく、楕円状などでも良い。
なお、真空度はそれぞれの区分の真空ラインの数か所に真空度計を設置して測定する。
真空破壊する際に枚葉シートの外周部に位置する吸着穴への空気流入量をそれ以外に位置する吸着穴への空気流入量よりも少なくして行い、真空破壊した後、時間を置かずに塗膜を形成した枚葉シートをロボットアーム上に載せて持ち上げることが好ましい。このことによって、薄い枚葉シートの場合でも、塗膜を形成した枚葉シートをリフトピンで持ち上げる際に、枚葉シートが撓み、ロボットアーム挿入時にロボットアームが枚葉シートの撓みと接触することを防止することができる。
接触すると枚葉シートの配置方向がずれ、ずれを修正するためにラインを停止する必要が生じて生産性が低下することがあり、また時には枚葉シートが破損することがある。
なお、真空破壊した後、時間をおかずにとは、真空破壊直後〜約20秒以内を意図するもので、20秒以内であれば効果の発現に問題はない。
一方、枚葉シートの外周部に位置する吸着穴への空気流入量をそれ外に位置する吸着穴への空気流入量よりも少なくして真空破壊する方法では、むしろ上方へ撓む傾向を示す。このことによって、ロボットアーム挿入時にロボットアームが枚葉シートの撓みと接触することを防止することができる。尚、電磁弁11を介しての真空吸引や真空破壊は、特に限定されないが、例えば真空ライン10により接続された真空ポンプ及び空気圧縮機(何れも図示せず)の切り替え稼動により実施すればよい。
上方へ撓む傾向を示すようにテストを繰り返し、外周部の範囲、流量制御弁12の開閉度を決定する。
なお、空気流入量は、ラインに空気を流し、流速計で吸着穴の流速を測定して外周部に位置する吸着穴とそれ以外に位置する吸着穴の流量割合とする。
なお、得られた硬化被膜の厚さは、膜厚測定装置〔Filmetrics社のF−20〕を用いて測定した。
(枚葉シートの作製)
ポリカーボネート(住友ダウ(株)製 カリバー 301−10、屈折率1.585)を、40mmφ一軸押出機を用いて溶融混練し、またアクリル樹脂(住友化学(株)製
スミペックス MH)を、20mmφ一軸押出機を用いて溶融混練し、両者をフィードブロックを介して一方の表層がアクリル樹脂となるように2層化し、次いでT型ダイを介して押し出し、ポリシングロールに両面が完全に接するようにして冷却して、厚さ0.5mmの2層の樹脂シートを得た。この際、アクリル樹脂層の厚さは70μmとした。この樹脂シートを1140mm×1650mmの大きさに切断し、枚葉シートを得た。
(塗布液の作製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔新中村化学工業(株)の“NKエステルA−DPH”〕28部、光重合開始剤〔チバスペシャリティーケミカルズ(株)のIRGACURE 184〕1部、5酸化アンチモン微粒子ゾル〔触媒化成工業(株)のELCOM V−4514;固形分濃度20%〕8部、1−メトキシ−2−プロパノール32部、イソブチルアルコール32部及び、及びシリコーンオイル〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)の“SH28PA”〕0.045部を混合して塗布液を作製した。
参考例1で作製した枚葉シートを搬送コンベア上にアクリル樹脂層を上面にして配置し、コンベアで搬送しながら、上面および下面側共に搬送方向に約150mm間隔で6列に洗浄ノズルを配置し(上面側4列には2流体ノズル((株)いけうち製、打力2×10−1N)を合計80個、2列にはスプレーノズル((株)いけうち製)を合計14個、下面側は6列共にスプレーノズルを合計42個)、約30℃の純水によって洗浄を行った。その後、さらに上面および下面側共に6列目の洗浄ノズルから300mmの位置に合計7個のスプレーノズル((株)いけうち製)を1列配置し、純水によってリンス洗浄を行った。その後、上下にエアーナイフ((株)竹綱製作所製)にて、水切りした。その後、除電装置((株)キーエンス製)によって除電を行った。
この枚葉シートには高さが1〜3mmのうねりが3個あった。
定盤は、幅2090mm、長さ3120mm、厚さ250mmであり、幅1300mmで長さ1650mmの領域に、1mm幅の吸着溝が約80mm間隔で格子状に配置され、その交点などに左右、上下対称に70個所の吸着穴が配置されている。また、14mmφのリフトピンを通す穴が36個(幅方向に6個×長さ方向に6個)配置されている。
なお、1140mm×1650mmの枚葉シートが配置される部分の外側はテープでシールした。
なお、5秒間真空吸引して真空度が−70kPaに達しない場合は吸着固定されていないと判断し、真空吸引を停止するように設定した。
吸着固定時の真空度は−95kPaであった。
塗膜幅:1120mm、ダイリップクリアランス:100μm、塗布ギャップ(シートとダイリップ先端との距離):70μm、塗布速度190mm/s、目標塗膜厚さ:約26μm
次いで枚葉シートをロボットアームで保持し、熱風乾燥炉内の支持ピン上に搬送し、温度が約45℃、風速が約1〜2m/sで、約180秒間乾燥した。乾燥した塗膜を形成した枚葉シートをロボットアームにて乾燥炉の支持ピン上から搬出し、コンベアに移載し硬化設備に搬送した。
平均3.5μm、最大4.0μm、最小2.9μm
なお、膜厚は、周端部を除き、幅方向に1090mmの間について26列、塗布方向に1600mmの間について36列、合計936個所について測定した結果である。
膜厚ムラが少なく、外観も良好であり、品質の優れた塗膜が形成されている。
中央部、中間部、周辺部を順に真空吸引する代わりに、中央部、中間部および周辺部を同時に真空吸引した以外は実施例1と同様に行ったが、真空度が−70kPaに達せず、真空吸引が停止し、塗布液の塗布ができなかった。
2 吸着穴
3 吸引溝
4 リフトピンの穴
5 枚葉シート
6 ダイヘッド
7 塗布液の膜
8 リフトピン
9 ロボットアーム
10 真空ライン
11 電磁弁
12 流量調節弁
13 中央部
14 中間部
15 周辺部
Claims (3)
- 樹脂シートからなる厚さ0.2〜0.8mmの枚葉シートを定盤上に配置し、定盤に設けられた吸着穴を介して枚葉シートを真空吸引して定盤に吸着固定した後、ダイヘッドを移動してスリットから塗布液を押し出して塗布液を枚葉シートに塗布し、続いて真空破壊し、塗膜を形成した枚葉シートをロボットアームに載せて持ち上げて取り出す枚葉シートの塗布方法において、
配置された枚葉シートの中央部から周辺部方向に順に真空吸引すると共に、
前記真空破壊は、塗膜を形成した枚葉シートの外周部に位置する吸着穴への空気流入量をそれ以外に位置する吸着穴への空気流入量よりも少なくして行うことを特徴とする枚葉シートの塗布方法。 - 枚葉シートをその中央部から周辺部方向に2〜3区分に分け、中央部から順に真空吸引することを特徴とする請求項1記載の枚葉シートの塗布方法。
- 中央部から順にその区分に対応する位置にある吸着穴を介して真空吸引することを特徴とする請求項2記載の枚葉シートの塗布方法。
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