JP5262604B2 - 液体噴射制御装置および液体噴射制御方法 - Google Patents

液体噴射制御装置および液体噴射制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、被噴射媒体と液体を噴射する噴射ノズル列とを前記噴射ノズル列と交差する方向である主走査方向に相対的に主走査させつつ、前記被噴射媒体と前記噴射ノズル列とを前記主走査方向と略直交する副走査方向に相対的に副走査させる液体噴射制御装置および液体噴射制御方法に関する。
被噴射媒体上の同一のラスタラインに対して複数回主走査を行うことにより、当該ラスタラインの形成を行うオーバーラップ方式の液滴噴射が行われている(特許文献1、参照。)。このようなオーバーラップ方式の液滴噴射を行うことにより、個々の主走査におけるばらつきの影響を抑えることができ、最終的な画質が良好な印刷結果を得ることが可能であった。
特開2002−11859号公報
マルチノズルの印刷ヘッドによってオーバーラップ方式の液滴噴射を行うと、印刷用紙上の同一のラスタラインに対して複数の噴射ノズルが液滴を噴射させることとなる。このとき、当該ラスタラインに対して液滴を噴射するいずれかの噴射ノズルに不具合があった場合、その影響が当該ラスタラインの形成に影響を与えることとなる。オーバーラップ方式の液滴噴射においては、不具合のある単一の噴射ノズルのみで非オーバーラップ方式の液滴噴射を行った場合と比較して、不具合の影響は低減されることとなるが、他の正常な噴射ノズルに対して不具合のある噴射ノズルの噴射量が多い場合には影響が強く表れることとなる。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、不具合のある噴射ノズルの悪影響を抑制する印刷装置を提供する。更に、前記課題はインク滴を吐出する印刷装置に限定されずに、液滴を吐出する一般的な液体噴射制御装置、液体噴射制御方法および液体噴射制御プログラムも同様に抱えるため、本発明は、当該一般的な液体噴射制御装置および液体噴射制御方法へ適用したものを提供する。
前記課題を解決するために、本発明では、被噴射媒体と液体を噴射する噴射ノズル列とを前記噴射ノズル列と交差する方向である主走査方向に相対的に主走査させつつ、前記被噴射媒体と前記噴射ノズル列とを前記主走査方向と直交する副走査方向に相対的に副走査させるマルチノズル方式の液体噴射制御装置において、副走査方向における同一位置の主走査ラインに対して、複数の噴射ノズルから液体を噴射するにあたり、各噴射ノズルが噴射する各主走査ごとの噴射率を副走査方向の位置に応じて変動させ、その変動において前記噴射率が最大となる前記噴射ノズルが副走査方向に分散するように前記噴射率を制御する。前記噴射率が最大となる前記噴射ノズルに不具合がある場合には、オーバーラップ印刷であっても全体的な噴射結果に悪影響が見られることとなる。これに対して、前記噴射率が最大となる前記噴射ノズルが副走査方向に分散するため、副走査方向の一部の領域の前記噴射ノズルに不具合があった場合の影響度を低減することができる。すなわち、副走査方向の複数の領域に不具合がまたがって存在している可能性は低く、前記噴射率が最大となる前記噴射ノズルを分散させることにより、いずれかの正常な前記噴射ノズルにて最大の前記噴射率の液体を正常に噴射することができる。なお、前記主走査方向と前記副走査方向とは厳密に直交する必要はなく、90度に対して多少のばらつきの範囲内の角度で交差していてもよい。また、副走査方向における同一位置の主走査ラインとは、意図的に同一位置に行うものであり、例えばインターレースにおけるオフセット量や機械精度誤差量を含んでいても本発明の同一位置に該当する。
具体的には、前記噴射率が最大かつ一様となる前記噴射ノズルが副走査方向に連続する噴射ノズル群を2以上形成することにより、前記噴射率が最大となる前記噴射ノズルを分散させることができる。むろん、前記噴射ノズル群を3以上形成するようにしてもよい。さらに、前記噴射率が最大かつ一様となる前記噴射ノズルが副走査方向に連続する噴射ノズル群を2以上形成する場合に、当該ノズル群に挟まれた前記噴射率の小さいノズル群が前記噴射ヘッドにおける副走査方向の中央に形成されるようにしてもよい。すなわち、前記噴射ヘッドにおける副走査方向の中央を挟むように前記噴射率が最大かつ一様となる前記噴射ノズル群が存在する。このようにすることにより、前記噴射ヘッドにおける副走査方向の中央付近の不具合の影響を低減することができる。
また、前記噴射率が最大かつ一様となる前記噴射ノズルが副走査方向に連続する噴射ノズル群を2以上形成する場合に、当該ノズル群に挟まれた前記噴射率の小さいノズル群が噴射特性の安定性が低い前記噴射ノズルを含むようにしてもよい。このようにすることにより、噴射特性の安定性が低い前記噴射ノズルによる悪影響を低減することができる。また、前記副走査方向の位置に応じた前記噴射率の変動において、前記噴射率が非線形に変動する領域を設けてもよい。すなわち、各主走査ごとの噴射率が非線形的に変動するため、液体や被噴射媒体の特性に応じた前記噴射率の変動の調整を実現することができる。
さらに、前記噴射率が最大かつ一様となる前記噴射ノズル群に挟まれた前記噴射率の小さいノズル群が、噴射特性の安定性が低い前記噴射ノズルを含むようにするにあたり、予め各噴射ノズルの噴射特性を把握しておく必要がある。従って、前記噴射ノズルの噴射特性が記憶された特性情報を前記噴射ヘッドと対応付けて記憶しておき、当該特性情報に応じて前記噴射率の制御を行うようにするのが望ましい。前記噴射ヘッドごとに前記特性情報は異なったものとなるため、前記噴射ヘッドの個体に対応付けて前記特性情報を記憶する必要がある。
さらに、前記噴射ノズルから噴射させる液体の種類に応じて異なる前記噴射率の制御を行うようにしてもよい。液体の種類に応じて噴射特性も異なるため、各液体の種類に適した前記噴射率の制御を行うのが望ましい。具体的には、他の液体よりも前記被噴射媒体における定着時間が長い液体を前記噴射ノズル列から噴射する場合には、前記副走査方向における同一位置の前記主走査ラインに対する各主走査のうち初期の主走査における前記噴射率を他の液体よりも高くするのが望ましい。前記被噴射媒体における定着時間が長い液体を初期の段階で多く噴射させ定着させておくことができるため、にじみやむら等の不具合を抑制することができる。また、一般的に濃度が低い液体ほど定着時間が長くなる傾向にあるため、濃度に応じて各主走査のうち初期の主走査における前記噴射率を調整するようにしてもよい。
特に、同一の混合材を有し、かつ、該混合材の濃度が異なる一対の液体を前記噴射ノズル列から噴射する場合には、当該一対の液体のうち濃度が低い一方について、前記副走査方向における同一位置の前記主走査ラインに対する各主走査のうち初期の主走査における前記噴射率を他の一方よりも高くするようにしてもよい。このようにすることにより、前記被噴射媒体における定着時間が長い液体を初期の段階で多く噴射させ定着させておくことができる。また、前記噴射制御手段は、他の液体よりも噴射量が多くなる第1および第2の液体を前記噴射ノズル列から噴射する場合には、第1の液体について、前記副走査方向における同一位置の前記主走査ラインに対する各主走査のうち初期の主走査における前記噴射率を第2の液体よりも高くするのが望ましい。また、前記一対の液体の前記噴射率の変動を互いに対称とするため、各主走査の初期および終盤において双方の前記液体の前記噴射率が高くなることが防止できる。このようにすることにより、前記主走査ラインに対する各主走査の前記噴射量の総量を軽減することができ、にじみやむらを防止することができる。
さらに、本発明の技術的思想は、具体的な液体噴射制御装置にて具現化されるのみならず、その方法としても具現化することができる。すなわち、上述した液体噴射制御装置が行う各手段に対応する工程を有する方法としても本発明を特定することができる。むろん、上述した液体噴射制御装置がプログラムを読み込んで上述した各手段を実現する場合には、当該各手段に対応する機能を実行させるプログラムや当該プログラムを記録した各種記録媒体においても本発明の技術的思想が具現化できることは言うまでもない。なお、本発明の液体噴射制御装置は、単一の装置のみならず、複数の装置によって分散して存在可能であることはいうまでもない。例えば、液体噴射制御装置が有する各手段が、パーソナルコンピュータ上で実行されるプリンタドライバと、プリンタの双方において分散することも可能である。また、プリンタ等の印刷装置に本発明の液体噴射制御装置の各手段を包含させることも可能である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
A.装置構成
B.印刷制御処理
C.印刷結果
D.複数インクの組み合わせについて
E.変形例
A.装置構成
図1は、本実施形態の一実施形態にかかる液体噴射制御装置のハードウェア構成を概略的に示している。同図において、液体噴射制御装置は主にコンピュータ10によって構成されており、コンピュータ10はCPU11とRAM12とROM13とハードディスクドライブ(HDD)14と汎用インターフェイス(GIF)15とビデオインターフェイス(VIF)16と入力インターフェイス(IIF)17とバス18とから構成されている。バス18は、コンピュータ10を構成する各要素11〜17の間でのデータ通信を実現するものであり、図示しないチップセット等によって通信が制御されている。HDD14には、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムを実行するためのプログラムデータ14aが記憶されており、当該プログラムデータ14aをRAM12に展開しながらCPU11が当該プログラムデータ14aに準じた演算を実行する。GIF 15は、例えばUSB規格に準じたインターフェイスを提供するものであり、外部のプリンタ20をコンピュータ10に接続させている。VIF 16はコンピュータ10を外部のディスプレイ40に接続し、ディスプレイ40に画像を表示するためのインターフェイスを提供する。IIF 17はコンピュータ10を外部のキーボード50aとマウス50bに接続し、キーボード50aとマウス50bからの入力信号をコンピュータ10が取得するためのインターフェイスを提供する。
図2は、コンピュータ10にて実行されるプログラムのソフトウェア構成を概略的に示している。同図において、コンピュータ10では、おもにOS P1とアプリケーションP2とプリンタドライバP3(液体噴射制御プログラム)とディスプレイドライバP4が実行されている。OS P1は、各プログラムが共通して使用可能なAPIを提供する。アプリケーションP2は、印刷データPDを生成するためのアプリケーションプログラムであり、キーボード50aやマウス50bからの入力操作に応じて印刷データPDを生成する。プリンタドライバP3は、レンダラP3aと色変換部P3bとハーフトーン部P3cとラスタライザP3d(噴射制御手段)と印刷制御データ出力部P3eとから構成されている。レンダラP3aは、印刷データPDに基づいて印刷画像データを描画する処理を行う。色変換部P3bは、印刷画像データを取得し、当該印刷画像データをプリンタ20が使用するインク量空間のデータに変換する。ハーフトーン部P3cは色変換された印刷画像データを取得し、当該印刷画像データに対してハーフトーン処理を行ってハーフトーンデータHTDを生成する。ラスタライザP3dは、ハーフトーンデータHTDを取得し、ハーフトーンデータHTDを分解して各主走査におけるノズル吐出データNDを生成する。印刷制御データ出力部P3eは、ノズル吐出データNDに基づいて印刷制御データPCDを生成し、プリンタ20に出力する。なお、プリンタドライバP3が実行する印刷制御処理の詳細については後述する。
図3は、本実施形態にかかるプリンタ20の概略構成を示している。同図において、プリンタ20は、メインコントローラ21と紙送りコントローラ22と紙送りモータ22aとキャリッジコントローラ23とキャリッジモータ23aとヘッドコントローラ24とドライバ24aと通信インターフェイス(IF)25とバス26と印刷ヘッドHDとから構成されており、バス26を介して各部が相互にデータを通信する。通信IF25は、コンピュータ10から送信された印刷制御データPCDを受信し、メインコントローラ21に送出する。メインコントローラ21は、印刷制御データPCDを取得し、印刷制御データPCDに基づいて紙送りコントローラ22とキャリッジコントローラ23とヘッドコントローラ24を制御する。
紙送りコントローラ22は印刷制御データPCDに基づいて紙送りモータ22aの駆動量や駆動タイミングを制御する。紙送りモータ22aは、被噴射媒体としての印刷用紙Pを搬送する紙送りローラを駆動させるものであり、紙送りモータ22aが駆動することにより印刷用紙Pが紙送り(副走査)される。キャリッジコントローラ23は、印刷制御データPCDに基づいてキャリッジモータ23aの駆動量や駆動タイミングを制御する。キャリッジモータ23aは、印刷ヘッドHDを備えたキャリッジを印刷用紙Pが副走査される方向とは直交する方向に往復駆動(主走査)させる。
本実施形態の吐出ヘッドHDにおいては、CMYK各色の吐出ノズルNZが副走査方向に配列したノズル列が設けられており、各吐出ノズルNZの列が主走査方向に配列されている。吐出ヘッドHDは主走査方向に1インチの長さを有しており、各ノズル列においては360個の吐出ノズルNZが副走査方向に均等なピッチで配列している。すなわち、吐出ヘッドHDの副走査方向における吐出ノズルNZの密度は360dpiとなっている。各吐出ノズルNZはインクが供給されるインク室と連通しており、当該インク室に機械的圧力を加えるピエゾ素子(不図示)が各吐出ノズルNZごとに備えられている。
ヘッドコントローラ24は、印刷制御データPCDに基づいてドライバ24aに印刷ヘッドHDの各ピエゾ素子に印加するための駆動パルスを生成させる。これにより、各吐出ノズルNZから複数のインク滴が吐出され、当該インク滴が印刷用紙P上に着弾、乾燥することにより、複数のインクドットが印刷用紙P上に記録される。印刷ヘッドHDが一度の主走査を行う際に、各ピエゾ素子に対して複数回数駆動パルスを出力することにより、印刷用紙P上の主走査方向にラスタラインを形成することができる。この駆動パルスの出力周期を調整することにより、印刷用紙P上における主走査方向のインクドットの密度を調整することができ、出力タイミングを調整することにより印刷用紙P上における主走査方向のインクドットの形成位置を調整することができる。駆動パルスの出力周期や出力タイミングは主としてラスタライザP3dが生成したノズル吐出データNDに基づいて制御される。また、本実施形態では、印刷ヘッドHDが往方向および復方向のそれぞれに主走査する際に駆動パルスが出力される双方向印刷方式を採用している。
図4は、吐出ヘッドHDの主走査と印刷用紙Pの副走査の様子を示している。本実施形態では、双方向印刷を行うものとし、吐出ヘッドHDは各吐出ノズルNZからインクを吐出しながら交互に主走査を行う。また、紙送りコントローラ22は、吐出ヘッドHDが一回の主走査を完了させるごとに、1/12インチだけ印刷用紙Pを副走査させる。このように主走査と副走査を行うことにより、印刷用紙Pに2次元の平面画像を形成することができる。また、1回の副走査と1回の主走査によって1パスサイクルが構成されるものとする。奇数番目のパスサイクルにおいて吐出ヘッドHDは紙面右方向に主走査し、偶数番目のパスサイクルにおいて吐出ヘッドHDは紙面右方向に主走査することとなる。パスサイクルの番号をCと表すものとする。
図5においては、吐出ヘッドHDと印刷用紙Pの相対位置関係が模式的に示されている。なお、図示の簡略化のため単一のノズル列(Cインクの一列)のみ示している。吐出ヘッドHDは主走査方向にのみ移動し、実際には副走査方向に移動しないが、印刷用紙Pの副走査によって印刷用紙Pに対して相対的に移動するため、便宜的に印刷用紙Pを固定し、吐出ヘッドHDがC=1〜12のパスサイクルにわたって副走査方向に移動しているように図示している。吐出ヘッドHDに対して紙面下方から上方に向かって印刷用紙Pが副走査するため、吐出ヘッドHDの紙面下方側が最初に印刷用紙Pに到達する。そのため、吐出ヘッドHDの紙面下方側を先頭側と表記し、紙面上方側を後方側と表記するものとする。また、各吐出ノズルNZはそれぞれノズル番号Nを有しており、先頭側の端の吐出ノズルNZを1番(N=1)とし、後方側の端の吐出ノズルNZを360番(N=360)とするものとする。さらに、吐出ノズルNZを30個ずつグループ化し、最も先頭側のグループを1番(M=1)のノズル群として、最も後方側のグループを12番(M=12)のノズル群と表すものとする。
本実施形態において、紙送りコントローラ22は、吐出ヘッドHDが一回の主走査を完了させるごとに、1/12インチだけ印刷用紙Pを副走査させる。従って、図においては1/12インチずつ吐出ヘッドHDが印刷用紙Pに対して紙面下方に進行することとなる。そのため、あるパスサイクルにおいて印刷用紙P上の副走査方向のある位置を(M=m)番のノズル群に属する吐出ノズルNZがインクドットの形成を担当していた場合、次のパスサイクルにおいては(M=m+1)番目のノズル群に属する吐出ノズルNZが当該位置に対するインクドットの形成を担当することとなる。より具体的には、あるパスサイクルにおいて印刷用紙P上の副走査方向のある主走査ラインLのインクドットの形成をn番の吐出ノズルNZが担当していた場合、次のパスサイクルにおいては(N=n+30)番目の吐出ノズルNZが当該主走査ラインLのインクドットの形成を担当することとなる。さらに、最初のパスサイクル(C=1)においてn(n<30)番目の吐出ノズルNZがインクドットの形成を担当していた主走査ラインLに対して、任意のC(C≦12)番目のパスサイクルおいてインクドットの形成する吐出ノズルNZは、(N=n+30×(C−1))番目の吐出ノズルNZであると言うことができる。
図6は、本実施形態におけるインクドット(記録画素)の配列規則を示している。同図においては、(N=n+30×(C−1))番目のノズルが各パスサイクルにおいて印刷用紙Pの主走査ラインLにインクドットを形成させる詳細な位置を模式的に示している。ここでは、各パスサイクルの番号と、各パスサイクルの往復動の方向を示す矢印が、インクドットの形成位置と対応付けて示されている。基本的には、(N=n+30×(C−1))番目のノズルがインクドットを形成する印刷用紙P上の位置は略同一となるが、本実施形態ではわずかに形成位置をずらすことにより720×720dpiの記録密度でインクドットを形成することとしている。ここでは、(C=1,2,3,4,5,6)番目のパスサイクルと、(C=7,8,9,10,11,12)番目のパスサイクルにおいて形成されるインクドットの位置は副走査方向に吐出ノズルNZのピッチの半分の距離だけずれるように紙送りコントローラ22が紙送り量を調整している。
これにより、720dpiのインクドット密度を副走査方向に実現することができる。また、(C=1,7)番目のパスサイクルと、(C=2,8)番目のパスサイクルと、(C=3,9)番目のパスサイクルと、(C=4,10)番目のパスサイクルと、(C=5,11)番目のパスサイクルと、(C=6,12)番目のパスサイクルにおいて形成されるインクドットの位置は主走査方向に1/720インチだけずれるようにヘッドコントローラ24が吐出タイミングを調整している。なお、単一の主走査における周期的な各吐出タイミングで吐出を繰り返すことにより、(各パスサイクルで形成されるインクドット単独の記録密度は主走査方向に360dpiとなり、その結果、すべてのパスサイクルでは、主走査方向の記録密度が720dpiとなる。以上の配列規則はインクドットが形成可能な全領域について一様に定められており、印刷用紙P上の任意の位置を指定することにより、当該位置にインクドットを形成するパスサイクルと吐出ノズルNZと吐出タイミングを特定することが可能となっている。本実施形態では、以上のようなインクドットの配列規則を前提として、以下のような印刷制御処理を実行する。
B.印刷制御処理
図7は、プリンタドライバP3が実行する印刷制御処理の流れを示している。ステップS100においてアプリケーションP2が生成した印刷データPDをレンダラP3aが取得する。例えば、テキストデータや描画コマンド等が印刷データPDとして取得される。ステップS110において、レンダラP3aは、印刷データPDに基づいて描画を行うことにより、RGB色空間の色情報を有する複数の画素からなる印刷画像データを生成する。ステップS120において、色変換部P3bは、描画された印刷画像データを取得し、プリンタ20が使用するCMYKインクのインク量色空間で各画素の色が表現された印刷画像データに変換する。その際に、RGB色空間とインク量色空間との対応関係を規定した色変換プロファイルを使用する。ステップS130において、ハーフトーン部P3cは、インク量色空間の印刷画像データを取得し、当該印刷画像データに対してディザ法や誤差拡散法等によるハーフトーン処理を行う。これにより、各画素についてインクを吐出させるか否かを指示するハーフトーンデータHTDが各インクごとに生成されることとなる。そして、ステップS140においては、ラスタライザP3dがハーフトーンデータHTDに基づいてラスタライズ処理を実行することにより、ノズル吐出データNDを生成する。
図8は、ラスタライズ処理の詳細な流れを示している。同図において、CインクについてのハーフトーンデータHTDがラスタライザP3dに入力されている(ステップS141)。ハーフトーンデータHTDにおいては、印刷用紙P上の各位置が360×360dpiの画素密度の各画素で指定されており、各画素についてCインクを吐出させるか否かが指示されている。図6に示したインクドットの配列規則と、ハーフトーンデータHTDの各画素の位置とを対比することにより、各インクドットを形成すべきか否かを判断する(ステップS142)。以上のようにして、図6に示した720×720dpiの各インクドットについて形成すべきか否かが判断できると、当該データを図6の配列規則に基づいて各主走査における各吐出ノズルNZの吐出状特定するノズル吐出データNDに分解する(ステップS143)。
図9は、ある主走査における、ある吐出ノズルNZについてのノズル吐出データNDが生成される様子を模式的に示している。同図においては、ある主走査において吐出可能なすべての位置についてインクドットを形成すべきことを示すドット形成データがハーフトーンデータHTDに基づいて入力された様子を示している。図9においてはマスクを概念的に図示しており、各ドット形成データにマスクを適用することにより、もともとドット形成データが指示するインクドットの形成のうちデューティに応じた割合だけ実際に吐出を行うように制限が加えられることとなる。これにより、ある主走査における、ある吐出ノズルNZについての吐出可否を指示するノズル吐出データNDが生成される。なお、吐出の制限が主走査方向において偏ると、主走査方向のインク濃度の偏りとなって表れるため、主走査方向に均等なマスクを使用するのが望ましい。また、図9において模式的に示すように、プリンタ20では、マスク処理後のノズル吐出データNDに基づいて各ピエゾ素子に出力する駆動パルスが生成されると考えることができる。上述したデューティは、各吐出ノズルNZごと、すなわち各吐出ノズルNZの副走査方向の位置に応じて規定されている。
図10は、吐出ノズルNZの副走査方向の位置に応じて規定されたデューティの変化を図示している。当該デューティにおいては、先頭側の1〜60番目(ノズル群のM=1,2に対応)の吐出ノズルNZと、60〜120番目(ノズル群のM=3,4に対応)の吐出ノズルNZと、120〜180番目(ノズル群のM=5,6に対応)の吐出ノズルNZと、180〜240番目(ノズル群のM=7,8に対応)の吐出ノズルNZと、240〜300番目(ノズル群のM=9,10に対応)の吐出ノズルNZと、300〜360番目(ノズル群のM=11,12に対応)の吐出ノズルNZについて異なる形状で変化が表されるデューティが定義されている。このデューティを式で表すと、下記の(1)式のようになる。
Figure 0005262604
前記の(1)式においてD1(N),D2(N),D3(N),D4(N),D5(N),D6(N)は各吐出ノズルNZについてのデューティ[%]を示しており、これらはノズル番号Nの関数で表されている。M=1,2,7,8のノズル群の吐出ノズルNZにおいては徐々に傾きが急となる単調増加の2次関数によってデューティD1(N),D4(N)が表され、M=5,6,11,12のノズル群の吐出ノズルNZにおいては徐々に傾きが急となる単調減少の2次関数によってデューティD3(N),D6(N)が表されている。デューティD1(n)とデューティD3(N)、および、デューティD4(n)とデューティD6(N)は、グラフで表現した時に、一定の濃度を示す直線に関してそれぞれ互いに線対称な形状となっている。すなわち、デューティD1(N)のNに任意のn(0<n≦60)を代入したときのデューティD1(n)と、デューティD3(N)のNに(n+120)を代入したデューティD3(n+120)の和が常に100%となるように相互補完関係が成り立っている。同様に、デューティD4(N)のNに任意のn(0<n≦60)を代入したときのデューティD4(n)と、デューティD6(N)のNに(n+120)を代入したデューティD6(n+120)の和が常に100%となるように相互補完関係が成り立っている。これに対して、前記直線に直交する方向の線に関しては、デューティD1(N)とデューティD3(N)、および、デューティD4(N)とデューティD6(N)は非対称となっている。すなわち、ノズルごとのデューティは、ノズル位置に対して非対称である。M=1,4のノズル群の吐出ノズルNZについては、2次曲線の頂点からの立ち上がり直後のデューティD1(n),D4(n)となるため、吐出率が大きく抑えられることとなる。
なお、M=3,4,9,10のノズル群の吐出ノズルNZにおいてはデューティD2(N)=D5(N)=100であるため、図9のノズル吐出データNDに対してマスク処理が実質的に行われないこととなる。また、M=2,5のノズル群においてデューティが最大かつ一様となる。すなわち、本実施形態において、デューティが最大かつ一様となるノズル群が2つに分散して存在していることとなる。本実施形態においては、以上のようなデューティの制限を各主走査のノズル吐出データNDについて行っていくことにより、デューティを考慮したノズル吐出データNDを生成する。ここではCインクについてのみ説明したが、他のMYKインクについても同様のラスタライズ処理を行っていく。以上のようにして各主走査における各吐出ノズルNZごとのノズル吐出データNDが生成できると、ラスタライズ処理を終了させる。そして、図7ステップS150にて印刷制御データ出力部P3eが各ノズル吐出データNDに紙送りコントローラ22やキャリッジコントローラ23を制御するためのデータも添付することにより、印刷制御データPCDを生成する。さらに、当該印刷制御データPCDをプリンタ20に出力し、プリンタ20にて実際に印刷を実行させる。これにより、図4〜図6に示すような主走査と副走査が順次実行されることとなる。
C.印刷結果
図11は、印刷用紙Pにインクドットが形成されていく様子を模式的に示している。同図において、印刷用紙Pに対してCインクのハーフトーン結果が全領域について一様な画像(例えば、ハーフトーンデータHTDの全画素が吐出を示す画像。)を印刷する際の印刷用紙P上のインクドットの密度変化を各パスサイクルごとに示している。このような画像に対してステップS144にてマスク処理を行うことにより、各パスサイクルにおいてはデューティD1(N)〜D6(N)に応じた密度分布が形成されることとなる。なお、各インクドットを形成するために吐出されるインク量は均一であると考えることができるため、当該密度分布が各副走査位置にて吐出されるインク量の分布に対応していると考えることができる。各パスサイクルの間では、1/12インチずつ吐出ヘッドHDが印刷用紙Pに対して相対的に進行するため、副走査方向の所定の位置にある主走査ラインLのインクドットの形成を担当するノズル群が1つずつ後方側へずれていくこととなる。より具体的には、主走査ラインLのインクドットの形成する吐出ノズルNZのノズル番号Nは30番ずつ増加していくこととなる。また、各パスサイクルでは主走査の方向が交互となっている。
最初に印刷用紙Pに到達するノズル群(M=1)のインクドット密度を規定するデューティD1(N)によれば、2次曲線の頂点直後の立ち上がり部分によって印刷用紙Pに最初に吐出するインク量を極力抑えることができる。これにより、インクドット形成初期におけるインクのにじみや凝集を抑制することができる。インクドット形成初期において適正な位置にインク滴を保持しておくことにより、その後に着弾するインク滴についてもにじみや凝集を防止することができる。従って、最終的な印刷仕上がりにおいて、光沢むらや濃度むらが生じることが防止できる。このように、デューティを非線形関数によって規定することにより、インクドットの微妙な密度制御を可能とすることができる。往方向のパスサイクル(C=1,3,5,7,9,11)において主走査ラインLのインクドット形成を担当するのは奇数番目(M=1,3,5,7,9,11)のノズル群であり、副方向のパスサイクル(C=2,4,6,8,10,12)において主走査ラインLのインクドット形成を担当するのは偶数番目(M=2,4,6,8,10,12)のノズル群である。
ここで、先頭側(M=1,2)のノズル群に対応するデューティD1(N)のNに任意のn(0<n≦60)を代入したときのデューティD1(n)と、M=5,6のノズル群に対応するデューティD3(N)のNに(n+120)を代入したデューティD3(n+120)の和が常に100%となるように相互補完関係が成り立っている。そのため、往方向のパスサイクル(C=1,2)におけるノズル群(M=1,2)の吐出量(インクドット密度)を、往方向のパスサイクル(C=5,6)におけるノズル群(M=5,6)の吐出量(インクドット密度)で補完することができる。すなわち、デューティD1(N)によって先頭側(M=1,2)のノズル群によるインクドット密度を減少させても、当該減少分をM=5,6のノズル群によるインクドット密度の増加分で補うことができるため、全体のパスサイクルを増やすことなく、初期のインクドット密度を抑制することができる。同様に、復方向のパスサイクル(C=7,8)におけるノズル群(M=7,8)の吐出量(インクドット密度)を、復方向のパスサイクル(C=11,12)におけるノズル群(M=11,12)の吐出量(インクドット密度)で補完することができる。従って、副走査方向のどの位置においても、全パスサイクルが完了した時点でのインクドット密度は一定となる。また、往方向のすべてのパスサイクルによって形成されるインクドット密度と、復方向のすべてのパスサイクルによって形成されるインクドット密度が同じとなるため、往復方向の吐出特性の間に差が生じた場合でも均一なインクドット密度を維持することができる。
上述したとおり、デューティが最大かつ一様となる最大ノズル群(M=3,4,9,10)が2つに分散して存在している。すなわち、印刷結果に最も影響を与えるノズル群(M=3,4,9,10)が分散して配置されていることとなる。このように、印刷結果に最も影響を与えるノズル群(M=2,5)を副走査方向の一カ所に集中させないことにより、吐出ノズルNZの局所的な不具合による印刷結果への悪影響を低減することができる。例えば、M=3の付近のノズル群に不具合がある場合にも、副走査方向の位置が大きく離れたM=9のノズル群によって正常に多くのインクを吐出することができ、不具合の影響を低減することができる。また、副走査方向の中央部の吐出ノズルNZによる吐出量を抑えることができるため、当該中央部の吐出ノズルNZに不具合がある場合には、効果的に不具合の影響を低減することができる。
D.複数インクの組み合わせについて
図12は、デューティの一例を示している。同図においては、Cインクを吐出する吐出ノズルNZに対するデューティと、Mインクを吐出する吐出ノズルNZに対するデューティを対比して示している。上述した実施形態においては、Cインクを吐出する吐出ノズルNZのみを例に挙げて説明したが、現実にはMYKインクを吐出する吐出ノズルNZも併設されるため、これらの吐出ノズルNZについてもマスク処理を行うためのデューティを規定しておく必要がある。上述したようにデューティを規定しておくことによりインクのにじみ・むらを防止することができるが、インクのにじみ・むらは単独インクのみならず、複数インク間において生じる現象であるため、種類のインクの使用状況を考慮してデューティを設定するのが望ましい。
図12に示すように、対となるCMインクのデューティは、デューティ軸に関して互いに対称な形状となっている。具体的には、Cインクのデューティがラスタライン形成の初期から高くされる一方で、Mインクのデューティは低くされている。反対に、ラスタライン形成の終盤ではMインクのデューティが低くされ、Cインクのデューティが高くされている。本実施形態においては、平均的な画像データを色変換した場合に、CMインクのインク量が他のYKインクよりも多くなる傾向を有しているため、CMインクのデューティを図12のように制御している。CMインクは他のYKインクよりもインクドットの形成密度が高くなる傾向にあり、CMインクのインクドットが同時に印刷用紙Pに着弾した場合には、インクのにじみ・むらが発生しやすい。すなわち、インクのにじみ・むらを防止するためには、できるたけCMインクのインクドットを同時に着弾させないようにするのが望ましい。図12のようにCインクのデューティを最初から高くする一方で、Mインクのデューティを低くすることにより、初期におけるCMインク間の干渉を防止することができる。
本実施形態では、インク量が他のインクよりも多いインクとして、CMインクの対を例に挙げたが、CMインクに限られるものではない。本実施形態では、色変換部P3bが色変換プロファイルを参照してCMYKインクのインク量の画像データに色変換するため、どのインクのインク量が多くなるかは色変換プロファイルに依存することとなる。また、平均的な画像データにおいてCMインクのインク量が他のYKインクよりも多くなる傾向を有している場合でも、例えばモノクロの画像データであればKインクのインク量が他のインクよりも多くなる。従って、印刷モード(色変換プロファイル)等や画像データに応じて、インク量が他のインクよりも多いインクの対を選定するようにしてもよい。本実施形態では、Mインクよりも定着性が低いCインクのデューティをラスタライン形成の初期から高くするようにしたが、CMインクの定着性に大きく差がないのであればMインクのデューティをラスタライン形成の初期から高くするようにしてもよい。定着性はインクドットが印刷用紙Pに着弾してから定着するまでに要する定着時間で把握することができ、一般的に濃度が低いインクほど色材(混合材)を固着させるために気化すべき水分量が多くなるため、定着時間が長くなると考えることができる。なお、一旦、色材が印刷用紙Pに定着すれば他のインクドットとの干渉は生じにくい。そのため、大量のインクドットが着弾するラスタライン形成の中盤を迎える前に、濃度の低いインクを定着させておくことが望ましい。
図13は、デューティの他の一例を示している。本例においては、吐出ヘッドHDがCMYKインクに加えて、lc(ライトシアン)lm(ライトマゼンタ)インクを吐出するための吐出ノズルNZも備えているものとする。なお、lclmインクは、それぞれCMインクと同一の色材を低濃度に調製したものである。図13に示すように、Cインクとlcインクが対になっており、Mインクとlmインクが対になっている。そして、互いに対となるインクのデューティが、デューティ軸に関して互いに対称な形状となっている。具体的には、lclmインクのデューティがラスタライン形成の初期から高くされる一方で、CMインクのデューティは低くされている。反対に、ラスタライン形成の終盤ではlclmインクのデューティが低くされ、CMインクのデューティが高くされている。このようにすることにより、定着時間がCMインクよりも長いlclmインクについてはラスタラインの形成の初期においてインクドットを印刷用紙Pに着弾させておくことができ、中盤において大量のインクドットが着弾する前に、ある程度lclmインクを定着させておくことができる。従って、ラスタラインの形成の中盤においてインクのにじみ・むらが発生することが防止できる。
E.変形例
図14は、変形例にかかる液体噴射制御装置のハードウェア構成を概略的に示している。同図においては、上述した実施形態(図1)とほぼ同様の構成とされているが、HDD14には吐出特性データベース14bが記憶されている。また、コンピュータ10に接続されたプリンタ20の吐出ヘッドHDにはROM27が備えられている。ROM27には、吐出ヘッドHD固有の識別情報が記憶されており、コンピュータ10が当該識別情報を取得することが可能となっている。
図15は、吐出特性データベース14bに格納される情報を示している。同図において、複数の吐出ヘッドHD個体についての識別情報とCMYK各インクの吐出ノズルNZについての吐出特性が格納されている。本変形例においては、吐出特性として副走査方向の中央部分の吐出ノズルNZの吐出量が不安定なモード1と、吐出特性として副走査方向の端の吐出ノズルNZの吐出量が不安定なモード2と、全体の吐出特性が良好なモード3のいずれかがCMYK各インクの吐出ノズルNZについて記述されている。本変形例のラスタライズ処理においては、ラスタライザP3dがステップS145にて吐出特性に応じたデューティに基づくマスク処理を実行する。まず、ラスタライザP3dは印刷制御データPCDの出力するプリンタ20に搭載された吐出ヘッドHDの識別情報をROM27から取得し、当該識別情報に対応付けられている吐出特性を吐出特性データベース14bを参照してCMYKインクごとに取得する。
図16は、各吐出特性に対応するデューティを示している。ラスタライザP3dには、各吐出特性に対応するデューティが予めプリセットされている。副走査方向の中央部分の吐出ノズルNZの吐出量が不安定なモード1については、中央部分の吐出ノズルNZのデューティが小さく最大のデューティとなる領域を2つのノズル群に分散させたものを使用する。副走査方向の端の吐出ノズルNZの吐出量が不安定なモード2については、中央部分の吐出ノズルNZのデューティが最大となるものを使用する。全体の吐出特性が良好なモード3については、モード1とモード2のどちらを使用してもよい。同一の吐出ヘッドHDのCMYK各インクの吐出特性のなかでモード1とモード2が競合した場合には、これらのうちハーフトーンデータHTDにおいて吐出量が多い方のインクを優先させ、当該インクの吐出特性に対応したデューティのマスクを各インクに対して適用する。このようにすることにより、最もインクの吐出量が大きいインクに最適なマスクを使用することができ、全体として良好な画質を得ることができる。
これにより吐出ヘッドHDの個体差に応じて最適なインク量の配分でオーバーラップ印刷を行うことができる。なお、吐出特性データベース14bは、吐出ヘッドHDや吐出ノズルNZのピエゾ素子の工程検査等において、インクの吐出特性(吐出速度、吐出方向)やピエゾ素子の固有振動数等を調査しておくことにより作成されている。本実施形態においては、吐出ヘッドHD個体を識別するようにしたが、ロットや製造時期等によって吐出特性を判断するようにしてもよい。さらに、製造されたすべての吐出ヘッドHDについての吐出特性を吐出特性データベース14bに格納させると膨大なデータ量となるため、吐出特性データベース14bをネットワーク上のサーバに記憶させておき、当該サーバから吐出特性を受信するようにしてもよい。また、本変形例においては、ラスタライズ処理を行う際に吐出ヘッドHDの識別情報を取得するようにしたが、プリンタ20を最初に接続したとき(ポートを設定したとき)にプリンタドライバP3に登録するようにしてもよい。むろん、吐出ヘッドHDのROM27に直接吐出特性を記憶しておき、当該吐出特性に基づいてマスク処理を行うようにしてもよい。なお、本発明においてデューティが最大かつ一様となる最大ノズル群が吐出特性が不安定な吐出ノズルNZを避けて配置されればよく、最大ノズル群が3個以上配置されてもよい。また、最大ノズル群の個数を設定できるようにしてもよい。
なお、上述した実施形態においては、1インチの吐出ヘッドHDに対して1/12インチずつ紙送りするものを例示したが、吐出ヘッドHDのサイズや紙送り量はこれらに限られるものではない。むろん、12回のパスサイクルによって同一箇所の印刷が完了するものに限らず、より多くのパスサイクルによって印刷を完了させる場合やパス毎に副走査方向への紙送り幅が異なる場合のほか異なる解像度で印刷する場合にも本発明を適用することができる。また、上述した実施形態では、コンピュータ上で実行されるプリンタドライバP3がラスタライズを実行するものを例示したが、プリンタ20自体がラスタライズを行うようにしてもよい。むろん、ソフトウェアによってラスタライズが実行されるものに限られず、同等の処理がハードウェアによって実行されるようにしてもよい。さらに、上述した実施形態は、液体を吐出して印刷画像を形成するものを例示したが、本発明は液体吐出の制御ができればよく、印刷画像の形成以外の、例えば表面処理や回路形成等の工業用途に本発明を適用することも可能である。
液体噴射制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 液体噴射制御装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。 プリンタの概略構成を示すブロック図である。 主走査と副走査の関係を示す説明図である。 吐出ヘッドと印刷用紙の相対位置関係を示す説明図である。 インクドットの配列規則を示す図である。 印刷制御処理の流れを示すフローチャートである。 ラスタライズ処理のフローチャートである。 ノズル吐出データの模式図である。 デューティを示す図である。 インクドットが形成される様子を示す模式図である。 デューティを示す図である。 デューティを示す図である。 変形例にかかる液体噴射制御装置の構成を示すブロック図である。 変形例にかかる吐出特性データベースを示す図である。 変形例にかかるデューティを示す図である。
符号の説明
10…コンピュータ、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…HDD、15…GIF、16…VIF、17…IIF、18…バス、P1…OS、P3…プリンタドライバ、P3a…レンダラ、P3b…色変換部、P3c…ハーフトーン部、P3d…ラスタライザ、P3e…印刷制御データ出力部。

Claims (10)

  1. 被噴射媒体と液体を噴射する噴射ノズル列とを前記噴射ノズル列と交差する方向である主走査方向に相対的に主走査させつつ、前記被噴射媒体と前記噴射ノズル列とを前記主走査方向と直交する副走査方向に相対的に副走査させる液体噴射制御装置であって、
    副走査方向における同一位置の主走査ラインに対して、所定の噴射ノズルが噴射を担当する割合を噴射率と呼ぶと、
    各噴射ノズルの噴射率が副走査方向の位置に応じて変動し、その変動において前記噴射率が最大となる前記噴射ノズルが副走査方向に分散するように前記噴射を制御する噴射制御手段を具備し、
    前記噴射率が最大かつ一様となる前記噴射ノズルが副走査方向に連続する最大噴射ノズル群が2以上形成されるとともに、当該ノズル群に挟まれた前記噴射率が最大よりも小さいノズル群に噴射特性の安定性の低い前記噴射ノズルが含まれることを特徴とする液体噴射制御装置。
  2. 記噴射率の小さいノズル群が前記噴射ヘッドにおける副走査方向の中央に形成されることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射制御装置。
  3. 前記副走査方向の位置に応じた前記噴射率の変動において、前記噴射率が非線形に変動する領域が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の液体噴射制御装置。
  4. 前記噴射制御手段は、前記噴射ノズルの噴射特性が前記噴射ノズルの個体と対応付けて記憶された特性情報を取得するとともに、当該特性情報に応じて前記噴射率の制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液体噴射制御装置。
  5. 前記噴射制御手段は、前記噴射ノズルから噴射させる液体の種類に応じて異なる前記噴射率の制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体噴射制御装置。
  6. 前記噴射制御手段は、他の液体よりも前記被噴射媒体における定着時間が長い液体を前記噴射ノズル列から噴射する場合、
    初期の主走査における前記噴射率を他の液体よりも高くすることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射制御装置。
  7. 前記噴射制御手段は、他の液体よりも濃度が低い液体を前記噴射ノズル列から噴射する場合、
    初期の主走査における前記噴射率を他の液体よりも高くすることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射制御装置。
  8. 前記噴射制御手段は、略同一の混合材を有し、かつ、該混合材の濃度が異なる一対の液体を前記噴射ノズル列から噴射する場合、
    略同一位置の前記主走査ラインに対する各主走査において、
    前記一対の液体の前記噴射率の変動を互いに対称とし、
    前記一対の液体のうち濃度の低い一方について、初期の主走査における前記噴射率を他の一方よりも高くすることを特徴とする請求項7に記載の液体噴射制御装置。
  9. 前記噴射制御手段は、他の液体よりも噴射量が多い第1および第2の液体を第1および第2の前記噴射ノズル列のそれぞれから噴射する場合、
    前記第1の液体について、初期の主走査における前記噴射率を第2の液体よりも高くすることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射制御装置。
  10. 被噴射媒体と液体を噴射する噴射ノズル列とを前記噴射ノズル列と交差する方向である主走査方向に相対的に主走査させつつ、前記被噴射媒体と前記噴射ノズル列とを前記主走査方向と略直交する副走査方向に相対的に副走査させる液体噴射制御方法であって、
    副走査方向における同一位置の主走査ラインに対して、所定の噴射ノズルが噴射を担当する割合を噴射率と呼ぶと、
    各噴射ノズルの噴射率が副走査方向の位置に応じて変動し、その変動において前記噴射率が最大となる前記噴射ノズルが副走査方向に分散するように前記噴射を制御し、
    前記噴射率が最大かつ一様となる前記噴射ノズルが副走査方向に連続する最大噴射ノズル群が2以上形成されるとともに、当該ノズル群に挟まれた前記噴射率が最大よりも小さいノズル群に噴射特性の安定性の低い前記噴射ノズルが含まれることを特徴とする液体噴射制御方法。
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