JP5258204B2 - 回折光学素子とそれを用いた光学系並びに光学機器 - Google Patents

回折光学素子とそれを用いた光学系並びに光学機器 Download PDF

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Description

本発明は回折光学素子とそれを用いた光学系並びに光学機器に関し、例えばデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、フィルム用カメラ、或いは監視用カメラ等の光学機器に好適なものである。
従来、硝材の組合せにより色収差を減じる方法に対して、レンズ面や光学系の一部に回折作用を有する回折光学素子(以下、回折格子ともいう)を設けることで色収差を減じる方法が知られている(非特許文献1、特許文献1〜3)。これは、光学系中の屈折面と回折面とでは、ある基準波長の光線に対して色収差が逆方向に発現するという物理現象を利用したものである。
さらに、このような回折光学素子には、その周期的構造の周期を変化させることで、非球面レンズのような効果を持たせることもでき、収差の低減に大きな効果があることが知られている。
回折光学素子を有する光学系において、使用波長領域の光(回折光学素子への入射光)が特定の1つの次数(以下、設計次数ともいう)の回折光に集中している場合は、それ以外の回折次数の回折光の強度は低いものとなる。
例えば、該強度が0の場合は、その回折光は存在しない。ただし、設計次数以外の回折光が存在し、それがある程度の強度を有する場合は、設計次数の回折光とは別の位置に結像するため、光学系でのフレア光となる。
したがって、回折光学素子の色収差の低減作用を利用するためには、使用波長領域全域において、設計次数の回折光の回折効率が十分高いことが必要である。このため、この設計次数での回折効率の分光分布及び設計次数以外の回折光の振舞いについても十分考慮することが重要である。
ここで、ある次数の回折光の回折効率とは、回折光学素子を透過する全光束の光量に対する、その次数の回折光の光量の割合(透過率とも言える)である。
図14は、基板109とこの基板109上に形成された回折格子108とにより構成される単層より成る回折光学素子(以下、単層型DOEという)141の要部断面図である。図14においてD1は回折格子108の格子部108aの格子厚である。
図15は、この単層型DOEをある面に形成した場合の特定次数に対する回折効率の特性図である。
図15において、横軸は入射光の波長(nm)を、縦軸は回折効率(%)を示している。回折効率の値は、前述したように全透過光束の光量に対する各次数での回折光の光量の割合を表している。なお、ここでは、説明を簡単にするため、格子境界面での反射光等は考慮して
いない。
図15に示すように、図14に示した単層型DOEは、使用波長領域において、設計次数である1次の回折次数の回折効率(図中の太実線)が最も高くなるように設計されている。この設計次数で回折効率はある波長で最も高くなり(以下、この波長を設計波長という)、それ以外の波長では徐々に低くなる。この設計次数での回折効率の低下量に相当する光は、他の次数の回折光となり、フレア光となる。
図15には、この他の次数として、設計次数1次に対するその近傍の次数(0次と2次)の回折効率も併せて示している。
このようにして発生するフレア光の影響を低減する回折光学素子が知られている(特許文献4〜7)。
図16は特許文献4に開示されている回折光学素子の要部断面図である。
特許文献4にて開示された回折光学素子は、図16に示すように、3種類の異なる格子材料110〜112と2種類の異なる格子厚d1,d2の格子部とを最適に選び、複数の格子部(レリーフパターン)を等しいピッチ分布で密着配置して構成している。これにより、図17に示すように、可視波長域全域にわたって設計次数での高い回折効率を実現している。
図18は特許文献5に開示されている回折光学素子の要部断面図である。
図18に示す特許文献5にて開示された回折光学素子113は、回折格子をそれぞれ含む素子部114,115を、空気層116を介して互いに近接させた構造を有する。
以下、図16、図18に示すような複数の回折格子を積層した構成の回折光学素子を積層型DOEという。
特許文献5では各回折格子を構成する材料の屈折率、分散特性及び各層(各格子部)の格子厚を最適化することにより、図19Aに示すように、可視波長域全域にわたって設計次数での高い回折効率を実現している。また、図19Bに示すように、0次回折光及び2次回折光である不要回折光の回折効率も概ね抑制されている。
また、特許文献6では、特許文献5にて開示された回折光学素子と同じ構成の積層型DOEを開示している。
ただし、特許文献6では微粒子材料と樹脂材料を混合した材料を用いて各層の格子部の格子厚を最適化することにより、図20Aに示すように、特許文献5の回折光学素子よりもさらに高い回折効率を実現している。
また、図20Bに示すように、0次回折光及び2次回折光である不要回折次数の回折効率も十分に抑制されている。
図21は、特許文献7に開示されている回折光学素子の要部断面図である。
図21に示す特許文献7にて開示された回折光学素子119は、ガラス材料より成る回折格子117と樹脂材料より成る回折格子118が、それらの格子面で密着する構成を有している。
以下、このような構成の回折光学素子を、密着2層型DOEという。このような構成により、製造が容易で量産性に優れ、回折効率の斜入射劣化もある程度改善された回折光学素子
を実現している。
SPIE Vol.1354 International Lens Design Conference(1990) 特開平4-213421号公報 特開平6-324262号公報 米国特許5044706号明細書 特開平9-127322号公報 特開2000-98118号公報 特開2004-78166号公報 特開2003-227913号公報
積層型DOEは複数の回折格子の材料を適切に設定することが広い波長域にわたり高い回折効率を得るのに重要である。
更に各回折格子の格子部の形状を適切に設定することも広い波長域にわたり高い回折効率を得るのに重要である。
特許文献4及び5にて開示された積層型DOEでは、設計次数の回折効率が使用波長領域全域で94%以上というように、単層型DOEに比べて大幅に改善されている。また、フレア光
となる不要回折光も2%以下と概ね良好に抑えられている。
スチルカメラやビデオカメラ等の光学機器に搭載される光学系においては、被写体として高輝度光源が存在する場合には、わずかに残存しているフレア光が問題となる場合がある。
特許文献6にて開示された微粒子材料と樹脂材料を混合した材料を用いた積層型DOEでは、設計次数の回折効率が使用波長領域全域で99.5%以上、不要回折光が0.05%以下であり、フレア光もかなり少ない。
特許文献6にて開示された空気層を含んだ積層型DOEは、各回折格子の位置合わせを高精度に行う必要がある。また微粒子分散材料はガラス材料に比べて内部透過率が低い性質がある。
特許文献7にて開示された密着2層型DOEでは、構成材料としてガラス材料と樹脂材料を組合せて使用している。従って、異なる2種類の樹脂材料から成る回折格子より成る回折光学素子に比べて、内部透過率が良い。
しかしながら、回折光学素子自体の性能、特に設計次数である1次回折光の回折効率が、使用波長領域全域で約97%程度である。このため不要回折光によるフレアが問題となる懸念がある。
本発明は、広い波長領域における特定次数(設計次数)の回折光の回折効率が高く、しかも不要回折光を十分抑制することができ、さらに製造が容易な回折光学素子とそれを用いた光学系並びに光学機器の提供を目的とする。
この他本発明は、内部透過率の良い回折光学素子とそれを用いた光学系並びに光学機器の提供を目的とする。
本発明の回折光学素子は、第1の材料より成る第1の回折格子と第2の材料より成る第2の回折格子を各回折格子の格子部の格子面が互いに接するように積層した構造を有する回折光学素子であって、該第1の材料はガラス硝材であり、該第2の材料は微粒子材料を樹脂材料に混合した材料より成り、該第1の材料のd線に対する屈折率、アッベ数、g線とF線に対する部分分散比、g線とd線に対する部分分散比を順にnd1、νd1、θg,F1、θg,d1、該第2の材料のd線に対する屈折率、アッベ数、g線とF線に対する部分分散比、g線とd線に対する部分分散比を順にnd2、νd2、θg,F2、θg,d2、該微粒子材料のd線に対する屈折率、アッベ数を各々ndb2、νdb2、F線、d線、C線の波長を各々λF、λd、λC、F線、d線、C線の波長におけるm次の回折光に対する前記各回折格子の格子部の凸部と凹部での光学光路長の差をその波長で除した値を順に、m(λF)、m(λd)、m(λC)、前記各回折格子の格子部の格子厚をd(μm)、波長450nm、550nm、650nmを順にλ1、λ2、λ3、該波長λ1、λ2、λ3における回折効率を順にη(λ1)、η(λ2)、η(λ3)、該第1の材料の波長λ1、λ2、λ3における内部透過率を順にT1(λ1)、T1(λ2)、T1(λ3)、該第2の材料の波長λ1、λ2、λ3における内部透過率を順にT2(λ1)、T2(λ2)、T2(λ3)とするとき
1.58≦nd1≦1.70
40≦νd1≦70
(-1.665×10 -7 ×νd1 3 +5.213×10 -5 ×νd1 2 -5.656×10 -3 ×νd1+0.662)≦θg,F1≦(-1.665×10 -7 ×νd1 3 +5.213×10 -5 ×νd1 2 -5.656×10 -3 ×νd1+0.700)
(-1.687×10 -7 ×νd1 3 +5.702×10 -5 ×νd1 2 -6.603×10 -3 ×νd1+1.425)≦θg,d1≦(-1.687×10 -7 ×νd1 3 +5.702×10 -5 ×νd1 2 -6.603×10 -3 ×νd1+1.513)
1.45≦nd2≦1.6
νd2≦25
θg,F2≦(-1.665×10 -7 ×νd2 3 +5.213×10 -5 ×νd2 2 -5.656×10 -3 ×νd2+0.600)
θg,d2≦(-1.687×10 -7 ×νd2 3 +5.702×10 -5 ×νd2 2 -6.603×10 -3 ×νd2+1.300)
nd1-nd2>0
ndb2≧1.75
νdb2≦18
d≦10(μm)
0.96≦[m(λF)+m(λd)+m(λC)]/3≦1.04
(T1(λ1)×T2(λ1)×η(λ1)+T1(λ2)×T2(λ2)×η(λ2)+T1(λ3)×T2(λ3)×η(λ3))/3≧0.85

なる条件を満足することを特徴としている。
また、上記回折光学素子を用いた光学系並びに光学機器も本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、広い波長領域における特定次数(設計次数)の回折光の回折効率が高く、しかも不要回折光を十分抑制することができ、さらに製造が容易な回折光学素子が得られる。またその際、回折光学素子の内部透過率も向上する。
以下、本発明の回折光学素子及びそれを有する光学系の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
本発明の回折光学素子は、第1の材料より成る第1の回折格子と第2の材料より成る第2の回折格子を各回折格子の格子部の格子面が互いに接するように積層した構造を有する回折光学素子である。
第1及び第2の回折格子の各々の格子部を形成する第1の材料及び第2の材料(以下、各々材料1,材料2ともいう)が、後述する条件式を満足している。特に材料2は、微粒子材料を樹脂材料に混合した材料より成っている。
図1は、本発明の実施例の回折光学素子の要部正面図である。図1において10は、回折光学素子である。Oは、回折光学素子10の中心軸である。また、図2は、図1に示した回折光学素子10をA−A′線で切断したときの断面形状の一部を拡大した断面概略図である。但し、図2では、回折格子の格子部の格子深さ方向に関してかなりデフォルメした構成を示している。
図2に示すように、回折光学素子10は、第1の素子部12と第2の素子部13を有する。第1の素子部12は、第1の格子ベース部14及び該格子ベース部14に一体形成された第1の回折格子16により構成される第1の格子形成層とを有する。また、第2の素子部13は、第2の格子ベース部15及び該格子ベース部15に一体形成された第2の回折格子17により構成される第2の格子形成層とを有する。
16c、17cは第1の回折格子16、第2の回折格子17を構成する格子部である。第1及び第2の回折格子16,17は、互いに同一形状の格子部(周期構造)、すなわち同一の格子厚dと同一の格子ピッチPの複数の格子部16c、17cを有している。言い換えれば、互いに同一のパターンの格子部を有する。格子部16c、17cは、凸部(以下、山という)と凹部(以下、谷という)とが交互に現れる格子形状である。第1及び第2の素子部12、13の格子ベース部14,15の厚さは、各々h1,h2である。
第1及び第2の素子部12,13は、第1及び第2の回折格子16,17の格子部16c、17cの格子面(格子部16c、17cの斜面に相当する面)16a,17aと格子壁面部16b,17bが互いに隙間なく接している。
即ち格子部16c、17cの格子面は、空気層を介さずに密着している。第1及び第2の素子部12,13は、全体で1つの回折光学素子10として作用する。
第1及び第2の回折格子16,17は、同心円状の格子形状の格子部16c、17cを有し、径方向における格子部16c、17cの格子ピッチが変化することでレンズ作用を有する。
尚、第1の格子ベース部14の光入射側の面14aと第2の格子ベース部15の光出射側の面15bは平面又は曲面より成っている。
この他、これらの面14a、15bの少なくとも一面に他の回折格子が形成されている場合もある。
本実施例において、回折光学素子10に入射する光(入射光)の波長領域、すなわち使用波長領域は可視波長領域(波長400〜800nm)である。第1及び第2の回折格子16,17の格子部16c、17cを構成する材料及び格子厚は、可視波長領域全域で設計次数である1次回折光の回折効率が最も高くなるように選択されている。
次に、本実施例の回折光学素子10の回折効率について説明する。図14に示す単層型の回折光学素子(DOE)141において、設計波長がλ0の場合に、ある次数の回折光の回折効率が最大となる条件は、以下の通りである。
すなわち、光束が回折格子108のベース面(図14中に点線で示す面142)に対して垂直に入射する場合に、格子部108aの山と谷の光学光路長の差(つまり山と谷のそれぞれを通過する光線間の光路長差)が波長の整数倍になることを条件とする。これを式
で表すと、以下のようになる。
(n01−1)×d = m×λ0 …(16)
ここで、n01は波長λ0の光に対する格子部108aを形成する材料の屈折率であり、dは格子部108aの格子厚、mは回折次数である。
(16)式は、波長の項を含むため、同一次数では設計波長でしか等号は成り立たず、設計波長以外の波長では回折効率は最大値から低下してしまう。
また、任意の波長λでの回折効率η(λ)は下記の(17)式のように表すことができる。
η(λ) = sinc2 [π×{m-(n1(λ)-1)×d/λ}] …(17)
ここで、mは回折次数、n1(λ)は波長λの光に対する格子部を形成する材料の屈折率である。また、sinc2(x)は、{sin (x)/x}2 で表される関数である。
本実施例のように、2層以上の回折格子を積層した積層構造を持つ回折光学素子でも基本は同様であり、全層を通して1つの回折光学素子として作用させるためには、次のようにする。
各層を構成する材料の境界に形成された格子部の山と谷での光学光路長差を求め、この光学光路長差を全回折格子にわたって加算する。そして、この加算した光学光路長差が、波長の整数倍になるように格子部の格子形状の寸法を決定する。
したがって、図2に示した回折光学素子10において、設計波長がλ0の場合に、m次回折光の回折効率が最大になる条件は次のようになる。
±(n01-n02)×d = m×λ0 …(18)
ここで、n01は第1の素子部12において第1の回折格子16を形成する格子部16cの材料の波長λ0の光に対する屈折率である。n02は第2の素子部13において第2の回折格子17を形成する格子部17cの材料の波長λ0の光に対する屈折率である。また、dは第1、第2の回折格子16,17の格子部16c、17cの格子厚であり、双方は同じ厚さとなる。
図2において0次回折光から斜め下向きに回折する光の回折次数を正の回折次数とし、0次回折光に対して斜め上向きに回折する光の回折次数を負の回折次数とする。
この場合、(18)式での加減の符号は次のようになる。図中の上から下に第1の回折格子16の格子厚が増加する格子形状を持つ格子部の場合は正となり、逆に上から下に格子部の格子厚が減少する格子形状を持つ回折格子の場合は負となる。
図2に示す構成において、設計次数λ0以外の波長λでの回折効率η(λ)は次式で表すことができる。
η(λ)= sinc2 (π×[m-{±(n1(λ)-n2(λ))×d/λ}])
= sinc2 (π×(m-φ(λ)/λ)) … (19)
φ(λ)= ±(n1(λ)-n2(λ))×d …(20)
ここで、mは回折次数、n1(λ)は第1の回折格子16を形成する格子部16cの材料の波長λでの屈折率、n2(λ)は第2の回折格子17を形成する格子部17cの材料の波長λでの屈折率である。
また、dは第1及び第2の回折格子16,17の格子部16c、17cの格子厚である。また、sinc2(x)={sin(x)/x}2で表される関数である。
次に、本実施例の回折光学素子10において、高い回折効率を得るための条件について説明する。
使用波長領域の全域にわたって高い回折効率を得るためには、(19)式で表される値η(λ)が全ての使用波長に対して、1に近づけばよい。言い換えれば、設計次数mでの回折効率を高めるには、上記(19)式中のφ(λ)/λがmに近づけばよい。例えば、設計次数mを1次とした場合、φ(λ)/λが1に近づけばよい。
さらに、格子部から得られる光学光路長差φ(λ)は、上記関係から波長λに比例して線形に変化する、すなわち(20)式の右辺の項が線形性を有することが必要となる。
つまり、第1の回折格子16を形成する格子部16cの材料の波長による屈折率の変化に対する第2の回折格子17を形成する格子部17cの材料の波長による屈折率の変化が、使用波長領域全域で一定の比率であることが必要である。
次に本発明の実施例の回折光学素子の特徴について説明する。
第1の回折格子16を構成する第1の材料は、ガラス硝材である。
ガラス硝材は、ガラスモールド用硝材である。
ここでガラスモールド用硝材とは、屈伏点温度が600℃以下の低融点ガラスをいう。
第2の回折格子17を構成する第2の材料は微粒子材料を樹脂材料に混合した材料より成る。
第2の材料はITO、Ti、Nr、Crのいずれか1つ又はこれらのうち少なくとも1つを含む酸化物、複合物、混合物のいずれか1つの無機微粒子を含んだ樹脂材料である。
そして第2の材料の無機微粒子を混合する樹脂材料は、紫外線硬化樹脂で、かつアクリル系、フッ素系、ビニル系、エポキシ系のいずれかの有機樹脂である。
そして第2の材料に含まれる無機微粒子材料の平均粒子径は、200nm以下である。
第1の材料のd線に対する屈折率、アッベ数、g線とF線に対する部分分散比、g線とd線に対する部分分散比を順にnd1、νd1、θg,F1、θg,d1とする。
第2の材料のd線に対する屈折率、アッベ数、g線とF線に対する部分分散比、g線とd線に対する部分分散比を順にnd2、νd2、θg,F2、θg,d2とする。
微粒子材料のd線に対する屈折率、アッベ数を各々ndb2、νdb2とする。このとき1.58≦nd1≦1.70 ・・・(1c)
40≦νd1≦70 ・・・(2b)
(-1.665×10 -7 ×νd1 3 +5.213×10 -5 ×νd1 2 -5.656×10 -3 ×νd1+0.662)≦θg,F1≦(-1.665×10 -7 ×νd1 3 +5.213×10 -5 ×νd1 2 -5.656×10 -3 ×νd1+0.700)
・・・(3)
(-1.687×10 -7 ×νd1 3 +5.702×10 -5 ×νd1 2 -6.603×10 -3 ×νd1+1.425)≦θg,d1≦(-1.687×10 -7 ×νd1 3 +5.702×10 -5 ×νd1 2 -6.603×10 -3 ×νd1+1.513)
・・・(4)
1.45≦nd2≦1.6 ・・・(5b)
νd2≦25 ・・・(6a)
θg,F2≦(-1.665×10 -7 ×νd2 3 +5.213×10 -5 ×νd2 2 -5.656×10 -3 ×νd2+0.600)・・・(7a)
θg,d2≦(-1.687×10 -7 ×νd2 3 +5.702×10 -5 ×νd2 2 -6.603×10 -3 ×νd2+1.300)・・・(8a)
nd1-nd2>0 ・・・(9)
ndb2≧1.75 ・・・(10a)
νdb2≦18 ・・・(11a)

なる条件を満足している。
第1の材料のg線, F線, d線, C線に対する屈折率を順にng1, nF1, nd1, nC1とする。
第2の材料のg線, F線, d線, C線に対する屈折率を順にng2, nF2, nd2, nC2とする。
第2の材料に含まれる微粒子材料のF線, d線, C線に対する屈折率を順にnFb2, ndb2, nCb2とする。
このとき第1の材料のアッベ数νd1、部分分散比θg,F1、θg,d1、第2の材料のアッベ数νd2、部分分散比θg,F2、θg,d2、微粒子材料のアッベ数νdb2は次のとおりである。
νd1=(nd1-1)/(nF1-nC1)
νd2=(nd2-1)/(nF2-nC2)
θg,F1=(ng1-nF1)/(nF1-nC1)
θg,d1=(ng1-nd1)/(nF1-nC1)
θg,F2=(ng2-nF2)/(nF2-nC2)
θg,d2=(ng2-nd2)/(nF2-nC2)
νdb2=(ndb2-1)/(nFb2-nCb2)
次に条件式(1)〜(11)について説明する。
条件式(1c)、(2b)、(3)、(4)は、材料1(第1の材料)の特性を規定する。
ここで、各条件の関係を理解し易くするため、図10〜図12を用いて説明する。図10は屈折率ndとアッベ数νdの関係を示す。
図11は部分分散比θg,Fとアッベ数νdの関係を示す。図12は部分分散比θg,dとアッベ数νdの関係を示す。
これらの図において、縦軸は各々屈折率nd、部分分散比θg,F、θg,dを示し、横軸は全てアッベ数νdを示す。
なお、図10〜図12では、条件式の番号を丸囲み数字で示している。
条件式(1), (2)は、図10に示すように、回折光学素子を構成する材料1の屈折率ndとアッベ数νdの範囲を規定する。
条件式(1c)、(2b)の下限値を下回ると、回折光学素子を構成(密着2層型)するための材料2(第2の材料)、すなわち条件式((5a)、(6a)、(7a)、(8a))を満足する材料2の確保が難しくなる。
条件式(3)は、図11に示すように、回折光学素子を構成するための材料1の部分分散比θg,Fとアッベ数νdの範囲を規定する。前述したように、この条件式は、条件式(1c)及び(2b)を満足した上で満たされるのが良い。
条件式(3)の下限値を下回ると、回折光学素子の格子部の格子厚が厚くなり、該回折光学素子に斜めから入射する光線(以下、斜入射光という)に対する回折効率が劣化してくる。
また、条件式(3)の上限値を上回ると、密着2層型の回折光学素子で高い回折効率を得るための材料2、すなわち条件式((5a)、(6a)、(7a)、(8a))を満足する材料2の確保が難しくなる。
条件式(4)は、図12に示すように、回折光学素子を構成する材料1の部分分散比θg,dとアッベ数νdの範囲を規定する。
この関係も、条件式(1c)、(2b)、(3)が満たされた上で満たされるのが良い。条件式(4)の下限値を下回ると、回折光学素子の格子部の格子厚が厚くなり、斜入射光に対する回折効率が劣化してくる。また、条件式(4)の上限値を上回ると、密着2層型の回折光学素子で高い回折効率を得るための材料2、すなわち条件式((5a)、(6a)、(7a)、(8a))を満足する材料2の確保が難しくなる。
材料1は、より高い回折効率を実現しつつ格子部の格子厚をより薄くするために、材料2の存在条件との関係上、各条件式は以下の条件式を満たすことが好ましい。
各条件の関係を理解し易くするため、図10〜図12を用いて説明する。
条件式(5a)、(6a)は、図10に示すように、回折光学素子を構成する材料2の屈折率ndとアッベ数νdの範囲を規定する。
条件式(5a)、(6a)の上限値を上回ると、回折光学素子を構成(密着2層型)する材料1、すなわち条件式((1c)、(2b)、(3)、(4))を満足する材料1の確保が難しくなる。
条件式(7a)は、図11に示すように、回折光学素子を構成する材料2の部分分散比θg,Fとアッベ数νdの範囲を規定する。
前述したように、この条件式は、条件式(5a)、(6a)が満たされた上で満たされるのが良い。
条件式(7a)の上限値を上回ると、密着2層型の回折光学素子で高い回折効率を得るための材料1、すなわち条件式((1c)、(2b)、(3)、(4))を満足する材料1の確保が難しくなる。
条件式(8a)は、図12に示すように、回折光学素子を構成する材料2の部分分散比θg,dとアッベ数νdの範囲を規定する。この関係も、条件式(1c)、(2b)、(3)、(4)が満たされた上で満たされるのが良い。
条件式(8a)の上限値を上回ると、密着2層型の回折光学素子で高い回折効率を得るための材料1、すなわち条件式((1c)、(2b)、(3)、(4))を満足する材料1の確保が難しくなる。
条件式(9)は、回折光学素子において、材料1と材料2の屈折率の大小関係を示す。この条件式を満足しないと、所望の高い回折効率を得るのが難しくなる。
条件式(10a)、(11a)は、回折光学素子において、材料2が上記条件式(5a)、(6a)、(7a)、(8a)を満足するために用いる微粒子材料の材料特性の範囲を規定する。条件式(10a)、(11a)を満足する微粒子材料としては、ITO, Ti, Nr, Cr及びその酸化物、複合物、混合物のいずれかの無機微粒子材料が挙げられる。実施例では、ITO(ndb2=1.77, νd=6.8)を例として使用した。条件式(10a)の下限値を下回るか条件式(11a)の上限値を上回ると、材料2が条件式(5a)、(6a)、(7a)、(8a)を満足するのが困難となる。
ここで、微粒子材料は、条件式(10a)、(11a)を満足する材料であれば上記例として使用したものに限られない。
また、本発明に係る回折光学素子10において更に好ましくは、上記条件式(1c)、(2b)、(3)、(4)、(5a)、(6a)、(7a)、(8a)、(9)、(10a)、(11a)に加えて、以下の条件を満足するのが良い。
F線,d線,C線の波長を各々λF,λd,λCとする。
F線,d線,C線の波長におけるm次の回折光に対する第1、第2の各回折格子の格子部の凸部と凹部での光学光路長の差をその波長で除した値を順に、m(λF), m(λd), m(λC)とする。回折格子の格子部の格子厚をd(μm)とする。このとき
d≦10(μm) …(12c)
0.96≦{m(λF)+m(λd)+m(λC)}/3≦1.04 …(13c)
なる条件を満足している。
ここで、m(λF)、m(λd)、m(λC)は次のとおりである。
m(λF)={d×(nF1-nF2)}/λF
m(λd)={d×(nd1-nd2)}/λd
m(λC)={d×(nC1-nC2)}/λC
上記の式において、材料1のF線、d線、C線の屈折率を各々nF1、nd1、nC1とし、材料2のF線、d線、C線の屈折率を各々nF2、nd2、nC2とする。また、dは材料1と材料2の共通の格子厚である。
条件式(12c)及び(13c)は、材料1及び材料2により形成される密着2層型DOEにおいて回折効率を高めるためのものである。
条件式(12c)の上限値を上回ると、斜入射光に対する回折効率の劣化が大きくなる。また、条件式(13c)の範囲を外れると、可視域全体にわたり所望の回折効率が得られなくなってくる。
また、本発明に係る回折光学素子10において、更に好ましくは上記条件式(1c)、(2b)、(3)、(4)、(5a)、(6a)、(7a)、(8a)、(9)、(10a)、(11a)、(12c)、(13c)に加えて、以下の条件を満足するのが良い。
波長450nm,550nm,650nmを順にλ1,λ2,λ3とする。
波長λ1,λ2,λ3における回折効率を順にη(λ1),η(λ2),η(λ3)とする。
第1の材料の波長λ1,λ2,λ3における内部透過率を順にT1(λ1)、T1(λ2)、T1(λ3)
とする。
第2の材料の波長λ1,λ2,λ3における内部透過率を順にT2(λ1)、T2(λ2)、T2(λ3)
とする。
このとき
(T1(λ1)*T2(λ1)*η(λ1)+ T1(λ2)*T2(λ2)*η(λ2)+T1(λ3)*T2(λ3)*η(λ3))/3≧0.85 …(14c)
なる条件を満足するように各要素を設定している。
ここで第1、第2の材料の波長λ1、λ2、λ3における内部透過率T(λ)は次のとおりである。
第1及び第2の材料の波長λ1における吸収係数をK1(λ1)、K2(λ1)とする。
第1及び第2の材料の波長λ2における吸収係数をK1(λ2)、K2(λ2)とする。
第1及び第2の材料の波長λ3における吸収係数をK1(λ3)、K2(λ3)とする。
第1、第2の回折格子の格子ベース部の厚さを各々h1、h2とする。
第1、第2の回折格子の格子部の格子厚をdとする。このとき
T1(λ1) = exp(-K1(λ1)×(d+h1))
T2(λ1) = exp(-K2(λ1)×(d+h2))
T1(λ2) = exp(-K1(λ2)×(d+h1))
T2(λ2) = exp(-K2(λ2)×(d+h2))
T1(λ3) = exp(-K1(λ3)×(d+h1))
T2(λ3) = exp(-K2(λ3)×(d+h2))
である。
条件式(14c)は、材料1及び材料2の内部透過率について規定したものである。条件式(14c)の下限を下回ると、透過率が低くなり過ぎ、後述する光学系及び光学機器に、回折光学素子を使用するのが好ましくなくなる。
また、微粒子材料の平均粒子径は、回折光学素子への入射光の波長(使用波長又は設計波長)の1/4以下(200nm以下)であることが好ましい。これよりも粒子径が大きくなると、微粒子材料を樹脂材料に混合した際に、光の散乱が大きくなってくる。
上記微粒子材料を混合する樹脂材料としては、紫外線硬化樹脂であって、アクリル系、フッ素系、ビニル系、エポキシ系のいずれかの有機樹脂が良い。
本実施例では、アクリル系樹脂及びフッ素系樹脂を例として使用した。
回折光学素子は、図2に示す第1、第2の回折格子の格子部の格子ピッチをPとし、格子厚をdとしたときに、次の条件式を満足するのが好ましい。
d/P<1/7 …(15)
条件式(15)は、回折光学素子を構成する格子部の形状(格子ピッチ及び格子厚)を規定する。条件式(15)の上限値を上回ると、格子ピッチが細かくなり過ぎて、斜入射光に対する回折効率の低下を招く。
また、条件式(15)を満足すると、回折光学素子を製造するための型に対して、格子部の格子形状を機械加工し易くなる。
更に好ましくは
d/P<1/15 …(15a)
とするのが良い。
以上のように本発明によれば、2つの回折格子を微粒子分散材料とガラス材料を適切な格子厚で用いることで、広い波長領域における特定次数(設計次数)の回折光に対する高い回折効率が得られる。そして、不要回折光を十分小さく抑制した回折光学素子を実現することができる。
また、内部透過率に関しても、同レベルの性能及び形状(格子厚)を有する回折光学素子に比べ、改善される。
更に、密着2層型DOEとして用いると、容易に製造することができる。そして、このような回折光学素子を用いれば、フレア光が少ない良好な光学性能を有する光学系及び光学機器を実現することができる。
次に上記で示した関係を満足する構成の回折光学素子の具体的な実施例を説明する。
まず実施例1について説明する。図2に示した回折光学素子10において、第1の回折格子16には、ガラスモールド用硝材( 住田光学ガラス社製K-VC79(nd=1.6097, νd=57.8))を用いる。また、第2の回折格子17には、フッ素系樹脂にITO微粒子(微粒子材料)を混合した材料(nd=1.5215, νd=14.6)を用いている。このとき、第1及び第2の回折格子16,17の格子部の格子厚dは6.65μmである。尚、この実施例は、図2に示した格子部16c、17cの格子ピッチP=200μm、入射光は第1の格子ベース部14に対し垂直の場合の設計例である。
図3Aには、本実施例の回折光学素子10の1次回折光の回折効率を示している。回折光学素子10の設計次数は1次である。また、図3Bには、設計次数1次に対する±1次(0次と2次)の回折光の回折効率を示している。尚、図3A及び3Bにおいて、縦軸は回折効率(%)、横軸は波長(nm)を表している。以下他の実施例についても、同様である。
これらの図から分かるように、本実施例の回折光学素子10は、特許文献4,5,7にて開示された回折光学素子に比べて、設計次数回折光である1次回折光の回折効率が改善されている。しかも、本実施例の回折光学素子10では、不要回折次数光である0次回折光と2次回折光の回折効率はより低減されており、フレア光がより発生しにくくなっている。
また、本実施例の回折光学素子10は、特許文献6にて開示された回折光学素子と比べて、総格子厚(積層型DOEでは、2つの回折格子層と空気層の厚さの総和)が小さい。
しかし、設計次数回折光(1次回折光)及び不要回折次数光(0次回折光及び2次回折光)に関して同等以上の性能を達成している。さらに、本実施例の回折光学素子10では、1次回折光の回折効率は、可視波長領域全域で99.8%以上得られ、不要回折次数光(0次回折光及び2次回折光)の回折効率も0.05%以下と十分に抑制されている。
ここで、不要次数の回折光の回折効率については、設計次数1次に対する±1次の0次回折光と2次回折光についてのみ対象としているが、これは設計次数から離れた回折次数ほどフレアに寄与する割合が少ないためである。つまり、0次と2次の回折光であるフレア光が低減されれば、それ以外の回折次数光によるフレア光も同様に低減できる。このことは、設計次数の回折光が主に回折するように設計された回折光学素子では、設計次数から離れた次数の回折光ほど回折効率が低下し、設計次数から離れた次数の回折光により形成される像ほど結像面で大きくぼけ、フレアとして目立たないことに起因する。
次に、特許文献5にて開示された材料と、本実施例にて用いられるガラスモールド硝材(K-VC79;材料1)及びフッ素系樹脂にITO微粒子を混合した材料(材料2)の可視波長領域での屈折率特性を図4に示す。ここで、特許文献5にて開示されている材料としては、アクリル系樹脂1(nd=1.523,νd=51.1)及びアクリル系樹脂2(nd=1.636,νd=23.0)である。
図4において、本実施例の材料1及び材料2の屈折率特性グラフはその傾きが異なっているように見えるが、波長の変化に対する屈折率の変化はほぼ一定である。
一方、特許文献5のアクリル系樹脂1,2では、波長の変化に対する屈折率の変化がアクリル系樹脂2ではほぼ一定であるのに対し、アクリル系樹脂1では短波長側の変化の度合いが大きい特性となっている。
これは、材料の特性について、F線, d線, C線に対する屈折率をnF, nd, nCとして、νd=(nd-1)/(nF-nC)についてしか言及しておらず、アッベ数νdはd線付近の屈折率変化の平均的な傾きを定義した値に過ぎないためである。このアッベ数νd特性は、積層構造の回折光学素子においては格子部の格子厚を薄く保ちつつ回折効率を単層型DOEに比べて改善するのに適した評価特性である。
しかし、本実施例は、特許文献5の回折光学素子よりもさらなる回折効率の改善を目的としている。このためには、平均的な屈折率変化を表したアッベ数νd特性を評価尺度とするだけでは不十分である。
そこで、g線及びF線に対する部分分散比θg,Fとg線及びd線に対する部分分散比θg,dを新たな評価尺度として用いる。部分分散比θg,Fは、nF, nC, ngをそれぞれF線, C線, g線に対する屈折率とした場合に、θg,F=(ng-nF)/(nF-nC)で表される。
部分分散比θg,dは、nF, nd, nC, ngをそれぞれF線, d線, C線, g線に対する屈折率とした場合に、θg,d=(ng-nd)/(nF-nC)で表される。それぞれの式は、短波長側の屈折率変化と長波長側の屈折率変化の比を表している。
本実施例の材料1はθg,F=0.54, θg,d = 1.24であり、材料2はθg,F=0.38,θg,d=1.00
とそれぞれ小さい。
一方、特許文献5のアクリル系樹脂1はθg,F=0.58, θg,d =1.28であり、アクリル系樹脂2はθg,F=0.68, θg,d= 1.40である。アクリル系樹脂1のθg,Fとθg,dは、本実施例の材料1と大きな差はないが、アクリル系樹脂2のθg,Fとθg,dは、本実施例の材料2に比べて大きな値になっている。
したがって、本実施例の方が使用波長領域全域において、各材料の波長の変化に対する屈折率の変化が一定に保たれ、より高い回折効率が得られる材料の組合せになっていると言える。
ちなみに、従来の特許で提案されている通常のガラス硝材と樹脂材料との組合せでは、格子部の格子厚6.65μm程度で、可視域全域に渡り99.8%以上といった高い回折効率を達成することが難しい。
次に第1、第2の材料の内部透過率について説明する。
図5に本実施例1での第1、第2の材料(材料1、材料2)の内部透過率と回折効率の積の結果を示している。図5において、縦軸は(内部)透過率(%)、横軸は波長(nm)を表している。この時、計算条件として、格子部の格子厚d=6.65μm、材料1の格子ベース部の厚さh1=10mm、材料2の格子ベース部の厚さh2=5μmとしている。
図5から分かるように、可視域全域で約75%以上と良好な透過率となっている。尚、前記(14)式の各波長450nm,550nm,650nmの平均内部透過率も、約86.6%と良好な値となっている。
また、本実施例は、特許文献4〜7とは異なり、前述した材質の上記材料1,2を使用することにより、高い回折効率を維持しながら第1及び第2の回折格子16,17の格子部が同一の格子パターンを有する格子面で接した密着2層型DOEとして実現している。
これにより、第1及び第2の回折格子16,17を高い精度で位置合せする必要がなくなり、製造が容易になる。
以上説明した実施例では、図1及び図2に示すように、平板に回折格子16,17を設けた回折光学素子について説明した。しかし、平板に代えて、レンズの凸面や凹面といった曲面に回折格子を設けても、本実施例と同様の効果を得ることができる。
また、本実施例では、設計次数が1次である回折光学素子について説明したが、設計次数は1次に限定されない。2次や3次等、1次とは異なる次数の回折光であっても、各回折格子における光学光路長差の合成値を、所望の設計次数で所望の設計波長となるように設定すれば、本実施例と同様な効果が得られる。
次に本発明の実施例2について説明する。本実施例の回折光学素子における断面形状は実施例1と基本的に同じである。
すなわち、本実施例の回折光学素子は図1及び図2に示した素子構成を有する。このため、本実施例では実施例1と同じ構成要素には実施例1と同符号を付してそれらの詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ詳しく説明する。
本実施例の回折光学素子10において、図2に示す第1の回折格子16には、ガラスモールド用硝材( 住田光学ガラス社製K-LaFK60(nd=1.6325, νd=63.8))を用いる。また、第2の回折格子17には、アクリル系樹脂にITO微粒子(微粒子材料)を混合した材料(nd=1.5652, νd=19.7)を用いている。第1及び第2の回折格子16,17の格子部16c、17cの格子厚dは同じであり、格子厚dは8.75μmである。尚、この実施例についても、図2に示した格子部16c、17cの格子ピッチP=200μm、入射光は第1の格子ベース部14に対し垂直の場合の設計例である。
図6Aには、本実施例2の回折光学素子10における1次回折光の回折効率を示す。設計次数は1次である。また、図6Bには、設計次数1次における±1次の回折光(0次回折光と2次回折光)の回折効率を示している。
本実施例の回折光学素子10は、実施例1の回折光学素子10と同様に、設計次数の回折光である1次光回折光の回折効率が改善されているとともに、不要回折光である0次回折光及び2次回折光の回折効率も低減され、よりフレア光が発生しにくくなっている。
具体的には、1次回折光の回折効率は可視波長領域全域で99.7%以上であり、不要回折次数光(0次回折光及び2次回折光)の回折効率は0.09%以下と十分に抑制されている。ちなみに、従来の回折光学素子のように通常のガラス硝材と樹脂材料との組合せを用いたのでは、格子部の格子厚8.75μm程度で、可視域全域に渡り99.7%以上といった高い回折効率を達成することが難しい。
図7に実施例2を用いた2種類の材料の内部透過率と回折効率の積の結果を示す。この時、計算条件として、格子部の格子厚d=8.75μm、材料1の格子ベース部の厚さh1=10mm、材料2の格子ベース部の厚さh2=5μmとしている。図7から分かるように、可視域全域で約75%以上と良好な透過率となっている。
尚、前記(14)式の各波長450nm,550nm,650nmの平均内部透過率も、約88.4%と前記実施例1よりも更に良好な値となっている。
次に本発明の実施例3について説明する。本実施例の回折光学素子における断面形状は実施例1及び実施例2と基本的に同じである。
本実施例の回折光学素子は、すなわち、図1及び図2に示した素子構成を有する。このため、本実施例では、実施例1と同じ構成要素には実施例1と同符号を付してそれらの詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ詳しく説明する。
本実施例の回折光学素子10において、図2に示す第1の回折格子16には、ガラスモールド用硝材(住田光学ガラス社製K-VC78(nd=1.6691, νd=55.4))を用いる。また、第2の回折格子17には、アクリル系樹脂にITO微粒子(微粒子材料)を混合した材料(nd=1.5836, νd=16.0)を用いている。第1及び第2の回折格子16,17の格子部16c、17cの格子厚dは同じであり、格子厚dは6.86μmである。尚、この実施例についても、図2に示した格子部の格子ピッチp=200μm、入射光は第1の格子ベース部14に対し垂直の場合の設計例である。
図8Aには、本実施例3の回折光学素子10における1次回折光の回折効率を示す。設計次数は1次である。
また、図8Bには、設計次数1次に対する±1次の回折光(0次回折光と2次回折光)の回折効率を示している。本実施例の回折光学素子10は、実施例1の回折光学素子10と同様に、設計次数の回折光である1次光回折光の回折効率が改善されているとともに、不要回折光である0次回折光及び2次回折光の回折効率も低減され、よりフレア光が発生しにくくなっている。
具体的には、1次回折光の回折効率は可視波長領域全域で99.8%以上であり、不要回折次数光(0次回折光及び2次回折光)の回折効率は0.04%以下と十分に抑制されている。ちなみに、従来の回折光学素子のように通常のガラス硝材と樹脂材料との組合せを用いたのでは、格子部の格子厚6.86μm程度で、可視域全域に渡り99.8%以上といった高い回折効率を達成することが難しい。
図9に本実施例3で用いた2種類の材料の内部透過率と回折効率の積の結果を示す。この時、計算条件として、格子部の格子厚d=6.86μm、材料1の格子ベース部の厚さh1=10mm、材料2の格子ベース部の厚さh2=5μmとしている。
図9から分かるように、可視域全域で約73%以上と良好な透過率となっている。尚、前記(14)式の各波長450nm,550nm,650nmの平均内部透過率も、約85.3%と良好な値となっている。
表1には、実施例1〜3にて説明した回折光学素子に関する前述の条件式(1)〜(15)の数値を示している。
以上説明したように、上記各実施例では、g線及びF線に対する部分分散比θg,Fとg線及びd線に対する部分分散比θg,dを適切に設定した材料1及び材料2を用いて、密着2層型の回折光学素子を構成している。
これにより、入射光の波長(使用波長)領域の全域において、特定次数(設計次数)の回折光に対する回折効率を高くしつつ、フレア光となり得る不要回折光を十分に抑制することが可能な回折光学素子を実現している。
また、内部透過率に関しても、同レベルの性能及び形状(格子厚)を有する回折光学素子に比べ、より改善される。更に、密着2層型の回折光学素子とすることで、製造が容易となる等の効果が得られる。
なお、図1及び図2に示した回折光学素子の形状、特に格子部の形状は一例に過ぎず、他の形状を採用することも可能である。
又、回折格子は2層に限らず、3層以上あっても良い。
この場合、少なくとも一方の格子ベース部に回折格子を設けても良い。
又、第1、第2の素子部では全く独立に新たな回折格子より成る格子部を設けても良い
次に本発明の回折光学素子を用いた光学機器の実施例について説明する。
図13Aには、本発明の回折光学素子を含んだ光学系の要部断面図である。図13Aはスチルカメラやビデオカメラ等の撮影装置(光学機器)200において撮像光学系として用いられる光学系の構成を示している。
図13Aにおいて、101は屈折光学素子(例えば、通常のレンズ素子)と回折光学素子を有する撮像光学系である。撮像光学系101の内部には、開口絞り102と本発明の回折光学素子10が設けられている。103は撮像光学系101の結像面に配置されたフィルムや撮像素子等の感光部材である。撮像素子としては、CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子が用いられる。
回折光学素子10は前述したようにレンズ機能を有する素子であり、撮像光学系101中の屈折光学素子で発生する色収差を補正する役割を果たす。そして、回折光学素子10は、実施例1〜3で説明したように、その回折効率特性が従来のものに比べて大幅に改善されている。このため、フレア光が少なく、低周波数での解像力も高い良好な光学性能を有した撮像光学系及び撮像装置が実現される。また、実施例1〜3にて説明した回折光学素子10は、空気層を有さない密着2層型DOEである
ので、製造が容易で、撮像光学系の量産性を高めることにも有効である。
図13Aでは、開口絞り102の近傍に配置された平板ガラス面に回折光学素子10を設けた例を示すが、回折光学素子10の配置形態はこれに限られない。前述したように、回折光学素子10をレンズ素子の凹面や凸面上に設けてもよい。また、撮像光学系内に回折光学素子10を複数個配置してもよい。
図13Aでは、撮像装置の撮影光学系に実施例1〜3の回折光学素子10を用いた場合について説明した。しかし、該回折光学素子10を、事務機(光学機器)であるイメージスキャナやデジタル複写機のリーダレンズ等、広い波長領域で使用される結像光学系に用いてもよい。この場合も、フレア光が少なく、低周波数での解像力も高い良好な光学性能を有する結像光学系及び事務機を実現することができる。
図13Bには、本発明の回折光学素子を含んだ光学系の要部断面図である。図13Bは双眼鏡等の観察装置(光学機器)300に搭載される観察光学系120の構成を示している。
図13Bにおいて、104は対物レンズ、105は対物レンズ104により形成された倒立像を正立させるためのプリズムである。106は接眼レンズであり、107の評価面(瞳面)に眼を配置することで、観察者は接眼レンズ106を通して対象物を観察することができる。
対物レンズ104は、本発明の回折光学素子10を有する。該回折光学素子10は、対物レンズ104の結像面103での色収差やその他の収差を補正する目的で設けられている。
回折光学素子10は、実施例1〜3で説明したように、その回折効率特性が従来のものに比べて大幅に改善されている。このため、フレア光が少なく、低周波数での解像力も高い良
好な光学性能を有した観察光学系及び観察装置が実現される。
また、実施例1〜3にて説明した回折光学素子10は、空気層を有さない密着2層型DOEであるので、製造が容易で、結像光学系の量産性を高めることにも有効である。
図13Bでは、対物レンズ104を構成するレンズ素子の近くに配置された平板ガラス面に回折光学素子10を設けた例を示すが、回折光学素子10の配置形態はこれに限られない。
前述したように、回折光学素子10をレンズ素子の凹面や凸面上に設けてもよい。また、結像光学系内に回折光学素子10を複数個配置してもよい。
また、図13Bでは、対物レンズ104内に回折光学素子10を設けた場合を示したが、プリズム105の光学面や接眼レンズ106内に設けることもでき、この場合も先に説明したのと同様の効果が得られる。
但し、回折光学素子10を結像面103よりも物体側に設けることで、対物レンズ104で発生する色収差の低減効果があるため、肉眼の観察系の場合は、少なくとも対物レンズ104内に設けることが望ましい。
さらに、図13Bに示した双眼鏡の観察光学系以外に、望遠鏡やカメラの光学ファインダといった観察光学系にも実施例1〜3にて説明した回折光学素子10を設けることができる。この場合も、先に説明したのと同様の効果が得られる。
本発明の回折光学素子の要部正面図。 本発明の回折光学素子の部分断面図。 実施例1の回折光学素子の設計次数での回折効率特性を示すグラフ図。 実施例1の回折光学素子の設計次数±1次での回折効率特性を示すグラフ図。 実施例1の回折光学素子を構成する材料の屈折率特性(n−λ特性)を示すグラフ図。 実施例1の回折光学素子の(内部)透過率特性を示すグラフ図。 実施例2の回折光学素子の設計次数での回折効率特性を示すグラフ図。 実施例2の回折光学素子の設計次数±1次での回折効率特性を示すグラフ図。 実施例2の回折光学素子の(内部)透過率特性を示すグラフ図。 実施例3の回折光学素子の設計次数での回折効率特性を示すグラフ図。 実施例3の回折光学素子の設計次数±1次での回折効率特性を示すグラフ図。 実施例3の回折光学素子の(内部)透過率特性を示すグラフ図。 実施例1〜3の回折光学素子を構成する材料の屈折率特性(nd-νd特性)を示すグラフ図。 実施例1〜3の回折光学素子を構成する材料の屈折率特性(θg,F-νd特性)を示すグラフ図。 実施例1〜3の回折光学素子を構成する材料の屈折率特性(θg,d-νd特性)を示すグラフ図。 実施例1〜3の回折光学素子を用いた撮影光学系とこれを備えた撮像装置の構成を示す図。 実施例1〜3の回折光学素子を用いた観察光学系とこれを備えた観察装置の構成を示す図。 従来の単層型回折光学素子の部分断面図。 従来の単層型回折光学素子の設計次数及び設計次数±1次の回折効率特性を示すグラフ図。 従来の積層型回折光学素子の部分断面図。 従来の積層型回折光学素子の設計次数での回折効率特性を示すグラフ図。 従来の積層型回折光学素子の部分断面図。 従来の積層型回折光学素子の設計次数での回折効率特性を示すグラフ図。 従来の積層型回折光学素子の設計次数±1次での回折効率特性を示すグラフ図。 従来の積層型回折光学素子の設計次数での回折効率特性を示すグラフ図。 従来の積層型回折光学素子の設計次数±1次での回折効率特性を示すグラフ図。 従来の密着2層型回折光学素子の部分断面図。
10 回折光学素子
12 第1の素子部
13 第2の素子部
14 第1の格子ベース部
15 第2の格子ベース部
16 第1の回折格子
17 第2の回折格子
101 撮像光学系
102 絞り
103 結像面
104 対物レンズ
105 プリズム
108 接眼レンズ
107 評価面(瞳面)
108 回折格子
109 基板
110 第1の素子部
111 第2の素子部
112 第3の素子部
113 (積層型)回折光学素子
114 第1の素子部
115 第2の素子部
117 第1の素子部
118 第2の素子部
119 (密着2層型)回折光学素子
120 観察光学系

Claims (8)

  1. 第1の材料より成る第1の回折格子と第2の材料より成る第2の回折格子を各回折格子の格子部の格子面が互いに接するように積層した構造を有する回折光学素子であって、該第1の材料はガラス硝材であり、該第2の材料は微粒子材料を樹脂材料に混合した材料より成り、該第1の材料のd線に対する屈折率、アッベ数、g線とF線に対する部分分散比、g線とd線に対する部分分散比を順にnd1、νd1、θg,F1、θg,d1、該第2の材料のd線に対する屈折率、アッベ数、g線とF線に対する部分分散比、g線とd線に対する部分分散比を順にnd2、νd2、θg,F2、θg,d2、該微粒子材料のd線に対する屈折率、アッベ数を各々ndb2、νdb2、F線、d線、C線の波長を各々λF、λd、λC、F線、d線、C線の波長におけるm次の回折光に対する前記各回折格子の格子部の凸部と凹部での光学光路長の差をその波長で除した値を順に、m(λF)、m(λd)、m(λC)、前記各回折格子の格子部の格子厚をd(μm)、波長450nm、550nm、650nmを順にλ1、λ2、λ3、該波長λ1、λ2、λ3における回折効率を順にη(λ1)、η(λ2)、η(λ3)、該第1の材料の波長λ1、λ2、λ3における内部透過率を順にT1(λ1)、T1(λ2)、T1(λ3)、該第2の材料の波長λ1、λ2、λ3における内部透過率を順にT2(λ1)、T2(λ2)、T2(λ3)とするとき
    1.58≦nd1≦1.70
    40≦νd1≦70
    (-1.665×10 -7 ×νd1 3 +5.213×10 -5 ×νd1 2 -5.656×10 -3 ×νd1+0.662)≦θg,F1≦(-1.665×10 -7 ×νd1 3 +5.213×10 -5 ×νd1 2 -5.656×10 -3 ×νd1+0.700)
    (-1.687×10 -7 ×νd1 3 +5.702×10 -5 ×νd1 2 -6.603×10 -3 ×νd1+1.425)≦θg,d1≦(-1.687×10 -7 ×νd1 3 +5.702×10 -5 ×νd1 2 -6.603×10 -3 ×νd1+1.513)
    1.45≦nd2≦1.6
    νd2≦25
    θg,F2≦(-1.665×10 -7 ×νd2 3 +5.213×10 -5 ×νd2 2 -5.656×10 -3 ×νd2+0.600)
    θg,d2≦(-1.687×10 -7 ×νd2 3 +5.702×10 -5 ×νd2 2 -6.603×10 -3 ×νd2+1.300)
    nd1-nd2>0
    ndb2≧1.75
    νdb2≦18
    d≦10(μm)
    0.96≦[m(λF)+m(λd)+m(λC)]/3≦1.04
    (T1(λ1)×T2(λ1)×η(λ1)+T1(λ2)×T2(λ2)×η(λ2)+T1(λ3)×T2(λ3)×η(λ3))/3≧0.85
    なる条件を満足することを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記ガラス硝材は、屈伏点温度が600℃以下のガラス硝材であることを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 前記微粒子材料がITO、Ti、Crのいずれか1つ又はこれらのうち少なくとも1つを含む酸化物、複合物、混合物のいずれか1つの無機微粒子を含んだ樹脂材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回折光学素子。
  4. 前記第2の材料の無機微粒子を混合する樹脂材料は、紫外線硬化樹脂で、かつアクリル系、フッ素系、ビニル系、エポキシ系のいずれかの有機樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の回折光学素子。
  5. 前記第2の材料に含まれる無機微粒子の平均粒子径は、200nm以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の回折光学素子。
  6. 前記第1、第2の回折格子の格子部の格子ピッチと格子厚をそれぞれP、dとするとき、
    d/P<1/15
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回折光学素子を有することを特徴する光学系。
  8. 請求項7に記載の光学系を有することを特徴とする光学機器。
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