JP5256588B2 - 高純度シリコンの製造方法 - Google Patents
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SiHnX4-n: (1)
(式中、nは、0〜3の整数であり、Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。ここでアルミニウムの純度は、100重量%から、アルミニウムに含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛の合計の重量%を差し引いたものである。)、
更に、本発明は、〔2〕アルミニウムに含まれるホウ素が5ppm以下、かつリンが0.5ppm以下である〔1〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔3〕アルミニウムに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下である〔1〕または〔2〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔4〕アルミニウムに含まれる鉄が150ppm以下、銅が290ppm以下、チタンが7ppm以下、バナジウムが20ppm以下である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔5〕アルミニウムに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20≦1である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔6〕アルミニウムに含まれる鉄が10ppm以下である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔7〕アルミニウムに含まれる鉄が10ppm以下、銅が10ppm以下、チタンが1ppm以下、バナジウムが5ppm以下である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔8〕アルミニウムに含まれる鉄が3ppm以下、銅が3ppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが1ppm以下である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔9〕アルミニウムが99.99%以上である〔1〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔10〕アルミニウムに含まれる鉄が10ppm以下、銅が10ppm以下、チタンが1ppm以下、バナジウムが5ppm以下である〔9〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔11〕アルミニウムに含まれる鉄が3ppm以下、銅が3ppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが1ppm以下である〔9〕または〔10〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔12〕アルミニウムに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下である〔9〕〜〔11〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔13〕ハロゲン化珪素の純度が4N以上である〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔14〕前記の〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法により得られたシリコンを方向凝固により精製する高純度シリコンの製造方法、
に係るものである。
SiHnX4-n: (1)
(式中、nは、0〜3の整数であり、Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。ここでアルミニウムの純度は、100重量%から、アルミニウムに含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛の合計の重量%を差し引いたものである。)
更に、本発明は、〔2〕アルミニウムに含まれるホウ素が5ppm以下、かつリンが0.5ppm以下である〔1〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔3〕アルミニウムに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下である〔1〕または〔2〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔4〕アルミニウムに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20≦1である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔5〕ハロゲン化珪素の純度が4N以上であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法により得られたシリコンを方向凝固により精製することを特徴とする高純度シリコンの製造方法、
に係るものである。
鉄、銅、ガリウム、チタン、ニッケル、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛の各元素は方向凝固で精製可能ではあるが、方向凝固の収率を高めるためには、それぞれの元素の含有量については、鉄は好ましくは150ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
銅は好ましくは290ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
チタンは好ましくは30ppm以下、より好ましくは10ppm以下、更に好ましくは7ppm以下、より更に好ましくは3ppm以下、もっとより更に好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.3ppm以下;
ニッケルは好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、より更に好ましくは3ppm以下、特に好ましくは1ppm以下;
ナトリウムは好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
マグネシウムは好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下;更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
亜鉛は好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下である。
アルミニウムに含まれるこれらの元素以外のもので、Pについては、後に用いることがあるシリコンの精製工程である方向凝固で除くことができないため、アルミニウムに含まれるPの濃度は、好ましくは0.5ppm以下、さらに好ましくは0.3ppm以下、特に好ましくは0.1ppm以下がよい。
また、ホウ素も方向凝固の精製が難しいために、アルミニウムに含まれるホウ素の濃度は、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.3ppm以下がよい。
また、バナジウムは好ましくは20ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、更に好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.1ppm以下である。
これら影響のある各元素の合計値が好ましい数値以下であるだけでなく、好ましくは、アルミニウムに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20≦1である。
反応に供するアルミニウムの形状としては、箔、粉末、融液などがありうる。反応速度の面からはできるだけ表面積の大きい形状が好ましい。
反応温度としては、好ましくは400℃〜1200℃、より好ましくは500℃〜1200℃、更に好ましくは500℃〜1000℃、より更に好ましくは660℃〜1000℃、特に好ましくは700℃〜1000℃である。400℃以上の温度であれば、反応速度が充分であり好ましく、1200℃以下であれば、ハロゲン化珪素と反応生成物のシリコンの間の反応で低次のハロゲン化珪素が生成して、シリコンの収率が低下することが少なくなるので好ましい。
反応容器の材質は、反応温度における耐熱性があり、シリコンを汚染しない材料が好ましく、炭素、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、石英などが挙げられる。
本発明の反応においては、精製されたシリコンと副生物が生じる。副生物は、例えば塩化アルミニウムである。塩化アルミニウムは、200℃以上においてはガスであるので、反応系を200℃以上に保持して、未反応ハロゲン化珪素、希釈ガス、塩化アルミニウムガスの混合ガスとシリコンとの固気分離を行なうことが好ましい
未反応ハロゲン化珪素は、必要に応じて希釈ガスから分離して、再度アルミニウムとの反応に用いることができる。希釈ガスからの分離は、冷却してハロゲン化珪素を液体とし、気液分離により行うことができる。
また、塩化水素が存在すると、それに応じてアルミニウムの原単位が悪化するが、シリコンの精製効果も期待されるため、精製が必要な場合には必要最小限の使用も考えられる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
なお、以下の測定における純度分析は、グロー放電質量分析法(VG社製、VG-9000)を利用した。また、拡散長は、Surface PhotoVoltage (SPV)表面光起電圧法(SDI社製、CMS4010)により行った。拡散長は50μ以上あれば太陽電池として使用可能である。
三層電解高純度アルミニウム板(住友化学(株)製、1mm厚、成分分析値は表1参照)5gをアルミナるつぼに入れ、電気炉の石英製炉心管内に置いた。
次いで四塩化珪素(トリケミカル(株)製、6N)を充填したボンベに、Arを400cc/分の速度で通過させ、四塩化珪素とArの混合ガスを900℃に保った管状電気炉に導入し、アルミニウムと四塩化珪素とを約1時間反応させた。その後ガスをArに切り替えて降温した。
反応終了後、得られたシリコンを取り出し、粉砕して希塩酸、次いで純水で洗浄後乾燥して純度分析を行った。
純度分析の結果、高純度アルミニウムとそれにより得られるシリコン中の不純物(単位ppm)を表1に示す。極めて高純度のシリコンが得られた。該高純度アルミニウムの純度は、99.9996%(不純物合計3.72ppm)であった。得られたシリコンの純度は、99.9999%(不純物合計0.95ppm)であった。
普通純度アルミニウム(住友化学(株)製、1mm厚、成分分析値は表2参照)5gをアルミナるつぼに入れ、電気炉の石英製炉心管内に置いた。次いで四塩化珪素(とりケミカル(株)製、6N)を充填したボンベに、Arを400cc/分の速度で通過させ、四塩化珪素とArの混合ガスを900℃に保った管状電気炉に導入し、アルミニウムと四塩化珪素とを約1時間反応させた。その後ガスをArに切り替えて降温した。
反応終了後、得られたシリコンを取り出し、粉砕して希塩酸、次いで純水で洗浄後乾燥して純度分析を行った。
アルミニウム中の不純物がシリコンに移動していることがわかる。純度は99重量%程度であり、この純度では、後で精製をしても太陽電池用原料としては不十分なものにしかならない。
表3に示される不純物組成のアルミニウムを使用してSiCl4を還元し、シリコンを得た。このシリコンの不純物を分析したところ、表3のような結果を得た。この結果、不純物の挙動をみると、Fe、Cu、Ti、Ni、B、Pに関しては、Al中の不純物は概ねそのままシリコン中に移行すること、Cr、V、Zr、Mo、ZnなどはAlからSiへの転換時に1/10に減少することがわかった。従って、シリコン中の許容濃度よりも約10倍程度高濃度のCr、V、Zr、Mo、Znを含有するアルミニウムを使用しても良いことがわかる。
実施例1で用いたアルミニウムにFeを150ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はFe140ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が70%となった。
実施例1で用いたアルミニウムにCuを300ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はCu280ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が75%となった。
実施例1で用いたアルミニウムにTiを7ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はTi7ppmとFe0.5ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が65%となった。
実施例1で用いたアルミニウムにVを20ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はV1.1ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が70%となった。
実施例1で用いたアルミニウムにFeを10ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はFe9ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が85%となった。
実施例1で用いたアルミニウムにFeを3ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はFe3ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が90%となった。
実施例1で用いたアルミニウムにTiを0.3ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はTi0.3ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が85%となった。
実施例1で用いたアルミニウムにVを1ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はV0.1ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が80%となった。
Claims (6)
- 下式(1)で表されるハロゲン化珪素をアルミニウムで還元してシリコンを製造する方法であって、還元剤として使用するアルミニウムの純度が99.99重量%以上であり、前記アルミニウムに含まれる鉄が3ppm以下、銅が3ppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが0.1ppm以下であることを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
SiHnX4-n: (1)
(式中、nは、0〜3の整数であり、Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。ここでアルミニウムの純度は、100重量%から、アルミニウムに含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛の合計の重量%を差し引いたものである。) - アルミニウムに含まれるホウ素が5ppm以下、かつリンが0.5ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の高純度シリコンの製造方法。
- アルミニウムに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の高純度シリコンの製造方法。
- アルミニウムに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20≦1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
- ハロゲン化珪素の純度が4N以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法により得られたシリコンを方向凝固により精製することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
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