JP5256588B2 - 高純度シリコンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高純度シリコンの製造方法に関する。
太陽電池用原料シリコンは、半導体グレードシリコンの規格外品を主な原料としている。半導体グレードシリコンは、冶金グレードシリコンを精製して製造されている。冶金グレードシリコンは、炭素、珪石を混合してアーク炉により還元製造されている。この冶金グレードシリコンとHClの反応によりトリクロルシランを合成し、これを精留精製後、水素を用いて高温で還元して半導体グレードシリコンが製造される。この方法では極めて高純度のシリコンを製造できるが、シリコンへの転換率が低く、この平衡をシリコンに有利にするために多量の水素が必要なこと、それでも転換率が低いために多くの未反応ガスを再度循環使用する必要があること、未反応ガス中に種々のハロゲン化シランが生成するため、再度蒸留によって分離が必要になること、最終的に水素で還元できない四塩化珪素が多量に生成してくること、などのために高コストである。
一方、太陽電池は、近年の炭酸ガスなどの環境問題に対しての有力な解決手段として注目されていて、需要も著しい伸びを示している。しかしながら、現在の太陽電池は、まだ高価なため、これにより得られる電力の価格は商業電力の電気代に比較して数倍である。現在、環境問題、増加するエネルギー需要に対応して太陽電池の需要が伸張して、従来の半導体規格外シリコンだけでは原料に不足する事態になりつつあり、多量の低コスト太陽電池の供給が望まれている。
従来から、四塩化珪素をアルミニウムで還元する方法(非特許文献1、特許文献1、特許文献2)、四塩化珪素の亜鉛還元法(非特許文献2)、トリクロルシランの流動床還元(非特許文献3)など、種々の提案がなされているが、いずれもまだ実用化されていない。
吉沢四郎、端野朝康、阪口新、四塩化ケイ素のアルミニウム還元、工業化学雑誌64(8) 1347-50(1961) 特開平2−64006号公報 特開昭59−182221号公報 Evaluation of selecdted chemical processes for production of low-cost silicon, J. M. Blocher, et. al. Jet propulsion laboratory final report (1981) 昭和55-62年度新エネルギー総合開発機構委託業務成果報告書「太陽光発電システム実用化技術開発 低コストシリコン実験精製検証」総括版 昭和63年、信越化学工業株式会社
本発明の目的は、太陽電池用原料として、好適に用いられる高純度シリコンの新規で安価な製造方法、及び該製造方法で得られる高純度シリコンを提供することにある。
本発明者らは、高純度シリコンの製造方法について鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、〔1〕下式(1)で表されるハロゲン化珪素をアルミニウムで還元してシリコンを製造する方法であって、還元剤として使用するアルミニウムの純度が99.9重量%以上である高純度シリコンの製造方法に係るものである。
SiHn4-n: (1)
(式中、nは、0〜3の整数であり、Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。ここでアルミニウムの純度は、100重量%から、アルミニウムに含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛の合計の重量%を差し引いたものである。)、
更に、本発明は、〔2〕アルミニウムに含まれるホウ素が5ppm以下、かつリンが0.5ppm以下である〔1〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔3〕アルミニウムに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下である〔1〕または〔2〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔4〕アルミニウムに含まれる鉄が150ppm以下、銅が290ppm以下、チタンが7ppm以下、バナジウムが20ppm以下である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔5〕アルミニウムに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20≦1である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔6〕アルミニウムに含まれる鉄が10ppm以下である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔7〕アルミニウムに含まれる鉄が10ppm以下、銅が10ppm以下、チタンが1ppm以下、バナジウムが5ppm以下である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔8〕アルミニウムに含まれる鉄が3ppm以下、銅が3ppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが1ppm以下である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔9〕アルミニウムが99.99%以上である〔1〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔10〕アルミニウムに含まれる鉄が10ppm以下、銅が10ppm以下、チタンが1ppm以下、バナジウムが5ppm以下である〔9〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔11〕アルミニウムに含まれる鉄が3ppm以下、銅が3ppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが1ppm以下である〔9〕または〔10〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔12〕アルミニウムに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下である〔9〕〜〔11〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔13〕ハロゲン化珪素の純度が4N以上である〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔14〕前記の〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法により得られたシリコンを方向凝固により精製する高純度シリコンの製造方法、
に係るものである。
本発明の製法によれば、太陽電池原料として好適に用いることができる高純度シリコン(例えば、純度が5N以上、好ましくは6N以上であり、かつホウ素が1ppm以下、リンが0.3ppm以下。)が得られる。
すなわち、本発明は、下式(1)で表されるハロゲン化珪素をアルミニウムで還元してシリコンを製造する方法であって、還元剤として使用するアルミニウムの純度が99.9重量%以上であり、前記アルミニウムに含まれる鉄がppm以下、銅がppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが0.1ppm以下であることを特徴とする高純度シリコンの製造方法に関する。
SiHn4-n: (1)
(式中、nは、0〜3の整数であり、Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。ここでアルミニウムの純度は、100重量%から、アルミニウムに含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛の合計の重量%を差し引いたものである。)
更に、本発明は、〔2〕アルミニウムに含まれるホウ素が5ppm以下、かつリンが0.5ppm以下である〔1〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔3〕アルミニウムに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下である〔1〕または〔2〕記載の高純度シリコンの製造方法、
〔4〕アルミニウムに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20≦1である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔5〕ハロゲン化珪素の純度が4N以上であることを特徴とする〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法、
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法により得られたシリコンを方向凝固により精製することを特徴とする高純度シリコンの製造方法、
に係るものである。



本発明において、還元剤として用いるアルミニウムの純度は99.9重量%以上であり、更に好ましくは99.99重量%以上、最も好ましくは99.995重量%以上である。
鉄、銅、ガリウム、チタン、ニッケル、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛の各元素は方向凝固で精製可能ではあるが、方向凝固の収率を高めるためには、それぞれの元素の含有量については、鉄は好ましくは150ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
銅は好ましくは290ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
チタンは好ましくは30ppm以下、より好ましくは10ppm以下、更に好ましくは7ppm以下、より更に好ましくは3ppm以下、もっとより更に好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.3ppm以下;
ニッケルは好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、より更に好ましくは3ppm以下、特に好ましくは1ppm以下;
ナトリウムは好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
マグネシウムは好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下;更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
亜鉛は好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下である。
アルミニウムに含まれるこれらの元素以外のもので、Pについては、後に用いることがあるシリコンの精製工程である方向凝固で除くことができないため、アルミニウムに含まれるPの濃度は、好ましくは0.5ppm以下、さらに好ましくは0.3ppm以下、特に好ましくは0.1ppm以下がよい。
また、ホウ素も方向凝固の精製が難しいために、アルミニウムに含まれるホウ素の濃度は、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.3ppm以下がよい。
また、バナジウムは好ましくは20ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、更に好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.1ppm以下である。
これら影響のある各元素の合計値が好ましい数値以下であるだけでなく、好ましくは、アルミニウムに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20≦1である。
本発明におけるアルミニウムは、通常市販の電解還元アルミニウム(普通アルミニウム)を、偏析凝固法、三層電解法などによって精製することにより得られる。
反応に供するアルミニウムの形状としては、箔、粉末、融液などがありうる。反応速度の面からはできるだけ表面積の大きい形状が好ましい。
本発明の製造方法において、ハロゲン化珪素とアルミニウムの反応の方法としては、耐熱性反応容器の中に予めアルミニウムを仕込んだ後、所定温度にてハロゲン化珪素を吹き込む方法、または反応容器内にアルミニウムとハロゲン化珪素を同時に供給して反応させる方法などが挙げられる。
反応温度としては、好ましくは400℃〜1200℃、より好ましくは500℃〜1200℃、更に好ましくは500℃〜1000℃、より更に好ましくは660℃〜1000℃、特に好ましくは700℃〜1000℃である。400℃以上の温度であれば、反応速度が充分であり好ましく、1200℃以下であれば、ハロゲン化珪素と反応生成物のシリコンの間の反応で低次のハロゲン化珪素が生成して、シリコンの収率が低下することが少なくなるので好ましい。
反応容器の材質は、反応温度における耐熱性があり、シリコンを汚染しない材料が好ましく、炭素、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、石英などが挙げられる。
本発明の方法において、反応性を制御するためにハロゲン化珪素を不活性ガスにて希釈して供給しても良い。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などが挙げられる。
本発明の反応においては、精製されたシリコンと副生物が生じる。副生物は、例えば塩化アルミニウムである。塩化アルミニウムは、200℃以上においてはガスであるので、反応系を200℃以上に保持して、未反応ハロゲン化珪素、希釈ガス、塩化アルミニウムガスの混合ガスとシリコンとの固気分離を行なうことが好ましい
本発明の方法により生成した未反応ハロゲン化珪素、希釈ガス、塩化アルミニウムガスの混合ガスを、引き続き200℃以下に冷却することにより、塩化アルミニウムを固体とし、未反応ハロゲン化珪素+希釈ガスの気体と分離することが好ましい。
未反応ハロゲン化珪素は、必要に応じて希釈ガスから分離して、再度アルミニウムとの反応に用いることができる。希釈ガスからの分離は、冷却してハロゲン化珪素を液体とし、気液分離により行うことができる。
本発明の方法において、得られた塩化アルミニウムは極めて高純度であるので、そのまま無水塩化アルミニウムとして触媒などに利用することも可能であるし、水と反応させてポリ塩化アルミニウムとしたり、それを中和することによって水酸化アルミニウムとしたり、水蒸気、または酸素と高温で反応させてアルミナとすることも可能である。
本発明の方法において、ハロゲン化珪素とアルミニウムは、反応の自由エネルギーが大きな負のために反応は平衡論的には化学量論比で進行するが、速度論的な観点、後の分離工程から考えて、アルミニウムよりもハロゲン化珪素が過剰量とするほうが好ましい。
本発明の方法において、反応の雰囲気はハロゲン化珪素ガス、又はハロゲン化珪素ガスと不活性ガスの混合ガスが好ましく、反応の進行のためには、水、酸素などが存在しないことが好ましい。
また、塩化水素が存在すると、それに応じてアルミニウムの原単位が悪化するが、シリコンの精製効果も期待されるため、精製が必要な場合には必要最小限の使用も考えられる。
本発明の方法において、反応時間は、反応の形式にもよるが、好ましくは1秒以上48時間以下、より好ましくは5秒以上48時間以下、更に好ましくは10秒以上48時間以下、より更に好ましくは10秒以上60分以下、特に好ましくは10秒以上10分以下である。アルミニウムが微細なほど反応は速やかに進行するので、好ましい反応時間は、アルミニウムの形状に依存する。反応時間が短すぎると未反応アルミニウムが残留してシリコン中の不純物となるために好ましくなく、長すぎると収率的に不利はないが、無駄な時間を費やしてコストアップの要因となる。
本発明の方法において得られたシリコン中には、反応条件により若干のアルミニウムが残存する場合があるため、必要に応じてシリコンを粉砕後、酸洗してアルミニウムを除去することが好ましい。使用する酸としては、金属不純物の少ないものが好ましく、種類としては塩酸、硝酸、硫酸などが好適に用いうる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の測定における純度分析は、グロー放電質量分析法(VG社製、VG-9000)を利用した。また、拡散長は、Surface PhotoVoltage (SPV)表面光起電圧法(SDI社製、CMS4010)により行った。拡散長は50μ以上あれば太陽電池として使用可能である。
実施例1
三層電解高純度アルミニウム板(住友化学(株)製、1mm厚、成分分析値は表1参照)5gをアルミナるつぼに入れ、電気炉の石英製炉心管内に置いた。
次いで四塩化珪素(トリケミカル(株)製、6N)を充填したボンベに、Arを400cc/分の速度で通過させ、四塩化珪素とArの混合ガスを900℃に保った管状電気炉に導入し、アルミニウムと四塩化珪素とを約1時間反応させた。その後ガスをArに切り替えて降温した。
反応終了後、得られたシリコンを取り出し、粉砕して希塩酸、次いで純水で洗浄後乾燥して純度分析を行った。
純度分析の結果、高純度アルミニウムとそれにより得られるシリコン中の不純物(単位ppm)を表1に示す。極めて高純度のシリコンが得られた。該高純度アルミニウムの純度は、99.9996%(不純物合計3.72ppm)であった。得られたシリコンの純度は、99.9999%(不純物合計0.95ppm)であった。
比較例1
普通純度アルミニウム(住友化学(株)製、1mm厚、成分分析値は表2参照)5gをアルミナるつぼに入れ、電気炉の石英製炉心管内に置いた。次いで四塩化珪素(とりケミカル(株)製、6N)を充填したボンベに、Arを400cc/分の速度で通過させ、四塩化珪素とArの混合ガスを900℃に保った管状電気炉に導入し、アルミニウムと四塩化珪素とを約1時間反応させた。その後ガスをArに切り替えて降温した。
反応終了後、得られたシリコンを取り出し、粉砕して希塩酸、次いで純水で洗浄後乾燥して純度分析を行った。
純度分析の結果、普通アルミニウムとそれにより得られるシリコン中の不純物(単位ppm)を表2に示す。該普通アルミニウムの純度は、99.28%(不純物合計72×102ppm)であった。得られたシリコンの純度は、99.21%(不純物合計79×102ppm)であった。
アルミニウム中の不純物がシリコンに移動していることがわかる。純度は99重量%程度であり、この純度では、後で精製をしても太陽電池用原料としては不十分なものにしかならない。
実施例2
表3に示される不純物組成のアルミニウムを使用してSiCl4を還元し、シリコンを得た。このシリコンの不純物を分析したところ、表3のような結果を得た。この結果、不純物の挙動をみると、Fe、Cu、Ti、Ni、B、Pに関しては、Al中の不純物は概ねそのままシリコン中に移行すること、Cr、V、Zr、Mo、ZnなどはAlからSiへの転換時に1/10に減少することがわかった。従って、シリコン中の許容濃度よりも約10倍程度高濃度のCr、V、Zr、Mo、Znを含有するアルミニウムを使用しても良いことがわかる。
実施例3
実施例1で用いたアルミニウムにFeを150ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はFe140ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が70%となった。
実施例4
実施例1で用いたアルミニウムにCuを300ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はCu280ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が75%となった。
実施例5
実施例1で用いたアルミニウムにTiを7ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はTi7ppmとFe0.5ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が65%となった。
実施例6
実施例1で用いたアルミニウムにVを20ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はV1.1ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が70%となった。
実施例7
実施例1で用いたアルミニウムにFeを10ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はFe9ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が85%となった。
実施例8
実施例1で用いたアルミニウムにFeを3ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はFe3ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が90%となった。
実施例9
実施例1で用いたアルミニウムにTiを0.3ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はTi0.3ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が85%となった。
実施例10
実施例1で用いたアルミニウムにVを1ppm添加してSiCl4を還元してシリコンを得た。得られたシリコン中の主要不純物はV0.1ppmであった。このシリコンを0.4mm/分の速度で方向凝固し、180mm□、高さ120mmのインゴットを得た。このインゴットの拡散長を測定したところ、拡散長50μm以上の部分が80%となった。
Figure 0005256588
Figure 0005256588
Figure 0005256588

Claims (6)

  1. 下式(1)で表されるハロゲン化珪素をアルミニウムで還元してシリコンを製造する方法であって、還元剤として使用するアルミニウムの純度が99.9重量%以上であり、前記アルミニウムに含まれる鉄がppm以下、銅がppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが0.1ppm以下であることを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
    SiHn4-n: (1)
    (式中、nは、0〜3の整数であり、Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。ここでアルミニウムの純度は、100重量%から、アルミニウムに含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛の合計の重量%を差し引いたものである。)
  2. アルミニウムに含まれるホウ素が5ppm以下、かつリンが0.5ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の高純度シリコンの製造方法。
  3. アルミニウムに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の高純度シリコンの製造方法。
  4. アルミニウムに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20≦1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
  5. ハロゲン化珪素の純度が4N以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法により得られたシリコンを方向凝固により精製することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
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