JP5255162B1 - 相溶性透明含水油の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、油と水とが混合されていながら乳濁することなく均質な状態で安定して維持できる相溶性透明含水油を製造する方法を提供することである。本発明は、鉱物油及び植物油から選択される少なくとも一方の油と、水と、乳化剤と、を混合してエマルジョンを得る第1の工程と、エマルジョンを、前段フィルタ14と前段フィルタよりも濾過精度が小さい後段フィルタ16とを順次通過させる第2の工程と、第2の工程を経たエマルジョンを100℃以下に加温した状態で、エマルジョンに透明化剤としてのアミン類を混合する第3の工程と、を備える。

Description

本発明は相溶性透明含水油の製造方法に関する。更に詳しくは、油に水を混合してエマルジョン化した相溶性透明含水油の製造方法に関する。
近年、埋蔵量が限られている石油等の化石燃料の枯渇問題や、化石燃料を燃焼させた際に排出されるCOや、NOx、SOx等の有害物質による地球温暖化や環境汚染の問題に対処するために、燃料油と水を混合してエマルジョン化したエマルジョン燃料が注目され、種々の製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1に記載されている発明は、燃料油の中に空気注入によって気泡を発生させて撹搾しつつ、200V以上のプラス電位が付与される環境下で水を混入することによって、透明化した油水混合液を得ようとするものである。
また、特許文献2に記載されている発明は、エダクター効果と渦流効果を利用して、植物由莱の増粘剤により水の粘度を高めた活性水と、油性燃焼促進剤を適宜調整添加した基燃油を撹搾及び循環混合することにより、長時間安定して油水が分離しない均一なエマルジョン燃料油を得ようとするものである。
特開2005−307136号公報 特開2010−138362号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載された発明は、有害でコスト負担となる乳化剤等を使用することなく透明な混合油を製造する方法を提供するものであるが、油中に混合できる水の重量比率においては10%〜15%程度に留まるものであった。
また、特許文献2に記載されている発明においては、燃料油をエダクター効果と渦流効果を利用して水と撹拌混合しているため、均一に粒子化されたエマルジョンを得ることが難しく、高い含水比率においては、油水エマルジョン状態を長期間安定して維持することが困難であるとともに、得られた製品油は透明ではないので、商品価値を高められない問題もあった。
本発明は上記従来の技術に鑑みてなされたものであり、油と水とが混合されていながら乳濁することなく均質な状態で安定して維持できる相溶性透明含水油を製造する方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下に示す通りである。
(1)請求項1に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、鉱物油及び植物油から選択される少なくとも一方の油と、水と、乳化剤と、を混合してエマルジョンを得る第1の工程と、
前記エマルジョンを、前段フィルタと前記前段フィルタよりも濾過精度が小さい後段フィルタとを順次通過させる第2の工程と、
前記第2の工程を経たエマルジョンを100℃以下に加温した状態で、該エマルジョンに透明化剤としてのアミン類を混合する第3の工程と、を備え
前記前段フィルタの濾過精度が1〜10μmであることを特徴とする。
(2)請求項2に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1において、前記水が、酸化チタンと接触されながら紫外線照射された水であることを要旨とする。
)請求項に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1又は2において、前記後段フィルタの濾過精度が0.05〜0.8μmであることを要旨とする。

)請求項に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1乃至のうちのいずれかにおいて、前記第1の工程では、第1の噴霧手段と、前記第1の噴霧手段に対向して配置された第2の噴霧手段と、を備えた噴霧混合装置を用い、
前記第1の噴霧手段から油を噴霧し、前記第2の噴霧手段から水及び乳化剤を噴霧し、前記油と前記水と前記乳化剤との混合を行うことを要旨とする。
)請求項に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1乃至のうちのいずれかにおいて、前記アミン類が、シクロヘキシルアミンを含むことを要旨とする。
)請求項に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1乃至のうちのいずれかにおいて、前記乳化剤が、脂肪酸アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤を含むことを要旨とする。
)請求項に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項1乃至のうちのいずれかにおいて、前記油が鉱物油を含む場合であって、前記第3の工程における加温されたエマルジョンの温度が50〜80℃であることを要旨とする。
)請求項に記載の相溶性透明含水油の製造方法は、請求項において、前記第1の噴霧手段において前記油に正電荷を付与し、前記第2の噴霧手段において前記水及び前記乳化剤に負電荷を付与することを要旨とする。
本発明の相溶性透明含水油の製造方法によれば、油と水とが混合されていながら乳濁することなく均質な状態で安定して維持できる相溶性透明含水油を製造できる。
酸化チタンと接触されながら紫外線照射された水を用いる場合は、油と水とが混合されていながら乳濁することなく特に均質な状態で安定して維持できる相溶性透明含水油を製造できる。
前段フィルタの濾過精度が1〜10μmである場合には、濾過精度がより大きい場合に比べてより効果的に透明化を促すことができる。
後段フィルタの濾過精度が0.05〜0.8μmである場合には、濾過精度がより大きい場合に比べてより効果的に透明化(油水の実質的に均質に混合された状態)を促すことができる。
第1の噴霧手段とこれに対向して配置された第2の噴霧手段を備えた噴霧混合装置を用いて油と水と乳化剤との混合を行う場合には、より微細な粒子状体で油、水及び乳化剤の三者を混合できるために、効果的な混合を行うことができる。
アミン類が、シクロヘキシルアミンを含む場合は、それ以外の場合に比べてより効果的に透明化(油水の実質的に均質に混合された状態)を促すことができる。
乳化剤が、脂肪酸アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤を含む場合には、それ以外の場合に比べてより効果的に油水の混合を促すことができる。
油が鉱物油を含む場合であって、第3の工程における加温されたエマルジョンの温度が50〜80℃である場合には、より効果的に透明化(油水の実質的に均質に混合された状態)を促すことができる。
第1の噴霧手段において油に正電荷を付与し、第2の噴霧手段において水及び乳化剤に負電荷を付与する場合には、電気的作用により油水の混合をより効果的に促すことができる。
本方法による相溶性透明含水油を製造するためのプラントの一例を示す模式図である。
1;貯油タンク、2;貯水タンク、3;給油管路、4;油水混合装置(噴霧混合装置)、4A;第1の噴霧手段(油噴霧ノズル)、4B;第1の噴霧手段(水噴霧ノズル)、4C;駆動装置、4D;撹拌羽根、5;給油ポンプ、6;流量計、7;給水管路、8;機能水生成装置、9;給水ポンプ、10;給水管路、11;流量計、12;乳化剤投入部、13;管路、14;前段フィルタ、15;管路、16;後段フィルタ、17;管路、18;加熱装置、19;透明化剤投入部、20;製品タンク、21;取出管路。
本方法における「第1の工程」は、鉱物油及び植物油から選択される少なくとも一方の油と、水と、乳化剤と、を混合してエマルジョンを得る工程である。
上記「鉱物油」には、ガソリン(レギュラーガソリン、ハイオクタン化ガソリンなど)、軽油、灯油、重油(A重油、C重油及びバンカーC重油など)が含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記「植物油」には、各種植物から採取される油が含まれる。即ち、パームオイル(アブラヤシ)、パーム核油(アブラヤシ)、ヤシ油(ココヤシ)、コーン油(トウモロコシ)、米油(イネ)、米糠油(イネ)、綿実油(アオイ科ワタ属植物)、オリーブオイル(オリーブ)、ピーナッツ油(ラッカセイ)、菜種油(アブラナ)、サフラワー油(紅花)、ごま油(ゴマ)、大豆油(大豆)、ヒマワリ油(ヒマワリ)、ジャトロファオイル(ナンヨウアブラギリ)、ヘンプオイル(麻)、オウレンボク油(黄蓮木)、松油などの各種針葉樹から採取される油(松などの針葉樹)、その他、ナッツとして利用される各種植物の種子類から採取される油等が挙げられる。即ち、通常、バイオディーゼルと称される範疇に含まれる植物油が含まれる。
更に、油として鉱物油及び/又は植物油が含まれればよいが、その他にも合成油が含まれてもよい。合成油には、鉱物油を加工して得られる油、植物油を加工して得られる油、更には、鉱物油及び植物油を原料としない化学合成油が含まれる。即ち、例えば、各種ポリオレフィン系合成油、エーテル系合成油、エステル系合成油などが含まれる。合成油は1種のみが含まれてもよく2種以上が含まれてもよい。
更に、本方法で利用される油は、上記鉱物油であってもよく、植物油であってもよく、それらの混合物であってもよい。そして、これらの油は、新油であってもよいが、廃油であってもよく、更には、新油と廃油との混合油であってもよい。更には、第1の工程で用いる油は、油以外の不純物と供に用いることができる。
上記「水」は、どのような水でもよく制限なく利用できる。即ち、例えば、水道水、河川湖沼水、地下水、イオン交換水、脱イオン水、精製水、純水などを利用できる。尚、海水を利用することもできるが、通常、本方法で製油した後に塩分除去を行う必要がある。
更に水には各種加工を施すことができる。即ち、例えば、活性化処理を施すことができる。活性化処理とは、例えば、水を酸化チタンと接触させながら光を照射した水(以下、単に「機能水」ともいう)を利用することができる。上記光の種類は特に限定されず、可視光であってもよく、紫外線であってもよい。具体的には、蛍光灯の光、ブラックライトによる光、LEDによる光等を利用できる。これらの光は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
特に、脱イオン水に対して、上記活性化処理を施すことによって、酸化還元電位を300mV以下(好ましくは50〜300mV、より好ましくは100〜250mV)まで低下させた機能水を用いることが好ましい。酸化還元電位を低下させた機能水を利用することによって相溶性透明含水油の透明度を向上させることができるからである。尚、上記脱イオン水は、どのようにして得てもよいが、例えば、逆浸透膜や、イオン交換樹脂を用いて公知の方法で得ることができる。
上記「乳化剤」は、油と水とを乳化して混合するための成分である。この乳化剤としては、各種の界面活性剤を利用できる。界面活性剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
この界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等を用いることができる。
このうち、アニオン性界面活性剤としては、スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤及びリン酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。このうちスルホン酸系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩等が挙げられる。また、硫酸エステル系界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステル等が挙げられる。カルボン酸系界面活性剤としては、カプリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、ステアリン酸塩等が挙げられる。リン酸エステル系界面活性剤としては、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。
更に、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型界面活性剤、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル等のエーテルエステル型界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等のエステル型界面活性剤、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型界面活性剤、等が挙げられる。
また、両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸、硫酸エステル、スルホン酸及びリン酸エステルを、カチオン部分としてアミン及び第4級アンモニウムを持つものが挙げられる。具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン等のアミノ酸タイプのもの等が挙げられる。
これらのなかでも乳化剤としては、脂肪酸アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤が好ましく、更には、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等を用いることが好ましい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
第1の工程における混合は、水は、油100質量部に対して50質量部以下(通常10質量部以上)を用いることができる。また、乳化剤は、水100質量部に対して0.01質量部以上(通常10質量部以下)を用いることができる。この乳化剤の配合量は、0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.1〜1質量部が更に好ましい。即ち、例えば、100質量部の水に対して0.3質量部の乳化剤を配合することなどができる。
また、特に油としてガソリンを用いる場合には、ガソリン100質量部に対して水10〜35質量部を用いることができる。また、油として軽油を用いる場合には、軽油100質量部に対して水10〜35質量部を用いることができる。更に、油として灯油を用いる場合には、灯油100質量部に対して水10〜50質量部を用いることができる。また、油としてA重油を用いる場合には、A重油100質量部に対して水10〜45質量部を用いることができる。更に、油としてC重油を用いる場合には、C重油100質量部に対して水10〜35質量部を用いることができる。また、油としてバンカーC重油を用いる場合には、バンカーC重油100質量部に対して水10〜35質量部を用いることができる。更に、油としてパーム油(バイオディーゼル燃料を含む)を用いる場合には、パーム油100質量部に対して水10〜35質量部を用いることができる。
第1の工程における混合は、どのように行ってもよい。即ち、例えば、(1)油、水及び乳化剤を一括して混合してもよく、(2)油及び乳化剤を混合した混合物と、水と、を混合してもよく、(3)水及び乳化剤を混合した混合物と、油と、を混合してもよく、更には、その他の混合を行ってもよいが、これらのなかでは、(3)水と乳化剤とを混合した混合物と、油と、を混合することが好ましい。この混合では乳化剤の使用量を抑えつつ、より効果的に油と水とを混合できるからである。
更に、第1の工程における混合では、水及び乳化剤の混合物と、油と、を各々より微細な粒子の状態にして混合することが好ましい。そのために、両者を空間内で噴霧して混合することが好ましい。即ち、具体的には、第1の噴霧手段と、第1の噴霧手段に対向して配置された第2の噴霧手段と、を備えた噴霧混合装置を用いて混合を行うことが好ましい。この噴霧混合装置を用いる場合には、更に、第1の噴霧手段から油を噴霧し、第2の噴霧手段から水及び乳化剤(又はその混合物)を噴霧して、油と水と乳化剤との混合を行うことが好ましい。これによって、乳化剤を含んだ水と、油と、がより小粒径の状態で接触することができ、とりわけ効果的に水、油及び乳化剤の三者を混合することができる。
更に、第1の噴霧手段から油を噴霧し、第2の噴霧手段から水及び乳化剤(又はその混合物)を噴霧し、空中で対向噴射されて微粒子化して撹搾し、落下された混合物を更に機械撹拌することが好ましい。これによって、よりぬめりの少ない又はぬめりのない油水混合物を得ることができる。
更に、この噴霧混合装置を用いる場合には、第1の噴霧手段において油に正電荷を付与し、第2の噴霧手段において水及び乳化剤(又はその混合物)に負電荷を付与することが好ましい。即ち、第1の噴霧手段から噴霧される成分と、第2の噴霧手段から噴霧される成分と、が互いに相対する電荷を有することで、微細な粒子状態で接触することに加えて、静電的な会合機会を更に高めることができ、とりわけ効果的に混合を行うことができるとともに、混合後の油水の分離を抑制することができる。電荷の付与はどのようにして行ってもよいが、通常、電圧印加により行う。この際に印加する電圧も特に限定されないが、各々正電圧又は負電圧において、25〜80Vとすることが好ましく、30〜70Vとすることがより好ましく、40〜60Vとすることが特に好ましい。
本方法における「第2の工程」は、エマルジョンを、前段フィルタとそれよりも濾過精度が小さい後段フィルタとを順次通過させる工程である。これらのフィルタを通過させることによって、第1の工程を経て得た油水混合物内の水及び油の分散径をより小さくすることができる。更に、第1の工程における混合によって生じるぬめりを除去でき、透明度を向上させることができる。更に、前段フィルタと後段フィルタとの少なくとも2段のフィルタを用い、後段フィルタの濾過精度を前段フィルタの濾過精度よりも小さいものとすることによって、第1の工程を経た油水混合物の油水分離を防止しながら、分散径を小さくすることができる。この工程を、例えば、上記後段フィルタと同じ濾過精度の1段のフィルタのみを用いて行おうとすると、第1の工程において乳化混合した油水混合物から、油と水とを分離させてしまう場合があり好ましくない。
この前段フィルタ及び後段フィルタへの油水混合物の通過は、どのように行ってもよい。即ち、例えば、上流側から加圧して通過させてもよく、下流側から吸引して通過させてもよく、更には、回転による遠心力を利用して通過させてもよいが、自然流下させて通過させることが特に好ましい。即ち、油水混合物の自重によって通過させることが好ましい。自然流下によって通過させることにより、第1の工程で得られた油水混合物の分離を効果的に防止できる。
前段フィルタの濾過精度に対して後段フィルタの濾過精度は小さければよくその差異は特に限定されないが、5倍以上の濾過精度の差異があることが好ましく、更には、5〜20倍の差異があることが好ましく、特に5〜10倍の差異があることが好ましい。より具体的には、前段フィルタの濾過精度は1〜10μmであり、2〜9μmであることが好ましく、3〜7μmであることがより好ましい。また、後段フィルタの濾過精度は0.05〜0.8μmであることが好ましく、0.1〜0.7μmであることがより好ましく、0.15〜0.6μmであることが更に好ましい。
前段フィルタ及び後段フィルタを構成するそれぞれの濾材にはどのような濾材を用いてもよい。即ち、例えば、濾紙を用いてもよく、不織布を用いてもよく、延伸多孔フィルムを用いてもよく、その他の濾材を用いてもよい。これらの濾材は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、前段フィルタとしては、樹脂繊維を用いた不織布からなる濾材を用いることが好ましく、いわゆる化繊紙(例えば、乾式製法の不織布)が好ましい。濾材に用いる樹脂種は特に限定されず、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、レーヨン及びアセテート等のセルロース系樹脂、などを用いることができる。これらのなかでも、特にポリプロピレンが好ましい。即ち、例えば、ポリプロピレン製の化繊紙を用いることができる。
更に、後段フィルタとしては、合成繊維を用いた不織布からなる濾材を用いることが好ましく、なかでも湿式製法の不織布が好ましい。濾材に用いる樹脂種は特に限定されず、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、レーヨン及びアセテート等のセルロース系樹脂、などを用いることができる。
本方法における「第3の工程」は、第2の工程を経たエマルジョンを100℃以下に加温した状態で、このエマルジョンに透明化剤としてのアミン類を混合する工程である。
上記「透明化剤」は、第2の工程を経て得られたエマルジョンを最終的に透明化するための成分である。この透明化するとは目視によって乳濁状態を感知できない状態である。即ち、第1の工程で得られるエマルジョンは白濁状態であるが、第2の工程を経ることによって白濁の度合いが低下したより透明に近い油水混合状態となる。しかし、第2の工程を経るだけでは十分に白濁を解消できないため、最終的に第3の工程によって透明化剤を加温状態で添加することで透明化することができる。
透明化剤としての上記「アミン類」とは、−NRで表されるアミン基を1つ又は2つ以上する有機化合物又はその塩である。但し、R〜Rは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。即ち、アミン類は1級アミンであってもよく、2級アミンであってもよく、3級アミンであってもよい。
上記アミン類を構成するR〜Rが有機基である場合、これらの有機基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基及びアリール基が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数5〜8の環状のアルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基の直鎖状又は分岐状のアルキル基や、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等である。また、ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状及び分岐状のヒドロキシアルキル基や、炭素数6〜8のヒドロキシシクロアルキル基等が挙げられる。具体的には、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基等のヒドロキシアルキル基や、ヒドロキシシクロヘキシル基等が挙げられる。更に、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基等が挙げられる。また、このアミン類は水可溶性のアミン類であることが好ましい。
このようなアミン類としては、シクロヘキシルアミン、アミノシクロヘキサノール、シクロヘキサンジアミン、シクロヘキシルヒドロキシルアミン、トリエタノールアミン、アミノフェノール、アミノベンジルアルコール等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記透明化剤の添加量は特に限定されず成分種に応じて十分な効果が得られる程度に添加することが好ましいが、通常、添加する第2の工程を経た油水混合物を100質量部とした場合にアミン類は0.1〜5質量部添加することが好ましい。この範囲ではより効果的に透明化を達することができる。また、この範囲を超えて添加してもよいが、この範囲を超えて添加してもその効果に変化が認められ難いからである。この添加量は、更に、0.2〜3.5質量部とすることが好ましく、0.5〜2.5質量部とすることがより好ましい。
また、特に透明化剤として、シクロヘキシルアミンとトリエタノールアミンとを併用する場合には、第2の工程を経た油水混合物を100質量部とした場合にシクロヘキシルアミンとトリエタノールアミンとを質量比で2:8で混合した混合物を0.1〜5質量部添加することが好ましく、0.2〜3.5質量部がより好ましく、0.5〜2.5質量部が特に好ましい。
更に、この透明化剤の添加は、第2の工程を経たエマルジョンを100℃以下に加温した状態で行うものである。100℃以下に加温することで、油水混合物内からの水の蒸散を抑制しつつ、透明化剤をより効果的に作用させることができるからである。
この温度は、油として鉱物油を含む場合には、エマルジョンの温度を50〜80℃に加温することが好ましい。この範囲では鉱物油の揮発による引火の危険性を抑制しつつ、油水混合物内からの水の蒸散も抑制しつつ、透明化剤をより効果的に作用させることができる。更に、この温度は、55〜78℃がより好ましく、60〜75℃が特に好ましい。
本発明の相溶性透明含水油の製造方法によれば、30〜50質量%という高含水率の含水油を得ることができる。油は水に比べて単価は大幅に小さいため、油に30〜50質量%の水を混合することによって単位質量あたりの燃料コストを大幅に低減することができる。また、本方法によって得られた相溶性透明含水油は、油水が実質的に永久的に分離することが無い。また、燃焼の場で発熱量の向上を図ることができる。更に、植物油についてもエマルジョン化して燃料油として使用することが可能となるため、従来の化石燃料への依存の比率を大幅に減少することができる。更に、植物性燃料によるカーボンニュートラルな循環型燃料システムを構築することができる。
更に、本方法で得られる相溶性透明含水油は、燃焼時に、含水量分だけCO、NOx、SOx等の発生量を削減することができるため、地球温暖化を抑制して地球環境の保全にも大きく貢献することができる。更に、本発明の相溶性透明含水油の製造方法によって製造された含水油は、透明化されているため、製品の商品価値を高めることができる。
〈実施形態1〉
以下、油として軽油を用いた例を実施形態1として図1とともに説明する。
図1は、本発明の相溶性透明含水油の製造方法の1実施形態を示す、軽油と水を混合した透明含水油を製造するプラントの模式図であって、原料油となる軽油は、貯油タンク1に貯留されている。また、前記軽油に混合する水は、貯水タンク2に貯留されている。
前記貯油タンク1は、給油管路3で後述する油水混合装置(噴霧混合装置)4に連結されており、この給油管路3の途中に設けられている給油ポンプ5によって、貯油タンク1内の軽油が油水混合装置(噴霧混合装置)4に供給されるようになっている。また、前記給油管路3の途中には、ここを流れる軽油の流量を監視するための流量計6が設けられている。
一方、貯水タンク2は、給水管路7を介して機能水生成装置8の入口側に連結されており、前記給水管路7の途中に設けられている水ポンプ9によって、貯水タンク2内の水が機能水生成装置8へ送り込まれるようになっている。
前記機能水生成装置8は図示していないが、その内部に酸化チタンを用いた光触媒と、この光触媒に紫外線を照射する紫外線ランプが収容されていて、その入口側から内部に送り込まれた水が光触媒の間を通過する間に、水分子のクラスタが細分化されて、界面活性が高まった機能水に変わるようになっている。
また、前記機能水生成装置8の出口側は、給水管路10を介して油水混合装置(噴霧混合装置)4に連結されている。前記給水管路10の途中には、機能水生成装置8から送られてくる機能水の流量を監視するための流量計11が組み込まれているとともに、乳化剤投入部12が連結されている。
また、油水混合装置(噴霧混合装置)4の内側上部には、給油管路3と給水管路11の末端側にそれぞれ連通する第1の噴霧手段としての油噴霧ノズル4Aと、第2の噴霧手段としての水噴霧ノズル4Bと、が先端側で対向するように配置されているとともに、内側下部には、駆動装置4Cによって回転される撹絆羽根4Dが配置されている。
前記油水混合装置(噴霧混合装置)4の底部には、管路13の一端が連結されており、またその他端は、前段フィルタ14の入口側に連結されている。この前段フィルタ14の内部構造は、ここでは図示しないが、その内部には、ポリプロピレンの化繊紙を使用した、濾過精度(JIS Z8901の7種のダストを混合した液において濾過効率90%となる粒径)が略5μmのフィルタ部材が収容されている。
また、前段フィルタ14の出口側には、管路15を介して後段フィルタ16の入口側が連結されている。この後段フィルタ16の内部には、濾過精度(JIS Z8901の7種のダストを混合した液において濾過効率90%となる粒径)略0.3μmの湿式不織布のフィルタ部材又はセルロース混合エステルタイプのメンブレンからなるフィルタ部材が収容されている。
前記後段フィルタ16の出口側は、管路17を介して加熱装置18の入口側に連結されている。また、この加熱装置18には、透明化剤投入部19が連結されている。さらに、加熱装置18の出口側には、製品タンク20内へ加熱装置18で最終的に処理された製品を送り出すための取出管路21が取り付けられている。
以下、前述したプラントによる相溶性透明含水油の製造方法を説明する。
(第1の工程)
本発明の相溶性透明含水油の製造方法における第1の工程は、この実施形態においては、軽油と機能水のエマルジョンとを混合する工程である。
図1において、貯油タンク1に貯留されている軽油は、給油ポンプ5により、給油管路3を通して流水混合装置4内へ導入され、前記給油管路3の末端に連結されている油噴霧ノズル4Aから対向する水噴霧ノズル4B側へ向けて勢いよく噴霧される。
一方、貯水タンク2に貯留されている水は、給水ポンプ9により、給水管路7を通して油水混合装置(噴霧混合装置)4へ送られるが、その途中で機能水生成装置8を通過し、この過程で水分子のクラスタが微細化されて、界面活性を高められた機能水に変えられる。
そして、機能水生成装置8から給水管路10に送り出された機能水は、前記給水管路10を通過する途中で、乳化剤投入部12から乳化剤が投入添加された後、油水混合装置(噴霧混合装置)4内へ導入され、前記給水管路10の末端に設けられている水墳射ノズル4Bから、対向する油噴霧ノズル4A側に向けて勢いよく噴霧される。なお、ここで、乳化剤投入部12から機能水へ添加される乳化剤の量は、機能水に対して重量比率で略0.03%(即ち、機能水100質量部に対して乳化剤が0.03質量部)である。
こうして、これらの対向する油噴霧ノズル4Aと水噴霧ノズル4Bからそれぞれ噴霧された軽油と乳化剤が混入された機能水は、油水混合装置(噴霧混合装置)4内の上部で互いに激しく衝突して空中で混合撹拌されて微粒子され、さらに下方へ落下して油水混合装置(噴霧混合装置)4の下部に滞留する。
この油水混合装置(噴霧混合装置)4の下部の滞留物は、さらに、駆動装置4Cによって回転される撹拌羽根4Dによって機械的に撹拌されることにより、本発明方法で用いる油水エマルジョンとして最適に調整された、均一に微粒子化されてぬめりのない軽油と磯能水のエマルジョンが得られる。
本発明の相溶性透明含水油の製造方法における第2の工程は、この実施形態においては、前工程で得られた軽油と機能水のエマルジョンを、前段フィルタ14と後段フィルタ16を順次通過させて、エマルジョンの粒子をさらに微細化する工程である。
(第2の工程)
油水混合装置(噴霧混合装置)4で生成された油水エマルジョンは、管路13を通して前段フィルタ14に入る。前段フィルタ14の内部には、前述したように、ポリプロピレンの化繊紙を使用した濾過精度が略5μmのフィルタ部材が収容されており、前段フィルタ14内では、圧力をかけずに自然流下によって、前記油水エマルジョンをフィルタ部材を透過させて粒子を微細化する。
前段フィルタ14を通過して微細化された油水エマルジョンは、管路15を通してその下方に設置されている後段フィルタ16に流入する。この後段フィルタ16の内部には、これについても先に述べたように、濾過精度が略0.3μmの湿式不織布のフィルタ部材又はセルロース混合エステルタイプのメンブレンからなるフィルタ部材が収容されており、この後段フィルタ16についても、圧力をかけずに自然流下によって前記油水エマルジョンをフィルタ部材を透過させて、その粒子をさらに微粒子化する。
次に、前述した第2の工程に続いて、以下に述べる第3の工程を行う。
(第3の工程)
前記後段フィルタ16で濾過された油水エマルジョンは、管路17を通って加熱装置18に流入する。ここで、油水エマルジョンは60℃〜65℃に加熱されることによって、分子活動が活発化されてさらに粒子は細かくなり、永久的なエマルジョン状態に固定される。この上記加熱処理によって、油水エマルジョンは、粒径が0.05μm(50nm)以下にまで微粒子化することが期待できる。
また、前記油水エマルジョンは、加熱装置18内を通過する間に、透明化剤投入部19から投入される透明化剤としてのシクロヘキシルアミンによって、透明化され、その後、取出管路21から製品タンク20内へ取り出されて回収される。
なお、本実施形態においては、機能水生成装置8に光触媒を用いたものを使用しているが、これに限定するものではなく、これと同等な機能水を生成できるものであれば、例えば、遠赤外線放射機能を有する機能陸セラミックスや、天然石、永久磁石等を用いたものを使用してもよい。
また、透明化剤として、シクロヘキシルアミンを用いているが、透明化剤はこれに限定するものではなく、例えば、トリエタノールアミン等、前述の各種アミン類を用いてもよい。
また、この実施形態1では、軽油を用いた相溶性透明含水油の製造方法について説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、他の鉱物油、すなわち石油由来の化石燃料である、A重油、C重油、バンカーC重抽、灯油、ガソリン等や、パーム油等の植物油についでも適用可能である。
なお、本実施形態のものにおいては、第3の工程において、油水エマルジョンを60℃〜65℃の温度範囲で加熱しているが、これは、60℃未満の温度では油水エマルジョンを微粒子化する効果が低減して、永久的なエマルジョン状態の固定が難しくなり、また、65℃を超えると、引火の危険が生じるためである。
上記加熱温度は、重油のように引火点の高い油を用いる場合には、最高80℃までの温度範囲で加熱処理を行うことができ、使用する油の引火点に応じて、60℃〜80℃の温度範囲で油水エマルジョンに引火の危険の生じない、最適な加熱温度を選択することができる。
本方法によって製造が可能な相溶性透明含水油の、原料油に対する機能水の混合率(重量%〉の上限は下記の通りである。
ガソリン 30%
軽油 30%
灯油 50%
A重油 40%
C重油 30%
バンカーC重油 30%
パーム油(バイオディーゼル燃料を含む) 30%
また、特に、パーム油等の植物油は、鉱物油とは異なり一般に融点が高く、元来、冬期や寒冷地での使用には不向きであったが、本発明方法によって得られる含水油では、融点を−20℃まで下げることが可能となり、燃料油としての実用価値が高められた。
以下、実施例を用いてより具体的に説明する。
[1]相溶性透明含水油の製造
〈実施例1〉軽油を用いた相溶性透明含水油(油70/水30)の製造
実施形態1に示した図1のプラントを用い、貯油タンク1に軽油を投入し、貯水タンク2に水を投入する。水は、水道水(酸化還元電位が約500mV)を逆浸透膜を通過させた脱イオンされた水(酸化還元電位が300〜500mV)である。
(1)第1の工程
貯油タンク1内に貯留された軽油は、ポンプ5によって送油されながら、流量計6によって監視され、流量はポンプ5へとフィードバックされる。ここでの流量は、実施例1においては、機能水100質量部に対して30質量部となるように制御されるとともに、噴霧混合手段4の第1の噴霧手段4Aへと送油されて第1の噴霧手段4Aから噴霧される。尚、第1の噴霧手段4Aには200Vの正電荷が印加されている。
一方、貯水タンク2からポンプ9によって水を機能水生成装置8へと送水して、水を機能水へと変化させる。機能水生成装置8は、管長約1mの二重管(内部管は透明であり光を透過できる)を備え、その内管内に蛍光灯が配置され、内管と外管との間隙に約5mm粒径の酸化チタンが充填された構造を呈する。機能水生成装置8へ送水された水は、機能水生成装置8内で内管と外管との間へ一端側から導入されて他端側から排出され、必要に応じて再び一端側へ送水されて機能水生成装置8内で所望時間循環できる構造となっている。貯水タンクから送水された水は機能水生成装置8内部を複数回通過するように循環されながら、水の酸化還元電位が300mV以下となった状態で、管路10へ送水される。
管路10上では機能水の流量を流量計11によって監視するとともにポンプ9へとフィードバックされて制御される。乳化剤投入部12からは、水100質量部に対して、乳化剤としてヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(ミヨシ油脂株式会社製、品名「アミコール 「CDE−1」)0.5質量部の割合で投入され、管路10内で混合されながら、噴霧混合手段4の第2の噴霧手段4Bへと送水されて第2の噴霧手段4Bから噴霧される。尚、第2の噴霧手段4Bには200Vの負電荷が印加されている。
第1の噴霧手段4Aから軽油が、第2の噴霧手段4Bから機能水と乳化剤とが各々対向して噴霧されることで混合され、噴霧混合手段4の槽内に油水混合されたエマルジョンとして一時的に貯留される。この噴霧混合手段4の槽内では撹拌羽根4Dが300回転/分の回転速度で回転されており、2〜3分間この槽内で撹拌されることとなる。
(2)第2の工程
噴霧混合手段4の槽内に貯留された油水混合されたエマルジョンは、管路13を通して前段フィルタ14へと送られる。前段フィルタ14の内には、濾過精度5μmのポリプロピレンの化繊紙(安積濾紙株式会社製、同社規定の濾過精度が5μmであるポリプロピレン化繊紙)を使用した濾材が収容されている。この前段フィルタ14内では、圧力をかけずに自然流下によって、油水エマルジョンが透過される。
更に、前段フィルタ14を通過した油水エマルジョンは、管路15を通してその下方に設置された後段フィルタ16に流入する。後段フィルタ16の内には、濾過精度0.3μmの湿式不織布(安積濾紙株式会社製、同社規定の濾過精度が0.3μmである湿式不織布)が収容されている。この後段フィルタ16内では、圧力をかけずに自然流下によって前段フィルタ14を通過された油水エマルジョンが透過される。
(3)第3の工程
後段フィルタ16を通過した油水エマルジョンは、管路17を通って加熱装置18へと流入される。加熱装置18内には図示されない加熱手段(油水エマルジョンを所望の温度にまで加温する加熱手段)を備えており、この加熱手段によって油水エマルジョンは槽内で60℃〜65℃になるように加温される。更に、油水エマルジョンが、加熱装置18内を通過する間に、透明化剤投入部19からは、透明化剤としてシクロヘキシルアミンとトリエタノールアミンとを質量比2:8で混合した混合物が、油水エマルジョン100質量部に対して0.8質量部の割合で添加混合される。この添加混合によって、油水エマルジョンは最終的に透明化されて、取出管路21を通って製品タンク20内へと送られて、本発明の相溶性透明含水油を得る。
本実施例1で得られる相溶性透明含水油は、軽油と水との合計を100質量%とした場合に軽油70質量%と水30質量%とが含まれる。
〈実施例2〉軽油を用いた相溶性透明含水油(油80/水20)の製造
上記実施例1と同様にして、軽油と水との合計を100質量%とした場合に軽油70質量%と水30質量%とが含まれた相溶性透明含水油を得る。
〈実施例3〉重油を用いた相溶性透明含水油(油60/水40)の製造
上記実施例1と同様にして、重油と水との合計を100質量%とした場合に重油60質量%と水40質量%とが含まれた相溶性透明含水油を得る。
[2]相溶性透明含水油の評価
(1)軽油及び重油について
上記[1]で得られた3種の相溶性透明含水油について日本海事検定協会へ委託し、下記の各評価を行った。その結果、実施例1の相溶性透明含水油、実施例2の相溶性透明含水油は、いずれも、密度(15℃)、動粘度(50℃)、流動点、灰分、セタン指数、硫黄分、引火点、水分(KF法)、水分(蒸留法)、全酸価、10%留出温度、50%留出温度、90%留出温度、残留炭素分、の各項目においてJIS K 2204に規定された軽油に含まれるものであった。
同様に、実施例3の相溶性透明含水油は、密度(15℃)、動粘度(50℃)、流動点、灰分、セタン指数、硫黄分、引火点、水分(KF法)、水分(蒸留法)、全酸価、10%留出温度、50%留出温度、90%留出温度、残留炭素分、の各項目においてJIS K 2205に規定された重油に含まれた。
(2)発熱量{JIS K2279による発熱量(J/g)評価}について
実施例1の軽油70質量%と水30質量%との相溶性透明含水油の発熱量は45300J/gであった。
実施例2の軽油80質量%と水20質量%との相溶性透明含水油の発熱量は45800J/gであった。
実施例3の重油60質量%と水40質量%との相溶性透明含水油の発熱量は45850J/gであった。
尚、実施例1及び実施例2に利用した軽油を単独で測定した場合の発熱量は45800J/gであった。
また、実施例3及に利用した重油を単独で測定した場合の発熱量は46000J/gであった。
本発明の相溶性透明含水油の製造方法は、鉱物油(石油由来のA重油、C重油、バンカーC重油、軽油、灯油、ガソリン等の化石燃料)やパーム油等の植物油を原料とした含水油の製造方法として、幅広く利用可能である。

Claims (8)

  1. 鉱物油及び植物油から選択される少なくとも一方の油と、水と、乳化剤と、を混合してエマルジョンを得る第1の工程と、
    前記エマルジョンを、前段フィルタと前記前段フィルタよりも濾過精度が小さい後段フィルタとを順次通過させる第2の工程と、
    前記第2の工程を経たエマルジョンを100℃以下に加温した状態で、該エマルジョンに透明化剤としてのアミン類を混合する第3の工程と、を備え
    前記前段フィルタの濾過精度は1〜10μmであることを特徴とする相溶性透明含水油の製造方法。
  2. 前記水は、酸化チタンと接触されながら紫外線照射された水である請求項1に記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  3. 前記後段フィルタの濾過精度は0.05〜0.8μmである請求項1又は2に記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  4. 前記第1の工程では、第1の噴霧手段と、前記第1の噴霧手段に対向して配置された第2の噴霧手段と、を備えた噴霧混合装置を用い、
    前記第1の噴霧手段から油を噴霧し、前記第2の噴霧手段から水及び乳化剤を噴霧し、前記油と前記水と前記乳化剤との混合を行う請求項1乃至のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  5. 前記アミン類は、シクロヘキシルアミンを含む請求項1乃至のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  6. 前記乳化剤は、脂肪酸アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤を含む請求項1乃至のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  7. 前記油が鉱物油を含む場合であって、前記第3の工程における加温されたエマルジョンの温度が50〜80℃である請求項1乃至のうちのいずれかに記載の相溶性透明含水油の製造方法。
  8. 前記第1の噴霧手段において前記油に正電荷を付与し、前記第2の噴霧手段において前記水及び前記乳化剤に負電荷を付与する請求項に記載の相溶性透明含水油の製造方法。
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