JP5254118B2 - 樹脂組成物、防眩層形成用塗料、防眩フィルムおよびそれを用いた表示装置 - Google Patents

樹脂組成物、防眩層形成用塗料、防眩フィルムおよびそれを用いた表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、防眩層形成用塗料、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等のディスプレイ表面に設ける防眩フィルムおよびそれを用いた表示装置に関する。
LCDやPDP等のディスプレイ表面は、表示装置表面に蛍光燈などの室内照明、窓からの太陽光の入射、操作者の影などの写り込みにより、画像の視認性が妨げられる。そのため、これらのディスプレイ表面には、画像の視認性を向上させるために、表面反射光を拡散し、外光の正反射を抑え、外部環境の写り込みを防ぐことができる(防眩性を有する)微細凹凸構造を形成させた防眩フィルムなどの、機能性フィルムが最表面に設けられている。
これら機能性フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)やトリアセチルセルロース(以下、「TAC」という。)等の透光性基体上に、微細凹凸構造を形成させた防眩層を一層設けたものや、光拡散層上に低屈折率層を積層したものが、一般に製造販売されており、層構成の組み合わせにより所望の機能を提供する機能性フィルムの開発が進められている。
ディスプレイの最表面に防眩フィルムを用いた場合には、明るい部屋での使用の際に、光の拡散により黒表示の画像が白っぽくなり、コントラストが低下する問題があった。このため、防眩性を低減させてでも、高コントラストを達成できる防眩フィルムが求められている(高コントラストAG)。防眩フィルムのコントラストを向上させる方法としては、例えば、表面の凹凸形状を最適化させることが挙げられる。
防眩層表面に凹凸形状を形成させる方法としては、上記の透光性基体上に、微粒子を添加した防眩層形成用塗料を塗布した後、当該防眩層形成材料に紫外線を照射して防眩層を形成させるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
また、ディスプレイの大型化、高精細化、高コントラスト化が進み機能性フィルムに求められる性能の向上の要求が出てきている。ここで、ディスプレイの視認性を低下させる塵埃が付着するのを防止するために、帯電防止性が要求される。帯電防止性を付与するために、透光性基体上に、透明導電性層、ハードコート層および低屈折率層を順に積層させることが開示されている(特許文献2)。そして、当該ハードコート層に酸化ジルコニウム微粒子とシリカ微粒子とを分散させることで、導電性と光拡散性(防眩性)を具備することが開示されている。
特開2002−196117号公報 特開2005−67118号公報
特許文献1のように、微粒子を含有する防眩層を使用する場合、防眩性とギラツキ防止効果を奏する。しかしながら、防眩層に含有する微粒子の界面と、該微粒子の形状に基づいた防眩層の表面凹凸部分において光の散乱が生じることから、高コントラストを達成することが難しい問題があった。
特許文献2のように防眩性と帯電防止性を満足する防眩フィルムを得るためには、複数の層を設ける必要があった。しかしながら、複数の層を設けるとコストが高くなる問題を有していた。
そこで、本発明は、良好な帯電防止性、および高コントラストを達成することができる樹脂組成物と、当該樹脂組成物を用いた防眩層形成用塗料、当該防眩層形成用塗料を用いた防眩フィルム、および当該防眩フィルムを用いた表示装置を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、1層構成であり、低コストな防眩フィルムを提供することを第二の目的とする。
本発明は下記の技術的構成により上記課題を解決できたものである。
(1)電離放射線硬化型樹脂からなる樹脂成分、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体および層状有機粘土、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(2)前記層状有機粘土が0.1〜10質量%含有されてなることを特徴とする前記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)前記樹脂成分が50質量%以上含有されてなることを特徴とする前記(1)に記載の樹脂組成物。
(4)前記π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体が0.3〜5.0質量%含有されてなることを特徴とする前記(1)に記載の樹脂組成物。
(5)前記π共役系導電性高分子と前記高分子ドーパントが、質量比として5:95〜99:1の範囲内にあることを特徴とする前記(1)に記載の樹脂組成物。
(6)前記(1)〜前記(5)のいずれかに記載の樹脂組成物に、非極性溶媒からなる第1の溶媒および極性溶媒からなる第2の溶媒が含有されてなることを特徴とする防眩層形成用塗料。
(7)前記第1の溶媒と前記第2の溶媒の混合比が、質量比で、10:90〜90:10の範囲にあることを特徴とする前記(6)に記載の防眩層形成用塗料。
(8)透光性基体上に、前記(6)または前記(7)に記載の防眩層形成用塗料を塗布したのち、電離放射線を照射して該防眩層形成用塗料を硬化させて防眩層を形成させてなることを特徴とする防眩フィルム。
(9)防眩層の表面に形成される凹凸形状の平均傾斜角度が0.2〜1.6であり、該凹凸形状の表面粗さRaが0.05〜0.3であることを特徴とする前記(8)に記載の防眩フィルム。
(10)前記(8)または前記(9)に記載の防眩フィルムを具備してなることを特徴とする表示装置。
本発明によれば、良好な帯電防止性、および高コントラストを達成することができる樹脂組成物と、当該樹脂組成物を用いた防眩層形成用塗料、当該防眩層形成用塗料を用いた防眩フィルム、および当該防眩フィルムを用いた表示装置を提供することができる。
また、本発明によれば、1層構成であり、低コストな防眩フィルムを提供することができる。
本発明は、樹脂成分、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体、層状有機粘土を必須成分として含有することを特徴とする樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物は上記の必須成分を含有してなるため、従来防眩層の表面凹凸形状を作成するために必須と考えられていた微粒子を添加せずとも、防眩層の表面凹凸形状を作成することができる。
上記本発明の樹脂組成物に、第1の溶媒と第2の溶媒を添加することによって、本発明の防眩層形成用塗料とすることができる。これによって、樹脂組成物を構成する各材料の溶解性や分散性が向上するため、製膜性(均一の厚さに塗布する等)が向上する。
防眩層は、前記樹脂組成物または前記防眩層形成用塗料を透光性基体上に塗布した後、硬化させることにより形成することができる。当該防眩層を透光性基体上に一層積層した構成で良好な帯電防止性、および高コントラストを具備した防眩フィルムを得ることができる。
以下、本発明の樹脂組成物、防眩層形成用塗料および防眩フィルムを構成する材料を中心に説明する。
<樹脂成分>
本発明の樹脂組成物を構成する樹脂成分としては、π共役系導電性高分子、高分子ドーパント、および層状有機粘土の分散が可能で、硬化後の皮膜として十分な強度を持ち、透明性のあるものを特に制限なく使用できる。前記樹脂成分としては熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、電離放射線硬化型樹脂、二液混合型樹脂などがあげられるが、これらのなかでも、電子線や紫外線照射による硬化処理にて、簡単な加工操作にて効率よく硬化することができる電離放射線硬化型樹脂が好適である。
電離放射線硬化型樹脂としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基や、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等のカチオン重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを単独で、または適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例としては、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を挙げることができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、多官能ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物を挙げることができる。これらは単独、もしくは複数混合して使用することができる。
これら電離放射線硬化型樹脂の中で、官能基数が3個以上の多官能モノマーは、硬化速度が上がることや硬化物の硬度が向上させることができる。また、多官能ウレタンアクリレートを使用することにより、硬化物の硬度や柔軟性などを付与することができる。
電離放射線硬化型樹脂として、電離放射線硬化型フッ化アクリレートを使用することができる。電離放射線硬化型フッ化アクリレートは、他のフッ化アクリレートと比較して電離放射線硬化型であることにより、分子間での架橋が起きるため耐薬品性に優れ、ケン化処理後にも十分な防汚性を発現する、分子間で架橋が起きるため、硬化後にフッ素成分のブリードアウトが生じず、帯電防止性を阻害せず良好に維持することができるといった効果が奏される。電離放射線硬化型フッ化アクリレートとしては、例えば、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−8−メチルデシル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシルプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、ウナデカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、トリフルオロ(メタ)アクリレート、トリイソフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、下記化合物(i)〜(xxxi)などを用いることができる。尚、下記化合物はいずれもアクリレートの場合を示したものであり、式中のアクリロイル基はいずれもメタクリロイル基に変更可能である。
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これらは、単独若しくは複数種類混合して使用することも可能である。フッ化アクリレートの内、ウレタン結合を持つフッ化アルキル基含有ウレタンアクリレートが、硬化物の耐磨耗性と伸び及び柔軟性の点より好ましい。また、フッ化アクリレートの中でも、多官能フッ化アクリレートが好適である。尚、ここでの多官能フッ化アクリレートとは2個以上(好適には3個以上、より好適には4個以上)の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものを意味する。
電離放射線硬化型樹脂は、そのままで電子線照射により硬化可能であるが、紫外線照射による硬化を行う場合は、光重合開始剤の添加が必要である。なお、用いられる放射線としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線のいずれであってもよい。また、これらの放射線は、偏光であっても無偏光であってもよい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のラジカル重合開始剤、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等のカチオン重合開始剤を単独または適宜組み合わせて使用することができる。
また、電離放射線硬化型樹脂にレベリング剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させることができる。レベリング剤は、塗膜表面の張力均一化を図り塗膜形成前に欠陥を直す働きがあり、上記電離放射線硬化型樹脂より界面張力、表面張力共に低い物質が用いられる。
電離放射線硬化型樹脂等の樹脂成分の配合量は、樹脂組成物中の固形成分の全質量に対して、50質量%以上含有され、60質量%以上が好適である。上限値は特に限定されないが、例えば、99.6質量%である。50質量%未満では、十分な硬度が得られないなどの問題がある。
なお、電離放射線硬化型樹脂等の樹脂成分の固形分には、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体および層状有機粘土以外の全固形分が含まれてなるものであって、電離放射線硬化型樹脂等の樹脂成分の固形分のみならず、その他の任意成分の固形分も含む。
<π共役系導電性高分子>
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている高分子であれば特に限定されず、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
これらのπ共役系導電性高分子の中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が抵抗値、反応性の点から好適に用いられる。さらには、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性がより高い上に、耐熱性が向上する点から、より好ましい。アルキル基の中では導電性に悪影響を与えることがないため、メチル基が好ましい。さらに、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSSと略す)は、比較的熱安定性が高く、重合度が低いことから塗膜成形後の透明性が有利となる点で好ましい。
<高分子ドーパント>
高分子ドーパントとは、電子供与性あるいは電子受容性を持つ高分子を指す。高分子ドーパントは、特に分子内にアニオン性基を有するポリアニオンをドーパントとすることが特に好ましい。以下、ポリアニオンからなるドーパントを「ポリアニオンドーパント」とする。このポリアニオンドーパントは、π共役系導電性高分子に化学酸化ドープして塩を形成して複合体を形成する。
ポリアニオンドーパントのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こり、かつアニオン基のプロトン酸がビニル基、グリシジル基、ヒドロキシル基のいずれかと結合可能な官能基であることが好ましい。具体的には、硫酸基、リン酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホ基等が好ましく、さらに、化学酸化ドープの観点から、スルホン酸基、カルボキシル基がより好ましい。
スルホン酸基を有するポリアニオンドーパントとしては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
カルボキシル基を有するポリアニオンドーパントとしては、例えば、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
本形態に係る樹脂組成物は、電気伝導性と熱安定性をより向上させるために高分子ドーパント以外のドーパントを含有してもよい。そのドーパントとしては、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸などが挙げられ、具体的には、有機カルボン酸、有機スルホン酸等の有機酸、有機シアノ化合物、フラーレン化合物などが挙げられる。
ハロゲン化合物としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、塩化ヨウ素、臭化ヨウ、フッ化ヨウ素等が挙げられる。プロトン酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。さらに、有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ショウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。有機スルホン酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。有機シアノ化合物としては、例えば、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタンテトラシアノアザナフタレンなどが挙げられる。フラーレン化合物としては、例えば、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどが挙げられる。
<π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体>
本形態に係るπ共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体は、溶剤中、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と前記高分子ドーパント(好適にはポリアニオン)の存在下で化学酸化重合することによって製造することが好適である。以下、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体においてポリアニオンドーパントを例にとって説明する。本発明において、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体とは、高分子ドーパントによりドープされたπ共役系導電性高分子をいう。
複合体の形成の際には、π共役系導電性高分子の主鎖の成長と共にポリアニオンドーパントのアニオン基がπ共役系導電性高分子と塩を形成するため、π共役系導電性高分子の主鎖はポリアニオンドーパントに沿って成長する。よって、得られたπ共役系導電性高分子とポリアニオンドーパントは無数に塩を形成した複合体になる。この複合体においては、π共役系導電性高分子のモノマー3ユニットに対して1ユニットのアニオン基が塩を形成し、短く成長したπ共役系導電性高分子の数本が長いポリアニオンドーパントに沿って塩を形成しているものと推定されている。
π共役系導電性高分子とポリアニオンドーパントとを複合した複合体を形成する方法としては、例えば、ポリアニオンドーパントの存在下、π共役系導電性高分子を形成するモノマーを化学酸化重合する方法などが挙げられる。
化学酸化重合においてモノマーを重合するために使用される酸化剤、酸化触媒としては、前記前駆体モノマーを酸化させてπ共役系導電性高分子を得ることができるものであればよく、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が挙げられる。
また、化学酸化重合は溶剤中で行われてもよい。その際に使用される溶剤としては、ポリアニオンドーパントおよびπ共役系導電性高分子を分散させるものであれば特に制限されず、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、クレゾール、フェノール、キシレノール、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、ジメチルイミダゾリン、酢酸エチル、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジフェニルスルホン等が挙げられる。これら溶媒は必要に応じて、1種類もしくは2種類以上の混合溶媒で用いることができる。
π共役系導電性高分子のユニットあたりの分子量と、高分子ドーパントのユニットあたりの分子量の比が1:1〜1:5であることが好ましく、1:1〜1:2であることがより好ましい。
π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体は、樹脂組成物中の固形成分の全質量に対して、0.3〜5.0質量%が必須に含有され、0.5〜3.0質量%が特に好適である。π共役系導電性高分子の配合量が0.3質量%よりも少ないと、帯電防止性が発現しにくくなる。π共役系導電性高分子の配合量が5質量%よりも多いと、透明性が損なわれる恐れが有る。
高分子ドーパントに対する、π共役系導電性高分子の割合としては、質量比として高分子ドーパント成分:π共役系導電性高分子成分が5:95〜99:1の範囲が好ましい。高分子ドーパントの割合が5よりも少ないと、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、帯電防止性が不足することがある。高分子ドーパントの割合が95よりも多いと、π共役系導電性高分子の含有割合が少なくなり、やはり十分な帯電防止性が得られにくい。
π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体の粒子径は、市販の粒度分布測定装置により測定することが出来る。例えば、ナノトラック粒子径分布測定装置UPA−EX150(日機装株式会社製)を用い、モノディスパースモードにて求めることが出来る。
この粒度分布から、全体積を100%として累積曲線を求め、その累積曲線が50%となる点の粒子径を平均粒子径(d50)とした。また、累積曲線が90%となる点をd90とした。
π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体の平均粒子径(d50)としては、3〜100nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。平均粒子径が3nm未満では製造コストがかかることや、製造再現性が得られにくい点より好ましくなく、100nm超では製膜後のヘイズが高くなる恐れがある。
d90の値は、500nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。d90が500nm以上であると、塗膜形成後の欠点が多く発生する恐れがある。
π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体の粒子径は、各種溶剤での分散液(以下導電性高分子分散体)の状態で測定できる。π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体の粒子径は、以下のような制御因子によって任意に制御することが可能であり、2つ以上の制御因子を組み合わせて制御することも好ましい態様の1つである。
(1)重合条件(温度、pH、反応液攪拌速度)
(2)高分子ドーパントの分子量
(3)導電性高分子分散体を微粒化する際の圧力、機械的エネルギー
(4)π共役系導電性高分子の分散性を保持する分散剤や界面活性剤の種類・濃度
<層状有機粘土>
本発明において、層状有機粘土とは、膨潤性粘土の層間に有機オニウムイオンを導入したものをいう。本発明は層状有機粘土が特定の溶媒に対して分散性が低いことに注目したものであって、防眩層形成用塗料として層状有機粘土および特定の性質を具備した溶媒を使用すると、当該溶媒の選択により、防眩層に微粒子を含有させることなく、表面凹凸を有する防眩層を形成することを見出したものである。
(膨潤性粘土)
膨潤性粘土は、陽イオン交換能を有し、該膨潤性粘土の層間に水を取り込んで膨潤するものであればよく、天然物であっても合成物(置換体、誘導体を含む)であってもよい。また、天然物と合成物との混合物であってもよい。
膨潤性粘土としては、例えば、雲母、合成雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ノントロナイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、層状チタン酸、スメクタイト、合成スメクタイト等を挙げることができる。これらの膨潤性粘土は、1種を使用してもよいし、複数を混合して使用してもよい。
(有機オニウムイオン)
有機オニウムイオンは、膨潤性粘土の陽イオン交換性を利用して有機化することができるものであれば制限されない。
オニウムイオンとしては、例えば、ジメリルジステアリルアンモニウム塩やトリメチルステアリルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩や、ベンジル基やポリオキシエチレン基を有するアンモニウム塩を用いたり、ホスホニウム塩やピリジニウム塩やイミダゾリウム塩からなるイオンを用いることができる。塩としては、例えば、Cl、Br、NO 、OH、CHCOO等の陰イオンとの塩を挙げることができる。塩としては、第4級アンモニウム塩を使用することが好ましい。
有機オニウムイオンの官能基は制限されないが、アルキル基、ベンジル基、ポリオキシプロピレン基またはフェニル基のいずれかを含む材料を使用すると、防眩性を発揮させやすくなるため好ましい。
アルキル基の好ましい範囲は、炭素数1〜30であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシル等が挙げられる。
ポリオキシプロピレン基〔(CHCH(CH)O)H又は(CHCHCHO)H〕のnの好ましい範囲は1〜50であり、さらに好ましくは5〜50であり、その付加モル数が多いほど、有機溶媒に対する分散性は良くなるが、過剰になり過ぎると、生成物が粘着性を帯びるようになるので、溶媒に対する分散性に重点をおけばnの数は、20〜50がより好ましい。また、nの数が5〜20である場合には、生成物が非粘着性で粉砕性がすぐれている。また、分散性とハンドリングの点から、第4級アンモニウム全体のnの総数は5〜50が好ましい。
該第4級アンモニウム塩の具体的例としては、テトラアルキルアンモニウムクロリド、テトラアルキルアンモニウムブロミド、ポリオキシプロピレン・トリアルキルアンモニウムクロリド、ポリオキシプロピレン・トリアルキルアンモニウムブロミド、ジ(ポリオキシプロピレン)・ジアルキルアンモニウムクロリド、ジ(ポリオキシプロピレン)・ジアルキルアンモニウムブロミド、トリ(ポリオキシプロピレン)・アルキルアンモニウムクロリド、トリ(ポリオキシプロピレン)・アルキルアンモニウムブロミド等を挙げることができる。
一般式(I)の第4級アンモニウムイオンにおいて、Rで好ましいものはメチル基又はベンジル基である。Rで好ましいものは炭素数1〜12のアルキル基であり、特に好ましいものは炭素数1〜4のアルキル基である。Rで好ましいものは炭素数1〜25のアルキル基である。Rで好ましいものは炭素数1〜25のアルキル基、(CHCH(CH)O)H基又は(CHCHCHO)H基である。nは5〜50であるものが好ましい。
Figure 0005254118
層状有機粘土の配合量は、樹脂組成物中の固形成分の全質量に対して、0.1〜10質量%が必須に含有され、0.2〜5質量%が特に好適である。層状有機粘土の配合量が0.1質量%では十分な数の表面凹凸が形成されなくなり防眩性が不十分になる問題がある。層状有機粘土の配合量が10質量%超では、表面凹凸数が多くなり、視認性が損なわれる問題がある。
<透光性微粒子>
本発明の樹脂組成物には透光性微粒子を添加することができる。当該樹脂組成物に溶剤を加えた防眩層形成用塗料を、透光性基体上に塗布した後、当該防眩層形成用塗料を硬化させて防眩層を形成させることができる。樹脂組成物に透光性微粒子を添加することにより、当該防眩層の表面凹凸の形状や数を調整しやすくなる。透光性樹脂微粒子としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等よりなる有機透光性樹脂微粒子、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン等の無機系透光性微粒子を使用することができる。透光性樹脂微粒子の屈折率は、1.40〜1.75が好ましく、屈折率が1.40未満または1.75より大きい場合は、透光性基体あるいは樹脂マトリックスとの屈折率差が大きくなり過ぎ、全光線透過率が低下する。また、透光性樹脂微粒子と樹脂との屈折率の差は、0.2以下が好ましい。透光性樹脂微粒子の平均粒径は、0.3〜10μmの範囲のものが好ましく、1〜5μmがより好ましい。粒径が0.3μmより小さい場合は防眩性が低下するため、また10μmより大きい場合は、ギラツキを発生すると共に、表面凹凸の程度が大きくなり過ぎて表面が白っぽくなってしまうため好ましくない。また、上記樹脂中に含まれる透光性樹脂微粒子の割合は特に限定されないが、樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜20質量部とするのが防眩機能、ギラツキ等の特性を満足する上で好ましく、樹脂層表面の微細な凹凸形状とヘイズ値をコントロールし易い。ここで、「屈折率」は、JIS K−7142に従った測定値を指す。また、「平均粒径」は、電子顕微鏡で実測した100個の粒子の直径の平均値を指す。
<防眩層形成用塗料>
溶剤としては、良好な帯電防止性を得るために、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体を良好に分散させることができる溶剤を選択することが好ましい。一方、防眩性を得るための表面凹凸を形成させる溶媒としては、第1の溶媒および第2の溶媒を含有することが好ましい。
上記の本発明の樹脂組成物に、第1の溶媒および第2の溶媒を加えることによって、本発明の防眩層形成用塗料とすることができる。本発明の防眩層形成用塗料は上記の第1の溶媒と第2の溶媒を含有してなるため、従来防眩層の表面凹凸形状を作成するために必須と考えられていた微粒子を添加せずとも、防眩層の表面凹凸形状を作成することができるものである。
π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体の溶剤としては、当該複合体の構造によって、例えば、極性溶剤(極性溶媒)を使用することができる。具体的には例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。これらのなかでは、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤が、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体を良好に分散させることができるため好ましく、特に、イソプロパノール、エタノールが好ましい。これらの溶剤は一種で使用しても複数を混合して使用してもよい。
第1の溶媒とは、層状有機粘土に実質的に濁りを生じさせずに、透明性を有した状態で分散させることができるものをいう。実質的に濁りを生じないとは、全く濁りが生じないものに加え、濁りが生じていないと同視しうるものも含むものである。第1の溶媒として具体的には、層状有機粘土100質量部に対して、1000質量部の第1の溶媒を添加して混合した混合液のヘイズ値が10%以下のものをいう。第1の溶媒を添加して混合した混合液のヘイズ値は8%以下であることが好ましく、6%以下であることがさらに好ましい。なお、混合液のヘイズ値の下限値は特に限定されないが、例えば、0.1%である。
第1の溶媒としては、例えば、いわゆる極性の小さい溶媒(非極性溶媒)を使用することができる。これは、層状有機粘土は有機化処理しているため、上記溶媒によって分散しやすくなるためである。層状有機粘土の種類によって使用できる第1の溶媒は異なるが、例えば、層状有機粘土として合成スメクタイトを使用した場合、第1の溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤を使用することができる。これらの第1の溶媒は一種で使用しても複数を混合して使用してもよい。
第2の溶媒とは、層状有機粘土に濁りを生じさせた状態で分散させることができるものをいう。第2の溶媒として具体的には、層状有機粘土100質量部に対して、1000質量部の第2の溶媒を添加して混合した混合液のヘイズ値が30%以上のものをいう。第2の溶媒を添加して混合した混合液のヘイズ値は40%以上であることが好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。なお、混合液のヘイズ値の上限値は特に限定されないが、例えば、99%である。
第2の溶媒としては、例えば、いわゆる極性溶媒を使用することができる。これは、層状有機粘土は有機化処理しているため、上記溶媒によって分散しにくくなるためである。層状有機粘土の種類によって使用できる第2の溶媒は異なるが、例えば、層状有機粘土として合成スメクタイトを使用した場合、第2の溶媒としては水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール等を使用することができる。これらの第2の溶媒は一種で使用しても複数を混合して使用してもよい。
ここで、第1の溶媒および第2の溶媒を混合して使用すると、防眩性を得るための表面凹凸を形成させやすくなるため好ましい。第1の溶媒と第2の溶媒の混合溶媒は、上記π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体を分散させることができることが好ましい。
第1の溶媒と第2の溶媒の混合比としては質量比で、10:90〜90:10の範囲であれば、上記π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体を分散させることができることおよび防眩性を得るための表面凹凸を形成させやすくなるため好ましい。これによって、帯電防止性と防眩性を両立させやすくなる。第1の溶媒と第2の溶媒の混合比としては質量比で、15:85〜85:15の範囲であることが好ましく、20:80〜80:20の範囲であることが好ましい。第1の溶媒が10質量部未満では未溶解物による外観欠点が発生する問題がある。第1の溶媒が90質量部超では十分な防眩性を得るための表面凹凸が得られない問題がある。
また、本発明の樹脂組成物と、溶媒(第1の溶媒と第2の溶媒を合わせたもの)の配合量は質量比で、70:30〜30:70の範囲であることが好ましい。樹脂組成物が30質量部未満では、乾燥ムラなどが生じ外観が悪くなるとともに、表面凹凸数が多くなり視認性が損なわれる問題がある。樹脂組成物が70質量部超では、固形分の溶解性が損なわれやすくなるため、製膜できなくなる問題がある。
本発明において、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体の溶剤中での分散を安定化させるために、分散剤としてアミン類や、ノニオン系界面活性剤を添加することができる。
アミン類としては、分子中に少なくとも1つのアミノ基を有する化合物であれば特に限定されずに公知のものを使用することができる。
アミン類としては、例えば、一般式(1):RNH3−n(式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基若しくはベンジル基または一般式(2):−X−R(式中、Xは分岐構造を有していてもよいアルキレンオキシド基、Rはアルキル基または水素原子を表す。)で表される官能基、nは1〜3の整数を表す。)で表される化合物が挙げられる。
具体的には、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のアルキルアミン類、アニリン、ベンジルアミン等の芳香族系アミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミン等のポリアルキレンオキサイド構造を有するアミン類などが挙げられる。また、前記以外のモルホリン等の含酸素アミン類やピリジン等も用いることができる。
これらの中では、ポリアルキレンオキサイド構造を有するアミン類が分散安定性の点で好ましく、特にポリオキシエチレンアルキルアミン類が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、特に限定されず公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等などが挙げられる。
<防眩フィルム>
上記の構成成分を含む本発明の防眩層形成用塗料を、透光性基体上に塗布した後、熱、あるいは電離放射線(例えば電子線または紫外線照射)を照射して該防眩層形成用塗料を硬化させることにより防眩層を形成させ、本発明の防眩フィルムを得ることができる。
防眩層は透光性基体の片面に形成されていても両面に形成されていてもよい。また、防眩層と透光性基体の間に他の層を有していてもよいし、防眩層上に他の層を有していてもよい。ここで他の層としては、例えば、偏光層、光拡散層、低反射層、防汚層、帯電防止層、紫外線・近赤外線(NIR)吸収層、ネオンカット層、電磁波シールド層などを挙げることができる。
防眩層の厚さは1.0〜12.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは2.0〜11.0μmの範囲であり、さらに好ましくは3.0〜10.0μmの範囲である。防眩層が1.0μmより薄い場合は、紫外線硬化型時に酸素阻害による硬化不良を起こし、防眩層の耐磨耗性が劣化しやすくなる。防眩層が12.0μmより厚い場合は、防眩層の硬化収縮によるカールの発生や、マイクロクラックの発生、透光性基体との密着性の低下、さらには光透過性の低下が生じてしまう。そして、膜厚の増加に伴う必要塗料量の増加によるコストアップの原因ともなる。
本発明の防眩フィルムは、透過像鮮明度が5.0〜70.0の範囲(JIS K7105に従い0.5mm光学くしを用いて測定した値)が好ましく、20.0〜65.0がより好ましい。透過像鮮明度が5.0未満ではコントラストが悪化し、70.0を超えると防眩性が悪化するため、ディスプレイ表面に用いる防眩フィルムに適さなくなる。
本発明の防眩フィルムは、防眩層の表面に微細な凹凸形状を有する。ここで、当該微細な凹凸形状は、好適には、ASME95に従い求められる平均傾斜から計算される平均傾斜角度が0.2〜1.6の範囲にあり、より好ましくは0.25〜1.35、更に好ましくは0.25〜1.0である。平均傾斜角度が0.2未満では防眩性が悪化し、平均傾斜角度が1.6を超えるとコントラストが悪化するため、ディスプレイ表面に用いる防眩フィルムに適さなくなる。
また、本発明の防眩フィルムは、防眩層の微細な凹凸形状として、表面粗さRaが0.05〜0.3μmであることが好ましく、0.05〜0.25μmであることがさらに好ましく、0.05〜0.15μmであることが特に好ましい。表面粗さRaが0.05μm未満であると、防眩フィルムの防眩性が不十分になる。表面粗さRaが0.3μm超であると、防眩フィルムのコントラストが悪化する。
更に、当該防眩フィルムは、透過像鮮明度が5.0〜70.0の範囲(JIS K7105に従い0.5mm光学くしを用いて測定した値)が好ましく、20.0〜65.0がより好ましい。透過像鮮明度が5.0未満ではコントラストが悪化し、70.0を超えると防眩性が悪化するため、ディスプレイ表面に用いる防眩フィルムに適さなくなる。
<透光性基体>
本最良形態に係る透光性基体としては、透光性である限り特に限定されず、石英ガラスやソーダガラス等のガラスも使用可能であるが、PET、TAC、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。なお、PDP、LCDに用いる場合は、PETフィルム、TACフィルムおよび含ノルボルネン樹脂フィルムから選ばれる1種を使用することがより好ましい。
これら透光性基体の透明性は高いものほど良好であるが、全光線透過率(JIS K7105)としては80%以上、より好ましくは90%以上が良い。また、透光性基体の厚さとしては、軽量化の観点からは薄い方が好ましいが、その生産性やハンドリング性を考慮すると、1〜700μmの範囲のもの、好ましくは25〜250μmを使用することが好適である。
透光性基体表面に、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理などのトリートメント処理、界面活性剤、シランカップリング剤などのプライマーコーティング、Si蒸着などの薄膜ドライコーティングなどを施すことで、透光性基体と防眩層との密着性を向上させ、当該防眩層の物理的強度、耐薬品性を向上させることができる。また、透光性基体と防眩層との間に他の層を設ける場合も、上記同様の方法で、各層界面の密着性を向上させ、当該防眩層の物理的強度、耐薬品性を向上させることができる。
<防眩フィルムの製造方法>
透光性基体上に防眩層形成用塗料を塗布する手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(製造例1 合成スメクタイトの製造)
10L のビーカーに水4L を入れ、3号水ガラス(SiO2 28%、Na2 O9%、モル比3.22)860g を溶解し、95%硫酸162g を撹拌しながら一度に加えてケイ酸塩溶液を得る。次に水1L にMgCl2 ・6H2 O一級試薬(純度98%)560g を溶解し、これを前記ケイ酸溶液に加えて均質混合溶液を調製した。これを2N −NaOH溶液3.6L 中に撹拌しながら5分間で滴下した。得られた反応沈澱物を、直ちに日本ガイシ(株)製のクロスフロー方式による濾過システム〔クロスフロー濾過器(セラミック膜フィルター:孔径2μm、チューブラータイプ、濾過面積400cm2)、加圧:2kg/cm2、濾布:テトロン1310〕で濾過及び充分に水洗した後、水200mlとLi(OH)・H2 O 14.5gとよりなる溶液を加えてスラリー状とした。これをオートクレーブに移し、41kg/cm2、250℃で3時間、水熱反応させた。冷却後反応物を取出し、80℃で乾燥し、粉砕して下記式の合成スメクタイトを得た。この合成スメクタイトを分析したところ、次の組成のものが得られた。Na0.4 Mg2.6 Li0.4 Si410(OH)
また、メチレンブルー吸着法で測定した陽イオン交換容量が110ミリ当量/100g であった。
(製造例2 合成スメクタイト系層状有機粘土Aの製造)
製造例1で合成した合成スメクタイト20g を水道水1000mlに分散させて懸濁液とした。該合成スメクタイトの陽イオン交換容量の1.00倍相当量の次式(II)の第四級アンモニウム塩(98%含有品)を溶解した水溶液500mlを、前記合成スメクタイト懸濁液に添加し、撹拌しながら室温で2時間反応させた。生成物を固液分離、洗浄して副生塩類を除去した後、乾燥して合成スメクタイト系層状有機粘度Aを得た。
Figure 0005254118
(製造例3)ポリスチレンスルホン酸の合成
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形物を得た。
(製造例4)ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)の合成
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gの製造例3で合成したポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)の水溶液を得た。
(製造例5)ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)のイソプロピルアルコール分散液 B液の作成
製造例4で合成したポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)の1.5質量%の水分散液100gをフラスコにとり、イソプロピルアルコール100gを添加、撹拌しながら、10%塩酸を0.5ml添加した。その後30分撹拌を継続した後、1時間放置した。得られたゲル状物を、グラスフィルターを用いて減圧ろ過、その後イソプロピルアルコール200gを添加、減圧ろ過という操作を8回繰り返した。固形分が完全に乾燥しない状態でグラスフィルターから取り出し、加熱質量減少から固形分質量を算出、固形分7.8%の湿潤青色固体15gを得た。イソプロピルアルコール15gをビーカーにとり、アミンアルキレンオキシド付加物(商品名:エソミン C/15、ライオンアクゾ社製)0.4gを添加した後、得られた湿潤青色固体15gを加えて、乳化分散機(商品名:TKホモディスパー、特殊機化工業製)を用い、回転数4000rpmで10分処理を行い、PSS−PEDOTイソプロピルアルコール分散液を得た(固形分濃度5%、水含有量20%以下)。
得られたPSS−PEDOTイソプロピルアルコール分散液(固形分濃度5%、水含有量20%以下)の平均粒子径をナノトラック粒子径分布測定装置UPA−EX150(日機装株式会社製)を使用し、モノディスパースモードにて測定した。ここで、平均粒子径(d50)は20nm、d90は40nmであった。
(製造例6)ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)のイソプロピルアルコール分散液 C液の作成
乳化分散機(商品名:TKホモディスパー、特殊機化工業製)での分散時間を5分に変えた以外は製造例5と同様に、PSS−PEDOTイソプロピルアルコール分散液 C液を得た(固形分濃度5%、水含有量20%以下)。
得られたPSS−PEDOTイソプロピルアルコール分散液(固形分濃度5%、水含有量20%以下)の平均粒子径をナノトラック粒子径分布測定装置UPA−EX150(日機装株式会社製)を使用し、モノディスパースモードにて測定した。ここで、平均粒子径(d50)は40nm、d90は90nmであった。
前記、層状有機粘土Aを含む表1記載の所定の混合物をディスパーにて30分間攪拌することによって得られた防眩層形成用の塗料を、膜厚80μm、全光線透過率92%からなる透明基体のTAC(富士フィルム社製;TD80UL)の片面上にロールコーティング方式にて塗布(ラインスピード;20m/分)し、30〜50℃で20秒間予備乾燥を経た後、100℃で1分間乾燥し、窒素雰囲気(窒素ガス置換)中で紫外線照射(ランプ;集光型高圧水銀灯、ランプ出力;120W/cm、灯数:4灯、照射距離;20cm)を行うことで塗工膜を硬化させた。このようにして、厚さ5.3μmの防眩層を有する実施例1の防眩フィルムを得た。
防眩層形成用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.3μmの防眩層を有する実施例2の防眩フィルムを得た。
防眩層形成用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.1μmの防眩層を有する実施例3の防眩フィルムを得た。
防眩層形成用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.2μmの防眩層を有する実施例4の防眩フィルムを得た。
[比較例1]
防眩層形成用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.2μmの防眩層を有する比較例1の防眩フィルムを得た。
[比較例2]
防眩層形成用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.0μmの防眩層を有する比較例1の防眩フィルムを得た。
[比較例3]
防眩層形成用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.2μmの防眩層を有する比較例1の防眩フィルムを得た。
Figure 0005254118
<評価方法>
次に実施例および比較例の防眩フィルムについて、下記の項目について評価を行った。
(全光線透過率)
JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
(ヘイズ値)
ヘイズ値は、JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
(表面粗さ)
表面粗さRaは、JIS B0601−1994に従い、上記表面粗さ測定器を用いて測定した。
(平均傾斜角度)
平均傾斜角度は、ASME95に従い、表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダSE1700α、小坂研究所社製)を用いて平均傾斜を求め、次式に従って平均傾斜角度を算出した。
平均傾斜角度=tan−1(平均傾斜)
(表面抵抗値)
表面抵抗値は、JIS K6911に従い、高抵抗率計(商品名:Hiresta−UP、三菱化学製)を用いて測定した。測定は、サンプルを20℃ 65%RH環境下で1時間調湿した後、20℃ 65%RHの条件で行った。測定は、印加電圧250V 印加時間 10秒で実施した。表面抵抗値が、1×1011Ω/□未満を○、1×1011Ω/□以上1×1012Ω/□未満を△、1×1012Ω/□以上を×とした。
(画像鮮明性)
JIS K7105に従い、写像性測定器(商品名:ICM−1DP、スガ試験機社製)を用い、測定器を透過モードに設定し、光学くし幅0.5mmにて測定した。
(防眩性)
防眩性は、透過画像鮮明度の値が0〜30のとき◎、31〜80のとき○、81〜100のとき×とした。
(ギラツキ)
ギラツキは、各実施例及び各比較例の防眩フィルム形成面と反対面に、無色透明な粘着層を介して解像度が50ppiの液晶ディスプレイ(商品名:LC−32GD4、シャープ社製)と、解像度が100ppiの液晶ディスプレイ(商品名:LL−T1620−B、シャープ社製)と、解像度が120ppiの液晶ディスプレイ(商品名:LC−37GX1W、シャープ社製)と、解像度が140ppiの液晶ディスプレイ(商品名:VGN−TX72B、ソニー社製)と、解像度が150ppiの液晶ディスプレイ(商品名:nw8240−PM780、日本ヒューレットパッカード社製)と、解像度が200ppiの液晶ディスプレイ(商品名:PC−CV50FW、シャープ社製)の画面表面にそれぞれ貼り合わせ、暗室にて液晶ディスプレイを緑表示とした後、各液晶TVの法線方向から解像度200ppiのCCDカメラ(CV−200C、キーエンス社製)にて撮影した画像において、輝度バラツキが確認されない時の解像度の値が、0〜50ppiのとき×、51〜140ppiのとき○、141〜200ppiのとき◎とした。
(明室コントラスト)
明室コントラストは、実施例及び比較例の防眩フィルム形成面と反対面に、無色透明な粘着層を介して液晶ディスプレイ(商品名:LC−37GX1W、シャープ社製)の画面表面に貼り合せ、液晶ディスプレイ画面の正面上方60°の方向から蛍光灯(商品名:HH4125GL、ナショナル社製)にて液晶ディスプレイ表面の照度が200ルクスとなるようにした後、液晶ディスプレイを白表示及び黒表示としたときの輝度を色彩輝度計(商品名:BM−5A、トプコン社製)にて測定し、得られた黒表示時の輝度(cd/m)と白表示時の輝度(cd/m)を以下の式にて算出した時の値が、600〜800のとき×、801〜1000のとき○、1001〜1200のとき◎とした。
コントラスト=白表示の輝度/黒表示の輝度
暗室コントラスト
暗室コントラストは、実施例及び比較例の防眩フィルム形成面と反対面に、無色透明な粘着層を介して液晶ディスプレイ(商品名:LC−37GX1W、シャープ社製)の画面表面に貼り合せ、暗室条件下で液晶ディスプレイを白表示及び黒表示としたときの輝度を色彩輝度計(商品名:BM−5A、トプコン社製)にて測定し、得られた黒表示時の輝度(cd/m)と白表示時の輝度(cd/m)を以下の式にて算出した時の値が、900〜1100のとき×、1101〜1300のとき△、1301〜1500のとき○とした。
コントラスト=白表示の輝度/黒表示の輝度
得られた結果を表2に示した。
Figure 0005254118
以上のように、本発明によれば、良好な帯電防止性、および高コントラストを達成することができる樹脂組成物と、当該樹脂組成物を用いた防眩層形成用塗料、当該防眩層形成用塗料を用いた防眩フィルム、および当該防眩フィルムを用いた表示装置を提供することができる。
また、本発明によれば、1層構成であり、低コストな防眩フィルムを提供することができる。

Claims (10)

  1. 電離放射線硬化型樹脂からなる樹脂成分、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体および層状有機粘土、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記層状有機粘土が0.1〜10質量%含有されてなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記樹脂成分が50質量%以上含有されてなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体が0.3〜5.0質量%含有されてなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記π共役系導電性高分子と前記高分子ドーパントが、質量比として5:95〜99:1の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物に、非極性溶媒からなる第1の溶媒および極性溶媒からなる第2の溶媒が含有されてなることを特徴とする防眩層形成用塗料。
  7. 前記第1の溶媒と前記第2の溶媒の混合比が、質量比で、10:90〜90:10の範囲にあることを特徴とする請求項6に記載の防眩層形成用塗料。
  8. 透光性基体上に、請求項6または7に記載の防眩層形成用塗料を塗布したのち、電離放射線を照射して該防眩層形成用塗料を硬化させて防眩層を形成させてなることを特徴とする防眩フィルム。
  9. 防眩層の表面に形成される凹凸形状の平均傾斜角度が0.2〜1.6であり、該凹凸形状の表面粗さRaが0.05〜0.3であることを特徴とする請求項8に記載の防眩フィルム。
  10. 請求項8または9に記載の防眩フィルムを具備してなることを特徴とする表示装置。
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