JP5252862B2 - 洗浄評価用インジケーター - Google Patents

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Description

本発明は、医療機関における使用済み医療器材の自動洗浄を始めとして、飲食品、医薬品、電子機器、その他の各種分野における材料、部品、製品、容器、取扱い器材等の自動洗浄を行う際に用いる洗浄評価用インジケーターに関する。
近年、医療機関におけるステンレス鋼製の鉗子やメス等の繰り返し使用する医療器材の洗浄には、噴射式や超音波式等の洗浄装置による自動洗浄が一般化している。この自動洗浄では、作業者が使用済み医療器材を所要部位にセットすれば、後は洗浄装置が予め設定した各種パラメーターを含むプログラムに従って洗浄を行い、洗浄後の医療器材が自動的に該洗浄装置から排出される。
しかるに、上記パラメーターは例えば給水量、給水温度、洗浄剤量、洗浄剤種別、チャンバー内温度、各工程処理時間、ポンプによる洗浄水吐出圧力、超音波出力、その他の極めて多岐にわたり、これらパラメーターの一つにでも異常を生じれば所期する洗浄機能が発揮されず、洗浄不良に繋がる懸念があるが、この種の洗浄装置の制御機構部は言わばブラックボックスであるため、パラメーター異常の有無を外部から確認することは極めて困難である。
そこで、洗浄装置による洗浄が正常に行われているか否かを判定するために、洗浄評価用インジケーターが使用されている。この洗浄評価用インジケーターは、合成樹脂シートや金属薄板からなる基材に洗浄評価指標物として血液由来の蛋白質等よりなる疑似汚染物を塗着した判定片を専用のホルダーに納め、このホルダーを使用済み医療器具と一緒に洗浄装置の洗浄槽にセットして洗浄を行い、洗浄後の判定片をホルダーから取り出して疑似汚染物の有無を調べることにより、洗浄の適否を判定するものである。しかして、一般的には、判定片に塗着する疑似汚染物は色素で着色され、洗浄後の着色の有無あるいは着色程度を目視判定するようになっている。
また、上記ホルダーとしては、洗濯挟み式に開閉する一対の多孔板間で判定片を挟持するもの(特許文献1)、L字形金属板の長尺側に判定片を重ねて両端部を板バネで挟着するもの、開口部付きの偏平なプラスチックケース内に判定片を納めるもの等、種々の形態が知られている。
特表2006−525059号公報
しかしながら、従来の洗浄評価用インジケーターでは、洗浄装置の能力や設定条件にもよるが、例えば洗浄剤投入不良や噴射孔閉塞等のパラメーター異常があっても、その場合の指示結果と正常時の指示結果とに明瞭な違いを生じず、もってパラメーター異常を検出できないことが多々あった。
本発明者らは、上述の情況に鑑み、医療器材洗浄用を始めとする種々の洗浄装置におけるパラメーター異常を的確に検出し得る洗浄評価用インジケーターを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る洗浄評価用インジケーターは、洗浄評価指標物を塗着した判定シートSと、該判定シートSを保持して洗浄装置の洗浄物収容部(洗浄バスケットB)に配置させるシートホルダーHとからなり、
該シートホルダーHが、判定シートSを収容するケーシング1に、洗浄液導入口2と、該判定シートSを内部へ挿入させるシート挿入口4と、挿入した該判定シートSを一部
が外側へ突出した状態で係止するシート係止手段と、内部の液流通を増減させる液流通調整手段3とを備え
前記シート係止手段がシート挿入口4よりも外側で当該シート挿入口の幅方向両側から対向突出した一対の爪片5,5からなり、両爪片5,5はシート挿入口に挿入した判定シートSが平坦状態では非干渉の位置にあり、該判定シートSの外側突出部Saをシート挿入口4で曲げてシート両側部を両爪片5,5に乗り上げて係止するように構成されてなることを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1の洗浄評価用インジケーターにおいて、液流通調整手段3は、傾動変位によって洗浄液導入口2側の流路面積を拡縮する傾動板(板ばね30の板片30a)と、該傾動板30aの変位設定手段(調整ねじ31)とからなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項2の洗浄評価用インジケーターにおいて、傾動板が流路面積の拡大方向のばね蓄力を持つ板ばね30の板片30aからなると共に、変位設定手段が外側からケーシング1に螺挿されて内端を該板ばね30の板片30aに押接した調整ねじ31からなるものとしている。
請求項の発明は、上記請求項1〜3のいずれかの洗浄評価用インジケーターにおいて、ケーシング1のシート挿入口4を前部として後部側に小開口部(丸穴6a,6a)を有してなる構成としている。
請求項の発明は、上記請求項1〜4のいずれかの洗浄評価用インジケーターにおいて、ケーシング1の洗浄液導入口2が多数のパンチング孔2a…より構成されてなるものとしている。
請求項6の発明は、上記請求項1〜5のいずれかの洗浄評価用インジケーターにおいて、シートホルダーHは、ケーシング1の洗浄液導入口2を下向きにして洗浄装置の洗浄物収容部Bに掛止させる掛止手段(掛止枠7)を具備するものとしている。
請求項の発明は、上記請求項の洗浄評価用インジケーターにおいて、掛止手段は、洗浄液導入口2側を下としたケーシング1の上部側に取り付けられた側面視7の字形の掛止枠7からなり、該7の字形における下垂部7cとケーシング1との間で洗浄物収容部Bの側壁Baを挟む形で当該側壁Ba上部に掛止するように構成されてなる。
請求項の発明は、上記請求項の洗浄評価用インジケーターにおいて、掛止枠7は、線材より曲成され、7の字形における上部72と下垂部70との間に蔓巻き部71が介在するタコばね構造を有するものとしている。
請求項の発明は、上記請求項1〜8のいずれかの洗浄評価用インジケーターにおいて、洗浄装置が、籠形の洗浄物収容部Bに対して洗浄水Lを噴射する噴射式洗浄装置、又は水槽形の洗浄物収容部内の洗浄水に超音波振動を付与する超音波式洗浄装置である構成としている。
請求項10の発明は、上記請求項1〜のいずれかの洗浄評価用インジケーターにおいて、洗浄装置が使用済み医療器材Tを洗浄するための医療器材用洗浄装置である構成としている。
請求項11の発明は、上記請求項1〜10のいずれかの洗浄評価用インジケーターにおいて、判定シートSは、合成紙、合成樹脂シート,合成樹脂ラミネート紙より選ばれる半硬質シート基材8の表面に、洗浄評価指標物として疑似汚染物塗膜9を設けたものからなる構成としている。
請求項1の発明に係る洗浄評価用インジケーターでは、シートホルダーHは液流通調整手段3によってケーシング1内部の液流通度合を調整でき、この液流通度合に対応して該ケーシング1内に保持した判定シートSの洗浄評価指標物に対する洗浄負荷が変化するから、使用する洗浄装置の各パラメーターが正常な状態での洗浄終了時に所定の洗浄評価指標に達するように、予め該液流通調整手段3によって上記の液流通度合を設定しておけば、何らかのパラメーター異常が発生した場合に、その異常を洗浄評価指標の変化として容易に的確に捉えることが可能となる。そして、判定シートSはケーシング1にシート挿入口4から挿入して一部が外側へ突出した状態で係止するが、そのシート係止手段がシート挿入口4の幅方向両側から対向突出した一対の爪片5,5からなり、これら爪片5,5がシート挿入口4に挿入した判定シートSの平坦状態では干渉せず、該判定シートSの外側突出部Saをシート挿入口4で曲げて両爪片5,5に係止するようになっているから、該判定シートSのシートホルダーHに対する装着操作と洗浄後の取出操作を極めて簡単に行える。また、該爪片5,5をケーシング1に容易に一体形成できるという利点もある。
請求項2の発明によれば、上記の液流通調整手段3は、変位設定手段31で傾動板30aを傾動変位させることにより、洗浄液導入口2側の流路面積を拡縮する構成であるから、ケーシング1内の液流通度合を容易に且つ確実に設定できる上、機構的に簡素であるため故障を生じにくく、作動の信頼性に優れるという利点がある。
請求項3の発明によれば、液流通調整手段3の傾動板が板ばね30の板片30aからなり、この板片30aを調整ねじ31の押接によって傾動変位させる構成としているから、ケーシング1内の液流通度合をより容易に確実に設定できると共に、流路面積を拡大する方向の傾動変位に板ばね30自体のばね蓄力を利用できるから、機構的及び構造的により簡素になり、それだけシートホルダーHの組立製作コストが低減される。
請求項の発明によれば、ケーシング1の後部側に設けた小開口部6a,6aにより、洗浄中の該ケーシング1内の空気及び液を排出できるから、空気による判定シートS表面の濡れ不良や液滞留による判定結果への悪影響を排除できる。
請求項の発明によれば、ケーシング1の洗浄液導入口2が多数のパンチング孔2a…より構成されているから、該ケーシング1内への洗浄液流入が均等化し、液流の偏在による判定結果への悪影響が回避される。
請求項6の発明によれば、シートホルダーHは、掛止手段7によって洗浄液導入口2が下向きとなる姿勢で掛止できるから、特に噴射式のように洗浄液が下方から上向きに噴出する洗浄装置に使用する場合に、ケーシング1内に洗浄液が入り易くなり、正しく安定した洗浄評価を行える。
請求項の発明によれば、上記掛止手段が側面視7の字形の掛止枠7からなり、その下垂部7cとケーシング1との間で洗浄物収容部Bの側壁Baを挟む形で当該側壁Ba上部に掛止するから、洗浄装置の機種によって洗浄物収容部Bの側壁Baの頂部が折り返しや縁材等によって種々異なる出っ張り形状をなしていても、その頂部に対して7の字形における拡がった上部7bで支障なく跨嵌できる。
請求項の発明によれば、線材より曲成された上記掛止枠7がタコばねを構成するから、洗浄物収容部Bの側壁Baに対してシートホルダーHをばね力によって強固に安定状態に掛着できる。
請求項の発明によれば、対象とする洗浄装置が噴射式又は超音波式であるから、当該洗浄評価用インジケーターによってパラメーター異常を確実に捉え得ると共に的確な洗浄評価を行える。
請求項10の発明によれば、対象とする洗浄装置が医療器材用洗浄装置であるから、当該洗浄評価用インジケーターによってパラメーター異常を確実に捉え得ると共に医療器材の的確な洗浄評価を行える。
請求項11の発明によれば、判定シートSが特定材質の半硬質シート基材8からなるため、洗浄中に該判定シートSが分解したり皺寄ったりせず、また洗浄物の実際の汚れに近い疑似汚染物塗膜9によって正確な洗浄評価を行える。
以下、本発明に係る洗浄評価用インジケーターの一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は該インジケーターの判定シートSとシートホルダーHを分離状態で示す斜視図、図2はシートホルダーHに判定シートSを装着した該インジケーターの縦断側面図、図3はシートホルダーHの正面図、図4はシートホルダーHの背面図、図5はシートホルダーHの側面図、図6は噴射式の医療器材洗浄装置における該インジケーターの使用状態を示す概略縦断側面図である。
この洗浄評価用インジケーターは、図1で示すように、矩形の半硬質シート基材8の片側表面に、長手方向一端側に偏して略1/2面積で塗着された疑似汚染物塗膜9を備える判定シートSと、該判定シートSを保持させる偏平な箱型のケーシング1に、針金材を曲成した掛止枠7を取り付けたシートホルダーHとで構成されている。
シートホルダーHのケーシング1は、図2〜図4でも示すように、一枚のステンレス鋼板を所定形状に打ち抜いて箱型に折曲したものであり、やや横長の前板部11及び後板部12と、前板部11の下縁より斜め内向きに延出した傾斜板部13と、前板部11の左右両側から内向きに延出して端縁を後板部12に接合した側板部14,14と、前板部11の上縁から後板部12の上縁へ続く幅狭の上板部15とで構成されている。
このケーシング1の後板部12は前板部11よりも下方へ延出し、その延出部の下縁側の幅方向中間に設けた略横長矩形の切欠12bにより、該延出部の左右が一対の延出片12a,12aを構成しており、両延出片12a,12aの前面側中央部に傾斜板部13の下縁が当接している。そして、これら延出片12a,12aは、傾斜板部13の下縁の当接位置よりも下側が前方へ湾曲すると共に、下縁には切欠部12に臨んで対向する一対の舌状の爪片5,5を有している。また、図4に示すように、後板部12には、上側左右隅部に小開口部としての丸穴6a,6aが穿設されると共に、下部よりの左右両側にも丸穴6b,6bが穿設されている。
傾斜板部13には縦2列で横8列の計16個のパンチング孔2a…が設けられると共に、該傾斜板部13の左右両側縁と、側板部14,14の下端縁と、後板部12の左右両側縁の下部との間で、左右一対の三角開口部2b,2bが形成されており、これらパンチング孔2a…と両側の三角開口部2b,2bとでケーシング1内への洗浄液導入口2を構成している。そして、ケーシング1の下縁側の幅方向中央部には、後板部12の切欠12bに対応して傾斜板部13の下縁側に設けた僅かな切欠13aにより、幅方向に沿うスリット状のシート挿入口4が形成されている。なお、このシート挿入口4の幅(切欠12b,13aの幅)は判定シートSの幅を若干上回るが、爪片5,5間の距離は該判定シートSの幅よりも若干短くなるように設定されている。また、爪片5,5はシート挿入口4に挿入した判定シートSが平坦状態では干渉しない位置にあるが、図2の実線で示すように、該判定シートSの外側突出部Saをシート挿入口4で前方へ曲げることにより、該外側突出部Saの両側部を両爪片5,5に乗り上げさせて係止できるようになっている。
図2に示すように、ケーシング1の内部空間10には、前板部11側に配置する長い板片30aと、上板部15の内面に接する基板部30bと、後板部12の内面に接する短い板片30cとで略コ字形をなすステンレス鋼製の板ばね30が装填されており、その長い板片30aをケーシング1の前板部15に押接させる方向にばね蓄力を有している。また、該ケーシング1の前板部11の中央側にはねじ孔11aが設けてあり、このねじ孔11aに外側から螺挿した調整ねじ31の内端が板ばね30の長い板片30aに押接しており、該調整ねじ31の螺挿深度によってケーシング1の前後方向に傾動変位し、例えば図2の実線で示す位置から調整ねじ31を緩めることにより、板片30aが図示仮想線の如く前板部15に近接する傾斜姿勢に変化する。
しかして、板ばね30の長い板片30aは、先端がケーシング1の三角開口部2b,2bに臨む長さに設定されており、その傾動変位によって洗浄液導入口2側の流路面積を拡縮する液流通調整手段3として機能している。また、図1及び図5に示すように、ケーシング1の側板部14の外面下縁部には目盛り16が刻設されており、板片30aの傾動変位による洗浄液導入口2側の流路面積の拡縮度合を、三角開口部2bから視認される当該板片30aの先端部の位置にて読み取れるようになっている。
一方、シートホルダーHに付設された掛止枠7は、一本のステンレス鋼線から折曲形成されており、図3〜図5に示すように、ケーシング1の背面側に正面視略U字形に配置した下垂部70と、そのU字形の両側上端で2巻回した蔓巻き部71,71と、各蔓巻き部71から前方へ逆L字形に突出した上辺部72とで側面視7の字形のタコばね構造をなしている。そして、この掛止枠7の両端部7a,7aは、上辺部72,72の下端から更に更に内向きに曲折し、ケーシング1の両側板部14,14の上縁に設けた取付孔14aより当該ケーシング1内に突入しており、もって当該掛止枠7をケーシング1に係着すると共に、該ケーシング1の上板部15との間で板ばね30の基板部30bを挟み付けることにより、該板ばね30の抜け止め機能をも担っている。なお、この掛止枠7のケーシング1への係着状態において、下垂部70は当該ケーシング1の背面に当接又は近接して配置しており、下垂部70を強制的に後方へ引っ張って上辺部72,72との開きを大きくした場合、前記タコばね構造によって該開きを小さくする方向のばね蓄力を生じる。
判定シートSをシートホルダーHに装着するには、図1で示すように、一方の手でシートホルダーHをケーシング1の前板部11が上向きになるように保持すると共に、他方の手で判定シートSを疑似汚染物塗膜9側が上向きで先端側になるように保持し、この判定シートSをシートホルダーHのシート挿入口4に合わせて挿入する。そして、図2に示すように、該判定シートSの先端がケーシング1の内端(上板部15の内面側)まで達した状態で、同図の仮想線の如くシート挿入口4から外側に出ている当該判定シートSの外側突出部Saを掴んで持ち上げ、同図実線の如くシート挿入口4で曲げて強制的に該外側突出部Saの両側部を爪片5,5に乗り上げさせれば、該判定シートSは曲がりを戻そうとする弾発力によってケーシング1から抜出不能に係止される。
かくして、シートホルダーHに判定シートSを装着したインジケーターは、例えば医療器材用洗浄装置の洗浄物収容部に配置させ、使用済み医療器材の如き洗浄物と共に所定の洗浄を施す。このとき、適用する洗浄装置が噴射式の場合、図6で示すように、シートホルダーHは、使用済み医療器材T…を納める洗浄バスケットBの立ち上げ縁部Baの外側に、掛止枠7を利用してケーシング1の洗浄液導入口2側が下向きになる形で掛止させ、旋回する噴射アームAのノズルNが真下を通過する位置に設定し、もってノズルNから噴射される洗浄液Lが洗浄液導入口2からケーシング1の内部空間10に入り込み易くする。また、洗浄装置が超音波式のように浸漬型の洗浄槽を持つ場合は、該シートホルダーHを医療器材Tと一緒に洗浄槽に入れて洗浄液に浸漬させればよい。
そして、洗浄終了後、シートホルダーHから判定シートSを取り出し、疑似汚染物塗膜9の残留状況を調べて洗浄の適否を判定する。この判定シートSの取り出しにおいては、爪片5,5に乗り上げさせていた外側突出部Saを強制的に両爪片5,5の下側へ押し下げて係止解除し、もって全体が平坦に戻った当該判定シートSをケーシング1から引き出せばよい。
この判定シートSによって洗浄装置のパラメーター異常を捉えるには、洗浄装置の各種パラメーターが全て正常である場合と、何らかのパラメーター異常による洗浄不良を生じた場合とで、洗浄後の該判定シートSにおける疑似汚染物塗膜9の残留状況に明瞭な違いが現われることが必要である。しかるに、このインジケーターでは、液流通調整手段3つまり調整ねじ31による板ばね30の板片30aの傾動変位により、洗浄液導入口2側の流路面積を拡縮してケーシング1内部の液流通度合を調整でき、この液流通度合によって判定シートSの疑似汚染物塗膜9に対する洗浄負荷が変化するから、予め洗浄装置の各パラメーターが全て正常な状態での洗浄終了時ぎりぎりに疑似汚染物塗膜9の全てが除去される臨界状態になるように、調整ねじ31で板ばね30の板片30aの位置を設定しておけば、何らかのパラメーター異常が発生した場合に、その異常を疑似汚染物塗膜9の残留として容易に的確に捉えることが可能となる。
しかも、このインジケーターでは、上述のように液流通調整手段3によって判定シートSの疑似汚染物塗膜9に対する洗浄負荷を自在に調整できるから、洗浄装置の洗浄方式や機種の違い、洗浄対象の医療器材の種類と量、汚れ度合等による洗浄条件の違いがあっても、支障なく前記の臨界状態に容易に設定できる。
また、このインジケーターにおいては、ケーシング1の後部側に設けた小開口部6a,6aにより、洗浄中の該ケーシング1内の空気及び液を排出できるから、空気による判定シートS表面の濡れ不良や液滞留による判定結果への悪影響を排除できると共に、ケーシング1の洗浄液導入口2が多数のパンチング孔2a…からなることにより、該ケーシング1内への洗浄液流入が均等化し、液流の偏在による判定結果への悪影響が回避される。
更に、このシートホルダーHでは、図6で示すように噴射式の洗浄装置の洗浄バスケットBの側壁Baに掛止枠7を利用して掛止させる際、当該側壁Baの頂部が縁材Eや折り返し等によって種々異なる出っ張り形状であっても、その頂部に対して掛止枠7の側面視7の字形における拡がった上部7bで支障なく跨嵌できると共に、該掛止枠7がタコばね構造を有するから、その下垂部70とケーシング1との間で側壁Baを挟み付けた形で、ばね蓄力によって安定した係着固定状態が得られる。
なお、本発明の洗浄評価用インジケーターは、上述のような医療器材用洗浄装置による医療器材の自動洗浄における洗浄評価に特に好適であるが、飲食品、医薬品、電子機器、その他の各種分野における材料、部品、製品、容器、取扱い器材等の洗浄装置による自動洗浄を行う場合にも同様に適用できる。しかして、適用する洗浄装置の洗浄方式としては、籠形の洗浄物収容部に対して洗浄水を噴射する噴射式と、水槽形の洗浄物収容部内の洗浄水に超音波振動を付与する超音波式とが特に推奨される。
本発明では、ケーシング1内の液流通調整手段3として、板ばね30及び調整ねじ31を用いる代わりに、傾動板として単板の一端側をケーシング1に枢着し、該端板に螺挿したねじ材で傾動変位させる等、様々な方式を採用できる。ただし、実施形態のように板ばね30及び調整ねじ31を用いる方式では、ケーシング1内の液流通度合を容易に且つ確実に設定できる上、流路面積を拡大する方向の傾動変位にばね蓄力を利用できるから、機構的及び構造的により簡素になって故障を生じにくく、作動の信頼性に優れると共に、シートホルダーHの組立製作コストも低減するという利点がある。
更に、シートホルダーHにおけるシート係止手段としては、例示した爪片5,5に限らず、例えば、ばね等を利用して判定シートSの端を挟み付けるクリップ機構等、種々の方式を採用できる。しかるに、実施形態のような爪片5,5によれば、シートホルダーHに対する判定シートSの着脱操作がより簡単になると共に、該爪片5,5をケーシング1に容易に一体形成できるという利点もある。
一方、判定シートSの半硬質シート基材8としては、可撓性で且つ腰の強い耐水性材質のものがよく、例えば合成紙、合成樹脂シート、合成樹脂ラミネート紙等が好適である。また、洗浄評価指標物とする疑似汚染物塗膜9の疑似汚染物としては、洗浄評価を行うべき洗浄物の汚れ物質に対応した適当な成分を選択して使用すればよいが、医療器材の洗浄評価では血清グロブリン、オポグロブリン、ラクトグロブリン、フィブリン、ヘモグロビン、牛血清アルブミン、細胞外マトリックスの如き動物性蛋白質の他、トウモロコシ、小麦、大豆、稲等に含まれる種子蛋白のプロラミン及びグルテリンの如き植物性蛋白質が挙げられる。しかして、塗膜9には疑似汚染物としての脂質や炭水化物、着色剤、バインダ成分、増粘剤、pH調整剤等、種々の成分を適宜含有していてもよい。
その他、本発明の洗浄評価用インジケーターでは、シートホルダーHにおけるケーシング1の外形、洗浄水導入口2の構成、板ばね30の構造、ケーシング1の後部側に設ける小開口部の形状、掛止枠7の構造、判定シートSにおける半硬質シート基材8の形状、疑似汚染物塗膜9の塗着形態等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
本発明の一実施形態に係る洗浄評価用インジケーターの判定シートとシートホルダーを分離状態で示す斜視図。 同インジケーターのシートホルダーに判定シートを装着した状態での縦断側面図。 同シートホルダーの正面図。 同シートホルダーの背面図。 同シートホルダーの側面図。 同インジケーターの使用状態を示す概略縦断側面図。
B 洗浄バスケット(洗浄物収容部)
Ba 側壁
H シートホルダー
S 判定シート
Sa 外側突出部
1 ケーシング
2 洗浄液導入口
2a パンチング孔
3 液流通調整手段
30 板ばね
30a 板片(傾動板)
31 調整ねじ(変位設定手段)
4 シート挿入口
5 爪片(シート係止手段)
6a 丸穴(小開口部)
7 掛止枠(掛止手段)
70 垂下部
71 蔓巻き部
72 上辺部
8 半硬質シート基材
9 疑似汚染物塗膜

Claims (11)

  1. 洗浄評価指標物を塗着した判定シートと、該判定シートを保持して洗浄装置の洗浄物収容部に配置させるシートホルダーとからなり、
    該シートホルダーが、前記判定シートを収容するケーシングに、洗浄液導入口と、該判定シートを内部へ挿入させるシート挿入口と、挿入した該判定シートを一部が外側へ突出した状態で係止するシート係止手段と、内部の液流通を増減させる液流通調整手段とを備え
    前記シート係止手段がシート挿入口よりも外側で当該シート挿入口の幅方向両側から対向突出した一対の爪片からなり、両爪片はシート挿入口に挿入した判定シートが平坦状態では非干渉の位置にあり、該判定シートの外側突出部をシート挿入口で曲げてシート両側部を両爪片に乗り上げて係止するように構成されてなることを特徴とする洗浄評価用インジケーター。
  2. 前記の液流通調整手段は、傾動変位によって洗浄液導入口側の流路面積を拡縮する傾動板と、該傾動板の変位設定手段とからなる請求項1に記載の洗浄評価用インジケーター。
  3. 前記傾動板が流路面積の拡大方向のばね蓄力を持つ板ばねの板片からなると共に、前記の変位設定手段が外側からケーシングに螺挿されて内端を該板ばねの板片に押接した調整ねじからなる請求項2に記載の洗浄評価用インジケーター。
  4. 前記ケーシングのシート挿入口を前部として後部側に小開口部を有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄評価用インジケーター。
  5. 前記ケーシングの洗浄液導入口が多数のパンチング孔より構成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄評価用インジケーター。
  6. 前記シートホルダーは、ケーシングの洗浄液導入口を下向きにして洗浄装置の献上物収容部に掛止させる掛止手段を具備してなる請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄評価用インジケーター。
  7. 前記掛止手段は、洗浄液導入口側を下としたケーシングの上部側に取り付けられた側面視7の字形の掛止枠からなり、該7の字形における下垂部とケーシングとの間で洗浄物収容部の側壁を挟む形で当該側壁上部に掛止するように構成されてなる請求項に記載の洗浄評価用インジケーター。
  8. 前記掛止枠は、線材より曲成され、前記7の字形における上部と下垂部との間に蔓巻き部が介在したタコばね構造を有する請求項に記載の洗浄評価用インジケーター。
  9. 洗浄装置が、籠形の洗浄物収容部に対して洗浄水を噴射する噴射式洗浄装置、又は水槽形の洗浄物収容部内の洗浄水に超音波振動を付与する超音波式洗浄装置である請求項1〜8のいずれかに記載の洗浄評価用インジケーター。
  10. 洗浄装置が使用済み医療器材を洗浄するための医療器材用洗浄装置である請求項1〜8のいずれかに記載の洗浄評価用インジケーター。
  11. 前記判定シートは、合成紙、合成樹脂シート,合成樹脂ラミネート紙より選ばれる半硬質シート基材の表面に、洗浄評価指標物として疑似汚染物塗膜を設けたものからなる請求項1〜10のいずれかに記載の洗浄評価用インジケーター。
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