JP5252317B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アイドルストップ機能付きの車両において、車両走行中に車両停止に至る可能性のある減速領域でアイドルストップ制御が実行されたときの自動変速機の制御を改善した車両の制御装置に関する発明である。
従来の一般的なアイドルストップ機能付きの車両では、運転者が車両を停車させたときに燃料噴射を停止(燃料カット)してエンジンを自動的に停止させ、その後、運転者が車両を発進させようとする操作(ブレーキ解除操作やアクセル踏込み操作等)を行ったときに自動的にスタータに通電してエンジンを再始動させるようにしている。
最近では、更なる燃費向上を狙って、車両走行中に車両停止に至る可能性のある低速での減速領域にも、アイドルストップ領域(燃料カット領域)を拡大することが要求されるようになってきている(特許文献1参照)。
一般に、アイドルストップ機能は、自動変速機と組み合わせて車両に搭載され、自動変速機は、トルクコンバータと変速機構とから構成されたものが多い。変速機構の内部には、トルク伝達を一方向のみに規制するワンウェイクラッチと、該変速機構の変速比を切り換えるための複数の摩擦係合要素(クラッチ、ブレーキ)とが設けられ、各摩擦係合要素に作用させる油圧を個別に制御することで各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて変速機構の変速比を切り換えるようにしている(特許文献2、3参照)。
特開平7−266932号公報 特開2002−89703号公報 特開2009−275812号公報
ところで、車両走行中の減速領域でアイドルストップ(エンジンの燃焼停止)を実行する場合、アイドルストップによる車両減速時に再始動要求が発生したときには、速やかにエンジンを再始動させて車両を加速させる必要がある。
しかし、車両走行中のアイドルストップによる車両減速時にエンジンを再始動させて車両を加速させると、変速機構のワンウェイクラッチが空転状態からロック状態(締結状態)に急激に変化してショックが発生するという欠点があった。
すなわち、図4に示すように、車両減速時に再始動要求に応じてエンジンを再始動させて車両を加速させる場合、エンジン再始動後のエンジン回転速度の吹き上がりにより変速機構の入力軸回転速度が急上昇する際に、ワンウェイクラッチの回転速度(空転速度)が急降下してワンウェイクラッチが空転状態から急激にロック状態になるため、ショックが発生する。
このショックの発生メカニズムを図5と図6の共線図を用いて説明する。
車両走行中のアイドルストップによる車両減速時は、図6の共線図に示す減速状態になっていてワンウェイクラッチが空転状態となっているため、この状態でエンジンを再始動させて車両を加速させると、図5の共線図に示す加速状態になって変速機構の入力軸回転速度が吹き上がって出力軸回転速度が急上昇し、それによって、ワンウェイクラッチの空転速度が急降下してワンウェイクラッチが空転状態から急激にロック状態になるため、ショックが発生する。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、車両減速中のアイドルストップによる車両減速時に再始動要求が発生してエンジンを再始動させる際のワンウェイクラッチの急激なロック(締結)によるショックを防止できる車両の制御装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、エンジンの動力を変速して駆動輪側に伝達する変速機構には、トルク伝達を一方向のみに規制するワンウェイクラッチと、該変速機構の変速比を切り換えるための複数の摩擦係合要素とが設けられ、前記複数の摩擦係合要素に作用させる油圧を個別に制御することで各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて前記変速機構の変速比を切り換える変速制御手段と、前記エンジンの自動停止及び再始動を制御するアイドルストップ制御手段とを備えた車両の制御装置において、前記アイドルストップ制御手段は、車両減速中に車両停止に至る可能性のある所定減速領域でアイドルストップ要求が発生したときに所定のタイミングで前記エンジンの燃焼を停止させる手段と、前記エンジンの燃焼停止(アイドルストップ)による車両減速時に再始動要求が発生したときに前記エンジンを再始動させる手段とを有し、前記変速制御手段は、車両減速中に前記アイドルストップ要求が発生したときに所定のタイミングで前記変速機構のワンウェイクラッチと並列に設けられた摩擦係合要素(以下「OWC並列クラッチ」という)を係合させるOWC並列クラッチ係合制御を実行するようにしたものである。
本発明のように、車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときにOWC並列クラッチを係合させるOWC並列クラッチ係合制御を実行すれば、アイドルストップによる車両減速時に再始動要求が発生してエンジンを再始動させる際に、事前にOWC並列クラッチ係合制御によりワンウェイクラッチが空転しないように拘束しておくことができるため、ワンウェイクラッチの急激なロック(締結)によるショックを防止できる。
本発明は、車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときに直ちにアイドルストップ(エンジンの燃焼停止)を実行するようにしても良いが、このようにすると、OWC並列クラッチ係合制御の実行途中で再始動要求が発生する可能性がある。OWC並列クラッチ係合制御が完了するまでは、OWC並列クラッチの係合が不完全であり、ワンウェイクラッチがまだ空転状態になっているため、この段階で、エンジンを再始動すると、ワンウェイクラッチの急激なロックによるショックが発生する可能性がある。
この対策として、請求項2のように、車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときに、OWC並列クラッチ係合制御を実行してからアイドルストップ制御手段によりエンジンの燃焼を停止させるようにしても良い。このようにすれば、OWC並列クラッチ係合制御によりワンウェイクラッチが空転しないように拘束してからアイドルストップを実行することができるため、アイドルストップによる車両減速時に再始動要求に応じてエンジンを再始動させても、ワンウェイクラッチの急激なロックによるショックを確実に防止できる。
尚、車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときに直ちにアイドルストップ(エンジンの燃焼停止)を実行する場合は、請求項3のように、アイドルストップによる車両減速時にOWC並列クラッチ係合制御の実行途中で再始動要求が発生したときに、OWC並列クラッチ係合制御が終了してからエンジンを再始動させるようにすれば良い。このようにしても、OWC並列クラッチ係合制御によりワンウェイクラッチが空転しないように拘束してからアイドルストップを実行することができるため、エンジン再始動時のワンウェイクラッチの急激なロックによるショックを確実に防止できる。
また、車両減速中にOWC並列クラッチ係合制御が行われるため、OWC並列クラッチ係合制御でOWC並列クラッチを急激に係合させると、急激にエンジンブレーキが効き始めてショックが発生する可能性がある。
この対策として、請求項4のように、OWC並列クラッチ係合制御の実行中にOWC並列クラッチをスリップさせながら徐々に係合させるように該OWC並列クラッチに供給する油圧を徐々に上昇させると良い。このようにすれば、OWC並列クラッチ係合制御の実行中にOWC並列クラッチの係合力を徐々に増大させることができるため、車両減速中にOWC並列クラッチの係合によるエンジンブレーキを徐々に効き始めさせることができ、エンジンブレーキの利き始めにショックが発生することを防止できる。
また、アイドルストップによる車両減速時に再始動要求に応じて速やかにエンジンを再始動させるためには、OWC並列クラッチ係合制御の実行時間をできるだけ短くすることが望ましいが、OWC並列クラッチへの油圧の供給を油圧が完全に抜けた状態から開始すると、OWC並列クラッチが係合状態となるまでに必要な油圧供給時間が長くなる。
そこで、請求項5のように、車両走行中にアイドルストップ要求の発生の可能性を予測するアイドルストップ予測手段を備え、アイドルストップ予測手段によりアイドルストップ要求の発生の可能性が予測されたときに、OWC並列クラッチに係合状態となる直前の待機油圧まで油圧を供給して待機させる係合待機制御を実行するようにすると良い。このようにすれば、アイドルストップ要求の発生前に、係合待機制御によりOWC並列クラッチの油圧を係合状態となる直前の待機油圧まで上昇させておくことができるため、アイドルストップ要求発生後に実行するOWC並列クラッチ係合制御の実行時間を短くすることができる。
この場合、請求項6のように、係合待機制御の初期に油圧指令値を待機油圧より高い油圧に設定することでOWC並列クラッチに待機油圧まで油圧を急速充填するようにしても良い。このようにすれば、係合待機制御の実行時間も短くすることができる。
また、請求項7のように、アイドルストップ予測手段は、少なくとも車速に基づいてアイドルストップ要求の発生の可能性を予測するようにしても良い。車速が低下するほど、車両停止に至る可能性が高くなるため、車速からアイドルストップ要求の発生の可能性を予測することができる。
或は、請求項8のように、アイドルストップ予測手段は、車速及び減速度に基づいてアイドルストップ要求の発生の可能性を予測するようにしても良い。減速度が大きくなるほど、車両停止までの時間が短くなるため、車速の他に減速度も考慮してアイドルストップ要求の発生の可能性を予測すれば、より適正なタイミングでアイドルストップ要求の発生の可能性を予測することができる。
また、請求項9のように、OWC並列クラッチ係合制御により係合状態となったOWC並列クラッチを車両停止後又はエンジン再始動後の所定時期に解放するようにすれば良い。車両停止後は、変速機構の入出力軸とワンウェイクラッチとOWC並列クラッチが全て停止した状態となるため、OWC並列クラッチを解放しても、エンジン再始動時にワンウェイクラッチの急激なロックによるショックが発生しない。また、OWC並列クラッチをエンジン再始動後の所定時期に解放すれば、エンジン再始動後の車両の加速状態に応じて変速機構の変速比を順次切り換えることができる。
この場合、請求項10のように、アイドルストップ制御手段によるエンジン再始動後にOWC並列クラッチがトルクを伝達し始めたときに該OWC並列クラッチを解放するようにすると良い。このようにすれば、エンジン再始動後に最適なタイミングでOWC並列クラッチを解放して、車両の走行状態に応じた変速を開始することができる。
具体的には、請求項11のように、アイドルストップ制御手段によるエンジン再始動後にエンジン回転速度がエンジンの出力軸と前記変速機構の入力軸との間に設けられたトルクコンバータのタービン回転速度を越えたときにOWC並列クラッチを解放するようにしても良い。エンジン再始動後にエンジン回転速度がタービン回転速度を越えたときに、エンジンのトルクが変速機構の入力軸(トルクコンバータのタービン軸)を駆動する状態となるため、OWC並列クラッチがトルクを伝達し始めたと判断して、OWC並列クラッチを解放するものである。
或は、請求項12のように、アイドルストップ制御手段によるエンジン再始動後にエンジン回転速度が所定値以上の状態が所定時間以上継続したときにOWC並列クラッチを解放するようにしても良い。例えば、エンジン再始動後の車両の走行状態等によっては、エンジン再始動後にエンジン回転速度がタービン回転速度を越えるまでに長い時間がかかる場合があるため、エンジン回転速度が所定値以上の状態が所定時間以上継続した場合は、OWC並列クラッチを解放しても、ワンウェイクラッチのロックによるショックが発生しなくなったと判断して、OWC並列クラッチを解放して、車両の走行状態に応じた変速を可能とするものである。
また、請求項13のように、アイドルストップ制御手段によるエンジン再始動後にエンジン回転速度がトルクコンバータのタービン回転速度を越えたとき又はエンジン回転速度が所定値以上の状態が所定時間以上継続したときのどちから早い方のタイミングで該OWC並列クラッチを解放するようにしても良い。このようにすれば、OWC並列クラッチの解放タイミングをより的確に判断することができる。
図1は本発明の一実施例における自動変速機全体の概略構成図である。 図2は自動変速機の機械的構成を模式的に示す図である。 図3は各変速段毎のクラッチとブレーキの係合/解放の組み合わせを示す図である。 図4は車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときの制御例を説明するタイムチャートである。 図5はDレンジ1速における共線図である。 図6はDレンジ1速の減速時における共線図である。 図7はDレンジ1速の減速時にOWC並列クラッチ係合制御を実施した場合の共線図である。 図8はOWC並列クラッチ係合制御の一例を説明するタイムチャートである。 図9はアイドルストップ制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図10は係合待機制御開始タイミング判定ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図11は係合待機制御開始タイミング判定しきい値の算出に用いる補正値Aのマップを概念的に説明する図である。 図12はアイドルストップ条件判定ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図13はエンジン再始動条件判定ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図14は係合待機制御実行ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図15はOWC並列クラッチ係合制御実行ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図16はOWC並列クラッチ解放ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1及び図2に基づいて自動変速機11の概略構成を説明する。
図2に示すように、エンジン(図示せず)の出力軸には、トルクコンバータ12の入力軸13が連結され、このトルクコンバータ12の出力軸14に、油圧駆動式の変速歯車機構15(変速機構)が連結されている。トルクコンバータ12の内部には、流体継手を構成するポンプインペラ31とタービンランナ32が対向して設けられ、ポンプインペラ31とタービンランナ32との間には、オイルの流れを整流するステータ33が設けられている。ポンプインペラ31は、トルクコンバータ12の入力軸13に連結され、タービンランナ32は、トルクコンバータ12の出力軸14に連結されている。
また、トルクコンバータ12には、入力軸13側と出力軸14側との間を係合又は切り離しするためのロックアップクラッチ16が設けられている。エンジンの出力トルクは、トルクコンバータ12を介して変速歯車機構15に伝達され、変速歯車機構15の複数のギヤ(フロントプラネタリギヤ23やリアプラネタリギヤ22等)で変速されて、車両の駆動輪(前輪又は後輪)に伝達される。変速歯車機構15には、複数の変速段を切り換えるための複数の摩擦係合要素である複数のクラッチRC,HC,LCとブレーキB0,B1が設けられていると共に、ワンウェイクラッチ34(OWC)が設けられ、図3に示すように、これら各クラッチRC,HC,LCと各ブレーキB0,B1の係合/解放を油圧で切り換えて、動力を伝達するギヤの組み合わせを切り換えることによって変速比を切り換えるようになっている。
ここで、ワンウェイクラッチ34は、トルク伝達を一方向(車両駆動方向)のみに規制するものであり、このワンウェイクラッチ34と並列にブレーキB1(OWC並列クラッチ)が設けられている。
尚、図3は4速自動変速機のクラッチRC,HC,LCとブレーキB0,B1の係合の組合せを示すもので、○印はその変速段で係合状態(トルク伝達状態)に保持されるクラッチとブレーキを示し、無印は解放状態を示している。
例えば、Dレンジ(ドライブレンジ)のアクセル踏み込み状態では、車速が上がるにつれて、1速、2速、3速、4速へとアップシフトしていく。1速から2速への変速では、LCの係合状態から新たにB0を係合する。2速から3速への変速では、LC及びB0の係合状態からB0を解放し、新たにHCを係合する。3速から4速への変速では、HC及びLCの係合状態からLCを解放し、新たにB0を係合する。Lレンジ(ローレンジ)では、LC及びB1の係合状態とし、Rレンジ(リバースレンジ)では、RC及びB1の係合状態とする。Pレンジ(パーキングレンジ)とNレンジ(ニュートラルレンジ)では、全ての摩擦係合要素を解放する。
図1に示すように、変速歯車機構15には、エンジン動力で駆動される油圧ポンプ18と、モータ(図示せず)で駆動される電動式の油圧ポンプ24が設けられている。エンジン運転中は、エンジン駆動式の油圧ポンプ18で油圧が供給され、後述するアイドルストップ中は、エンジン駆動式の油圧ポンプ18が停止するため、電動式の油圧ポンプ24で油圧が供給されるようになっている。
作動油(オイル)を貯溜するオイルパン(図示せず)内には、油圧制御回路17が設けられている。この油圧制御回路17は、ライン圧制御回路19、自動変速制御回路20、ロックアップ制御回路21、手動切換弁26等から構成され、オイルパンから油圧ポンプ18で汲み上げられた作動油がライン圧制御回路19を介して自動変速制御回路20とロックアップ制御回路21に供給される。
ライン圧制御回路19には、油圧ポンプ18からの油圧を所定のライン圧に制御するライン圧制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられ、自動変速制御回路20には、変速歯車機構15の各クラッチRC,HC,LCと各ブレーキB0,B1に供給する油圧を制御する複数の変速用の油圧制御弁(図示せず)が設けられている。また、ロックアップ制御回路21には、ロックアップクラッチ16に供給する油圧を制御するロックアップ制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられている。
また、ライン圧制御回路19と自動変速制御回路20との間には、シフトレバー25の操作に連動して切り換えられる手動切換弁26が設けられている。シフトレバー25がNレンジ(ニュートラルレンジ)又はPレンジ(パーキングレンジ)に操作されているときには、自動変速制御回路20の油圧制御弁への通電が停止(OFF)された状態になっていても、手動切換弁26によって変速歯車機構15に供給する油圧が変速歯車機構15をニュートラル状態とするように切り換えられる。
一方、エンジンには、エンジン回転速度Ne(トルクコンバータ12の入力軸13の回転速度)を検出するエンジン回転速度センサ27が設けられ、変速歯車機構15には、変速歯車機構15の入力軸回転速度Nt(トルクコンバータ12の出力軸14の回転速度であるタービン回転速度Nt)を検出する入力軸回転速度センサ28(タービン回転速度センサ)と、変速歯車機構15の出力軸回転速度Noを検出する出力軸回転速度センサ29が設けられている。
これら各種センサの出力信号は、自動変速機電子制御回路(以下「AT−ECU」と表記する)30に入力される。このAT−ECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各ルーチンを実行することで、特許請求の範囲でいう変速制御手段として機能し、予め設定した変速パターンに従って変速歯車機構15の変速が実行されるように、シフトレバー25の操作位置や運転条件(スロットル開度、車速等)に応じて自動変速制御回路20の各油圧制御弁への通電を制御して、変速歯車機構15の各クラッチRC,HC,LCと各ブレーキB0,B1に作用させる油圧を制御することによって、図3に示すように、各クラッチRC,HC,LCと各ブレーキB0,B1の係合/解放を切り換えて、エンジンの動力を伝達するギヤの組み合わせを切り換えることで、変速歯車機構15の変速比を切り換える。
更に、AT−ECU30は、エンジン制御装置37に接続されて、両者間で制御信号等を送受信する。そして、エンジン制御装置37からAT−ECU30にアイドルストップ信号が送信されてきたときに、所定のタイミングでワンウェイクラッチ(以下「OWC」と表記する)34と並列に設けられたOWC並列クラッチ(ブレーキB1)を係合させるOWC並列クラッチ係合制御を実行する。
エンジン制御装置37は、1つ又は複数のECU(例えばエンジン用ECU、アイドルストップ用ECU)によって構成されている。このエンジン制御装置37には、運転状態を検出する各種センサ(例えば、エアフローメータ、スロットル開度センサ、吸気管圧力センサ、排出ガスセンサ、冷却水温センサ、クランク角センサ、ブレーキスイッチ、アクセルセンサ、車速センサ等)からの信号が入力される。
エンジン制御装置37は、エンジン運転中は、上記各種センサで検出した運転状態に応じて、燃料噴射量、吸入空気量(スロットル開度)、点火時期等を制御する。更に、エンジン制御装置37は、特許請求の範囲でいうアイドルストップ制御手段としても機能し、エンジン運転中にアイドルストップ要求が発生(アイドルストップ条件が成立)したか否かを監視して、アイドルストップ要求が発生したときに燃料噴射を停止(燃料カット)して、エンジン11の燃焼を自動的に停止(アイドルストップ)させる。
本実施例では、アイドルストップ領域(燃料カット領域)を拡大するために、車両走行中に車両停止に至る可能性のある低速での減速領域でも、アイドルストップ要求が発生するようにしている。具体的には、車両走行中に車両停止に至る可能性のある所定減速状態になったか否か(アイドルストップ要求が発生したか否か)を次の条件で判定する。例えば、(1) アクセル全閉(スロットル全閉)、(2) ブレーキ踏込み中、(3) 所定車速以下の低速域であるか否かを判定し、これらの条件(1) 〜(3) を全て満たせば、車両停止に至る可能性のある所定減速状態であると判定する。尚、車両停止に至る可能性のある所定減速状態の判定方法は、適宜変更しても良いことは言うまでもない。
車両減速中に車両停止に至る可能性のある所定減速状態であると判定した時点で、アイドルストップ要求が発生したと判断して、燃料噴射を停止(燃料カット)して、エンジンの燃焼を自動的に停止(アイドルストップ)させる。その後、アイドルストップ期間中(アイドルストップによるエンジン回転降下中又はエンジン回転停止後)に運転者が車両を再加速又は発進させようとする操作(例えば、ブレーキ踏込みの解除、アクセル踏込み操作、シフトレバーのドライブレンジへの操作等)を行ったときに、再始動要求が発生して燃料噴射を再開してエンジンを再始動させる。その他、バッテリ充電制御システムやエアコン等の車載機器の制御システムから再始動要求が発生してエンジンを再始動させる場合もある。
ところで、車両減速中にアイドルストップ(エンジンの燃焼停止)を実行する場合、アイドルストップによる車両減速時に再始動要求が発生したときには、速やかにエンジンを再始動させて車両を加速させる必要がある。
しかし、従来システムでは、車両減速中のアイドルストップによる車両減速時にエンジンを再始動させて車両を加速させると、変速歯車機構15のOWC34(ワンウェイクラッチ)が空転状態からロック状態(締結状態)に急激に変化してショックが発生するという欠点があった。
すなわち、図4に示すように、車両減速時に再始動要求に応じてエンジンを再始動させて車両を加速させる場合、エンジン再始動後のエンジン回転速度の吹き上がりにより変速歯車機構15の入力軸回転速度(トルクコンバータ12のタービン回転速度)が急上昇する際に、OWC34の回転速度(空転速度)が急降下してOWC34が空転状態から急激にロック状態になるため、ショックが発生する。
このショックの発生メカニズムを図5と図6の共線図を用いて説明する。共線図において、FrSはフロントプラネタリギヤ_サンギヤ、FrCはフロントプラネタリギヤ_キャリア、FrCはフロントプラネタリギヤ_リングギヤ、RrSはリアプラネタリギヤ_サンギヤ、RrCはリアプラネタリギヤ_キャリア、RrCはリアプラネタリギヤ_リングギヤである。
車両減速中のアイドルストップによる車両減速時は、図6の共線図に示す減速状態になっていてOWC34が空転状態となっているため、この状態でエンジンを再始動させて車両を加速させると、図5の共線図に示す加速状態になって変速歯車機構15の入力軸回転速度(トルクコンバータ12のタービン回転速度)が吹き上がって変速歯車機構15の出力軸回転速度が急上昇し、それによって、OWC34の空転速度が急降下してOWC34が空転状態から急激にロック状態になるため、ショックが発生する。
そこで、本実施例では、車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときに、図7の共線図に示すように、変速歯車機構15のOWC34と並列に設けられたOWC並列クラッチB1を係合させるOWC並列クラッチ係合制御を実行するようにしている。このようにすれば、アイドルストップによる車両減速時に再始動要求が発生してエンジンを再始動させる際に、事前にOWC並列クラッチ係合制御によりOWC34が空転しないように拘束しておくことができるため、OWC34の急激なロック(締結)によるショックを防止できる。
本発明は、車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときに直ちにアイドルストップ(エンジンの燃焼停止)を実行するようにしても良いが、このようにすると、OWC並列クラッチ係合制御の実行途中で再始動要求が発生する可能性がある。OWC並列クラッチ係合制御が完了するまでは、OWC並列クラッチB1の係合が不完全(スリップ状態)であり、OWC34がまだ空転状態になっているため、この段階で、エンジンを再始動すると、OWC34の急激なロックによるショックが発生する可能性がある。
この対策として、本実施例では、車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときに、OWC並列クラッチ係合制御を実行してからアイドルストップ(エンジン燃焼停止)を開始するようにしている。このようにすれば、OWC並列クラッチ係合制御によりOWC34が空転しないように拘束してからアイドルストップを実行することができるため、アイドルストップによる車両減速時に再始動要求に応じてエンジンを再始動させても、OWC34の急激なロックによるショックを確実に防止することができる。
尚、車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときに直ちにアイドルストップ(エンジンの燃焼停止)を実行する場合は、アイドルストップによる車両減速時にOWC並列クラッチ係合制御の実行途中で再始動要求が発生したときに、OWC並列クラッチ係合制御が終了してからエンジンを再始動させるようにすれば良い。このようにしても、OWC並列クラッチ係合制御によりOWC34が空転しないように拘束してからアイドルストップを実行することができるため、エンジン再始動時のOWC34の急激なロックによるショックを確実に防止できる。
また、車両減速中にOWC並列クラッチ係合制御が行われるため、OWC並列クラッチ係合制御でOWC並列クラッチB1を急激に係合させると、急激にエンジンブレーキが効き始めてショックが発生する可能性がある。
この対策として、本実施例では、OWC並列クラッチ係合制御の実行中にOWC並列クラッチB1をスリップさせながら徐々に係合させるように、該OWC並列クラッチB1に供給する油圧を徐々に上昇させる(図8参照)。このようにすれば、OWC並列クラッチ係合制御の実行中にOWC並列クラッチB1の係合力を徐々に増大させることができるため、車両減速中にOWC並列クラッチB1の係合によるエンジンブレーキを徐々に効き始めさせることができて、エンジンブレーキの利き始めにショックが発生することを防止できる。
また、アイドルストップによる車両減速時に再始動要求に応じて速やかにエンジンを再始動させるためには、OWC並列クラッチ係合制御の実行時間をできるだけ短くすることが望ましいが、OWC並列クラッチB1への油圧の供給を油圧が完全に抜けた状態から開始すると、OWC並列クラッチB1が係合状態となるまでに必要な油圧供給時間が長くなる。
そこで、本実施例では、車両走行中にアイドルストップ要求の発生の可能性を予測するアイドルストップ予測手段としての機能をエンジン制御装置37に搭載し、アイドルストップ要求の発生の可能性を予測したときに、OWC並列クラッチB1に係合状態となる直前の待機油圧まで油圧を供給して待機させる係合待機制御を実行するようにしている(図8参照)。このようにすれば、アイドルストップ要求の発生前に、係合待機制御によりOWC並列クラッチB1の油圧を係合状態となる直前の待機油圧まで上昇させておくことができるため、アイドルストップ要求発生後に実行するOWC並列クラッチ係合制御の実行時間を短くすることができる。
更に、本実施例では、図8に示すように、係合待機制御の初期にOWC並列クラッチB1の指令油圧を待機油圧より高い急速充填油圧に設定することでOWC並列クラッチB1に待機油圧まで油圧を急速充填するようにしている。このようにすれば、係合待機制御の実行時間も短くすることができる。
また、本実施例では、アイドルストップ要求の発生の可能性を少なくとも車速に基づいて予測するようにしている。車速が低下するほど、車両停止に至る可能性が高くなるため、車速からアイドルストップ要求の発生の可能性を予測することができる。
更に、車速及び減速度に基づいてアイドルストップ要求の発生の可能性を予測するようにしても良い。減速度が大きくなるほど、車両停止までの時間が短くなるため、車速の他に減速度も考慮してアイドルストップ要求の発生の可能性を予測すれば、より適正なタイミングでアイドルストップ要求の発生の可能性を予測することができる。
また、本実施例では、OWC並列クラッチ係合制御により係合状態となったOWC並列クラッチB1を車両停止後又はエンジン再始動後の所定時期に解放するようにしている。車両停止後は、変速歯車機構15の入出力軸とOWC34とOWC並列クラッチB1が全て停止した状態となるため、OWC並列クラッチB1を解放しても、エンジン再始動時にOWC34の急激なロックによるショックが発生しない。また、OWC並列クラッチB1をエンジン再始動後の所定時期に解放すれば、エンジン再始動後の車両の加速状態に応じて変速歯車機構15の変速比を順次切り換えることができる。
この場合、エンジン再始動後にOWC並列クラッチB1がトルクを伝達し始めたときに該OWC並列クラッチB1を解放するようにすると良い。このようにすれば、エンジン再始動後に最適なタイミングでOWC並列クラッチB1を解放して、車両の走行状態に応じた変速を開始することができる。
具体的には、OWC並列クラッチB1の解放タイミングは、エンジン再始動後にエンジン回転速度がトルクコンバータ12のタービン回転速度(変速歯車機構15の入力軸回転速度)を越えたときとしても良い。エンジン再始動後にエンジン回転速度がタービン回転速度を越えたときに、エンジンのトルクが変速歯車機構15の入力軸13(トルクコンバータ12の出力軸14)を駆動する状態となるため、OWC並列クラッチB1がトルクを伝達し始めたと判断して、OWC並列クラッチB1を解放するものである。
更に、エンジン再始動後にエンジン回転速度が所定値以上の状態が所定時間以上継続したときにOWC並列クラッチを解放するようにしても良い。例えば、エンジン再始動後の車両の走行状態等によっては、エンジン再始動後にエンジン回転速度がタービン回転速度を越えるまでに長い時間がかかる場合があるため、エンジン回転速度が所定値以上の状態が所定時間以上継続した場合は、OWC並列クラッチB1を解放しても、OWC34のロックによるショックが発生しなくなったと判断して、OWC並列クラッチB1を解放して、車両の走行状態に応じた変速を可能とするものである。
以上説明した本実施例のアイドルストップ制御は、AT−ECU30及び/又はエンジン制御装置37によって図9乃至図16の各ルーチンに従って実行される。以下、これら各ルーチンの処理内容を説明する。
[アイドルストップ制御ルーチン]
図9のアイドルストップ制御ルーチンは、AT−ECU30とエンジン制御装置37の電源オン期間中(イグニッションスイッチのオン期間中)に繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、係合待機制御開始フラグがONであるか否かで、係合待機制御開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、係合待機制御開始フラグは、後述する図10の係合待機制御開始タイミング判定ルーチンによってON/OFFが切り替えられるフラグであり、車速及び減速度に基づいてアイドルストップ要求発生(アイドルストップ条件成立)の可能性が予測されたときに係合待機制御開始フラグがONにセットされる。このステップ101で、係合待機制御開始フラグがOFFであると判定されれば、ONになるまで待機する。
その後、係合待機制御開始フラグがONになった時点で、係合待機制御開始タイミングになったと判断して、ステップ102に進み、後述する図14の係合待機制御実行ルーチンを実行して係合待機制御を開始して、OWC並列クラッチB1の油圧を係合状態となる直前の待機油圧まで上昇させる。この後、ステップ103に進み、係合待機制御開始フラグがONに維持されているか否かを判定し、もし係合待機制御開始フラグがOFFに切り替わっていれば、アイドルストップが実行されないと判断して、ステップ110に進み、後述する図16のOWC並列クラッチ解放ルーチンを実行して、OWC並列クラッチB1の油圧を抜いてOWC並列クラッチB1を解放する。
これに対し、上記ステップ103で、係合待機制御開始フラグがONに維持されていると判定されれば、ステップ104に進み、後述する図12のアイドルストップ条件判定ルーチンの処理結果に基づいてアイドルストップ条件が成立(アイドルストップ要求が発生)したか否かを判定し、アイドルストップ条件が成立していなければ、上記ステップ103の判定処理に戻る。
その後、アイドルストップ条件が成立した時点で、ステップ105に進み、後述する図15のOWC並列クラッチ係合制御実行ルーチンを実行して、OWC並列クラッチB1の油圧を係合状態となる油圧まで徐々に上昇させてOWC並列クラッチB1をスリップさせながら徐々に係合させる。
この後、ステップ106に進み、燃料噴射を停止(燃料カット)して、エンジンの燃焼を停止(アイドルストップ)させる。そして、次のステップ107で、後述する図13のエンジン再始動条件判定ルーチンの処理結果に基づいてエンジン再始動条件が成立(再始動要求が発生)したか否かを判定し、エンジン再始動条件が成立していなければ、エンジン再始動条件が成立するまで待機する。
その後、エンジン再始動条件が成立した時点で、ステップ108に進み、燃料噴射を再開してエンジンを再始動させる。この後、ステップ109に進み、(1) エンジン回転速度がタービン回転速度を越えたか、又は、(2) エンジン回転速度が所定値以上の状態が所定時間以上継続したか否かで、OWC並列クラッチB1の解放タイミングになったか否かを判定し、上記(1) 、(2) のいずれかの条件を満たすまで待機する。
その後、上記(1) 、(2) のいずれかの条件を満たした時点で、OWC並列クラッチB1の解放タイミングになったと判断して、ステップ110に進み、後述する図16のOWC並列クラッチ解放ルーチンを実行して、OWC並列クラッチB1の油圧を抜いてOWC並列クラッチB1を解放する。
尚、エンジン再始動条件が成立する前に車両が停止した場合は、車両が停止した時点でOWC並列クラッチB1を解放するようにしても良い。
[係合待機制御開始タイミング判定ルーチン]
図10の係合待機制御開始タイミング判定ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で繰り返し実行され、次のようにして車速及び減速度に基づいてアイドルストップ条件成立の可能性を予測して係合待機制御開始タイミングを判定する。本ルーチンは、特許請求の範囲でいうアイドルストップ予測手段としての役割を果たす。
本ルーチンが起動されると、まずステップ201で、アクセルが踏まれているか否かを判定し、アクセルが踏まれていれば、係合待機制御開始タイミングではない(アイドルストップ条件成立の可能性は予測されない)と判断して、ステップ205に進み、係合待機制御開始フラグをOFFに維持(又はリセット)する。
これに対し、上記ステップ201で、アクセルが踏まれていない(アクセル全閉)と判定されれば、ステップ202に進み、係合待機制御開始タイミング判定しきい値を、アイドルストップ判定しきい値に補正値Aを加算して設定する。
係合待機制御開始タイミング判定しきい値
=アイドルストップ判定しきい値+補正値A
本実施例では、車速に対するアイドルストップ判定しきい値を設定し、このアイドルストップ判定しきい値を、減速度に応じた補正値Aで補正して係合待機制御開始タイミング判定しきい値を設定する。この際、補正値Aは、図11に示す減速度をパラメータとするマップを用いて算出する。図11の補正値Aの算出マップは、減速度が大きくなるほど、アイドルストップ条件成立までの時間が短くなることを考慮して、減速度が大きくなるほど、補正値Aが大きくなるように設定されている。
尚、車速と減速度をパラメータとして係合待機制御開始タイミング判定しきい値を算出するマップを設定して、このマップを用いて、車速と減速度に応じた係合待機制御開始タイミング判定しきい値を算出するようにしても良い。
係合待機制御開始タイミング判定しきい値の算出後、ステップ203に進み、検出車速が係合待機制御開始タイミング判定しきい値以下になったか否か(アイドルストップ条件成立の可能性が予測されたか否か)を判定し、検出車速が係合待機制御開始タイミング判定以下になっていなければ、係合待機制御開始タイミングではない(アイドルストップ条件成立の可能性は予測されない)と判断して、ステップ205に進み、係合待機制御開始フラグをOFFに維持(又はリセット)する。
これに対し、上記ステップ203で、検出車速が係合待機制御開始タイミング判定しきい値以下になったと判定されれば、係合待機制御開始タイミングである(アイドルストップ条件成立の可能性が予測された)と判断して、ステップ204に進み、係合待機制御開始フラグをONにセットする。
[アイドルストップ条件判定ルーチン]
図12のアイドルストップ条件判定ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で繰り返し実行され、次のようにしてアイドルストップ条件が成立(アイドルストップ要求が発生)したか否かを判定する。
まず、ステップ301で、アクセルが踏まれているか否かを判定し、アクセルが踏まれていれば、ステップ305に進み、アイドルストップ条件が成立していないと判定する。 一方、上記ステップ301で、アクセルが踏まれていない(アクセル全閉)と判定されれば、ステップ302に進み、ブレーキが踏まれているか否かを判定し、ブレーキが踏まれていなければ、ステップ305に進み、アイドルストップ条件が成立していないと判定する。
一方、上記ステップ302で、ブレーキが踏まれていると判定されれば、ステップ303に進み、検出車速がアイドルストップ判定しきい値以下になったか否かを判定し、検出車速がアイドルストップ判定しきい値以下になっていなければ、ステップ305に進み、アイドルストップ条件が成立していないと判定する。
これに対し、上記ステップ303で、検出車速がアイドルストップ判定しきい値以下になった判定されれば、ステップ304に進み、アイドルストップ条件が成立したと判定する。
[エンジン再始動条件判定ルーチン]
図13のエンジン再始動条件判定ルーチンは、アイドルストップ中に所定周期で繰り返し実行され、次のようにしてエンジン再始動条件が成立したか否かを判定する。
まず、ステップ401で、ブレーキが踏まれているか否かを判定し、ブレーキが踏まれていれば、ステップ404に進み、エンジン再始動条件が成立していないと判定する。
一方、上記ステップ401で、ブレーキが踏まれていないと判定されれば、ステップ402に進み、アクセルが踏まれているか否かを判定し、アクセルが踏まれていなければ、ステップ404に進み、エンジン再始動条件が成立していないと判定する。
これに対し、上記ステップ402で、アクセルが踏まれていると判定されれば、ステップ403に進み、エンジン再始動条件が成立していると判定する。
[係合待機制御実行ルーチン]
図14の係合待機制御実行ルーチンは、係合待機制御開始フラグがONにセットされたときに、図9のアイドルストップ制御ルーチンのステップ102で実行されるサブルーチンであり、次のようにしてOWC並列クラッチB1の油圧を係合状態となる直前の待機油圧まで上昇させる係合待機制御を実行する。
まず、ステップ501で、OWC並列クラッチB1の指令油圧を係合状態となる直前の待機油圧より高い急速充填油圧に設定してOWC並列クラッチB1に待機油圧まで油圧を急速充填する。次のステップ502で、急速充填開始から所定時間(予め設定された急速充填の実行時間)が経過したか否かを判定して、所定時間が経過するまで急速充填を継続する。
その後、急速充填開始から所定時間が経過した時点で、OWC並列クラッチB1の油圧が待機油圧付近まで上昇したと判断して、ステップ503に進み、OWC並列クラッチB1の指令油圧を待機油圧に設定して、急速充填から待機油圧保持に移行し、OWC並列クラッチB1の油圧を係合状態となる直前の待機油圧に保持する。
[OWC並列クラッチ係合制御実行ルーチン]
図15のOWC並列クラッチ係合制御実行ルーチンは、アイドルストップ条件が成立したときに、図9のアイドルストップ制御ルーチンのステップ105で実行されるサブルーチンであり、次のようにしてOWC並列クラッチB1の油圧を待機油圧から係合状態となる油圧まで徐々に上昇させてOWC並列クラッチB1をスリップさせながら徐々に係合させる。
まず、ステップ601で、OWC並列クラッチB1の今回の指令油圧を、前回の指令油圧より所定の増圧値だけ上昇させる。
今回の指令油圧=前回の指令油圧+増圧値
ここで、指令油圧の初期値は待機油圧である。
この後、ステップ602に進み、OWC34の回転速度が0rpmになったか否かで、OWC並列クラッチB1の係合が完了したか否かを判定し、OWC34の回転速度が0rpmになるまで、ステップ601の処理を所定周期で繰り返して、OWC並列クラッチB1の指令油圧を所定周期で増圧値ずつ増加させる処理を繰り返す。その後、OWC34の回転速度が0rpmになった時点で、OWC並列クラッチB1の係合が完了したと判断して本ルーチンを終了する。
[OWC並列クラッチ解放ルーチン]
図16のOWC並列クラッチ解放ルーチンは、OWC並列クラッチB1の解放タイミングになったときに、図9のアイドルストップ制御ルーチンのステップ110で実行されるサブルーチンである。本ルーチンが起動されると、ステップ701で、OWC並列クラッチB1の指令油圧を0MPaに設定して、OWC並列クラッチB1の油圧を抜いてOWC並列クラッチB1を解放する。
以上説明した本実施例では、車両減速中にアイドルストップ要求が発生したときにOWC並列クラッチB1を係合させるOWC並列クラッチ係合制御を実行するようにしたので、アイドルストップによる車両減速時に再始動要求が発生してエンジンを再始動させる際に、事前にOWC並列クラッチ係合制御によりOWC34が空転しないように拘束しておくことができ、OWC34の急激なロック(締結)によるショックを防止できる。
尚、本発明は、上記実施例に限定されず、例えば、変速歯車機構15の構成、変速段の数、摩擦係合要素の係合/解放と変速段との関係等を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
11…自動変速機、12…トルクコンバータ、15…変速歯車機構(変速機構)、16…ロックアップクラッチ、17…油圧制御回路、18…エンジン駆動式の油圧ポンプ、20…自動変速制御回路、24…電動式の油圧ポンプ、25…シフトレバー、27…エンジン回転速度センサ、28…入力軸回転速度センサ(タービン回転速度センサ)、29…出力軸回転速度センサ、30…AT−ECU(油圧制御手段)、37…エンジン制御装置(アイドルストップ制御手段,アイドルストップ予測手段)、RC,HC,LC…クラッチ(摩擦係合要素)、B0…ブレーキ(摩擦係合要素)、B1…ブレーキ(摩擦係合要素,OWC並列クラッチ)

Claims (13)

  1. エンジンの動力を変速して駆動輪側に伝達する変速機構には、トルク伝達を一方向のみに規制するワンウェイクラッチと、該変速機構の変速比を切り換えるための複数の摩擦係合要素とが設けられ、
    前記複数の摩擦係合要素に作用させる油圧を個別に制御することで各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて前記変速機構の変速比を切り換える変速制御手段と、
    前記エンジンの自動停止及び再始動を制御するアイドルストップ制御手段とを備えた車両の制御装置において、
    前記アイドルストップ制御手段は、車両減速中に車両停止に至る可能性のある所定減速領域でアイドルストップ要求が発生したときに所定のタイミングで前記エンジンの燃焼を停止させる手段と、前記エンジンの燃焼停止による車両減速時に再始動要求が発生したときに前記エンジンを再始動させる手段とを有し、
    前記変速制御手段は、車両減速中に前記アイドルストップ要求が発生したときに所定のタイミングで前記変速機構のワンウェイクラッチと並列に設けられた摩擦係合要素(以下「OWC並列クラッチ」という)を係合させるOWC並列クラッチ係合制御を実行することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記変速制御手段は、車両減速中に前記アイドルストップ要求が発生したときに前記OWC並列クラッチ係合制御を実行してから前記アイドルストップ制御手段により前記エンジンの燃焼を停止させることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記変速制御手段は、前記エンジンの燃焼停止による車両減速時に前記OWC並列クラッチ係合制御の実行途中で再始動要求が発生した場合は前記OWC並列クラッチ係合制御が終了してから前記エンジンを再始動させることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 前記変速制御手段は、前記OWC並列クラッチ係合制御の実行中に前記OWC並列クラッチをスリップさせながら徐々に係合させるように該OWC並列クラッチに供給する油圧を徐々に上昇させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両の制御装置。
  5. 車両走行中に前記アイドルストップ要求の発生の可能性を予測するアイドルストップ予測手段を備え、
    前記変速制御手段は、前記アイドルストップ予測手段により前記アイドルストップ要求の発生の可能性が予測されたときに前記OWC並列クラッチに係合状態となる直前の待機油圧まで油圧を供給して待機させる係合待機制御を実行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両の制御装置。
  6. 前記変速制御手段は、前記係合待機制御の初期に油圧指令値を前記待機油圧より高い油圧に設定することで前記OWC並列クラッチに前記待機油圧まで油圧を急速充填することを特徴とする請求項5に記載の車両の制御装置。
  7. 前記アイドルストップ予測手段は、少なくとも車速に基づいて前記アイドルストップ要求の発生の可能性を予測することを特徴とする請求項5又は6に記載の車両の制御装置。
  8. 前記アイドルストップ予測手段は、車速及び減速度に基づいて前記アイドルストップ要求の発生の可能性を予測することを特徴とする請求項7に記載の車両の制御装置。
  9. 前記変速制御手段は、前記OWC並列クラッチ係合制御により係合状態となった前記OWC並列クラッチを車両停止後又はエンジン再始動後の所定時期に解放することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の車両の制御装置。
  10. 前記変速制御手段は、前記アイドルストップ制御手段によるエンジン再始動後に前記OWC並列クラッチがトルクを伝達し始めたときに該OWC並列クラッチを解放することを特徴とする請求項9に記載の車両の制御装置。
  11. 前記変速制御手段は、前記アイドルストップ制御手段によるエンジン再始動後にエンジン回転速度が前記エンジンの出力軸と前記変速機構の入力軸との間に設けられたトルクコンバータのタービン回転速度を越えたときに前記OWC並列クラッチを解放することを特徴とする請求項9に記載の車両の制御装置。
  12. 前記変速制御手段は、前記アイドルストップ制御手段によるエンジン再始動後にエンジン回転速度が所定値以上の状態が所定時間以上継続したときに前記OWC並列クラッチを解放することを特徴とする請求項9に記載の車両の制御装置。
  13. 前記変速制御手段は、前記アイドルストップ制御手段によるエンジン再始動後にエンジン回転速度が前記エンジンの出力軸と前記変速機構の入力軸との間に設けられたトルクコンバータのタービン回転速度を越えたとき又はエンジン回転速度が所定値以上の状態が所定時間以上継続したときのどちから早い方のタイミングで該OWC並列クラッチを解放することを特徴とする請求項9に記載の車両の制御装置。
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