JP5252073B2 - サスペンション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のサスペンション装置に関する。本発明は特に、車両のバネ上部材とバネ下部材との間に介装され、伸縮することによってバネ上部材とバネ下部材との間の間隔を変化させるアクチュエータと、車両走行時に車両の前方路面の起伏情報を取得する起伏情報取得装置と、起伏情報取得装置により取得された起伏情報に基づいてアクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置と、を備えるアクティブサスペンション装置に関する。
車両のバネ上部材とバネ下部材との間に介装されて、伸縮することによりバネ上部材とバネ下部材との間の間隔を変化させるアクチュエータと、車両走行時に車両の前方路面の起伏情報を検出するプレビューセンサと、プレビューセンサにより検出された起伏情報に基づいてアクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置とを有するアクティブサスペンション装置が知られている。
特開平4−254211号公報は、プレビューセンサが車両の前方路面の凹凸を検出したときに、前輪が凹凸を通過する時点におけるサスペンション特性がソフトな特性になるように、前輪側のバネ下部材とバネ上部材との間に設けられた油圧アクチュエータを制御するサスペンション装置を開示する。また、この公報に開示されたサスペンション装置は、後輪が前記凹凸を通過するときに、前輪が前記凹凸を通過したときに発生した振動の入力情報に基づいて、後輪側のバネ下部材とバネ上部材との間に設けられた油圧アクチュエータを制御する。
特開平4−19214号公報は、プレビューセンサにより車両前方に障害物を検知したときに、車輪がこの障害物を通過する際に車輪を浮かせて障害物を乗越すように、車輪に連結されたバネ下部材とバネ上部材との間に介装されたアクチュエータを制御するサスペンション装置を開示する。
特開平4−254211号公報 特開平4−19214号公報
一般に、プレビューセンサにより検出された路面の起伏情報に基づいてバネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータを制御する従来のアクティブサスペンション装置は、プレビューセンサにより検出された路面の起伏を車輪が忠実にトレースするようにアクチュエータを制御する。かかる制御によれば、路面の起伏がゆるやかなときには、アクチュエータがその起伏に沿ってゆっくりと伸縮することにより路面の起伏がアクチュエータの伸縮によって吸収される。これによりバネ上部材側(車体側)の振動が抑えられる。すなわち、従来のアクティブサスペンション装置は、低周波の路面入力が車両に加えられた場合に乗り心地が向上するように、アクチュエータが制御される。
しかし、路面に形成された凸部(突起など)に車輪が乗り上げるとき、すなわち高周波の路面入力が車両に加えられた場合、制御遅れ等によって、車輪がその凸部に乗り上げるときに車輪およびバネ下部材が突き上げられる。突き上げによりバネ下部材の上下方向に沿った速度(バネ下上下速度)が大きく変化する。また、車輪が凸部に乗り上げることにより発生するバネ下部材の上下速度がバネ上部材に伝達されることにより、バネ上部材も突き上げられて、バネ上部材の上下方向に沿った速度(バネ上上下速度)が大きく変化する。さらに、その直後には、車輪が凸部を回避するようにアクチュエータが収縮する。アクチュエータの収縮に伴いその反動でバネ上部材が引っ張られてバネ上部材が落ち込む。バネ上部材の落ち込みにより、バネ上上下速度が大きく変化する。バネ上上下速度の変化はバネ上部材に上下方向に作用する加速度(バネ上上下加速度)を表す。すなわち、従来のアクティブサスペンション装置は、車輪が路面の凸部に乗り上げる際(高周波の路面入力が車両に加えられた場合)にバネ上上下加速度が大きくなって乗り心地が悪化する。
本発明は、車輪が路面に形成された凸部に乗り上げる際における乗り心地が向上するように、バネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータを制御するサスペンション装置を提供することを目的とする。
本発明のサスペンション装置は、車両のバネ上部材と車輪に連結されたバネ下部材との間に介装され、伸縮することによってバネ上部材とバネ下部材との間の間隔を変化させるアクチュエータと、前記車両が走行しているときに前記車両の前方路面の起伏情報を取得する起伏情報取得装置と、前記起伏情報取得装置により取得された起伏情報に基づいて前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置と、を備える。また、前記アクチュエータ制御装置は、前記起伏情報取得装置が路面に形成された凸部に関する起伏情報を取得したときに前記アクチュエータを制御する凸部乗り上げ制御部を備える。そして、前記凸部乗り上げ制御部は、前記起伏情報取得装置が前記凸部に関する起伏情報を取得したときから前記車輪が前記凸部に乗り上げる直前までの間のうちの所定期間に亘り前記アクチュエータが伸長することによりバネ上部材の上昇速度が増加し、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに、それまでの前記アクチュエータの伸長によってバネ上部材の上昇速度が所定の上昇速度に達しているように、前記所定期間に亘り前記アクチュエータを制御する。
本発明のサスペンション装置によれば、起伏情報取得装置が路面に形成された凸部に関する起伏情報を取得したときに、そのときから車輪が凸部に乗り上げる直前までの間のうちの所定期間に亘り、アクチュエータが伸長してバネ上部材の上昇速度が増加する。このため車輪が凸部に乗り上げたときには、それまでのアクチュエータの伸長によってバネ上部材が所定の上昇速度に達している。よって、車輪が凸部に乗り上げてバネ下部材が突き上げられた場合、その突き上げがバネ上部材に作用することによるバネ上上下速度の変化は、バネ上部材が所定の上昇速度で上昇している分だけ軽減される。こうしてバネ上上下速度の変化(バネ上上下加速度)が軽減されるために乗り心地が向上する。
前記凸部乗り上げ制御部は、前記車輪が前記凸部に乗り上げる前の所定期間の間に、バネ上部材の上昇速度が徐々に増加するように、前記所定期間に亘りアクチュエータを制御するのがよい。また、前記所定期間は予め定められた期間であるのがよい。前記所定期間は、前記起伏情報取得装置が路面に形成された凸部に関する起伏情報を取得したときから前記車輪が前記凸部に乗り上げる直前の時点までの全期間でもよいし、一部の期間でもよい。前記所定期間の終期は、前記車輪が前記凸部に乗り上げる直前時点であるのがよい。
前記凸部乗り上げ制御部は、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに、バネ上部材の上昇速度とバネ下部材の上昇速度との差である相対速度の大きさが、前記所定の上昇速度と、前記車輪が前記凸部に乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度との差により表わされる速度になるように、前記アクチュエータを制御するのがよい。さらにこの場合、前記凸部乗り上げ制御部は、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに、前記相対速度の大きさが0になるように前記アクチュエータを制御するとよい。
上記したように、車輪が凸部に乗り上げたときには、バネ上部材はそれまでのアクチュエータの伸長によって所定の上昇速度で上昇している。また、バネ下部材は、車輪が凸部に乗り上げることにより突き上げられる。したがって、車輪が凸部に乗り上げたときにもアクチュエータを駆動してバネ上部材を上昇させている場合、車輪が凸部に乗り上げることにより生じるバネ下部材の上下速度がバネ上部材に伝達される。このため車輪が凸部に乗り上げる前後でのバネ上上下速度の変化が大きくなる。これに対し、本発明によれば、車輪が凸部に乗り上げたときに、バネ上部材の上昇速度とバネ下部材の上昇速度との差(相対速度)が、それまでのアクチュエータの伸長によって生じているバネ上部材の上昇速度と、車輪が凸部に乗り上げることにより生じるバネ下部材の上昇速度との差により表わされる速度になるように、アクチュエータが制御される。つまり、本発明の制御によれば、車輪が凸部に乗り上げたときには、バネ下部材側からバネ上部材側に、車輪が凸部に乗り上げることにより生じるバネ下部材の上昇速度がほとんど伝達されないように、アクチュエータが制御される。このような制御により、車輪が凸部に乗り上げたときにバネ上部材の上昇速度はそれまでにアクチュエータの伸長により生じた上昇速度に維持される。このため車輪が凸部に乗り上げたときにおけるバネ上上下速度の変化が軽減されて、乗り心地が向上する。
また、車輪が凸部に乗り上げたときに、相対速度が0であれば、バネ上部材とバネ下部材は同じ速度で上昇する。このため、バネ下部材の上昇速度がバネ上部材の上昇速度の変化に影響を及ぼすことはない。よって、車輪が凸部に乗り上げたときにおけるバネ上上下速度の変化が軽減されて、乗り心地が向上する。
また、前記アクチュエータ制御装置は、前記凸部に関する起伏情報に基づいて、前記車輪が前記凸部に乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度を推定するバネ下上昇速度推定部を備えるのがよい。そして、前記凸部乗り上げ制御部は、前記バネ下上昇速度推定部により推定されたバネ下部材の上昇速度に基づいて、前記所定期間に亘り前記アクチュエータが伸長することによりバネ上部材の上昇速度が増加し、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに、それまでの前記アクチュエータの伸長によってバネ上部材の上昇速度が所定の上昇速度に達しているように、前記所定期間に亘り前記アクチュエータを制御するのがよい。
この場合、前記所定の上昇速度は、前記バネ下上昇速度推定部により推定されたバネ下部材の上昇速度に近い速度として予め定められた速度であるとよい。前記所定の上昇速度は、前記バネ下上昇速度推定部により推定されたバネ下部材の上昇速度に近ければ近い速度であるほどよい。特に、前記所定の上昇速度は、前記バネ下上昇速度推定部により推定されたバネ下部材の上昇速度に等しい速度であるとよい。
これによれば、凸部乗り上げ制御部によるアクチュエータの制御によって、車輪が凸部に乗り上げたときにバネ上部材がバネ下上昇速度推定部により推定されたバネ下部材の上昇速度に近い速度あるいは等しい速度で上昇している。このため車輪が凸部に乗り上げたときの相対速度の大きさが小さい値または0にされる。よって、凸部に乗り上げた時のバネ上上下加速度が小さくなって、乗り心地が向上する。
また、前記凸部乗り上げ制御部は、前記アクチュエータが伸長を開始してから前記車輪が前記凸部に乗り上げるまでの間におけるバネ上部材の上昇速度の振動周波数がバネ上共振周波数以下の周波数となるように、前記アクチュエータを制御するのがよい。これによれば、アクチュエータが伸長を開始してから車輪が凸部に乗り上げるまでに、バネ上上下速度がバネ上共振周波数(例えば1Hz)以下の周波数でゆるやかに変化する。このため、アクチュエータが伸長を開始してから車輪が凸部に乗り上げるときまでの間におけるバネ上上下速度の変化が小さい。よって、車輪が凸部に乗り上げる前における乗り心地が向上する。
なお、前記バネ上部材の上昇速度の振動周波数とは、アクチュエータが本発明の制御によって伸長を開始してから車輪が凸部に乗り上げるまでのバネ上部材の上昇速度の時間変化を周期関数により表した場合における、その周期関数の周波数である。例えばバネ上部材の上昇速度の時間変化がサイン曲線により近似することができる場合、バネ上部材の上昇速度の振動周波数は、そのサイン曲線の周波数である。また、アクチュエータが伸長を開始してから車輪が凸部に乗り上げるまでの期間はバネ上部材の上昇速度が増加する期間であり、この期間は周期関数の1/4周期(π/2)を表す。したがって、例えばバネ上共振周波数が1Hzである場合、アクチュエータが伸長を開始してから車輪が凸部に乗り上げるまでの時間が0.25秒以上であれば、バネ上部材の上昇速度の振動周波数がバネ上共振周波数以上の周波数であるという条件を満たす。
また、前記凸部乗り上げ制御部は、前記車輪が前記凸部に乗り上げる前の前記所定期間に亘り前記アクチュエータが駆動力を発生するように前記アクチュエータを制御し、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときは、前記アクチュエータが駆動力を発生せず、且つ、外部入力に対する抵抗力も実質的に発生しないように、前記アクチュエータを制御するのがよい。
これによれば、車輪が凸部に乗り上げる前の所定期間に亘りアクチュエータが駆動力を発生して伸長することにより、車輪が凸部に乗り上げるときにはそれまでのアクチュエータの伸長によりバネ上部材が所定の上昇速度で上昇している。また、車輪が凸部に乗り上げたときにアクチュエータが駆動力も抵抗力(減衰力)も発生しないように制御されることにより、車輪が凸部に乗り上げることにより生じるバネ下部材の上昇速度がバネ上部材側に伝達されることが妨げられる。このため車輪が凸部に乗り上げたときに、バネ上部材の上昇速度とバネ下部材の上昇速度との差である相対速度の大きさが、前記所定の上昇速度と、前記車輪が前記凸部に乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度との差により表わされる。よって、車輪が凸部に乗り上げたときにおけるバネ上上下速度の変化を抑えることができ、乗り心地が向上する。特に上記所定の上昇速度が、車輪が凸部に乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度と等しい速度である場合、車輪が凸部に乗り上げたときにおける相対速度が0になる。このためバネ上上下速度の変化がより一層抑えられて、乗り心地が向上する。
また、前記アクチュエータは、通電することにより駆動する電動アクチュエータであるのがよい。そして、前記凸部乗り上げ制御部は、前記所定期間に亘り前記電動アクチュエータに通電することによりバネ上部材の上昇速度が徐々に増加するように前記電動アクチュエータを駆動させ、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに前記電動アクチュエータへの通電を遮断するものであるのがよい。
この場合、前記電動アクチュエータは、通電することにより回転駆動する電気モータと、前記電気モータの回転運動を直線運動に変換する変換機構とを備えるのがよい。そして、前記凸部乗り上げ制御部は、前記所定期間に亘り前記電気モータに通電することによりバネ上部材の上昇速度が徐々に増加するように前記電動アクチュエータを駆動させ、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに前記電気モータへの通電を遮断するものであるのがよい。
これによれば、車輪が凸部に乗り上げる前から乗り上げる直前までの間の所定期間に亘り電気モータが通電されることにより電気モータが回転して変換機構が直線移動する。変換機構が直線移動することにより、車輪が凸部に乗り上げるときにバネ上部材の上昇速度が所定の上昇速度に達しているようにアクチュエータが伸長する。また、車輪が凸部に乗り上げたときに電気モータへの通電が遮断されることにより、電気モータはフリー状態(電気モータが駆動力を発生せず、且つ外部入力に対する減衰力(抵抗力)もほとんど発生しない状態)になる。電気モータが駆動力も減衰力も発生しない場合、車輪が凸部に乗り上げることにより生じるバネ下部材の上下速度がバネ上部材にほとんど伝達されない。よって、凸部乗り上げ時におけるバネ上上下速度の変化が抑えられて乗り心地が向上する。また、車輪が凸部に乗り上げるときにバネ上部材は上昇しているので、電気モータがフリー状態になることによってバネ上部材が落ち込むことが防止される。
車輪が凸部に乗り上げたときに、電気モータがフリー状態になり、且つバネ上部材の上昇速度が、車輪が凸部に乗り上げることにより生じるバネ下部材の上昇速度と等しい速度である場合、車輪が凸部に乗り上げたときに相対速度が0になって、結果的に電気モータが停止する。電気モータが停止するので、バネ下上下速度がバネ上部材に伝達されない。よってこの場合、車輪が凸部に乗り上げるときの乗り心地がより一層向上する。
図1は、サスペンション装置を示す概略図である。 図2は、サスペンション本体の概略図である。 図3は、アクチュエータの内部構造を示す概略断面図である。 図4は、プレビューセンサによって路面の起伏情報を検出する方法の一例を示す図である。 図5は、サスペンションECUおよび駆動回路による電気モータの制御構成を示す図である。 図6は、レーザ光の照射角度、路面高さ、プレビューセンサの取り付け高さ、プレビューセンサと車輪との間の走行方向に沿った距離の幾何学的関係を示す図である。 図7は、アクチュエータを制御するためにサスペンションECUが実行するルーチンを表すフローチャートである。 図8は、乗り上げ角度Θを示す図である。 図9は、第1実施形態に係る凸部乗り上げ制御ルーチンを表すフローチャートである。 図10は、距離−速度マップを示す図である。 図11は、距離−速度マップから得られる距離Laと目標バネ上上昇速度Vu*との関係を表すグラフである。 図12は、サスペンションECUが第1実施形態に係る凸部乗り上げ制御を実行したときの、制御開始時から車輪が凸部Aに乗り上げるまでの車両の挙動と、バネ下上下速度Vdの変化、バネ上上下速度Vuの変化、ストローク速度Vsの変化、バネ上上下変位Xuの変化、ストローク変位Xsの変化、バネ上上下加速度Guの変化とを併記したグラフである。 図13は、第2実施形態に係る凸部乗り上げ制御ルーチンを表すフローチャートである。 図14は、第1マップおよび第2マップを示す図である。 図15は、サスペンションECUが第2実施形態に係る凸部乗り上げ制御を実行したときの、制御開始時から車輪が凸部Aに乗り上げるまでの車両の挙動と、バネ下上下速度Vdの変化、バネ上上下速度Vuの変化、ストローク速度Vsの変化、バネ上上下変位Xuの変化、ストローク変位Xsの変化、バネ上上下加速度Guの変化とを併記したグラフである。
以下、本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るサスペンション装置を示す概略図である。
このサスペンション装置は、4組のサスペンション本体10FR,10FL,10RR,10RLと、各サスペンション本体10FR,10FL,10RR,10RLの作動を制御するサスペンションECU50とを備える。4組のサスペンション本体10FR,10FL,10RR,10RLは、各車輪(右前輪WFR,左前輪WFL,右後輪WRR,左後輪WRL)に連結されたバネ下部材とバネ上部材との間にそれぞれ介装される。以下、4組のサスペンション本体10FR,10FL,10RR,10RLおよび車輪WFR,WFL,WRR,WRLについては、単にサスペンション本体10および車輪Wと総称する。
図2は、サスペンション本体10の概略図である。図2に示されるように、サスペンション本体10は、並列的に配置されたコイルスプリング20および電動アクチュエータ30を備える。コイルスプリング20は、車輪Wに連結されるロアアームLA(バネ下部材)と車体B(バネ上部材)との間に設けられ、路面から受ける衝撃を吸収し乗り心地を高めるとともに車体Bを弾性的に支持する。コイルスプリング20の上部側、つまり車体B側の部材を「バネ上部材」と呼び、コイルスプリング20の下部側、つまり車輪W側の部材を「バネ下部材」と呼ぶ。
図3は、電動アクチュエータ30の内部構造を示す概略断面図である。図3に示されるように、電動アクチュエータ30は、電気モータ31と、電気モータ31の回転運動を直線運動に変換するボールネジ機構35を有する。電気モータ31は、モータケーシング311と、中空状の回転軸312と、永久磁石313と、極体314とを備える。モータケーシング311は円筒状に形成され、電気モータ31の外壁を構成する。回転軸312はモータケーシング311内に配設され、軸受331によりモータケーシング311に回転可能に支持される。回転軸312の外周面に永久磁石313が固定される。回転軸312や永久磁石313が電気モータ31のロータを構成する。永久磁石313に対向するように極体314(コアにコイルが巻回されたもの)が、モータケーシング311の内周面に固定される。モータケーシング311や極体314が電気モータ31のステータを構成する。
ボールネジ機構35は、ボールネジロッド36と、ボールネジロッド36に形成された雄ネジ部分37に螺合するボールネジナット38とを備える。ボールネジロッド36は、回り止め機構40により、その軸方向移動が許容されつつその回転が規制される。また、ボールネジナット38はその上端面にて回転軸312の下端に連結されているとともに、軸受け332により回転軸312と一体回転可能にモータケーシング311に支持される。したがって、回転軸312が回転した場合、この回転駆動力がボールネジナット38に伝達される。ボールネジナット38の回転運動はボールネジロッド36の直線運動に変換される。
また、図2に示すように、電気モータ31のモータケーシング311に取付ブラケット41が連結される。取付ブラケット41の上面には、車体Bに連結された弾性材料からなるアッパーサポート42が取り付けられる。アッパーサポート42を介して、電動アクチュエータ30がバネ上部材側に弾性的に連結される。
電動アクチュエータ30は、ボールネジロッド36の軸方向に沿った直線運動により伸縮する。電動アクチュエータ30が伸縮することにより、バネ上部材とバネ下部材との間の間隔が変化させられる。また、電動アクチュエータ30の伸縮は、図示しないストッパにより規制される。したがって、電動アクチュエータ30は、ストッパにより規制される範囲内で伸縮する。
コイルスプリング20は、バネ下部材(ロアアームLA)に連結されるボールネジロッド36の外周面に設けられた環状のリテーナ43と、バネ上部材(車体B)に連結される取付ブラケット41との間に介装される。
図1に示すように、複数のバネ上上下加速度センサ61,複数のバネ下上下加速度センサ62,複数のストロークセンサ63,車速センサ64,プレビューセンサ65R,65Lが車両に取り付けられている。各バネ上上下加速度センサ61は、バネ上部材の各サスペンション本体10が取り付けられている付近に配置されており、その位置においてバネ上部材に上下方向に作用する加速度(バネ上上下加速度)Guを検出する。
各バネ下上下加速度センサ62は、各サスペンション本体10に連結された各バネ下部材に取り付けられており、その位置において各バネ下部材に上下方向に作用する加速度(バネ下加速度)Gdを検出する。各ストロークセンサ63は各サスペンション本体10の付近に取り付けられており、各電動アクチュエータ30の伸縮量(ストローク量)Xsを検出する。車速センサ64は車両の車速Vを検出する。
プレビューセンサ65Rは、車両走行時に右輪が走行する前方路面の起伏に関する情報を検出(取得)し、検出した起伏情報をサスペンションECU50に出力する。プレビューセンサ65Lは、車両走行時に左輪が走行する前方路面の起伏に関する情報を検出(取得)し、検出した起伏情報をサスペンションECU50に出力する。以降の説明において、プレビューセンサ65R、65Lを区別しない場合は、これらを総称してプレビューセンサ65と称する。
図4は、プレビューセンサ65によって路面の起伏情報を検出する方法の一例を示す図である。図に示すように、プレビューセンサ65は、レーザ光を出射する出射部651と、出射部651から出射されたレーザ光の反射光を受光する受光部652と、受光部652に入射するレーザ光に基づいて路面の起伏情報を演算する演算部653とを有する。
図4(a)は、プレビューセンサ65の出射部651から出射されたレーザ光が路面Rの地点P1を照射している状態を示す。地点P1に照射されたレーザ光の反射光が受光部652に受光される。受光部652に入射する反射光の入射角度はα1により表わされる。
図4(b)は、プレビューセンサ65の出射部651から出射されたレーザ光が路面Rに形成された高さHの凸部Aの頂部(地点P2)を照射している状態を表す。地点P2に照射されたレーザ光の反射光が受光部652に受光される。受光部652に入射する反射光の入射角度がα2により表わされる。
図4(a)と図4(b)とを比較してわかるように、レーザ光の照射地点の高さによって、受光部652に入射する反射光の入射角度の大きさが異なる。演算部653は、受光部652に入射する反射光の入射角度を入力するとともに、入力した入射角度に基づいて、レーザ光の照射地点の高さを演算する。
図4において、車両の走行方向がx軸により、車幅方向がy軸により、高さ方向がz軸により表わされる。プレビューセンサ65は、y方向にレーザ光を走査することにより、あるいは、y方向に広がるライン光を路面に照射することにより、車輪が通る路面の起伏情報を演算することができる。なお、プレビューセンサによる路面の起伏情報の検出手法は周知であるので、その他の方法を用いてプレビューセンサにより路面の起伏情報を検出してもよい。
図1に示すように、バネ上上下加速度センサ61、バネ下上下加速度センサ62、ストロークセンサ63、車速センサ64、プレビューセンサ65は、サスペンションECU50に電気的に接続されており、各センサにより検出された信号がサスペンションECU50に入力される。また、サスペンションECU50は、各サスペンション本体10毎に設けられた駆動回路70に電気的に接続される。各サスペンション本体10の各電動アクチュエータ30の各電気モータ31は、各駆動回路70を介してサスペンションECU50により制御される。各駆動回路70は、車載バッテリなどの蓄電装置110に電気的に接続される。
図5は、サスペンションECU50および駆動回路70による電気モータ31の制御構成を示す図である。駆動回路70は3相インバータ回路を構成し、電気モータ31(本実施形態では3相ブラシレスモータが用いられる)の3相の電磁コイルCL1,CL2,CL3にそれぞれ対応したスイッチング素子SW11,SW12,SW21,SW22,SW31,SW32を有する。これらのスイッチング素子は、サスペンションECU50からの制御信号に基づきデューティ制御される(PWM制御)。これにより電気モータ31が通電制御される。
サスペンションECU50は、CPU,ROM,RAM,メモリなどを有するマイクロコンピュータにより構成される。サスペンションECU50は、車両走行中に、プレビューセンサ65により検出された走行路面の起伏情報を逐次入力するとともに、入力した起伏情報に基づいて電動アクチュエータ30を制御する。サスペンションECU50が入力する起伏情報は、レーザ光の照射地点の高さ(路面高さ)Hと、照射地点からその照射地点を通る車輪までの距離Lを含む。
路面高さHは上述のように、プレビューセンサ65からのレーザ光の照射地点で反射した反射光が受光部652に入射する角度(入射角度)に基づいて、演算部653により演算される。距離Lは、例えば図6に示すように、レーザ光の照射角度φ(既知)、路面高さH、プレビューセンサ65の取り付け高さD(既知)、プレビューセンサ65と車輪Wとの間の走行方向に沿った距離X(既知)に基づいて幾何学的演算により求められる。距離Lも演算部653により演算される。
また、サスペンションECU50は、逐次入力する路面高さHが変化したとき、特に、前回取得した路面高さH1と今回取得した路面高さH2との差(H2−H1)が予め設定した微小な値よりも大きいときに、プレビューセンサ65が路面に形成された凸部に関する起伏情報を検出(取得)したと判断する。サスペンションECU50は、プレビューセンサ65が路面に形成された凸部に関する情報を検出したときに、図7に示す制御ルーチンを実行することにより、その凸部を将来通過する車輪に連結されたバネ下部材とバネ上部材との間に配設された電動アクチュエータ30を制御する。
図7は、プレビューセンサ65が路面に形成された凸部に関する情報を検出したときに、電動アクチュエータ30を制御するためにサスペンションECU50が実行するルーチンを表すフローチャートである。このルーチンは、各サスペンション本体10の電動アクチュエータ30のそれぞれに対して独立して実行される。具体的には、サスペンションECU50は、プレビューセンサ65Rが路面に形成された凸部に関する起伏情報を検出したと判断したときに、サスペンション本体10FRおよび10RRの電動アクチュエータ30を制御するために図7のルーチンを実行する。また、サスペンションECU50は、プレビューセンサ65Lが路面に形成された凸部に関する起伏情報を取得したと判断したときに、サスペンション本体10FLおよび10RLの電動アクチュエータ30を制御するために図7のルーチンを実行する。
このルーチンが起動すると、サスペンションECU50は、図7のステップ(以下、ステップをSと略記する)10にて、電動アクチュエータ30の制御に必要な凸部に関する起伏情報を取得する。この起伏情報は路面高さHおよび距離Lを含む。
次いで、サスペンションECU50は、S12にて、車速センサ62から現在の車速Vを入力する。続いて、距離Lを車速Vで除算することにより到達予測時間T*を演算する(S14)。到達予測時間T*は、現在の車速Vが維持された場合に、車輪がサスペンションECU50によって凸部と判断された地点に到達するまでの時間を表す。
次に、サスペンションECU50は、到達予測時間T*が必要時間T0以上であるか否かを判断する(S16)。必要時間T0は、本制御による電動アクチュエータ30の駆動が完了するまでに必要な時間として予め設定される。必要時間T0は、本実施形態においては、車両のバネ上部材の共振周波数がfである場合、1/(4f)であるのがよい。例えばバネ上共振周波数fが1Hzである場合、必要時間T0は0.25秒に設定される。到達予測時間T*が必要時間T0未満である場合(S16:No)、サスペンションECU50はこのルーチンを終了する。
到達予測時間T*が必要時間T0以上である場合(S16:Yes)、サスペンションECU50はS18に進み、乗り上げ角度Θを演算する。図8は、乗り上げ角度Θを示す図である。図に示すように、路面Rに高さHの凸部Aが形成されている場合、車輪Wがこの凸部Aに乗り上げるときには、車輪Wは凸部Aおよび路面Rの2点に接触する。ここで、車輪Wの中心をO点により、車輪Wと凸部Aとの接触点をP点により、車輪Wと路面Rの接触点をQ点により表わした場合、線分OPと線分OQとのなす角∠POQが乗り上げ角度Θである。
図8において、線分OPおよび線分OQは、車輪(タイヤ)Wの動荷重半径(車輪Wが回転しているときの車輪Wの半径)rに等しい。動荷重半径rは既知である。また、乗り上げ角度Θの余弦は以下の式により表わされる。
cosΘ=(r−H)/r
したがって、乗り上げ角度Θは以下の式により表わされる。
Θ=cos−1((r−H)/r)
サスペンションECU50は上式に基づいて乗り上げ角度Θを演算する。
サスペンションECU50は、乗り上げ角度Θを演算した後に、S20にて推定バネ下上昇速度Vdpを演算する。推定バネ下上昇速度Vdpとは、車輪が凸部に乗り上げることにより生じるバネ下上下速度の推定値である。なお、本明細書において、「上昇速度」は、「上下速度」のうち上方向に向かう速度を表す。
図8に示すように、車輪Wが凸部Aに接触した場合、車輪Wは凸部Aとの接触点であるP点を中心として回転して凸部Aに乗り上がる。このとき車輪Wの中心Oが、線分OPと直交する方向に車速Vの速さで移動する。図中のベクトルOSは、車輪が凸部Aに乗り上げるときにおける車輪Wの中心Oの速度ベクトルを表す。この速度ベクトルOSを車両の進行方向(水平方向)に向かう速度成分と上方向に向かう速度成分に分解した場合、上方向に向かう速度成分の大きさはVsinΘにより表わされる。したがって、車輪が凸部Aに乗り上げるときにおける車輪の上昇速度はVsinΘにより表わされる。
また、車輪の上昇速度は、その車輪に連結されたバネ下部材に伝達される。よって、車輪が凸部Aに乗り上げることにより生じるバネ下部材の上昇速度(バネ下上昇速度)はVsinΘにより表わされる。サスペンションECU50は、車速VにsinΘを乗じることにより、推定バネ下上昇速度Vdpを演算する。
次いで、サスペンションECU50は、S22にて、推定バネ下上昇速度Vdpが下限速度Vdminよりも大きいか否かを判断する。下限速度Vdminは、車輪が凸部に乗り上げる際に電動アクチュエータ30を制御する必要があるか否かを判断するための閾値速度として予め設定される。推定バネ下上昇速度Vdpが下限速度Vdmin以下である場合(S22:No)は、サスペンションECU50は、車輪が凸部に乗り上げるときに電動アクチュエータ30を制御する必要がないと判断する。この場合、サスペンションECU50は、このルーチンを終了する。
また、推定バネ下上昇速度Vdpが下限速度Vdminよりも大きい場合(S22:Yes)は、サスペンションECU50は、S24にて推定バネ下上昇速度Vdpが上限速度Vdmax未満であるか否かを判断する。上限速度Vdmaxは、後述する凸部乗り上げ制御によって車輪が凸部に乗り上げたときにバネ上上下加速度を軽減することができるか否かを判断するための閾値速度として予め設定される。推定バネ下上昇速度Vdpが上限速度Vdmax以上である場合(S24:No)は、サスペンションECU50は、車輪が凸部に乗り上げたときにさほどバネ上上下加速度を軽減することができないと判断する。この場合、サスペンションECU50はS28に進み、このまま走行した場合には、車輪が凸部に接触することによって車体(バネ上部材)が大きく突き上げられることを表す警告をドライバーに報知する。ドライバーは、この警告報知を受けることにより車両を停止させて、車体の大きな突き上げを回避することができる。サスペンションECU50はその後、このルーチンを終了する。
一方、推定バネ下上昇速度Vdpが上限速度Vdmax未満である場合(S24:Yes)、サスペンションECU50はS26に進み、凸部乗り上げ制御を実行することにより、電動アクチュエータ30を制御する。
図9は、凸部乗り上げ制御ルーチンを表すフローチャートである。このルーチンが起動すると、サスペンションECU50は、まず図のS30にて、車速センサ62から、所定のサンプリング時間ΔTごとに現在の車速Vを取得する。次に、取得した車速Vにサンプリング時間ΔTを乗じることにより、サンプリング時間ΔTの間に車両が進んだ距離ΔLを演算する(S32)。なお、サンプリング時間ΔTは、到達予測時間T*よりもはるかに短い時間である。
次いで、サスペンションECU50は、S34にて、距離Lbに距離ΔLを加算することにより、凸部乗り上げ制御の開始時から車両が走行した距離Laを演算する。ここで、距離Lbは、前回このルーチンが実行されたときにS34にて演算された距離Laである。ただし、このルーチンの初回実行時は、距離Lbは0に設定される。続いて、S36にて、距離Laが距離L未満であるか否かを判断する。
距離Laが距離L未満である場合(S36:Yes)は、車輪が未だ凸部に乗り上げていない。つまり、距離Laが距離L未満であるときは、車両は、プレビューセンサ65が凸部に関する起伏情報を検出してから車輪が凸部に乗り上げるまでの間の地点を走行している。この場合、サスペンションECU50はS38に進み、現在の距離Laに対応する目標バネ上上昇速度Vu*を取得する。目標バネ上上昇速度Vu*は、車輪が凸部に乗り上げたときにバネ上部材が推定バネ下上昇速度Vdpと等しい上昇速度で上昇しているように、プレビューセンサ65が凸部に関する起伏情報を検出してから車輪が凸部に乗り上げる直前までの間に設定されるバネ上上昇速度の目標値である。この目標バネ上上昇速度Vu*は、距離Laが長くなるに連れて(すなわち車輪が凸部に近づくにつれて)、推定バネ下上昇速度Vdpとの差が徐々に小さくなるように設定される。本実施形態では、目標バネ上上昇速度Vu*は、距離Laと目標バネ上上昇速度Vu*との関係を表すマップ(距離−速度マップ)から取得される。
図10に距離−速度マップの一例を示す。この図に示す例では、距離Laが距離Lにより表わされ、目標バネ上上昇速度Vu*が推定バネ下上昇速度Vdpにより表わされる。図10からわかるように、距離Laが長くなるにつれて(車輪が凸部に近づくにつれて)目標バネ上上昇速度Vu*は徐々に増加するが、目標バネ上上昇速度Vu*が推定バネ下上昇速度Vdpを越えることはない。推定バネ下上昇速度Vdpは固定値であるので、距離Laが長くなるにつれて目標バネ上上昇速度Vu*が増加するということは、距離Laが長くなるにつれて目標バネ上上昇速度Vu*と推定バネ下上昇速度Vdpとの差が小さくなることを表す。
図11は、図10の距離−速度マップから得られる距離Laと目標バネ上上昇速度Vu*との関係を表すグラフである。図11に示すように、距離Laが小さいときは、距離Laの増加に対する目標バネ上上昇速度Vu*の増加率は多いが、距離Laが大きいときは、距離Laの増加に対する目標バネ上上昇速度Vu*の増加率が小さい。距離Laと目標バネ上上昇速度Vu*との関係は、例えばサイン曲線(ただし、0〜π/2の区間)で表わすことができる。
サスペンションECU50は、S38にて距離−速度マップを参照して目標バネ上上昇速度Vu*を取得した後に、S40にて、実際のバネ上上下速度Vuを目標バネ上上昇速度Vu*に一致させるために必要な電気モータ31の回転角速度(目標回転角速度ω*)を演算する。ここで、電気モータ31の回転角速度は電動アクチュエータ30の伸縮速度(ストローク速度)Vsを表す。電動アクチュエータ30が伸縮することによりバネ上部材とバネ下部材との間の上下間隔が変化させられるから、ストローク速度Vsはバネ上上下速度(バネ上上昇速度)とバネ下上下速度(バネ下上昇速度)との差、すなわち相対速度を表す。よって、サスペンションECU50は、S40にて、目標バネ上上昇速度Vu*と実際のバネ下上下速度Vdとの差(Vu*−Vd)と、実際のバネ上上下速度Vuと実際のバネ下上下速度Vdとの差(Vu−Vd)とに基づいて、実際のバネ上上下速度Vuを目標バネ上上昇速度Vu*に一致させるために必要なストローク速度(目標ストローク速度)Vs*を演算し、演算した目標ストローク速度Vs*に基づいて目標回転角速度ω*を演算する。なお、実際のバネ上上下速度Vuはバネ上上下加速度センサ61により検出されたバネ上上下加速度Guを時間積分することにより、実際のバネ下上下速度Vdはバネ下上下加速度センサ62により検出されたバネ下上下加速度Gdを時間積分することにより求められる。
S40にて目標回転角速度ω*を演算した後は、サスペンションECU50は、電気モータ31の回転角速度ωが目標回転角速度ω*と一致するように、制御信号を対応する駆動回路70に出力する(S42)。この制御信号に基づいて、電気モータ31の回転駆動が制御される。こうした制御により電気モータ31が回転すると、その回転運動はボールネジ機構35により直線運動に変換されて、ボールネジロッド36が軸方向移動する。ボールネジロッド36の軸方向移動によって、バネ上上下速度が目標バネ上上昇速度Vu*と一致するように電動アクチュエータ30が伸長する。次いで、サスペンションECU50は、距離Laを距離Lbに代入することによって距離Lbを更新する(S44)。その後、S30に戻り、上記した制御を繰り返す。
サスペンションECU50が上記した制御を実行することにより、距離Laが距離L未満である間、すなわちプレビューセンサ65が凸部に関する起伏情報を取得してから車輪が凸部に乗り上げる直前までの期間に亘り、バネ上上下速度が目標バネ上上昇速度Vu*に一致するように電動アクチュエータ30が駆動力を発生して伸長する。目標バネ上上昇速度Vu*は上記したように、車輪が凸部に近づくにつれて推定バネ下上昇速度Vdpを越えない範囲で徐々に増加する。よって、プレビューセンサ65が凸部に関する起伏情報を取得してから車輪が凸部に乗り上げる直前の時点までの期間に亘る電動アクチュエータ30の上記制御によって電動アクチュエータ30が駆動力を発生して伸長することにより、バネ上部材の上昇速度が徐々に増加する。そして、車輪が凸部に乗り上げるときには、バネ上部材は既に推定バネ下上昇速度Vdpと等しい上昇速度で上昇している。
また、S36にて、距離Laが距離L未満ではないと判断した場合(S36:No)、すなわち距離Laが距離Lと等しくなり、車輪が凸部に乗り上げたと判断した場合、サスペンションECU50はS46に進み、通電遮断信号を駆動回路70に出力する。駆動回路70が通電遮断信号を受けることにより、例えばすべてのスイッチング素子(SW11,SW21,SW31,SW12,SW22,SW32)がOFF状態にされる。これにより電気モータ31への通電が遮断される。
電気モータ31への通電が遮断された場合、電気モータ31は回転駆動力を発生しない。また、外部からの入力に対する減衰力(抵抗力)も実質的に発生しない。このような状態を、本明細書ではフリー状態と呼ぶ。その後、サスペンションECU50はこのルーチンを終了する。
図12は、サスペンションECU50が上記した凸部乗り上げ制御を実行したときの、制御開始時(プレビューセンサ65が凸部に関する起伏情報を検出したとき)から車輪(図では前輪)が凸部Aに乗り上げるまでの車両の挙動と、バネ下上下速度Vdの変化、バネ上上下速度Vuの変化、ストローク速度Vsの変化、バネ上部材の上下方向に沿った変位(バネ上上下変位)Xuの変化、ストローク変位Xsの変化、バネ上上下加速度Guの変化とを併記したグラフである。グラフの横軸は、制御開始時(La=0)から車輪が凸部Aに乗り上げるとき(La=L)までの距離を表す。
バネ下上下速度Vdは、バネ下上下加速度センサ62により検出されたバネ下上下加速度Gdを時間積分することにより求められる。バネ下上下速度Vdは、制御開始時(La=0)から車輪が凸部Aに乗り上げる直前までは、0である。車輪が凸部Aに乗り上げたとき(La=L)は、その乗り上げによりバネ下上下速度は0から推定バネ下上昇速度Vdpまで急激に変化する。
バネ上上下速度(バネ上上昇速度)Vuは、バネ上上下加速度センサ61により検出されたバネ上上下加速度Guを時間積分することにより求められる。図に示すように、バネ上上下速度Vuは、制御開始時(La=0)から車輪が凸部Aに乗り上げる直前までの間に亘り、車輪が凸部Aに近づくにつれて(Laが大きくなるにつれて)徐々に推定バネ下上昇速度Vdpとの差が小さくなるように、増加する。車輪が凸部Aに乗り上げる直前時点におけるバネ上上下速度Vuは、推定バネ下上昇速度Vdpにほぼ等しい。
車輪が凸部Aに乗り上げる直前までに電動アクチュエータ30が駆動力を発生して伸長することによってバネ上部材の上昇速度が増加させられるため、車輪が凸部Aに乗り上げたときには、バネ上部材の上昇速度は既に推定バネ下上昇速度Vdpに等しい速度に達している。したがって、車輪が凸部Aに乗り上げることによりバネ下部材が突き上げられた場合、その突き上げがバネ上部材に作用することによるバネ上上下速度の変化は、バネ上部材が上昇している分だけ軽減される。特に本実施形態によれば、車輪が凸部Aに乗り上げたときに、バネ上部材は、車輪が凸部Aに乗り上げることにより生じるバネ下部材の上昇速度と等しい上昇速度で上昇している。よって、車輪が凸部Aに乗り上げたときにバネ上部材とバネ下部材が同じ速度で上昇する。このためバネ上部材の上昇速度はバネ下部材の上昇速度の影響を受けない。よって、バネ上上下速度はほとんど変化しない。
また、車輪が凸部Aに乗り上げたときは、電気モータ31がフリー状態になるので、電気モータ31(電動アクチュエータ30)は駆動力も減衰力も発生しない。したがって、車輪が凸部Aに乗り上げることにより生じるバネ下部材の上下速度がバネ上部材に伝達されない。このため車輪が凸部Aに乗り上げたときも、バネ上部材は車輪が凸部に乗り上げる直前における上昇速度を維持することができる。
このように、車輪が凸部Aに乗り上げる前後でバネ上上下速度がほとんど変化しないため、図に示すように、車輪が凸部Aに乗り上げる時点でのバネ上上下加速度Guは小さい。バネ上上下加速度Guが小さいということは、凸部Aへの乗り上げ時にドライバーに与えるショックが小さいことを意味する。すなわち、本実施形態で説明した制御を実行した場合、凸部Aへの乗り上げ時における乗り心地が向上する。
ストローク速度Vsは、ストロークセンサ63により検出されたストローク変位Xsを時間微分することにより求められる。ストローク速度Vsは、バネ上上下速度Vuとバネ下上下速度Vdとの差(Vu−Vp)を表す。ストローク速度Vsは、制御開始時(La=0)から車輪が凸部Aに乗り上げる直前までは、バネ上上下速度Vuと等しい。また、車輪が凸部Aに乗り上げたときには電気モータ31がフリー状態になるので、上記したように車輪が凸部Aに乗り上げることにより生じるバネ下部材の上昇速度がバネ上部材に伝達されない。よって、車輪が凸部Aに乗り上げたときにおけるストローク速度Vsは、車輪が凸部Aに乗り上げる直前までの間に電動アクチュエータ30が伸長することにより発生されたバネ上部材の上昇速度と、車輪が凸部Aに乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度との差により表わされる。両速度は等しいので、ストローク速度Vsが0になる。ストローク速度Vsが0であるので、車輪が凸部Aに乗り上げるときは電気モータ31の回転は停止する。
すなわち、本制御によれば、車輪が凸部に乗り上げる直前時点までの電動アクチュエータ30の伸長によって、車輪が凸部に乗り上げたときにバネ上上下速度Vuが推定バネ下上昇速度Vdpにまで達し、且つ、車輪が凸部に乗り上げたときに電気モータ31をフリー状態にすることにより、ストローク速度Vsが0になるように、電動アクチュエータ30が制御される。このような制御によって、車輪が凸部に乗り上げたときに、バネ上部材とバネ下部材が同じ速度で上昇する。また、車輪が凸部に乗り上げる前後でのバネ上上下速度の変化が最小(例えば0)にされる。その結果、車輪が凸部に乗り上げるときにおけるバネ上上下加速度Guが小さくなって、乗り心地が向上する。
バネ上上下変位Xuは、バネ上上下速度Vuを時間積分することにより求められる。バネ上上下変位Xuは、制御開始直後は二次曲線的に増加する。また、バネ上上下変位Xuは、車輪が凸部Aに乗り上げる付近で直線的に増加する。ストローク変位Xsは、制御開始時から車輪が凸部Aに乗り上げる直前までは、バネ上上下変位Xuと同様に変化する。また、車輪が凸部Aに乗り上げる際には、電気モータ31の回転角速度が0にされるために、ストローク変位Xsは一定である。
また、本実施形態の凸部乗り上げ制御は、図7のS16にて到達予測時間T*が必要時間T0以上であるときに実行され得る。必要時間T0は上述のように、1/(4f)(fはバネ上共振周波数)である。ここで、図12に示すようにバネ上部材の上昇速度(バネ上上下速度Vu)の変化をサイン曲線で表した場合、制御開始時から車輪が凸部に乗り上げるまでの時間(到達予測時間)はバネ上上下速度の振動周期の1/4の区間に相当する。
到達予測時間T*(バネ上上下速度の振動周期)が1/(4f)以上であるということは、バネ上部材の上昇速度(バネ上上下速度)の時間変化を例えばサイン曲線のような周期関数で表わした場合、その周期関数の周波数がバネ上共振周波数以下であることを表す。例えばバネ上共振周波数fが1Hzであるとすれば、制御開始から車輪が凸部に乗り上げるまでの時間(到達予測時間T*)が0.25秒(1/(4f))以上であるときに、S16の判断結果がYesとなって、凸部乗り上げ制御が実行される。
すなわち、本実施形態では、電動アクチュエータ30が伸長を開始してから車輪が前記凸部に乗り上げるまでの間におけるバネ上部材の上昇速度の振動周波数がバネ上共振周波数以下の周波数となるように、電動アクチュエータ30が制御される。したがって、制御開始から車輪が凸部に乗り上げる直前までの間におけるバネ上部材の上昇速度は、その振動周波数がバネ上共振周波数以下となるようにゆっくりと変化する。このように車輪が凸部に乗り上げる前から乗り上げるまでバネ上部材がゆっくりと上昇するので、この間における乗り心地が向上する。
上記第1実施形態では、制御開始から車輪が凸部に乗り上げる直前までバネ上上下速度Vuが増加し続けるので、それに伴いストローク変位Xsも増加し続ける。また、電動アクチュエータ30の伸縮範囲はストッパにより規制されているので、ストローク変位Xsが増加し続けたときにストッパによって電動アクチュエータ30の伸長が制限される可能性がある。
凸部乗り上げ制御の実施中にストッパにより電動アクチュエータ30の伸長が制限された場合、凸部乗り上げ制御による乗り心地の向上効果が達成され得ない。したがって、凸部乗り上げ制御中には、ストッパにより電動アクチュエータ30の伸長が制限されないように電動アクチュエータ30を制御するのがよい。
図13は、本発明の第2実施形態に係る凸部乗り上げ制御ルーチンを表すフローチャートである。この凸部乗り上げ制御ルーチンは図7のS26にて実行される。この凸部乗り上げ制御ルーチンによれば、電動アクチュエータ30の伸長がストッパにより制限されないように、電動アクチュエータ30が制御される。このルーチンは、推定バネ下上昇速度Vdpが基準速度V1よりも大きいか否かによって、目標バネ上上昇速度Vu*を取得するために参照するマップが異なる点を除いて、基本的には図9に示すルーチンと同一である。
このルーチンが起動すると、サスペンションECU50は、まず所定のサンプリング時間ΔTごとに現在の車速Vを取得する(S50)。次いで、取得した車速Vとサンプリング時間ΔTを乗じることにより距離ΔLを演算する(S52)。続いて、距離ΔLに距離Lbを加算することにより距離Laを演算する(S54)。
次にサスペンションECU50は、距離Laが距離Lよりも小さいか否かを判断する(S56)。距離Laが距離Lよりも小さい場合(S56:Yes)は、S57にて、推定バネ下上昇速度Vdpが基準速度V1よりも大きいか否かを判断する。推定バネ下上昇速度Vdpが大きい場合、バネ上部材の上昇速度を推定バネ下上昇速度Vdpに等しい速度まで上昇させるために必要なストローク変位Xsが大きくなり過ぎて、電動アクチュエータ30の伸長がストッパにより制限される可能性が高い。一方、推定バネ下上昇速度Vdpが小さい場合、ストローク変位Xsはさほど大きくならずに、電動アクチュエータ30の伸長がストッパにより制限される可能性が低い。基準速度V1は、電動アクチュエータ30の伸長がストッパにより制限されるか否かの閾値の速度として、予め定められる。
推定バネ下上昇速度Vdpが基準速度V1よりも大きい場合(S57:Yes),サスペンションECU50は、S58にて、第1マップを参照して、現在の距離Laに対応する目標バネ上上昇速度Vu*を取得する。一方、推定バネ下上昇速度Vdpが基準速度V1以下である場合(S57:No)、サスペンションECU50は、S59にて、第2マップを参照して、現在の距離Laに対応する目標バネ上上昇速度Vu*を取得する。
図14に、第1マップおよび第2マップを示す。第2マップに示す距離Laと目標バネ上上昇速度Vu*との対応関係は、図10の距離−速度マップに示す距離Laと目標バネ上上昇速度Vu*との対応関係と同一である。第1マップに示す距離Laと目標バネ上上昇速度Vu*との対応関係は、図10に示す距離−速度マップに示す距離Laと目標バネ上上昇速度Vu*との対応関係とは異なる。
第1マップによれば、距離Laが小さいとき(図において距離Laが0〜0.3Lのとき)は、目標バネ上上昇速度Vu*が負の値であり、距離Laが大きいとき(図においては距離Laが0.4L〜0.9Lのとき)は、目標バネ上上昇速度Vu*が正の値である。一方、第2マップによれば、距離Laが小さくても大きくても、目標バネ上上昇速度Vu*は正の値である。なお、推定バネ下上昇速度Vdpは正の値である。また、上方向に向かう目標バネ上上昇速度が正の速度で表わされ、下方向に向かう目標バネ上上昇速度が負の速度で表わされる。
第1マップを参照した場合、凸部乗り上げ制御の初期(距離Laが小さいとき)にはバネ上部材が下降し、時間が経過するにつれてバネ上部材が上昇するように、目標バネ上上昇速度が設定される。一方、第2マップを参照した場合、凸部乗り上げ制御の開始時から車輪が凸部に乗り上げる直前までの間、バネ上部材が常に上昇するように、目標バネ上上昇速度が設定される。
S58またはS59にて目標バネ上上昇速度Vu*を取得した後に、サスペンションECU50は、取得した目標バネ上上昇速度Vu*に基づいて、電気モータ31の目標回転角速度ω*を演算する(S60)。次いで、電気モータ31が目標回転角速度ω*で回転するように、制御信号を電気モータ31の駆動回路70に出力する(S62)。これにより電気モータ31の回転駆動が制御され、バネ上上下速度が目標バネ上上昇速度Vu*と一致するように、電動アクチュエータ30が伸縮する。続いて、距離Laを距離Lbに代入することにより距離Lbを更新する(S64)。その後、S50に戻り、上記の制御を繰り返す。
また、S56にて、距離Laが距離L未満ではないと判断した場合(S56:No)、すなわち距離Laが距離Lと等しくなり、車輪が凸部に乗り上げたと判断した場合、サスペンションECU50はS66に進み、通電遮断信号を駆動回路70に出力する。駆動回路70が通電遮断信号を受けることにより、例えばすべてのスイッチング素子がOFF状態にされる。これにより電気モータ31への通電が遮断されて、電気モータ31がフリー状態になる。その後、サスペンションECU50はこのルーチンを終了する。
このような制御により、推定バネ下上昇速度Vdpが基準速度V1よりも大きいときは、凸部乗り上げ制御の初期にバネ上部材が一旦降下し、その後に上昇するように、電動アクチュエータ30が制御される。また、車輪が凸部に乗り上げる直前にバネ上部材の上昇速度が推定バネ下上昇速度Vdpに近い(または等しい)速度にまで達するように、電動アクチュエータ30が制御される。
図15は、推定バネ下上昇速度Vdpが基準速度V1よりも大きい場合に、サスペンションECU50が図13に示した凸部乗り上げ制御を実行したときの、制御開始から車輪(図では前輪)が凸部Aに乗り上げるまでの車両の挙動と、バネ下上下速度Vdの変化、バネ上上下速度Vuの変化、ストローク速度Vsの変化、バネ上上下変位Xuの変化、ストローク変位Xsの変化、バネ上上下加速度Guの変化を併記したグラフである。グラフの横軸は、制御開始時(La=0)から車輪が凸部Aに乗り上げるとき(La=L)までの距離を表す。
図に示すように、バネ下上下速度Vdは、制御開始(La=0)から前輪が凸部Aに乗り上げる直前までは、0である。前輪が凸部Aに乗り上げたとき(La=L)は、バネ下上下速度Vdは0から推定バネ下上昇速度Vdpまで急激に変化する。
バネ上上下速度Vuは、制御開始初期(距離Laが小さいとき)は負の値であり、その後、正の値に変化する。そして、車輪が凸部Aに乗り上げたときは、バネ上上下速度Vuは推定バネ下上昇速度Vdpにほぼ等しい。
ストローク速度Vsは、バネ上上下速度Vuと同様に、制御開始初期は負の値である。その後、正の値に変化する。よって、電動アクチュエータ30は、制御開始初期に収縮し、その後伸長する。また、車輪が凸部Aに乗り上げる直前では、ストローク速度Vsは推定バネ下上昇速度Vdpとほぼ等しい大きさである。車輪が凸部Aに乗り上げたとき(La=L)は、電気モータ31がフリー状態になるので、車輪が凸部Aに乗り上げることにより生じるバネ下部材の上昇速度がバネ上部材に伝達されない。よって、車輪が凸部Aに乗り上げたときにおけるストローク速度Vsは、車輪が凸部Aに乗り上げる直前までの間に電動アクチュエータ30が伸長することにより発生するバネ上部材の上昇速度と、車輪が凸部Aに乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度との差により表わされる。両速度は等しいので、ストローク速度Vsが0になる。ストローク速度Vsが0であるので、車輪が凸部Aに乗り上げるときは電気モータ31の回転は停止する。
バネ上上下変位Xuは、制御開始初期は負の値である。つまり、制御開始初期はバネ上部材が下降する。その後、二次曲線的に増加し、前輪が凸部に乗り上げる直前では直線的に増加する。
また、ストローク変位Xsは、電動アクチュエータ30が基準長(ストローク変位Xsが0であるときの長さ)から収縮している場合に負の値で表わされ、伸長している場合に正の値で表わされる。図に示すように、ストローク変位Xsは、制御開始初期は負の値である。その後、二次曲線的に増加し(伸び)、車輪が凸部Aに乗り上げる直前では直線的に増加する。また、車輪が凸部Aに乗り上げたときに、ストローク速度Vsが0にされるので、ストローク変位Xsは一定である。
図からわかるように、本実施形態においても、車輪が凸部Aに乗り上げる前後でバネ上上下速度がほとんど変化しないため、車輪が凸部Aに乗り上げる時点でのバネ上上下加速度Guは小さい。したがって、本実施形態で説明した制御を実行した場合、凸部Aへの乗り上げ時における乗り心地が向上する。
また、凸部乗り上げ制御の開始直後は電動アクチュエータ30は一旦収縮し、その後徐々に伸長する。このため車輪が凸部に乗り上げるときにおける最終的な電動アクチュエータ30のストローク変位Xsは、最初に電動アクチュエータ30が縮んだ分だけ小さくされる。その結果、車輪が凸部に乗り上げる時点でのストローク変位Xsは、ストッパにより電動アクチュエータ30の伸長が制限される閾値のストローク変位である最大ストローク変位Xmax未満に抑えられる。このため電動アクチュエータ30の伸長がストッパにより制限されることが防止される。
以上、本発明の実施形態について説明した。第1および第2実施形態に示したサスペンション装置は、車両のバネ上部材と車輪に連結されたバネ下部材との間に介装され、伸縮することによってバネ上部材とバネ下部材との間の間隔を変化させる電動アクチュエータ30と、車両が走行しているときに車両の前方路面の起伏情報を取得するプレビューセンサ65と、プレビューセンサ65により取得された起伏情報に基づいて電動アクチュエータ30を制御するサスペンションECU50とを備える。また、サスペンションECU50は、プレビューセンサ65が路面に形成された凸部に関する起伏情報を取得したときに電動アクチュエータ30を制御する凸部乗り上げ制御部(S26)を備える。そして、凸部乗り上げ制御部(S26)は、プレビューセンサ65が凸部に関する起伏情報を取得したときから車輪が凸部に乗り上げる直前までの間の所定期間に亘り電動アクチュエータ30が伸長することによりバネ上部材の上昇速度が増加し、車輪が凸部に乗り上げたときに、それまでの電動アクチュエータ30の伸長によってバネ上部材の上昇速度が推定バネ下上昇速度Vdpに達しているように、上記所定期間に亘り電動アクチュエータ30を制御する。
第1および第2実施形態のサスペンション装置によれば、プレビューセンサ65が路面に形成された凸部に関する起伏情報を取得したときに、そのときから車輪が凸部に乗り上げる直前までの間の所定期間に亘り、電動アクチュエータ30が伸長してバネ上部材の上昇速度が増加する。このため車輪が凸部に乗り上げたときには、それまでの電動アクチュエータ30の伸長によってバネ上部材が推定バネ下上昇速度Vdpに達している。よって、車輪が凸部に乗り上げてバネ下部材が突き上げられた場合、その突き上げがバネ上部材に作用することによるバネ上上下速度の変化は、バネ上部材が推定バネ下上昇速度Vdpで上昇している分だけ軽減される。このため乗り心地が向上する。
また、凸部乗り上げ制御部(S26)は、車輪が凸部に乗り上げたときに、バネ上部材の上昇速度とバネ下部材の上昇速度との差である相対速度(ストローク速度Vs)の大きさが、それまでの電動アクチュエータ30の伸長によって得られているバネ上部材の上昇速度と、車輪が凸部に乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度との差により表わされる速度になるように、電動アクチュエータ30を制御する。このような制御により、車輪が凸部に乗り上げたときにバネ上部材の上昇速度はそれまでに電動アクチュエータ30の伸長により生じた上昇速度に維持される。このため車輪が凸部に乗り上げたときにおけるバネ上上下速度の変化が軽減されて、乗り心地が向上する。
また、凸部乗り上げ制御部(S26)は、車輪が凸部に乗り上げたときに、相対速度の大きさが0になるようにアクチュエータを制御する。このため、バネ下部材の上昇速度がバネ上部材の上昇速度の変化に影響を及ぼすことはない。よって、車輪が凸部に乗り上げたときにおけるバネ上上下速度の変化が軽減されて、乗り心地が向上する。
また、サスペンションECU50は、凸部に関する起伏情報に基づいて、車輪が凸部に乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度を推定するバネ下上昇速度推定部(S18,S20)を備える。そして、凸部乗り上げ制御部(S26)は、バネ下上昇速度推定部(S18、S20)により推定された推定バネ下上昇速度Vdpに基づいて、車輪が凸部に乗り上げるまでの所定期間に亘り電動アクチュエータ30が伸長することによりバネ上部材の上昇速度が増加し、車輪が前記凸部に乗り上げたときに、それまでの電動アクチュエータ30の伸長によってバネ上部材の上昇速度が推定バネ下上昇速度Vdpに達しているように、車輪が凸部に乗り上げる前の所定期間に亘り電動アクチュエータ30を制御する。このような制御によって、車輪が凸部に乗り上げたときのストローク速度Vsの大きさが0にされる。よって、凸部に乗り上げた時のバネ上上下加速度が小さくなって、乗り心地が向上する。
また、凸部乗り上げ制御部(S26)は、電動アクチュエータ30が伸長を開始してから車輪が凸部に乗り上げるまでの間におけるバネ上部材の上昇速度(バネ上上下速度Vu)の振動周波数がバネ上共振周波数以下であるときに、凸部乗り上げ制御を実行する。このため、電動アクチュエータ30が伸長を開始してから車輪が凸部に乗り上げるまでに、バネ上上下速度がバネ上共振周波数(例えば1Hz)以下の周波数でゆるやかに変化する。よって、車輪が凸部に乗り上げる前における乗り心地が向上する。
また、凸部乗り上げ制御部(S26)は、車輪が凸部に乗り上げる前の所定期間に亘り電動アクチュエータ30が駆動力を発生するように電動アクチュエータ30を制御し、車輪が凸部に乗り上げたときは、電動アクチュエータ30が駆動力を発生せず、且つ、外部入力に対する抵抗力もほとんど発生しないように、電動アクチュエータ30を制御する。つまり、凸部乗り上げ制御部(S26)は、車輪が凸部に乗り上げる前までは、電動アクチュエータ30をアクティブに制御し、車輪が凸部に乗り上げたときに、電動アクチュエータ30が力を発生しないように電動アクチュエータ30を制御する。これによれば、車輪が凸部に乗り上げたときに電動アクチュエータ30が駆動力も抵抗力(減衰力)も発生しないので、車輪が凸部に乗り上げることによるバネ下部材の上昇速度がバネ上部材側に伝達されることが妨げられる。このため車輪が凸部に乗り上げたときにバネ上上下速度の変化を抑えることができ、乗り心地が向上する。
また、電動アクチュエータ30は、通電することにより回転駆動する電気モータ31と、電気モータ31の回転運動を直線運動に変換するボールネジ機構35を備える。そして、凸部乗り上げ制御部(S26)は、車輪が凸部に乗り上げるまでの間の所定期間に亘り電気モータ31に通電することによりバネ上部材の上昇速度が徐々に増加するように電動アクチュエータ30を駆動させ(S42,S62)、車輪が凸部に乗り上げたときに電気モータ31への通電を遮断する(S46,S66)。これによれば、車輪が凸部に乗り上げる前から乗り上げる直前までの間の所定期間に亘り電気モータ31が通電されることにより、車輪が凸部に乗り上げるときにバネ上部材の上昇速度が推定バネ下上昇速度Vdpに達しているように電動アクチュエータ30が伸長する。また、車輪が凸部に乗り上げたときに電気モータ31への通電が遮断されることにより、電気モータ31はフリー状態になる。電気モータ31がフリー状態であるときは、減衰力をほとんど発生しないので、車輪が凸部に乗り上げることにより生じるバネ下上下速度がバネ上部材にほとんど伝達されない。よって、凸部乗り上げ時におけるバネ上上下速度の変化が抑えられて乗り心地が向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、車輪が凸部に乗り上げるまでにおける電動アクチュエータ30の伸長によって、車輪が凸部に乗り上げたときにバネ上部材の上昇速度が推定バネ下上昇速度Vdpに等しい速度に達しているように電動アクチュエータ30を制御する例を示したが、車輪が凸部に乗り上げたときに、バネ上部材が上昇速度を有していれば、本発明の効果を奏する。
また、上記実施形態では、車輪が凸部に乗り上げたときに、電気モータ31への通電を遮断して電気モータ31をフリー状態にする例を示したが、電気モータ31が駆動力を発生せず、且つ減衰力が小さくなるように(例えば電気モータ31を発電機として作用させ、且つ発電電流が小さくなるように)電気モータ31を通電制御してもよい。
また、上記第2実施形態では、電動アクチュエータ30の伸長がストッパにより制限されることを防止するために、凸部乗り上げ制御の開始初期にバネ上部材が下降するように電動アクチュエータ30を制御する例を示したが、制御開始タイミングを遅らせるようにしてもよい。さらに、上記第2実施形態では、推定バネ下上昇速度Vdpが基準速度V1よりも大きいときに、凸部乗り上げ制御開始初期にバネ上部材が下降するように電動アクチュエータ30を制御する例を示したが、プレビューセンサ65が凸部に関する起伏情報を検出してから車輪が凸部に乗り上げるまでの時間が長い場合(例えば低速走行時である場合)に、凸部乗り上げ制御開始初期にバネ上部材が下降するように電動アクチュエータ30を制御してもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。

Claims (8)

  1. 車両のバネ上部材と車輪に連結されたバネ下部材との間に介装され、伸縮することによってバネ上部材とバネ下部材との間の間隔を変化させるアクチュエータと、前記車両が走行しているときに前記車両の前方路面の起伏情報を取得する起伏情報取得装置と、前記起伏情報取得装置により取得された起伏情報に基づいて前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置と、を備える車両のサスペンション装置であって、
    前記アクチュエータ制御装置は、前記起伏情報取得装置が路面に形成された凸部に関する起伏情報を取得したときに前記アクチュエータを制御する凸部乗り上げ制御部を備え、
    前記凸部乗り上げ制御部は、前記起伏情報取得装置が前記凸部に関する起伏情報を取得したときから前記車輪が前記凸部に乗り上げる直前までの間のうちの所定期間に亘り前記アクチュエータが伸長することによりバネ上部材の上昇速度が増加し、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに、それまでの前記アクチュエータの伸長によってバネ上部材の上昇速度が所定の上昇速度に達しているように、前記所定期間に亘り前記アクチュエータを制御する、サスペンション装置。
  2. 請求項1に記載のサスペンション装置において、
    前記凸部乗り上げ制御部は、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに、バネ上部材の上昇速度とバネ下部材の上昇速度との差である相対速度の大きさが、前記所定の上昇速度と、前記車輪が前記凸部に乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度との差により表わされる速度になるように、前記アクチュエータを制御する、サスペンション装置。
  3. 請求項1または2に記載のサスペンション装置において、
    前記アクチュエータ制御装置は、前記凸部に関する起伏情報に基づいて、前記車輪が前記凸部に乗り上げることにより発生するバネ下部材の上昇速度を推定するバネ下上昇速度推定部を備え、
    前記凸部乗り上げ制御部は、前記バネ下上昇速度推定部により推定されたバネ下部材の上昇速度に基づいて、前記所定期間に亘り前記アクチュエータが伸長することによりバネ上部材の上昇速度が増加し、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに、それまでの前記アクチュエータの伸長によってバネ上部材の上昇速度が所定の上昇速度に達しているように、前記所定期間に亘り前記アクチュエータを制御する、サスペンション装置。
  4. 請求項3に記載のサスペンション装置において、
    前記所定の上昇速度は、前記バネ下上昇速度推定部により推定されたバネ下部材の上昇速度に等しい速度である、サスペンション装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサスペンション装置において、
    前記凸部乗り上げ制御部は、前記アクチュエータが伸長を開始してから前記車輪が前記凸部に乗り上げるまでの間におけるバネ上部材の上昇速度の振動周波数がバネ上共振周波数以下の周波数となるように、前記アクチュエータを制御する、サスペンション装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のサスペンション装置において、
    前記凸部乗り上げ制御部は、前記車輪が前記凸部に乗り上げる前の前記所定期間に亘り前記アクチュエータが駆動力を発生するように前記アクチュエータを制御し、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときは、前記アクチュエータが駆動力を発生せず、且つ、外部入力に対する抵抗力も実質的に発生しないように、前記アクチュエータを制御する、サスペンション装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のサスペンション装置において、
    前記アクチュエータは、通電することにより駆動する電動アクチュエータであり、
    前記凸部乗り上げ制御部は、前記所定期間に亘り前記電動アクチュエータに通電することによりバネ上部材の上昇速度が徐々に増加するように前記電動アクチュエータを駆動させ、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに前記電動アクチュエータへの通電を遮断する、サスペンション装置。
  8. 請求項7に記載のサスペンション装置において、
    前記電動アクチュエータは、通電することにより回転駆動する電気モータと、前記電気モータの回転運動を直線運動に変換する変換機構とを備え、
    前記凸部乗り上げ制御部は、前記所定期間に亘り前記電気モータに通電することによりバネ上部材の上昇速度が徐々に増加するように前記電動アクチュエータを駆動させ、前記車輪が前記凸部に乗り上げたときに前記電気モータへの通電を遮断する、サスペンション装置。
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