JP5251596B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガス浄化装置に関する。
希薄燃焼式エンジン、とりわけディーゼルエンジンは、ストイキで運転されるガソリンエンジンよりもCOの排出量が少ない利点がある。しかし、希薄燃焼式エンジンの場合、排気ガスの酸素濃度が高いことから、所謂三元触媒では、排気ガス中の窒素酸化物を効率良く浄化することができない。これに対し、三元触媒に代わる浄化手法として、選択還元型触媒を用いる方法が知られている。これは、アンモニア水や尿素水を排気通路に供給してNHを発生させ、該NHによって窒素酸化物を選択的に還元浄化するというものである。
上記選択還元型触媒による窒素酸化物の浄化においては、その触媒に供給する還元剤の量を窒素酸化物の浄化に適した量として、還元剤、特にNHが触媒から流出する(触媒をスリップする)ことを抑制することが求められる。
この問題に関し、特許文献1には、尿素水溶液を触媒に供給してその尿素の一部を触媒に貯蔵し、触媒に貯蔵されている尿素から発生したアンモニアにより排気ガス中のNOxを還元すること、並びに触媒の尿素貯蔵容量が許容上限容量よりも大きいか否かを触媒温度に基いて判断し、大きい(触媒温度が低い)と判断されたときに尿素水溶液の供給を禁止することにより、触媒から高濃度のNHが排出されることを防止することが記載されている。
また、特許文献2には、NO、NOおよびNOを含有する排ガスにNHを混合し、脱硝反応器に充填した還元用触媒と接触させて排ガス中の当該窒素酸化物を除去する方法において、脱硝反応器の入口または出口におけるNO濃度を考慮して、NH注入量を排ガス中のNO、NOおよびNOを還元するのに必要な量に制御し、NO、NOを還元除去したのちに残存するNHを用いてNOを還元除去することが記載されている。
特開2008−255937号公報 特開平2−68120号公報
上記選択還元型触媒による窒素酸化物の浄化において、エンジンの冷間始動と同時に還元剤を触媒に供給しても、その触媒が活性化しておらず、排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化することができない。従って、触媒の活性化を待って還元剤の供給を開始するのが一般的である。
ところで、触媒はその排気ガス流れ方向の全長が同時に活性化することはなく、上流端から下流端に向かってその活性領域が広がっていくのが通常である。そして、触媒の上流部が活性化した時点で上記還元剤の供給を開始すると、その上流部によって排気ガス中の窒素酸化物の還元浄化を図ることができ、未浄化のまま排出される窒素酸化物の量を減らすことができる。
しかし、その場合、還元剤の供給を開始してから暫くの間は、触媒の上流部は活性化していても下流部までは活性化するに至っていないから、この下流側の不活性領域に還元剤が吸着されていく。そして、本発明者の実験・検討によれば、不活性領域に吸着された還元剤は、触媒の下流側の温度が上昇していくことに伴って、その不活性領域から脱離していくこと、この還元剤の脱離に伴って該還元剤の量が窒素酸化物量に対して過剰になると、還元剤の過剰分全てがそのまま排出されてしまうのではなく、一部がNOやNO、NOに転化して排出されてしまうことがわかった。
この還元剤が過剰になる問題に関し、特許文献1に記載された浄化装置は、要するに、触媒温度が低いときは還元剤の供給を禁止し、触媒温度が高くなると還元剤を供給するというものであるが、触媒温度が高くなると上記不活性領域に吸着されている還元剤が脱離してくるのであるから、還元剤が過剰になる問題の解決にはならない。
また、特許文献2に記載された窒素酸化物の除去方法は、脱硝反応器出口のNO濃度が高いときにはNH注入量を増大させるが、還元剤が過剰になることによってNOを生ずるケースでは、還元剤の過剰に伴ってNO濃度が高くなると、NH注入量の増大によって還元剤がさらに過剰になり、NOの低減には逆効果となる。
そこで、本発明は、触媒に、既に窒素酸化物を還元浄化し得るように活性化した領域と、未だ窒素酸化物を還元浄化し得るように活性化していない不活性領域とが存するケースにおいて、還元剤の供給を適切に制御することを課題とする。
本発明は、上記課題に対して、触媒に対する還元剤供給量を基本的にはエンジン運転状態に基いて定め、その触媒に還元剤が吸着する不活性領域が存するか否かを判定し、その不活性領域が還元剤を脱離する温度に上昇したときに、上記還元剤供給量の減量補正をするようにした。
すなわち、本発明は、希薄燃焼式エンジンの排気通路に配設され、排気ガス中の窒素酸化物を選択的に還元する選択還元型の触媒と、
上記触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
上記触媒の温度が所定値以上になったときに、上記触媒に上記窒素酸化物を選択的に還元するための還元剤を供給する還元剤供給手段とを備えている排気ガス浄化装置において、
上記エンジンの運転状態に基いて、上記還元剤供給手段によって供給すべき還元剤供給量を算出する還元剤供給量算出手段と、
上記触媒温度検出手段の検出温度に基いて、上記触媒における、上記還元剤供給手段から供給された還元剤が吸着する不活性領域を判定する不活性領域判定手段と、
上記触媒の不活性領域が温度上昇によって還元剤を脱離するときに、上記還元剤供給量の減量補正をする補正手段とを備えていることを特徴とする。
従って、触媒の不活性領域に還元剤が吸着しているとき、その不活性領域の温度上昇に伴って還元剤が脱離するときには、還元剤供給量が減量補正されるから、還元剤の脱離に伴って、還元すべき窒素酸化物に対して還元剤が触媒において過剰になることを避けることができ、好ましくない還元剤由来物質(還元剤そのもの、或いは還元剤から転化した他の化合物)が触媒から排出されることを抑制することができる。
なお、本発明でいう「還元剤」は、それ自体が還元能を有する物質の他、分解することによって還元能を有する物質を生ずるもの(例えば、尿素水)を含む。
好ましい実施態様は、上記補正手段が、上記触媒の不活性領域が還元剤を脱離する温度に上昇したときの還元剤脱離量を算出し、該還元剤脱離量に応じて上記還元剤供給量の減量補正をすることである。
このように不活性領域からの還元剤脱離量を算出するようにすれば、還元剤供給量の減量補正の精度を高めることができ、還元剤が過剰になることを避ける上で有利になる。
また、上記還元剤は窒素化合物であるとき、上記触媒の不活性領域から還元剤が脱離する際に該還元剤が窒素酸化物に転化する割合に基いて上記還元剤脱離量を補正することが好ましい。
すなわち、本発明者の研究によれば、触媒の不活性領域から還元剤としての窒素化合物が脱離する際、その窒素化合物の一部が窒素酸化物に転化することがある。その場合、その転化に伴って、還元剤量が減少する一方、還元すべき窒素酸化物量が増加する。そこで、上記転化による還元剤量の減少及び窒素酸化物量の増加を考慮して還元剤脱離量を補正するものである。これにより、還元剤供給量の減量補正の精度を高めることができ、還元剤が過剰になることを避ける上で有利になるとともに、窒素酸化物の浄化率を高めることができる。
上記窒素化合物としては、排気通路内に供給された後に排気ガスの熱等によって分解してNHを発生する尿素水又はアンモニア水を採用することができ、その場合、上記触媒の不活性領域からNHが脱離する際に、NO、NO及びNOの少なくとも一種を含む窒素酸化物が転化生成することになる。
以上のように本発明によれば、排気ガス中の窒素酸化物を選択的に還元する触媒への還元剤供給量を、基本的にはエンジン運転状態に基いて定め、その触媒に還元剤が吸着する不活性領域が存するか否かを判定し、その不活性領域が還元剤を脱離するときに、上記還元剤供給量の減量補正をするようにしたから、還元すべき窒素酸化物に対して還元剤が触媒において過剰になることを避けることができ、好ましくない還元剤由来物質が触媒から排出されることを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は希薄燃焼式エンジン(ディーゼルエンジンや希薄燃焼式ガソリンエンジン)1の排気ガス浄化装置を示す。同エンジン1の排気通路2に、排気ガス中の窒素酸化物(NO、NO等)を選択的に還元浄化する選択還元型触媒3が設けられている。触媒3よりも上流側の排気通路2には、還元剤(NH源としての尿素水)を噴射し触媒3に供給する還元剤噴射弁(還元剤供給手段)4が配設されている(還元剤貯蔵タンク、並びに該還元剤貯蔵タンクから還元剤噴射弁4に至る還元剤供給パイプの図示は省略している。)。
還元剤噴射弁4によって排気通路2に噴射される尿素水は、排気ガスの熱によって分解し、さらには触媒3の上流端で加水分解して、尿素1分子当たり2分子のNHを発生し、このNHによって、触媒3での窒素酸化物の還元浄化が進む。触媒3は、排ガス流れ方向に延びる多数のセル空間が区画形成されたハニカム担体に触媒材を担持させてなる。ゼオライト、アルミナ等のサポート材に、遷移金属、チタニヤ等の触媒成分を担持させた触媒材等を触媒3に採用することができる。
排気通路2には、触媒3に流入する排気ガス温度、すなわち触媒上流側温度T1を検出する第1温度センサ5と、触媒3から流出する排気ガス温度、すなわち触媒下流側温度T2を検出する第2温度センサ6とが設けられている。温度センサ5,6は触媒3の温度を検出する触媒温度検出手段を構成している。この温度センサ5,6の検出信号は、エンジン1の回転数、冷却水温及びアクセル開度等の検出信号と共にコントローラ7に与えられる(回転数、冷却水温及びアクセル開度各々を検出するセンサの図示は省略している。)。コントローラ7は、マイクロコンピュータを利用したものであり、上記各種検出信号に基いて、エンジン1の気筒内燃焼室に燃料を噴射供給する燃料噴射弁8及び上記還元剤噴射弁4に作動信号を与える。
本発明は、触媒3に、既に窒素酸化物を還元浄化し得るように活性化した領域3aと、未だ窒素酸化物を還元浄化し得るように活性化していない不活性領域3bとが存するケースにおいて、還元剤噴射弁4による還元剤の供給を適切に制御することを課題とする。そこで、まず、本発明者の実験及びその結果について説明する。
<実験1>
βゼオライトを150g/L、TiOを20g/L、La−Alを40g/L、Ce−Zr複合酸化物を40g/L、アルミナバインダを25g/L秤量して混合してなる触媒材をハニカム担体に担持させて供試触媒とした。以上の各数値は担体1L当たりの担持量である。その触媒に、酸素を2%及びHOを10%含む窒素ガス雰囲気において750℃の温度に24時間加熱するエージングを施した後、モデルガス流通反応装置及び排気ガス分析装置を用い、モデルガスの供給開始温度(触媒入口ガス温度)を16℃、50℃及び86℃の3通りとして、それら各温度から漸次上昇させていったときのNOx浄化率の変化、並びにNO発生量の変化を調べた。
供給開始温度16℃、50℃及び86℃のいずれも、モデルガスの組成は、NO;260ppm,NO;260ppm,NH;620ppm,O;13.9%,残Heとし、空間速度はSV=60000h−1とし、昇温速度は10℃/分とした。
NOx浄化率の変化を図2に示す。同図によれば、供給開始温度が低くなるほど、NOx浄化率の立上り温度が高温側に振れている。この点について検討するに、触媒が活性化していないときはモデルガス中のNHが触媒に吸着するところ、供給開始温度が低くなるほど、モデルガスの供給開始から触媒が活性化するまでの時間が長くなるから、NH吸着量が多くなる。その吸着したNHは、その後、触媒の温度が200℃前後になると脱離するが、その際に一部が酸化されてNO又はNO、NOになる。
従って、供給開始温度が低くなるほど、NOx浄化率の立上り温度が高温側に振れているのは、触媒が活性化する過渡時にNHが脱離してNO又はNO、NOになる量が多いためであると考えられる。つまり、触媒の上流部が活性化してモデルガス中のNOやNOの還元浄化が始まったとき、供給開始温度が低い触媒ではNHの脱離によって生成するNO又はNO、NOの量が多いから、この生成するNOやNOによって、触媒の見掛け上の活性化温度が高温側にずれているものと考えられる。
実際、図3に示すように、モデルガスの供給開始温度が16℃と50℃のケースでは、温度180℃付近からNOの発生が始まり、その発生量は、モデルガスの供給開始温度が低くなるほど多くなっており、供給開始温度が86℃のケースではNOの発生が認められない。NHが脱離する際には、NOだけでなく、NOやNOも発生するから、その影響が図2のNOx浄化率の立上り温度の違いに現れていると考えられる。
<実験2>
実験1と同じ供試触媒について、NH濃度が異なる5種類のモデルガスにより、触媒入口ガス温度を漸次上昇させていったときのNOx浄化率の変化、並びにNO発生量の変化を調べた。供試触媒には、実験1と同じエージングを事前に施し、モデルガスの供給開始温度はいずれも16℃とし、空間速度はSV=60000h−1、昇温速度は10℃/分とした。5種類のモデルガス(A〜E)の組成は表1の通りである。
Figure 0005251596
NOx浄化率の変化を図4に示す。同図によれば、NH濃度が260ppmのモデルガスBでは、200℃付近でNOx浄化率が100%弱になり、それよりも高温側では50%程度になっている。還元剤であるNHはNO及びNOと略等量で反応するから、NH濃度が260ppmのモデルガスBであれば、触媒全体が活性化した状態ではNOx浄化率が50%程度になるはずである。従って、上記高温側のNOx浄化率(50%程度)は当該モデルガスの組成からすると妥当であるが、200℃付近でNOx浄化率が100%弱まで上昇している点は、モデルガスの組成からすると妥当な結果ではない。
そこで200℃付近でNOx浄化率が100%弱まで上昇している理由を検討する。上述の如く実験1により200℃付近で触媒からNHが脱離することがわかっている。従って、200℃付近で100%弱のNOx浄化率が得られているのは、触媒が活性化する前に該触媒に吸着されたNHが脱離し、これが、モデルガス中のNO及びNOの還元に働いたものと考えられる。つまり、NHの脱離によって触媒中のNH濃度が高くなったということである。
実際、図5に示すように、NHを含有するモデルガスでは、温度180℃付近からNOの発生が始まっており、これは触媒から脱離したNHの一部が転化したものと認められる。なお、NH濃度が520ppm、620ppm及び1000ppmの各モデルガスのNO出力のピークは略同じあったため、図5では代表的に1本の出力強度線Iで表している。
また、図4によれば、300℃以上でのNOx浄化率は、NH濃度620ppmのモデルガスでは略100%になっているのに対して、NH濃度520ppmでは90%程度と低くなり、NH濃度1000ppmではさらに低くなっている。
NH濃度をNO及びNOとを合わせた濃度と等量の520ppmにしても、NHの一部(5%程度)はNO及びNOの還元に消費されることなく、ガス中の酸素で酸化されて窒素酸化物に転化する。この酸化によるNHの減少分と窒素酸化物の増加分とが上記NOx浄化率に反映されて90%程度になったものと認められる。一方、NH濃度1000ppmではNO及びNOとを合わせた量に対してNHが過剰になっているから、この過剰分の一部が酸化された結果、NOx浄化率がさらに低くなっているものと認められる。
<本発明に係る還元剤供給制御>
上記実験結果から、触媒が活性化していないときは、触媒に供給されたNHが該触媒に吸着されること、その吸着されたNHは触媒の温度が高くなると脱離すること、その脱離は触媒が活性を呈し始める頃の温度で生ずること、脱離したNHの一部は窒素酸化物になること、並びに触媒におけるNHが窒素酸化物に対して過剰になると、過剰分が酸化されて窒素酸化物になり、触媒から窒素酸化物流出量が増えることがわかる。
そうして、触媒はその排気ガス流れ方向の全長が同時に活性化することはなく、上流端から下流端に向かってその活性領域が広がっていくのが通常である。従って、触媒の上流部が活性化した時点で還元剤の供給を開始すると、その活性化した上流部によって排気ガス中の窒素酸化物の還元浄化を図ることができる。しかし、触媒下流側の不活性領域に還元剤が吸着されてその後に脱離するから、排気ガス中の窒素酸化物量に見合う適量の還元剤を触媒に供給すると、還元剤の脱離に伴って還元剤が窒素酸化物に対して一時的に過剰になり、窒素酸化物の排出量が増加するという問題を生ずる。
そこで、本発明は、以上の実験及び検討結果を踏まえて、触媒に対する還元剤の供給を制御するようにしている。以下、具体的に説明する。
図1に示す還元剤噴射弁4の作動を制御するコントローラ7は、触媒3の温度が所定値以上になったときに、還元剤噴射弁4による還元剤の噴射供給を開始させるものであり、エンジン1の運転状態に基いて触媒3に供給すべき還元剤の基本供給量Roを算出する還元剤供給量算出手段と、触媒3における還元剤が吸着する不活性領域を判定する不活性領域判定手段と、不活性領域が還元剤脱離温度に上昇したときに上記還元剤の基本供給量Roの減量補正をする補正手段とを構成している。
触媒3の温度は、第1及び第2の各温度センサ5,6によって検出することができ、或いはエンジン1の運転履歴に基いて排気ガスによって触媒3に与えられ熱量を求めることにより検出することができる。本実施形態では、第1温度センサ5によって検出される温度(触媒3に流入する排気ガス温度)T1が所定値Ta以上になったときに、触媒3の上流部が窒素酸化物を還元し得る活性温度に達したとして、還元剤噴射弁4による還元剤の噴射供給を開始するようにしている。
一方、エンジン1から排出される窒素酸化物の排出量はエンジン1の運転状態によって異なる。そこで、上記還元剤供給量算出手段は、エンジン1から排出される窒素酸化物を還元するに必要な還元剤の基本供給量Roを、エンジン回転数及びアクセル開度(又はエンジン1の要求トルク)に基いて、予め設定したマップを検索して算出する。
上述の如く触媒3の上流部が活性温度に達した時点で還元剤の供給を開始するようにしているが、その時点では通常は触媒3の下流側部分は活性温度に達しておらず、不活性領域になっている。この不活性領域には還元剤である尿素が分解してなるNHが吸着されるが、温度が上昇してNHが脱離すると、触媒3ではNHが還元すべき窒素酸化物に対して過剰になってしまう。触媒3の下流側部分が不活性状態であるか否かは、触媒3に流入する排気ガス温度T1と触媒3から流出する排気ガス温度T2とに基いて推定することができる。そこで、上記不活性領域判定手段は、第1及び第2の各温度センサ5,6の検出温度T1,T2に基いて、触媒3の不活性領域を判定する。
上記補正手段は、触媒3の不活性領域からNHが脱離したときに、触媒3のNH量が過剰にならないように上記減量補正をする。この減量補正は予め適切な減量値を実験によって定めておいて実行することもできるが、本実施形態では、次回の還元剤噴射までに不活性領域から脱離するNH量を予測して当該減量補正を行なうようにしている。ここに、不活性領域からのNH脱離量は、不活性領域に吸着しているNHの量と、次回の還元剤噴射までの温度上昇によって不活性領域におけるNHの脱離を生ずる範囲とから、簡易的に予測することができる。
そこで、上記補正手段は、還元剤噴射弁4によって還元剤(尿素)が噴射されるたびに、その還元剤供給量Rに基いて、該不活性領域における単位長さ当たりのNH吸着量N1を求め、このNH吸着量N1を積算していくことにより、該不活性領域の単位容量当たりのNH吸着量Nを求める。この場合、触媒3の全長のY%が不活性領域であるときは、還元剤供給量Rのうち、Yに所定の係数a(a<1)を掛けたa×Y%の還元剤量がNHとなって不活性領域に吸着したとする。ここで、上記説明では簡略的に、「単位長さ当たりの」NH吸着量Nとしているが、「単位容量当たりの」に置き換えてもよい。
不活性領域におけるNHの脱離範囲については、便宜上、次回の還元剤噴射までに活性温度に達すると見込まれる範囲を当該脱離範囲とし、且つその範囲から吸着していたNHの全量が脱離するとする。すなわち、脱離範囲に吸着していたNH量をNH脱離量Ndとする。次回の還元剤噴射までの脱離範囲は、予め実験により検討して、例えば触媒3の全長のZ%の長さが還元剤噴射のたびに新たに活性温度に達する(脱離範囲となる)としてもよいが、本実施形態では、温度センサ5,6の検出温度T1,T2及び単位時間当たりの温度上昇度に基いて脱離範囲を定めるようにしている。
なお、不活性領域のNH吸着量Nについては、還元剤噴射弁4による還元剤供給量Rとその供給回数から求めるようにしてもよい。
また、本実施形態では上述の如く次回の還元剤噴射までに不活性領域から脱離するNH量を予測して当該減量補正を行なうものとしているが、他の実施形態として、例えば0.5秒後までに不活性領域から脱離するNH量を予測して当該減量補正を行なうようにしてもよい。この場合、タイマ等による計時手段が備えられることになる。或いは、さらに別の実施形態として、触媒の昇温速度や還元剤噴射のインターバルを考慮して、予め設定した脱離量マップを先読みして当該減量補正する方法を採用してもよい。
不活性領域から脱離するNHの一部は窒素酸化物に転化する。この転化に伴って、触媒3のNH量が減少する一方、還元すべき窒素酸化物量が増加する。そこで、上記補正手段は、上記NHの転化率に応じて上記NH脱離量Ndを補正係数Cの乗算によって補正する。この場合、転化率をX%とすると、当該転化によってNHの減少と窒素酸化物の増加とを招くから、当該転化によるNH脱離量の減少率は2×X%となる。つまり、NH脱離量Ndは(100−2×X)%に減少する。通常はX=5%程度であるから、NH脱離量Ndは90%程度になる(補正係数C=0.9)。
そうして、この転化による補正を加えたNH脱離量Ndに基いて還元剤基本供給量Roを補正する。この場合、尿素1分子からNH2分子を生ずるから、減算すべき還元剤補正量Rc=NH脱離量Nd×1/2となる。すなわち、還元剤基本供給量Roから還元剤補正量Rcを減算して還元剤供給量Rとし、還元剤噴射弁4による噴射を実行する。
図6は上記還元剤供給制御の流れを示す。スタート後のステップS1でエンジン運転状態(エンジン回転数,アクセル開度)及び触媒3の上流側及び下流側の各温度T1,T2を読み込む。続くステップS2で上流側温度T1が所定値Ta以上になっているか否かを判定する。上流側温度T1が所定値Ta以上になっているときは、触媒3の上流部が活性化しているとしてステップS3に進み、エンジン運転状態に基いて還元剤噴射弁4による還元剤の基本噴射量Roを算出する。
続くステップS4では、触媒3の上流側及び下流側の各温度T1,T2に基いて触媒3の不活性領域を算出する。続くステップS5において、触媒3に不活性領域があるか否かを判定する。不活性領域があるときはステップS6に進み、前回の還元剤供給量Rに基いて、不活性領域の単位長さ当たりのNH吸着量N1を算出する。そして、このNH吸着量N1を前回までのNH吸着量に加算して単位長さ当たりのNH吸着量Nとする(ステップS7)。
続くステップS8では、触媒3の上流側及び下流側の各温度T1,T2及びその単位時間当たりの温度上昇度に基いて、不活性領域における次回の還元剤供給までにNHが脱離する範囲を算出(予測)する。続くステップS9では、次回の還元剤供給までにNHが脱離する範囲が存するか否かを判定する。NHが脱離するときはステップS10に進んでそのNH脱離量Ndを算出する。続くステップS11で、脱離するNHが窒素酸化物(NO、NO又はNO)に転化することに基づく補正係数Cにより、NH脱離量Ndを補正する。
続くステップS12で還元剤基本供給量補正後のNH脱離量Ndに基いて還元剤補正量Rc(=Nd×1/2)を算出し、続くステップS13で還元剤供給量R(=Ro−Rc)を算出し、還元剤供給量Rによる還元剤の噴射を還元剤噴射弁4によって実行する(ステップS14)。
ステップS5において不活性領域が存在しないと判定されたとき(触媒3の全体が活性化した状態)、並びにステップS9においてNHの脱離がないと判定されたとき(触媒3の温度が実質的に上昇していないとき)は、ステップS15に進んで還元剤補正量Rc=0としてステップS13に進む。
従って、上記実施形態によれば、触媒3の上流部の活性化に伴って還元剤噴射弁4による還元剤の供給が開始された後、触媒3に不活性領域があれば、その不活性領域のNH吸着量Nが算出される。このNH吸着量Nは、還元剤が噴射供給されるたびにその還元剤供給量Rに基いて吸着量N1を求め、これを積算することによって得るようにしているから、精度が高いものになる。
また、不活性領域におけるNHの脱離範囲を、温度センサ5,6の検出温度T1,T2及び単位時間当たりの温度上昇度に基いて定め、NHが脱離する際にその一部が窒素酸化物に転化することを考慮してNH脱離量を補正するようにしているから、当該脱離によって触媒3において窒素酸化物に対してNHが過剰になる量を精度良く捉えることができる。よって、当該NH過剰量に基づく還元剤供給量Rの減量補正により、NO、NOやNO、或いはNHが触媒3から排出されることを抑制することができる。
エンジンの排気ガス浄化装置の構成図である。 モデル排気ガスの供給開始温度がNOx浄化率の温度変化に及ぼす影響を示すグラフ図である。 モデル排気ガスの供給開始温度がNO発生量の温度変化に及ぼす影響を示すグラフ図である。 モデル排気ガスのNH濃度がNOx浄化率の温度変化に及ぼす影響を示すグラフ図である。 モデル排気ガスのNH濃度がNO発生量の温度変化に及ぼす影響を示すグラフ図である。 触媒への還元剤供給制御のフロー図である。
1 エンジン
2 排気通路
3 選択還元型触媒
4 還元剤噴射弁(還元剤供給手段)
5,6 温度センサ
7 コントローラ
8 燃料噴射弁

Claims (4)

  1. 希薄燃焼式エンジンの排気通路に配設され、排気ガス中の窒素酸化物を選択的に還元する選択還元型の触媒と、
    上記触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
    上記触媒の温度が所定値以上になったときに、上記触媒に上記窒素酸化物を選択的に還元するための還元剤を供給する還元剤供給手段とを備えている排気ガス浄化装置において、
    上記エンジンの運転状態に基いて、上記還元剤供給手段によって供給すべき還元剤供給量を算出する還元剤供給量算出手段と、
    上記触媒温度検出手段の検出温度に基いて、上記触媒における、上記還元剤供給手段から供給された還元剤が吸着する不活性領域を判定する不活性領域判定手段と、
    上記触媒の不活性領域が温度上昇によって還元剤を脱離するときに、上記還元剤供給量の減量補正をする補正手段とを備えていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 請求項1において、
    上記補正手段は、上記触媒の不活性領域が還元剤を脱離する温度に上昇したときの還元剤脱離量を算出し、該還元剤脱離量に応じて上記還元剤供給量の減量補正をすることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  3. 請求項2において、
    上記還元剤は窒素化合物であり、
    上記補正手段において、上記還元剤脱離量の算出では、上記触媒の不活性領域から還元剤が脱離する際に該還元剤が窒素酸化物に転化する割合に基いて上記還元剤脱離量を補正することを特徴とする排気ガス浄化装置。
  4. 請求項3において、
    上記窒素化合物は、NHを発生する尿素水又はアンモニア水であり、該還元剤が上記触媒の不活性領域から脱離する際に転化する上記窒素酸化物がNO、NO及びNOの少なくとも一種を含むことを特徴とする排気ガス浄化装置。
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