JP5251306B2 - 光ファイバの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
ところで、このような線引き終了作業では、終了作業の開始時から終了時までの引き取り速度降下時において、製品とならないガラスファイバへの樹脂の被覆が行われるとともに、冷却用の高価なヘリウムガスが使用され続けるため、これら樹脂及びヘリウムガスが無駄となる。
前記光ファイバ母材中の製品となる有効部分の光ファイバの線引き終了を所定の条件を満たしたかどうかで判断する線引き終了判断工程と、
前記線引き終了判断工程後、線引きを終了させる線引き終了作業を行う線引き終了作業工程とを有する光ファイバの製造方法であって、
前記光ファイバの線引き速度の変動パターンが所定のパターンに合致することを前記所定の条件の一つとし、
前記線引き終了作業工程中、光ファイバの引き取り速度を減速させる減速作業中の光ファイバの停止前の所定の段階で、光ファイバを切断することを特徴とする。
前記光ファイバ母材中の製品となる有効部分の光ファイバの線引き終了を所定の条件を満たしたかどうかで判断する線引き終了判断工程と、
前記線引き終了判断工程後、線引きを終了させる線引き終了作業を行う線引き終了作業工程とを有する光ファイバの製造方法であって、
前記所定の条件に達した際に、前記光ファイバ母材を加熱して線引きする加熱炉の加熱温度の変化を条件として前記線引き終了作業を開始し、
前記線引き終了作業工程中、光ファイバの引き取り速度を減速させる減速作業中の光ファイバの停止前の所定の段階で、光ファイバを切断することを特徴とする。
前記光ファイバ母材を加熱する加熱炉と、
前記光ファイバ母材を前記加熱炉へ送る送り手段と、
前記光ファイバ母材から線引きされたガラスファイバを冷却する冷却手段と、
前記冷却手段により冷却されたガラスファイバに樹脂を被覆する被覆手段と、
前記ガラスファイバに樹脂が被覆された光ファイバを引き取る引取手段と、
前記光ファイバを切断する切断手段と、
前記光ファイバ母材中の製品となる有効部分の光ファイバの線引き終了を所定の条件を満たしたかどうかで判断し、線引きを終了させる線引き終了作業を開始させ、光ファイバの引き取り速度を減速させる減速作業中の光ファイバの停止前の所定の段階で、光ファイバを切断させる制御手段とを備え、
前記光ファイバの線引き速度の変動パターンが所定のパターンに合致することを前記所定の条件の一つとすることを特徴とする。
前記光ファイバ母材を加熱する加熱炉と、
前記光ファイバ母材を前記加熱炉へ送る送り手段と、
前記光ファイバ母材から線引きされたガラスファイバを冷却する冷却手段と、
前記冷却手段により冷却されたガラスファイバに樹脂を被覆する被覆手段と、
前記ガラスファイバに樹脂が被覆された光ファイバを引き取る引取手段と、
前記光ファイバを切断する切断手段と、
前記光ファイバ母材中の製品となる有効部分の光ファイバの線引き終了を所定の条件を満たしたかどうかで判断し、線引きを終了させる線引き終了作業を開始させ、光ファイバの引き取り速度を減速させる減速作業中の光ファイバの停止前の所定の段階で、光ファイバを切断させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記所定の条件に達した際に、前記光ファイバ母材を加熱して線引きする加熱炉の加熱温度の変化を条件として前記線引き終了作業を開始させることを特徴とする。
図1は、本実施の形態の光ファイバの製造方法を行うことのできる製造装置の概略構成図である。
図1に示すように、光ファイバの製造装置1は、光ファイバ母材Gを加熱する縦型の加熱炉2と、線引きされた後のガラスファイバG1を冷却する冷却装置6と、ガラスファイバG1の周囲に樹脂の被覆を施すダイス8と、被覆された光ファイバG2の張力を測定する張力計17と、被覆された光ファイバG2を引き取るキャプスタン(引き取り手段)13と、ダンサローラ19,20と、光ファイバG2を巻き取る巻き取りボビン21,22とを備えている。
また、加熱炉2には、加熱領域にヘリウムや窒素等のパージガスを供給できるガス供給部21が設けられている。
冷却装置6の本体は、ガラスファイバG1のパスラインから離反する方向に2分割して開閉できる構成となっており、線引き時には通常互いに接合されて一体化された状態で使用される。冷却装置6は、本体を構成する2つの部材を閉じた中央の位置に、長手方向にわたってガラスファイバG1が通される挿通孔が形成されている。この挿通孔には冷却ガスが送り込まれ、挿通孔に挿通されたガラスファイバG1が冷却される。また、冷却装置6の本体は、その内部に、長手方向に沿って冷却流路が形成されておりその内部は冷却流体が循環するようになっている。この冷却流体によって挿通孔内の冷却ガスが冷却され、その冷却ガス雰囲気中をガラスファイバG1が通ることで、線引き後のガラスファイバG1が数百℃から室温近くまで急速に冷却される。これにより、ガラスファイバG1の形状が安定する。
なお、冷却ガスには熱伝導率が高いヘリウムガスを使用する。ヘリウムは熱伝導率が高いため、加熱炉2内のパージガスや冷却装置6の冷却溶媒として使用するのに適しているが、窒素に比べてコスト高となる。
なお、冷却装置6はパスライン上に複数台設けられていても良い。
また、このダイス8と受け皿9との間には、カッタ(切断手段)12が設けられており、このカッタ12によって、線引きされて樹脂が塗布された光ファイバG2を切断することができるようになっている。
スクリーニング装置17による強度試験を経た光ファイバG2は、ダンサローラ19,20を介して巻き取りボビン21,22に送られる。これら巻き取りボビン21,22の一方の巻き取りボビン21には、製品となる光ファイバG2が巻き取られ、他方の巻き取りボビン22には、例えば、線引き不良あるいは線引き終了作業時に線引きされた光ファイバG2が巻き取られる。
図2に、光ファイバ母材Gの長手方向に対する線引き時間と線引き速度との関係を示すグラフを示す。なお、グラフ中の右端近傍に破線で示した下降曲線は、従来の線速を示すものである。
図2に示すように、光ファイバの製造装置1によって光ファイバ母材Gを線引きする場合、線引き開始時には光ファイバ母材Gの線引き開始端(下端)の非有効部を線引きする際に線引き速度を徐々に大きくしていく。そして、コア部Cを有し製品となる有効部分である有効部Aの線引きを開始するまでには線引き速度を所定の値まで上昇させ、有効部Aを線引きする際にはガラスファイバG1が一定外径となるように安定した速度で線引きされる。
ここで、本実施形態に係る光ファイバの製造装置1では、制御部23が、以下の条件(1)から(3)に基づいて、線引き終了作業に移行するタイミングを決定する。
制御部23は、光ファイバ母材Gの加熱炉への送り込み量より光ファイバ母材Gの残長(Lo−L)が設定母材残長Ls以下(Lo−L≦Ls)となったか否かを判定する。ここで、この設定母材残長Lsは、有効部Aを線引きした後に残る線引きしても製品とならない光ファイバ母材Gの非有効部Bとして予め設定した母材長であり、Loは、開始時の母材長、Lは線引きに使用された母材長である。
制御部23は、キャプスタン13によって引き取る光ファイバG2の総引き取り長Sが設定総引き取り長Ss以上(S≧Ss)となったか否かを判定する。設定総引き取り長Ssは、光ファイバ母材Gの線引きを開始してから有効部Aの線引きが終わるまでのガラスの体積とガラスファイバG1の断面積とから求められる光ファイバの長さとする。
シリカガラスにゲルマニウムなどの屈折率調整用添加剤が添加されていると、純シリカガラスに比べて粘度が低下する。そのため、屈折率調整用添加剤が添加されたコア部Cを有する有効部Aに対して非有効部Bは若干硬質であることにより、コア部Cを有する有効部Aからコア部Cのない非有効部Bへ線引きされる箇所が切り替わると、線速に変動が生じる。すなわち、有効部Aの線引き中は線引きの張力及び線速がほぼ一定に維持されており、粘度の高い非有効部Bへ切り替わった瞬間に張力が増加して線速が減少し、その直後には反動で線速が増加する。これが有効部Aから非有効部Bへ切り替わった時の特有の変動パターンである。
制御部23は、キャプスタン13による光ファイバG2の引き取り速度から線引き速度を検出し、この検出速度の変動パターンが、光ファイバ母材Gにおける有効部Aから非有効部Bへの切り替わり時に生じる特有の線速の変動パターンと合致したか否かを判定する。
さらに、ガス供給部21を制御し、加熱炉2内へ送り込むパージガスを比較的高価なヘリウムガスから比較的安価な窒素ガスに切り替えるとともに、加熱炉2内の発熱体3を制御し、加熱炉2内の降温を開始させる。
また、受け皿9を移動させてダイス8の下方に配置させるとともに、樹脂供給装置によるダイス8への樹脂の供給を停止させる。
そして、パスライン上の光ファイバG2が完全に巻き取りボビン22に巻き取られたら、キャプスタン13及び巻き取りボビン22を停止させ、終了作業を完了させる。
なお、次の線引き作業のために、残りの光ファイバ母材Gに代えて新たな光ファイバ母材Gを設置したら、加熱炉2における降温を停止させて昇温を開始させるとよい。
つまり、制御部23は、この温度変化を用い、例えば、線引き開始温度Tsと現在温度Tcとの差が10℃以上(Ts−Tc≧10℃)となったか否かを、終了作業への移行の条件として用いても良い。
2 加熱炉
5 送り手段
11 カッタ(切断手段)
13 キャプスタン(引取手段)
23 制御部(制御手段)
A 有効部(有効部分)
G 光ファイバ母材
G1 ガラスファイバ
G2 光ファイバ
Claims (7)
- 光ファイバ母材を加熱して軟化させながら線引きして製品となる部分の光ファイバを製造する線引き工程と、
前記光ファイバ母材中の製品となる有効部分の光ファイバの線引き終了を、所定の条件を満たしたかどうかで判断する線引き終了判断工程と、
前記線引き終了判断工程後、線引きを終了させる線引き終了作業を行う線引き終了作業工程とを有する光ファイバの製造方法であって、
前記光ファイバの線引き速度の変動パターンが所定のパターンに合致することを前記所定の条件の一つとし、
前記線引き終了作業工程中、光ファイバの引き取り速度を減速させる減速作業中の光ファイバの停止前の所定の段階で、光ファイバを切断することを特徴とする光ファイバの製造方法。 - 光ファイバ母材を加熱して軟化させながら線引きして製品となる部分の光ファイバを製造する線引き工程と、
前記光ファイバ母材中の製品となる有効部分の光ファイバの線引き終了を所定の条件を満たしたかどうかで判断する線引き終了判断工程と、
前記線引き終了判断工程後、線引きを終了させる線引き終了作業を行う線引き終了作業工程とを有する光ファイバの製造方法であって、
前記所定の条件に達した際に、前記光ファイバ母材を加熱して線引きする加熱炉の加熱温度の変化を条件として前記線引き終了作業を開始し、
前記線引き終了作業工程中、光ファイバの引き取り速度を減速させる減速作業中の光ファイバの停止前の所定の段階で、光ファイバを切断することを特徴とする光ファイバの製造方法。 - 前記所定の条件に基づいて自動的に前記線引き終了作業を開始し、自動的に前記光ファイバを切断することを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記線引き終了作業の開始後光ファイバの切断開始前に前記光ファイバ母材の加熱温度の降温を開始することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の光ファイバの製造方法。
- 光ファイバ母材を加熱して軟化させながら線引きして光ファイバを製造する光ファイバの製造装置であって、
前記光ファイバ母材を加熱する加熱炉と、
前記光ファイバ母材を前記加熱炉へ送る送り手段と、
前記光ファイバ母材から線引きされたガラスファイバを冷却する冷却手段と、
前記冷却手段により冷却されたガラスファイバに樹脂を被覆する被覆手段と、
前記ガラスファイバに樹脂が被覆された光ファイバを引き取る引取手段と、
前記光ファイバを切断する切断手段と、
前記光ファイバ母材中の製品となる有効部分の光ファイバの線引き終了を所定の条件を満たしたかどうかで判断し、線引きを終了させる線引き終了作業を開始させ、光ファイバの引き取り速度を減速させる減速作業中の光ファイバの停止前の所定の段階で、光ファイバを切断させる制御手段とを備え、
前記光ファイバの線引き速度の変動パターンが所定のパターンに合致することを前記所定の条件の一つとすることを特徴とする光ファイバの製造装置。 - 光ファイバ母材を加熱して軟化させながら線引きして光ファイバを製造する光ファイバの製造装置であって、
前記光ファイバ母材を加熱する加熱炉と、
前記光ファイバ母材を前記加熱炉へ送る送り手段と、
前記光ファイバ母材から線引きされたガラスファイバを冷却する冷却手段と、
前記冷却手段により冷却されたガラスファイバに樹脂を被覆する被覆手段と、
前記ガラスファイバに樹脂が被覆された光ファイバを引き取る引取手段と、
前記光ファイバを切断する切断手段と、
前記光ファイバ母材中の製品となる有効部分の光ファイバの線引き終了を所定の条件を満たしたかどうかで判断し、線引きを終了させる線引き終了作業を開始させ、光ファイバの引き取り速度を減速させる減速作業中の光ファイバの停止前の所定の段階で、光ファイバを切断させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記所定の条件に達した際に、前記光ファイバ母材を加熱して線引きする加熱炉の加熱温度の変化を条件として前記線引き終了作業を開始させることを特徴とする光ファイバの製造装置。 - 前記制御手段は、前記線引き終了作業の開始後光ファイバの切断開始前に前記光ファイバ母材の加熱温度の降温を開始させることを特徴とする請求項5または6に記載の光ファイバの製造装置。
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