JP5250372B2 - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関する。
パンツ型使い捨ておむつのウエスト開口部やレッグ開口部には、糸ゴムや平ゴムなどからなる弾性部材が伸長状態で配されて、伸縮性のウエストギャザーやレッグギャザーが形成されている。このような構成のおむつにおいては、弾性部材が存在する部位によっておむつを着用者の身体に固定している。従って、弾性部材が存在する部位にその収縮力が集中的に作用し、着用者の身体に弾性部材の跡、即ちいわゆるゴム跡がつきやすくなる。また、弾性部材の収縮力によってウエストギャザーやレッグギャザーには多数のしわが発生する。それに起因して、おむつのフィット性には限界がある。
このような構成のパンツ型おむつとは別に、吸収性コアを含む吸収性本体と該吸収性本体の非肌当接面側に接合された外装体とを備えた使い捨ておむつにおいて、着用者に対するおむつのフィット性を向上させることを目的に、外装体に伸縮性シートを用いたものも知られている(例えば特許文献1、2参照)。このような使い捨ておむつによれば、外装体に伸縮性を発現するために糸ゴム等の線状の弾性部材を用いる必要がないため、装着前又は装着中におけるおむつの外観及び柔らかさに優れていると共に、線状の弾性体による装着時のゴム跡といった問題も解消できる。
特許第2731204号公報 特許第3340032号公報
引用文献1に記載のパンツ型使い捨ておむつには、外装体として、弾性不織ウエブが単数又は複数のギャザリング可能な不織ウエブに合わされたエラストマー不織製外側カバーが採用されている。前記外側カバーは、実質的に単層構造であるため、厚みが薄いと強度が不足して破れ易くなる。前記外側カバーの強度不足は坪量を増すことで解消できるが、このような伸縮性シートは一般に製造コストが高いため、外側カバーの坪量増加は、おむつ全体の製造コストの高騰に繋がり、強度不足の解消に有効とは言い難い。
引用文献2に記載のパンツ型使い捨ておむつには、外装体として、肌当接面側(外装体の内側)を構成し、おむつの左右幅方向に対して伸縮可能な伸縮性シートと、非肌当接面側(外装体の外側)を構成し、該伸縮性シートに重なる非伸縮性不織布とからなる裏面シートが採用されている。前記伸縮性シートと前記非伸縮性不織布とは、間欠的に配された固着部位において、少なくとも一方の合成樹脂成分が溶融固化して互いに一体化している。このように、引用文献2に記載のパンツ型使い捨ておむつにおける外装体は、内側に伸縮性シート、外側に非伸縮性シートを備え且つ両シート間が部分的に接合されているため、該伸縮性シートが収縮しているときに、おむつの外表面(非伸縮性シートの表面)における前記固着部位以外の部位に、おむつの外側に向かって凸となる多数のひだが形成される。そのため、引用文献2に記載のパンツ型使い捨ておむつは、見栄えが悪く、また外表面のひだを周囲の物体に引っ掛けて外装体を破損しやすいという問題がある。
従って、本発明の目的は、破れにくく且つ柔軟で且つ充分な通気性及び伸縮性を兼ね備えた外装体を具備し、腹側部及び背側部に良好なフィット性が得られると共に、外観も良好なパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。
本発明は、吸収性コアを含む吸収性本体と、該吸収性本体の非肌当接面側に位置して該吸収性本体を固定している外装体とを備え、背側部における外装体の両側縁部と腹側部における外装体の両側縁部とが接合されて、一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型使い捨ておむつであって、腹側部及び背側部それぞれにおける外装体は、伸縮性シートからなる外層シートと非伸縮性シートからなる内層シートとが積層された構造を有し、股下部における外装体は、非伸縮性シートを有して形成されており、腹側部及び背側部それぞれにおける前記外層シートと前記内層シートとの間は、接着剤によって全面的に接合されており、且つ腹側部及び背側部それぞれにおける前記吸収性本体と重なる領域に、前記外層シート及び前記内層シートの少なくとも一方が溶融固化して両者が一体化した溶融接合部が形成されているパンツ型使い捨ておむつを提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明のパンツ型使い捨ておむつは、その外装体が破れにくく且つ柔軟で且つ充分な通気性及び伸縮性を兼ね備えており、腹側部及び背側部に良好なフィット性が得られると共に、見た目も良い。
以下本発明のパンツ型使い捨ておむつを、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1〜図6には、本発明の第1実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1が記載されている。
おむつ1は、図2及び図3に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は液難透過性(撥水性等)の裏面シート3及び両シート2,3間に介在配置された液保持性の吸収性コア4を有する実質的に縦長の吸収性本体10と、該吸収性本体10の裏面シート3側(非肌当接面側)に位置して該吸収性本体10を固定している外装体11とを備えている。吸収性本体10と外装体11との間は接着剤によって接合されている。
おむつ1は、図2に示すように、着用時に着用者の腹側に配される腹側部Aと背側に配される背側部Bとその間に位置する股下部Cとを有している。外装体11は、おむつ1の外表面を形成しており、その展開状態(図2参照)において、その両側縁が、長手方向中央部において内方に括れた砂時計形の形状をしている。外装体11は、腹側部Aにおける両側縁部A1,A2と背側部Bにおける両側縁部B1,B2とが互いに接合されており、その接合によって、おむつ1に、一対のサイドシール部S,S、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6が形成されている。
尚、本明細書において、肌当接面は、おむつ着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌当接面は、おむつ着用時に下着側(着用者の肌側とは反対側)に向けられる面である。また、長手方向は、おむつ又はその構成部材の長手方向に沿う方向であり、幅方向は、該長手方向と直交する方向である。
吸収性本体10は、表面シート2、裏面シート3及び吸収性コア4が一体化されてなる。表面シート2、裏面シート3及び吸収性コア4としては、それぞれ、この種の物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シートとしては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シートとしては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。吸収性コア4としては、高吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成され、ティッシュペーパ(図示せず)によって被覆されているもの等を用いることができる。
図2及び図3に示すように、吸収性本体10の長手方向の左右両側には、液抵抗性ないし撥水性で、且つ通気性の素材から構成された側方カフス8,8が形成されている。各側方カフス8の自由端部の近傍には、複数の側方カフス弾性部材81aが伸張状態で配されている。側方カフス8は、おむつ着用時に起立して液の流出を阻止する。側方カフス8,8形成用のシート材82における、前記自由端部とは反対側の端部は、吸収性コア4と裏面シート3との間に固定されているが、裏面シート3と外装体11との間に固定されていても良い。
腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外装体11は、図4及び図5に示すように、伸縮性シートからなる外層シート12A,12Bと非伸縮性シートからなる内層シート13A,13Bとが積層された構造を有している。他方、股下部Cにおける外装体11は、図4及び図5に示すように、2枚の非伸縮性シート13C,12Cが積層された構造を有している。
第1実施形態において、腹側部A及び背側部Bにおける内層シート13A,13Bは、図4及び図5に示すように、腹側部Aから股下部Cを経て背側部Bに亘る一枚の非伸縮性の連続シート13からなり、腹側部A及び背側部Bにおける外層シート12A,12Bは、互いに別体の伸縮性シートからなる。
連続シート13は、股下部Cに位置する部分を含めて全体が非伸縮性であり、該連続シート13の股下部Cに位置する部分は、該股下部Cにおいて外装体11を形成する非伸縮性シート13Cである。第1実施形態のおむつ1においては、股下部Cに、連続シート13からなる第1の非伸縮性シート13Cに加え、該連続シート13の非肌当接面側に積層された第2の非伸縮性シート12Cを有している。第2の非伸縮性シート12Cは、図6に示すように、おむつ長手方向(図2の上下方向)の前後の端部12Ce,12Ceが、前記外層シート12A,12Bそれぞれの端部12Ae,12Beと重ね合わされて、端部どうしが公知のヒートシール法により接合されている。この接合部14は、おむつ1の幅方向の略全幅に亘って帯状に延びている。
外層シート12A,12Bを形成する伸縮性シートは、おむつを展開状態としたときに、少なくともおむつ幅方向(図2の左右方向)に伸縮性を有していれば良い。内層シート13A,13Bを形成する非伸縮性の連続シート13は、おむつを展開状態としたときに、少なくともおむつ幅方向に伸縮性を有していない。第2の非伸縮性シート12Cは、おむつを展開状態としたときに、少なくともおむつ幅方向に伸縮性を有しておらず、おむつ長手方向及び幅方向に伸縮性を有していないことが好ましい。
第1実施形態におけるように、腹側部A及び背側部Bにおける外層シート12A,12Bと、股下部Cに配された非伸縮性シート12Cとが接合されて一枚の複合外層シート12を形成している場合、おむつ長手方向における、該非伸縮性シート12Cが配されている部分を股下部Cとする。この場合、おむつ長手方向における非伸縮性シート12Cの長さLc(図6(a)参照)は、おむつ全長Lの少なくとも30%以上の長さであることが好ましく、40〜60%の長さであることがより好ましい。尚、複合外層シート12は、ウエスト開口部の周縁端において、吸収性本体10側に折り返された部分12E,12Eを有している。
第1実施形態のおむつ1において、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間は、図5及び図6に示すように、接着剤15(図6(a)の斜線部)によって全面的に接合されており、且つ腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける吸収性本体10と重なる領域(以下、吸収性本体配置領域ともいう)L10に、外層シート12A,12B及び内層シート13A,13Bの少なくとも一方が溶融固化して両者が一体化した溶融接合部17が多数形成されている。即ち、吸収性本体配置領域L10には、接着剤15及び溶融接合部17が存在している。外層シート12A,12Bは、伸長状態で内層シート13A,13Bに接合されている。また、図6(a)には、腹側部A及び背側部Bにおける内層シート13A,13Bと股下部Cにおける第1の非伸縮性シート13Cとを構成する一枚の連続シート13が示されており、図6(b)には、腹側部A及び背側部Bにおける外層シート12A,12Bと、股下部Cにおける第2の非伸縮性シート12Cとが接合一体化してなる一枚の複合外層シート12が示されている。また、連続シート13と複合外層シート12との間に配されて両シート間を接着している接着剤15と、及び吸収性本体配置領域L10に形成されて両シート13,12が一体化している溶融接合部17とが連続シート13上に示されている。
このように、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおいて、1)外装体11を構成する連続シート13(内層シート)と複合外層シート12との間を接着剤15で全面的に接合すると共に、2)吸収性本体配置領域L10において両シート13,12が溶融接合部17を介して一体化されていることにより、両シート13,12が本来有している柔軟性、通気性、伸縮性等の諸特性を損なわずに、両シート13,12間の接合強度を向上させることが可能となる。従って、おむつ1は、その外装体11が破れにくく、且つ背側部A及び腹側部Bそれぞれの伸縮性が良好であり、着用時に、背側部A及び腹側部Bが着用者に良好にフィットする。また、おむつ1の外面や、外装体11の内面における吸収性本体配置領域L10以外の部位は、柔らかで肌触りが良い。また、両シート13,12が通気性を有している場合には、その通気性が良好に維持されるので、おむつ1はムレにくいものとなる。また、特に前記1)の採用により、伸縮性シートからなる外層シート12A,12Bの浮き上がりが抑制されているため、おむつ1は見た目(外観)にも優れている。
尚、第1実施形態においては、外装体11の風合いを最適にするために、外装体11の内面における吸収性本体配置領域L10のみにおいて溶融接合部17を設けているが、外装体11の風合いを損ねない範囲であれば、吸収性本体配置領域L10以外にも溶融接合部17を設けても良い。吸収性本体配置領域L10以外の溶融接合部17の形成領域としては、例えば、吸収性本体配置領域L10の周縁部近傍領域が挙げられる。
これに対し、仮に前記2)を採用せず、両シート13,12間の接合を、接着剤による全面的な接合のみによった場合には、両シート13,12間に実用上充分な接合強度を付与し得る量の接着剤を用いると、両シート13,12における接着剤塗布部が硬くなり柔軟性が損なわれる共に、伸縮性や通気性も阻害されるおそれがある。また、柔軟性等の低下をおそれて両シート13,12間に塗布する接着剤の塗布量を減らせば、両シート13,12間の接合強度が不足し、外装体11が破れやすくなるおそれがある。
ここで、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間が、接着剤15によって全面的に接合されているとは、両シートが重なっている部分の略全域において、両シート12A,13A間及び12B,13B間が接合されていることを意味し、必ずしも両シートそれぞれの接合面の全面(即ち各シートの接合面側の面の面積の100%)が接着している必要はないものとする。両シート12A,13A(12B,13B)は、両シートが重なっている部分の面積の少なくとも80%以上の部分が接合されていることが好ましく、90%以上の部分が接合されていることがより好ましい。
接着剤15としては、各種公知の接着剤を用いうるが、ホットメルト型の接着剤であることが好ましい。接着剤15の塗布量は、連続シート13及び複合外層シート12が本来有している柔軟性、通気性、伸縮性等の特性を極力損なわないようにする観点から、実用上充分な接合強度が得られる範囲で少なくすることが望ましい。具体的には、接着剤15の塗布量は固形分換算で、好ましくは0.2〜5g/m2、更に好ましくは0.4〜3g/m2である。
尚、ウエスト開口部5の周縁部50には、該ウエスト開口部5の開口周縁端5a,5bに沿って、1本又は複数(第1実施形態では複数)のウエスト部弾性部材51,51が配されており、また、レッグ開口部6の周縁部60,60には、該レッグ開口部6の周縁端6cに沿って、1本又は複数(第1実施形態では複数)のレッグ部弾性部材61a,61bが配されている。これらの弾性部材51,61a,61bは、接着剤15を介して伸長状態で、外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間に挟持固定されている。これにより、ウエスト開口部5の周縁部50及びレッグ開口部6の周縁部60,60のフィット性を、外層シート12A,12Bの伸縮特性の制約を受けることなく高めることができる。ウエスト部弾性部材51及びレッグ部弾性部材61a,61bとしては、それぞれ、天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、発泡ウレタン系樹脂、ホットメルト系伸縮部材等の伸縮性素材を糸状(糸ゴム)又は帯状(平ゴム)に形成したものが好ましく用いられる。このように、糸状又は帯状の弾性部材51,61a,61bを外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間に挟んだ状態で固定した場合は、このような弾性部材を、一枚のシートからなる外装体に固定する場合に比べて、弾性部材が着用者に違和感を与えることを防止でき、またおむつの外観を悪化させることも防止できる。
前記溶融接合部17は平面視して略矩形形状をしており、吸収性本体配置領域L10に多数形成されている。多数の溶融接合部17は、それぞれその長手方向をおむつ長手方向に一致させて、おむつ長手方向に所定間隔を置いて列をなしており、その溶融接合部17の列が、おむつ幅方向に所定間隔を置いて配されている。溶融接合部17は、公知の熱エンボス加工を利用することにより形成することができる。熱エンボス加工を利用する場合、シート13(内層シート)側から熱エンボス加工を施しても良く、シート12(外層シート)側から熱エンボス加工を施しても良い。
溶融接合部17は、吸収性本体配置領域L10の略全域に略均一に分布していることが好ましい。また、溶融接合部17の総面積(複数の溶融接合部17の面積の合計)は、吸収性本体配置領域L10の全面積の3%以上、特に5〜15%を占めることが、外層シートと内層シートの接合強度を十分付与できる点で好ましい。
尚、上述したように、腹側部A及び背側部Bにおける外層シート12A,12Bと、股下部Cにおける第2の非伸縮性シート12Cとの接合部14は、公知のヒートシール法によって形成されており、これにより溶融接合部17、即ち吸収性本体配置領域L10における熱エンボス加工よるエンボスパターンが目立たちにくくなり、おむつ1の見た目の向上に繋がる。このようなヒートシール法による接合部(ヒートシール部)14の効果をより有効にする観点から、接合部14は、図6に示すように吸収性本体配置領域L10の全幅に亘っていることが好ましく、またその幅(接合部14のおむつ長手方向に沿った長さ)Wは、5〜50mm、特に10〜30mmとすることが好ましい。
本明細書に記載の各部の寸法や比等は、図2に示すようにおむつを展開状態とし、ウエスト開口部及びレッグ開口部の弾性部材による収縮力を解除した自然状態(張力等の外力を作用させない状態)において測定した値又はそれに基づくものである。尚、各々の測定値は、自然状態における複合外層シート12の寸法を基に測定したものである。
腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間の接合強度は、サイドシール部(接合されてサイドシール部を形成する部分)S、S及びウエスト開口部5の周縁部50の方が、該サイドシール部S,S及び該ウエスト開口部5の周縁部50を含むおむつ外縁部に囲まれた部分よりも大きくなっている。即ち、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける前記おむつ外縁部に囲まれた部分(以下、内方部ともいう)は、該おむつ外縁部を構成するサイドシール部S、S及びウエスト開口部5の周縁部50に比して、外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間の接合強度が小さくなっている。前記おむつ外縁部は、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおいておむつ1の輪郭を形成している縁部であり、具体的には、サイドシール部S,S、ウエスト開口部5の周縁部50及び一対のレッグ開口部6,6それぞれの周縁部60の一部からなる連続した部分である。
斯かる接合強度の特定分布の採用により、強度が特に求められるサイドシール部S,S及びウエスト開口部5の周縁部50に実用上充分な強度を付与しつつ、前記内方部を構成する各シートが本来有している柔軟性などの特性を維持することが可能となり、柔軟で強度もある外装体11とすることができる。尚、ここでいう、ウエスト開口部5の周縁部50は、ウエスト開口部5の開口周縁端5a,5b(図6(a)参照)から40mm以内の部分を意味する。また、サイドシール部Sの幅(サイドシール部Sのおむつ幅方向に沿った長さ)は、通常10mm程度である。
前記接合強度は、次のようにして測定される。先ず、図1に示す如きパンツ型使い捨ておむつから、次のようにして所定部位ごとに測定サンプルを用意する。以下、腹側部Aを例にとって説明するが、背側部Bについても同様の手順で測定サンプルを用意する。前記内方部の測定サンプルについては、腹側部Aにおけるおむつ1の輪郭を形成している外縁からおむつ1の内方に50mm以上離間した領域における、外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの積層体から、任意に吸収性本体配置領域L10を含むように、おむつを自然状態でおむつ長手方向に2cm、幅方向に7cmの矩形形状を3枚切り出し、これらを測定サンプルとする。サイドシール部Sの測定サンプルについては、図1に示すように腹側部Aのサイドシール部Sと背側部Bのサイドシール部Sとが接合されている状態から、サイドシール部Sを含むように、おむつ自然状態でおむつ長手方向に2cm、幅方向に5cmの矩形形状を3枚切り出し、測定サンプルとする。ウエスト開口部5の周縁部50の測定サンプルについては、該開口部5の開口周縁端から40mm以内の部分で且つウエスト部弾性部材51の配置領域における、外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの積層体から、おむつ自然状態でおむつ長手方向に2cm、幅方向に5cmの矩形形状を3枚切り出し、この切り出した部分を測定サンプルとする。尚、ウエスト部弾性部材の配置領域とは、ウエスト部弾性部材が腹側部及び背側部それぞれに1本のみ存在している場合は、腹側部又は背側部において、当該1本のウエスト部弾性部材と重なる領域を意味し、ウエスト部弾性部材が腹側部及び背側部それぞれに複数本存在している場合は、腹側部又は背側部において、ウエスト開口部の開口周縁端に最も近接しているウエスト部弾性部材と該開口周縁端から最も離れたウエスト部弾性部材とに挟まれた領域を意味する。
尚、ウエスト開口部5の周縁部50の測定サンプルに関し、周縁部50において、図5に示すようにウエスト部弾性部材51が外層シート12A(12B)と内層シート13A(13B)との間に配されておらず、周縁部50が図7に示す如き形態となっている場合、即ち、ウエスト部弾性部材51が内層シート13A(13B)で被覆されていない場合、当該ウエスト開口部5の周縁部50についての前記測定サンプルは、ウエスト開口部5の開口周縁端5a,5b(図6(a)参照)からおむつ長手方向の股下方向に向かって40mm以内の部分で且つウエスト部弾性部材51の配置領域における、外層シート同士に挟まれた部分で、おむつ自然状態でおむつ長手方向に2cm、幅方向に5cmの矩形形状を3枚切り出し、この切り出した部分を測定サンプルとする。こうして用意した各測定サンプルの接合強度は、引っ張り試験機(株式会社オリエンテックの「テンシロン」RTA−100)を用いて、以下の測定方法により測定される。
〔前記内方部の接合強度の測定方法〕
上述のように切り出した測定サンプルを用いて、おむつ幅方向に外層シートと内層シートを約2cm剥がし掴みしろとし、チャック間3cmに掴みしろを固定し、300mm/minの速度で引き剥がす。3枚測定し、その極大平均値荷重の平均値を、前記内方部の接合強度とする。背側部Bの該接合強度についても腹側部Aと同様に測定する。
〔サイドシール部Sの接合強度の測定方法〕
上述のように切り出した測定サンプルを用いて、腹側部Aの内方部から外層シートと内層シートをおむつ幅方向にサイドシール部S内側端部まで剥がし掴みしろとし、チャック間3cmに掴みしろを固定し、300mm/minの速度で引き剥がす。3枚測定し、その最大点荷重の平均値を、サイドシール部Sの接合強度とする。背側部Bの該接合強度についても腹側部Aと同様に測定する。
〔ウエスト開口部の周縁部の接合強度の測定方法〕
上述のように切り出した測定サンプルを用いて、おむつ幅方向に外層シートと内層シートを約2cm剥がし掴みしろとし、チャック間3cmに掴みしろを固定し、300mm/minの速度で引き剥がす。3枚測定し、その極大平均値荷重の平均値を、ウエスト開口部の周縁部の接合強度とする。背側部Bの該接合強度についても腹側部Aと同様に測定する。
腹側部A及び背側部Bそれぞれの前記内方部における外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間の接合強度Zは、好ましくは0.01N/20mm〜0.5N/20mm、更に好ましくは0.03N/20mm〜0.1N/20mmである。また、接合強度Zと、腹側部A及び背側部Bそれぞれのサイドシール部Sにおける外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間の接合強度Z1との比(Z/Z1)、及び接合強度Zと、腹側部A及び背側部Bそれぞれのウエスト開口部5の周縁部50における外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間の接合強度Z2との比(Z/Z2)は、何れも、好ましくは3×10-4〜0.5、更に好ましくは1.5×10-3〜0.05である。
上述した、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間の接合強度の特定分布は、接着剤15の塗布量などを適宜調整することにより実現することができる。一般に、接着剤の塗布量が多いほど、シート間の接合強度は大きくなる。具体的には例えば、イ)サイドシール部S,S及びウエスト開口部5の周縁部50における接着剤15の塗布量を、前記内方部における接着剤の塗布量よりも多くする方法、ロ)サイドシール部S,S及びウエスト開口部5の周縁部50それぞれの略全域を、接着剤15と共に、ヒートシール法、高周波シール法、超音波シール法などにより互いに接合する方法等が挙げられる。尚、前記イ)の方法においては、サイドシール部S,S及びウエスト開口部5の周縁部50における接着剤15の塗布量は、上述した範囲内に設定することが好ましい。
腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外層シート12A,12Bと内層シート13A,13Bとの間の接合態様は上述した通りであるのに対し、股下部Cにおける2枚の非伸縮性シート13C,12C間は、図6に示すように、股下部Cの中央に設けられた矩形状部分16を除く全域において、腹側部A及び背側部Bと同様に接着剤15で全面的に接合されているが、溶融接合部17は形成されていない。
尚、矩形状部分16は、おむつ1の製造時に連続シート13の帯状原反と複合外層シート12の帯状原反との間に連続的に導入したレッグ部弾性部材を、おむつ1の幅方向中央部に対応する部分で切断したときに、切断端部近傍を左右に収縮できるようにするものであり、その収縮によって、股下部Cの幅方向中央部にレッグ部弾性部材61a,61bが存在しない領域が形成され、吸収性本体10の幅縮みが一層防止される。
股下部Cにおける2枚の非伸縮性シート13C,12C間の接合強度は、レッグ開口部6の周縁部60,60の方が、該周縁部60,60に挟まれた部分よりも大きくなっている。即ち、股下部Cにおける周縁部60,60に挟まれた部分(以下、股下内方部ともいう)は、該周縁部60,60に比して、シート13C,12C間の接合強度が小さくなっている。
おむつ1の外層シート12A,12Bに用いられる伸縮性シートについて説明する。外層シート12A,12Bは、先に述べた通り伸縮性を有している。「伸縮性」とは、少なくとも1方向の最大伸度が100%以上であり、その最大伸度が100%以上である1方向に伸度100%迄伸長させた後、収縮させたときの伸長回復率(100%伸長時の伸長回復率)が、少なくとも70%以上であることを意味する。最大伸度が100%以上である方向を複数有する伸縮性シートの場合、そのうちの何れか1方向のみにおいて伸長回復率が70%以上であればよい。
外層シート12A,12Bは、おむつ幅方向において、おむつ長手方向(図2の上下方向)よりも大きく伸長可能である。より具体的には、おむつ幅方向においては、大きく伸長し且つ伸長後に収縮する(最大伸度100%以上且つ伸長回復率70%以上)が、おむつ長手方向においては、わずかにしか伸長しない(例えば、最大伸度50%以下)。
伸縮性シートの伸長回復率は、以下の測定方法により測定される。
〔伸長回復率の測定方法〕
長さ50mm、幅25mmの伸縮性シートのサンプル片を用意し、引っ張り試験機(株式会社オリエンテックの「テンシロン」RTC−1150A)を用いて、チャック間隔K0にサンプル片を固定し、300mm/minの速度で100%伸長時の長さK2(K2=K0×2)まで伸長させた後、引張速度と同様の速度で戻し始めて応力が0になった時におけるサンプル片の長さを伸長回復後の長さK1とする。次式から100%伸長時の伸長回復率を算出する。
100%伸長時の伸長回復率(%)=〔(K2−K1)/(K2−K0)〕×100
外層シート12A,12Bを形成する伸縮性シートとしては、伸縮性を有する各種のシートを用いることができる。例えば、外層シート12A,12Bは、通気性を良好にする観点から、熱可塑性繊維からなる不織布から形成されているものが好ましい。また、外層シート12A,12Bは、風合いを良好にする観点から、積層シートからなり、少なくともその非肌当接面側の層がエアスルー不織布から形成されているものも好ましい。伸縮性を有する弾性繊維(エラストマー)からなる伸縮性シートは、一般的に触ったときにぬめり感を与えるため、風合いの観点からは好ましくない。
更に具体的に説明すると、外層シート12A,12Bを形成する伸縮性シートとしては、例えば(1)弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(2)ネット状の弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(3)弾性フィルムからなる弾性シートの両面又は片面に伸張可能な繊維層が一体化されているシート、(4)互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されてなる伸縮シート等を好ましく用いることができる。弾性繊維層と伸長可能な繊維層との一体化の方法としては、例えば、これらを積層して水流交絡したり、エアスルー等により繊維を交絡させる方法、ヒートエンボス、接着剤、超音波等によって接合させる方法が挙げられる。
前記(1)のシートとしては、例えば(a)弾性繊維層の少なくとも一面に、実質的に非弾性の非弾性繊維層が配され、両繊維層は、弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態で、繊維交点の熱融着によって全面接合されており、非弾性繊維層の構成繊維の一部が弾性繊維層に入り込んだ状態、及び/又は弾性繊維層の構成繊維の一部が非弾性繊維層に入り込んだ状態になっている伸縮性不織布が挙げられる。また、前記(1)〜(3)のシートとしては、(b)弾性伸縮性を有する弾性層と実質的に非弾性の非弾性繊維層とを有し、前記両層が厚み方向に積層されて部分的に接合された積層シートを延伸させてなる伸縮性シート等を好ましく用いることができる。
前記(a)の伸縮性不織布について説明する。弾性繊維層と非弾性繊維層との界面及びその近傍においては、弾性繊維層の構成繊維と非弾性繊維層の構成繊維との交点が熱融着しており、実質的に全面で均一に接合されている。全面で接合されていることによって、両層が離間して空間が形成されることが防止され、あたかも一層の不織布ごとき一体感のある多層構造の伸縮性不織布となる。「弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態」とは、弾性繊維層の構成繊維のほとんどが、熱や圧力等を付与された場合であっても、フィルム状又はフィルム−繊維構造に変形していない状態をいう。また、弾性繊維層は、その層内において構成繊維の交点が熱融着している。同様に、非弾性繊維層も、その層内において構成繊維の交点が熱融着している。
弾性繊維層の両面に非弾性繊維層が配されている場合、少なくとも何れか一方においては、その構成繊維の一部が弾性繊維層に入り込んだ状態、及び/又は弾性繊維層の構成繊維の一部が少なくとも一方の非弾性繊維層に入り込んだ状態になっている。非弾性繊維層の構成繊維を弾性繊維層に入り込ませる、及び/又は弾性繊維層の構成繊維を非弾性繊維層に入り込ませるには、弾性繊維層の構成繊維と非弾性繊維層の構成繊維を熱融着させる処理前において非弾性繊維又は弾性繊維の少なくともどちらかがウエブ状態(熱融着していない状態)であることが好ましい。構成繊維を他の層に入り込ませる観点から、ウエブ状態である繊維層は、短繊維の方が長繊維に比べ自由度が高いことから好ましい。
また、非弾性繊維層の構成繊維を弾性繊維層に入り込ませる、及び/又は弾性繊維層の構成繊維を非弾性繊維層に入り込ませるには、エアスルー法を用いることが好ましい。エアスルー法を用いることで、相対する繊維層に構成繊維を入り込ませ、また、相対する繊維層から構成繊維を入り込ませることが容易となる。またエアスルー法を用いることで、非弾性繊維層の嵩高さを維持しつつ、非弾性繊維層の構成繊維を弾性繊維層に入り込ませることが容易となる。特に、非弾性繊維層の構成繊維が弾性繊維層の構成繊維と交絡している場合には、エアスルー法のみによって交絡していることが好ましい。エアスルー法によって繊維を交絡させるためには、気体の吹き付け圧、吹き付け速度、繊維層の坪量や厚み、繊維層の搬送速度等を適切に調整すればよいが、特定の条件下でエアスルー法を行うことが好ましい。
熱風処理(特にエアスルー法)においては、非弾性繊維ウエブの構成繊維の一部が、弾性繊維ウエブに入り込むのと同時に、非弾性繊維ウエブの構成繊維及び/又は非弾性繊維ウエブの構成繊維と弾性繊維ウエブの構成繊維とが、それらの交点で熱融着する。この場合、熱風処理によって弾性繊維ウエブの構成繊維がフィルム状又はフィルム−繊維構造にならないように注意する。
弾性繊維層は、伸長させることができ且つ張力を解放したときに収縮する性質を有するものである。弾性繊維層は、少なくとも面と平行な一方向において、100%伸長後に収縮させたときの残留歪みが20%以下、特に10%以下であることが好ましい。この残留歪みの値は、少なくともおむつ幅方向において満足することが好ましく、おむつ幅方向及びおむつ長手方向の両方向において満足することがより好ましい。
弾性繊維層は、弾性を有する繊維の集合体である。弾性を有する繊維の成形方法としては、例えば、溶融した樹脂をノズル孔より押し出し、この押し出された溶融状態の樹脂を熱風により伸長させることによって繊維を細くするメルトブローン方法、半溶融状態の樹脂を冷風や機械的ドロー比によって延伸するスパンボンド法がある。また、メルトブローン法の特殊な方法として、メルトブローン法にスパンボンド法を組み合わせたスピニングブローン法がある。
また、弾性繊維層は、弾性を有する繊維からなるウエブや不織布の形態であり得る。例えば、スピニングブローン法、スパンボンド法、メルトブローン法等によって形成されたウエブや不織布であり得る。弾性繊維層の構成繊維としては、例えば熱可塑性エラストマー、ゴムなどを原料とする繊維を用いることができる。特に熱可塑性エラストマーを原料とする繊維は、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られた繊維は熱融着させやすいので、エアスルー不織布を基本構成とする伸縮性不織布に好適である。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばSBS、SIS、SEBS、SEPS等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
非弾性繊維層は、伸長性を有するが、実質的に非弾性のものである。ここでいう、伸長性は、構成繊維自体が伸長する場合と、構成繊維自体は伸長しなくても繊維同士の交点において熱融着していた両繊維同士が離れたり、繊維同士の熱融着等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、繊維層全体として伸長する場合の何れであってもよい。
非弾性繊維層を構成する繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維が挙げられる。非弾性繊維層を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、親水性でも撥水性でもよい。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイドの複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。非弾性繊維層は、連続フィラメント又は短繊維のウエブ又は不織布であり得る。
前記(b)の伸縮性シートについて説明する。この伸縮性シートは、弾性伸縮性を有する弾性層の両面又は片面に実質的に非弾性の非弾性繊維層が積層され、これらが規則的なパターンで部分的に接合されている積層シートに対して延伸加工を施すことにより得られる。
この積層シートは、例えば、以下のように製造される。カード機から供給される繊維ウエブ(第1の非弾性繊維層)上に、弾性繊維を供給して弾性層を形成し、更にその上に、他のカード機か繊維ウエブ(第2の非弾性繊維層)を供給する。得られた3層構造の積層シートに対して、エアスルー方式のドライヤーにより熱風処理を施す。熱風処理後の積層シートに対して、周面にエンボス用凸部が規則的に配置されたエンボスロール及びそれに対向配置されたアンビルロールを備えたエンボス装置により熱エンボス加工を施す。尚、弾性繊維と非弾性繊維との熱融着や繊維の入り込みを目的としてドライヤーによる熱風処理を行っているが、かかる熱風処理は省略することもできる。
弾性層は、弾性材料からなる弾性繊維を含むものが好ましい。弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、ゴム、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられ、これらの中でも、比較的容易に繊維状の弾性体が成形できる点から、熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン、スチレン系(SBS,SIS,SEBS,SEPS等)、オレフィン系(エチレン、プロピレン、ブテン等の共重合体等)、塩化ビニル系、ポリエステル系等を挙げることができる。これらは一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。弾性層中の、弾性材料からなる弾性繊維の含有率は、50〜100重量%、特に75〜100重量%であることが好ましい。弾性層としては、繊維層からなるものに代えて、フィルム状のもの、ネット状のもの等を用いることもできる。フィルムやネットの形成材料としては、上記各種の弾性材料を用いることができる。
前記(4)の伸縮シートについて説明する。弾性フィラメントとしては、例えば、紡糸ノズルから紡出された弾性樹脂を、溶融又は軟化した状態で1.1〜400倍(より好ましくは4〜100倍)に延伸して得られたもの等を用いることができる。弾性樹脂としては、熱可塑性エラストマーやゴムなどが挙げられる。特に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られたフィラメントは不織布に熱融着させやすいので好適である。熱可塑性エラストマーとしては、上述した弾性繊維の材料として記載した各種のものを挙げることができ、それらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらの樹脂からなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。特にスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、又はそれらを組み合わせて用いることが、弾性フィラメントの成形性、伸縮特性、コストの面で好ましい。
弾性フィラメントは、実質的に非伸長状態で不織布に接合されている。弾性フィラメントと、不織布との接合の様式としては、例えば融着、接着剤による接着などが挙げられる。弾性フィラメントは不織布に融着により接合していることが好ましく、また、弾性フィラメントは、同一の又は異なる2枚の不織布間に挟持された状態でこれら不織布と接合されていることが好ましい。弾性フィラメントが接合される不織布は、弾性フィラメントの延びる方向と同方向に伸長可能である。伸長可能とは、不織布の構成繊維自体が伸長する場合と、構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、不織布全体として伸長する場合とを包含する。尚、弾性フィラメントは、その直径が10〜200μm、特に20〜130μmであることが好ましい。弾性フィラメントが、その全長にわたって不織布に接合しているとは、弾性フィラメントと接触しているすべての繊維(不織布の構成繊維)が、該弾性フィラメントと接合していることを要せず、弾性フィラメントに、意図的に形成された非接合部が存在しないような態様で、弾性フィラメントと不織布の構成繊維とが接合されていることを言う。弾性フィラメントが不織布にその全長にわたって接合していることで、弾性ストランドと不織布との接合力を十分に高めることができる。その結果、伸縮シートを引き伸ばしても、弾性フィラメントが不織布から剥離しづらくなる。弾性フィラメントが不織布から剥離してしまうと、自然状態(弛緩状態)において、弾性フィラメントと不織布との間に浮きが生じて、伸縮シートに皺が発生しやすくなる。
次に、股下部における外装体11を構成する2枚の非伸縮性シート13C,12Cについて説明する。非伸縮性シートとは、前記〔伸長回復率の測定方法〕により測定した伸長回復率(%)が20%以下のシート、もしくは100%伸長する前に破断するシートをいう。非伸縮性シートは、伸長性を有しても有していなくてもよいが、最大伸度が90%以下であることが好ましい。
非伸縮性シートとしては、不織布、不織布と樹脂フィルムとの積層材、多孔性フィルム等が好ましい。非伸縮性シートは、通気性、風合いを良好にする観点から、熱可塑性繊維からなる不織布から形成されているものが好ましく、また、***物の漏れ防止の観点から、撥水性の不織布から形成されているものが好ましい。
次に、本発明の他の実施形態のパンツ型使い捨ておむつについて説明する。後述する他の実施形態のおむつについては、第1実施形態のおむつと相違する点について主に説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
第2実施形態のおむつ1’においては、図8に示すように、腹側部A及び背側部Bにおける内層シート13A,13Bは、第1実施形態のおむつ1と同様に、腹側部Aから股下部Cを経て背側部Bに亘る一枚の非伸縮性の連続シート(内側連続シート)13からなる。他方、腹側部A及び背側部Bにおける外層シート12A,12Bは、腹側部Aから股下部Cを経て背側部Bに亘る一枚の連続シート(外側連続シート)12からなる。そして、股下部Cにおける外装体11が、内側連続シート13と外側連続シート12とが積層(両シート13,12それぞれの股下部Cに位置する部分どうしが積層)された構成を有している。外層連続シート12における股下部に配される部分12Cは、腹側部A及び背側部Bに配される部分12A,12Bと同様に伸縮性シートから形成されていても良く、あるいは非伸縮化されていても良い。部分12Cを非伸縮化する場合、非伸縮化部分12Cのおむつ長手方向の好ましい長さは、第1実施形態のおむつ1における第2の非伸縮性シートの長さと同様である。伸縮性シートの一部を非伸縮化する方法としては、ヒートエンボス等の熱処理により実質的に非伸縮性にする方法などが挙げられる。
そして、第2実施形態のおむつ1’においては、腹側部Aから股下部Cを経て背側部Bに亘る吸収性本体配置領域L10の略全域に、シート13,12の少なくとも一方が溶融固化して両者が一体化した溶融接合部17が多数形成されている。第2実施形態における溶融接合部17のエンボスパターンは、第1実施形態におけるエンボスパターン(図6参照)と同じである。尚、シート13,12間は、その全域に亘って接着剤15によって全面的に接合されている。第2実施形態のおむつにおいても、第1実施形態のおむつと同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の各実施形態に制限されず、適宜変更可能である。例えば、本発明のパンツ型使い捨ておむつは、図9に示すように、股下部Cにおける外装体11が、一枚の非伸縮性シート13Cのみから構成されていても良い。この場合の股下部Cは、外層シート12A,12Bによって覆われていない部分である。また、吸収性本体配置領域L10における溶融接合部17の形成パターンは、図6に示す形成パターンに代えて、他のパターンにすることができる。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
図1は、本発明の第1実施形態のパンツ型使い捨ておむつを示す斜視図である。 図2は、図1に示す使い捨ておむつの展開且つ伸長状態における肌当接面側を示す平面図である。 図3は、図2のII−II線断面図である。 図4は、図1に示す使い捨ておむつの分解斜視図である。 図5は、図2のIII−III線に沿う断面を示す模式図である。 図6は、図1に示す使い捨ておむつの外装体を構成するシート及びそれらの接合態様を示す図である。 図7は、本発明のパンツ型使い捨ておむつにおけるウエスト開口部の周縁部の一例を示す模式図(図5相当図の一部拡大図)である。 図8は、本発明の第2実施形態のパンツ型使い捨ておむつを示す図(図5相当図)である。 図9は、本発明の更に他の実施形態のパンツ型使い捨ておむつを示す図(図5相当図)である。
符号の説明
1,1’ パンツ型使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収性コア
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
10 吸収性本体
11 外装体
12A 腹側部における外層シート
12B 背側部における外層シート
12C 第2の非伸縮性シート
13A 腹側部における内層シート
13B 背側部における内層シート
13C 第1の非伸縮性シート
14 腹側部及び背側部における外層シートと第2の非伸縮性シートとの接合部
15 接着剤
17 溶融接合部
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
L10 吸収性本体配置領域

Claims (5)

  1. 吸収性コアを含む吸収性本体と、該吸収性本体の非肌当接面側に位置して該吸収性本体を固定している外装体とを備え、背側部における外装体の両側縁部と腹側部における外装体の両側縁部とが接合されて、一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型使い捨ておむつであって、
    腹側部及び背側部それぞれにおける外装体は、伸縮性シートからなる外層シートと非伸縮性シートからなる内層シートとが積層された構造を有し、股下部における外装体は、非伸縮性シートを有して形成されており、
    腹側部及び背側部それぞれにおける前記外層シートと前記内層シートとの間は、接着剤によって全面的に接合されており、且つ腹側部及び背側部それぞれにおける前記吸収性本体と重なる吸収性本体配置領域に、前記外層シート及び前記内層シートの少なくとも一方が溶融固化して両者が一体化した溶融接合部が形成されており、
    前記溶融接合部は、前記吸収性本体配置領域の一部に形成されているパンツ型使い捨ておむつ。
  2. 前記溶融接合部は平面視して矩形形状をしており、前記吸収性本体配置領域に多数形成されており、多数の該溶融接合部は、それぞれその長手方向をおむつ長手方向に一致させて、おむつ長手方向に所定間隔を置いて列をなしており、その溶融接合部の列が、おむつ幅方向に所定間隔を置いて配されている請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  3. 腹側部及び背側部それぞれにおける前記外層シートと前記内層シートとの間の接合強度は、前記サイドシール部及び前記ウエスト開口部の周縁部の方が、該サイドシール部及び該ウエスト開口部の周縁部を含むおむつ外縁部に囲まれた部分よりも大きい請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  4. 腹側部及び背側部における前記内層シートは、腹側部から股下部を経て背側部に亘る一枚の非伸縮性の連続シートからなり、腹側部及び背側部における前記外層シートは、互いに別体の伸縮性シートからなり、
    股下部における外装体は、前記連続シートと該連続シートの非肌当接面側に積層された第2の非伸縮性シートからなり、第2の非伸縮性シートの前後端部が、腹側部及び背側部における前記外層シートと接合されている請求項1〜3の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  5. 腹側部及び背側部における前記内層シートは、腹側部から股下部を経て背側部に亘る一枚の非伸縮性の内側連続シートからなり、腹側部及び背側部における前記外層シートは、腹側部から股下部を経て背側部に亘る一枚の伸縮性の外側連続シートからなり、
    股下部における外装体が、前記内側連続シートと前記外側連続シートとが積層された構成を有している請求項1〜3の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
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