JP5247603B2 - 情報処理装置、制御方法、制御プログラム - Google Patents
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Description
この印刷機能は、マスタデータと呼ばれる背景にあたる画像と、バリアブルデータと呼ばれるデータ(飾り文字、写真画像等)を組み合わせて印刷する機能である。これらマスタデータとバリアブルデータを合わせて画像リソースと称する。
実際には、データベース内のレコードに含まれる複数の画像リソースを配置することで、各レコードの内容に基づいて異なった画像が形成される。
このため、メモリキャッシュ上に画像リソースを保持できない場合には、ハードディスクなどの二次記憶媒体上に保持するのが一般的である。
しかしながら、そのためには作成したデータを二次記憶媒体へ書き出す処理と、二次記憶媒体からメモリ上に読み出す処理が発生し、その処理時間は小さくない。
このキャッシュの有効利用に関しては、基準としたレコードに対する重複の程度の高いレコード順にデータを分割し、複数のデバイスで印刷を行うことが下記特許文献2に記載されている。これにより特定のデバイスで同じ画像リソースを用いるレコードを連続的に処理することで効率性を求めている。その前提としては、バリアブル印刷において、印刷順序は重要視される場合とそうでない場合がある。印刷順序が重要視される場合としては、例えばコンサートのチケットではナンバリングがされている場合が考えられる。
しかしながら、ダイレクトメールのための印刷ではその印刷順が変更されても、郵送順序が変わるだけで大きな影響は無い。特許文献2の先行技術は、後者の場合に対して有効である。
そのため先行技術の基準レコードに対する類似性に基づいたバリアブル印刷データの最適化手段では必ずしも良い結果が得られるとは限らなかった。
複数の画像データを使用することを示す複数のレコードとレイアウトデータとを含むバリアブル印刷データを処理する情報処理装置であって、複数の画像データから選択された画像データを最初に使用するレコードと最後に使用するレコードとの間のレコードの中で当該画像データを使用しないレコードの数を特定する特定手段と、前記特定手段により特定されたレコードの数と前記画像データのデータ量とに基づいて、最初に使用するレコードと最後に使用するレコードとの間のレコードの中で使用されない画像データが保存されることで生じる無効キャッシュサイズを導出する導出手段と、前記複数のレコードの処理順序の複数の組み合わせに対して、無効キャッシュサイズが最小となるレコードの処理順序を決定する決定手段を備えることを特徴とする。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す情報処理装置、画像形成装置を含む印刷システムの一例を示す図である。本例は、一つまたは複数のエンドユーザ環境と、インターネットを介して接続されているPOD(Print On Demand)サイト環境から成っている。なお、本実施形態は、情報処理装置側で作成されるバリアブル印刷データに後述する最適化処理を実行することで、送信先の画像形成装置のPPMLインタプリタがPPMLデータを解釈可能な印刷システム例である。ここで、PPMLはPersonalized Print Markup Languageの略であり、詳細は後述するが、バリアブル印刷データに対応したデータ構造を備える。
一方、PODサイト環境1000は、工程管理部1001、プリプレス部1002、ディジタルプリント部1003、そしてポストプレス部1004を備える。
工程管理部1001は、プリプレス部1002、ディジタルプリント部1003、ポストプレス部1004に対して作業を指示し、ワークフローを一元管理する。
また、工程管理部1001は、エンドユーザからのジョブの指定に基づいて各工程における作業をワークフローとして組み立てたり、効率よく処理するためのスケジュールを生成したりする。
プリプレス部1002は、工程管理部1001より受信したプリプレスジョブの作業指示に基づいて、スキャナ/MFP等のスキャンデバイスを用いてエンドユーザから受け取った紙原稿をスキャンする。次に、プリプレス部1002は、スキャン処理により得られたスキャン画像ファイルを取り込む。
ディジタルプリント部1003は、工程管理部1001あるいはプリプレス部1002より受信したプリントジョブの作業指示に従って、白黒MFPやカラーMFP等を用いて紙原稿をコピーする。
さらに、ディジタルプリント部1003は、クライアントPCからプリンタドライバやホットフォルダを経由して、エンドユーザから受信した文書/画像ファイルを白黒MFPやカラーMFP等を用いて印刷する。
さらに、ポストプレス部1004は、ディジタルプリント部1003より出力された記録紙に対して、紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、断裁、封入、帳合等の仕上げ処理を実行する。
[印刷システムの構成]
図2Aにおいて、ホストコンピュータ300は、ROM3のプログラム用ROMあるいは外部メモリ11に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行するCPU1を備える。なお、ROMには本願を実行するための制御プログラムも記憶されている。
更に、システムバス4に接続される各デバイスをCPU1が総括的に制御する。また、このROM3のプログラム用ROMあるいは外部メモリ11には、CPU1の制御プログラムであるオペレーティングシステム(以下OS)等を記憶する。
2はRAMで、CPU1の主メモリ、ワークエリア等として機能する。5はキーボードI/Fで、キーボード9や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。
6はディスプレイI/Fで、ディスプレイ10の表示を制御する。7は外部メモリI/Fで、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ11とのアクセスを制御する。外部メモリ11にはブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、後述する図2Bに示すモジュールを備えるプリンタドライバ等が記憶される。
8はプリンタI/Fで、所定の双方向性のインタフェース22を介して複合機150に接続されて、複合機150との通信制御処理を実行する。
また、CPU1は、ディスプレイ10上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザはアプリケーションで作成した情報を印刷する際、当該情報に対する設定を行うためのユーザインタフェースをディスプレイ10上で開き、複合機150の設定や、印刷モードの選択を行う。この際、ユーザは、プリンタドライバが提供するユーザインタフェースを介して、各種の印刷処理方法の設定を行えるように構成されている。
また、このROM14のプログラムROMにはCPU12の制御プログラム等を記憶する。ROM14のフォント用ROMには上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等を記憶する。
さらに、ROM14のデータ用ROMには、ハードディスク等の外部メモリ21を備えていないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等を記憶する。
RAM13は、CPU12の主メモリ、ワークエリア等として機能し、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。
なお、RAM13は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。前述したハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ21は、外部メモリI/F18によりアクセスが制御される。
なお、外部メモリ21は1個に限らず、少なくとも1個以上備え、内蔵フォントに加えてオプションフォントカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい。
さらに、図示しないNVRAMを有し、操作部20からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。RAM13もしくは外部メモリ21には、ホストコンピュータ300から送信されたフォームデータを格納することが可能であり、オーバレイ印刷の場合には印刷設定で指定されたフォームデータを取り出して、重ねて印刷する。操作部20は、操作のためのスイッチおよびLED表示器等が配されている。
[MFPの構成]
図2Bは、本実施形態を示す画像形成装置の構成を説明するブロック図である。本例は、MFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)の構成例である。なお、後述するMFP制御部2001は、図2Aに示したCPU12、ROM14、RAM13等のハードウエア資源を備え、RAMにモジュールをロードして実行することで各種の処理を制御する。ここで、モジュールには、図3に示すインタプリタ部、レンダリング部として機能させるモジュールが含まれる。
図2Bにおいて、入力画像処理部2002は、紙原稿などをスキャナなどの画像読み取り装置で読み取り、読み取られた画像データを画像処理する。
RIP部2006は、入力されたPDL(Page Description Language)データを解読し、RIP(Raster Image Processor)展開する。
次に、入力された画像データは、MFP制御部2001に送られる。MFP制御部2001は、入力されるデータや出力するデータを制御する。また、MFP制御部2001に入力された画像データは、一旦メモリ部2005に格納される。そして、メモリ部2005に格納された画像データは、必要に応じて呼び出されて出力画像処理部2007に出力される。
更に、操作部2004は、上記の様々なフローや機能を選択したり操作指示したりするためのものである。
このように、MFPには様々な機能と利用方法があり、以下にその例を示す。
第1の機能は複写機能であり、入力画像処理部2002→出力画像処理部2007→プリンタ部2008とデータが処理されることで、紙原稿の複写処理が実現される。
第3の機能は、ネットワークプリント機能であり、NIC部2003→RIP部2006→出力画像処理部2007→プリンタ部2008とデータが処理されることで、ネットワークプリント処理が実現される。
第4の機能は、ボックススキャン機能であり、入力画像処理部2002→出力画像処理部2007→メモリ部2005とデータが処理されることで、ボックススキャン処理が実現される。
第6の機能は、ボックス受信機能であり、NIC部2003→RIP部2006→出力画像処理部2007→メモリ部2005とデータが処理されることで、ボックス受信処理が実現される。
第7の機能は、ボックス送信機能であり、メモリ部2005→NIC部2003とデータが処理されることで、ボックス送信処理が実現される。
第8の機能は、プレビュー機能であり、メモリ部2005→操作部2004とデータが処理されることで、プレビュー処理が実現される。
[RIPの構成]
なお、ここで、RIP(Raster Image Processor)とは、オブジェクト情報を画像形成装置が備えるメモリ上にビットマップ(ラスタイメージ)展開するプロセッサである。より具体的には、RIPは、PDL(Page Description Language)で記述された文字、線画、図形などのベクトル情報又は、色、パターン、写真等の画像走査線情報などをページ上に再現する処理を行う。
従来、RIP部2006は、ハードウエアとして画像形成装置側に搭載されていたが、現在では、CPUの高速化によりRAMにロードされるソフトウエア(モジュール)を実行することでも実現可能となっている。本発明においてはどちらの形態で実現しても良い。
一方、レンダリング部3200は、ディスプレイリストに対してカラーマッチングを行うCMM(Color Matching Module)部3201と、DLをビットマップ(ラスタイメージ)に展開するDL展開部3204とで構成されている。
また、PDF(Portable Document Format)というAdobe社の開発した電子文書ファイルも処理対象としている。そのほか、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やTIFF(Tagged Image File Format)と呼ばれる画像の圧縮フォーマットなどにも対応している。
ここで、PPML解釈部3101では、まずレイアウトデータを解析し、画像リソースを配置する位置情報を決定する。次に、データベース内の各レコードから使用する画像リソースを選択する。選択された画像リソースはPDL解釈部3102で翻訳してDL生成部3103に通知されることで、選択されたPDLデータに対するDLが生成される。さらに、レイアウト情報を元にこれらのDLを結合するDL結合部3104によって、最終的なDLが生成される。
CMM部3201において、ICCプロファイルによる色調整が行われる。ICCプロファイルは、ソースプロファイル3202とプリンタプロファイル3203とがある。ここで、ソースプロファイル3202は、RGB(またはCMYK)データを一度規格化されたL*a*b*空間に変換し、このL*a*b*データを再度ターゲットとなるプリンタに適したCMYK空間に変換する。
次に、プリンタプロファイル(PrinterProfile)3203は、各プリンタの色特性に合わせて作られている。ここで、プリンタプロファイルがRGB系画像の場合は、Perceptual(色味優先)やSaturation(鮮やかさ優先)を選択するのが好ましい。また、プリンタプロファイルがCMYK系画像の場合は、Colorimetric(色差最小)を選んで最適画像を出力することが多い。
なお、カラーマッチングを必要としないRGBデータは、デフォルトの色変換によりCMYKデータに変換されて出力され、カラーマッチングを必要としないCMYKデータに対しては、そのまま出力される。
図4は、本実施形態を示す画像形成装置で処理されるバリアブル印刷データの一例を示す図である。本例は、情報処理装置で作成されたバリアブル印刷データ6000がレイアウトデータ6100、データベース6200、画像リソース6300とで構成される例である。
なお、レイアウトデータ6100は、バリアブル印刷を行う際にどのように画像リソースを配置するのかを示すレイアウト枠の情報を有する。このレイアウト枠には、属性の異なる枠情報が含まれる。レイアウト枠は、データベース6200内の全てのレコードにおいて共通なマスタデータが割り当てられるマスタデータ枠と、データベース6200内の各レコードで異なるバリアブルデータが割り当てられるバリアブルデータ枠とがある。
データベース6200は、少なくとも1つ以上のレコードを保持し、それぞれのレコードが1部の印刷を意味する。各レコードには使用する画像リソースの組み合わせの情報が含まれる。
この例の場合では、データベース6200には8つのレコードが含まれる。レコード1については、Image1という名称のバリアブルデータ枠6102に対してSea.tifを使用することが定義されている。同様に、Image2のバリアブルデータ枠6103にはCat2.tifを、Image3のバリアブルデータ枠6104にはCatC.tifを使用することが定義されている。以下、他のレコードについても同様である。またここではバリアブルデータ枠の情報のみを保持している。このように本願では、複数のデータによって構成されるデータ群をレコードと呼ぶ。
図5は、本実施形態を示す画像形成装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、情報処理装置で作成されたバリアブル印刷データ6000に基づくPPML印刷処理例である。なお、S〜で記述された箇所は各ステップを示す。また、MFP制御部2001内のCPU12がRAM13にモジュールをロードして実行することで各ステップの処理が実現される。
なお、本実施形態では、画像形成装置が備えるCPUが実行するモジュール(図3のインタプリタ部に示す3101〜3103)として構成される場合を説明する。各モジュールは、CPUにより実行されるが、説明上、3101〜3103を用いて説明を行う。
そして、S7002で、PPML解釈部3101がデータベース6200を解析し、処理するべきレコードを選択する。ここでは、レコード1が選択されたものとする。
次に、S7003で、PPML解釈部3101がS7001において得られたレイアウト枠情報の中から処理対象とするレイアウト枠を選択する。ここでは、データベース6200のImage1、即ち、バリアブルデータ枠6102が選択されたものとする。
次に、S7005で、Image1で使用する画像に対するDLがRAM13のキャッシュ上に保持されているかをPPML解釈部3101が判断する。ここで、PPML解釈部3101が保持されていると判断した場合には、S7006で、PPML解釈部3101がそのDLを上記キャッシュから取得する。
具体的には、S7101で、PPML解釈部3101が対象画像を解釈する。そして、S7102で、DL生成部3103がS7101におけるPDL解釈結果を元に、DLに変換する。そして、S7103で、S7102において生成したDLをキャッシュ上に保持できるかをPPML解釈部3101が判断する。ここで、PPML解釈部3101が生成したDLをキャッシュ上に保持できないと判断した場合は、S7104で、PPML解釈部3101がキャッシュ上の使用頻度の低いDLを破棄する。
次に、S7007で、以上の1レコード分の処理を、レイアウトデータ上の全てのレイアウト枠に対して繰り返したかどうかをPPML解釈部3101が判断する。ここで、PPML解釈部3101が以上の1レコード分の処理を、レイアウトデータ上の全てのレイアウト枠に対して繰り返していないと判断した場合は、S7003へ戻る。
そして、S7201で、DL生成部3103がS7102において作成したDL若しくは、S7006でキャッシュから取得したDLを元に、1ページ分のDLを生成する。
次に、S7008で、以上の処理を全レコードに対して繰り返し行っているかどうかをPPML解釈部3101が判断する。ここで、以上の処理を全レコードに対して繰り返し行っているとPPML解釈部3101が判断した場合は、本処理を終了する。
一方、S7008で、以上の処理を全レコードに対して繰り返し行っていないとPPML解釈部3101が判断した場合は、S7002へ戻り、同様の処理を繰り返す。これにより、バリアブル印刷データ6000に対するバリアブル印刷が実行される。
一方、画像形成装置は、ホスト側から送信されたバリアブル印刷データを、図2に示したNIC部2003を介して受け取り(S14201)、受信したバリアブル印刷データから画像を形成し(S14202)、用紙上に印刷(S14203)する。
ホスト側において、バリアブル印刷データを生成するアプリケーションは大きく分けて3つの機能を有する。1つ目は、レイアウトをデザインする機能である。具体的にはページ上にマスタデータ枠とバリアブルデータ枠を設置し、それぞれの大きさあるいは位置を調整する機能である。
2つ目は、画像リソースを登録する機能である。これはレイアウト上に配置する画像データを指定する機能である。必要に応じて予めバリアブル印刷データから画像形成するデバイスに対して望ましい形式に変換しても良い。
例えばテキストで表示する部分を画像に変換する、非対応の画像形式を対応している形式に変換することができる。
その他、画像形成装置にバリアブル印刷データを送信する付加的機能を有している場合もある。
S15001で、情報処理装置は、バリアブル印刷データで使用する画像データを、画像リソースとしてRAM2、或いは外部メモリ11上に登録する。
次に、S15002で、情報処理装置は、ユーザの指示に従いレイアウトをデザインする。この処理により図4のレイアウトデータ6100が生成される。
全てのレコードが作成された場合、S15004で、情報処理装置は、画像リソース、レイアウトデータおよびデータベースをアーカイブし、バリアブル印刷データとする。
なお、S15001〜S15004に示すこれらの処理は、それぞれ並行に行っても良いし、途中で前の手順に戻っても良い。例えばレイアウトをデザインしている際に画像が不足していると感じたら画像リソース上に画像データを追加しても良い。また、データベース内の各レコードを作製中にレイアウト上に無理が生じたら、その時点でレイアウトを変更しても良い。
[レコード順序を最適化する処理]
続いて、図11Aにおいて上述したバリアブル印刷データの最適化処理について説明する。本実施例では、図6に示す遺伝的アルゴリズムを用いたレコード順序最適化手段の一例を以下に示す。
遺伝的アルゴリズムでは、与えられた問題に対する仮説を「遺伝子」と呼び、遺伝子を持つ1単位を「個体」と呼ぶ。また、この問題に対する個体の定量的な評価を「適応度」と呼ぶ。遺伝子の形式(フォーマット)は問題に応じて変更される。また遺伝的アルゴリズムは指定された回数だけ繰り返し処理を行うが、この繰り返し回数を「世代」と呼ぶ。
このようなアルゴリズムで適応度の高い個体が生殖によって残り、低い個体が淘汰されることで、仮説が優良な解に近づく。また、交叉や突然変異によってそれまで存在していなかった個体を生み出し、局所解になることを防ぐ。
例えば「13425678」であれば、レコード1、レコード3、レコード4…という順序に処理することを意味する。また、重複する要素は存在してはならない。「11234567」では、レコード1が重複して処理される一方、処理しなければならないレコード8が処理されていない。こうした個体は低い適応度として扱われる。以下、図6に示す処理に当てはめてレコード最適化処理を説明する。
初期個体の生成において、最初に「12345678」のように順序とレコード番号が一致した個体を初期値として生成する。その中で2つの要素を選択し、交換することを繰り返すことで新しい個体を生成する。例えば2番目と4番目の要素を交換すれば「14325678」という個体が生まれる。これを個体数だけ繰り返すことで、同じレコードを2度以上処理する個体を防ぐことが可能である。
例えばAからEまでの5つの個体の適応度がそれぞれ{A,B,C,D,E}={10,10,10,10,60}であった場合を考える。適応度の総和は(10+10+10+10+60=100)である。よって、それぞれの個体が次世代に残る生存確率はP(A)=P(B)=P(C)=P(D)=10%,P(E)=60%となる。ただし、この場合でも最も適応度の高い個体Eが必ず次世代に残るとは限らない。
さらに、交叉とは、2つ以上の個体の性質に基づきそれらの特徴を引き継いだ新しい個体を生み出す処理である。しかしながら前述どおり同じレコードを二度以上使用してはならないため、従来の数列を直接合成する事は困難である。そこで、その代わりに2つ以上の要素を選択し、それらの大小関係を交換することで、新しい個体を生み出す。
また、突然変異とは、ある個体の遺伝子を強制的に変更する処理である。交叉と同じく、単純に数列の値を変更することは困難である。本例においては、数列内の1要素をランダムな位置に移動することで実現する。
次に、適応度の算出方法について図8、図9A、図9B、図10を用いて説明する。
まず、S11001で、情報処理装置は、無効キャッシュサイズを算出する。なお、S11001の処理は、図8を用いて詳細に説明する。
次に、情報処理装置は、キャッシュメモリサイズとレコード数を乗じ、そこから無効キャッシュサイズを減算する(S11002)。
まず、S10001で、情報処理装置は、RAM上に確保される無効キャッシュサイズを「0」に初期化し、処理順序を図9Aの左上に位置する処理順序行列の各列にマッピングする。この例では「12345678」というレコード順序に処理をしているため、処理順番とレコード番号が一致している例である。
S10004で、情報処理装置は、S10003で選択された画像を最初に使用するレコードに「S」を入力し、最後に使用するレコードに「E」を入力する。具体例を挙げれば、Sea.tifは、図4に示したようにレコード1で最初に使用され、レコード8で最後に使用されている。よって、S10004の処理により、Sea.tifのレコード1には「S」を、レコード8には「E」を付与することにより図9Aの1行目の結果が得られる。
S10005までで、S10003において選択された対象画像に対して、キャッシュ上に記憶するが使用していないレコードの数を算出することができる。具体例を挙げれば、Sea.tifは3つのレコードで使用されないことが算出される。
そして、S10006で、情報処理装置は、Nとなったレコード数とS10004において選択された画像のサイズとを乗算することにより無効キャッシュサイズを算出する。
例えば不可逆圧縮を用いると、写真画像では約75%、イラスト画像では5-15%まで圧縮することができる場合がある。これを踏まえて想定している圧縮率を重みとして考慮することで、実際にデータを展開せずとも無効キャッシュサイズの概算を求めることが出来る。
そして、S10007で、情報処理装置が、全ての画像に対してS10003からS10006の処理を実行したか否かを判断し、繰り返していないと判断した場合は、S10003へ戻る。
一方、S10007で、以上の処理を全画像に対して繰り返していると情報処理装置が判断した場合は、本処理を終了する。
以上の図10、図8の処理を図6の遺伝的アルゴリズムのフローにより生成される個体に対して実行することで、全ての組み合わせの処理順番に対する無効キャッシュサイズを算出することが出来る。
本実施例では情報処理装置が最適化処理を実行することで決定されたレコード処理順序で印刷が実行されるようにバリアブル印刷データを生成して、画像形成装置へ送信する。
なお、本実施例では、以上の処理を情報処理装置にて行う場合について説明したが、画像形成装置にて最適化処理を行っても良い。
具体的には、ホスト側で画像形成装置の性能を取得する処理を実行することにより印刷順序の補正が可能かを確認する。ここで、ホスト側が画像形成装置側で印刷順序の補正が可能であると判断した場合、レコードの印刷順序を示すヒント情報を生成されたバリアブル印刷データに付与する。そして、画像形成装置側では画像形成後に、バリアブル印刷データに付与されているヒント情報を元に印刷する際に順序が正しくなるように並び替えを行う。
さらに、予めデータベースを2つ以上の任意数に分割してから最適化処理を行っても良い。これは前述した印刷順序の補正機能を実施する際、データベース内のレコード数が多すぎると、一時的に保持するべきデータサイズが増えてしまうことに由来する。そのため予め処理可能なページ単位に分割し、それぞれで最適化処理を行うことが可能である。
また、上述した最適化の処理を実行した後、データベースを複数に分割し、2つ以上のデバイスで処理する構成としても良い。つまり、全体として最適化を行ったデータは部分的に見ても好適であることは言うまでも無い。
本実施形態では、MFPを含む画像形成装置と通信可能な情報処理装置を含む印刷システムで、PPMLに従うバリアブル印刷データを処理する例を説明した。しかしながら、レコード順序の評価結果を図示しないユーザインタフェースを介してデータ処理装置のユーザに通知するように構成してもよい。
また、最適化処理を実行するタイミングは、バリアブル印刷データを入出力するタイミングとしても良い。さらに、これらを実現するプログラムは記憶媒体によって実現可能である。また、上記プログラムをサーバ装置からデータ処理装置にダウンロードして実現する形態としてもよい。
さらに、画像形成装置が、セキュリティ保護のために印刷画像を記憶装置に保持する場合、前画像と現在処理している画像とが類似であることを利用して、画像の差分のみを効率的に保持することもできる。
なお、上記例では全ての組み合わせパターンから最小となるパターンを選択することを記載したが、ランダムに選択された複数の組み合わせパターンの中で最小となるパターンを選択しても良い。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述の実施形態の機能を実現するソフトウエア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
2002 入力画像処理部
2003 NIC部
Claims (3)
- 複数の画像データを使用することを示す複数のレコードとレイアウトデータとを含むバリアブル印刷データを処理する情報処理装置であって、
複数の画像データから選択された画像データを最初に使用するレコードと最後に使用するレコードとの間のレコードの中で当該画像データを使用しないレコードの数を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたレコードの数と前記画像データのデータ量とに基づいて、最初に使用するレコードと最後に使用するレコードとの間のレコードの中で使用されない画像データが保存されることで生じる無効キャッシュサイズを導出する導出手段と、
前記複数のレコードの処理順序の複数の組み合わせに対して、無効キャッシュサイズが最小となるレコードの処理順序を決定する決定手段を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 複数の画像データを使用することを示す複数のレコードとレイアウトデータとを含むバリアブル印刷データを処理する制御方法であって、
複数の画像データから選択された画像データを最初に使用するレコードと最後に使用するレコードとの間のレコードの中で当該画像データを使用しないレコードの数を特定する特定工程と、
前記特定工程により特定されたレコードの数と前記画像データのデータ量とに基づいて、最初に使用するレコードと最後に使用するレコードとの間のレコードの中で使用されない画像データが保存されることで生じる無効キャッシュサイズを導出する導出工程と、
前記複数のレコードの処理順序の複数の組み合わせに対して、無効キャッシュサイズが最小となるレコードの処理順序を決定する決定工程を備えることを特徴とする制御方法。 - 複数の画像データを使用することを示す複数のレコードとレイアウトデータとを含むバリアブル印刷データを処理するコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
複数の画像データから選択された画像データを最初に使用するレコードと最後に使用するレコードとの間のレコードの中で当該画像データを使用しないレコードの数を特定する特定工程と、
前記特定工程により特定されたレコードの数と前記画像データのデータ量とに基づいて、最初に使用するレコードと最後に使用するレコードとの間のレコードの中で使用されない画像データが保存されることで生じる無効キャッシュサイズを導出する導出工程と、
前記複数のレコードの処理順序の複数の組み合わせに対して、無効キャッシュサイズが最小となるレコードの処理順序を決定する決定工程をコンピュータに実行させるための前記コンピュータが読み取り可能な制御プログラム。
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