以下、本実施形態に係る画像表示システムの一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。本実施形態では、主装置としてカーナビゲーションシステム装置(以下、「親機」という。)を想定し、副装置として携帯電話装置(以下、「子機」という。)を想定した画像表示システムに対して本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
なお、本発明は、カーナビゲーションシステム装置と携帯電話装置とを備えた画像表示システムに限定するものではなく、主表示手段を備えた主装置と、副表示手段を備え携帯可能に構成された副装置とを含む他の任意の画像表示システムに適用することができるものである。
図1は、本実施形態に係る画像表示システムを採用した車内を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像表示システムSは、親機100と子機200とを含んでいる。親機100は、運転席の運手者から視認し易い位置に配設されている。この親機100は、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した位置情報信号に基づいて、自車位置と周辺の道路や建物についての地図情報とを合成した画像を表示する主表示手段としてのディスプレイ101を備えている。
一方、子機200は、各種画像を表示可能な副表示手段としてのディスプレイ201を備えている。この子機200は、携帯可能に構成されており、既知の携帯電話機能に加え、親機100からディスプレイ101に表示中の画像に関する画像データを受信して、ディスプレイ201に表示させる機能を備えている。
そのため、この画像表示システムSでは、子機200のディスプレイ201に、親機100に表示中の画像と同じ画像を、画質を劣化させることなく表示させることができる。
さらに、この画像表示システムSでは、この子機200が親機100との相対的な位置関係を検知する機能を備えており、子機200が親機100に対して、親機100との相対的な位置関係を示す位置関係データを送信した場合、親機100は、子機200から受信した位置関係データに基づいて、当該親機100と子機200との相対的な位置関係に応じた画像の画像データを生成して、子機200へ送信するように構成している。
そして、この画像表示システムSでは、子機200のユーザが子機200を動かして、子機200と親機100との相対的な位置関係を変更させることによって、子機200のディスプレイ201に親機100のディスプレイ101に表示されている画像の一部領域を拡大した画像や、親機100のディスプレイ101の表示領域の外側に表示されるべき画像等、親機100のディスプレイ101に表示中の画像と同一ではなく、親機100のディスプレイ101に表示中の画像に関連した画像を子機200のディスプレイ201に表示させることができるように構成している。
そのため、この画像表示システムSによれば、子機200のユーザは、子機200と親機100との相対的な位置関係を変更することによって、親機100のディスプレイ101に表示中の画像に関連する所望の画像を子機200のディスプレイ201によって見ることができる。
また、この画像表示システムSでは、親機100から子機200へ親機100と子機200との相対的な位置関係に応じた画像データを送信している間であっても、親機100は、親機100と子機200との相対的な位置関係とは関係なく、自車位置などを示す地図情報の画像をディスプレイ101に随時表示させるように構成している。
そのため、運転者は停車中等に親機100のディスプレイ101により自車位置等を確認できると共に、子機200のユーザは、助手席や後部座席に着座したまま子機200のディスプレイ201により、親機100のディスプレイ101に表示中の画像に関連する所望の画像を見ることができる。
ここで、図2を参照して、本実施形態の画像表示システムSにおける親機100及び子機200の構成について説明する。図2は、本実施形態の画像表示システムSにおける親機100及び子機200の構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の画像表示システムSにおける子機200は、ディスプレイ201と、制御部202と、受信データ記憶部203と、操作部210とを備えている。ディスプレイ201は、液晶表示装置により構成しており、制御部202による表示制御に基づいて、各種画像を表示する。なお、ディスプレイ201は、液晶表示装置に限定するものではなく、有機EL(Organic Electro-Luminescence)等、他の薄型の画像表示装置により構成してもよい。
受信データ記憶部203は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリにより構成しており、親機100から受信した画像データの他、この子機200が携帯電話として機能する際の電話帳に対応するデータ等、各種データを記憶する。
操作部210は、複数の操作ボタンにより構成しており、ユーザにより所定の操作がなされた場合に、その操作に応じた信号を制御部202へ送信する。特に、本実施形態の子機200は、この操作部210を操作することによって、当該子機200を携帯電話器として機能させる電話モードから、親機100から受信した画像データをディスプレイ201に表示させる子機モードや、子機モードにおいて後述の画像拡大/縮小モード、3D表示モード、付加情報取得モード、画像転送モード等に切り替えることができるように構成している。
制御部202は、表示制御部204と、画像データ受信部205と、位置関係データ送信部206と、位置関係検知センサ207と、付加情報取得部208とを備えている。これら表示制御部204と、画像データ受信部205と、位置関係データ送信部206と、位置関係検知センサ207と、付加情報取得部208と、受信データ記憶部203とは、互いに通信用のバス209により接続されている。なお、操作部210もこのバス209に接続されている。
表示制御部204は、ディスプレイ201の表示制御を行う処理部であり、たとえば、親機100から受信した画像データを画像としてディスプレイ201に表示させる。画像データ受信部205は、ブルートゥース(登録商標)規格を用いて親機100から画像データの受信を行う通信処理部である。なお、本実施形態では、ブルートゥースを利用して、親機100と子機200との間でデータの送受信を行うように構成しているが、ブルートゥース以外の通信規格を用いて、親機100と子機200との間でのデータ通信を行うように構成してもよい。
位置関係データ送信部206は、位置関係検知センサ207により検知された子機200と親機100との間の相対的な位置関係や、相対的な位置関係の変化量、さらには、相対的な位置関係の単位時間当たりの変化量等を示す位置関係データを親機100へ送信する通信処理部である。
特に、この位置関係データ送信部206は、ユーザによる操作部210の操作によって選択されている各種モードに対応した位置関係データに、そのとき選択されているモードを親機100に特定せるためのモードデータを付加して親機100へ送信する。
位置関係検知センサ207は、子機200の加速度を検知するモーションセンサと、レーザ光を用いて子機200と親機100との間の距離を検知するレーザ距離センサとを備えている。
そして、この位置関係検知センサ207は、モーションセンサにより検知した子機200の移動加速度と、そのときにレーザ距離センサにより検知された親機100までの距離とに基づいて、子機200と親機100との間の相対的な位置関係や、相対的な位置関係の変化量、相対的な位置関係の単位時間当たりの変化量を示す位置関係データを生成して位置関係データ送信部209へ出力する。なお、本実施形態では、位置検知センサに、モーションセンサとレーザ距離センサとを設けたが、親機100との間の相対的な位置関係や、該位置関係の変化を検出することできるセンサであれば、ドップラーセンサや赤外線センサ等の他のセンサを設けてもよい。
付加情報取得部208は、無線通信又は有線通信によりインターネット等の通信ネットワークNと接続し、その通信ネットワークNに接続されている所定のサーバ500から後述の付加情報を取得する通信処理部である。なお、サーバ500は、付加情報を記憶した記憶装置501と、通信ネットワークNを介して子機200と各種データの送受信を行う通信部502とを備えている。
ここで、子機200において子機モードが設定されているときに選択可能な画像拡大/縮小モード、3D表示モード、付加情報取得モード、画像転送モードについて説明する。
画像拡大/縮小モードは、親機100のディスプレイ101に表示される画像の一部領域を子機200のディスプレイ201において拡大表示又は縮小表示させるモードである。また、3D表示モードは、親機100のディスプレイ101に表示されている平面画像(2D画像)を立体化した3D画像を子機200のディスプレイ201に表示させるモードである。
また、付加情報取得モードは、親機100のディスプレイ101に表示されている画像を子機200のディスプレイ201に表示させると共に、子機200のディスプレイ201に表示している画像における所定のポイントがユーザにより選択された場合に、そのポイントに関する付加的な情報(付加情報)をサーバ500から取得して、子機200のディスプレイ201に表示させるモードである。
また、画像転送モードは、親機100のディスプレイ101に表示されている画像を子機200のディスプレイ201に表示させると共に、この子機200のディスプレイ201に表示している画像を他の子機300(図9参照)のディスプレイに表示させるモードである。これら各種モードにおいて子機200のディスプレイ201に表示される各種画像については、後に詳述する。
一方、親機100は、ディスプレイ101と、制御部102と、記憶部103と、操作部110とを備えている。ディスプレイ101は、液晶表示装置により構成しており、制御部102による表示制御に基づいて、各種画像を表示する。なお、ディスプレイ101は、液晶表示装置に限定するものではなく、有機EL(Organic Electro-Luminescence)等、他の薄型の画像表示装置により構成してもよい。
記憶部103は、フラッシュメモリやHDD(Hard disk drive)等の大容量の記憶装置により構成しており、ディスプレイ101に表示させる地図画像等の画像データベース109を記憶している。
操作部110は、操作ボタンにより構成しており、親機100をカーナビとして機能させる際にユーザ操作するものであり、ユーザの操作に応じた信号を制御部102へ出力する。なお、ここでは、操作部110を操作ボタンにより構成しているが、ディスプレイ101としてタッチパネル機能を備えた表示装置を用いた場合には、ディスプレイ101が操作部110として機能することとなる。
制御部102は、表示制御部104と、画像データ送信部105と、位置関係データ受信部106と、送信画像生成部107とを備えている。これら表示制御部104と、画像データ送信部105と、位置関係データ受信部106と、送信画像生成部107と、記憶部103とは、互いに通信用のバス108により接続されている。なお、操作部110もこのバス108に接続されている。
表示制御部104は、ディスプレイ101の表示制御を行う処理部であり、たとえば、記憶部103に記憶している画像データに基づいて、自車位置を示す地図画像等をディスプレイ101に表示させる。
画像データ送信部105は、ブルートゥース(登録商標)等の通信規格を用いて、送信画像生成部107により生成された画像を子機200へ送信する通信処理部である。また、位置関係データ受信部106は、子機200から送信された位置関係データを受信して送信画像生成部107へ出力する通信処理部である。なお、子機200との間で行う各種データの送受信は、ブルートゥースを用いたデータ通信に限定するものではなく、例えば赤外線通信等、他の通信方法や規格を利用して行うように構成してもよい。
送信画像生成部107は、位置関係データ受信部106から入力される子機200に関する位置関係データに基づいて、親機100と子機200との相対的な位置関係に応じた画像を生成し、その画像の画像データを画像データ送信部105へ出力して、子機200へ送信させる画像処理部である。
この送信画像生成部107は、位置関係データ受信部106から入力された位置関係データに付加されているモードデータに基づいて、子機200において選択されているモードを特定し、そのモードと位置関係データとに応じた画像データを生成して、画像データ送信部105へ出力する。
ここで、本実施形態に係る画像表示システムSの子機200による画像の表示態様の一例について図2および図3〜図6を参照して説明する。図3〜図6は、子機200による画像の表示態様の一例を示す説明図である。
ここでは、子機200が1台の場合に、子機200において選択可能な子機モード、画像拡大/縮小モード、3D表示モード、付加情報取得モードが選択された場合について説明する。まず、ユーザが操作部210を操作して子機モードを選択したうえで、画像拡大/縮小モードを選択した場合について説明する。
ユーザが子機200の操作部210を操作して子機モードを選択すると、子機200のディスプレイ201には、親機100のディスプレイ101に表示中の画像が等倍の大きさで表示される。ここでは、親機100のディスプレイ101に500mスケールの地図(A)の画像Maが表示されているため、子機200のディスプレイ201には、親機100と同様に、500mスケールの地図(A)の画像Maが表示される。
このとき、子機200は、位置関係検知センサ207により自装置と親機100との距離(ここでは、30cm)を示す位置関係データに子機モードが選択されたことを示すモードデータを付加した親機100へ送信する。親機100は、子機200から受信した位置関係データに含まれるモードデータにより子機モードが選択されたことを検知し、送信画像生成部107により、現在ディスプレイ101に表示中の画像に対応する画像データを生成し、その画像データを画像データ送信部105により子機200へ送信する。
そして、子機200は、画像データ受信部205によって親機100から画像データを受信し、その画像データを表示制御部204によってディスプレイ201に表示させる。
続いて、ユーザによって操作部210が操作されて画像拡大/縮小モードが選択されると、子機200は、親機100へ現在の親機100までの距離(ここでは、30cm)を示す位置関係データに画像拡大/縮小モードが選択されたことを示すモードデータを付加して送信する。
親機100は、子機200から受信した位置関係データに含まれるモードデータにより画像拡大/縮小モードが選択されたことを検知し、さらに、現在の子機200との距離(30cm)を画像の縮尺率変更に関する基準値として送信画像生成部107内に記憶する。
その後、ユーザが子機200を親機100からの距離が60cmの位置まで離隔させると、子機200のディスプレイ201には、図3(b)に示すように、親機100のディスプレイ101に表示中の地図(A)における一部領域を拡大した画像が表示される。
ここでは、親機100のディスプレイ101に500mスケールで表示されている地図(A)の右上にあたる地区(B)の地図画像が100mスケールに拡大されて子機200のディスプレイ201に表示される。
このとき、子機200は、位置関係検知センサ207により、親機100までの距離(ここでは、60cm)を示す位置関係データを親機100へ送信する。親機100の送信画像生成部107は、子機200から受信した位置関係データ(60cm)と、先ほど記憶した基準値(30cm)とから、子機200が当該親機100から30cm離隔したことを検知し、地区(B)の地図画像を離隔距離に応じた倍率(ここでは、5倍)に拡大した画像データを生成して、画像データ送信部105により子機200へ送信させる。
子機200では、親機100から受信した画像データに基づいて、表示制御部204が100mスケールに拡大された地区(B)の地図画像をディスプレイ201に表示させる。なお、ここでは、子機200を親機100から引き離すことによって、子機200のディスプレイ201に表示させる画像が拡大される場合について説明したが、この画像表示システムでは、逆に子機200を親機100へ近づけることによって、子機200のディスプレイ201に表示させる画像が縮小されるように構成している。
また、親機100の送信画像生成部107は、地区(B)を拡大した画像データを画像データ送信部105に送信させる際に、現在親機100のディスプレイ101に表示している地図(A)の中で、どの領域の拡大図が子機200へ送信されているかを示す枠線(以下、「カーソルE」という。)の画像データ生成し、そのカーソルEの画像を親機100のディスプレイ101に表示中の画像に重ねて表示させる。なお、このカーソルEの画像データは、子機200へ送信される画像データにも付加される。
次に、ユーザが子機200の向きを変更(ここでは、左向きに)すると、子機200のディスプレイ201には、図3(c)に示すように、親機100のディスプレイ101に表示中の地図(A)における左上の地区(C)の拡大された地図画像が表示される。そして、親機100のディスプレイ101では、カーソルEが地区(B)の位置から地区(C)の位置へ方向に移動して表示される。
このとき、子機200は、位置関係検知センサ207により検知した自装置の角速度および変位量を示す位置関係データを親機100へ送信する。親機100は、この位置関係データを受信して解析することにより、子機200が左向きに向きが変更されたこと、つまり、親機100と子機200との相対的な位置関係が変化したことを検知する。そして、親機100の送信画像生成部107は、その相対的な位置関係の変化に対応した領域(ここでは、地区(C)の領域)を拡大した地図画像を生成し、画像データ送信部105によって子機200へ送信させる。
このように、本実施形態の画像表示システムSでは、子機200のユーザが子機モードを選択することによって、親機100のディスプレイ101に表示されている画像と同じ画像を子機200のディスプレイ201に表示させることができる。
そのため、子機200のユーザは、親機100のディスプレイ101に表示中の画像と同じ画像を、自身が見やすい位置で子機200のディスプレイ201に表示させて見ることができるので、親機100の使い勝手が向上する。しかも、子機200のディスプレイ201に表示される画像は、親機100からブルートゥース(登録商標)等を用いて送信された画像データに基づいて生成された画像であるため、親機100と同様の画質を再現することができ、子機200のディスプレイ201に表示する際に、画質が低下しにくい。
また、子機200のユーザは、画像拡大/縮小モードを選択して、子機200を親機100から引き離すことにより、親機100のディスプレイ101に表示中の画像の一部領域を拡大した拡大画像を子機200のディスプレイ201に表示させることができるので、子機200のディスプレイ201が親機100のディスプレイ101に比べて小さい場合であっても、画像中の文字情報等を容易に読取ることができる。また、子機200のユーザは、子機200を親機100に近づけることによって、親機100のディスプレイ101に表示中の画像の縮小画像を見ることもできる。
さらに、子機200のユーザは、子機200の向きを変えるだけで、複雑な操作を要することなく、親機100のディスプレイ101に表示中の画像の中で、所望の領域を拡大した拡大画像を見ることができるので、ユーザにとっての子機200の操作性が向上する。
また、この画像表示システムSでは、画像拡大/縮小モードが選択されているときに、子機200と親機100との相対的な位置関係に対応する領域が、親機100のディスプレイ101の画像表示領域外に対応していた場合、その画像表示領域外において表示されるべき領域の拡大画像を子機200のディスプレイ201に表示させる。
たとえば、図4(a)に示すように、画像拡大/縮小モードが選択され、子機200のディスプレイ201に、親機100に表示中の地図(A)における地区(B)の拡大画像が表示されているとする。
このように、親機100のディスプレイ101において、右隅の領域である地区(B)の画像が子機200に表示されているときに、子機200のユーザが子機200の向きを更に右向きにした場合、子機200のディスプレイ201には、図4(b)に示すように、地図(A)において親機100のディスプレイ101の表示領域外にある地区(D)の拡大画像が表示される。
このとき、親機100の送信画像生成部107は、子機200から受信した位置関係データに基づいて、親機100のディスプレイ101には表示されていないが、ディスプレイ101に表示されている地図(A)において、子機200の向き変更により選択された領域(ここでは、地区(D)の領域)を拡大した地図画像を生成して、画像データ送信部105に子機200へ送信させる。なお、図4(b)では、太い破線により、仮想的な地図(A)全体を示しており、細い破線により仮想的なカーソルEの位置を示している。
このように、本実施形態の画像表示システムSでは、子機200のユーザが子機200の向きを変更して、親機100のディスプレイ101による表示領域外に相当する領域を選択した場合に、その領域の拡大画像を子機200に表示させることができるので、たとえば、親機100のディスプレイ101に自車位置を表示させているときに、ディスプレイ101に表示されていない目的地等の地図画像を子機200のディスプレイ201に表示させて確認することができる。
また、ここでは、子機200のユーザが親機100のディスプレイ101による表示領域外に相当する領域を選択した場合に、その都度、親機100から子機200へ選択された領域の拡大画像の画像データを送信しているが、予め、親機100から子機200へ親機100のディスプレイ101に表示している画像よりも大きな画像の画像データを送信しておき、その画像データを子機200の受信データ記憶部203に記憶させておいてもよい。
こうすることにより、子機200では、親機100のディスプレイ101による表示領域外に相当する領域をディスプレイ201に表示させる際に、親機100から画像データを受信する必要がないので、処理負荷を低減することができる。また、親機100においても、同様に、子機200へ画像データを送信する必要がないので、その分処理負荷を低減することができる。
次に、ユーザが子機200の操作部210を操作して、3D表示モードを選択した場合について説明する。この3Dモードでは、図5に示すように、親機100のディスプレイ101には、自車位置を示す平面的(2D)な地図画像Mが表示される。
そして、子機200のユーザにより3D表示モードが選択されると、子機200のディスプレイ201には、図5(a)に示すように、親機100に表示中の2Dの地図を自車の進行方向(正面)から見た3Dの画像MCが表示される。
そして、この状態から子機200のユーザが子機200を右側へ移動(位置変更)させると、子機200のディスプレイ201には、図5(b)に示すように、図5(a)の位置で子機200に表示している3Dの画像を右斜め前方向から見た(視点を切り替えた)3Dの画像MRが表示される。
一方、子機200のユーザが、子機200を図5(a)に示す位置から左側へ移動させた場合、子機200のディスプレイ201には、図5(c)に示すように、図5(a)の位置で子機200に表示している3Dの画像を左斜め前方向から見た(視点を切り替えた)3Dの画像MLが表示される。
このとき、子機200は、3D表示モードが選択されると、そのときの自装置と親機100との相対的な位置関係を示す位置関係データに、3D表示モードが選択されたことを示すモードデータを負荷して親機100へ送信する。
親機100は、子機200から受信した位置関係データに含まれるモードデータから3D表示モードが選択されたことを検知し、送信画像生成部107により現在表示中の画像を立体化した3Dの画像MCを生成して、画像データ送信部105に子機200へ送信させる。子機200は、親機100から受信した画像データをディスプレイ201に表示させる。
また、この3D表示モードにおいて、子機200のユーザが子機200の位置を変更(移動)させた場合、子機200は、位置関係検知センサ207によりその都度自装置と親機100との相対的な位置関係の変化を検知し、その検知結果を示す位置関係データを親機100へ送信する。
親機100は、子機200からこの位置関係データを受信する度に、送信画像生成部107により、その位置関係データに応じて、視点を切り替えた3Dの画像(たとえば、画像MR、ML等)の画像データを生成して、子機200へ送信する。
このように、本実施形態の画像表示システムSでは、親機100に平面的な画像が表示されているときに、子機200の3D表示モードを選択すると、子機200のディスプレイ201に、親機100に表示中の画像を立体化した3D画像が表示される。
しかも、ユーザが子機200を所望の方向へ移動させるだけで、煩雑な操作を要することなく、その3Dの画像の視点を切り替えることができるので、たとえば、親機100に自車位置を示す地図画像を表示しているときに、子機200のユーザが目的地の建物の形状等で目的地を判別したい場合に、容易にその目的地を判別することができる。
次に、ユーザが子機200の操作部210を操作して、付加情報取得モードを選択した場合について説明する。この負荷情報取得モードが選択されているときに、親機100は、子機200へ送信する画像データに、その画像データに対応する画像中の各所定ポイントに対応したポイント情報を付加して送信する。
ここでは、ポイント情報として、画像中の各所定ポイントに関する付加情報を提供している通信ネットワークN上のウェブサイトに対応したURL(Uniform Resource Locator)を用いている。
そして、この付加情報取得モードが選択されているときに、たとえば、図6左側に示すように、操作部210の操作によりユーザが子機200に表示中の画像において、あるガソリンスタンド(GS)のマークが表示されている部分を選択すると、子機200のディスプレイ201には、図6右側に示すように、そのGSの店舗名(神戸GS)、油種毎の1リッターあたりの料金(レギュラーガソリンR:¥144、ハイオクガソリンH:¥154、軽油K:¥122)、そのGSに関する情報(プリペイドカードでさらに¥2引き!)等の選択されたGSに関連した付加情報の画像が表示される。
このとき、子機200は、ユーザによって画像中のGSのマークが選択されると、そのGSのマークに対応するポイント情報(ここでは、URL)に基づいて、付加情報取得部208が通信ネットワークNを介して、サーバ500へ付加情報要求を送信し、その応答としてサーバ500からユーザにより選択されたGSに関する付加情報を受信して取得する。そして、子機200は、付加情報取得部208により取得した付加情報をディスプレイ201に表示させる。
このように、本実施形態の画像表示システムSでは、子機200のディスプレイ201に表示している画像において、ユーザが所望する所定ポイントを選択すると、子機200は、その所定ポイントに関して親機100が保持していない付加情報を、通信ネットワークNを介してサーバ500から取得して表示させることができる。
そのため、ユーザにとっての利便性が向上するだけでなく、親機100に膨大な量の付加情報を記憶させておく必要がないため、親機100の記憶部103を有効に利用することができ、さらに多くの地図情報等の画像データを記憶させることができる。
なお、本実施形態では、ポイント情報として、画像中の各所定ポイントに関する付加情報を提供している通信ネットワークN上のウェブサイトに関するURLを用いているが、ポイント情報はURLに限定するものではなく、たとえば、所定ポイントに関する付加情報を提供しているウェブサイトへのアクセス情報が格納されたQRコードやバーコード等、他の情報を用いてもよい。
また、付加情報はサーバ500に記憶されている情報であるため、サーバ500においてリアルタイムで更新される。そのため、子機200は、たとえば、駐車場の空き情報や道路の渋滞情報等といった時間によって変化する付加情報についても、リアルタイムで取得することができる。
ここで、本実施形態における親機100のディスプレイ101と子機200のディスプレイ201とに表示させることができる画像の組み合わせの一例について、図7を参照して説明する。図7は、親機100および子機200による表示内容の組み合わせの一例を示す説明図である。なお、図7では、親機100のディスプレイ101による画像表示を親画面表示、子機200のディスプレイ201による画像表示を子画面表示と表記している。
図7に示すように、親画面表示として地図が表示されている場合、子画面表示として、親画面表示の拡大図や縮小図、3Dの地図表示、鉄道路線図や地下鉄路線図等を表示させる。また、親画面表示として航空写真が表示されている場合、子画面表示として、航空写真に対応する地図を表示させる。また、親画面表示として所定の地域の画像が表示されている場合、子画面表示として、その地域における名所情報等を表示させる。
また、親画面表示中に海が表示されている場合、子画面表示として、その付近の航路や海路、近海で獲れる魚介類の種類等を表示させる。また、親画面表示中に山が表示されている場合、子画面表示として、近隣で見られる野生動物の種類や近隣で採れる山菜の種類等を表示させる。
また、親画面表示中に温泉が表示されている場合、子画面表示として、その温泉の泉質や効能等を表示させる。また、親画面表示中に施設が表示されている場合、子画面表示として、その施設の営業時間等の施設情報を表示させる。
また、親画面表示中に渋滞表示がなされている場合、子画面表示として、その渋滞の要因や規模等を表示させる。また、親画面表示中に駐車場が表示されている場合、子画面表示として、その駐車場の空き情報を表示させる。なお、図7中の○印は、その情報がサーバ500から取得される情報であることを示しており、△印は、その情報の一部(たとえば、任意に変更される営業時間等)がサーバ500から取得されることを示している。なお、○印、△印が付されていない情報は、子機200が親機100から取得する。
次に、本実施形態の画像表示システムSにおいて、親機100、子機200、サーバ500でそれぞれ実行される処理および送受信されるデータの流れについて、図8を参照して説明する。図8は、親機100、子機200、サーバ500でそれぞれ実行される処理および送受信されるデータの流れを示すシーケンス図である。
まず、親機100のディスプレイ101において親機用画像表示(たとえば、自車位置を示す地図画像表示)が行われる(1)。このとき、子機200のユーザが子機モードを選択すると、子機200は、自装置と親機100との相対的位置情報を取得する(2)。
その後、子機200は、親機100へ位置関係データを送信する(3)。このとき、子機200は、ユーザによって選択されたモード(たとえば、画像拡大/縮小モード、3D表示モード等)に応じた位置関係データを送信する。
そして、親機100は、子機200から位置関係データを受信すると(4)、そのとき選択されている子機200のモードと、そのとき受信した位置関係データとに基づいて、子機用画像を生成し(5)、その子機用画像の画像データを子機200へ送信する(6)。子機200は、親機100から子機用画像の画像データを受信すると(7)、その画像データを画像に変換して子機200のディスプレイ201に表示させる(8)。
その後、子機200のユーザが付加情報取得モードを選択する操作を行った場合(9)、子機200は、サーバ500へ付加情報要求を送信する(10)。サーバ500は、この付加情報要求を受信すると、付加情報を検索し(11)、該当する付加情報が見つかった場合に、その付加情報を子機200へ送信する(12)。そして、子機200は、サーバ500から付加情報を受信すると(13)、受信した付加情報を子機200のディスプレイ201に表示させる。
次に、本実施形態に係る画像表示システムSに複数の子機を設けた場合に選択可能な画像転送モードについて図9を参照して説明する。図9は、画像転送モードでの子機による画像の表示態様の一例を示す説明図である。
この画像表示システムSに複数の子機(ここでは、子機200、300)を設けた場合、各子機200、300は、親機100に表示されている画像の中で、各子機200、300のユーザが所望する一部領域を拡大した拡大画像をそれぞれ表示させることができる。
たとえば、図9(a)に示すように、親機100のディスプレイ101に、500mスケールで地区(B)および地区(C)の地図画像が表示されているときに、子機200のユーザが地区(B)の地図画像を所望し、子機300のユーザが地区(C)の地図画像を所望したとする。
この場合、各子機200、300のユーザが、図3(c)に示したように自身の子機200又は300の向きを変えることによって、子機200のディスプレイ201には、100mスケールで地区(B)の地図画像Mbが表示され、子機300のディスプレイ301には、100mスケールで地区(C)の地図画像が表示される。
この場合、親機100は、ディスプレイ101に表示している画像中に、子機200と子機300とにそれぞれ表示させている領域を示すカーソルE、Eaを表示させる。このとき、親機100は、子機200に対応するカーソルEと、子機300に対応するカーソルEaとを区別できるように、異なる線種からなる枠により各カーソルE、Eaを表示する。
ここで、たとえば、子機300のユーザが子機200に表示されている地区(B)の地図画像Mbを見たくなった場合、この画像表示システムSでは、図9(b)に示すように、子機200のユーザが画像転送モードを選択して、自身の子機200をもう一方の子機300の方向へ向けて振ることにより、子機200に表示中の地区(B)の地図画像Mbをもう一方の子機300のディスプレイ301に表示させることができるように構成している。
このとき、子機200は、位置関係データに画像転送モードが選択された旨を示すモード情報を付加して親機100へ送信する。なお、このとき、もう一方の子機300は、子機モードで動作しているため、定期的に親機100へ位置関係データを送信している。
その後、子機200のユーザが子機200をもう一方の子機300の方向へ向けて振ると、子機200は、そのときの方向と加速度とを示す位置関係データを親機100へ送信する。親機100は、子機200から受信した位置関係データに含まれるモードデータから画像転送モードが選択されたことを検知する。
そして、親機100は、子機200から受信した位置関係データと、子機300から受信している位置関係データとに基づいて、子機200が子機300へ向けて振られたことを検知し、子機200に送信している画像データと同じ画像データを子機300へ送信する。
つまり、この画像転送モードでは、見かけ上、一方の子機200から他方の子機300へ表示中の画像データ(地区(B)の画像Mb)が転送されているように見えるが、実際には、子機200の向きの変動に基づいて、親機100が子機300に対して、子機200へ送信しているものと同じ画像データを送信する。
これにより、たとえば、子機200のディスプレイ201に、親機100のディスプレイ101の表示領域の外側に対応する地図画像等が表示されているときに、子機300のユーザが子機200に表示中の地図画像を見たくなった場合、子機300のユーザは、親機100のディスプレイ101では探すことができない地区の地図画像であっても、子機200の画像転送モードによって、容易に子機200に表示中の地図画像を自身の子機300のディスプレイ301に表示させて見ることができる。
なお、上記した実施形態では、子機200にサーバ500から付加情報を取得する付加情報取得部208を設けたが、付加情報取得部208を親機100側に設けるように画像表示システムSを構成してもよい。
また、本実施形態では、子機200から親機100へ子機200と親機100との相対的な位置関係を示す位置関係データを送信し、親機100が受信した位置関係データを解析して、子機200と親機100との相対的な位置関係に応じた画像データを作成して子機200へ送信するように構成したが、子機200側に、親機100との相対的な位置関係及び当該位置関係の変化量を算出する処理部を設け、この処理部により算出された相対的な位置関係及び当該位置関係の変化量に基づいて、子機200の表示部に表示させる画像領域を指定するための制御信号を親機100へ送信するように構成してもよい。
かかる構成とした場合、親機100は、子機200から受信した制御信号に対応する領域の画像データを子機200へ送信する。これにより、親機100は、子機200との相対的な位置関係を解析する処理が不要となるので、処理負荷を軽減することができる。
ここで、付加情報取得部208を親機100側に設け、付加情報取得モードが選択された場合に、親機100、子機200、サーバ500でそれぞれ実行される処理および送受信されるデータの流れについて、図10を参照して説明する。図10は、親機100、子機200、サーバ500でそれぞれ実行される処理および送受信されるデータの流れを示すシーケンス図である。
図10に示す(1)〜(9)の処理および送受信されるデータの流れは、図8に示す(1)〜(9)と同様であるため、ここでは、それ以降における処理および送受信されるデータの流れについて説明する。
図10に示すように、子機200は、ユーザによって付加情報の取得を行う操作がなされた場合(9)、親機100に対して、付加情報要求を送信する(10)。親機100は、この付加情報要求を受信すると(11)、その付加情報要求をサーバ500へ転送する(12)。
サーバ500は、親機100から付加情報要求を受信すると、その付加情報の検索を行い(13)、該当する付加情報が見つかった場合に、その付加情報を親機100へ送信する(14)。親機100は、サーバ500から付加情報を受信すると(15)、その付加情報を子機200へ転送する(16)。そして、子機200は、親機100から付加情報を受信して(17)、その付加情報をディスプレイ201に表示させる。
このように、親機100側に付加情報取得部208を設けることにより、子機200が付加情報を取得する際に要する処理負荷を低減することができる。