JP5245695B2 - 太陽電池バックシート - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電に使用する太陽電池モジュールを構成する太陽電池バックシート(裏面保護シート)に関するものである。
近年、石油や石炭などの化石エネルギー源の枯渇が問題とされ、加えて、それらの燃焼時に発生するCO2の増加に起因する地球温暖化現象等の環境破壊が重要な問題となっている。そのような状況の下、太陽光発電は、無尽蔵の太陽輻射エネルギーを利用するクリーンな代替エネルギー源として実用化されている。太陽電池は、太陽光のエネルギーを直接電気に変える太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、銅インジウムセレナイド、化合物半導体等の光起電力素子からできている。その構造としては、光起電力素子単体をそのままの状態で使用することはなく、一般的に、数枚〜数十枚の光起電力素子を直列、並列に配線し、長期間に亘って素子を保護するために種々パッケージングが行われ、太陽電池モジュールとしてユニット化されている。
太陽電池モジュールの基本的な機能は、太陽の輻射エネルギーを効率よく光起電力素子へと導くと共に、光起電力素子及び内部配線を長期に亘って過酷な自然環境に耐え得るように保護することにある。太陽電池モジュールは一般的に、太陽光が当たる面のガラスや透明なプラスチック等からなる上部透明材料と、エチレン酢酸ビニル共重合体(以下EVAと称する)等の熱可塑性樹脂からなる上部充填剤層と、光起電力素子としての複数枚の太陽電池セルと、前記充填剤層と同様の下部充填剤層と、太陽電池バックシートとがこの順に積層され、真空加熱ラミネーション法等により一体成形されている。
太陽電池バックシートには、太陽電池セルとリード等の内容物を保護するために、機械的強度に優れ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐薬品性等の諸特性に優れ、特に水分や酸素等の侵入を防止する高いガスバリア性が求められている。バリア性の維持には材質そのもののバリア性能と共に、EVA等の充填層との密着性・接着安定性が重要である。これは界面からの水分の透過により充填剤の剥離、変色や、配線の腐食が起き、モジュールの出力そのものに影響を与える恐れがあるためである。
従来、太陽電池バックシートとしては、ポリフッ化ビニル(PVF)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの耐候性、難燃性、そして充填剤として良く使用されるEVAと良好な接着性を有するフッ素樹脂が用いられてきた。また、太陽電池の量産化が始まった当初から、太陽電池バックシートには、上記した保護機能に加えて、太陽電池に入射した光を効率よく太陽電池セルに集光させて発電効率の向上に寄与することが求められ、その技術について非常に多数研究されてきた。
その中で、太陽電池バックシートの改善によって、発電効率の向上に寄与する技術については、太陽電池バックシートのEVA側に使用される樹脂の表面光沢性を向上させることによる反射率改善を狙ったものや、樹脂固有の反射率が高いものを使用するものなどが用いられてきた。しかし、これらの方法では、反射率向上はあくまで内面側樹脂の持つ特性が多少向上する程度に留まっており、効果は薄かった。また、反射率の高いアルミニウム箔をEVA側に用いた場合には、太陽電池モジュールの外観に銀色の線が入ったような見え方になり、これを好まないメーカーやユーザーが多かった。さらに、直射日光による劣化の促進などの問題があり、何よりもEVAとの接着性が低いという致命的な問題点があった。
また、特許文献1には、耐熱性・耐候性フィルムの内面に熱接着性樹脂を積層した構成において、熱接着性樹脂層側から光学方向45度において光を照射した場合の白色度が80%以上の太陽電池モジュール用裏面保護シートが開示され、反射光による発電効率への寄与が示されている。また、特許文献2では、電気絶縁性ガラス状防湿皮膜を、少なくともその内面側に蒸着した耐熱性フィルムを層構成中に含む太陽電池モジュール用裏面保護シートの、内面側を白色化する方法として、白色顔料を充填した耐熱性フィルムを用いる方法、耐熱性フィルムの表面に白色塗料を塗布する方法、あるいは、バックシート側の下部充填剤層として、白色の充填剤を用いる方法が開示され、裏面シートで光が反射することで光/電流変換効率が向上する効果が示されている。しかしながら、白色化での反射光による発電効率への寄与も限定されたものであった。また、特許文献3には、透明フィラーを含む透明軟質樹脂組成物を成膜してなる太陽電池用封止膜を、裏面側用封止膜として用いることで、その光乱反射機能により太陽電池の発電効率向上させるに方法が開示されている。この特許文献3の方法では、真空加熱ラミネーション時の裏面側用封止膜の太陽電池セル表面への回りこみによる入射光の遮蔽に注意が必要であり、モジュール製造条件が難しくなる問題がある。
特開昭61−274373号公報 特開平−76232号公報 特開2000−183381号公報
本発明は上記した問題点に鑑みなされたものであり、充填剤であるEVA等との接着性が良好で、且つ、耐候性、耐湿性、光反射性、光拡散性等の諸特性に優れ、特に光の再利用効率の優れた太陽電池バックシートを提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、耐候性基材フィルムを含む少なくとも2層以上で構成され、太陽電池モジュール側に、入射光を反射させて再利用する光方向変換層を有する太陽電池バックシートであって、
前記光方向変換層が、軟質樹脂層にガラスビーズが表面に突出し表面に凹凸が形成されるように埋め込んで配列した再帰反射層であり、該再帰反射層を構成するガラスビーズの屈折率は1.9以上であり、平均粒径Dが10μm〜200μmの範囲にあり、且つ、前記ガラスビーズの平均粒径Dに対して、粒径が(√2−1)D以上であるガラスビーズが、全ガラスビーズのうち個数比率で90%以上であることを特徴とする太陽電池バックシートである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記軟質樹脂層が、熱可塑性樹脂からなり、前記ガラスビーズを埋め込む前の厚みが前記ガラスビーズの平均粒径Dの35%〜65%の厚みであることを特徴とする請求項1に記載する太陽電池バックシートである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記ガラスビーズの平均粒径Dが20μm〜70μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載する太陽電池バックシートである。
本発明の太陽電池バックシートは、耐候性基材フィルムを含む少なくとも2層以上で構
成され、太陽電池モジュール側に入射光を反射させて再利用する光方向変換層を有することで、セルおよびEVAを透過してきた太陽光線が該光方向変換層を構成するガラスビーズの再帰反射層によって大部分が反射されることになる。この反射された太陽光線が再びセルを通過する際に発電されるために、太陽電池の発電効率が大幅に向上することになる。
また、本発明の太陽電池バックシートは、最内面がEVAとの接着性に優れたガラスビーズが表面に突出し、また表面に凹凸が形成されることによるアンカー効果と接着面積の増加によってEVA樹脂との接着は非常に良好となる。
本発明の太陽電池バックシートを一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は本発明の太陽電池バックシートの一例を断面で示した概略構成図である。(a)、は2層構成を、(b)は3層構成を、(c)は4層構成を示している。また、図2は本発明の太陽電池バックシートの作製方法の一例を順に(a)、(b)、(c)、(d)の断面で説明する概略図である。図3は本発明の太陽電池バックシートを適用した太陽電池モジュールの一例を断面で説明する概念図である。
図1に示すように、本発明の太陽電池バックシート1は、一例として外側の耐候性基材フィルム10と、太陽電池モジュールを構成する充填剤40と貼り合さる最内面にガラスビーズ30が埋め込まれた軟質樹脂層20の少なくとも2層以上で構成されている。中間に機械的強度を担うポリエステルフィルム等のコアフィルム層12を有する3層構成や、さらにバリア性を担うアルミニウム箔や金属酸化物が蒸着された透明バリアフィルム等のバリア層90を中間に積層した4層構成も使用される。軟質樹脂層20は耐候性基材フィルム10に接着剤80を介して積層されているが、軟質樹脂の種類によっては直接塗布する等接着剤を用いずに積層することも可能である。図3に示すように、上部透明材料のガラス50と、充填剤40のEVAと、配線された太陽電池セル60と本発明の太陽電池バックシート1とが重ねあわされて、真空ラミネートされた状態で一体化することで、リード線70がモジュール外に引き出されて電力が取り出される太陽電池モジュールとなる。図3に示すように、本発明の太陽電池バックシートを適用した太陽電池モジュールでは、一旦太陽電池セル60を透過した光が、反射時に再び該太陽電池セルに戻り発電が起こることになる。
耐候性基材フィルム11は、太陽電池の最裏面側に配置される。透明あるいは不透明のどちらでもかまわないが、本発明の太陽電池バックシートでは、最内面に光方向変換層として、例えば軟質樹脂20にガラスビーズ30を埋め込んで配列した再帰反射層が設けられる為、透明よりも、例えば、白色に着色したものが、光の再利用効率向上の点で好ましい。基材の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリシクロヘキサンジメタノール−テレフタレート(PCT)などのポリエステル系樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)、塩化−3フッ化エチレン樹脂(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリアクリルニトリル、アクリル系樹脂、メタクリル樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂から選択される樹脂フィルムが挙げられる。また、これらに限定されず、ポリサルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂など、耐熱性、強度物性、電気絶縁性等を考慮して適宜選択することが可能である。
また耐候性基材フィルム10は、これらの基材を単独で使用することも可能であるが、
コストを考慮して、上記した2種類以上の樹脂の混合物からなるフィルムや、最外層の耐候性基材フィルム11に例えば高コストだが耐候性にすぐれた薄いフッ素樹脂フィルムや加水分解に耐性のある低オリゴマーの耐候性ポリエステルを用い、内側の中間層に機械的強度を担う厚いコアフィルム12を配置した構成とすることが、ガラスビーズの埋め込み等の光方向変換層の形成加工適性や、コストの面で好ましい。このコアフィルムとしては、機械的強度、耐熱性、寸法安定性ならびに安価なことから、2軸方向に任意に延伸されたポリエステル系樹脂が好ましい。耐候性基材フィルムの厚さはとくに制限を受けるものではなく、太陽電池バックシートとしての保護機能、ガラスビーズ埋め込み等の光方向変換層の形成加工適性、モジュール加工適性を考慮すると、実用的には50〜350μmの範囲が好ましく、層構成に合わせて個々の基材フィルムの厚さが選択される。
本発明の太陽電池バックシート1は、太陽電池モジュールを構成する充填剤40と貼り合わさる最内面に、入射光を反射させて再利用する光方向変換層として、軟質樹脂層20にガラスビーズ30を埋め込んで配列した再帰反射層を有している。光方向変換機能を有する光学フィルムは数多く提案されており、プリズム溝、レンズ状溝、あるいは角錐を、光出射面に備えたもの等があり、これ以外にも、回転フィルム、光拡散体、反射偏光子、平行化フィルムおよび光抽出フィルム等がある。太陽電池バックシートとしては、入射光を反射させて再利用するために、入射された光の方向を変更して入射側に戻す必要があり、効果的な方法として、再帰反射(retroreflectivity)機能を使うことが効果的である。ここで、再帰反射とは、ガラスビーズに入射した光がガラスビーズ表面で屈折し、その一部がガラスビーズ内に入り、入射面と対峙する球面で反射して、再び入射方向に戻る光学的な性質である。
軟質樹脂層20は、100〜150℃で軟化して、散布されたガラスビーズ30が埋め込まれ保持される特性と、太陽電池モジュールを構成する充填剤40、特にEVAへの密着性を考慮して設計される。通常、太陽電池モジュールの充填剤として用いられるEVAは、酢酸ビニル含有量が10〜40質量%であるものが用いられ、太陽電池モジュールの耐熱性、物理的強度を確保するために、熱あるいは光などによりEVAを架橋している。このようなEVAに密着性を有し、100〜150℃で軟化する熱可塑性樹脂としては、具体的には低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。さらに、100〜150℃で軟化するアクリル系、エポキシ系、フェノール系、ポリエステル系、ウレタン系、シリコン系の樹脂あるいはこれらの変性物を用いることが出来る。なお、上記した耐候性基材フィルムと軟質樹脂層との積層は、例えば2液硬化型ウレタンイソシアネート系の接着剤80による積層等公知の方法で行うことが出来る。
上記した軟質樹脂層を軟化させて、内面側からガラスビーズを埋め込み配列させることで、再帰反射性層を構成するが、ガラスビーズの一部が空間に露出している構造となるオープンタイプと呼ばれる構造をとることが好ましく、太陽電池バックシートの内面側はガラスビーズと軟質樹脂層の一部が露出しているかたちとなる。充填剤のEVAと貼り合わせてモジュール化された段階では、ガラスビーズと軟質樹脂の露出面、すなわち内面側は、透明な重点剤のEVA樹脂で覆われることになる。再帰反射輝度を向上させ、表面からバックシートまで透過した太陽光を、光反射あるいは光拡散させて再利用するために、バックシートの最内面に光反射性、光拡散性を付与することを目的として軟質樹脂層には酸化チタンを主成分とする白色顔料を添加して着色することが好ましい。白色顔料としては、例えば、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性珪酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、二酸化チタン等の白色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。その添加量としては、顔料の隠蔽力にもよるが、軟質樹脂層の全質量に対して0.1〜30質量%である。さらに、上記白色顔料に加えて、無機充填材としてシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛などを用いることができ、更に、チオフェンジイルなどの蛍光増白剤を用いると更に効果的である。なお、ガラスビーズ全体が軟質樹脂層のなかに埋まった状態のクロ−ズドタイプと呼ばれる構造も排除されないが、この場合には軟質樹脂層は透明とし、耐候性基材フィルムを白色とすることが好ましい。
本発明の太陽電池バックシートの最内面に効果的な再帰反射層を形成するために使用するガラスビーズとしては、ガラスビーズの平均粒径Dが10μm〜200μmの範囲にあり、且つ、ガラスビーズの平均粒径Dに対して、粒径が(√2−1)D以上であるガラスビーズが、全ガラスビーズのうち個数比率で90%以上であることが好ましい。
ガラスビーズの平均粒径Dが200μmを超える場合にはガラスビーズが脱落しやすくなって、軟質樹脂の厚みを大きくする必要があり、且つ、太陽電池バックシート単位面積当りのガラスビーズの付着量が多くなり、重量が重くなるばかりでなく、単位面積あたりの製品単価が高価なものとなる。ガラスビーズの平均粒径Dは好ましくは100μm以下とする方が好ましく、より安定した品位を実現するためには70μm以下とする方がよい。一方、ガラスビーズの平均粒径Dが10μmより小さいと、実用上充分高い反射輝度が得られない。ガラスビーズの平均粒径Dの最小値は10μm以上とするのがよく、より安定した品位を実現するためには20μm以上が好ましい。ここで、ガラスビーズの粒度は、電子顕微鏡の画像による画像解析を利用する方法、篩い分け法、コールター・カウンター法、沈降法等によって測定することができる。
また、本発明の太陽電池バックシートに使用するガラスビーズとしては、ガラスビーズの平均粒径Dに対して、粒径が(√2−1)D以上であるガラスビーズが、全ガラスビーズのうち個数比率で90%以上であることが好ましい。一般に、ガラスビーズを製造する際にどのような製造方法を採用しても、形成されたガラスビーズは、ある粒径範囲の粒度分布を持つことになる。粒径が(√2−1)D未満の物が多く含まれると、ガラスビーズが平面的に密に配列した状態で、その隙間に粒径が(√2−1)D未満のものが入り込み、平面的な充填率が上がるが、ガラスビーズの配列が乱れてガラスビーズ自身による光の遮蔽効果が増大して反射輝度が落ち、外観不良となり品質がバラツク問題がある。そのため、篩い分け作業の経済性も考慮すると、粒径が(√2−1)D以上であるガラスビーズが、全ガラスビーズのうち個数比率で90%以上とする。
さらに、ガラスビーズの再帰反射機能を実現するためには、上記した粒径範囲とともにガラスの屈折率が影響しており、屈折率として1.9以上が確保されていることが必要であるが、材質として1.9以上の屈折率があっても、粒径が小さいガラスビーズが混在した状態では、全体としての反射輝度が得られない。そのため、本発明の太陽電池バックシートでは、ガラスビーズを軟質樹脂に混ぜて成膜する方法ではなく、100〜150℃の雰囲気で軟化した状態の軟質樹脂のEVAと貼り合わせる内面側に、粒度のそろったガラスビーズを散布して配列させ、めり込ませることでガラスビーズを配置する。
軟質樹脂層の形成方法は、耐候性基材フィルムの成膜工程の延伸前あるいは延伸後の該フィルムに、熱溶融した軟質樹脂層の樹脂を押し出し積層する手法、あるいは、軟質樹脂層の樹脂を水や有機溶剤を媒体とした塗布液として、耐候性基材フィルムに塗布処理する手法、あるいは単独で軟質樹脂層の樹脂を押し出し成膜した後、接着剤を用いて積層するいずれもの方法の可能である。軟質樹脂層には、添加剤として、シランカップリング剤や紫外線吸収剤を加えることにより、ガラスビーズとEVA充填剤との密着性だけでなく、耐水性、耐熱性等の耐性を上げることができる。
軟質樹脂層のガラスビーズを埋め込む前の厚さは、用いるガラスビーズの平均粒径Dの35%〜65%の厚みとするのが好ましい。35%未満ではガラスビーズの押し込みが不
足してガラスビーズの脱落が起きやすく、また65%を超えると、ガラスビーズ全体が埋め込まれたクロ−ズドタイプになる場合があり、高い反射輝度が得られない可能性が大きく、溶融させる雰囲気温度やガラスビーズを埋め込む圧力等の製造条件のコントロールが難しくなる。ガラスビーズの内面側への露出量はガラスビーズの直径の約1/2が好ましく、この状態を実現する軟質樹脂層の厚みは、用いるガラスビーズの平均粒径Dの35%〜65%の厚みとすることでガラスビーズの内面側への露出量をコントロールすることが可能となる。
本発明の太陽電池バックシートは、前述した、中間に機械的強度を担うポリエステルフィルム等のコアフィルム層12を有する3層構成に加えて、さらにバリア性を担うアルミニウム箔や金属酸化物が蒸着された透明バリアフィルム等のバリア層90を中間に積層した4層構成や、コアフィルムを除いた3層構成も使用される。長期耐久性を求める太陽電池バックシートでは、特に、水蒸気透過度が1.0g/m2・day・40℃90%RH以下の低い領域すなわち高バリア性でその有効性が発揮される。このような高バリアを得るためには、従来から用いられてきたノンピンホールの点で厚さ20μm以上のアルミニウム箔やハイバリア性の透明蒸着フィルムをバリア層として中間に積層する。
本発明の太陽電池バックシートでは、予め耐候性基材フィルムと透明蒸着フィルムを接着剤等で積層した後、軟質樹脂層を形成することができるが、積層の方法は特に限定されない。透明蒸着フィルムの無機化合物からなるバリア性薄膜層は、水蒸気や酸素等のガスの透過を防ぐものである。バリア性薄膜層を形成する材料は特に限定されるものではなく、珪素、アルミニウム、クロム、マグネシウム等の金属の酸化物、窒化物、フッ化物等、透明で且つ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものが使用できる。なかでも、金属酸化物およびその混合物は好ましく用いることが出来る。その中でも、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムは、高いガスバリア性が得られることから好ましい。蒸着基材としては、強度、耐熱性、透明性ならびに安価なことから、2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく使用できるが、これに限定されるものではない。このような高バリアの透明蒸着フィルムは、市販品としても入手可能であり、市販品としては、例えば、凸版印刷社製の酸化アルミニウムの透明蒸着フィルムGX−P−F(商品名)12μmが挙げられる。
以下に本発明の太陽電池バックシートの具体的実施例について説明する。
[ベースシートの作成]
フッ素フィルム(デュポン社製PVF テドラー)25μmに、2液硬化型ウレタン系接着剤(東洋モートン社製 AD76P1/CAT10)固形分塗布量4g/m2を塗布し、PETフィルム(東レ株式会社製 ルミラーS10)250μmをドライラミネート法により積層した。次に、この積層品のPETフィルム面に2液硬化型ウレタン系接着剤(東洋モートン社製 AD76P1/CAT10)固形分塗布量2.5g/m2を塗布して、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン(メルト・フロー・インデックスMFR=6、密度=0.890g/cm3)を厚み30μm押し出し成膜して積層して、加工前のベースシートを得た。
[再帰反射層の作成]
このロール状態のベースシートを、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン側を上にして巻き出し、ウェブ状態で搬送しながら130℃のオーブンに通して加熱し、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレンを半溶融軟化状態とした。次に、オーブン中で搬送されているベースシートの、半溶融軟化状態の無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン上に、篩い分けして粒径が(√2−1)D以上であるガラスビーズが99%の平均粒径D=50μmのガラスビーズ(日本電気硝子社製、無機酸化物ガラス)を万遍なく散布した。ガラスビーズの目付け量は130g/m2であった。その後、搬送中にある程度ガラスビーズが自重で軟化した樹脂中に沈み込んだシートを、下側が金属ロール、上側がシリコンゴムロールからなるロールユニットの間を通してで冷却しながらニップして、ガラスビーズの埋め込み量を調整した後巻き取り、本発明の太陽電池バックシートを得た。
作成した太陽電池バックシートを用いて、上部透明材料の強化ガラスと、充填剤のEVAシート(三井化学ファブロ社製 RCO2Bタイプ)、及び本発明の太陽電池バックシートと重ね合わせて、150℃/真空引き3分間/圧着10分間/1.33×102Paの条件で真空加熱ラミネートして試験用太陽電池モジュールとした。この試験用の太陽電池モジュールを、85℃−85%RHの環境下で2000時間保存試験をした後、耐候性・耐久性としてバックシートの光反射性と充填剤であるEVAとの接着性を評価した。光反射性(再帰反射性)の評価は、ヨーロッパ反射クロス規格 EN−471に準じた方法でレトロルミノメーターにより測定を行った。また、EVAとの接着性の測定は、日本工業規格JIS K6854−3:1999「接着剤―剥離接着強さ試験方法−第3部:T型剥離」で規定されている試験方法に従って測定した。試験にはオリエンテック社テンシロン万能試験機RTC−1250を用いた。
本発明の太陽電池バックシートは、外観的にも劣化が見られず優れた再帰反射性を示し、EVAとの接着強度は2000時間の高温多湿条件下での保存後も、太陽電池バックシートで実用上必要とされる20N/10mm以上の値が保持された結果となった。本発明の太陽電池バックシートは、最外層に薄いフッ素樹脂等の耐候性フィルムを、中間層に厚い一般PETフィルムを使うことが可能なため、ガラスビーズ加工によるコストアップを相殺して、効率的な太陽電池モジュールに適用することができる結果となった。
本発明の太陽電池バックシートの一例を断面で示した概略図。 本発明の太陽電池バックシートの作製方法の一例を断面で説明する概略図。 本発明の太陽電池バックシートを適用した太陽電池モジュールの一例の断面概略図。
符号の説明
1・・・太陽電池バックシート 10・・・耐候性フィルム基材
11・・・耐候性フィルム基材(外層) 12・・・コアフィルム
20・・・軟質樹脂層 30・・・ガラスビーズ
40・・・充填剤(EVA) 50・・・ガラス
60・・・太陽電池セル 70・・・リード線 80・・・接着剤
90・・・バリア層

Claims (3)

  1. 耐候性基材フィルムを含む少なくとも2層以上で構成され、太陽電池モジュール側に、入射光を反射させて再利用する光方向変換層を有する太陽電池バックシートであって、
    前記光方向変換層が、軟質樹脂層にガラスビーズが表面に突出し表面に凹凸が形成されるように埋め込んで配列した再帰反射層であり、該再帰反射層を構成するガラスビーズの屈折率は1.9以上であり、平均粒径Dが10μm〜200μmの範囲にあり、且つ、前記ガラスビーズの平均粒径Dに対して、粒径が(√2−1)D以上であるガラスビーズが、全ガラスビーズのうち個数比率で90%以上であることを特徴とする太陽電池バックシート。
  2. 前記軟質樹脂層が、熱可塑性樹脂からなり、前記ガラスビーズを埋め込む前の厚みが前記ガラスビーズの平均粒径Dの35%〜65%の厚みであることを特徴とする請求項1に記載する太陽電池バックシート。
  3. 前記ガラスビーズの平均粒径Dが20μm〜70μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載する太陽電池バックシート。
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