JP5245568B2 - 無鉛ハンダ合金、ハンダボール及びハンダバンプを有する電子部材 - Google Patents

無鉛ハンダ合金、ハンダボール及びハンダバンプを有する電子部材 Download PDF

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Description

本発明は、エレクトロニクス部品の接続に用いられる無鉛ハンダ合金、ハンダボール及びハンダバンプを有する電子部材に関するものである。
電子機器に内蔵される電子回路基板において、基板と電子部品とを接合するためにハンダが用いられている。このようなハンダによる接合部(以下、「ハンダ接合部」という)には、機器のon/offによる発熱や冷却に起因した熱疲労が生じるため、熱疲労特性がハンダ接合部の接合信頼性の指標として従来から一般的に用いられている。また、近年は携帯電話に代表されるモバイル機器への用途に対して、機器を落下させてしまった時でもハンダ接合部が耐えられる特性も要求されている。その結果、このような用途においても優れた信頼性が得られるようなハンダ接合部とするために、耐落下衝撃特性に関する新しい接合信頼性の指標も必要となってきた。
一方、ハンダ合金としては、SnとPbとを含有する成分系が従来広く用いられてきた。しかし、近年の環境問題やEU(欧州連合)のRoHS指令(Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment)などにより、Pbを含有しない、いわゆる鉛フリーハンダが広く開発され、実用化されている。鉛フリーハンダ材料として、現在、主流となっているものの1つにSn-Ag-Cu系ハンダ材料がある(特許文献1)。その中でも、電子部品実装プロセスにおいては、Sn-3.0Ag-0.5Cu(3.0質量%Ag-0.5質量%Cuを含有するSnハンダ)、Sn-4.0Ag-0.5Cu(4.0質量%Ag-0.5質量%Cuを含有するSnハンダ)などの鉛フリーハンダ材料が標準的に使用されている。
近年、電子部品の高密度実装化に伴い、基板電極パッド面積の縮小化が急激に進んでいるため、接合部位のハンダ量は少量化せざるを得ない状況にあり、鉛ハンダも含め前述の鉛フリーハンダのハンダ接合部にかかる負荷はますます増大している。そのため、ハンダ接合部には、より高い接合信頼性が求められるようになっている。このような状況を背景に、アメリカ電子工業会(EIA)の分会である電子機器技術評議会(JEDEC)で、前述のような高度な接合信頼性の評価方法として、ハンダボールシェア(Solder Ball Shear)評価試験方法に、高速シェア(高速の剪断速度)における同試験が追加で規格化されている(非特許文献1)。この評価試験方法は、機械的な剪断力をハンダバンプに与えてハンダバンプの耐性や破壊モードを評価するものである。剪断力は、電子部品の製造工程、取り扱い、試験、輸送、及び実使用時にかかるものであり、剪断力に対する前記耐落下衝撃特性は、ハンダ接合部のより高い接合信頼性につながる。特に、高速シェアにおけるハンダボールシェア評価試験は、ハンダ/電極界面の接合信頼性の高度な評価指標と考えられ、ハンダ量が少量化する中で、相対的に体積比率が増加するハンダ/電極界面の評価として重要なものとなっている。つまり、従来にない、衝撃的な剪断力に対する耐性に優れた(衝撃剪断破壊強度の高い)ハンダ/電極界面が要求されている。
例えば、電子部品の小型化、高密度実装化に伴い普及してきた、BGA(ボールグリッドアレイ)や、CSP(チップサイズパッケージ)などでは、製造工程、取り扱い、及び試験時に、ハンダバンプへ機械的な衝撃が加わる場合があり、時によっては、ハンダバンプが欠落し、歩留低下の原因となることがある。また、上述のように、小型化されたモバイル機器等では、機器の落下という極めて過酷な使用条件が要求されている。このような場合には、ハンダバンプと電極の接合強度をより高くする必要があり、その大きな衝撃に対する接合強度の評価としては、高速シェアによる上記評価試験が適しているものと考えられる。ここで、ハンダバンプとは、銅あるいはアルミ配線電極上のメッキの上にハンダを半球状に突出形成したものいう。
ハンダ合金の諸特性を改善するために、これまで、ハンダ合金に添加する種々の添加元素が検討されている(特許文献2〜12)。上述した耐落下衝撃特性についても、ハンダの合金の組成や種々の添加元素を変えることにより、ハンダ接合部の接合信頼性を向上させる試みが検討されているが、これまで検討されてきた接合信頼性は単純な落下試験による耐衝撃特性(耐落下衝撃性)の向上のみである。
例えば、特許文献2には、上述した標準的な鉛フリーハンダ組成よりAg含有量が低い領域において、耐落下衝撃性に優れる特定のAg含有量領域が存在することが開示されている。すなわち、Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.5質量%を含み、残部Sn及び不可避不純物からなる鉛フリーハンダ合金とする組成である。これにより、優れた耐衝撃性と耐熱疲労特性にすることができるとされている。特許文献2には、さらに前記ハンダ合金組成に、Niを0.05〜1.5質量%、又は、Feを0.005〜0.5質量%の範囲で添加することによって、接合強度も向上できるとしている。
また、特許文献10では、Cu電極上にPを含むNi層を形成した電極とSn基合金ハンダの接合に関し、そのハンダ接合性の向上、すなわち、接合強度の向上には、Sn基合金ハンダにアルカリ土類金属であるBa、Be、Ca、Mgのいずれかを添加することが効果的であることが開示されている。図1に示すように、無電解Ni/Auメッキ電極上にSn基合金でハンダバンプを形成すると、その接合界面にはNiメッキ層から拡散したNiとハンダのSnとでSn-Ni合金(Ni-Sn金属間化合物)が形成され、同時にNiが拡散したNiメッキ層部分はP濃縮層が形成されるとしている。すなわち、PはSnとの反応性が乏しいので、PがNiメッキ層に取り残され前記P濃縮層が形成されるものとしている。前記P濃縮層が形成されると、電極とハンダの間での剥離が容易に起こるものと理解されている。よってハンダ接合強度を向上させるためには、前記P濃縮層の形成を抑制することが重要となり、その為には、上述の添加元素が有効であると示されている。具体的には、図2に示すように、Pとアルカリ土類金属とは反応し易いので、上述の添加元素がハンダ中に存在すると、Pとの化合物(例えば、Be3P2、Ca3P2等)をバンプ中に形成して前記P濃縮層の形成を抑制できるとしている。
特開平5-50286号公報 特開2002-239780号公報 特開平9-206981号公報 特開2000-15478号公報 特開2001-9588号公報 特開2001-184949号公報 特開2001-202830号公報 特開2001-297631号公報 特開2001-298049号公報 特開2003-37133号公報 特表2005-510357号公報 特開2006-303346号公報 JESD22-B117A(October 2006, JEDEC Solid State Technology Association)
上述のように、電子部品の高密度実装化や、モバイル電子機器における厳しい耐落下衝撃性等、これまでにない高性能化の要求にともにない、ハンダ接合部の信頼性の向上、特に、衝撃的剪断力に対する耐性(衝撃剪断破壊強度)の向上が必要である。すなわち、現状のハンダ合金では、必ずしも十分な衝撃剪断破壊強度が得られていないという問題がある。
ハンダ接合部の周囲を樹脂で埋め、接合信頼性を向上させる方法もあるが、前述の製造工程等で起こる問題ではハンダバンプの樹脂埋め前であり、ハンダ接合部の周囲に樹脂は存在しておらず、樹脂による対策には頼ることができない。また、電子機器製品の低コスト化を図るために、電子部品が樹脂で埋められていない実装形態も増加しており、樹脂に埋められていないハンダ接合部では、樹脂に頼らずハンダ自身で高い接合信頼性が求められることが多い。
特許文献1には、Sn-Ag-Cu系ハンダ合金が開示されているが、従来からハンダ接合部に主に求められてきた熱疲労特性を、その組成を検討して改善したハンダであり、上述の衝撃剪断破壊強度は考慮されていない。
特許文献2では、上述のように、Sn-Ag-Cu系ハンダ合金に関し、標準的な組成よりAg含有量が低い領域において、特定のAg含有量とすることで、ハンダに延性を持たせ、耐落下衝撃特性を向上させている。しかしながら、特許文献2に係る前記耐落下衝撃特性は、単純な落下試験による特性であり、ハンダと基板電極間の界面強度が十分ではないため、前記耐落下衝撃特性を満足したとしても、狭ピッチ化し、はんだ接合部の面積、体積が減少した際に、必ずしも大きな衝撃剪断破壊強度は得られない。
ハンダ合金の特性を制御するために、種々の添加元素が検討されているが、例えば、次のようなものがある。特許文献3は、Pb-Sn系ハンダ合金であるが、Be(以下、ベリリウムともいう)を含む種々の添加元素の組み合わせでハンダの濡れ性を向上させている。すなわち、濡れ広がり率を向上する元素群と濡れ広がり率を低下する元素群との添加量の組み合わせによって良好な濡れ性を得るものであり、添加元素の1つであるBeは広がり率を低下する元素群の1つとして取り上げられている。しかしながら、ハンダ合金の衝撃剪断破壊強度に関しては記載も示唆もなく、前記添加元素が衝撃剪断破壊強度に影響することも記載されていない。
特許文献4は、無鉛ハンダの1つであるSn-Zn系ハンダ合金に関し、ハンダペーストとして使用されるものであり、ハンダペーストの保存性(経時変化の抑制)を改善するために、常温常圧において固体であり亜鉛より蒸気圧が高い添加成分を0.5質量%以下添加するもので、0.1質量%程度で前記効果が得られると記載されている。前記添加元素によって、長期保管後の粘性上昇を抑制する効果があるとしており、前記添加元素の1つとしてBeが挙げられている。しかしながら、前記無鉛ハンダ合金の衝撃剪断破壊強度に関しては記載も示唆もなく、前記添加元素が衝撃剪断破壊強度に影響することも記載されていない。
特許文献5は、Pb-Sn系ハンダ合金に関し、ハンダ線やハンダチップの易製造性向上や、ハンダボールの表面疵防止のために、ハンダの硬度を高める添加元素として、カルシウム、ベリリウム、ゲルマニウムが取り上げられている。しかしながら、ハンダ合金の衝撃剪断破壊強度に関しては記載も示唆もなく、前記添加元素が衝撃剪断破壊強度の影響することも記載されていない。また、硬度の増加は、一般的に、衝撃剪断破壊強度の低下につながるものである。
特許文献6〜9には、電子部品電極と基板電極と接続に利用される金属粒子や前記金属粒子を含む有機バインダーからなる導電性フィルムに関し、前記金属粒子において、100℃前後での低温接続を目的とした融点(液相線)調整のために、Beを含む各種元素が挙げられている。しかしながら、前記添加元素の具体的な添加量の記載は無い。また、ハンダ合金の衝撃剪断破壊強度に関しては記載も示唆もなく、前記添加元素が衝撃剪断破壊強度に影響することも記載されていない。
特許文献10には、上述のように、ハンダ接合性の向上(ハンダ接合強度の向上)には、Beを含むアルカリ土類金属類をハンダ合金に添加し、前記アルカリ土類金属のP化合物をバンプ中に形成させることで接合界面のP濃縮層の形成を抑制するとしている。前記P濃縮層を形成しないようにするには、0.1質量%の上記Beを含むアルカリ土類金属類の元素を添加するとしているが、実際に形成されるP濃縮層のP量を考慮すると大量の添加元素が必要となる。したがって、P濃縮層の形成を抑制できたとしても、図2に示したようなP化合物がバンプ中に点在し、P化合物のサイズや分散量によってはバンプ自体の強度が増大することになる(分散強化されることになる)場合もあるが、このように大量の添加元素を添加すると、ハンダ合金が固溶硬化する。前記固溶硬化されたハンダ合金は、衝撃的な剪断力に弱くなり、はんだバンプ自身が剪断破壊してしまう。
特許文献11には、半導体チップなどの発熱体と、熱放散用のヒートシンクなどを接合するためのインジウム系ハンダ合金が記載され、前記ハンダ合金の熱膨張係数を制御する成分の1つとして酸化ベリリウムが挙げられている。前記ベリリウムは、酸化物として前記ハンダ合金中に分散されるものであり、ハンダ合金成分の金属成分として添加されるという記載はない。
特許文献12には、絶縁性基板と半導体装置を接合するBi基合金ハンダにおいて、前記ハンダはマルテンサイト変態する第2の金属が分散され、前記第2の金属のマルテンサイト相を安定化するためにベリリウムを添加することが記載されている。しかしながら、前記Bi基合金にベリリウムを添加することは、記載されていない。また、前記Bi基合金ハンダの衝撃剪断破壊強度に関しては記載も示唆もなく、ベリリウムが衝撃剪断破壊強度に影響することも記載されていない。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、ハンダ接合部における衝撃剪断破壊強度の向上を実現させるための無鉛ハンダ合金であり、該ハンダ合金を用いたハンダボール及びハンダバンプを有する電子部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、無鉛ハンダ合金のハンダ接合部における衝撃剪断破壊強度の向上の手段として、ハンダと電極との界面に形成される金属間化合物に着目した。これは、従来のハンダでは、衝撃的な剪断力のような負荷に対して、一般的に、ハンダ/金属間化合物界面、あるいは、金属間化合物/電極界面で脆性的に破断し、衝撃剪断破壊強度が十分ではなかったためである。そこで、ハンダに種々の添加元素を加え、鋭意調査した結果、ハンダに特定の量のBeを添加することで、従来ハンダに比べて劇的に衝撃剪断破壊強度が向上することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
本発明の請求項1に係る無鉛ハンダ合金は、Beを質量で0.1ppm以上200ppm以下、Niを0.005質量%以上0.5質量%以下含有し、残部がSnから、或いは、Snと、0.1質量%以上5質量%以下のAgと、0.01質量%以上1.5質量%以下のCuとからなることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る無鉛ハンダ合金は、請求項1において、Ag及びCuを含有し、Agの含有量が0.1質量%以上5質量%以下で、Cuの含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項に係る無鉛ハンダ合金は、請求項1において、Agの含有量が0.3質量%以上1.5質量%以下、Cuの含有量が0.05質量%以上1.0質量%以下、Niの含有量が0.02質量%以上0.08質量%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項に係る無鉛ハンダ合金は、請求項1又は2において、更に、P、Ge、及びGaのうちいずれか1種以上を含有し、Pの含有量が0.01質量%以下、Geの含有量が0.01質量%以下、Gaの含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項に係る無鉛ハンダ合金は、請求項1〜のいずれか1項において、更に、Sbを含有し、Sbの含有量が0.005質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項に係る無鉛ハンダ合金は、請求項1〜のいずれか1項において、Snの含有量が40質量%以上であることを特徴とする。
本発明の請求項に係るハンダボールは、請求項1〜のいずれか1項に記載の無鉛ハンダ合金からなり、球径が1mm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項に係る電子部材は、請求項1〜のいずれか1項に記載の無鉛ハンダ合金を用いて形成されたハンダバンプを有することを特徴とする。
本発明の請求項に係る電子部材は、請求項記載のハンダボールを用いて形成したハンダバンプを有することを特徴とする。
本発明によれば、エレクトロニクス部品の接続に用いられる無鉛ハンダ合金において、ハンダ接合部における、衝撃剪断破壊強度を格段に向上させることができる。
本発明は、Beを質量で0.1ppm以上200ppm以下を有し、残部にSnを含有する無鉛ハンダ合金であり、前記無鉛ハンダ合金をハンダ接合部に用いることにより、ハンダ接合部に形成される金属間化合物の靭性と、ハンダと電極との界面における界面破断強度とを大幅に向上させ、衝撃剪断破壊強度を格段に向上させることを見出した。以下、Snを40質量%以上含有する無鉛ハンダ合金中に上記含有量でBeを含有させることにより、衝撃剪断破壊強度が大幅に改善するに至った経緯について詳述する。
前述したように、ハンダ接合部のハンダ量が減少する中、より高い接合信頼性が求められており、近年、アメリカ電子工業会(EIA)の分会である電子機器技術評議会(JEDEC)で決められた規格であるJESD22−B117Aの内、高速シェア評価が、衝撃剪断破壊強度の評価手法として業界で標準的に用いられつつある。そこで、これまで広く使われており、実質的に鉛フリーハンダ(無鉛ハンダ)の標準成分として用いられているSn-3Ag-0.5Cuを用いて高速シェア評価を実施すると、主に、電極とハンダとの間に形成される金属間化合物層で脆性的な破断が起こり、これが原因で衝撃剪断破壊強度が非常に低くなっていることが判明した。
そこで、本発明者らは、金属間化合物の破壊靭性と、金属間化合物とハンダあるいはハンダと電極との界面における界面破断強度に着目し、これらの特性を改善する合金成分の探索を行ったところ、Beを特定量添加することで、これら特性が大幅に向上することを見出した。その結果、ハンダ接合部の衝撃剪断破壊強度を飛躍的に改善するに至った。
当該機能発現の詳細なメカニズムは検討中であるが、以下の通りであると推察している。すなわち、Beは、原子半径が小さいので粒界や界面に偏析し、粒界や界面での、主要構成元素間の結合力を高める。このような結合力の向上は、粒界や界面の相対する主要構成元素同士の結合を強め、かつ、粒界や界面でのすべりに対して、隣り合う元素との再結合につながり、破局的な粒界割れや、界面割れを生じるのを抑制し、巨視的には粒界や界面でのすべりを防止することとなり、破壊靭性の向上に繋がる。これにより、金属間化合物中の粒界に偏析した場合には、金属間化合物の破壊靭性を向上させ、界面に偏析した場合には、ハンダ/金属間化合物界面における界面破断強度と、金属間化合物/電極界面における界面破断強度を向上させる。引用文献10に記載のような大量にBeを添加した場合、Be添加がハンダ合金そのものを固溶硬化することになり、ハンダ自身の硬度を増大させ、延性を低下させてしまう。そのため、剪断衝撃が加わった場合のハンダ/電極界面に伝達される衝撃力が大きくなってしまい、ハンダ/電極界面の剪断破壊強度向上分を相殺することになり、総合的に効果が発揮されない。したがって、0.1ppm〜200ppmの少量のBeであれば、Beがハンダ/電極界面に優先的に濃化するために、少量のBeでも上記効果がある。但し、Beが少なすぎると、金属間化合物の粒界や、ハンダ/金属間化合物界面や金属間化合物/電極界面に広く分布して存在することができず、その効果は不十分である。このようなBeの添加効果は、鉛ハンダでは見られなかったが、延性で劣る無鉛ハンダに関して見出されたものである。以下、好ましい範囲、限定理由等について述べる。
上述したように、Beを含有したことによる本発明の効果は、ハンダと電極との間に形成される金属間化合物層の破壊靭性の向上と、ハンダ/金属間化合物、及び、金属間化合物/電極界面における界面破断強度の向上によるものである。従って、本発明の対象は、残部にSnを含有する無鉛ハンダ合金であるが、具体的に本発明の実施可能な成分系を例示すると、Sn-Ag-Cu系、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Zn系、Sn-Bi系、Sn-In系等、一般的に使用されているハンダ成分系に対して有効である。また、本発明における無鉛ハンダ合金とは、鉛含有量が0.1質量%以下であるハンダ合金をいう。また、本発明の無鉛ハンダ合金は、Snを40質量%以上含有することが好ましく、この場合に上記Beの添加効果が顕著に現れる。
Beの含有量は、上記のように、0.1ppm以上、200ppm以下である。0.1ppm未満であると、金属間化合物の粒界、ハンダ/金属間化合物界面や、金属間化合物/電極界面に偏析するBeの量が少ないために破断強度の向上は認められなくなる。また、200ppm超であると、ハンダ自身の硬度が増大し、延性が低下する。そのため、剪断衝撃が加わった場合のハンダ/電極界面に伝達される衝撃力が大きくなってしまい、ハンダ/電極界面の剪断破壊強度向上分を相殺することになり、総合的に効果が発揮されない。また、金属間化合物の粒界、ハンダ/金属間化合物、及び、金属間化合物/電極界面にBeが塊状に偏析し、かえって界面での結合力の増加をもたらさない。また、より好ましくは、Beの含有量は0.1ppm以上75ppm以下である。75ppm以下であれば、Beは粒界や界面に原子状で存在し、塊状にならず、かつ、ハンダの延性を損なうことが少ないため、添加量に対する剪断破壊強度の向上の効率が高い。
ハンダ中のBeの分析方法は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)分析法やグロー放電質量分析(GD−MS)法によって行うことができ、Beの含有量を決めることができる。前記分析方法、或いはその他の分析方法のいずれか1つの分析方法で測定されたBe含有量が上記範囲内であれば、本発明の効果が得られる。
無鉛ハンダ合金として標準的に用いられているSn-Ag-Cu系に対しては、Agの含有量が0.1質量%以上5質量%以下で、Cuの含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下において、上記Be添加による衝撃剪断破壊強度の向上が顕著になるとともに、ハンダの熱疲労特性とハンダのぬれ性に関する接合信頼性もより優れる。Agの含有量が0.1質量%未満であると、ハンダの熱疲労特性の低下により好ましくない場合がある。Agの含有量が5質量%超では、ハンダ内に粗大なAg3Snが形成され、熱疲労特性を低下させる場合がある。さらに好ましくは、Agの含有量が0.3質量%以上1.5質量%以下である。Cuの含有量は0.01質量%未満であるとハンダのぬれ性が悪くなる場合がある。また、1.5質量%超であるとハンダが硬くなり、ハンダのぬれ性が低下する場合がある。さらに好ましくは、Cuの含有量が0.05質量%以上1.0質量%以下であることが望ましい。
Niは、Sn中に存在することで、ハンダと電極との界面に形成される金属間化合物の成長を抑制する効果がある。その結果、上記Beの添加効果と相乗して、衝撃的な剪断力に対する耐性(衝撃剪断破壊強度)をはじめとする接合信頼性が著しく向上する。特に、Niの含有量が、0.005質量%以上0.5質量%以下で前記相乗効果が大きい。0.005質量%未満であると前記効果を発現し難い場合がある。また、0.5質量%超であると、ハンダが硬くなり接合信頼性を低下させる場合がある。より好ましくは、Niの含有量は0.02質量%以上0.08質量%以下である。
P、Ge、及びGaは、Sn中に存在することで、Sn中の酸化介在物を低減する効果がある。酸化介在物が界面近傍に存在すると、その界面特性は極端に低下する。本発明では、Be添加と同時に、P、Ge、Gaの少なくとも1種以上を添加することで、Be添加効果と相乗して、衝撃剪断破壊強度をはじめとする接合信頼性が著しく向上する。特にPの含有量が0.01質量%以下、Geの含有量が0.01質量%以下、Gaの含有量が0.01質量%以下で前記相乗効果が大きい。いずれの元素も、含有量が0.01質量%超であると、衝撃剪断破壊強度が低下することがある。さらに、これらの元素は、ハンダの変色を防止することもできる。
Sbは、Sn中に存在することで、Sn中に分散し、ハンダ内の耐き裂進展特性を向上する効果がある。特に、Be添加と共存した場合、ハンダのき裂進展速度が大きく低下する。その結果、衝撃剪断破壊強度の向上だけでなく、熱疲労特性も向上する。特に、Sbの含有量が、0.005質量%以上1.0質量%以下で前記相乗効果が大きい。Sbの含有量が0.005質量%未満であると前記効果を発現し難い場合がある。また、Sbの含有量が1.0質量%超であると、ハンダが硬くなり接合信頼性を低下させる場合がある。より好ましくは、Sbの含有量は0.02質量%以上0.5質量%以下である。
一般的に上述した元素の組成は、例えば、ICP分析法やGD−MS法等により測定して決めることができる。
本発明の無鉛ハンダ合金は、業界で一般的に用いられているフロー用ハンダ、リフロー用ハンダ、糸ハンダ等いずれのハンダ合金形態においても、その効果を発現することが可能であり、さらに、ハンダ粉を含むクリームハンダや、ハンダボールにおいても、その効果を発現することができる。特に、狭ピッチのパッケージ接続に用いられる球径1mm以下のハンダボールにおいて、当該無鉛ハンダ合金を用いることは効果的である。したがって、これらの無鉛ハンダ合金を用いて形成されたハンダバンプを有する電子部材は、金属間化合物の破断強度を向上させることができるため、耐落下衝撃特性に優れた電子部材を提供することができる。
無鉛ハンダ合金を作製する雰囲気は、真空中、又は非酸化性雰囲気中等、いずれの雰囲気においても本発明の効果を得ることができる。前記雰囲気で、ハンダ基合金、又はハンダ基合金の各成分金属を加熱して溶融し、更にBeを添加して混合した後、冷却固化することで、本発明の無鉛ハンダ合金を作製出来る。また、ハンダ基合金又はハンダ基合金の各成分金属に予めBeを加え、前記雰囲気で加熱溶融した後、冷却固化しても本発明の無鉛ハンダ合金を作製できる。前記ハンダ基合金としては、例えば、Sn-Ag-Cu系、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Zn系、Sn-Bi系、Sn-In系等のハンダ基合金が使用できる。また、本発明で添加されるその他の金属は、前記Beを添加する前、添加した後、及び、前記Beの添加と同時、のいずれのタイミングでも加えることができる。
また、前記無鉛ハンダ合金からのハンダボールの作製方法としては、溶解したハンダ合金インゴットを線引きし、ワイヤー状にした後、一定長さに切断し、油中で溶融させることで表面張力を利用して球状化するワイヤーカット法や、溶融したハンダを微細なオリフィスから振動と共に噴出し、真空中やガス雰囲気中で振動による波で溶融ハンダを切断し、表面張力で球状化する気中造粒法等、いずれの手法で作製しても良い。
本発明による無鉛ハンダ合金を用いてハンダバンプを作製する方法は、一般的にはスクリーン印刷による方法とハンダボールによる方法がある。スクリーン印刷法では、前記無鉛ハンダ合金をアトマイズ法等で微細なハンダ粉とした後、フラックスと混合してペーストとした後、電極上にメタルマスクを用いてスキージングし、ペーストを一定量電極上に載せた後に、リフローすることでハンダバンプを形成することができる。また、ハンダボールによる方法では、前述したハンダボールをフラックスを塗布した電極上に並べて、リフローすることでハンダバンプを形成することができる。
以下、実施例により、より具体的に本発明効果を説明する。
(実施例1)
表1に示す各成分となるように、各純金属を秤量し、アルミナ坩堝を使用して高周波溶解法により無鉛ハンダ合金を作製した。ここで、Beの添加は、Be原料を金属Beとし、各純金属とBeとを同時に溶融させて行った。作製した無鉛ハンダ合金の組成分析は、ICP発光分析及びGD−MS法で行った。前記作製した各無鉛ハンダ合金を用い、気中造粒法により直径300μmのハンダボールを作製した。ハンダボールを実装するマザーボード側基板としては、40x30x1(mm)サイズ、電極表面処理は、Cu、及び、Cu電極にNiめっき及びAuめっきを施したCu/Ni/Auの二種類の基板を用いた。基板上にボールを搭載してリフローし、バンプを形成した。フラックスは、水溶性フラックスを用いた。また、リフロー温度は、溶融(液相線)温度+30℃の条件とし、Beを含有している組成の無鉛ハンダ合金については、Beを含有していない同じ組成と同様の温度プロファイルとした。
衝撃剪断破壊強度の評価は、JEDEC規格のJESD22-B117Aに準拠した方法で行い、シェア速度を1000mm/secとし、バンプ毎の破壊エネルギーを指標とした。Beを添加していない同ハンダ合金(同一組成)に比べて、同等もしくはそれ以下の特性向上の場合を△、15%未満特性が向上したものについて○、15%以上特性が向上したものについて◎、30%以上特性が向上したものについて◎○とした。
その結果も表1に併記した。Beの含有量が0.1ppm以上200ppm以下で、残部にSnを含有する合金で、顕著な衝撃剪断破壊強度向上が見られた。特に、Beの含有量が0.1ppm以上75ppm以下でより優れた衝撃剪断破壊強度が得られた。また、Beの含有量が、0.1ppm未満、又は200ppmを越えると、衝撃剪断破壊強度の向上が見られなかった。また、Snの含有量が40質量%以上の合金で、より優れた衝撃剪断破壊強度が得られた。
(実施例2)
本実施例では、Agの濃度、Cuの濃度に関する影響を調査した。No.2-1からNo.2-10は、Ag濃度の影響を調べた。また、No.2-11からNo.2-18は、Cuの影響を調べた。表2の組成となるように、Ag、Cu、及びBeをそれぞれ秤量し、無鉛ハンダ合金を高周波溶解により作製した。作製した無鉛ハンダ合金の組成分析は、ICP発光分析及びGD−MS法で行った。前記作製した各無鉛ハンダ合金からワイヤーを作製し、更に、直径300μmのハンダボールをワイヤーカット法で作製した。実装及び評価は、実施例1と同様に行い、特性評価は、Beを添加していない各ハンダ合金(Be以外の成分を質量%で同一)と比較して、同等もしくはそれ以下の特性向上の場合を△、15%未満特性が向上したものについて○、15%以上特性が向上したものを◎、30%以上特性が向上したものを◎○とした。
その結果も表2に併記した。Ag濃度に関しては、0.1質量%以上5質量%以下で高い衝撃剪断破壊強度を示した。Cu濃度に関しては、0.01質量%以上1.5質量%以下で高い衝撃剪断破壊強度を示した。
(実施例3)
本実施例では、Niの濃度に関する影響を調査した。表3の組成となるように、Ag、Cu、Ni、及びBeをそれぞれ秤量し、高周波溶解により無鉛ハンダ合金を作製した。作製した無鉛ハンダ合金の組成分析は、ICP分析及びGD−MS法で行った。前記作製した各無鉛ハンダ合金を用い、気中造粒法により直径300μmのハンダボールを作製した。実装及び評価は、実施例1と同様に行い、特性は、Niを添加していないNo.3-1に比べて、同等もしくはそれ以下の特性向上の場合を△、15%未満特性が向上したものについて○、15%以上特性が向上したものを◎、30%以上特性が向上したものを◎○とした。
その結果も表3に併記した。Niの含有量が0.005質量%以上0.5質量%以下でより高い衝撃剪断破壊強度が得られた。更に、0.02質量%以上0.08質量%以下でさらに高い衝撃剪断破壊強度が得られた。
(実施例4)
本実施例では、Ag、Cu、及びNiの濃度に関する影響を調査した。表4の組成となるように、Ag、Cu、Ni、及びBeをそれぞれ秤量し、高周波溶解により無鉛ハンダ合金を作製した。作製した無鉛ハンダ合金の組成分析は、ICP分析及びGD−MS法で行った。前記作製した各無鉛ハンダ合金を用い、気中造粒法により直径300μmのハンダボールを作製した。実装及び評価は、実施例1と同様に行い、特性は、Beを添加していない各ハンダ合金(Be以外の成分を質量%で同一)と比べて、同等もしくはそれ以下の特性向上の場合を△、15%未満特性が向上したものについて○、15%以上特性が向上したものを◎、30%以上特性が向上したものを◎○とした。
その結果も表4に併記した。表4の全ての組成において、高い衝撃剪断破壊強度を示した。更に、Agの含有量が、0.3質量%以上1.5質量%以下で優れた衝撃剪断破壊強度を示した。また、Cuの含有量が、0.05質量%以上1.0質量%以下で優れた衝撃剪断破壊強度を示した。Niの含有量が、0.02質量%以上0.08質量%以下で優れた衝撃剪断破壊強度を示した。
(実施例5)
本実施例では、P、Ge、Gaの影響を調査した。表5の組成となるように、原料を秤量し、高周波溶解により無鉛ハンダ合金を作製した。ただし、P、Ge、Gaの添加は、それぞれSnとの合金を用いて添加した。作製した無鉛ハンダ合金の組成分析は、ICP分析及びGD−MS法で行った。前記作製した各無鉛ハンダ合金を用い、気中造粒法により直径300μmのハンダボールを作製した。実装及び評価は、実施例1と同様に行い、特性は、Ag,Cu,及び、Niは同量で、Be及びP、Ge、Ga未添加の組成の場合と比べて、同等もしくはそれ以下の特性向上の場合を△、15%未満特性が向上したものについて○、15%以上特性が向上したものを◎、30%以上特性が向上したものを◎○とした。
その結果も表5に併記した。各ハンダ合金の組成が同じサンプル間(5-1〜5-10,5-11〜5-20,5-21〜5-30,5-31〜5-40)において比較すると、Pの含有量が0.0001質量%以上0.01質量%以下、Geの含有量が0.0001質量%以上0.01質量%以下、Gaの含有量が0.0001質量%以上0.01質量%以下でより高い衝撃剪断破壊強度が得られた。
(実施例6)
本実施例では、Sbの影響を調査した。表6に示す組成になるように、Sn、Ag、Cu、Sb、Beを秤量し、高周波溶解により無鉛ハンダ合金を作製した。作製した無鉛ハンダ合金の組成分析は、ICP分析及びGD−MS法で行った。作製した無鉛ハンダ合金を用い、気中造粒法により直径300μmのハンダボールを作製した。実装及び評価は、実施例1と同様に行った。特性は、Ag,Cu,及び、Niは同量で、Be及びSbを添加していない同様な手法で作製した組成の場合と比べて、同等もしくはそれ以下の特性向上の場合を△、15%未満特性が向上したものについて○、15%以上特性が向上したものを◎、30%以上特性が向上したものを◎○とした。
その結果も表6に併記した。Sbの含有量が0.005質量%以上1.0質量%以下で高い衝撃剪断破壊強度が得られ、更に、0.02質量%以上0.5質量%以下で、特に優れた衝撃剪断破壊強度を示した。表6の組成に、Pの含有量が0.0001質量%以上0.01質量%以下、Geの含有量が0.0001質量%以上0.01質量%以下、Gaの含有量が0.0001質量%以上0.01質量%以下で添加した場合も、同等の高い衝撃剪断破壊強度が得られた。
また、+125℃20分と-45℃20分を1サイクルとする熱疲労試験において、2000サイクル以上の優れた熱疲労特性を示した。熱疲労特性評価用のサンプルは、次の手順で作製した。部品側は、0.5mmピッチで、パッド数84ピンの6mm角チップスケールパッケージ(CSP)であり、このCSPの電極表面処理はCu電極にNi及びAuめっきを処したCu/Ni/Auである。また、マザーボード側基板として、132x77x1(mm)サイズ、電極表面がCuである基板を用いた。最初に、CSP上にボールを搭載してリフローし、バンプを形成した後、CSPをプリント基板上に実装した。フラックスには水溶性の物を用いた。また、リフロー温度は、溶融温度+30℃とした。
Ni/Auメッキ電極上にSn基合金でハンダバンプを形成した接合界面を示す断面図である。 Sn基合金ハンダに0.1質量%以上のBeが添加されていた場合、バンプ中に形成されるP化合物とバンプ組織構造を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 有機保護層
3 Cu配線
4 Sn−Ni合金層
5 半田バンプ
6 Ni膜
7 P化合物

Claims (8)

  1. Beを質量で0.1ppm以上200ppm以下、Niを0.005質量%以上0.5質量%以下含有し、残部がSnから、或いは、Snと、0.1質量%以上5質量%以下のAgと、0.01質量%以上1.5質量%以下のCuとからなることを特徴とする無鉛ハンダ合金。
  2. Agの含有量が0.3質量%以上1.5質量%以下、Cuの含有量が0.05質量%以上1.0質量%以下、Niの含有量が0.02質量%以上0.08質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の無鉛ハンダ合金。
  3. 更に、P、Ge、及びGaのうちいずれか1種以上を含有し、Pの含有量が0.01質量%以下、Geの含有量が0.01質量%以下、Gaの含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無鉛ハンダ合金。
  4. 更に、Sbを含有し、Sbの含有量が0.005質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の無鉛ハンダ合金。
  5. Snの含有量が40質量%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の無鉛ハンダ合金。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の無鉛ハンダ合金からなり、球径が1mm以下であることを特徴とするハンダボール。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の無鉛ハンダ合金を用いて形成されたハンダバンプを有することを特徴とする電子部材。
  8. 請求項記載のハンダボールを用いて形成したハンダバンプを有することを特徴とする電子部材。
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