JP5242896B2 - イメージファイバ及びその光ファイバ母材 - Google Patents

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Description

本発明は、工業用または医療用のファイバスコープの画像伝送媒体として使用される石英系のイメージファイバ及びその光ファイバ母材に関する。
石英系のイメージファイバは、コアとコアの周りのクラッドとからなる石英系光ファイバを多数本束ねて溶融し、線引きすることにより作製され、画素を構成する多数のコアと、コアに共有される共通クラッドとから構成される。
このようなイメージファイバにおいては、多数本の光ファイバを束ねて線引きする際にイメージファイバ中に気泡が発生することが知られている。イメージファイバ中の気泡は、イメージファイバの断面方向の長さ(以下、直径)で数ミクロン(μm)から数十ミクロン、長手方向の長さで1メートルから数メートルの大きさを有している。このような気泡が発生すると、イメージファイバにより形成される画像上に気泡を反映して黒点が発生するため、画像品質の低下を招く。したがって、通常は、線引き後の長尺のイメージファイバを、気泡を避けた所定の長さで切り出すことによりイメージファイバを製品化している。気泡がある部分は無駄となるため、気泡は製造歩留りを低下させる大きな原因となっている。
気泡を低減する方法として、特許文献1および特許文献2に記載されるものが知られているが、その効果が十分でなく、更なる低減が求められている。
特開平2−267132号公報 特開平8−29630号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、気泡の発生を抑制することが可能な構造を備えるイメージファイバと、このようなイメージファイバの製造を可能とする光ファイバ母材とを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様は、屈折率上昇剤である酸化ゲルマニウムが添加された石英で構成され、純粋石英に対する比屈折率差が2.6%以上3.0%以下である複数のコアと、前記複数のコアそれぞれの外周を覆い、前記複数のコアの直径に対して1.10倍以上1.30倍以下の外径を有し、純粋石英に対して−0.3%以上0.0%以下の比屈折率差を有する第1クラッドと、前記第1クラッドを囲み、屈折率降下剤であるフッ素が添加された石英で構成され、前記複数のコアの直径に対して、0.2倍以上0.4倍以下の互いに隣接する前記第1クラッドの外径間の最短距離を有し、純粋石英に対する比屈折率差が−1.3%以上−1.1%以下である共通クラッドと、を備える、溶融一体化されたイメージファイバを提供する。
本発明の第2の態様は、屈折率上昇剤である酸化ゲルマニウムが添加された石英で構成され、純粋石英に対する比屈折率差が2.6%以上3.0%以下である複数のコアと、前記複数のコアそれぞれの外周を覆い、前記複数のコアの直径に対して1.10倍以上1.30倍以下の外径を有し、純粋石英に対して−0.1%以上0.0%以下の比屈折率差を有する第1クラッドと、前記第1クラッドを囲み、屈折率降下剤であるフッ素が添加された石英で構成され、前記複数のコアの直径に対して、0.2倍以上0.4倍以下の互いに隣接する前記第1クラッドの外径間の最短距離を有し、純粋石英に対する比屈折率差が−1.3%以上−1.1%以下である共通クラッドと、を備える、溶融一体化されたイメージファイバを提供する。
上記の共通クラッドが第1クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する内周部と、内周部を囲み内周部の屈折率よりも高い屈折率を有する外周部とを有すると好適である。
さらに、上記の第2の態様においては、外周部の純粋石英に対する比屈折率差が−0.2%以上0.2%以下であると好適である。
本発明の第3の態様は、屈折率上昇剤である酸化ゲルマニウムが添加された石英で構成され、純粋石英に対する比屈折率差が2.6%以上3.0%以下である、イメージファイバのコアとなる複数のコア部と、前記複数のコア部それぞれの外周を覆い、前記複数のコア部の直径に対して1.10倍以上1.30倍以下の外径、および純粋石英に対して−0.3%以上0.0%以下の比屈折率差を有し、イメージファイバの第1クラッドとなる第1クラッド部と、前記第1クラッド部を囲み、屈折率降下剤であるフッ素が添加された石英で構成され、前記複数のコアの直径に対して、0.2倍以上0.4倍以下の互いに隣接する前記第1クラッドの外径間の最短距離を有し、純粋石英に対する比屈折率差が−1.3%以上−1.1%以下である、イメージファイバの共通クラッドとなる共通クラッド部と、を備える、溶融一体化により形成されるイメージファイバ用の光ファイバ母材を提供する。
また、上記の第1クラッド部が、第1クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する内周部分と、内周部分を囲み内周部分の屈折率よりも高い屈折率を有する外周部分とを有すると好適である。
上記の構成によれば、気泡の発生を抑制することが可能な構造を備えるイメージファイバと、このようなイメージファイバの製造を可能とする光ファイバ母材とが提供される。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、添付図面は、実施形態に係るイメージファイバを模式的に示しているに過ぎない。このため、コアの直径とクラッドの直径との比率等が、現実に設計される通りに表示されているとは限らないことに留意すべきである。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態によるイメージファイバの断面図である。図示の通り、イメージファイバ10は、画像伝送用のイメージサークル12と、その外周を覆う石英ガラスジャケット14と、さらにその外周を覆う被覆層16とから構成されている。
イメージサークル12は、図1中に拡大して示すように、光の伝搬を許容し、イメージファイバ10の画素として機能する複数のコア1と、コア1それぞれの外周を取り囲む第1クラッド2と、第1クラッド2それぞれの外周を取り囲むとともに、これらに共有される共通クラッド3とから構成されている。イメージサークル12の直径は、たとえば約500μmであり、このなかに約1万個のコア1がある。このような構成により、イメージファイバ10の一の端面に結像された画像が各画素に空間的に分割されて他の端面に伝送され、この端面に画像が形成される。
図2は、コア1、第1クラッド2、および共通クラッド3の屈折率分布を示す図である。コア1は、屈折率上昇剤である酸化ゲルマニウムが添加された石英で構成され、図2に示す通り、凸状の屈折率分布を有している。この屈折率分布は、屈折率分布係数αがたとえば2.6で表される分布である。また、コア1の直径aは、たとえば2〜3μmである。
なお、屈折率分布係数αとは、以下の式のαである。

n(r)=n[1−2Δ(r/a)α1/2 (0≦r≦a)

ただし、n(r)はガラスロッドの中心軸からの距離rにおける屈折率、nはガラスロッドの中心軸における屈折率、Δはクラッドに対するガラスロッド中心軸での比屈折率差、aはガラスロッドの半径を表す。
第1クラッド2は、第1の実施形態においては純粋石英で構成され、径方向に一定な屈折率を有している。また、第1クラッド2は、コア1の直径aに対して1.10倍以上1.30倍以下の外径bを有している。なお、純粋石英は、波長633nmの光に対する屈折率が約1.457の石英であり、金属不純物の濃度が約0.01ppm以下の石英である。
共通クラッド3は、屈折率降下剤であるフッ素が添加された石英で構成され、径方向に一定な屈折率を有している。共通クラッド3の外径cは、たとえば、コア1の直径aの約1.5倍である。
本発明の発明者等の検討によれば、イメージファイバ中で気泡が生成される原因は、コアに添加されるゲルマニウムが共通クラッドへ拡散することにあると考えられる。上記のイメージファイバ10には、純粋石英から構成される第1クラッド2がコア1の外周に形成されているため、ゲルマニウムが共通クラッドに拡散するのが防止される。このため、第1の実施形態のイメージファイバは、気泡の発生を抑制することができるという利点を有している。
(実施例1)
以下、第1の実施形態で説明したイメージファイバ10について、その製造方法を含み、詳細に説明する。
<工程1>
まず、イメージファイバ10のコア1となるゲルマニウム添加石英ガラスロッドを用意した。このガラスロッドにおいて、ゲルマニウムの添加濃度は、純粋石英に対する比屈折率差が+2.6%〜3.0%となるように調整され、また、屈折率分布係数αが2.5となるよう調整されている。
<工程2>
次いで、上記のガラスロッドの外周に、プラズマ外付け法により、イメージファイバの第1クラッドとなる第1のガラス層を形成した。すなわち、原料としてのSiClガスおよびOガスをプラズマ炎により分解してガラスロッドの外周にガラススートを堆積させると同時に、堆積したガラススートをプラズマ炎により透明ガラス化し、第1のガラス層を形成した。屈折率調整添加物を用いていないため、このガラス層は純粋石英であり、すなわち、純粋石英に対する比屈折率差は0.0%である。
また、第1のガラス層の厚さは、イメージファイバにおける第1クラッド2の外径bがそのコア1の直径aに対して1.10〜1.30倍となるよう調整した。
<工程3>
続けて、第1のガラス層の外周に、プラズマ外付け法により、イメージファイバの共通クラッドとなる第2のガラス層を形成した。ここでは、原料としてのSiClガスおよびOガスに加えて、フッ素添加剤としてSF、SiF、C 、CF等のフッ素含有ガスを用いた。フッ素の添加量は、第2のガラス層(共通クラッド)の比屈折率差が純粋石英に対して−1.3%〜−0.7%となるよう調整した。
なお、本実施例では、プラズマ外付け法における原料としてSiClガスを使用したが、これに代わりSi(OCHガス(テトラメトキシシラン)を使用することもできる。
以上の手順に従って、第1のガラス層(第1クラッド)の厚さが異なる5種類の光ファイバ母材を作製した。具体的には、第1のガラス層の厚さは、ガラスロッドの直径の1.10倍、1.15倍、1.20倍、1.25倍、および1.30倍である。
<工程4>
次に、上記のようにして得た光ファイバ母材を線引きし、外径が数百μmの光ファイバ素線を作製した。その後、作製した光ファイバ素線を所定の長さで切断し、10000本の光ファイバ素線を得た。これらを所定の石英管に挿入し、これを線引きすることにより、外径約500μmのマルチコア光ファイバを作製するとともに、その周囲に厚さ50μm程度の被覆層を形成することにより、イメージファイバを得た。
なお、5種類の光ファイバ母材のそれぞれを用いて5種類のイメージファイバを作製した。
(比較例1)
実施例1との比較のため、実施例1で採用した製造方法と同じ製造方法により、第1クラッドの外径bがコアの直径aに対して1.05倍および1.35倍である2種類のイメージファイバを作製した。
(実施例1と比較例1との対比)
以下、実施例1の5種類のイメージファイバと、比較例1の2種類のイメージファイバとの特性についての評価結果を説明する。
表1に、各イメージファイバの構成、画質評価結果、および検出された気泡の個数をまとめた。この表において、コア、第1クラッド、および共通クラッドの比屈折率差は、純粋石英に対する値であり、線引き前の光ファイバ母材について測定した結果に等しい。また、表1中の気泡数は、光ファイバ素線を1万本束ね、線引きして得たイメージファイバ素線の1000メートルあたりの気泡の個数である。また、カウントされる気泡は、イメージファイバ素線中で直径が数ミクロンから数十ミクロンで、長さが1メートルから数メートルのものであり、イメージファイバ素線の外径の変動に基づいて検出されたものである。
さらに、表1における画質評価については、各イメージファイバにより所定の被撮像対象を撮像して得た画像のコントラストおよび平均輝度(または透過光量)を基準とした。
Figure 0005242896
表1の気泡数に着目すると、第1クラッドの外径bとコアの直径aとの比b/aが1.05(試料No.1)の場合は、気泡数が7個となっているのに対して、b/a比が1.10から1.35までの範囲においては、気泡数が3個以下となっている。すなわち、この範囲において気泡数が低減されたイメージファイバが得られていることがわかる。イメージファイバ中の気泡の長さが数メートルにまで達することを考慮すれば、気泡数7個と3個以下との差異は、製造歩留りの観点から有意である。
ただし、この範囲のうちb/a比が1.35のイメージファイバにおいては、コントラストが実用上好ましくない程度まで低下していた。これは、第1クラッドの幅が大きくなり、光の閉じ込め効果が低下したため、画素間で光が混ざるようになったことに起因すると考えられる。なお、本発明の発明者等が、MFD(モードフィールド径)のb/a比依存性について調べた結果を図3に示す。この図には、隣接するコア1の間隔が3.3μmの場合と、4.4μmの場合とにおける結果を示すが、いずれにおいてもb/a比の増大とともにMFDが増加していくことがわかる。これは、b/a比の増大とともに、光の閉じ込め効果が低下したことを意味している。
以上の結果から、b/a比が1.10から1.30までの範囲にある実施例1の5種類のイメージファイバ10において、画質が実用上良好であるとともに、気泡の発生数が低減されることが分かった。
(実施例2)
続いて、上記の第1の実施形態で説明したイメージファイバ10を作製した他の例について説明する。実施例2のイメージファイバ10は、第1クラッドの純粋石英に対する比屈折率差δが−0.3%に変更されている点、およびコア1となるガラスロッドにおける屈折率分布係数αが2.6である点で、実施例1のイメージファイバ10と相違し、その他の点で同一である。すなわち、実施例1で説明した<工程2>において、SiClガスおよびOガスに加えて、SF、SiF、C 、CF等のフッ素含有ガスを使用し、その流量を調整することにより、比屈折率差δが−0.3%である第1のガラス層を形成した。
また、実施例2においても、b/a比が1.10から1.30までの範囲で異なる5種類のイメージファイバ20を作製した。
(比較例2)
実施例2との比較のため、実施例2で採用した製造方法と同じ製造方法により、第1クラッドの外径bがコアの直径aに対して1.05倍および1.35倍である2種類のイメージファイバを作製した。
(実施例2と比較例2との対比)
以下、実施例2の5種類のイメージファイバと、比較例2の2種類のイメージファイバとの特性についての評価結果を説明する。
Figure 0005242896
表2に、表1と同様に、各イメージファイバの構成、画質評価結果、および検出された気泡の個数をまとめた。第1クラッドの比屈折率差δが−0.3%の場合であっても、b/a比が1.05の場合は気泡数が9個であるのに対して、b/a比が1.10から1.35までの範囲では4個以下となり、この範囲で気泡の発生が抑制されていることがわかる。また、上述の理由と同様に、b/a比が1.35の場合は、画質の点から好ましい結果でなかった。以上から、第1クラッドの比屈折率差δが−0.3%の場合においても、b/a比が1.10から1.30までの範囲において、画質を維持しつつ気泡の発生を抑制することができることがわかった。
また、実施例1と実施例2の結果をまとめると、第1クラッドの比屈折率差δが−0.3%から0.0%までの範囲であって、b/a比が1.10から1.30までの範囲において、画質が実用上良好であり、且つ、気泡の発生数を低減できるイメージファイバが得られることが明らかとなった。以上のことから、本発明による第1の実施形態の効果が理解される。
なお、更なる比較のため、実施例2および比較例2で採用した製造方法と同じ製造方法により、第1クラッドの比屈折率差δが−0.5%のイメージファイバを作製した(ただし、ガラスロッドにおける屈折率の分布次数αは2.4であった)。その結果は、表3に示す通りであり、いずれのイメージファイバにおいても気泡数は5個以上であった。すなわち、第1クラッドの比屈折率差δを−0.5%まで低くすると、気泡の発生を十分に抑制できなってしまうことがわかった。このことから、第1クラッドの比屈折率差δに関しては、−0.3%以上0.0%以下の範囲が好ましいという結論が得られた。
Figure 0005242896
また、コア1に添加したゲルマニウムが拡散して気泡を生成するのを防ぐためには、第1クラッド2の粘度が高いことが望ましい。このため、第1クラッド2の比屈折率差δが−0.1%以上0.0%以下であれば、より好ましい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によるイメージファイバは、第1の実施形態のイメージファイバ10に比べ、共通クラッド3が屈折率の異なる3つの部分から構成される点で相違し、これを除き同一である。以下、相違点を中心に第2の実施形態によるイメージファイバを説明する。
図4は、第2の実施形態によるイメージファイバの屈折率分布を示す図である。図4を参照すると、イメージファイバ20においては、共通クラッド3は、第1の部分31、第2の部分32、および第3の部分33から構成されている。第1の部分31は第1クラッド2の外周にフッ素添加石英で構成され、その屈折率は、第1のクラッド2の屈折率よりも低く、径方向に一定である。具体的には、第1の部分31の純粋石英に対する比屈折率差は−1.3%以上−0.7%以下である。
第2の部分32は、第1の部分31の外周に形成され、径方向の外向きにフッ素添加量が減少された石英で構成されている。フッ素の添加量の減少に従って、図4に示す通り、屈折率は径方向の外向きに増加している。
第3の部分33は、第2の部分32の外周に純粋石英で構成され、径方向に一定な屈折率を有している。具体的には、第3の部分33の純粋石英に対する比屈折率差は、−0.2%以上0.2%以下である。
以上のように、第2の実施形態においては、共通クラッド3は、第1クラッド部2の屈折率よりも屈折率が低い内周部(第1の部分32)と、この内周部の屈折率よりも屈折率が高い外周部(第2の部分32および第3の部分33)とを有している。
本発明の発明者等の検討によれば、気泡が発生する他の原因として、共通クラッド3に添加されるフッ素が溶融一体化の際に化合して、SiFが生成されることが考えられる。しかし、イメージファイバ20においては、共通クラッド3にフッ素添加濃度が低減された第2の部分32および第3の部分33が設けられているため、SiFの生成が妨げられ、よって、気泡の発生を更に抑制することができる。すなわち、イメージファイバ20は、第1クラッド1の効果によりコア1のゲルマニウムに起因する気泡を低減することができるという第1の実施形態によるイメージファイバ10と同様な利点と、共通クラッド3に添加されるフッ素に起因する気泡をも低減することができるという利点とを併有している。
(実施例3)
次に、第2の実施形態で説明したイメージファイバ20を作製した一例について説明する。
実施例3のイメージファイバ20は、以下に説明するように<工程3>を変更したものの、基本的に実施例1の製造方法と同一の製造方法により製造した。具体的には、<工程1>および<工程2>の後、<工程3>において、第1の部分31となるフッ素添加ガラス層を堆積した後、フッ素含有ガスの供給量を漸減しながら第2の部分32となるガラス層を形成し、その後、フッ素含有ガスの供給を停止して第3の部分33となるガラス層を形成した。なお、<工程1>で用意したガラスロッドは、屈折率分布係数αが2.5のものであった。
このようにして、実施例1と同様に、5種類の光ファイバ母材を作製した。その後、<工程4>の手順に従って、各光ファイバ母材に対応した5種類のイメージファイバ20を作製した。
(比較例3)
実施例3との比較のため、実施例3で採用した製造方法と同じ製造方法により、第1クラッドの外径がコアの直径に対して1.05倍および1.35倍である2種類のイメージファイバを作製した。
(実施例2と比較例2との対比)
続いて、実施例3の5種類のイメージファイバと、比較例3の2種類のイメージファイバとの特性についての評価結果を説明する。
表4に、表1と同様に、各イメージファイバの構成、画質評価結果、および検出された気泡の個数をまとめた。なお、表4中、c/a比はコア1の直径aに対する第1の部分31の外径cの比であり、d/a比はコア1の直径aに対する第3の部分33の外径dの比である。
Figure 0005242896
表4を参照すると、b/a比が1.05の場合の気泡数6個に比べて、b/a比が1.10から1.35までの範囲では2個以下となり、この範囲で気泡の発生が抑制されていることがわかる。また、b/a比が1.35の場合は、実施例1および実施例2の場合と同様、画質(コントラスト)の点から好ましい結果でなかった。以上から、b/a比が1.10から1.30までの範囲において、画質を維持しつつ気泡の発生を抑制することができることがわかった。
また、実施例3と実施例1とを比較すると、実施例3においては、気泡数が一層減少している。これは、共通クラッド3に設けられ、フッ素添加量が減少された第2の部分32および第3の部分33の効果によるものであり、これにより、本発明による第2の実施形態の効果が理解される。
以上、幾つかの実施形態および実施例を参照しながら、本発明を説明したが、本発明はこれらに限らず種々の変形が可能である。
第2の実施形態において、共通クラッド3が第1の部分31、第2の部分32、および第3の部分33から構成される場合を説明したが、共通クラッド3は、第3の部分33が省かれて、第1の部分31および第2の部分32のみから構成されてもよい。また、第3の部分33の有無によらず、第2の部分32の屈折率分布は、図4に示すように直線的に変化するのに限定されず、径方向の外向きにフッ素添加量が減少する限りにおいて、たとえば、二次曲線的に変化してもよく、指数関数的に変化してもよい。
また、第2の実施形態において、共通クラッド3は、第2の部分32が省かれて、第1の部分31および第3の部分33のみから構成されてもよい。
各実施例において、プラズマ外付け法により、光ファイバ母材を作製する場合を説明したが、これに限らず、内付けCVD(chemical vapor deposition)法、プラズマ炎によらない外付けCVD法およびVAD(Vapor-phase Axial Deposition)法などを始めとする種々の方法を利用できることは言うまでもない。さらに、実施例1および実施例2におけるc/a比、並びに実施例3におけるc/a比およびd/a比については、例示した値に限らず、作製するイメージファイバが有すべき開口数などに応じて、適宜変更してよいことは勿論である。
本発明の第1の実施形態によるイメージファイバの断面図である。 図1のイメージファイバのコア、第1クラッド、および共通クラッドの屈折率分布を示す図である。 MFD(モードフィールド径)のb/a比依存性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態によるイメージファイバの屈折率分布を示す図である。
符号の説明
1・・・コア、2・・・第1クラッド、3・・・共通クラッド、31・・・共通クラッドの第1の部分、32・・・第2の部分、33・・・第3の部分。

Claims (6)

  1. 屈折率上昇剤である酸化ゲルマニウムが添加された石英で構成され、純粋石英に対する比屈折率差が2.6%以上3.0%以下である複数のコアと、
    前記複数のコアそれぞれの外周を覆い、前記複数のコアの直径に対して1.10倍以上1.30倍以下の外径を有し、純粋石英に対して−0.3%以上0.0%以下の比屈折率差を有する第1クラッドと、
    前記第1クラッドを囲み、屈折率降下剤であるフッ素が添加された石英で構成され、前記複数のコアの直径に対して、0.2倍以上0.4倍以下の互いに隣接する前記第1クラッドの外径間の最短距離を有し、純粋石英に対する比屈折率差が−1.3%以上−1.1%以下である共通クラッドと、を備える、溶融一体化されたイメージファイバ。
  2. 屈折率上昇剤である酸化ゲルマニウムが添加された石英で構成され、純粋石英に対する比屈折率差が2.6%以上3.0%以下である複数のコアと、
    前記複数のコアそれぞれの外周を覆い、前記複数のコアの直径に対して1.10倍以上1.30倍以下の外径を有し、純粋石英に対して−0.1%以上0.0%以下の比屈折率差を有する第1クラッドと、
    前記第1クラッドを囲み、屈折率降下剤であるフッ素が添加された石英で構成され、前記複数のコアの直径に対して、0.2倍以上0.4倍以下の互いに隣接する前記第1クラッドの外径間の最短距離を有し、純粋石英に対する比屈折率差が−1.3%以上−1.1%以下である共通クラッドと、を備える、溶融一体化されたイメージファイバ。
  3. 前記共通クラッドが第1クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する内周部と、前記内周部を囲み前記内周部の屈折率よりも高い屈折率を有する外周部とを有する、請求項1又は2に記載のイメージファイバ。
  4. 前記外周部の純粋石英に対する比屈折率差が−0.2%以上0.2%以下である、請求項3に記載のイメージファイバ。
  5. 屈折率上昇剤である酸化ゲルマニウムが添加された石英で構成され、純粋石英に対する比屈折率差が2.6%以上3.0%以下である、イメージファイバのコアとなる複数のコア部と、
    前記複数のコア部それぞれの外周を覆い、前記複数のコア部の直径に対して1.10倍以上1.30倍以下の外径、および純粋石英に対して−0.3%以上0.0%以下の比屈折率差を有し、イメージファイバの第1クラッドとなる第1クラッド部と、
    前記第1クラッド部を囲み、屈折率降下剤であるフッ素が添加された石英で構成され、前記複数のコアの直径に対して、0.2倍以上0.4倍以下の互いに隣接する前記第1クラッドの外径間の最短距離を有し、純粋石英に対する比屈折率差が−1.3%以上−1.1%以下である、イメージファイバの共通クラッドとなる共通クラッド部と、を備える、溶融一体化により形成されるイメージファイバ用の光ファイバ母材。
  6. 前記第1クラッド部が、前記第1クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する内周部分と、前記内周部分を囲み前記内周部分の屈折率よりも高い屈折率を有する外周部分とを有する、請求項5に記載の光ファイバ母材。
JP2006194023A 2006-07-14 2006-07-14 イメージファイバ及びその光ファイバ母材 Active JP5242896B2 (ja)

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