JP5237870B2 - 高純度水素製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用の高純度水素の製造方法に関し、より詳細には、燃料電池設備を稼働するためのエネルギー源となる水素から、燃料電池の被毒成分であるCOガス成分を効率的に除去し、高純度水素を精製する方法に関わる。
近年、地球環境の改善につながる燃料電池用の燃料として、水素への期待が高まっている。水素は、天然ガス、ナフサ、灯油、メタノールなどの炭化水素含有燃料と水蒸気を金属触媒の存在下で改質・変成した後、精製して得るのが一般的である。変成後のガス(変成ガス)には、水素以外に一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、水(HO)などが含まれており、とくに固体高分子型燃料電池などの低温形燃料電池の場合、燃料としての水素にCOが含まれると、燃料電池の電極用触媒(Pt)にCOが吸着して触媒が劣化し、出力が低下する。上記の改質・変成後のガス中に残留するCOは0.5〜1.0容量%程度であるが、上記電極用触媒の被毒劣化防止の観点からCOを10ppm以下とする必要がある。
COが含まれる水素からCOを除去する技術としては、改質ガスに少量の空気を導入して、該空気中の酸素とCOを選択的に反応させる選択酸化(PROX)技術が知られている。本技術は家庭用燃料電池システムなどに採用されているが、空気の導入によりCOだけではなく、改質ガス中のHの一部も酸化し消費される点や、改質ガス中に空気に由来する窒素が混入する点、さらに家庭用燃料電池では発電に使用される燃料水素として改質ガスからCOのみを除いたものを使用するのが一般的であることから、水素濃度70容量%程度の燃料水素を用いて発電するために発電効率が十分ではないという課題がある。
そこで、本発明者らは、CO吸着剤と水素吸蔵合金を組み合わせて利用した、改質ガスからの高純度水素の精製技術(COA−MIBプロセス;CO Adsorption−Metal Intermediate Buffer)を開発し、既に特許出願を行った(特許文献1参照)。本精製技術は、CO吸着剤を用いて改質ガス中のCOを水素吸蔵合金の前段で除去することで、該水素吸蔵合金のCOによる被毒を回避し、高い水素回収率が得られるという特徴を有する。本精製技術を燃料電池システムに採用することにより純水素型の高い電池発電効率が得られ、水素吸蔵合金に貯蔵した水素を燃料電池の必要水素量に対応して放出することで、電気負荷変動に対応可能な燃料電池システムを構築することが可能となった。
上記COA−MIBプロセスは、燃料電池システムの効率を向上させるのに非常に有効であるが、CO吸着剤によるCO吸着除去部および水素吸蔵合金による水素分離回収部の各々で水素回収のロスが発生するため、プロセス全体の水素回収率(水素収率)は85%程度に留まっており、さらなる水素収率の向上が求められていた。
特開2006−342014
そこで本発明の目的は、CO吸着剤と水素吸蔵合金を組み合わせて利用し、改質ガスから高純度水素を精製するプロセスにおいて、水素収率をさらに高めうる高純度水素の製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、CO吸着剤を充填してなるCO吸着塔を1または複数有するCO除去器と、その後段に、水素吸蔵材料を充填した水素吸蔵材料容器を1または複数有する水素分離回収装置を備えた高純度水素製造装置を用いて、COを含有する水素リッチガス(以下、「CO含有水素リッチガス」という。)から高純度水素を製造する方法であって、前記CO含有水素リッチガスを前記CO除去器でCOを除去してCO除去ガスを得るCO吸着除去工程と、前記CO除去ガスに含まれる水素を前記水素吸蔵材料に吸蔵させた後、この吸蔵された水素を前記吸蔵材料から放出させることにより高純度水素を得る水素分離回収工程とを備え、前記水素分離回収工程は、各水素吸蔵材料容器について、少なくとも、前記CO除去ガスに含まれる水素を前記水素吸蔵材料に吸蔵させる水素吸蔵ステップと、この吸蔵された水素を前記吸蔵材料から放出させる水素放出ステップとを含むものであり、前記水素分離回収工程は、各水素吸蔵材料容器について、少なくとも、前記CO除去ガスに含まれる水素を前記水素吸蔵材料に吸蔵させる水素吸蔵ステップと、この吸蔵された水素を前記吸蔵材料から放出させる水素放出ステップとを含むものであり、前記CO吸着除去工程は、各CO吸着塔について、前記CO含有水素リッチガスを流通させてCOを吸着除去しCO除去ガスを得るCO吸着ステップと、COを実質的に含まないガス(以下、「CO非含有ガス」という。)を導入して当該CO吸着塔内に滞留したCO除去ガスを排気して前記水素放出ステップ以外のステップにある水素吸蔵材料容器内に放出する雰囲気置換ステップと、前記CO非含有ガスを流通させつつCO吸着剤を再生するCO吸着剤再生ステップと、をその順序で繰り返すものである、ことを特徴とする高純度水素製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記雰囲気置換ステップにおいて、前記CO非含有ガスとして、前記水素吸蔵材料容器から排出される、前記水素吸蔵ステップで吸蔵されなかったオフガスを用いるに際し、前記CO吸着塔内の雰囲気圧力を該オフガスの圧力より低下させてから該オフガスを当該CO吸着塔内に流通させる請求項1に記載の高純度水素製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記CO吸着剤が、シリカ、アルミナ、活性炭、グラファイトおよびポリスチレン系樹脂よりなる群から選択される1種以上の担体に、ハロゲン化銅(I)および/またはハロゲン化銅(II)を担持させた材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の高純度水素製造方法である。
本発明によれば、CO吸着剤を用いたCO吸着除去工程における、CO吸着ステップからCO吸着剤再生ステップへの切り替えのところに、CO非含有ガスを導入してCO吸着塔内に滞留したCO除去ガスを排気して水素放出ステップ以外のステップ(例えば、水素吸蔵ステップ)にある水素吸蔵材料容器内に放出する雰囲気置換ステップを設けたことで、CO吸着除去工程における水素回収ロスを低減できるとともに、水素吸蔵合金を用いた水素分離回収工程における水素回収ロスも低減できるようになり、プロセス全体の水素収率をさらに向上させることが可能となった。
実施形態に係る高純度水素製造プロセスを示すフロー図である。 実施形態における、CO吸着塔1基ごとの運転パターンを説明するためのフロー図である。 実施形態に係る、CO除去器における運転パターンの切り替え操作を説明するためのフロー図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお以下の実施形態においては、CO含有水素リッチガス(以下、単に「水素リッチガス」ともいう。)として、炭化水素含有燃料を水蒸気で改質した後に変成させたガス(以下、「変成ガス」という。)を代表例に挙げて説明する。
〔実施形態〕
実施形態の一例を図1のフロー図に示す。本実施形態では、CO吸着剤の吸着/再生の切り替え操作を雰囲気圧力の昇降(すなわち、圧力スイング)で行い、水素吸蔵材料の水素吸蔵/水素放出の切り替え操作を雰囲気圧力の昇降(圧力スイング)に加えて反応温度の昇降(すなわち、温度スイング)により行う例を示す。
(改質・変成工程)
CO含有水素リッチガスとしての変成ガスを製造するための改質・変成工程には、例えば通常用いられる水蒸気改質器と変成器(いずれも図示せず)との組合せ(「改質・変成器」と総称する。)を用いればよい。改質器において天然ガス等の炭化水素含有燃料を水蒸気で改質してHおよびCOを主成分とする改質ガスとした後、変成器においてこの改質ガスにさらに水蒸気を添加して変成しHを主成分とする(水素リッチな)変成ガスBを生成する。この変成ガスB中には、Hの他、CO、少量のCH、HOなどとともに、0.5容積%(以下、単に「%」と表示する。)程度のCOが残留している。
(CO吸着除去工程)
本実施形態のCO吸着除去工程には、CO吸着剤を充填したCO吸着塔2基(2a,2b)からなるCO除去器2を用いる。以下、CO吸着塔1基ごとの運転パターンについて図2を参照しつつ説明した後、さらにCO除去器2(CO吸着塔2基)における運転パターンの切り替え操作について図3を参照しつつ説明する。
〔CO吸着塔1基ごとの運転パターン〕
CO吸着塔としては代表として2aに着目し、図2を参照しつつ説明を行う。
[CO吸着除去ステップ](図2(a)参照):変成ガスBを熱交換器(図示せず)等でCO吸着反応に適した温度(例えば40℃)まで冷却した後、CO吸着塔2aを通過させ、変成ガスB中のCOを選択的に除去する。これによりCO吸着塔2a出口からCO除去ガスCが流出する。変成ガスB中のCOはCO吸着剤に吸着するが、CO吸着帯(図中の斜線部)が、CO吸着塔2aの出口まで達する(吸着破過する)前にこのCO吸着除去ステップを終了する。
CO吸着剤としては、シリカ、アルミナ、活性炭、グラファイトおよびポリスチレン系樹脂よりなる群から選択される1種以上の担体に、ハロゲン化銅(I)またはハロゲン化銅(II)を担持させた材料を用いるのが特に推奨される。このようなハロゲン化銅を担持させたCO吸着剤は、ゼオライトモレキュラーシーブス、カーボンモレキュラーシーブス、活性炭、または活性アルミナといった従来の吸着剤に比べ数倍の吸着性能を発揮するため、CO吸着塔2aが大幅に小型化できる。CO吸着剤によるCO吸着反応はCO分圧が高いほどCO吸着容量が増大すること、および水素吸蔵材料はH分圧が高いほど水素吸蔵量が増大するため、CO吸着除去ステップおよび水素吸蔵ステップにおいては、雰囲気圧力を常圧より高めるのが好ましい。そこで、上記改質・変成器とCO除去器2(CO吸着塔2a)の間に昇圧器(図示せず)を設け、変成ガスBを例えば0.9MPaに昇圧してCO吸着塔2aを通過させてCOを除去し、CO除去ガスCをそのまま水素分離回収装置3に導入してHを吸蔵させるようにするとよい。
[雰囲気置換ステップ](図2(b)参照):上記CO吸着除去ステップが終了したCO吸着塔2aは、その塔内に充填されたCO吸着剤の吸着性能を維持するために、CO吸着剤の再生を行う必要があるが、それに先立ち、該CO吸着塔2a内にその入口からCO非含有ガスFを導入して該CO吸着塔2a内に滞留した、水素を含むCO除去ガスC’を塔外に排出し該CO非含有ガスFと置換する。この操作により、水素を含むCO除去ガスC’を、製品水素を回収するため水素吸蔵材料容器に送ることが可能となり、減圧排気操作による水素ロス(CO除去ガスC’中に含まれる水素のロス)が低減できる。本置換操作によりCO吸着帯が上記CO吸着除去ステップ終了時よりもさらに出口側に移動する。CO吸着塔2aは、本ステップでCO吸着帯が塔の出口まで達しない(破過しない)ように設計を行う必要がある。該CO吸着塔2aから排出された該CO除去ガスC’は、後記の水素吸蔵準備ステップにある水素吸蔵材料容器(本例では図1中の符号3c)内に導入する。CO非含有ガスFとしては、COを実質的に含まないだけでなく、上記CO除去ガスC中のHを消費しないためにOをも実質的に含まないものであればどのようなガスも使用可能であり、例えば、窒素ガスや二酸化炭素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスの他、後記の水素吸蔵ステップで吸蔵されないオフガス(図1中の符号E)などが好適に利用できる。
ここで、上記特許文献1に記載の従来技術では、CO非含有ガスとの置換でCO吸着塔から排出されたCO除去ガスは、改質器などの加熱燃料として有効利用されるものの、このCO除去ガス中のHは、燃料水素としての水素としては回収されず、プロセス全体の水素回収率には寄与していなかった。
これに対し、本発明では、上述のとおり、CO非含有ガスFとの置換でCO吸着塔2aから排出されたCO除去ガスC’は、後記の水素吸蔵準備ステップにある水素吸蔵材料容器3a内に導入されるので、該CO除去ガス中のHは、該水素吸蔵材料容器3a内の水素吸蔵合金に吸蔵され、その後の水素放出ステップで燃料水素として有効に利用される。したがって、本発明により、CO吸着除去ステップとCO吸着剤との切り替えの際における水素回収のロスが確実に低減されることとなる。
[減圧ステップ](図2(c)参照):上記雰囲気置換ステップの終了後、CO吸着剤の再生を行うが、そのために先ずCO吸着塔2a内の減圧操作を行い、その後、該CO吸着塔2a内にCO非含有ガスFを流通させてCO吸着剤の洗浄操作を行う。
CO吸着塔2a内を減圧することで、該吸着塔2a内の雰囲気ガス中に残留するCOと、CO吸着剤に吸着したCOの、各一部をCO吸着塔2a外に排出する。減圧操作は常圧までの減圧でもよいが、さらに常圧から負圧まで真空引きすることで、雰囲気ガス中の残留COと、CO吸着剤への吸着COの、より多くをCO吸着塔2a外に排出することができる。
[CO吸着剤再生ステップ](図2(d)参照):上記減圧ステップにおける減圧操作の後、CO非含有ガスFを所定流量で所定時間流通させて洗浄することで、上記減圧操作で除去し切れなかったCOが除去され、CO吸着剤が再生される。
[昇圧ステップ](図2(e)参照):上記CO吸着剤再生ステップにおける洗浄操作によりCO吸着剤の再生が完了した後、再び水素吸蔵ステップに移行させるために次ステップとしての昇圧ステップにおいて昇圧操作を行うが、この昇圧操作は、低圧のCO吸着塔2a内に高圧の変成ガスBを導入してCO吸着塔2a内の圧力が所定圧力に達するように行う。
〔CO吸着塔2基における運転パターンの切り替え操作〕
各CO吸着塔2a,2bにつき、CO吸着除去ステップ→雰囲気置換ステップ→減圧ステップ→CO吸着剤再生ステップ→昇圧ステップ→CO吸着除去ステップの順序でこのサイクルを繰り返すように各ステップを順次切り替える必要があるが、連続的に高純度水素を製造するためには(すなわち、連続的にCO除去ガスCを得るためには)、2塔2a,2bのうちいずれか1塔は常にCO吸着除去ステップとしておく必要がある。
このためには、例えば、CO吸着塔2aで昇圧ステップ→CO吸着除去ステップを行っている間に、CO吸着塔2bで雰囲気置換ステップ→減圧ステップ→CO吸着剤再生ステップを行い、次に、CO吸着塔2aで雰囲気置換ステップ→減圧ステップ→CO吸着剤再生ステップを行っている間に、CO吸着塔2aで昇圧ステップ→CO吸着除去ステップを行うというように、いずれか1塔は常時CO吸着除去ステップを行っているようにサイクルを繰り返すことで連続的に変成ガスBをCO除去ガスCに精製処理することができる。
ここで、図3を参照しつつ、代表としてCO吸着塔2aに着目し、上記各ステップの具体的な切り替え操作方法を説明する。先ず、昇圧ステップにおいては、バルブV01を開き、バルブV07、V08を閉じてCO吸着塔2a内に高圧の変成ガスB’を導入することで、所定圧力までの昇圧が行われる。所定圧力に到達した後は、バルブV07を開くことで、CO吸着除去ステップに移行し、CO吸着塔2aの出口から圧力調整弁V11を介してCO除去ガスCが連続的に得られる。
CO吸着除去ステップの終了後は、バルブV01を閉じ、バルブV03を開けて、CO非含有ガスFをCO吸着塔2a内に導入することで、雰囲気置換ステップに移行し、塔内の雰囲気がCO除去ガスC’からCO非含有ガスFに置換される。
雰囲気置換ステップの終了後は、バルブV07、V03を閉じ、バルブV02、V29を開けることで、減圧ステップに移行し、CO吸着塔2a内が常圧まで減圧される。さらに負圧まで減圧する場合は、バルブV29を閉じ、バルブV30を開け、真空ポンプ7を稼動することで、CO吸着塔2a内が負圧まで減圧される。
減圧ステップの終了後は、バルブV08、V25を開け、洗浄ガスとしてのCO非含有ガスFをCO吸着塔2a内にその出口から入口に向かって流通させることで、CO吸着剤の洗浄、再生が行われる。
(水素分離回収工程)
図1に戻り、本実施形態の水素分離回収工程には、水素吸蔵材料を充填した水素吸蔵材料容器3個(3a,3b,3c)からなる水素分離回収装置3を用いる。以下、水素吸蔵材料容器1個ごとの運転パターンについて説明した後、さらに水素分離回収装置3(水素吸蔵材料容器3個)における運転パターンの切り替え操作について説明する。
〔水素吸蔵材料容器1個ごとの運転パターン〕
水素吸蔵材料容器としては代表として3aに着目し、図2を参照しつつ説明を行う。
[水素吸蔵ステップ]:CO除去ガスCを水素吸蔵材料を充填した水素吸蔵材料容器3aを通過させ、CO除去ガスC中のHを選択的に吸蔵する。水素吸蔵材料としては、水素吸蔵合金が適しており、さらに水素吸蔵合金に表面処理を施したものは、COによる被毒を十分に抑制しうるためより好ましい。水素吸蔵合金の表面処理としては、COやHO、COに対して耐久性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばフッ化処理が挙げられる。水素吸蔵材料による水素吸収反応は温度が低いほど促進されるため、前工程から排出されたCO除去ガスCを例えば水冷ジャケットで冷却して導入するのが好ましい。
水素吸蔵材料に吸収されなかったH以外のガスはオフガスEとなるが、このオフガスEは、COが主成分で、微量のCHを含むものの、COおよびOを含まないため、CO非含有ガスFとしてCO吸着塔の雰囲気置換ガスやCO吸着剤の洗浄ガスとして用いることができる。このオフガスEは、バルブV18を開けることで、保圧弁V24を介してバッファタンク8に回収される。そして、バッファタンク8に回収されたオフガスEは、雰囲気置換ガスとして使用する場合には流量調節弁28を介して雰囲気置換ステップにあるCO吸着塔内に、洗浄ガスとして使用する場合には流量調節弁25を介してCO吸着除去ステップにあるCO吸着塔内に、それぞれ導入される。
[水素放出ステップ]:水素を吸蔵した水素吸蔵材料から水素を放出させる反応は、水素吸収反応とは逆に温度が高いほど促進されるため、水素放出ステップにおける反応温度は、上記水素吸蔵ステップにおける反応温度より高くする。このような条件を満足させるため、例えば後段の燃料電池の冷却排水(80℃程度の湯)を用いて間接的に水素吸蔵材料を加熱し昇温するようにすればよい。加熱により水素吸蔵材料から放出された水素は、バルブV13および流量調整弁V27を介して燃料電池に供給される。ただし、加熱処理中に放出される水素には、前ステップ(水素吸蔵ステップ)の終了時点で水素吸蔵材料容器内に残留しているCO等が混入し、水素の純度が高くないため、バルブV19を介して系外に放出し、改質器の加熱用燃料などとして有効利用すればよい。
[水素吸蔵準備ステップ]:既述したように、水素吸蔵材料による水素吸収反応は温度が低いほど促進されるため、前段のCO除去器2(CO吸着塔)から排出されたCO除去ガスCを例えば常温の工業用水を用いた水冷ジャケットで冷却して導入し、前ステップ(水素放出ステップ)で加熱された水素吸蔵材料を冷却する。
また、上記〔CO吸着塔1基ごとの運転パターン〕の[CO吸着除去ステップ]のところで既述したように、水素吸蔵材料はH分圧が高いほど水素吸蔵量が増大するため、次ステップの水素吸蔵ステップにおいては、雰囲気圧力を常圧より高めるのが好ましいが、本水素吸蔵準備ステップにて、高圧のCO除去ガスCを水素吸蔵材料容器3aに導入することで、自動的に雰囲気圧力を高めることができる。
[水素吸蔵容器3個における運転パターンの切り替え操作]:各水素吸蔵材料容器3a,3b,3cにつき、水素吸蔵ステップ→水素放出ステップ→水素吸蔵準備ステップ→水素吸蔵ステップの順序でこのサイクルを繰り返すように各ステップを順次切り替える必要があるが、連続的に高純度水素を製造するためには、常に、1個の水素吸蔵材料容器は水素吸蔵ステップとし、他の1個の水素吸蔵材料容器は水素放出ステップとし、残りの1個の水素吸蔵材料容器は水素吸蔵準備ステップとしておくとよい。
本実施形態のプロセス構成においては、バッファタンク8に貯められたオフガスEの圧力は変成ガスBの圧力より低くなるため、CO吸着塔(例えば2b)の雰囲気置換ステップの際には、バルブV16を事前に開けて該CO吸着塔2b内の雰囲気ガス(CO除去ガスC’)を、水素吸蔵準備ステップにある水素吸蔵材料容器(例えば3c)内に放出してCO吸着塔2b内の圧力を下げた後に、バルブV28を開けCO吸着塔2b内の雰囲気ガスの置換を行う。なお、水素吸蔵準備ステップにある水素吸蔵材料容器3c内に放出されたCO除去ガスC’中のHは、水素吸蔵合金に吸蔵されるため、次ステップ(水素放出ステップ)の際に燃料電池に供給することができ、水素分離回収装置3での水素の回収ロスは増加しない。
したがって、本実施形態のプロセス構成を採用することで、CO除去器2における水素の回収ロスを効果的に低減できるため、プロセス全体の水素回収率を、従来の85%程度から90%程度へと約5ポイント向上させることが可能となる。
(変形例)
上記実施形態では、CO吸着除去工程の雰囲気置換ステップにおいて、CO吸着塔から排気されたCO除去ガスC’は、水素吸蔵準備ステップにある水素吸蔵材料容器内のみに放出する例を示したが、水素放出ステップ以外のステップであれば、いずれのステップにある水素吸蔵材料容器内に放出してもよく、水素吸蔵ステップにある水素吸蔵材料容器内のみ、あるいは、水素吸蔵準備ステップにある水素吸蔵材料容器内および水素吸蔵ステップにある水素吸蔵材料容器内の双方に放出することも可能である。
また、上記実施形態では、水素分離回収工程として、各水素吸蔵材料容器3a,3b,3cにつき、水素吸蔵ステップ→水素放出ステップ→水素吸蔵準備ステップ→水素吸蔵ステップの順序でこのサイクルを繰り返すように各ステップを順次切り替える例を示したが、少なくとも、水素吸蔵ステップと水素放出ステップとを含めばよく、例えば、水素吸蔵準備ステップを省略して水素吸蔵ステップと水素放出ステップとを交互に切り替えるようにしてもよい。この場合には、CO吸着除去工程の雰囲気置換ステップにおいて、CO吸着塔から排気されたCO除去ガスC’は、水素吸蔵ステップにある水素吸蔵材料容器内に放出するとよい。
上記実施形態では、CO吸着除去工程として2塔のCO吸着塔を順次切り替えて用いる例を示したが、3塔以上のCO吸着塔を順次切り替えて用いてもよい。また、CO吸着除去工程として単一のCO吸着塔を用い、定期検査時などにCO吸着剤の再生ないし取替えを行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、水素分離回収工程として3個の水素吸蔵材料容器を順次切り替えて用いる例を示したが、2個または4個以上の水素吸蔵材料容器を順次切り替えて用いてもよい。また、単一の水素吸蔵材料容器とバッファタンク(上記バッファタンク8とは別のもの)を組み合わせ、該バッファタンクから後段の燃料電池等に連続的に高純度水素を供給しつつ、単一の水素吸蔵材料容器中の水素吸蔵材料により水素の吸蔵と放出とを繰り返しながら、放出時のみバッファタンクに水素を溜めるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、水素吸蔵材料として、水素吸蔵合金、表面処理した水素吸蔵合金を例示したが、ケミカルハイドライド、カーボンナノチューブ、またはこれらのいずれか2種以上を用いてもよい。
また、上記実施形態では、CO吸着剤の吸着/再生の切り替え操作を雰囲気圧力の昇降(すなわち、圧力スイング)のみにより行う例を示したが、圧力スイングに温度スイングをも組み合わせて行ってもよい。
また、上記実施形態では、CO吸着剤の再生に用いるCOを実質的に含まないガスとして水素分離回収装置からのオフガスを例示したが、水素分離回収装置からの高純度水素、改質器の加熱用燃料、またはこれらのいずれか2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記実施形態では、水素吸蔵材料からの水素放出を温度スイングで行う場合の熱源として燃料電池の冷却排水(約80℃のお湯)を用いる例を示したが、変成ガスの顕熱、変成ガスに含まれる水蒸気の潜熱、改質器の燃焼排ガスの顕熱、またはこれらのいずれか2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記実施形態では、水素吸蔵材料の水素吸蔵/水素放出の切り替え操作を雰囲気圧力の昇降(圧力スイング)に加えて反応温度の昇降(すなわち、温度スイング)により行う例を示したが、圧力スイングのみで行うことも可能である。
また、上記実施形態では、COを含有する水素リッチガスの製造手段として改質器+変成器の組合せを例示したが、変成器に代えてセラミックフィルタ等の粗製分離膜を用いてもよい。すなわち、上記実施形態では、COを含有する水素リッチガスとして炭化水素含有燃料を水蒸気で改質した後に変成したガス(変成ガス)を例示したが、水蒸気で改質した後にセラミックフィルタ等の粗製分離膜を流通させて水素濃度を高めたガスも当然に適用できる。
さらには、CO吸着剤のCO吸着性能や水素吸蔵材料の耐CO被毒性によっては、変成器を省略して改質器のみのプロセスも成立しうる。すなわち、COを含有する水素リッチガスとして、水蒸気で改質したままのガスも適用可能であり、さらには水蒸気改質に代えて部分酸化により改質したガス、あるいは部分酸化により改質させると同時に水蒸気で改質したガスも適用しうるものである。
また、CO吸着剤を再生する際に放出されるCOは、改質ガスとともに変成器に導入して変成反応に利用することもできる。
2…CO除去器
2a,2b…CO吸着塔
3…水素分離回収装置
3a,3b,3c…水素吸蔵材料容器
7…真空ポンプ
8…バッファタンク
B…変成ガス(COを含有する水素リッチガス)
C…CO除去ガス
D…高純度水素
E…オフガス
F…CO非含有ガス(COを実質的に含まないガス)

Claims (3)

  1. CO吸着剤を充填してなるCO吸着塔を1または複数有するCO除去器と、その後段に、水素吸蔵材料を充填した水素吸蔵材料容器を1または複数有する水素分離回収装置を備えた高純度水素製造装置を用いて、COを含有する水素リッチガス(以下、「CO含有水素リッチガス」という。)から高純度水素を製造する方法であって、
    前記CO含有水素リッチガスを前記CO除去器でCOを除去してCO除去ガスを得るCO吸着除去工程と、前記CO除去ガスに含まれる水素を前記水素吸蔵材料に吸蔵させた後、この吸蔵された水素を前記吸蔵材料から放出させることにより高純度水素を得る水素分離回収工程とを備え、
    前記水素分離回収工程は、各水素吸蔵材料容器について、少なくとも、前記CO除去ガスに含まれる水素を前記水素吸蔵材料に吸蔵させる水素吸蔵ステップと、この吸蔵された水素を前記吸蔵材料から放出させる水素放出ステップとを含むものであり、
    前記CO吸着除去工程は、各CO吸着塔について、前記CO含有水素リッチガスを流通させてCOを吸着除去しCO除去ガスを得るCO吸着ステップと、COを実質的に含まないガス(以下、「CO非含有ガス」という。)を導入して当該CO吸着塔内に滞留したCO除去ガスを排気して前記水素放出ステップ以外のステップにある水素吸蔵材料容器内に放出する雰囲気置換ステップと、前記CO非含有ガスを流通させつつCO吸着剤を再生するCO吸着剤再生ステップと、をその順序で繰り返すものである、
    ことを特徴とする高純度水素製造方法。
  2. 前記雰囲気置換ステップにおいて、前記CO非含有ガスとして、前記水素吸蔵材料容器から排出される、前記水素吸蔵ステップで吸蔵されなかったオフガスを用いるに際し、前記CO吸着塔内の雰囲気圧力を該オフガスの圧力より低下させてから該オフガスを当該CO吸着塔内に流通させる請求項1に記載の高純度水素製造方法。
  3. 前記CO吸着剤が、シリカ、アルミナ、活性炭、グラファイトおよびポリスチレン系樹脂よりなる群から選択される1種以上の担体に、ハロゲン化銅(I)および/またはハロゲン化銅(II)を担持させた材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の高純度水素製造方法。
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