JP4007241B2 - 高温強度と耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼ならびにこの鋼からなる耐熱耐圧部材とその製造方法 - Google Patents

高温強度と耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼ならびにこの鋼からなる耐熱耐圧部材とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電ボイラや化学工業用加熱炉等を構成する鋼管、鋼板、棒鋼および鍛鋼品等(以下、これらを総称して「耐熱耐圧部材」という。)の素材として好適なオーステナイト系ステンレス鋼、その鋼からなる高温強度と高温耐食性に優れた耐熱耐圧部材、およびその製造方法に関する。この耐熱耐圧部材は、高い高温強度と優れた高温耐食性を有するのに加えて、耐熱疲労特性と金属組織の安定性(以下、単に組織安定性という)にも優れている。
【0002】
【従来の技術】
近年、高効率化のために蒸気の温度と圧力を高めた超々臨界圧ボイラの新設が世界中で進められている。蒸気の温度に関しては、これまでの600℃前後から650℃以上、将来的には700℃以上にまで高めることが計画されている。これは、省エネルギーと資源の有効活用、および環境保全のためのCOガス排出量削減が大きな課題となっており、この課題の解決には、化石燃料を燃焼させる高効率の超々臨界圧ボイラが有利なためである。
【0003】
蒸気の高温高圧化、中でも高温化は、ボイラや化学工業用の加熱炉を構成する耐熱耐圧部材の温度を上昇させ、その温度は650℃以上に達する。このため、これらの耐熱耐圧部材には、高温強度と高温耐食性に加えて、耐熱疲労特性や長期にわたる組織安定性が要求される。
【0004】
オーステナイト系ステンレス鋼は、フェライト系鋼に比べて高温強度と高温耐食性が優れる。このため、強度と耐食性の観点からフェライト系鋼が使えなくなる650℃以上の高温域では、オーステナイト系ステンレス鋼が使われる。
【0005】
高温高圧用のオーステナイト系ステンレス鋼としては、SUS347HやSUS316等の18−8系のオーステナイト系ステンレス鋼が広く用いられているが、高温強度と耐食性において限界がある。また、耐食性を高めた25Cr系のSUS310もあるが、600℃以上の高温強度がSUS316よりも低い。
【0006】
このため、18−8系鋼以上の耐食性を有する20Cr以上のオーステナイト系ステンレス鋼をベースにして高温強度と高温耐食性を高めた多くの鋼が提案されている。これらの鋼は次の3つに大別される。
【0007】
(1)Cr量を20%以上に高めるとともに、固溶強化元素のWやMo等を複合添加して粒内強化を図った鋼(例えば、特開昭61−179833号公報および特開昭61−179835号公報)。
【0008】
(2)W、Moに加え、Nを積極的に添加して窒化物による析出強化を図った鋼(例えば、特開昭63−183155号公報)。
【0009】
(3)TiやAlの金属間化合物による析出強化を図った鋼(例えば、特開平7−216511号公報)。
【0010】
しかし、前記(1)の鋼は、高温域におけるクリープの主体が粒内の転位クリープから粒界すべりクリープとなるために、700℃以上での高温クリープ強度が低い。(2)および(3)の鋼は、強度は十分なものの、延性が著しく低く、しかも高温域における耐熱疲労特性と組織安定性が劣り、700℃以上でのクリープ強度とクリープ延性が低い。
【0011】
また、(3)の鋼は、TiやAlの金属間化合物が結晶粒の成長を抑制するために混粒組織となって粒界すべりクリープや不均一なクリープ変形が生じ、強度および靱性が大きく損なわれる。従って、これらの従来鋼は、700℃以上の高温で用いる耐熱耐圧部材、中でも組織が著しい混粒になりやすい肉厚が20mm以上の耐熱耐圧部材としては使用できない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の課題は、700℃以上の高温域において優れた耐熱疲労特性と組織安定性を示す耐熱耐圧部材の素材に適するオーステナイト系ステンレス鋼を提供することにある。
【0013】
本発明の第2の課題は、高温強度と耐熱疲労性に優れた耐熱耐圧部材を提供することにある。とりわけ、750℃、10,000時間のクリープ破断強度と絞り率がそれぞれ 80MPa以上、55%以上という特性を持つ耐熱耐圧部材を提供することにある。
【0014】
本発明の第3の課題は、上記の特性を持つ耐熱耐圧部材の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、下記(1)と(2)の鋼である。また、本発明の耐熱耐圧部材は下記(3)の部材である。さらに、本発明の耐熱耐圧部材を得るのに好適なその製造方法は下記(4)の方法である。
【0016】
(1)質量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.1〜1%、Mn:0.1〜2%、Cr:20%以上28%未満、Ni:35%を超え50%以下、W:4〜10%、Ti:0.01〜0.3%、Nb:0.01〜1%、sol.Al:0.0005〜0.04%、B:0.0005〜0.01%を含み、残部はFeおよび不純物からなり、不純物としてのPが0.04%以下、Sが0.010%以下、Moが0.5%未満、Nが0.02%未満、O(酸素)が0.005%以下の化学組成を有するとともに、オーステナイト結晶粒度番号が6以下および混粒率が10%以下の粗粒組織であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
【0017】
(2)上記(1)に記載の成分に加えて、さらに下記の第1群から第3群までの少なくとも1群の中から選んだ少なくとも1種の成分を含み、残部はFeおよび不純物で、不純物としてのP0.04%以下、Sが0.010%以下、Moが0.5%未満、Nが0.02%未満、O(酸素)が0.005%以下の化学組成を有するとともに、オーステナイト結晶粒度番号が6以下および混粒率が10%以下の粗粒組織であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
第1群…質量%で、0.0005〜0.1%のZr。
第2群…質量%で、0.0005〜0.05%のCa
第3群…質量%で、それぞれ0.0005〜0.2%の希土類元素、HfおよびPd。
【0018】
ここで、希土類元素とは、原始番号57のLaから同71のLuまでの15元素と、YおよびScを含めた17元素のことである。
【0019】
(3)上記(1)または(2)に記載のオーステナイト系ステンレス鋼からなることを特徴とする高温域での耐熱疲労特性と組織安定性に優れた耐熱耐圧部材。特に、750℃、10,000時間のクリープ破断強度と絞り率がそれぞれ、80MPa以上、55%以上である耐熱耐圧部材。
【0020】
ここで、上記のオーステナイト結晶粒度番号は、ASTM(American Society for Testing and Material:アメリカ材料試験協会)に規定される粒度番号を意味する。
【0021】
次に、混粒率(%)の計算方法を説明する。光学顕微鏡による上記オーステナイト結晶粒度番号の判定に際して観察した視野数をNとして、その1視野毎にその視野内に存在する結晶粒の数を数えることによって、オーステナイト結晶粒度番号を−3(粗粒)から+10(細粒)までのいずれかの粒度番号であると判定し、N個の判定結果を得て、粒度番号毎に頻度を計算する。そして、そのうち最大頻度を有する粒度番号Gを特定し、特定された粒度番号Gより3以上小さい粒度番号を有する視野数n1と、特定された粒度番号Gより3以上大きい粒度番号を有する視野数n2とを求める。この視野数n1とn2の合計数を全視野数Nで除したものの百分率、すなわち、100×(n1+n2)/Nが、混粒率である。
【0022】
(4)上記(1)または(2)に記載の化学組成を有する鋼を下記の工程(i)(ii)および(iii)で順次処理することを特徴とする上記(3)に記載の高温域での耐熱疲労特性と組織安定性に優れた耐熱耐圧部材の製造方法。
工程(i):熱間または冷間による最終加工前に、少なくとも1回、1100℃以上に加熱する。
工程(ii):断面減少率10%以上の塑性加工を行う。
工程(iii):1050℃以上で最終熱処理を行う。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、高温域での耐食性を確保するためにCr量を20%以上に高めたオーステナイト系ステンレス鋼の700℃以上におけるクリープや金属組織等に及ぼす合金元素の影響を詳細に調べた結果、以下の新たな知見を得た。
【0024】
(a)Moは700℃以上の高温域での高強度化にはほとんど効果がないだけでなく、かえって高温耐食性を低下させるので、不純物として含まれる場合でもその含有量は0.5%未満に制限する必要がある。
【0025】
(b)WはMoとは異なり700℃以上の高温域での強度を向上させ、しかも高温耐食性を低下させることがないので、Moの積極的添加を行わないことによる強度不足はWの多量添加により補える。
【0026】
(c)従来技術において高強度化のために利用されている多量のTiを含む炭窒化物や金属間化合物は、前述したように、粒界すべりクリープと不均一なクリープ変形を助長し、高温域での強度と延性を著しく低下させるので、できるだけ利用しない方がよい。
【0027】
(d)粒界すべりクリープと不均一なクリープ変形は、細粒組織よりも粗粒組織の方が生じにくく、特にオーステナイト結晶粒度番号が6以下で、しかも混粒率が10%以下の粗粒組織、好ましくは混粒率が0(ゼロ)の粗粒組織の場合に生じにくくなる。
【0028】
(e)オーステナイト結晶粒度番号が6以下、混粒率が10%以下の粗粒組織は、鋼中のTi含有量を0.01〜0.3%に制限するとともに、NとO(酸素)の含有量をそれぞれ0.02%未満、0.005%以下に制限し、かつ適量(0.0005〜0.01%)のBを含有させた前記(1)または(2)の化学組成の鋼を素材とし、この鋼を例えば上記の工程(i)から(iii)を経て処理すれば得られる。
【0029】
即ち、Ti、N、OおよびBの含有量を上記の範囲に制限した場合には、上記の工程(i)の後において鋼中に安定なTiやBを含む未固溶炭窒化物や酸化物が存在せず、工程(ii)において均一な歪みが蓄積され、工程(iii)において再結晶が均一に進行して、オーステナイト結晶粒度番号6以下、混粒率10%以下の粗粒組織を有する耐熱耐圧部材が得られる。
【0030】
(f)前記の量のTiおよびNbは、その組織がオーステナイト結晶粒度番号6以下、混粒率10%以下とされた耐熱耐圧部材を実際に使用した場合におけるクリープ中に、微細な炭化物として粒内と粒界に均一に析出し、高温クリープ強度を向上させる。その結果、この部材の750℃、10,000時間のクリープ破断強度が 80MPa以上、絞り率が55%以上になる。このような特性を持つ部材は、耐熱疲労特性にも優れる。
【0031】
以下、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成、結晶粒度および混粒率、この鋼からなる耐熱耐圧部材ならびにその好ましい製造方法の諸条件を上記のように定めた理由について詳細に説明する。なお、以下において「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。
【0032】
1.オーステナイト系ステンレス鋼の化学組成
C:0.03〜0.12%
Cは炭化物を形成して高温用オーステナイト系ステンレス鋼として必要な高温引張強さ、高温クリープ強度を確保する上で必要な成分であり、0.03%以上の含有量が必要である。しかし、その含有量が0.12%を超えると、未固溶炭化物が生じたり、Crの炭化物が増えて溶接性が低下するので上限は0.12%とした。望ましいC含有量は0.05〜0.10%である。
【0033】
Si:0.1〜1%
Siは、製鋼時に脱酸剤として添加されるが、鋼の耐水蒸気酸化性を高めるためにも必要な元素であり、最低でも0.1%の含有量が必要である。しかし、その含有量が過剰になると鋼の加工性が悪くなるので上限は1%とした。好ましい範囲は0.1〜0.5%である。
【0034】
Mn:0.1〜2%
Mnは、鋼中に含まれる不純物のSと結合してMnSを形成し、熱間加工性を向上させるが、その含有量が0.1%未満ではこの効果が得られない。一方、その含有量が過剰になると、鋼が硬くなって脆くなり、かえって加工性や溶接性を損なうので上限は2%とした。望ましいMn含有量は0.5〜1.2%である。
【0035】
P:0.04%以下
Pは不純物として不可避的に混入するが、過剰なPは溶接性および加工性を害するので、上限は0.04%とする。好ましい上限は0.03%である。なお、P含有量は少ないほどよい。
【0036】
S:0.010%以下
Sも上記のPと同様に不純物として不可避的に混入するが、過剰なSは溶接性および加工性を害するため、上限は0.010%とする。好ましい上限は0.008%である。なお、S含有量は加工性を向上させる上では少ないほどよいが、溶接時の湯流れ性を確保する上では0.004〜0.008%程度含有させるのがよい。
【0037】
Cr:20%以上、28%未満
Crは、耐酸化性、耐水蒸気酸化性および耐食性を確保するための重要な元素である。700℃以上の高温下での耐食性を18−8系鋼以上にするためには最低限20%の含有量が必要である。前記の耐食性はCr含有量が多いほど向上するが、その含有量が28%以上になると、組織安定性が低下してクリープ強度を損なう。また、オーステナイト組織を安定にするために高価なNi含有量の増加を余儀なくされるだけでなく、溶接性も低下する。よって、Cr含有量は20%以上で28%未満とする。好ましい範囲は22〜26%である。
【0038】
Ni:35%を超えて50%以下
Niは、オーステナイト組織を安定にする元素であり、耐食性の確保にも重要な合金元素である。上記のCr量とのバランスからNiは35%を超える量が必要である。一方、過剰なNiはコスト上昇を招くだけでなく、クリープ強度の低下を招くので、その上限は50%とする。望ましいのは40〜48%である。
【0039】
Mo:0.5%未満
Moは前述したように700℃以上の使用環境下で脆化相を生じたり耐食性を劣化させることがあるだけでなく、後述するWとの複合添加ではWの単独添加に比べて強度向上効果がほとんどない。このため、本発明ではMoは積極的には添加しない。しかし、不純物量であっても、その含有量が0.5%以上になると、700℃以上の高温域で使用した場合、脆化相の生成および耐食性の低下が著しくなる。従って、不純物としてのMo含有量は0.5%未満とした。好ましいのは0.3%以下、より好ましいのは分析の検出限界値未満である。なお、Moの検出限界値は、通常、0.01%である。
【0040】
W:4〜10%
Wも重要な元素の一つで、固溶強化作用によって700℃以上の高温域において優先する粒界すべりクリープを抑制するが、そのためには最低でも4%の含有量が必要である。一方、過剰なWはMoのように脆化相は生成させないものの、鋼を著しく硬化させ、加工性および溶接性を劣化させるので、上限は10%とする。望ましいのは6〜8%である。
【0041】
Ti:0.01〜0.3%
Tiは、未固溶炭窒化物や酸化物を形成してオーステナイト結晶粒の混粒化を助長したり、不均一なクリープ変形や延性低下の原因となるので、その含有量は0.3%以下とした。一方、その含有量が0.01%未満では、高温域での使用中における炭化物の析出による高温強度の向上が望めない。このため、Ti含有量は0.01〜0.3%とした。好ましいのは0.03〜0.2%である。
【0042】
Nb:0.01〜1%
Nbは、Tiのように有害な酸化物にはならないが、炭化物によるクリープ強度の向上のためには最低限0.01%の含有量が必要である。一方、過剰なNbは溶接性を害するので上限は1%とする。好ましいのは0.1〜0.5%である。
【0043】
sol.Al:0.0005〜0.04%
Alは、脱酸剤として添加させるが、多量に添加すると組織安定性が悪くなるので、その含有量はsol.Al含有量で0.04%以下とする。一方、十分な脱酸効果を得るには0.0005%以上のsol.Al含有量が必要である。好ましいのは0.005〜0.02%である。
【0044】
B:0.0005〜0.01%
Bは、後述するNおよびO(酸素)の含有量を低減して酸化物や窒化物を極力排除するようにした本発明の鋼においては極めて有効な粒界すべりクリープ抑制作用を有する元素であるが、その含有量が0.0005%未満ではこの効果が得られない。一方、0.01%を超えて含有させると溶接性を損なう。このため、B含有量は0.0005〜0.01%とした。好ましいのは0.001〜0.005%である。
【0045】
N:0.02%未満
Nおよび次に述べるOの含有量の低減が本発明の重要な要件の一つである。Nは、従来、炭窒化物による析出強化と高価なNiの一部に代える元素として積極的に添加されている。しかし、多量のNはTiやBの未固溶炭窒化物を生成し、これが組織を混粒にし、700℃以上の高温域での粒界すべりクリープおよび不均一なクリープ変形を助長して強度を損なう。従って、N含有量は極力低減する必要がある。NはCrとの親和力が強く、不純物として混入することが避けられない。しかし、その含有量が0.02%未満であれば前記の未固溶炭窒化物が生成しなくなるので、N含有量は0.02%未満とした。好ましいのは0.016%以下、より好ましいのは0.01%以下である。なお、N含有量は低いほどよい。
【0046】
O(酸素):0.005%以下
Oは、上記のNと同様に、TiやAlの未固溶酸化物を生成し、これが組織を混粒にし、700℃以上の高温域での粒界すべりクリープおよび不均一なクリープ変形を助長して強度を損なう。従って、O含有量も極力低減する必要がある。Oも不純物として混入することが避けられないが、その含有量が0.005%以下であれば前記の未固溶酸化物が生成しなくなるので、O含有量は0.005%以下とした。好ましいのは0.003%以下である。なお、O含有量も低いほどよい。
【0047】
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼の残部は実質的にFe、言いかえればFeと上記以外の不純物である。
【0048】
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼のもう一つは、前記の第1群から第3群までの少なくとも1群の中から選んだ少なくとも1種の成分を含む鋼である。以下、これらの成分について説明する。
【0049】
第1群(Zr)
Zrは、粒界を強化して高温強度を向上させる作用を有する。従って、その効果を得たい場合には積極的に添加含有させてもよい。その効果は、0.0005%以上の含有量で顕著になる。しかし、その含有量が0.1%を超えると、前記のTiと同様に未固溶の酸化物や窒化物を生成し、粒界すべりクリープおよび不均一なクリープ変形を助長するだけでなく鋼質をも劣化させ、高温域でのクリープ強度および延性を損なう。このため、添加する場合のZr含有量は0.0005〜0.1%とするのがよい。さらに好ましいのは0.001〜0.06%である。
【0050】
第2群(Ca
aはSと結合してSを安定化し、加工性を向上させる作用を有する。従って、その効果を得たい場合にはCaを積極的に添加含有させてもよく、その場合0.0005%以上の含有量で上記の効果が顕著になる。しかし0.05%を超えると、靱性、延性及び鋼質を損なう。従って、添加する場合のCa含有量は0.0005〜0.05%するのがよい。一層好ましいCa含有量は0.0005〜0.01%ある。
【0051】
第3群(希土類元素、HfおよびPd)
これらの元素は、いずれも無害で安定な酸化物や硫化物を形成して、OおよびSの好ましくない影響を小さくし、耐食性、加工性、クリープ強度およびクリープ延性を向上させる作用を有する。従って、その効果を得たい場合には1種以上を積極的に添加含有させてもよく、その場合、それぞれ0.0005%以上の含有量で上記の効果が顕著になる。しかし、それぞれの含有量が0.2%を超えると、酸化物等の介在物が多くなり、加工性および溶接性を損なうだけでなく、コストの上昇を招く。従って、添加する場合のこれら元素の含有量は、それぞれ0.0005〜0.2%とするのがよい。一層好ましい範囲はそれぞれ0.001〜0.1%である。
【0052】
なお、P、S、Mo、NおよびO以外の不純物としては、スクラップ等から混入することがあるCoおよびCuが挙げられる。しかし、Coは、本発明の鋼および耐熱耐圧部材の特性に特別な悪影響を及さない。従って、不純物として混入する場合のCo含有量は特に制限しない。ただし、Coは放射化元素でもあるから、混入する場合のCo含有量は0.8%以下、望ましくは0.5%以下にするのがよい。
【0053】
Cuは強度を向上させるものの、700℃以上の高温域での粒界すべりクリープを著しく助長させる。従って、不純物として混入する場合のCu含有量は0.5%以下、望ましくは0.2%以下にするのがよい。
【0054】
2.オーステナイト系ステンレス鋼および耐熱耐圧部材の金属組織
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼および耐熱耐圧部材金属組織はオーステナイト結晶粒度番号で6以下、混粒率10%以下の粗粒組織でなければならない。その理由は次のとおりである。
【0055】
前述したように、700℃以上の高温域でのクリープ強度は、オーステナイト結晶粒の大きさと整粒の程度に大きく依存し、粒度番号が6を超える細粒組織の場合には粒界すべりクリープが生じる。また、粒度番号が6以下の粗粒組織であっても混粒率が10%を超える場合には不均一なクリープ変形が生じる。その結果、耐熱疲労特性と組織安定性が劣り、750℃、10,000時間のクリープ破断時間で80MPa以上、絞り率で55%以上が確保できなくなる。
【0056】
このため、本発明では、オーステナイト結晶粒度番号6以下、混粒率10%以下と定めた。好ましいオーステナイト結晶粒度番号は5.5〜3である。また、好ましい混粒率は0(ゼロ)%、即ち、粒度番号が6以下の粗粒でかつ整粒の組織である。なお、オーステナイト結晶粒度番号の下限は特に制限しないが、粒度番号が0未満の粗粒組織は、超音波探傷法による内部欠陥や表面疵の検査ができなくなるので、その下限は0番とするのがよい。
【0057】
3.耐熱耐圧部材の製造方法
次に、上記のオーステナイト結晶粒度番号が6以下、混粒率が10%以下の粗粒組織を有する本発明の耐熱耐圧部材を得るための好ましい製造方法について説明する。この製造方法は、先に述べた(i)から(iii)までの工程を順次経ることを特徴とする。
【0058】
工程(i)
本発明の方法においては、熱間または冷間による最終加工の前に少なくとも1回の加熱を行って、加工中に析出した鋼中の析出物を十分に固溶させる必要がある。しかし、その加熱温度が1100℃未満の場合には、加熱後の鋼中に安定なTiやBを含む未固溶炭窒化物や酸化物が存在するようになる。その結果、これが次の工程(ii)において不均一な歪みを蓄積させる原因となり、工程(iii)の最終熱処理において再結晶を不均一にする。また、未固溶炭窒化物や酸化物それ自体が均一な再結晶を阻害し、上記所定の粗粒組織が確保できなくなる。このため、本発明の好ましい方法においては、熱間または冷間による最終加工前に少なくとも1回、1100℃以上に加熱する。なお、加熱温度の上限は特に制限しないが、1350℃を超える温度に加熱すると、高温粒界割れや延性低下を引き起こすことがあるので、加熱温度の上限は1350℃とするのがよい。
【0059】
加熱後は直ちに熱間または冷間による最終加工を行ってもよい。加熱後および最終加工が熱間加工の場合における加工後の冷却条件には特別な制約はない。しかし、800℃から500℃までの間を冷却速度0.25℃/秒以上で冷却するのが望ましい。これは、冷却中に粗大な析出物をつくらせないためである。
【0060】
工程(ii)
工程(ii)の塑性加工は、工程(i)における最終加工が熱間加工の場合には熱間加工または温度500℃以下の温間加工を含む冷間加工のいずれであってもよい。また、工程(i)における最終加工が温度500℃以下の温間加工を含む冷間加工の場合には最終加工と同じ条件の冷間加工のことである。
【0061】
この工程の塑性加工は、次の最終熱処理において再結晶を促進させるために歪みを付与する目的で行う。この加工の断面減少率が10%未満の場合は、再結晶に必要な歪みを付与することができず、次の最終熱処理を行っても所望の粗粒組織は得られない。このため、塑性加工は断面減少率10%以上で行う。望ましい断面減少率の下限は20%である。なお、断面減少率は大きいほどよいので上限は規定しないが、通常の加工での最大値は90%程度である。また、この加工工程は製品の寸法を決定する工程でもある。
【0062】
工程(iii)
所望の粗粒組織を得るための熱処理である。この熱処理の加熱温度が1050℃よりも低いと、十分な再結晶が起こらず、所望の粗粒組織が得られない。また、結晶粒が扁平な加工組織となり、クリープ強度が低くなる。このため、最終熱処理は1050℃以上で行う。好ましい熱処理温度は、工程(i)における加熱温度よりも10℃以上低い温度である。なお、最終熱処理温度の上限は特に制限しないが、工程(i)の場合と同じ理由からその上限は1350℃とするのがよい。また、最終熱処理後は、工程(i)の場合と同じ理由から800℃から500℃までの間を冷却速度0.25℃/秒以上で冷却するのが望ましい。
【0063】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する22種類の鋼を溶製した。なお、比較例中のNo.21はSUS310相当の鋼、No.22はSUS316相当の鋼である。
【0064】
No.1、2、4、6、7、9、11〜13、16および18〜20の鋼は、容量50kgの真空溶解炉を用いて溶製して鋼塊にした。そして、No.1、2、4および11〜13の鋼塊は、下記の製造法Aにより板に仕上げ、No.〜7およびNo.16の鋼塊は下記の製造法Bにより冷延板に仕上げた。また、No.およびNo.18〜20の鋼塊は下記の製造法Cにより鋼管に仕上げた。
【0065】
No.21〜29の鋼は、容量150kgの真空溶解炉を用いて溶製し、得られた鋼塊からそれぞれ表2に示すように下記の製造法A、B、Cで処理した。なお、これらの製造法はいずれも本発明の製造方法に属する。
【0066】
(1)製造法A
工程1(工程(i)に相当):1220℃に加熱、
工程2(工程(ii)に相当):断面減少率67%の熱間鍛造にて厚さ25mmの板材
に成形、
工程3:800℃から500℃以下まで0.55℃/秒で冷却、
工程4(工程(iii)に相当):1210℃に15分間保持後水冷。
【0067】
(2)製造法B
工程1(工程(i)に相当):1220℃に加熱、
工程2:断面減少率67%の熱間鍛造にて厚さ25mmの板材に成形、
工程3:800℃から500℃以下まで0.55℃/秒で冷却
工程4:外面切削にて厚さ20mmの板材に成形、
工程5(工程(ii)に相当):室温下にて断面減少率30%のロール圧延を行い厚さ
14mmの板材に成形、
工程6(工程(iii)に相当):1200℃に15分間保持後水冷。
【0068】
(3)製造法C
工程1:熱間鍛造と外削にて外径175mmの丸鋼に成形、
工程2(工程(i)に相当):丸鋼を1250℃に加熱、
工程3:加熱丸鋼を熱間押出し、外径64mm、肉厚10mmの鋼管に成形、
工程4(工程(i)に相当):鋼管を1220℃に10分間加熱後1℃/秒で冷却、
工程5(工程(ii)に相当):室温下にて断面減少率33%の引抜き加工を行い外径
50.8mm、肉厚8.5mmの鋼管に成形、
工程6(工程(iii)に相当):1210℃に10分間保持後水冷。
【0069】
【表1】
Figure 0004007241
【0070】
前記の工程A、BまたはCによって得られた熱間加工鋼板、冷間圧延鋼板および冷間加工鋼管について、オーステナイト結晶粒度番号と混粒率を調べた。オーステナイト結晶粒度番号は、ASTMに規定される方法に従って測定し、混粒率は前述した方法により求めた。その際、いずれの場合も20視野を観察した。
【0071】
同じく、工程A、BまたはCによって得られた熱間加工鋼板、冷間圧延鋼板および冷間加工鋼管から、外径6mm、標点距離30mmのクリープ試験片を採取してクリープ試験に供し、750℃、10,000時間のクリープ破断強度(MPa)と絞り率(内挿値:%)を調べた。以上の結果を、表2にまとめて示す。
【0072】
【表2】
Figure 0004007241
【0073】
表2からわかるように、化学組成が本発明で規定する範囲内の鋼(No.1、2、4、6、7、9、11〜13、16および18〜20)では、A、B、Cのどの方法で加工しても、オーステナイト結晶粒度番号と混粒率が本発明で規定する範囲になっている。その結果、750℃、10,000時間のクリープ破断強度が87MPa以上、絞り率が60%以上と高く、耐熱疲労特性と組織安定性に優れた耐熱耐圧部材が得られることが明らかである。
【0074】
No.21(SUS310)およびNo.22(SUS316)は、組織は本発明で規定する条件を満たす粗粒組織になっているが、化学組成が本発明で規定する範囲外であるため、クリープ破断強度がそれぞれ41MPaおよび55MPaと著しく低い。
【0075】
化学組成が本発明で規定する範囲外の鋼(No.23〜29)では、本発明の製造方法により加工熱処理しても、オーステナイト結晶粒度番号と混粒率の両方が本発明で規定する範囲内にある粗粒組織は得られていない。その結果、クリープ破断強度が68〜78MPa、絞り率が4〜23%と低い。No.25はO(酸素)含有量が高すぎ、また、No.26はNの含有量が高すぎるものである。No.29は、O含有量およびN含有量が両方とも高すぎる。これらのクリープ破断強度および絞り率が目標値をはるかに下回ることから、OとNの含有量を低く抑えることの重要性がわかる。即ち、これらの比較鋼では、700℃以上の高温域において優れた耐熱疲労特性と組織安定性を発揮する耐熱耐圧部材は得られない。
【0076】
【発明の効果】
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、高温強度と高温耐食性が良好なだけでなく、オーステナイト結晶粒度番号と混粒率がそれぞれ6以下、10%以下の粗粒組織で、700℃以上の高温域での耐熱疲労特性と組織安定性に優れた耐熱耐圧部材の素材として好適である。また、本発明の耐熱耐圧部材は、750℃、10,000時間のクリープ破断強度が87MPa以上、絞り率が57%以上と高いので、蒸気温度が700℃以上というような超々臨界圧ボイラ等の構成部材として使用可能である。さらに、本発明の方法によれば、本発明の耐熱耐圧部材を低コストで製造することが可能である。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.1〜1%、Mn:0.1〜2%、Cr:20%以上28%未満、Ni:35%を超え50%以下、W:4〜10%、Ti:0.01〜0.3%、Nb:0.01〜1%、sol.Al:0.0005〜0.04%、およびB:0.0005〜0.01%を含み、残部はFeおよび不純物からなり、不純物としてのPが0.04%以下、Sが0.010%以下、Moが0.5%未満、Nが0.02%未満、O(酸素)が0.005%以下の化学組成を有するとともに、オーステナイト結晶粒度番号が6以下および混粒率が10%以下の粗粒組織であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
  2. 請求項1に記載の鋼からなることを特徴とする高温域での耐熱疲労特性と組織安定性に優れた耐熱耐圧部材。
  3. 750℃、10,000時間のクリープ破断強度が80MPa以上および絞り率が55%以上であることを特徴とする請求項2に記載の耐熱耐圧部材。
  4. 質量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.1〜1%、Mn:0.1〜2%、Cr:20%以上28%未満、Ni:35%を超え50%以下、W:4〜10%、Ti:0.01〜0.3%、Nb:0.01〜1%、sol.Al:0.0005〜0.04%、B:0.0005〜0.01%、および下記の第1群から第3群までの少なくとも1群の中から選んだ少なくとも1種の成分を含み、残部はFeおよび不純物からなり、不純物としてのPが0.04%以下、Sが0.010%以下、Moが0.5%未満、Nが0.02%未満、O(酸素)が0.005%以下の化学組成を有するとともに、オーステナイト結晶粒度番号が6以下および混粒率が10%以下の粗粒組織であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
    第1群:質量%で、0.0005〜0.1%のZr。
    第2群:質量%で、0.0005〜0.05%のCa
    第3群:質量%で、それぞれ0.0005〜0.2%の希土類元素、HfおよびPd。
  5. 請求項4に記載の鋼からなることを特徴とする高温域での耐熱疲労特性と組織安定性に優れた耐熱耐圧部材。
  6. 750℃、10,000時間のクリープ破断強度が80MPa以上および絞り率が55%以上であることを特徴とする請求項5に記載の耐熱耐圧部材。
  7. 請求項1に記載の化学組成を有する鋼を、下記の工程(i)(ii)および(iii)で順次処理することを特徴とする請求項2または3に記載の高温域での耐熱疲労特性と組織安定性に優れた耐熱耐圧部材の製造方法。
    工程(i):熱間または冷間による最終加工前に、少なくとも1回1100℃以上に加
    熱する。
    工程(ii):断面減少率10%以上の塑性加工を行う。
    工程(iii):1050℃以上で最終熱処理を行う。
  8. 請求項4に記載の化学組成を有する鋼を、下記の工程(i)(ii)および(iii)で順次処理することを特徴とする請求項5または6に記載の高温域での耐熱疲労特性と組織安定性に優れた耐熱耐圧部材の製造方法。
    工程(i):熱間または冷間による最終加工前に、少なくとも1回、1100℃以上に
    加熱する。
    工程(ii):断面減少率10%以上の塑性加工を行う。
    工程(iii):1050℃以上で最終熱処理を行う。
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