JP5235554B2 - 光学式変位測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械や半導体製造装置等の可動部分の相対移動位置を検出する光学式変位測定装置に関する。詳しくは、回折格子で回折された2つの回折光を再度回折格子に照射する反射光学系で、反射光を入射した光軸の方向に戻すコーナーキューブプリズムが配列されるマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーを備えることで、スケール部に異物等が付着した際の光量低下を抑えるものである。
従来から、工作機械や半導体製造装置等の可動部分の相対移動位置を検出する装置として、回折格子を用いた光学式の変位測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図10は、従来の光学式変位測定装置の一例を示す構成図である。従来の光学式変位測定装置200は、可干渉光源201から出射された可干渉光Laがレンズ202で集光され、偏光ビームスプリッタ203で2つの可干渉光La1,La2に分割され、回折格子204に照射される。回折格子204に照射された2つの可干渉光は、回折格子204で回折されて2つの1回回折光Lb1,Lb2が生じる。2つの1回回折光Lb1,Lb2は、平面ミラー205a及び1/4波長板205bを有した反射光学系205で反射されて同じ光路を戻り、偏光方向が変換されて回折格子204に再度照射される。
回折格子204に照射された2つの1回回折光Lb1,Lb2は、回折格子204で回折されて2つの2回回折光Lc1,Lc2が生じる。2つの2回回折光Lc1,Lc2は、2つの可干渉光La1,La2と同じ光路を戻って偏光ビームスプリッタ203に入射される。偏光ビームスプリッタ203に入射した2つの2回回折光Lc1,Lc2は、偏光ビームスプリッタ203で重ね合わされ、2つの2回回折光Lc1,Lc2を干渉させた干渉光Ldが、受光部206で受光される。
このような構成の光学式変位測定装置200では、可動部分の移動に応じて回折格子204が格子ベクトル方向に移動することにより、2つの2回回折光に位相差が生じる。光学式変位測定装置200では、2つの2回回折光を干渉させて干渉信号を検出し、干渉信号から2つの2回回折光の位相差を求めて、回折格子の移動位置を検出する。
従来の光学式変位測定装置200では、反射光学系205が平面ミラー205aで構成される。また、2つの可干渉光がそれぞれ平面ミラー205aの表面に焦点を結ぶように光学系が構成されていた。
上述した課題を解決するため、本発明は、照射された光を回折する回折格子を有し、回折格子の格子ベクトル方向に相対移動するスケール部と、可干渉光を出射する発光部と、発光部により出射された可干渉光を2つの可干渉光に分割して、スケール部の回折格子に各可干渉光を照射し、2つの1回回折光を生じさせると共に、2つの1回回折光を回折格子により回折させて生じさせた2つの2回回折光を干渉させる照射受光光学系と、2つの可干渉光を回折格子により回折させて生じさせた2つの1回回折光をそれぞれ反射して、回折格子に2つの1回回折光を照射する反射光学系と、照射受光光学系により2つの2回回折光を干渉させた干渉光を受光して干渉信号を検出する受光部とを備え、反射光学系は、直角を3つ合成した頂点を持つ三角錐のプリズムで構成されるコーナーキューブプリズムが、縦横に並べて配列されるマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーを有し、入射光を反射して前記入射光の光軸の方向に戻し、反射光学系の各コーナーキューブプリズムは、スケール部に付着する可能性のある異物と同等程度の大きさである光学式変位測定装置である。
図11及び図12は、従来の光学式変位測定装置の課題を示す動作説明図である。従来の光学式変位測定装置200では、偏光ビームスプリッタ203で分割された光路を往路と帰路で同一として、回折格子204で回折された回折光を偏光ビームスプリッタ203に戻し、干渉光を生成している。このため、反射光学系205で平面ミラー205aを使用すると、平面ミラー205aの取り付け角度がずれると、図11に二点鎖線で示すように光が戻らない。また、平面ミラー205aの取り付け位置が光軸に沿ってずれると焦点位置が変化してしまう。これにより、平面ミラーの取り付けに際しては、微妙な角度及び位置調整が必要となる。
また、従来の光学式変位測定装置200では、反射光学系205が平面ミラー205aで構成され、可干渉光が平面ミラー205aの表面に焦点を結ぶように光学系が構成されている。このように焦点を結ぶ光学系の光路では、入射光と反射光は反転することになる。このため、回折格子204に付着した異物D等の影響は、回折格子204への入射時に受ける光の照射領域のものと、平面ミラー205aで反射してから受ける光の照射領域のものがある。これにより、受光部206で検出される光量は、一概に異物等の大きさに対して約2倍の影響を受けることになり、回折格子204に異物等が付着すると、取得できる光量が低下する。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、光学系の組み立て調整が容易で、かつ、スケール部に異物等が付着した際の光量低下を抑えることが可能な光学式変位測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、照射された光を回折する回折格子を有し、回折格子の格子ベクトル方向に相対移動するスケール部と、可干渉光を出射する発光部と、発光部により出射された可干渉光を2つの可干渉光に分割して、スケール部の回折格子に各可干渉光を照射し、2つの1回回折光を生じさせると共に、2つの1回回折光を回折格子により回折させて生じさせた2つの2回回折光を干渉させる照射受光光学系と、2つの可干渉光を回折格子により回折させて生じさせた2つの1回回折光をそれぞれ反射して、回折格子に2つの1回回折光を照射する反射光学系と、照射受光光学系により2つの2回回折光を干渉させた干渉光を受光して干渉信号を検出する受光部とを備え、反射光学系は、直角を3つ合成した頂点を持つ三角錐のプリズムで構成されるコーナーキューブプリズムが、縦横に並べて配列されるマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーを有し、入射光を反射して前記入射光の光軸の方向に戻し、照射受光光学系は、発光部から光源固有の放射角で出射された可干渉光を、ビーム径が広がる所定の放射角に絞って回折格子に照射する光学素子を備える光学式変位測定装置である。
本発明の光学式変位測定装置では、発光部から出射された可干渉光が2分割され、スケール部の回折格子に照射される。回折格子で回折された2つの1回回折光は、それぞれマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーで反射され、再度回折格子に照射される。回折格子で回折された2つの2回回折光は、照射受光光学系で重ね合わされ、干渉光が得られる。
マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーは、反射光を入射した光軸の方向に戻す機能を有しており、取り付け角度がずれても光が入射方向に戻る。また、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーは、個々のコーナーキューブプリズム毎に光が入射及び反射され、スケール部に付着した異物等の影響は、個々のコーナーキューブプリズム毎で済み、他の領域に影響を及ぼさない。
本発明の光学式変位測定装置では、反射光学系にマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーを備えることで、スケール部に付着した異物等の影響を、個々のコーナーキューブプリズム単位で受けることができるので、干渉光の光量低下を抑えることができる。
また、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーは、取り付け角度によらず、反射光を入射した光軸の方向に戻すので、組み立て調整と取り付け許容値の改善を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の光学式変位測定装置の実施の形態について説明する。
<本発明の光学式変位測定装置の原理>
図1は、本発明が適用される光学式変位測定装置の原理を示す構成図である。本発明が適用される光学式変位測定装置100Aは、工作機械等の可動部分に取り付けられ直線移動する例えば透過型の回折格子101Tと、レーザ光等の可干渉光を出射する可干渉光源102を備える。
光学式変位測定装置100Aは、可干渉光源102から出射された可干渉光を2分して回折格子101Tに照射すると共に、回折格子101Tで回折された回折光を干渉させる照射受光光学系103を備える。
照射受光光学系103は、可干渉光源102から出射された可干渉光を分割すると共に、回折格子101Tで回折された回折光を結合する偏光ビームスプリッタ104を備える。また、照射受光光学系103は、可干渉光源102から出射された可干渉光を絞るレンズ105を備える。
光学式変位測定装置100Aは、照射受光光学系103で回折格子101Tに照射され、回折格子101Tで回折された回折光を再度回折格子101Tに照射する反射光学系106を備える。
反射光学系106は、回折格子101Tで回折された回折光を、光の入射方向に向けて反射するコーナーキューブプリズム107を備える。また、コーナーキューブプリズム107で反射して往復する光路中に設けられ、偏光方向を変換する1/4波長板108を備える。
コーナーキューブプリズム107は、直角を3つ合成した頂点を持つ三角錐のプリズムで、直交した3面の内部の全反射によって、入射光が入射方向へ180°折り返され、反射光が必ず入射した光軸の方向に戻る機能を有する。
光学式変位測定装置100Aは、反射光学系106で回折格子101Tに再度照射されて回折格子101Tで回折され、照射受光光学系103で干渉させた干渉光を受光して干渉信号を生成する受光部109を備える。
次に、本発明が適用される光学式変位測定装置100Aの動作について説明する。光学式変位測定装置100Aは、可干渉光源102から出射された可干渉光Laが、偏光ビームスプリッタ104で2つの可干渉光La1,La2に分割される。偏光ビームスプリッタ104で反射した可干渉光La1はS偏光、透過した可干渉光La2はP偏光となる。偏光ビームスプリッタ104で分割された2つの可干渉光La1,La2は、回折格子101Tに照射される。
回折格子101Tに照射された可干渉光La1,La2は回折され、回折格子101Tで回折された1回回折光Lb1,Lb2は、1/4波長板108を通りコーナーキューブプリズム107に入射する。コーナーキューブプリズム107に入射した光は、入射方向へ反射され、反射光が入射した光軸の方向に戻って、1/4波長板108を通る。
コーナーキューブプリズム107で反射した1回回折光Lb1は、1/4波長板108を2回通ることで、S偏光がP偏光に変換される。また、コーナーキューブプリズム107で反射した1回回折光Lb2は、1/4波長板108を2回通ることで、P偏光がS偏光に変換される。
コーナーキューブプリズム107で反射した1回回折光Lb1,Lb2は、回折格子101Tに再度照射される。回折格子101Tに照射された1回回折光Lb1,Lb2は回折され、回折格子101Tで回折された2回回折光Lc1,Lc2は、偏光ビームスプリッタ104に入射する。
偏光ビームスプリッタ104で反射したS偏光の可干渉光La1は、P偏光となって戻ってくることで、2回回折光Lc1は偏光ビームスプリッタ104を透過する。一方、偏光ビームスプリッタ104を透過したP偏光の可干渉光La2は、S偏光となって戻ってくることで、2回回折光Lc2は偏光ビームスプリッタ104で反射する。これにより、2回回折光Lc1,Lc2が重ね合わされる。
偏光ビームスプリッタ104で重ね合わされた干渉光Ldは、受光部109に入射され、干渉信号が生成される。
従来の光学式変位測定装置では、回折格子で回折された回折光を再度回折格子に照射する反射光学系が平面ミラーで構成され、また、光源から出射される可干渉光が平面ミラーの表面に焦点を結ぶように照射光学系が構成されていた。
光学式変位測定装置では、偏光ビームスプリッタで分割された光路を往路と帰路で同一として、回折格子で回折された回折光を偏光ビームスプリッタに戻し、干渉光を生成している。このため、反射光学系で平面ミラーを使用すると、平面ミラーの取り付け角度がずれると光が戻らず、取り付け位置が光軸に沿ってずれると焦点位置が変化してしまう。これにより、平面ミラーの取り付けに際しては、微妙な角度及び位置調整が必要となる。
これに対して、本発明が適用される光学式変位測定装置100Aでは、反射光学系106にコーナーキューブプリズム107を備えている。コーナーキューブプリズム107は、反射光を必ず入射した光軸の方向に戻すため、取り付け角度がずれても光が所定の方向に戻る。また、可干渉光源102から出射された光を集光しないことで、取り付け位置のずれによる焦点位置の変化が生じない。
このように、反射光学系にコーナーキューブプリズムを使用することで、組み立て調整と取り付け許容値の改善を図ることができる。
図2は、回折格子上の異物の影響を示す光路説明図である。反射光学系106にコーナーキューブプリズム107を備えた光学式変位測定装置100Aでは、コーナーキューブプリズム107に入射する入射光の光軸中心とコーナーキューブプリズム107の中心が合っている場合、同軸光路上に光が反射される。一方、入射光の光軸中心とコーナーキューブプリズム107の中心が合っていない場合でも、反射光は必ず入射した光軸の方向に戻る。但し、入射光と反射光では光軸が平行にずれる。
このため、回折格子101Tに付着した異物D等の影響は、回折格子101Tへの入射時に受ける光の照射領域のものと、コーナーキューブプリズム107で反射してから受ける光の照射領域のものがある。これにより、受光部109で検出される光量は、一概に異物等の大きさに対して約2倍の影響を受けることになり、回折格子101Tに異物が付着すると、取得できる光量が低下する。
そこで、本発明では、微小なコーナーキューブプリズムを配列したマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーを反射光学系に使用して、異物等の影響による光量低下を防ぐ。
<第1の実施の形態の光学式変位測定装置の構成例>
図3は、本発明の第1の実施の形態の光学式変位測定装置の一例を示す構成図である。第1の実施の形態の光学式変位測定装置1Aは、工作機械等の可動部分に取り付けられ直線移動または回転するスケール部11Aを備える。スケール部11Aは、本例では透過型の回折格子11Tと、回折格子11Tを保護するガラス等の保護層11G等を備える。
回折格子11Tは、薄板状の素材に狭いスリットや溝等の格子が所定間隔毎に刻まれている。このような回折格子11Tに入射された光は、表面に刻まれたスリット等により回折する。回折により生じる回折光は、光の入射角と格子の間隔と光の波長等で定まる方向に発生する。ここで、回折格子11Tにおいて、図示しない格子が形成された方向に垂直な方向を格子ベクトル方向と呼ぶ。スケール部11Aは、可動部分の移動に伴って、回折格子11Tの格子ベクトル方向に移動する。なお、本例では、格子が所定の間隔で平行に設けられた回折格子を用いているが、本発明では、このような格子が平行に設けられた回折格子を用いなくても良い。例えば、放射状に格子が設けられた回折格子を用いてもよい。このような放射状に格子が設けられた回折格子を用いることにより、所謂ロータリーエンコーダーとして、回転移動をする工作機械の可動部分等の位置検出を行うことができる。また、本発明では、明暗を記録した振幅型の回折格子、屈折率変化や形状変化を記録した位相型の回折格子を用いても良く、その回折格子のタイプは限られない。
光学式変位測定装置1Aは、スケール部11Aに照射されるレーザ光等の可干渉光Laを出射する可干渉光源12を備える。可干渉光源12は発光部の一例で、例えば半導体レーザ(LD)で構成され、可干渉光Laが光源固有の放射角で出射される。
光学式変位測定装置1Aは、可干渉光源12から出射された可干渉光Laを2分してスケール部11Aに照射すると共に、スケール部11Aの回折格子11Tで回折された回折光を干渉させる照射受光光学系13Aを備える。
照射受光光学系13Aは、可干渉光源12から出射された可干渉光Laを、偏光成分が異なる2つの光に分割すると共に、回折格子11Tで回折された偏光成分が異なる2つの回折光を重ね合わせる偏光ビームスプリッタ(PBS)14を備える。また、照射受光光学系13Aは、可干渉光源12から光源固有の放射角で出射された可干渉光を絞る光学素子としてのレンズ15aを備える。更に、照射受光光学系13Aは、偏光ビームスプリッタ14で重ね合わされた干渉光Ldを絞るレンズ15bを備える。
偏光ビームスプリッタ14は、可干渉光源12から出射され、レンズ15aで絞られた可干渉光Laが入射され、可干渉光源12からの入射光がP成分とS成分に分割され、S偏光の光は反射され、P偏光の光は透過される。ここで、可干渉光源12からの光が直線偏光であれば、偏光方向を45°傾けて偏光ビームスプリッタ14に入射させれば、分割される光の強度は等しくなる。偏光ビームスプリッタ14へ戻ったS偏光の回折光は反射され、P偏光の回折光は透過されて、2つの回折光が重ね合わされる。
光学式変位測定装置1Aは、照射受光光学系13Aでスケール部11Aに照射され、スケール部11Aの回折格子11Tで回折された回折光を再度スケール部11Aに照射する反射光学系16を備える。
反射光学系16は、回折格子11Tで回折された2つの回折光を、それぞれ光の入射方向に向けて反射するマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bを備える。また、一方のマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17aで反射して往復する光路中に設けられ、偏光方向を変換する1/4波長板18aを備える。更に、他方のマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17bで反射して往復する光路中に設けられ、偏光方向を変換する1/4波長板18bを備える。なお、回折格子11Tとして、放射状に格子が設けられた回折格子が用いられる構成では、円弧状に並ぶ格子に光が照射されるように、照射受光光学系13A及び反射光学系16で光照射角度及び反射角度を円弧に沿って変えれば良い。
図4は、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーの一例を示す平面図である。マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bは、直角を3つ合成した頂点を持つ三角錐のプリズムで構成されるマイクロコーナーキューブプリズム17pの集合体である。マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bは、入射される光のビーム領域Rに対して所定の割合で微小なマイクロコーナーキューブプリズム17pが、縦横に並べて配列される。そして、各マイクロコーナーキューブプリズム17pにおいて、直交した3面の内部の全反射によって、入射光が入射方向へ180°折り返され、反射光が必ず入射した光軸の方向に戻る機能を有する。
図3に戻り、1/4波長板18aは、光学軸を光の偏光方向に対して45°傾けて配置され、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17aで反射されてスケール部11Aに戻るS偏光の光がP偏光に変換される。
これにより、可干渉光源12から出射され、偏光ビームスプリッタ14で反射されたS偏光の光は、所定の光路を往復して回折格子11Tで2回回折される。そして、1/4波長板18aを2回通過することでP偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ14に戻り、偏光ビームスプリッタ14を透過する。
同様に、1/4波長板18bは、光学軸を光の偏光方向に対して45°傾けて配置され、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17bで反射されてスケール部11Aに戻るP偏光の光がS偏光に変換される。
これにより、可干渉光源12から出射され、偏光ビームスプリッタ14を透過したP偏光の光は、所定の光路を往復して回折格子11Tで2回回折される。そして、1/4波長板18bを2回通過することでS偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ14に戻り、偏光ビームスプリッタ14で反射する。
従って、可干渉光源12から出射され、偏光ビームスプリッタ14で分割されたS偏光の光とP偏光の光は、それぞれ所定の光路を通りスケール部11Aの回折格子11Tで回折され、偏光ビームスプリッタ14に戻って重ね合わされる。
光学式変位測定装置1Aは、反射光学系16でスケール部11Aに再度照射されて回折格子11Tで回折され、照射受光光学系13Aで干渉させた干渉光を受光して干渉信号を生成する受光部19を備える。
受光部19は、偏光ビームスプリッタ14で重ね合わされ、レンズ15bで絞られた干渉光Ldを分割するビームスプリッタ(BS)20を備える。ビームスプリッタ20は、所定の透過率(反射率)を有したハーフミラー等で構成され、偏光ビームスプリッタ14で重ね合わされた光が2分割される。
受光部19は、ビームスプリッタ20で反射されて入射する光の偏光方向に対して45°傾けられ、入射された光を偏光成分が異なる2つの光に分割する偏光ビームスプリッタ(PBS)21と、偏光ビームスプリッタ21で反射された光が入射する光電変換器(PD)22aと、偏光ビームスプリッタ21を透過した光が入射する光電変換器(PD)22bを備える。
受光部19は、ビームスプリッタ20を透過した光の偏光方向に対して光学軸が45°傾けられ、入射した光の偏光状態を変換する1/4波長板23を備える。受光部19は、偏光ビームスプリッタ21に対して45°傾けられ、ビームスプリッタ20を透過し1/4波長板23で偏光状態が変換された光を偏光成分が異なる2つの光に分割する偏光ビームスプリッタ(PBS)24を備える。受光部19は、偏光ビームスプリッタ24で反射された光が入射する光電変換器(PD)25aと、偏光ビームスプリッタ24を透過した光が入射する光電変換器(PD)25bを備える。
<第1の実施の形態の光学式変位測定装置の動作例>
次に、各図を参照して、第1の実施の形態の光学式変位測定装置1Aの動作の一例について説明する。
可干渉光源12から出射された可干渉光Laは、レンズ15aによって適当なビームに絞られ、例えば平行光化されて偏光ビームスプリッタ14に入射して、偏光ビームスプリッタ14で2つの光に分割される。
偏光ビームスプリッタ14で反射された可干渉光La1はS偏光、透過した可干渉光La2はP偏光となる。可干渉光源12からの光が直線偏光の光であれば、偏光方向を45°傾けて偏光ビームスプリッタ14に入射させれば分割される光の強度は等しくなる。
偏光ビームスプリッタ14で反射された可干渉光La1は、スケール部11Aにおいて回折格子11TのP点に入射する。また、偏光ビームスプリッタ14を透過した可干渉光La2は、スケール部11Aにおいて回折格子11TのQ点に入射する。
スケール部11Aの回折格子11Tに入射した2つの可干渉光La1,La2は、以下の(1)式で示される方向に回折される。
sinθ1+sinθ2=n・λ/Λ・・・(1)
θ1:入射角
θ2:回折角
Λ:格子ピッチ
λ:光の波長
n:回折次数
回折格子11Tにおいて、P点への入射角をθ1P、回折角をθ2P、Q点への入射角をθ1Q、回折角をθ2Qとすると、図3の例では、θ1P=θ2P=θ1Q=θ2Qになるように構成している。なお、回折次数はP点及びQ点で同次である。
回折格子11TのP点で回折された1回回折光Lb1は、1/4波長板18aを通りマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17aで反射され、1/4波長板18aを通り再び回折格子11TのP点に戻って回折される。上述したように、1/4波長板18aの光学軸は光の偏光方向に対して45°傾けてあるので、回折格子11TのP点に戻った1回回折光Lb1はP偏光となっている。
同様に、回折格子11TのQ点で回折された1回回折光Lb2は、1/4波長板18bを通りマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17bで反射され、1/4波長板18bを通り再び回折格子11TのQ点に戻って回折される。回折格子11TのQ点に戻った1回回折光Lb2はS偏光となっている。
回折格子11TのP点及びQ点で再び回折された2回回折光Lc1,Lc2は、偏光ビームスプリッタ14に戻る。回折格子11TのP点で回折された2回回折光Lc1は、P偏光になっているので偏光ビームスプリッタ14を透過する。また、回折格子11TのQ点で回折された2回回折光Lc2は、S偏光になっているので偏光ビームスプリッタ14で反射する。
これにより、2つの2回回折光Lc1,Lc2は、偏光ビームスプリッタ14で重ね合わされる。偏光ビームスプリッタ14で重ね合わされた干渉光Ldは、レンズ15bによって適当なビームに絞られ、ビームスプリッタ20で2つに分割される。
ビームスプリッタ20で反射したS偏光とP偏光の干渉光Ldは、偏光方向に対して45°傾けられた偏光ビームスプリッタ21に入射する。偏光ビームスプリッタ21で反射された光は光電変換器22aに入射し、透過した光は光電変換器22bに入射する。
光電変換器22a及び光電変換器22bでは、以下の(2)式に示す干渉信号が得られる。
Acos(4・K・x+δ)・・・(2)
K=2π/Λ
x:回折格子の移動量
δ:初期位相
これにより、光電変換器22aと光電変換器22bでは、180°位相の異なる信号が得られる。
ビームスプリッタ20を透過したS偏光とP偏光の干渉光Ldは、光学軸が偏光方向に対して45°傾いた1/4波長板23を通過し互いに逆回りの円偏光となる。互いに逆回りの円偏光の光は重ね合わされて直線偏光の光になり、偏光ビームスプリッタ24に入射し、反射した光は光電変換器25aに入射し、透過した光は光電変換器25bに入射する。
この直線偏光の光の偏光方向は回折格子11TがX方向にΛ/2だけ移動すると1回転する。従って、光電変換器25a,25bでは、(2)式と同様な干渉信号を得ることができる。
光電変換器25a,25bでは180°位相が異なっており、また、偏光ビームスプリッタ24は偏光ビームスプリッタ21に対して45°傾けてあるため、光電変換器25a,25bで得られる信号は、光電変換器22a,22bで得られる信号に対して90°位相が異なっている。
差動増幅器26では、光電変換器22a,22bからの電気信号を差動増幅し干渉信号のDC成分をキャンセルした信号を出力する、差動増幅器27は同様に光電変換器25a,25bからの電気信号を差動増幅し干渉信号のDC成分をキャンセルした信号を出力する。従って、差動増幅器26と差動増幅器27からA/B相信号を得ることができ、A/B相信号をインクリメンタル信号発生器28に入力している。
<第1の実施の形態の光学式変位測定装置の作用効果例>
第1の実施の形態の光学式変位測定装置1Aでは、図3の垂線Lに対して対称な光学系になっているため、回折格子がY方向に移動しても位置計測の誤差を生じない。また、P点に入射する光路とQ点に入射する光路の光路長を等しくすることにより、光源の波長変動の影響を受けなくなる。
第1の実施の形態の光学式変位測定装置1Aでは、反射光学系16にマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bを備えている。マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bは、反射光を必ず入射した光軸の方向に戻すため、取り付け角度がずれても光が所定の方向に戻る。また、可干渉光源12から出射された光を集光しないことで、取り付け位置のずれによる焦点位置の変化が生じない。
このように、反射光学系16にマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bを使用することで、微妙な角度調整が不要となり、反射光学系16の組み立て調整が容易となる。また、スケール部11Aと受光部19の取り付けにおいても、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bからの反射光は入射した光軸方向に戻ることにより、取り付け許容値が大きくなる。
図5は、スケール部上の異物の影響を示す光路説明図、図6は、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーと異物の大きさの関係を示す平面図である。マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bを構成するマイクロコーナーキューブプリズム17pは、入射される光のビーム領域Rに対して所定の割合で微小で、付着が想定される異物D等の大きさに対して、同等程度の大きさである。
これにより、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bでは、個々のマイクロコーナーキューブプリズム17p毎に光が入射及び反射されることになる。このため、スケール部11A上に付着した異物D等の影響は、個々のマイクロコーナーキューブプリズム17p毎で済み、他の領域に影響を及ぼさないので、受光部19で検出される光量の低下を防ぐことができる。従って、スケール部11A上に付着する異物、回折格子11Tの部分的な不良、スケール部11Aを構成する保護層や基材等の気泡、異物混入等の異常に対して、影響を抑えることができる。
<第1の実施の形態の光学式変位測定装置の変形例>
図7は、第1の実施の形態の光学式変位測定装置の変形例を示す構成図である。なお、以下の説明で、第1の実施の形態の光学式変位測定装置1Aと同じ構成の要素については、同じ番号を付して説明する。
第1の実施の形態の変形例の光学式変位測定装置1Bは、ビーム内の波面状態を維持して光路長を均一にする波面調整光学素子として波面調整回折格子30を備える。波面調整回折格子30は、スケール部11Aと反射光学系16の間に設置され、スケール部11Aの回折格子11Tで回折され、反射光学系16で反射して往復する1回回折光Lb1,Lb2を所定の方向に回折する。
波面調整回折格子30は、本例では回折格子11Tにおける回折方向と逆方向に回折光が発生するように構成され、光路L1(A)と光路L1(B)及び光路L2(A)と光路L2(B)を等しくしている。
図8は、第1の実施の形態の光学式変位測定装置の他の変形例を示す構成図である。なお、以下の説明で、第1の実施の形態の光学式変位測定装置1Aと同じ構成の要素については、同じ番号を付して説明する。
第1の実施の形態の他の変形例の光学式変位測定装置1Cは、ビーム内の波面状態を維持して光路長を均一にする波面調整光学素子として波面調整プリズム31を備える。波面調整プリズム31は、スケール部11Aと反射光学系16の間に設置され、スケール部11Aの回折格子11Tで回折され、反射光学系16で反射して往復する1回回折光Lb1,Lb2の光路を所定の方向に曲げる。
波面調整プリズム31は、本例では回折格子11Tにおける回折方向と逆方向に光路を曲げるように構成され、光路L1(A)と光路L1(B)及び光路L2(A)と光路L2(B)を等しくしている。
<第2の実施の形態の光学式変位測定装置の構成例>
図9は、第2の実施の形態の光学式変位測定装置の一例を示す構成図である。なお、以下の説明で、第1の実施の形態の光学式変位測定装置1Aと同じ構成の要素については、同じ番号を付して説明する。
第2の実施の形態の光学式変位測定装置1Dは、工作機械等の可動部分に取り付けられ直線移動するスケール部11Bを備える。スケール部11Bは、本例では反射型の回折格子11Rと、回折格子11Rを保護するガラスや樹脂等の保護層11Gと、ガラスや金属等で構成される回折格子11Rの基材11H等を備える。
光学式変位測定装置1Dは、スケール部11Bに照射されるレーザ光等の可干渉光Laを出射する可干渉光源12を備える。可干渉光源12は、例えば半導体レーザ(LD)で構成され、可干渉光Laが光源固有の放射角で出射される。例えば、半導体レーザの放射角は、水平方向が約8.5°、垂直方向が約35°程度である。
光学式変位測定装置1Bは、可干渉光源12から出射された可干渉光Laを2分してスケール部11Bに照射すると共に、スケール部11Bの回折格子11Rで回折された回折光を干渉させる照射受光光学系13Bを備える。
照射受光光学系13Bは、可干渉光源12から出射された可干渉光Laを、偏光成分が異なる2つの光に分割すると共に、回折格子11Rで回折された偏光成分が異なる2つの回折光を重ね合わせる偏光ビームスプリッタ(PBS)14を備える。また、照射受光光学系13Bは、可干渉光源12から光源固有の放射角で出射された可干渉光を絞る光学素子としてのレンズ15cを備える。なお、照射受光光学系13Bは、偏光ビームスプリッタ14で重ね合わされた干渉光Ldを絞るレンズ15bを備えても良い。レンズ15cは、可干渉光源12から光源固有の放射角で出射された可干渉光を、偏光ビームスプリッタ14に入射可能で、かつビーム径が広がるような所定の放射角に絞る。
偏光ビームスプリッタ14は、可干渉光源12から出射され、レンズ15cで絞られた直線偏光の可干渉光Laが、偏光方向を45°傾けて入射され、可干渉光源12からの入射光がP成分とS成分に分割され、S偏光の光は反射され、P偏光の光は透過される。偏光ビームスプリッタ14へ戻ったS偏光の回折光は反射され、P偏光の回折光は透過されて、2つの回折光が重ね合わされる。
光学式変位測定装置1Dは、照射受光光学系13Bでスケール部11Bに照射され、スケール部11Bの回折格子11Rで回折された回折光を再度スケール部11Bに照射する反射光学系16を備える。
反射光学系16は、回折格子11Rで回折された2つの回折光を、それぞれ光の入射方向に向けて反射するマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bを備える。また、一方のマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17aで反射して往復する光路中に設けられ、偏光方向を変換する1/4波長板18aを備える。更に、他方のマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17bで反射して往復する光路中に設けられ、偏光方向を変換する1/4波長板18bを備える。
マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bは、レンズ15cで絞られて所定の放射角を持ってビーム径が広がる1回回折光Lb1,Lb2が入射できる大きさを有する。マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bは、図4に示すように、入射される光のビーム領域Rに対して所定の割合で微小なマイクロコーナーキューブプリズム17pが、縦横に並べて配列される。そして、各マイクロコーナーキューブプリズム17pにおいて、直交した3面の内部の全反射によって、入射光が入射方向へ180°折り返され、反射光が必ず入射した光軸の方向に戻る機能を有する。これにより、所定の放射角を持ってビーム径が広がる1回回折光Lb1,Lb2が入射されると、反射光は同じ光路を戻るため集光される。
可干渉光源12から出射され、偏光ビームスプリッタ14で反射されたS偏光の光は、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17aで反射することで、所定の光路を往復して回折格子11Rで2回回折される。そして、光学軸を光の偏光方向に対して45°傾けて配置された1/4波長板18aを2回通過することでP偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ14に戻り、偏光ビームスプリッタ14を透過する。
同様に、可干渉光源12から出射され、偏光ビームスプリッタ14を透過したP偏光の光は、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17bで反射することで、所定の光路を往復して回折格子11Rで2回回折される。そして、光学軸を光の偏光方向に対して45°傾けて配置された1/4波長板18bを2回通過することでS偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ14に戻り、偏光ビームスプリッタ14で反射する。
これにより、可干渉光源12から出射され、偏光ビームスプリッタ14で分割されたS偏光の光とP偏光の光は、それぞれ所定の光路を通りスケール部11Bの回折格子11Rで回折され、偏光ビームスプリッタ14に戻って重ね合わされる。
光学式変位測定装置1Bは、反射光学系16でスケール部11Bに再度照射されて回折格子11Rで回折され、照射受光光学系13Bで干渉させた干渉光を受光して干渉信号を生成する受光部19を備える。なお、受光部19の構成は、第1の実施の形態の光学式変位測定装置1Aと同じでよい。
<第2の実施の形態の光学式変位測定装置の動作例>
次に、各図を参照して、第2の実施の形態の光学式変位測定装置1Dの動作の一例について説明する。
可干渉光源12から出射された可干渉光Laは、レンズ15cによって適当なビームに絞られ、所定の放射角で広がりながら偏光ビームスプリッタ14に入射して、偏光ビームスプリッタ14で2つの光に分割される。偏光ビームスプリッタ14で反射された可干渉光La1はS偏光、透過した可干渉光La2はP偏光となって、スケール部11Bの回折格子11Rに入射する。
回折格子11Rで回折された1回回折光Lb1は、1/4波長板18aを通りマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17aで反射され、1/4波長板18aを通り再び回折格子11Rに戻って回折される。1/4波長板18aを2回通ることで、回折格子11Rに戻った1回回折光Lb1はP偏光となっている。また、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17aは、反射光が必ず入射した光軸の方向に戻る機能を有する。これにより、所定の放射角を持ってビーム径が広がる1回回折光Lb1が入射されると、反射光は同じ光路を戻るため集光される。
同様に、回折格子11Rで回折された1回回折光Lb2は、1/4波長板18bを通りマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17bで反射され、1/4波長板18bを通り再び回折格子11Rに戻って回折される。1/4波長板18bを2回通ることで、回折格子11Rに戻った1回回折光Lb2はS偏光となっている。また、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17bは、反射光が必ず入射した光軸の方向に戻る機能を有する。これにより、所定の放射角を持ってビーム径が広がる1回回折光Lb2が入射されると、反射光は同じ光路を戻るため集光される。
回折格子11Rで再び回折された2回回折光Lc1,Lc2は、偏光ビームスプリッタ14に戻る。回折格子11Rで回折された2回回折光Lc1は、P偏光になっているので偏光ビームスプリッタ14を透過する。また、回折格子11Rで回折された2回回折光Lc2は、S偏光になっているので偏光ビームスプリッタ14で反射する。
これにより、2つの2回回折光Lc1,Lc2は、偏光ビームスプリッタ14で重ね合わされる。偏光ビームスプリッタ14で重ね合わされた干渉光Ldは受光部19に入射し、上述したように干渉信号が得られる。
<第2の実施の形態の光学式変位測定装置の作用効果例>
第2の実施の形態の光学式変位測定装置1Dでは、反射光学系16にマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bを備えている。マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bでは、所定の放射角を持ってビーム径が広がる光が入射されると、反射光は同じ光路を戻るため集光される。
これにより、ビーム径を拡げた光(可干渉光La1,La2)をスケール部11Bに照射すると共に、マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー17a,17bによる戻り光(2回回折光Lc1,Lc2)を集光して受光部19に入射させることができる。
従って、簡単な光学系で、スケール部11Bの回折格子11Rに照射される光のビーム径を広げることができる。回折格子11Rに照射される光のビーム径を広げることで、スケール部11Bに付着した異物等の大きさに対して、光が照射される領域を広げることができ、スケール部11Bに付着した異物等の影響をより一層少なくして、光量の低下を防ぐことができる。
本発明は、工作機械等の可動部分の位置検出を行う装置に適用される。
本発明が適用される光学式変位測定装置の原理を示す構成図である。 回折格子上の異物の影響を示す光路説明図である。 本発明の第1の実施の形態の光学式変位測定装置の一例を示す構成図である。 マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーの一例を示す平面図である。 スケール部上の異物の影響を示す光路説明図である。 マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーと異物の大きさの関係を示す平面図である。 第1の実施の形態の光学式変位測定装置の変形例を示す構成図である。 第1の実施の形態の光学式変位測定装置の他の変形例を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態の光学式変位測定装置の一例を示す構成図である。 従来の光学式変位測定装置の一例を示す構成図である。 従来の光学式変位測定装置の課題を示す動作説明図である。 従来の光学式変位測定装置の課題を示す動作説明図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D・・・光学式変位測定装置、11A,11B・・・スケール部、11T,11R・・・回折格子、12・・・可干渉光源、13A,13B・・・照射受光光学系、14・・・偏光ビームスプリッタ、15a〜15c・・・レンズ、16・・・反射光学系、17a,17b・・・マイクロコーナーキューブプリズム集合ミラー、17p・・・マイクロコーナーキューブプリズム、18a,18b・・・1/4波長板、19・・・受光部

Claims (3)

  1. 照射された光を回折する回折格子を有し、前記回折格子の格子ベクトル方向に相対移動するスケール部と、
    可干渉光を出射する発光部と、
    前記発光部により出射された可干渉光を2つの可干渉光に分割して、前記スケール部の前記回折格子に各可干渉光を照射し、2つの1回回折光を生じさせると共に、2つの1回回折光を前記回折格子により回折させて生じさせた2つの2回回折光を干渉させる照射受光光学系と、
    2つの可干渉光を前記回折格子により回折させて生じさせた2つの1回回折光をそれぞれ反射して、前記回折格子に2つの1回回折光を照射する反射光学系と、
    前記照射受光光学系により2つの2回回折光を干渉させた干渉光を受光して干渉信号を検出する受光部とを備え、
    前記反射光学系は、直角を3つ合成した頂点を持つ三角錐のプリズムで構成されるコーナーキューブプリズムが、縦横に並べて配列されるマイクロコーナーキューブプリズム集合ミラーを有し、入射光を反射して前記入射光の光軸の方向に戻し、
    前記照射受光光学系は、前記発光部から光源固有の放射角で出射された可干渉光を、ビーム径が広がる所定の放射角に絞って前記回折格子に照射する光学素子を備える
    光学式変位測定装置。
  2. 前記回折格子は反射型である請求項記載の光学式変位測定装置。
  3. ビーム内の波面状態を維持して光路長を均一にする波面調整光学素子を備えた
    請求項1又は2に記載の光学式変位測定装置。
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