JP5233497B2 - 電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、ステーターとローターとを備えた電動機に関する。
ステーターとローターとを備えた電動機は、従来より広く普及している(特許文献1参照)。これは、ステーターの内周面に形成された複数の固定子スロット内に、固定子巻線が設けられている。一方、ローターはステーターの内周側に回転可能に設けられ、外周面に形成された複数の回転子スロット内に、回転子巻線が巻装されている。また、回転子スロットに巻装された回転子巻線の外周側に位置するように、回転子スロットにウェッジ(保持部材)が装着され回転子巻線を保持している。
電動機が作動してローターが回転すると、回転子スロットに巻装された回転子巻線には遠心力が働き、回転子スロットの外周方向へ移動しようとする。回転子スロットに装着された保持部材は、回転子巻線を保持して外周方向への移動を防止する機能を有する。
特開平9−84312号公報
しかしながら、ローターの回転速度が上昇すると、回転子巻線に働く遠心力も急激に増大する。これは、特にローターの回転部の直径の大きい電動機において著しい。
発生した遠心力に抗して、回転子巻線の外周方向への移動を防止するためには、保持部材の強度を増大させ、その保持力を向上させる必要がある。そのため、保持部材が大型化し、その材質も限定される。また、回転子巻線自体も、移動しにくい角線等を用いる必要があり、電動機の高コスト化をもたらす。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストの電動機を提供することにある。
本発明による電動機は、ローターのティースに、半径方向に複数層に分離して巻装された回転子巻線と、回転子巻線のそれぞれの半径方向外方に位置するように、ティースに取り付けられた複数の巻線保持部材とを備えている。
これにより、回転子巻線が複数層に分離して巻装されているため、各層の回転子巻線の重量を低減でき、各層の回転子巻線を保持する保持部材を小型化でき、材質についても選択の自由度が増える。さらに、回転子巻線自体も角線等に限定されずに多様なものを使用できるため、低コストの電動機にすることができる。
また、隣り合った一対のティースの対向面には、それぞれ複数のスリットが形成され、スリットのうちティース間において対向するもの同士が、ローターの軸方向の少なくとも同じ側の一端部において開口しており、巻線保持部材の両端部が、ローターの軸方向端部から、対向したスリットに対し挿入されることにより、巻線保持部材は隣り合ったティース間に架設される。
これにより、巻線保持部材を開口からスリット内に挿入し、ローターの回転軸方向に移動させることにより、巻線保持部材をティースに対し容易に装着できる。
また、ローターの最も外周側に位置する巻線保持部材及びそれより内周側に位置する巻線保持部材はスリットに挿入された後、ティースをそれぞれかしめることにより、ティースに固定されている。
これにより、ティースをかしめるだけで巻線保持部材をローターへ取り付けることができ、巻線保持部材の固定を容易に行うことができる。
また、本発明による電動機において、ティースの半径方向において異なる位置に取り付けられた複数の巻線保持部材は、ティース間において隣り合う回転子巻線の間を、連結部により半径方向に接続されている。
これにより、半径方向において異なる位置に取り付けられた複数の巻線保持部材が、互いに連結されることにより、回転子巻線の巻装スペースを確保しながら、巻線保持部材の剛性を向上させ、回転子巻線を強固に保持することができる。
また、本発明による電動機において、半径方向において異なる位置に取り付けられた複数の巻線保持部材が互いに連結され、さらに、ローターの最も内周側に位置する巻線保持部材からは、固定部が半径方向内方へと延び、固定部の先端部はローターの回転中心のコア部に係合している。
これにより、半径方向において異なる位置に取り付けられた複数の巻線保持部材が、一体となってコア部に対して固定されるため、回転子巻線の巻装スペースを確保しながら、巻線保持部材の剛性を一層向上させ、回転子巻線をさらに強固に保持することができる。
また、本発明による電動機において、複数層の回転子巻線は互いに並列に接続されるとともに、それぞれの回転子巻線の両端部は短絡されて閉回路が形成され、閉回路中には流れる電流を一方向に規制する整流素子が設けられており、固定子巻線には、回転磁界を形成する多相交流電流と、波形の異なる励磁用電流が印加され、固定子巻線に流れる励磁用電流により回転子巻線に誘起される交流電流が、整流素子により整流されローターに界磁極が形成される。
これにより、固定子巻線に通電された励磁用電流によって、回転子巻線に誘起される交流電流が、整流素子により整流されてローターに界磁極が形成されるのであるが、励磁用電流によって発生する界磁磁束のうちには、ローターのコア部を通らない漏れ磁束もあり、通常、漏れ磁束は界磁極の形成に対して有効ではなかった。
しかし、回転子巻線がティースに対し半径方向に複数層に分離して巻装されているため、外周側に位置する回転子巻線が、コア部を通らない漏れ磁束を有効な磁束として利用でき、界磁磁束の増大により、外周側に位置する回転子巻線に誘起される整流後の電流を増大させることができる。したがって、回転子巻線の電流の増大により、ローターの回転トルクを増大させることができる。
また、本発明による電動機において、各々の回転子巻線と、回転子巻線同士の接続点との間には、整流素子がそれぞれ設けられており、すべての整流素子は、回転子巻線同士の一方の接続点から他方の接続点へ向けて流れる電流のみを許容する向きに形成されている。
これにより、それぞれの回転子巻線と接続された整流素子が、並列に接続された回転子巻線同士の間を流れる循環電流の発生を防止し、回転子巻線に誘起される整流後の電流の減少を防ぐことができる。
<実施形態1>
図1乃至図10に基づき、本発明の実施形態1による電動機について説明する。本実施形態による電動機は、電機子巻線給電方式の界磁巻線型同期機である。図1はこの同機機(電動機)の回転軸方向断面図を示す。この同期機は車両用走行動力発生装置としてハイブリッド車や燃料電池車や電気自動車などに適用されるが、これに限られるものではない。
図1において、モーターケース1はケース蓋2と結合されて本発明のハウジングを形成する。モーターケース1の内周面にはステーター3(本発明のステーターに該当する)が形成され、ステーター3に形成された複数のスロット4(図2示)には、電機子巻線5(本発明の固定子巻線に該当する)が、後述するローター6と半径方向に対向するように巻回されている。
一方、ローター6は、モーターケース1およびケース蓋2に回転可能に取り付けられている。ローター6は、モーターケース1およびケース蓋2に対し、一対のベアリング7a、7bを介して回転可能に取り付けられたローターシャフト8と、ローターシャフト8と嵌合し、ローター6の回転中心に形成されたコア部9(本発明のコア部に該当する)を有している。コア部9からは、複数のティース10(本発明のティースに該当する)が放射状に延びている。
図2に示すように、各々のティース10には、複数の界磁巻線11、12(本発明の回転子巻線に該当する)が巻装されている。界磁巻線11、12は、それぞれのティース10に対し、ローター6の半径方向に2層に分離して券回されている。本実施形態では、ティース10は、複数対の界磁極(磁気突極)をなすように形成されており、界磁巻線11、12は、ティース部10に界磁磁束を形成するべくその回りにロの字状に巻線されている。この種の界磁巻線型同期機の構造及び動作自体は周知であるため、これ以上の説明は省略する。
やや湾曲した板状の内周側保持部材13(外周側保持部材14とともに、本発明の巻線保持部材に該当する)はアルミニウム等により形成され、内周側の界磁巻線11に対して半径方向外方に位置するように、隣り合う一対のティース10の間に架設されている。隣り合うティース10の対向面には、それぞれローター6の回転軸方向(図2において、紙面に垂直な方向)に延びる複数のスリット10a、10bが形成されている。図2に示すように、複数のスリット10a、10bは、それぞれ隣り合うティース10間において対向している。
隣り合ったティース10間において、互いに対向する一対の内周側のスリット10aは、回転軸方向の少なくとも同じ側の一端部が開口している。内周側保持部材13の両端部を、ローター6の回転軸方向の端部における開口から、内周側のスリット10a内に挿入し回転軸方向に移動させることにより、内周側保持部材13を隣り合ったティース10間に架設することができる。内周側保持部材13はローター6の回転軸方向に亘って延びており、界磁巻線11の外周面全体を覆い、ローター6の回転にともなう遠心力に抗して、界磁巻線11を保持する。
また同様に、やや湾曲した板状の外周側保持部材14はアルミニウム等により形成され、外周側の界磁巻線12に対して半径方向外方に位置するように、隣り合う一対のティース10の間に架設されている。
隣り合ったティース10間において、互いに対向する一対の外周側のスリット10bも、回転軸方向の少なくとも同じ側の一端部が開口している。外周側保持部材14の両端部を、ローター6の回転軸方向の端部における開口から、外周側のスリット10b内に挿入し回転軸方向に移動させることにより、外周側保持部材14を隣り合ったティース10間に架設することができる。外周側保持部材14はローター6の回転軸方向に亘って延びており、界磁巻線12の外周面全体を覆い、ローター6の回転にともなう遠心力に抗して、界磁巻線12を保持する。
外周側保持部材14は外周側のスリット10b内に挿入された後、図3に示すように、ティース10の外周端を半径方向内方へ向けてかしめることにより、ティース10に強固に固定される。尚、内周側保持部材13は、遠心力が働いても外周側の界磁巻線12により支持されるため、ティース10に対してかしめなくてもよいが、内周側保持部材13をティース10にかしめれば、内周側の界磁巻線11を一層強固に保持することができる。
図1に示すように、回転センサ15は、ローター6の回転位置を検出するセンサである。回転センサ15は、ローターシャフト8に固定されて周方向に一定ピッチで磁気突極が形成された磁性輪板の外周面に対面して配置されて、磁気突極の通過を検出することにより、ローター6の回転位置を検出し、検出信号をコントローラー31に送信する。
インバーター30はコントローラー31からの信号に基づいて電機子巻線5の電機子電流を制御し、直流電源32はインバーター30に必要な電力を供給する電源である。直流電源32は、電源33および電源33の電圧を所望の電圧に昇圧させる昇圧回路34とにより形成される。
電機子巻線5は3相の相巻線を有し、コントローラー31は、回転センサ15から得られたローター6の回転位置に対応した電機子電流を電機子巻線5に通電するべくインバーター30を断続制御する。
図4に示すように、内周側の界磁巻線11および外周側の界磁巻線12は、端部同士が結線されて互いに並列に接続されている。また、界磁巻線11、12は、ともに両端部が短絡されて閉回路が形成されている。さらにこの閉回路には、閉回路を流れる電流を一方向に規制するダイオード16(本発明の整流素子に該当する)が設けられている。
この界磁巻線型同期機を駆動するための回路を図5に示す。図5において、35は平滑コンデンサである。上述した三相のインバーター30は、合計3つの上アーム素子と合計3つの下アーム素子とをもち、各アーム素子はそれぞれIGBTとフライホイルダイオードとにより構成されている。もちろん、各アーム素子をMOSトランジスタに代替してもよい。
インバーター30は、界磁巻線11、12に交流電圧を誘起するために、特別の交流電流(ローター励磁用電流)を電機子巻線5に通電する。したがって、電機子巻線5に流れる電機子電流は、トルク発生用の電流成分である同期電流(本発明の多相交流電流に該当する)とローター励磁用電流(本発明の励磁用電流に該当する)との和となる。具体的にいうと、電機子巻線5に流れる同期電流とは、回転磁界を形成する3相交流電流であり、ローター励磁用電流とは、3相交流電流の1周期よりも短い所定時間の間だけ、3相交流電流に重畳される波形の異なる電流である。
インバーター30による三相電機子電流の通電制御例を図6を参照して説明する。41はU相電機子電流、42はV相電機子電流、43はW相電機子電流のうち、それぞれ正弦波波形を持つ基本波電流(同期電流)であり、51〜53は各相の電機子電流41〜43に重畳される各相のローター励磁用電流である。この実施例ではローター励磁用電流51はV相電機子電流に、ローター励磁用電流52はU相電機子電流に、ローター励磁用電流53はW相電機子電流に重畳される。
これらのローター励磁用電流51〜53は同期電流(基本波電流)である電機子電流41〜43の周波数に比べて高い周波数とされ、この実施例ではパルス状の波形とされる。このローター励磁用電流51〜53を電機子巻線5に通電することにより形成された交流磁界は、界磁巻線11、12と鎖交し界磁巻線11、12に交流電圧を発生させる。
界磁巻線11、12はダイオード16を介して短絡されているために、界磁巻線11、12に誘起された交流電圧がダイオード16により半波整流され、一方向へのみ電流が流れてローター6を所定方向へ励磁してローター6に一対の界磁極を形成する。これにより、ローター6の一対のティース10の一方はN極に、他方はS極に励磁される。
すなわち、本実施形態において界磁磁束は、電機子巻線5へのローター励磁用電流51〜53の通電と、界磁巻線11、12の誘導交流電圧の整流により形成される。なお、上記パルス状の通電はローター6にトルクを発生させない位相で瞬時的に行う事が望ましい。図6に示す基本波電流(同期電流)41〜43とローター励磁用電流51〜53とを合成した合成相電流波形を図7に示す。
なお、各相の合成相電流波形の振幅は基本波電流41〜43の振幅を超えないレベルに設定することが好適であり、それには、図6に示すように各基本波電流41〜43の振幅がピーク値近傍となる期間を除いてパルス状のローター励磁用電流51〜53を通電すればよい。上述した本実施形態による電動機の動作方法については、日本公開特許公報である特開2007−185082号に詳述されている。
図8に示すように、本実施形態による電動機において、ローター励磁用電流51〜53を電機子巻線5に通電することにより形成された交流磁界が、界磁巻線11、12と鎖交する場合、ローター6のティース10を通る磁束のうち、コア部9を通る磁束φ1が、内周側の界磁巻線11および外周側の界磁巻線12にとって、有効な界磁磁束となることは言うまでもない。
さらに、本実施形態による電動機において、ローター励磁用電流51〜53を電機子巻線5に通電した場合、ローター6のティース10を通る磁束のうち、コア部9を通らない漏れ磁束φ2も、外周側の界磁巻線12と鎖交することにより、外周側の界磁巻線12にとっては有効な界磁磁束となる。したがって、漏れ磁束φ2を利用して界磁磁束を増大させ、外周側の界磁巻線12に流れる整流後の電流を増大させることにより、延いては、ローター6の回転トルクを増大させることができる。
本実施形態によれば、ローター6のティース10に、半径方向に2層に分離して巻装された界磁巻線11、12と、界磁巻線11、12のそれぞれの半径方向外方に位置するように、ティース10間に架設された複数の保持部材13、14とを備えている。
これにより、界磁巻線11、12が2層に分離して巻装されているため、各層の界磁巻線11、12の重量を低減でき、各層の界磁巻線11、12を保持する保持部材13、14を小型化でき、材質についてもアルミニウム等の軟性のものを選択することもできる。さらに、界磁巻線11、12自体も角線等に限定されずに、アルミニウム線等の多様なものを使用できるため、低コストの電動機にすることができる。
また、隣り合ったティース10同士の対向面には複数のスリット10a、10bが形成され、スリット10a、10bはティース10間の対向するもの同士が、ローター6の軸方向の少なくとも同じ側の一端部において開口しており、保持部材13、14は、その両端部がスリット10a、10bに挿入されることにより、対向するティース10間に保持されている。
これにより、保持部材13、14を、ローター6の回転軸方向の端部における開口からスリット10a、10b内に挿入し、ローター6の回転軸方向に移動させることにより、保持部材13、14をティース10に対し容易に装着できる。
また、ローター6の最も外周側に位置する保持部材14は、スリット10bに挿入された後、ティース10の外周端を半径方向内方にかしめることにより、ティース10に固定されている。
これにより、ティース10の外周端をかしめるだけで、最も外周側に位置する保持部材14をローター6へ取り付けることができ、保持部材14の固定を容易に行うことができる。
また、2層の界磁巻線11、12は互いに並列に接続されるとともに、ダイオード16を介して短絡されており、電機子巻線5には、回転磁界を形成する多相交流電流41〜43が印加されるとともに、多相交流電流41〜43の1周期よりも短い所定時間の間だけ、波形の異なるローター励磁用電流51〜53が重畳され、電機子巻線5に流れるローター励磁用電流51〜53により界磁巻線11、12に誘起される交流電流が、ダイオード16により整流されローター6に界磁極が形成される。
これにより、2層に形成された界磁巻線11、12のうち、外周側に位置する界磁巻線12がコア部9を通らない漏れ磁束φ2を有効な磁束として利用でき、界磁巻線12に誘起される整流後の電流を増大させることができる。したがって、電機子巻線5に通電する同期電流を増大させることなしに、ローター6の回転トルクを増大できるため、インバーター30を大電流用の仕様等にする必要がない。
<実施形態1の第1変形例>
図9は、上述した実施形態の第1変形例を示している。図9に示すように、内周側の界磁巻線11および外周側の界磁巻線12の接続点と、各々の界磁巻線11、12との間には、ダイオード16がそれぞれ設けられている。また、各々のダイオード16は、界磁巻線11、12同士の接続点のうち、一方の接続点から他方の接続点へ向けて流れる電流(図9において、左方への電流)のみを許容するように、同一方向を向くように形成されている。
これにより、それぞれの界磁巻線11、12と接続されたダイオード16が、内周側の界磁巻線11と外周側の界磁巻線12との間で循環する電流(循環電流:図9において、C1およびC2にて示す)の発生を防止し、界磁巻線11、12に誘起される整流後の電流の減少を防ぐことができる。
<実施形態1の第2変形例>
図10は、上述した実施形態の第2変形例を示している。図10に示すように、内周側の界磁巻線11、外周側の界磁巻線12およびダイオード16を直列に接続してもよい。本変形例によれば、漏れ磁束φ2を利用して界磁磁束を増大させる効果はないものの、界磁巻線11、12を2層にしたことによる、界磁巻線11、12を保持する保持部材13、14の効果については、上述した実施形態1のものと同様である。
<実施形態2>
図11に基づき、本発明の実施形態2による電動機について説明する。説明においては、実施形態1との相違点のみについて述べる。本実施形態において、内周側保持部材13および外周側保持部材14の円周方向中央部は、梁部17(本発明の連結部に該当する)により半径方向に接続されて一体に形成されている。図11に示すように、梁部17は、ティース10間において隣り合う界磁巻線11、12の間を通って、内周側保持部材13と外周側保持部材14とを連結している。梁部17はローター6の回転軸方向(図11において、紙面に垂直な方向)に亘って延びており、内周側保持部材13と外周側保持部材14とを強固に連結している。
本実施形態においても、一体化された内周側保持部材13および外周側保持部材14を、ローター6の端部の開口から各スリット10a、10b内に挿入し、回転軸方向に移動させることによりティース10に装着できる。
本実施形態によれば、梁部17により、内周側保持部材13と外周側保持部材14とが互いに連結されることにより、界磁巻線11、12の巻装スペースを確保しながら、保持部材13、14の剛性を向上させ、遠心力に抗して界磁巻線11、12を強固に保持することができる。
<実施形態3>
図12および図13に基づき、本発明の実施形態3による電動機について説明する。説明においては、実施形態1との相違点のみについて述べる。本実施形態によるローター6Aの各々のティース10Aは、実施形態1によるティース10よりも半径方向に若干長く形成されており、各ティース10A間には、半径方向に3層に分離された界磁巻線21、22、23が巻装されている。
また、半径方向の中間位置にある界磁巻線22に対して、半径方向外方に位置するように、やや湾曲した板状の内周側保持部材24(本発明の最も内周側に位置する巻線保持部材に該当する)が、隣り合う一対のティース10Aの間に架設されている。さらに、外周側の界磁巻線23に対して、半径方向外方に位置するようにやや湾曲した板状の外周側保持部材25が、ティース10Aの間に架設されている。実施形態2の場合と同様に、内周側保持部材24および外周側保持部材25は、それぞれの両端部がティース10A間の対向面に形成されたスリット10a、10bに対し、ローター6Aの回転軸方向に挿入されて保持されている。
また、内周側保持部材24および外周側保持部材25の円周方向中央部は、梁部26(本発明の連結部に該当する)により半径方向に接続されている。さらに、内周側保持部材24の内周面中央部からは、係合部27(本発明の固定部に該当する)が半径方向内方へと延びている。係合部27の先端部は、ローター6Aのコア部9Aにおいて、ローター6Aの回転軸方向に延びるように形成された保持溝9aに挿入されている。
本実施形態においても、一体化された内周側保持部材24および外周側保持部材25を、ローター6Aの端部の開口から各スリット10a、10b内に挿入するとともに、係合部27の先端部を保持溝9aに挿入し、回転軸方向に移動させることによりティース10Aに装着できる。
図13に示すように、界磁巻線21〜23は並列に接続され、これらはダイオード16を介して短絡されている。この回路構成において、電機子巻線5に通電されるローター励磁用電流51〜53により、界磁巻線21〜23に発生した交流電流が整流され、ローター6Aに界磁極が形成される。
本実施形態の場合、ローター励磁用電流51〜53を電機子巻線5に通電した場合、ローター6Aのコア部9Aを通らない漏れ磁束も、外周側の界磁巻線23および中間位置にある界磁巻線22にとっては有効な界磁磁束となる。したがって、漏れ磁束を利用して外周側の界磁巻線23および中間位置にある界磁巻線22に流れる整流後の電流を増大させ、ローター6Aの回転トルクを増大させることができる。
本実施形態においては、梁部26により内周側保持部材24および外周側保持部材25が互いに連結され、さらに、内周側保持部材24からは、係合部27が半径方向内方へと延び、係合部27の先端部はコア部9Aに係合している。
これにより、内周側保持部材24および外周側保持部材25が、一体となってコア部9Aに対して固定されるため、界磁巻線21、22、23の巻装スペースを確保しながら、内周側保持部材24および外周側保持部材25の剛性を一層向上させ、界磁巻線21、22、23をさらに強固に保持することができる。
尚、本実施形態において、内周側の界磁巻線21を直接に保持する保持部材を設けていなくても、ローター6Aが回転した場合、内周側の界磁巻線21の外周は、内周側保持部材24により保持された中間位置にある界磁巻線22により支持されうる。しかしながら、内周側の界磁巻線21を直接に保持する保持部材を、内周側の界磁巻線21と中間位置にある界磁巻線22との間に位置するように一体に形成すれば、内周側の界磁巻線21をより一層強固に保持することができる。
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
上述した実施形態においては、本発明を回転界磁形同期機に適用した場合について説明したが、本発明による電動機は、回転電機子形同期機にも適用できる。また、同期機のみではなく、誘導機、直流機等にも適用可能である。
本発明の実施形態1による電動機の回転軸方向にカットした場合の断面図 図1に示した電動機の回転軸に垂直な方向にカットした場合の部分断面図 図2の部分断面図 図1に示した電動機の界磁巻線の回路図 図1に示した電動機の全体回路図 図1に示した電動機の電機子巻線に流される同期電流とローター励磁用電流とを別々に表した電流波形図 図6に示した同期電流とローター励磁用電流とを合成した電流波形図 ローターにおいて界磁巻線と鎖交する磁束を示した図 実施形態1の第1変形例による界磁巻線の回路図 実施形態1の第2変形例による界磁巻線の回路図 実施形態2による電動機の回転軸に垂直な方向にカットした場合の部分断面図 実施形態3によるローターの回転軸に垂直な方向にカットした場合の部分断面図 実施形態3による界磁巻線の回路図
符号の説明
図面中、1はモーターケース(ハウジング)、2はケース蓋(ハウジング)、3はステーター、5は電機子巻線(固定子巻線)、6,6Aはローター、9,9Aはコア部、10,10Aはティース、10a,10bはスリット、11,21は内周側の界磁巻線(回転子巻線)、12,23は外周側の界磁巻線(回転子巻線)、22は中間位置にある界磁巻線(回転子巻線)、13,24は内周側保持部材(巻線保持部材)、14,25は外周側保持部材(巻線保持部材)、16はダイオード(整流素子)、17,26は梁部(連結部)、27は係合部(固定部)、41〜43は同期電流(多相交流電流)、51〜53はローター励磁用電流(励磁用電流)を示している。

Claims (5)

  1. ハウジングに設けられたステーターと、
    該ハウジングに回転可能に取り付けられ、回転中心に形成されたコア部と、該コア部から放射状に延びた複数のティースを有するローターと、
    該ローターと半径方向に対向するように、前記ステーターに取り付けられた固定子巻線と、
    前記ローターの前記ティースに、半径方向に複数層に分離して巻装された回転子巻線と、
    前記回転子巻線のそれぞれの半径方向外方に位置するように、前記ティースに取り付けられた複数の巻線保持部材と、
    を備える電動機であって、
    隣り合った一対の前記ティースの対向面には、それぞれ複数のスリットが形成されることにより、該スリットのうち、前記ティース間において互いに対向するもの同士が、前記ローターの軸方向の少なくとも同じ側の一端部において開口しており、
    前記巻線保持部材の両端部が、前記ローターの軸方向端部から、前記ティース間において対向した前記スリットに対し挿入されることにより、前記巻線保持部材は隣り合った前記ティース間に架設され、
    前記ローターの最も外周側に位置する前記巻線保持部材及びそれより内周側に位置する前記巻線保持部材は、前記各スリットに挿入された後、前記ティースをそれぞれかしめることにより、前記ティースに固定されることを特徴とする電動機。
  2. 前記ティースの半径方向において異なる位置に取り付けられた複数の前記巻線保持部材は、前記ティース間において隣り合う前記回転子巻線の間を、連結部により半径方向に接続されていることを特徴とする請求項記載の電動機。
  3. 前記ローターの最も内周側に位置する前記巻線保持部材からは、固定部が半径方向内方へと延び、前記固定部の先端部は前記コア部に係合していることを特徴とする請求項記載の電動機。
  4. 複数層の前記回転子巻線は互いに並列に接続されるとともに、それぞれの前記回転子巻線の両端部は短絡されて閉回路が形成され、該閉回路中には流れる電流を一方向に規制する整流素子が設けられており、
    前記固定子巻線には、回転磁界を形成する多相交流電流が印加されるとともに、該多相交流電流には前記多相交流電流の1周期よりも短い所定時間の間だけ、波形の異なる励磁用電流が重畳され、
    前記固定子巻線に流れる前記励磁用電流により前記回転子巻線に誘起される交流電流が、前記整流素子により整流され前記ローターに界磁極が形成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動機。
  5. 各々の前記回転子巻線と、前記回転子巻線同士の接続点との間には、前記整流素子がそれぞれ設けられており、すべての前記整流素子は、前記回転子巻線同士の一方の接続点から他方の接続点へ向けて流れる電流のみを許容する向きに形成されていることを特徴とする請求項記載の電動機。
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