JP5231416B2 - 膨張方向が制御可能なマルチセグメント膨張性ポリマー組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、膨張性ポリマー組成物と、現場発泡強化剤及び/又は絶縁材料としてのその使用に関する。
自動車産業において、ポリマーフォームの利用が拡大している。これらのフォームは、構造の強化、腐食の防止並びに音及び振動の減衰に用いられる。多くの場合、既に発泡させた部材を構造の残りの部分に組み込むよりも、必要な場所でフォームを発泡させることが最もシンプルで経済的な製造方法となる。この理由により、多種多様な発泡性組成物が開発されてきた。これらの例としては、ポリウレタン、エポキシ樹脂や種々のエチレン共重合体等の多様なポリマーを主成分とする配合物が挙げられる。配合物は、フォームが必要とされるキャビティに注入され、そして加熱される。加熱により配合物が膨張しそして硬化又は架橋することで気泡構造を形成する。
単純なケースでは、キャビティ全体が満たされる。通常、これは、キャビティに十分な量の膨張性組成物を注入することにより達成される。より複雑なケースでは、キャビティの一部分のみを満たす必要がある。例えば、ある状況では、キャビティの一部分のみを満たすことにより、適切な音及び振動の減衰や腐食の保護が達成される場合がある。また、場合によっては、キャビティの一部を調節や修理の目的のためにアクセス可能な状態で維持することが重要になる可能性もある。このような場合、キャビティ全体を満たしてしまうと費用と質量がかさむだけではなく、これによって得られる有益性はほとんどなく、場合によっては不利益を招く可能性もある。
キャビティの底部を満たすべき場合にのみ、キャビティの部分的な充填も簡単に行うことができる。この状況では、膨張性組成物をキャビティの底部に注入し、フォームを必要とするキャビティ部分を満たすように上向きに発泡させることができる。キャビティが満たされる範囲は、膨張性組成物の添加量によって大きく左右される。より多くの又はより少ない量の膨張性組成物を用いると、キャビティは、より沢山又はより僅かに満たされる。
部分的なキャビティの充填の問題は、キャビティが複雑な形状を有する場合や、キャビティの基底部分を充填せずに残す場合などにより一層困難なものとなる。膨張性組成物は、重力の影響により下方に膨張する傾向があり、下から支持されている場合でも、何らかの拘束力を持たせない限り、全ての方向に等方的に膨張する傾向がある。従って、膨張性組成物をキャビティ内の適切な場所に保持可能であり、膨張の方向性を制御することで、膨張性ポリマーによりキャビティの所望の部位だけを充填できるような、何らかの機械的手段を提供することが必要とされてきている。バッフルやダムなどの種々の支持体が、上記の目的のために用いられてきた。しかしながら、これらの全ては、複雑さを招いて、費用を要するものであり、多くの場合、不所望な質量を増加させるものである。
キャビティを部分的に膨張ポリマー組成物で充填可能な、シンプルで安価な方法が望まれる。
ある局面では、本発明は、
1)少なくとも2つの固体の熱膨張性ポリマー組成物のセグメントをキャビティ内に挿入する工程、
2)前記キャビティ内の前記熱膨張性ポリマー組成物を、該ポリマー組成物のセグメントが膨張するのに十分な温度にまで加熱する工程、及び
3)前記ポリマー組成物のセグメントを膨張させて前記キャビティの少なくとも一部を満たすフォームを形成する工程、
を含む方法であって、加熱条件下で前記ポリマー組成物のうち少なくとも1つの第1のセグメントが、少なくとも1つの第2のセグメントよりも先に膨張することで、前記キャビティ内で該第2のセグメントの少なくとも1方向の膨張を抑制する障壁を形成することを特徴とする。
2つのセグメントを順番に膨張させることは、複数の利点を有する。既に述べたように、最初に膨張するセグメントは、他のセグメントの膨張に対する物理的な障壁を形成することで、続いて起こるこれらの他のセグメントの膨張の方向をフォームが所望されるキャビティ部分に向かわしめると同時に他の方向への膨張を防ぐ。下記で更に詳細に説明するように、後で膨張するセグメントは、最初に膨張するセグメントの支持体として機能することができ、第1のセグメントが膨張し終わるまでキャビティ内でその位置を保つ。次に、膨張した第1のセグメントが、後で膨張するセグメントの支持体として機能し、ポリマー組成物が完全に膨張しきるまでキャビティ内の所望の位置に後で膨張するセグメントを保つ。
また、本発明は、少なくとも第1のセグメントと第2のセグメントを含み、前記第1及び第2のセグメントのそれぞれが、120℃〜300℃の範囲の温度に加熱した際に、初期体積の1000%以上に膨張し、前記第1のセグメントが、前記第2のセグメントよりも低い温度で膨張する、固体の非粘着性熱膨張性ポリマー組成物でもある。
図1Aは、本発明のある態様の断面の正面図である。 図1Bは、本発明のある態様の断面の正面図である。 図1Cは、本発明のある態様の断面の正面図である。 図2Aは、本発明の第2の態様の断面の正面図である。 図2Bは、本発明の第2の態様の断面の正面図である。 図2Cは、本発明の第2の態様の断面の正面図である。 図3Aは、本発明の第3の態様の断面の正面図である。 図3Bは、本発明の第3の態様の断面の正面図である。 図3Cは、本発明の第3の態様の断面の正面図である。 図4Aは、本発明の第4の態様の断面の正面図である。 図4Bは、本発明の第4の態様の断面の正面図である。 図4Cは、本発明の第4の態様の断面の正面図である。 図5Aは、本発明の第5の態様の断面の正面図である。 図5Bは、本発明の第5の態様の断面の正面図である。 図5Cは、本発明の第5の態様の断面の正面図である。 図5Dは、本発明で使用する膨張性挿入物の等角図である。 図6Aは、本発明の第6の態様の断面の正面図である。 図6Bは、本発明の第6の態様の断面の正面図である。 図6Cは、本発明の第6の態様の断面の正面図である。
図1は、本発明の1つの態様の実施を例示するものである。図1Aにおいて、構造部材1(断面図で図示)が、キャビティ2を規定している。セグメント4及び5からなる膨張性ポリマー組成物3がキャビティ2の内部に位置している。この態様では、セグメント5は、このアセンブリーを加熱した際にセグメント4よりも先に膨張する。図1Bに示すように、アセンブリーが加熱され、アセンブリーの温度が上昇するにつれて、膨張性ポリマー組成物の温度が上昇して、セグメント5が膨張することになる。セグメント4は、セグメント5の後に膨張する。先に膨張したセグメント5は、セグメント4の膨張に対する物理的な障壁として作用し、セグメント4がキャビティ2の末端2Aに向かって膨張するのを防ぐ。従って、図1Cに示すように、セグメント4は、主としては上方向であるが、既に膨張したセグメント5とは反対のキャビティ2のセクション2Bに向かって膨張する。キャビティ2のセクション2Aは、その大部分が満たされないまま残る。
図1に示す態様では、セグメント4及び5は、その厚さがおよそ等しい。このようなケースでは、セグメント4と5の膨張の順番は、それぞれセグメント4と5を構成する膨張性組成物間の組成の違いによるものであることができる。膨張性組成物の組成を変化させて上記の順番を実現するための方法は、下記により十分に記載されているが、多くの態様において、これらの組成の違いは、発泡剤が活性化される温度に関連するものである。これは、2つのセグメント内で異なる発泡剤を使用すること、この発泡反応用の異なる促進剤/触媒を用いること、一方のセグメントに熱伝導性充填剤を含ませること又は他の方法により達成できる。あまり好ましくはないが、セグメント5を、セグメント4の加熱とは異なる速度(即ち、より速く)で加熱することによっても前記の順番は実現できる。
図2には、本発明の第2の態様が例示されている。図2Aにおいて、構造部材21(断面図で図示)が、キャビティ22を規定している。セグメント24及び25からなる膨張性ポリマー組成物23がキャビティ22の内部に位置している。セグメント24は、セグメント25よりも有意に厚い。図1に示す態様と同様に、図2Bに示されるように、このアセンブリーを加熱した際には、セグメント25が最初に膨張する。セグメント24はその後の工程で膨張する。先の例と同様に、先に膨張したセグメント25は、セグメント24の膨張に対する物理的な障壁として作用し、セグメント24がキャビティ22の末端22Aに向かって膨張するのを防ぐ。従って、図2Cに示すように、セグメント24は、主としては上方向であるが、既に膨張したセグメント25とは反対のキャビティ22のセクション22Bに向かって膨張する。キャビティ22のセクション22Aは、その大部分が満たされないまま残る。
この態様では、セグメント24と25は、同一の組成を有することが可能である。このようなケースでは、セグメント24と25の膨張の順番は、単に、セグメント25が、より薄い断面を有するために、その温度がより迅速に上昇し、セグメント24が膨張するのに十分な温度に加熱される前に膨張を開始することになることから生じるものである。また、図1に示す態様の記載と同様に、セグメント24と25が、セグメント24よりも先にセグメント25が膨張するような異なる組成を有していてもよい。
図3には、図2に示す態様に変更を加えたものが例示されており、この態様では、膨張性組成物33の厚さが、突然ではなく、連続的に変化する。図3Aでは、構造部材31(断面図で図示)が、キャビティ32を規定している。より厚いセグメント34とより薄いセグメント35からなる膨張性ポリマー組成物33がキャビティ32の内部に位置している。図3Aにおいては、セグメント34と35の境界が、明確に示されていないが、図3Bに示すように、このアセンブリーを加熱した際に、セグメント35の少なくとも一部が、セグメント34よりも先に膨張することが重要な特徴となる。セグメント34は、この工程では後に膨張する。先の例と同様に、先に膨張したセグメント35は、セグメント34の膨張に対する物理的な障壁として作用し、セグメント34がキャビティ32の末端32Aに向かって膨張するのを防ぐ。従って、図3Cに示すように、セグメント34は、主としては上方向であるが、既に膨張したセグメント35とは反対のキャビティ32のセクション32Bに向かって膨張する。キャビティ32のセクション32Aは、その大部分が満たされないまま残る。
図2に例示する態様と同様に、セグメント34と35の組成は、同一であっても異なっていてもよい。
図4には、膨張が、水平ではなく、主に垂直方向に起こる態様が例示されている。この態様では、構造部材41が、キャビティ区画42及び46を有するT字型キャビティを規定している。図示されるように、キャビティ区画42は、ほぼ水平の方向を向き、キャビティ区画46は、ほぼ垂直方向を向いている。しかしながら、これらキャビティ区画の特定の方向(及びこれら区画の相対的な方向)が、本発明において特に重要になるとは考えられない。この態様では、キャビティ区画46が膨張性ポリマーで満たされ、同時にキャビティ42の末端42A及び42Bが開いていることが望ましい。
図4では、膨張性ポリマー組成物43は、セグメント44及び45からなる。図4Aに示すように、膨張性ポリマー組成物44の長さは、キャビティ区画46の幅よりもわずかに大きく、このため、キャビティ区画46の上端において、キャビティ区画42内部に横たえることが可能である。図4Bに示すように、加熱した際に、セグメント44が最初に主として上方向に膨張し、キャビティ区画46の真上にあるキャビティ区画42の部分を満たす。セグメント45は、セグメント44が膨張する間、固体のまま維持され、膨張性組成物43を支えて、これがキャビティ区画46内部に落ち込んでくるのを防ぐ。セグメント44が完全に膨張しきった後に、セグメント45が膨張する。図4Cに示すように、セグメント45の上方向と左右方向の膨張は、既に膨張したセグメント44によって妨害され、従って、セグメント45は、キャビティ区画46の内部を下に向かって膨張する。
図5には、図4に示す態様に変更を加えたものが例示されている。垂直方向に置かれた構造部材51がキャビティを規定する。図5Aでは、膨張性ポリマー組成物53が、キャビティ内で、下方のキャビティ区画52Bの上かつ上方のキャビティ区画52Aの上に位置するようにつるされている。図5Dでは、膨張性ポリマー組成物が、等角図で示されている。先の例と同様に、膨張性ポリマー組成物53には、セグメント54と55が含まれる。本態様では、図5Dに示すようにセグメント54がセグメント55よりも厚く、Aはセグメント54の厚さを表し、Bはセグメント55の厚さを表す。図5Bに示すように、このアセンブリーを加熱した際には、セグメント55が、セグメント54よりも先に膨張し、セグメント54によるキャビティ区画52B内部への下方の膨張に対する障壁を形成する。セグメント54は、セグメント55が膨張する際に膨張性ポリマー組成物53をその場に固定する役割を果たす。図5Cに示すように、セグメント55が膨張した後にセグメント54が上方向に膨張してキャビティ区画52Aの少なくとも一部を満たす。
図4に示す態様では、セグメント44の組成は、セグメント45の組成と異なっており、これによって加熱した際にセグメント44が最初に膨張することが可能になる。これに代わるものとしては、セグメント45が膨張しはじめるよりも前にセグメント44がその膨張温度に達するように加熱することも可能であるが、先に述べたように、この方法は、本発明の態様としてはあまり好ましくない。図5に示す態様においても、セグメント54と55のそれぞれに異なる組成が用いられることで所望の膨張の順序が実現されることが好ましい。
図6には、本発明の更に別の態様が例示されている。キャビティ62A及び62Bは、構造部材61及び61Aによって規定されており、断面図で表されている。図6Aに示すように、膨張性ポリマー組成物63は、より厚い中央セグメント64とより薄い側部セグメント65からなる。このアセンブリーを加熱した際には、セグメント65が、その断面が薄いために最初に膨張する。図6Bに示すように、セグメント65が膨張すると、これは、セグメント64が水平方向に膨張するのを防ぐ物理的な障壁を形成する。セグメント64の膨張は、セグメント65が膨張した後に起こる。図6Cに示すように、セグメント64の膨張は、キャビティ区画62A内へ上方向に向かう。これにより、キャビティ区画62Bは、その大部分が満たされないまま残る。
必要な場合には、未膨張の組成物は、種々の締結具(例えば、機械又は磁石によるものであってもよい)等により、キャビティ内の特定の位置に固定してもよい。このような締結具の例としては、ブレード、ピン、プッシュピン、クリップ、フック及び圧縮フィットファスナーが挙げられる。未膨張の組成物は、このような締結具に直ちに固定することができる形状に容易に押し出し成形するか又はその他の方法で成形することができる。また、このような支持体又は締結具上で注型成形することもできる。未膨張の組成物は、代わりに、キャビティ内の特定の位置にて自留するように成形してもよい。例えば、未膨張の組成物は、キャビティ内の特定の位置に固定されるように突起状又はフック状に押し出すか又は成形してもよい。また、膨張性組成物に磁性を与えて、強磁性の基材に接着できるように、組成物に金属粉末を添加することも可能である。更に、種々の接着剤を用いて、組成物を所望の位置に固定することもできる。接着テープを用いてもよく、又は、例えば共押し出し、浸漬、スプレーなどの方法により組成物の表面に直接接着剤を塗布してもよい。
既に述べたように、膨張性組成物は、少なくとも2つのセグメントを含み、これらのセグメントは、この膨張性組成物を含むキャビティが加熱された際に、異なる時間で膨張する。2つのセグメントの組成が異なる場合、これらは、個別の部分として存在していてもよい。これに代わり、組成の異なるセグメントは、両方の種類のセグメントを含む単一の部分又は複数の部分を構成するように、共に連結されていてもよい。このように連結されたセグメントは、接着剤又は他の中間層又はこれらの組合せのいくつかを用いて、溶融加工操作中に連結してもよい。適切な溶融加工方法としては、共押し出し及び注型技術が挙げられる。支持体又は中間層を用いてもよいが、これらを用いることは好ましくない。
特に、国際公開第2005/002950号パンフレットに記載される種類の支持体又は担体は、通常の場合、本発明では必要とされることはなく、省略することが好ましい。多くの場合、後に膨張するセグメントは、既に記載したように、膨張工程において先に膨張するセグメントの支持体として機能するので、個別の担体の必要性がなくなる。締結具を用いてキャビティ内に組成物を固定する場合、これらの締結具は、未膨張の組成物を、キャビティ内のこれが使用されるべき場所に直接固定することが好ましい。
先に述べたように、膨張性組成物は、組成ではなく厚さが異なるセグメントを含んでいてもよい。この場合、両方のセグメントを含む部分、即ち、より厚い区画とより薄い区画で形成される部分が形成されることが好ましい。このような部分は、押し出し成形などの溶融加工方法により簡単に形成される。この態様では、別々の薄い部分と厚い部分とを使用することも可能である。一般的に、より薄いセグメントの平均的な厚さは、より厚いセグメントとの間に膨張時間において良好な差異を生じさせるため、より厚いセグメントの厚さの、80%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは35%以下程度となる。図2に示すように、より薄いセグメントとより厚いセグメントの間の厚さの変化は、即時的なもの又はほぼ即時的なものであってもよい。これに代わる場合、厚さは、図3に示すように、より薄いセグメントとより厚いセグメント間で徐々に変化するものであってもよい。多くの自動車用の場合、より厚いセグメントの平均の厚さは約5〜10mmとなり、より薄いセグメントの平均の厚さは、約1〜4mmとなる。
膨張性組成物は、代わりに(又は更に)、組成や厚さではなく、単位体積又は質量当たりの表面積が異なるセグメントを含んでいてもよい。一方のセグメントの表面積がより大きいと、熱がそのセグメントの内部により迅速に伝わり、それによって膨張がより早く生じる。これらの態様では、一方のセグメントの表面積/単位体積は、別のセグメントの表面積/単位体積の130%以上、好ましくは150%以上である。単位体積又は質量当たりの表面積を大きくするセグメントのジオメトリーの例としては、くし型パターンが挙げられる。「歯」は、およそセグメントの平均厚さに等しい距離で、空間によって隔てられ、歯の高さは、セグメントの平均厚さと同程度であるか又はこれを超える。歯の間が空間で隔てられることにより、膨張性組成物の少なくとも他の1つのセグメントと比べて表面積が大きくなる。
膨張性組成物は、念頭にある特定のキャビティを考慮してデザインされる特定の形状に成型してもよい。例えば、図4、5及び6に示すように、キャビティ内の特定の場所で支持されることが可能なようにデザインしてもよい。使用する膨張性組成物の体積は、この組成物が起こす膨張度を考慮して、膨張した材料が所望の体積を有するように選択される。
膨張性組成物の部分は、キャビティ内の所望の部分が満たされるように、キャビティ内に挿入され相互との関係及びキャビティとの関係において方向づけられる。最初に膨張するセグメントは、これらのセグメントが膨張した際に、後に膨張するセグメントの膨張を方向づける障壁を形成するように、キャビティ内に配置される。
特定の関心の態様では、垂直方向に置かれたキャビティ(例えば、水平方向から30°以上傾いた状態のキャビティ)が、図5に例示するように、膨張したポリマーで部分的に満たされ、このキャビティの下部は満たされないまま残る。これは、好ましくは、最初に膨張する(好ましくは、より薄い)セグメントが、後に膨張するセグメントの下に位置するように、キャビティ内に膨張性組成物を固定することにより行われる。最初に膨張するセグメントが膨張して、後に膨張するセグメントの下方向の膨張を妨害する「棚」を形成し、それによって後に膨張するセグメントが、強制的に上方向に膨張してキャビティの上部分を満たし、キャビティの下部の少なくとも一定部分は、満たされないまま残る。
膨張性の組成物は、100〜300℃、好ましくは140〜230℃、特に好ましくは140〜210℃の範囲の温度に加熱することによって膨張する。使用する具体的な温度は、後に膨張するセグメントを膨張させるのに十分に高い温度となるであろう。この温度は、ポリマー若しくはポリマー前駆体を軟化させ、熱活性化膨張剤を活性化させ、そして前記ポリマー若しくはポリマー前駆体の硬化及び/若しくは架橋を開始させるのに適切な温度である。この理由により、正確な膨張温度は、一般的に、選択するポリマー若しくはポリマー前駆体、膨張剤及び架橋剤若しくは硬化剤を考慮して選択される。樹脂や他の成分の熱分解を防ぐため、組成物の膨張に要する温度よりも著しく高い温度は避ける方が好ましい。膨張と架橋は、典型的には、組成物が目的温度に達すると、1〜60分間、特に、5〜40分間、最も好ましくは、5〜30分間の範囲で起こる。
加熱工程では、膨張性組成物の種々のセグメントが順番に膨張する。加熱するとキャビティと膨張性組成物のセグメントの温度が上昇し、アセンブリーが最終的な膨張温度に達する。異なる種類のセグメントがその膨張温度に達するため、これらのセグメントは順番に膨張する。既に記載したように、先に膨張するセグメントは、後に膨張するセグメントの膨張に対する支持体又は障壁を形成し、この後に膨張するセグメントの膨張方向を左右する。
異なる加熱速度でキャビティの異なる部分(そしてキャビティに含まれる膨張性組成物の個々のセグメント)を加熱することにより、逐次的な膨張を実現することができる。この方法を用いた場合、膨張性組成物の全てのセグメントにおいて同一の組成を用いることが可能になり、そして各セグメントが同一又は同様な厚さを有していてもよいことになる。しかしながら、この方法を用いると、過熱工程がより複雑なものになり、必要な装置が多くなり、作業費用がかさむ可能性もあるので、一般的にあまり好ましいものではない。
膨張工程は、組成物の各セグメントが、その初期体積の200%以上、好ましくは500%以上にまで自由に膨らむような条件下で行われる。膨張性組成物の各セグメントは、好ましくは、その初期体積の1000%以上まで膨張し、更により好ましくは、その初期体積の少なくとも1200%まで膨張する。本発明の組成物の各セグメントは、その初期体積の3500%以上にまで膨張する場合もある。より典型的には、これらのセグメントは、少なくとも、その初期体積の2000%、2500%又は3000%にまで膨張する。膨張した材料の密度は、一般的に、1〜10ポンド/立方フィートであり、好ましくは、1.5〜5ポンド/立方フィートである。
「自由に膨らむ」とは、組成物が、架橋を開始して膨張剤を活性化させるのに十分な温度に達した際に、少なくとも一つの方向は、圧力や他の物理的制約の下で維持されていないことを意味する。結果として、組成物は、必要な温度に達するとすぐに一つ以上の方向に向かって膨張を開始することが可能であり、何らの制約を受けることなく、初期体積の200%以上、好ましくは、500%以上、より好ましくは1000%以上にまで膨張することができる。最も好ましくは、組成物は、制約を受けることなく完全に膨張できる。この自由膨張は、加熱された組成物が、押し出し機のダイを通過するまで膨張を抑制するのに十分な圧力下で維持されるか、又は圧力が減少することで「爆発的な発泡」が開始される押し出し発泡工程又はバンフォーム(bun foam)工程等のプロセスとは異なる。ポリマー中に十分に架橋が形成されるまで加圧によって膨張を遅延できる押し出し発泡等のプロセスと比べ、自由膨張工程では、架橋工程と膨張工程のタイミングがより一層重要なものとなる。
膨張性組成物は、室温(22℃)で固体であり、100℃〜300℃に加熱することにより膨張可能ないずれかのポリマー組成物である。先で議論したように、膨張性組成物は、少なくとも2つのセグメントからなり、そのうち一つは、該膨張性組成物を100℃〜300℃の高温に加熱した際に、その組成又はジオメトリーに基づいて、他方のセグメントよりも先に膨張する。
ポリマー組成物には、少なくとも1種類の有機ポリマー又は有機ポリマーの前駆体が含まれる。有機ポリマー又は前駆体は、加熱軟化性を示すものであり、これは、分解温度未満の一定の高温に曝した場合に、該ポリマー又は前駆体が、膨張剤によって膨張して気泡構造を形成可能な程度に軟化することを意味する。特に対象となるポリマー及びポリマー前駆体には、熱可塑性樹脂が挙げられ、特に、下に記載するようなエチレンのホモポリマーや共重合体を1つ以上含むポリエチレン系組成物、ポリウレタン形成組成物並びにエポキシ樹脂/硬化剤組成物が挙げられる。
エチレンのホモポリマー及び共重合体をベースとする膨張性ポリマー組成物が最も好ましい。このエチレンのホモポリマー及び共重合体は、弾性を示さない方が好ましく、このことは、本発明の目的においては、これらのホモポリマー又は共重合体が、ASTM 4649の方法に従って20℃で初期の長さの2倍の長さにまで伸ばした際に40%未満の弾性回復率しか示さないことを意味する。
エチレンのホモポリマー又は共重合体のメルトインデックス(190℃/荷重2.16kgの条件下でのASTM D1238)は、0.05〜500g/10分間である。好ましくは、メルトインデックスは、0.05〜50g/10分間であり、メルトインデックスが低いと、加熱膨張工程において、ポリマーの流動性が高くなり、溶融強度が低下し、架橋効率が低下する。より好ましくは、ポリマーのメルトインデックスは、0.1〜10g/10分間であり、特に好ましくは、0.3〜5g/10分間である。
適切なエチレン共重合体の種類は、エチレンと1種類以上の炭素数3〜20のα−オレフィンからなる共重合体である。別の適切な共重合体の種類としては、エチレンと1種類以上の非共役ジエンモノマー又は非共役トリエンモノマーからなる共重合体が挙げられる。共重合体は、エチレンと、1種類以上の炭素数3〜20のα−オレフィンと、1種類以上の非共役ジエンモノマー又は非共役トリエンモノマーからなる共重合体であってもよい。共重合体は、コモノマーが共重合体鎖内でランダムに分布するランダム共重合体であることが好ましい。前述のいずれのホモポリマー及び共重合体も、加水分解性シラン基を含むように修飾してもよい。これらの種類のエチレンホモポリマー及び共重合体は、好適には、酸素含有モノマー(シラン含有モノマーを除く)の重合により形成される反復単位を2モル%未満の量で含む。前記ホモポリマー及び共重合体におけるこのような反復単位の含有率は、好適には、1モル%未満であり、より好ましくは、0.25モル%未満である。最も好ましくは、このような反復単位は含まれない。
このようなポリマーの例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が挙げられる。また、短鎖の分岐は含むが、実質的に長鎖の分岐は含まない(1000個の炭素原子当たりの長鎖分岐が0.01未満)、いわゆる「均一な」エチレン/α−オレフィン共重合体も有用である。更に、長鎖分岐と短鎖分岐の両方を含む実質的に直鎖状のエチレン/α−オレフィン共重合体も、実質的に直鎖状の長鎖分岐エチレンホモポリマーと同様に有用である。「長鎖分岐」とは、共重合体内にα−オレフィン又は非共役ジエンモノマーを取り込んだために生じる、短鎖分岐よりも長い鎖長を有する分岐を意味する。長鎖分岐は、炭素原子数で表される長さとして、好ましくは、10を超え、より好ましくは、20を超える。長鎖分岐は、平均して、ポリマーの主鎖と同じコモノマー分布を有し、結合するポリマーの主鎖と同程度の長さを有していてもよい。短鎖分岐は、共重合体内にα−オレフィン又は非共役ジエンモノマーを取り込んだために生じる分岐を指す。
LDPEは、フリーラジカル重合開始剤を用いた高圧重合法で調製される長鎖分岐エチレンホモポリマーである。LDPEの密度は、0.935g/cc以下であることが好ましい(全ての樹脂の密度は、本発明の目的のため、ASTM D792に従って測定される)。LDPEの密度は、より好ましくは、0.905〜0.930g/ccであり、特に好ましくは、0.915〜0.925g/ccである。LDPEは、加工性に優れ、安価であるため、好ましいエチレンポリマーである。適切なLDPEポリマーの例としては、米国仮出願第60/624,434号と国際公開第2005/035566号パンフレットに記載されるものが挙げられる。
HDPEは、主に長鎖の直鎖状ポリエチレン鎖からなる直鎖状エチレンホモポリマーである。HDPEは、典型的には、1000個の炭素原子当たりの長鎖分岐が0.01未満である。また、好適に、0.94g/cc以上の密度を有する。HDPEは、好適には、例えば、米国特許第4,076,698号明細書に記載されるように、チーグラー(Zeigler)重合触媒を用いた低圧重合法により調製される。
LLDPEは、密度が0.940未満の短鎖分岐エチレン−α−オレフィン共重合体である。LLDPEは、HDPEと同様に、チーグラー触媒を用いた低圧重合法により調製される。短鎖分岐は、α−オレフィンコモノマーがポリマー鎖に取り込まれた際に形成される。LLDPEは、典型的には、1000個の炭素原子当たりの長鎖分岐が0.01未満である。LLDPEの密度は、好ましくは、約0.905〜約0.935であり、特に好ましくは、約0.910〜約0.925である。α−オレフィンコモノマーは、好適には、3〜20個の炭素原子を含み、好ましくは、3〜12個の炭素原子を含む。適切なα−オレフィンコモノマーとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン及びビニルシクロヘキサンが挙げられる。これらのうち、炭素数4〜8のものが特に好ましい。
「均一な」エチレン/α−オレフィン共重合体は、米国特許第3,645,992号明細書に記載されるように都合よく作製されるか、又は米国特許第5,026,798号明細書及び米国特許第5,055,438号明細書に記載される、いわゆるシングルサイト触媒の使用により作製される。コモノマーは、所与の共重合体分子内でランダムに分布しており、各共重合体分子のエチレン/コモノマー比は類似する傾向がある。これらの共重合体の密度は、好適には、0.940未満であり、好ましくは、0.905〜0.930であり、特に好ましくは、0.915〜0.925である。コモノマーについては、LLDPEとの関連で上に記載されている。
実質的に直鎖状エチレンホモポリマー及び共重合体の例としては、米国特許第5,272,236号明細書及び米国特許第5,278,272号明細書に記載されるものが挙げられる。これらのポリマーの密度は、好適には、0.97g/cc以下であり、好ましくは、0.905〜0.930g/ccであり、特に好ましくは、0.915〜0.925である。実質的に直鎖状のホモポリマー及び共重合体は、好適には、1000個の炭素原子当たりの長鎖分岐の平均が0.01〜3であり、より好ましくは、0.05〜1である。これらの実質的に直鎖状のポリマーは、LDPEと同様に、加工しやすい傾向があり、この点から好ましい種類であるといえる。これらの中でも、エチレン/α−オレフィン共重合体が、より好ましい。コモノマーについては、LLDPEとの関連で上に記載されている。
更に、エチレンと1種類以上の非共役ジエンモノマー又は非共役トリエンモノマーからなる共重合体を用いることもできる。これらの共重合体は、先に記載したように、α−オレフィン由来の反復単位を含んでいてもよい。適切な非共役ジエンモノマー又は非共役トリエンモノマーの例としては、7−メチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7,11−トリメチル−1,6,10−オクタトリエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,10−ウンデカジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン(ノルボルナジエン)、テトラシクロドデセン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン及び5−エチリデン−2−ノルボレンが挙げられる。
上記のいずれの種類のエチレンホモポリマー及び共重合体も、加水分解性シラン基を含んでよい。これらの基は、ケイ素原子に結合した1つ以上のエチレン系不飽和ヒドロカルビル基と該ケイ素原子に結合した1つ以上の加水分解性基を有するシラン化合物をグラフトするか又は共重合させることにより、ポリマー内に取り込ませることができる。これらの基を取り込ませる方法は、例えば、米国特許第5,266,627号明細書及び米国特許第6,005,055号明細書並びに国際公開第02/12354号パンフレット及び国際公開第02/12355号パンフレットに記載されている。エチレン系不飽和ヒドロカルビル基の例としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基及びγ−(メタ)アクリルオキシアリル基が挙げられる。加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ及びアルキルアミノ基又はアリールアミノ基が挙げられる。好ましいシラン化合物は、ビニルトリアルコキシシランであり、例えば、ビニルトリエトキシシランやビニルトリメトキシシラン等である。このような場合、これらの修飾エチレンポリマーは、それぞれ、トリエトキシシラン基及びトリメトキシシラン基を含む。
長鎖分岐を有するエチレンホモポリマー及び共重合体については、これらの樹脂が、良好な溶融強度及び/又はこれらの安定な発泡を助ける伸長粘度を有するため、一般的に好ましい。長鎖分岐エチレンポリマーと短鎖分岐エチレンポリマー又は直鎖状エチレンポリマーとの混合物も、多くの場合、長鎖分岐材料が、混合物に良好な溶融強度及び/又は伸長粘度を与えることができるので、有用である。従って、LDPEとLLDPE又はHDPEとの混合物も、実質的に直鎖状のエチレンホモポリマーとLLDPE又はHDPEの共重合体との混合物と同様に、使用できる。LDPEと実質的に直鎖状のエチレンホモポリマー又は共重合体(特に共重合体)との混合物も使用できる。
他の適切なエチレン共重合体としては、エチレンと1種類以上の酸素含有コモノマー(シランを除く)とのランダム共重合体が挙げられる。このコモノマーは、エチレン系の重合可能で、エチレンと共に共重合体を形成可能なものである。このようなコモノマーの例としては、アクリル酸及びメタクリル酸、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル及びヒドロキシアルキルエステル、酢酸ビニル、アクリル酸グリシジル若しくはメタクリル酸グリシジル、ビニルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、上に記載される他の種類のエチレンホモポリマー及び共重合体と組み合わせて用いてもよい。このような共重合体の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体又はエチレン−アクリル酸ブチル共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸グリシジル−アクリル酸アルキル三元重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
エチレンホモポリマー又は共重合体は、組成物の質量の40〜99%を構成する。好ましくは、組成物の質量の80%以下、より好ましくは、70%以下を構成する。本発明の好ましい組成は、45〜80質量%のエチレンホモポリマー又は共重合体を含み、又はこれらを45〜70質量%含む。特に好ましい組成物は、50〜65質量%のエチレンホモポリマー又は共重合体を含む。
上記のエチレンホモポリマー又は共重合体の複数からなる混合物を用いてもよい。このようなケースでは、前記混合物は、上で説明したようなメルトインデックスを有する。
エチレンホモポリマー又は共重合体をベースとする膨張性組成物は、架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤とは、そのままで、又は一定の崩壊若しくは分解産物を通じて、エチレンホモポリマー又は共重合体の分子間に結合を形成させる物質である。この架橋剤は、熱活性化性のものであり、これは、この架橋剤が、100℃未満の温度では、エチレンホモポリマー又は共重合体と非常にゆっくりと反応するか又は全く反応しないので、室温前後(約22℃)での保存で安定な組成物が形成されることを意味している。
前記架橋剤の熱活性化性は、複数の可能なメカニズムにより実現可能である。好ましい種類の架橋剤は、低温では比較的安定であるが、先で述べた範囲の温度で分解を起こして、架橋を形成する反応性の高い種を生じる。このような架橋剤の例としては、下記のような種々の有機ペルオキシ化合物が挙げられる。これに代わる場合、架橋剤は、固体であるために低温で比較的反応性が低く、100℃〜300℃の温度で溶融して活性型の架橋剤を形成するものであってもよい。同様に、この架橋剤は、前述の温度範囲で融解、分解又は破裂する物質に封入されていてもよい。この架橋剤は、上記の温度範囲でブロックを解除する不安定なブロック剤でブロックされていてもよい。架橋剤は、架橋反応の完了に触媒又はフリーラジカル重合開始剤の存在を要するものであってもよい。このようなケースでは、熱活性化は、前述の温度範囲で活性化される触媒又はフリーラジカル重合開始剤を組成物に含ませることにより実現できる。
本発明の多様な局面の随意的なものではあるが、エチレンホモポリマー又は共重合体を含む膨張性組成物において、特にこのエチレンホモポリマー又は共重合体のメルトインデックスが1以上の場合に、架橋剤を含ませて用いることが非常に好ましい。架橋剤の使用量は、使用する具体的な架橋剤によって多少変化する。ほとんどの場合、架橋剤は、膨張性組成物の全質量に対して0.5〜7%の量で用いられるが、架橋剤によっては、これよりも多い又は少ない量で用いることも可能である。一般的には、10質量%以上、特に、約20質量%のゲル含有量を有する膨張して架橋した組成物が得られるような十分な量の架橋剤を(適切な加工条件で)用いることが望ましい。ゲル含有量は、本発明の目的のため、ASTM D−2765−84、方法Aに従って測定される。
本発明においては、多種多様な架橋剤が使用可能であり、例えば、過酸化物、ペルオキシ酸エステル、ペルオキシ炭酸塩、ポリ(スルホニルアジド)、フェノール、アジド、アルデヒド−アミン反応生成物、置換尿素、置換グアニジン、置換キサンテート、置換ジチオカルバメート、硫黄含有化合物、例えば、チアゾール、イミダゾール、スルフェンアミド、チウラムジスルフィド、パラキノンジオキシム、ジベンゾパラキノンジオキシム、硫黄等が挙げられる。これらの種類の適切な架橋剤は、米国特許第5,869,591号明細書に記載されている。
好ましい種類の架橋剤は、有機ペルオキシ化合物、例えば、有機過酸化物、有機ペルオキシ酸エステル又は有機ペルオキシ炭酸塩等である。有機ペルオキシ化合物は、10分間の理論半減期分解温度(nominal 10-minute half-life temperature)により特徴付けることができる。10分間の理論半減期分解温度は、標準的な試験条件下で、有機ペルオキシ化合物の半減期が10分間となる温度である。理論半減期とは、標準的な試験条件下で、50%の有機ペルオキシ化合物が分解するのに要する時間である。従って、有機ペルオキシ化合物の10分間の理論半減期分解温度が、110℃の場合、この温度に10分間曝すと50%の有機ペルオキシ化合物が分解する。好ましい有機ペルオキシ化合物は、標準的な試験条件下で、120〜300℃、特に、140〜210℃の範囲に10分間の理論半減期を有する。有機ペルオキシ化合物は、本発明の組成物中に調合された場合、その組成物の他の成分との相互作用により、幾分速く又は遅く分解する可能性もあることに留意すべきである。適切な有機ペルオキシ化合物の例としては、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシアセテート、ジ−t−ブチルジペルオキシフタレート、t−ブチルペルオキシマレイン酸、シクロヘキサノンペルオキシド、t−ブチルジペルオキシベンゾエート、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−メタンヒドロペルオキシド及び2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド等が挙げられる。好ましい膨張剤は、ジクミルペルオキシドである。有機ペルオキシ架橋剤の好ましい量は、前記組成物の質量の0.5〜5%である。
好ましいポリ(スルホニルアジド)架橋剤は、分子1つ当たりに2個以上のスルホニルアジド基(−SO)を有する化合物である。このようなポリ(スルホニルアジド)架橋剤は、例えば、国際公開第02/068530号パンフレットに記載されている。適切なポリ(スルホニルアジド)架橋剤の例としては、1,5−ペンタンビス(スルホニルアジド)、1,8−オクタンビス(スルホニルアジド)、1,10−デカンビス(スルホニルアジド)、1,18−オクタデカンビス(スルホニルアジド)、1−オクチル−2,4,6−ベンゼントリス(スルホニルアジド)、4,4′−ジフェニルエーテルビス(スルホニルアジド)、1,6−ビス(4′−スルホンアジドフェニル)ヘキサン、2,7−ナフタレンビス(スルホニルアジド)、オキシビス(4−スルホニルアジドベンゼン)、4,4′−ビス(スルホニルアジド)ビフェニル、ビス(4−スルホニルアジドフェニル)メタン、1分子当たり平均で1〜8個の塩素原子及び2〜5個のスルホニルアジド基を含む塩素化脂肪族炭化水素の混合スルホニルアジドが挙げられる。
エチレンホモポリマー又は共重合体が加水分解性シラン基を含む場合、水が適切な架橋剤となる。水は、湿潤環境から内部に浸透する可能性があり、ppm単位の量でも架橋反応を完了するのに十分な量である。また、水は、組成物に添加してもよい。このケースでは、水は、組成物の質量に対して約0.1〜1.5部の量で好適に使用される。より多くの量の水でもポリマーを膨張させる機能を有する。典型的には、硬化反応を促進させるため、水と共に触媒が用いられる。このような触媒の例としては、有機塩基、カルボン酸、そして、有機チタン酸、及び鉛、コバルト、鉄、ニッケル、スズ又は亜鉛の錯体若しくは炭酸塩といった有機金属化合物が挙げられる。このような触媒の具体例としては、ジブチルスズジラウラート、ジオクチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、酢酸第一スズ、オクタン酸第一スズ、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛及びナフテン酸コバルトが挙げられる。国際公開第2006/017391号パンフレットに記載される多置換芳香族スルホン酸も有用である。未成熟な架橋を防ぐため、水若しくは触媒又はこれらの両方を先に記載した温度範囲内でのみ放出するような外殻に封入してもよい。
別の種類の架橋剤としては、分子1つ当たりに少なくとも2つ、好ましくは3つ以上の反応性ビニル基又はアリル基を有する多官能性モノマー化合物が挙げられる。これらの物質は、主に別の種類の架橋剤(主にペルオキシ化合物)との組合せで使用されることにより初期段階で分岐を生じさせるので、通常は「助剤」として知られる。このような助剤の例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルメリテートが挙げられる。トリアリルシラン化合物も有用である。別の適切なクラスの助剤としては、ポリニトロキシル化合物、特に、2個以上の2,2,6,6−テトラメチルピぺリジニルオキシ(TEMPO)基又はこのような基の誘導体を有する化合物である。このようなポリニトロキシル化合物の例としては、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−4−イル)セバケート、ジ−t−ブチルNオキシル、ジメチルジフェニルピロリジン−1−オキシル、4−ホスホノオキシTEMPO又はTEMPOとの金属錯体が挙げられる。他の適切な助剤としては、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、並びに米国特許第5,346,961号明細書に記載されるものが挙げられる。助剤は、1000未満の分子量を有することが好ましい。
助剤は、通常、エチレンホモポリマー又は共重合体との架橋反応を起こすためにフリーラジカルの存在を必要とする。この理由のため、通常、助剤は、フリーラジカル発生剤と共に用いられる。前述のペルオキシ架橋剤は、全てフリーラジカル発生剤であり、このような架橋剤が存在する場合には、通常は、組成物中に更なるフリーラジカル重合開始剤を含める必要がない。このタイプの助剤は架橋を促進できるので、典型的には、このようなペルオキシ架橋剤との組み合わせで用いられる。ペルオキシ架橋剤が使用される場合、助剤は、好適には、非常に少量で、例えば、組成物に対して約0.05〜1質量%の量で用いられる。ペルオキシ架橋剤が使用されない場合、助剤は、これよりも幾分か多い量で用いられる。
先に膨張するセグメントに用いられる異なる種類の架橋剤は、膨張性組成物に含まれる後に膨張するセグメントに用いられる架橋剤とは異なっていて良い。特に、より低い温度(100〜300℃の範囲の)で活性化される架橋剤を先に膨張するセグメントに用い、より高い温度(同一の温度範囲の)で活性化される架橋剤を、膨張性組成物のより高温で膨張するセグメントに用いることもできる。
膨張剤は、同様に、先に記載した高温で活性化され、先の例と同様に、膨張剤は、このような高温において、種々のメカニズムにより活性化することが可能である。適切な種類の膨張剤には、高温で反応又は分解を起こしてガスを生じる化合物、高温で融解、分解、破裂又は膨張を起こす物質に封入されたガス又は揮発性の液体、膨張性マイクロスフェア、100℃〜300℃の範囲に沸点を有する物質等が含まれる。膨張剤は、22℃で固体物質であることが好ましく、そして、50℃未満の温度で固体物質であることが好ましい。
好ましい種類の膨張剤は、高温で分解して窒素ガス又はアンモニアガスを放出するものである。これらの中には、いわゆる「アゾ」系膨張剤、並びに、特定のヒドラジド化合物、セミカルバジド化合物及びニトロソ化合物がある。これらの例としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、オキシビススルホヒドラジド、5−フェニルテトラゾール、ベンゾイルスルホヒドラジド、p−トルイルスルホニルセミカルバジド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。これらの膨張剤は、Celogen(登録商標)やTracel(登録商標)の商品名で市販されている。本発明に有用な市販の膨張剤としては、Celogen(登録商標)754A、765A、780、AZ、AZ−130、AZ1901、AZ760A、AZ5100、AZ9370、AZRVが挙げられるが、これらはすべてアゾジカルボンアミド系の膨張剤である。Celogen(登録商標)OT及びTSH−Cは、有用な、スルホニルヒドラジド系膨張剤である。アゾジカルボンアミド系膨張剤が、特に好ましい。
前述する発泡剤の複数からなる混合物を用いてもよい。発熱型発泡剤と吸熱型発泡剤の混合物は、特に対象となる。
先に記載した窒素又はアンモニア放出性膨張剤は、促進剤化合物との組み合わせで用いてもよい。典型的な促進剤化合物としては、ベンゼンスルホン酸亜鉛、種々の尿素化合物及び種々の遷移金属化合物、例えば、遷移金属の酸化物やカルボン酸塩が挙げられる。亜鉛、スズ、及びチタンの化合物が好ましく、例えば、酸化亜鉛;カルボン酸亜鉛、特にステアリン酸亜鉛等の脂肪酸の亜鉛塩;二酸化チタン等が好ましい。酸化亜鉛並びに酸化亜鉛と脂肪酸の亜鉛塩の混合物が、好ましいタイプである。有用な酸化亜鉛/ステアリン酸亜鉛の混合物としては、市販のZinstabe 2426(ホースヘッド社(Hoarsehead Corp)、モナカ、ペンシルバニア州)が挙げられる。
促進剤化合物は、膨張剤のピーク分解温度を所定の範囲にまで下げる傾向がある。従って、例えば、アゾジカルボンアミドは、それ自体では、200℃を超えた場合に分解する傾向にあるが、促進剤化合物の存在下では、その分解温度は、140〜150℃又はこれを下回る温度にまで低下する場合がある。促進剤化合物は、組成物の質量の0〜20%を構成する場合がある。好ましい量は、6〜18%である。促進剤は、膨張剤とは別に組成物に添加してもよい。しかしながら、市販グレードの膨張剤には、「事前に活性化された」物質として市販されているものもあり、既にある程度の量の促進剤化合物が含まれている。これらの「事前に活性化された」物質も有用である。
別の適切な種類の膨張剤は、高温で分解して二酸化炭素を放出する。この種類には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸アンモニウム、並びにこれらの1種類以上とクエン酸との混合物が含まれる。
さらに別の適切な種類の膨張剤としては、ポリマーの外殻に封入されたものが挙げられる。この外殻が、前記の範囲の温度で、融解するか、分解するか、破裂するか、又は単に膨張する。外殻材料は、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン、ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル、ナイロン、アクリルポリマー及びアクリレートポリマー並びにアクリル共重合体及びアクリレート共重合体等から加工される。膨張剤は、液体又はガス(標準温度と標準気圧で)のタイプであってもよく、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソブタン若しくはイソペンタンなどの炭化水素;R−134A及びR−152A等のフッ化炭化水素;又は、先に記載されるような、窒素若しくは二酸化炭素を放出する化学膨張剤が挙げられる。これらのタイプの封入型膨張剤は、Expancel(登録商標)091WUF、091WU、009DU、091DU、092DU、093DU及び950DUとして市販されている。
120〜300℃の温度で沸騰する化合物を膨張剤として用いてもよい。これらの化合物としては、炭素数8〜12のアルカン、並びにこれらの温度範囲で沸騰する他の炭化水素、ヒドロフルオロカーボン及びフッ化炭化水素が挙げられる。
本発明の特定の態様では、膨張性組成物に含まれる先に膨張するセグメントで用いられる膨張剤は、後で膨張するセグメントで用いられる膨張剤よりも低い温度で活性化されるものである。これは、それぞれのセグメントで異なる種類の膨張剤を用いることにより実現できる。窒素又はアンモニア放出性膨張剤を用いる好ましいケースでは、各ケースで同一の膨張剤を用いるが、使用する促進剤化合物の割合を変えることにより活性化温度の違いを生じさせることができる。
エチレンホモポリマー又は共重合体を含む膨張性組成物は、1又は2種類以上の抗酸化剤を含んでいてもよい。抗酸化剤は、組成物の膨張及び架橋に用いられる温度で生じる恐れのある炭化や変色の防止を助けることができる。このことは、膨張温度が、約170℃以上、特に190℃〜220℃になる場合に特に重要になることが分かっている。少なくともある量では、抗酸化剤の存在が、架橋反応を著しく妨害することはない。このことは驚くべきことであり、特に、ペルオキシ膨張剤が使われる好ましいケースでは、これらは強力な酸化剤であるため、その活性は、抗酸化剤の存在により抑制されると想定されるからである。
安定な抗酸化剤としては、フェノール系、有機ホスファイト、ホスフィン及びホスホナイト、ヒンダードアミン、有機アミン、有機硫黄化合物、ラクトン及びヒドロキシアミン化合物が挙げられる。適切なフェノール系の例としては、テトラキスメチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)メタン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸オクタデシル、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、1,1,3−トリス−(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ブタン、3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸の炭素数13〜15アルキルエステル、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ビス−[3,3−ビス−(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブタン酸]グリコールエステル(Hostanox O3、クラリアント社(Clariant)製)等が挙げられる。テトラキスメチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)メタンは、好ましいフェノール系酸化剤である。フェノール系酸化剤は、好ましくは、組成物に対して0.2〜0.5質量%の量で用いられる。
適切なホスファイト系安定剤としては、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト及びビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。液体ホスファイト系安定剤としては、トリスノニルフェノールホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、アルキル(炭素数10〜15)ビスフェノールAホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト及び亜リン酸水素ジオレイルが挙げられる。
ホスファイト系安定剤の好ましい量は、組成物の質量の0〜1%である。
適切な有機ホスフィン安定剤としては、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ジメチルプロパンが挙げられる。適切な有機ホスホナイトとしては、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル−4,4′−ビフェニレンジホスホナイト(クラリアント社製のSantostab P−EPQ)が挙げられる。
適切な有機硫黄化合物としては、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロプリオネート]が挙げられる。
好ましいアミン系抗酸化剤としては、オクチル化ジフェニルアミン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]ヘネイコサン−21−オンのポリマー(クラリアント社製のCAS No 64338−16−5, Hostavin N30)、1,6−ヘキサンアミン、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジニル),モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン反応生成物とのポリマー,メチル化物(サイテック・インダストリーズ社(Cytec Industries)製のCAS番号193098−40−7、商品名Cyasorb 3529)、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジイル][2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]](CAS No 070624−18−9 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)製Chimassorb 944)、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン−N,N′′′−[1,2−エタンジイルビス[[[4,6−ビス[ブチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス−[N′,N′′−ジブチル−N′,N′−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジニル)−106990−43−6(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Chimassorb 119)等が挙げられる。最も好ましいアミンは、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン−N,N′′′−[1,2−エタンジイルビス[[[4,6−ビス[ブチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス−[N′,N′′−ジブチル−N′,N′−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジニル)が挙げられる。本発明の組成物は、好ましくは、0.2〜0.4質量%のアミン系抗酸化剤を含む。
好ましいヒドロキシルアミンは、ヒドロキシルビス(硬化牛脂アルキル)アミンであり、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社からFiberstab 042として市販されている。
別のタイプの適切な膨張性組成物としては、エポキシ樹脂又は複数種類のエポキシ樹脂の混合物をベースとするものが挙げられる。エポキシ樹脂又はエポキシ樹脂の混合物は、平均して分子1個当たりに少なくとも約1.8個、好ましくは少なくとも約2.0個のエポキシド基を有する。混合物中の各エポキシ樹脂が、少なくとも分子1個当たり1.8個のエポキシ基を含むことが好ましい。エポキシ樹脂又はその混合物は、室温で固体又は液体のどちらであってもよいが、但し、膨張性組成物全体としては、室温で固体となる。一般的に、エポキシ樹脂又はエポキシ樹脂混合物自体は、室温で固体であることが好ましい。固体の場合、エポキシ樹脂又はエポキシ樹脂混合物は、約50℃〜150℃の高温で軟化性を示すことが好ましい。適切なエポキシ樹脂又はその混合物は、250〜400の平均エポキシド当量を有するが、以下により完全に記載されるように、末端にエポキシ基を有するいずれのゴム製材料については、この限りでない。
脂環式エポキシド、エポキシ化ノボラック樹脂、エポキシ化ビスフェノールA若しくはビスフェノールF樹脂、ブタンジオールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル又は軟化性エポキシ樹脂等の多種多様なポリエポキシド化合物が使用できるが、費用と入手性の面から好ましいものとしては、ビスフェノールA若しくはビスフェノールFなどのビスフェノールの液体又は固体のグリシジルエーテルが挙げられる。所望の場合には、ハロゲン化樹脂、特に、臭素化樹脂を用いて、難燃性を付与することもできる。特に対象となるエポキシ樹脂は、エポキシ当量が約250〜約800のビスフェノールA又はビスフェノールFのポリグリシジルエーテル等である。ビスフェノールA又はビスフェノールFのポリグリシジルエーテルの1種類以上と末端にエポキシ基を有するポリアルキレンオキシド、特に末端にエポキシ基を有するポリ(プロピレンオキシド)との混合物は、特に対象となる。所望の場合には、エポキシ樹脂は、難燃性を付与することを目的として、ハロゲン化(特に、臭素化)することもできる。
エポキシ系膨張性生成物は、硬化剤も含む。有用な硬化剤は数多く存在するが、特に、硬化するのに高温(即ち、約50℃を超える温度)を要するものが有用である。ルイス酸、置換イミダゾール又はアミン塩が、好適に硬化剤として使用できる。ほぼ等モル量の無水物とポリアミンとの反応により生成されるようなブロックされたアミン系硬化剤(blocked amine curing agent)も有用である。このようなブロックされたアミン系硬化剤は、米国特許第4,766,183号明細書(この文献の関連個所は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。特に有用な硬化剤としては、ジシアンジアミドが挙げられる。硬化剤は、完全な硬化を提供するのに十分な量、例えば、熱硬化性接着剤の質量の約0.25〜約10%、好ましくは約2〜約5%で使用される。
エポキシ系膨張性組成物は、好ましくは1種類以上の合成ゴムを含む。このゴムは室温で液体であっても固体であってもよい。固体の場合には、このゴムは、軟化温度が50℃超かつ190℃未満、特に約100〜150℃である熱可塑性物質であることが好ましい。このような合成ゴムの例としては、イソプレン系ポリマー、ポリイソブチレン、ポリブタジエン又は別の共役ジエンのポリマー、ビニル芳香族モノマーと共役ジエンモノマーとの共重合体(例えば、スチレン−ブタジエンゴム)並びに共役ジエンモノマーとニトリルモノマーの共重合体(例えば、ブタジエン−アクリロニトリルゴム)が挙げられる。国際公開第01/94493号パンフレットに適切なジエンゴム及び共役ジエン/ニトリルゴムが記載されている。重合化ニトリルモノマーを15質量%以下の量で含むジエンゴム及び共役ジエン/ニトリルゴムが特に対象となる。この重合化ニトリルモノマーは、好ましくは、接着剤組成物の全質量の約3.5%以下、特に1〜約3.25%を占める。好ましくは、ゴムは、約−55℃未満、好ましくは約−60〜約−90℃のガラス転移温度を有する。ゴムの分子量(Mn)は、好適には、約2000〜約6000であり、より好ましくは約3000〜約5000である。
国際公開第01/94493号パンフレットにより詳細に記載されているが、エポキシド反応性基を有するゴムをポリエポキシドと反応させることによって末端にエポキシ基を有するアダクトを形成できる。末端の第1級アミン基、第2級アミン基又は特にカルボン酸基を有するゴムが特に適している。適切なカルボキシル官能性ブタジエンゴム及びブタジエン/アクリロニトリルゴムが、Hycar(登録商標)2000X162カルボキシル末端ブタジエンホモポリマー及びHycar(登録商標)1300X31カルボキシル末端ブタジエン/アクリロニトリル共重合体の商品名でビー・エフ・グッドリッチ社(B. F. Goodrich)から市販されている。適切なアミン末端ブタジエン/アクリロニトリル共重合体が、Hycar(登録商標)1300X21の商品名で市販されている。上記のポリエポキシドは、このようなアダクトの形成に適している。典型的には、アダクトを調製するために、ゴムと過剰量のポリエポキシドが置換ウレア系触媒若しくはホスフィン系触媒などの重合触媒と共に混合され、約100〜250℃の温度に加熱される。好ましい触媒としては、フェニルジメチルウレア及びトリフェニルホスフィンが挙げられる。好ましくは、得られる生成物が、アダクトと遊離ポリエポキシド化合物の混合物になるような十分量のポリエポキシド化合物が用いられる。
ゴムは、好適には、膨張性組成物の全質量の約1%〜約10%、好ましくは約2%〜約7%を占める。
エポキシ系膨張性組成物は、少なくとも1種類の先に記載するような膨張剤を含む。封入された物理的な発泡剤と1種類以上の化学的な発泡剤とを共に組み合わせて用いることが特に好ましい。
適切なポリウレタン系膨張性組成物が、国際公開第2005/090455号パンフレットに記載されている。このポリウレタン組成物は、熱軟化性ポリウレタン樹脂又は硬化性ポリウレタン樹脂、界面活性剤及び熱活性化膨張剤を含む。ポリウレタン樹脂が硬化性のタイプの場合、この組成物は、更に、三量化触媒、ブロックされたアミン系硬化剤、ヒドロキシル基含有硬化剤又は封入された水等の硬化剤を含む。有用な膨張剤としては、エチレンホモポリマー又は共重合体をベースとする組成物との関連で上に記載した膨張剤が挙げられる。更に、膨張性ポリウレタン組成物の場合には水が有用な膨張剤となるが、但し、この場合、水は、100℃〜300℃の温度に加熱されるまで封入されているか又はその他の方法で組成物中のポリイソシアネート基と反応しないような状態に置かれる。
先に記載した成分に加え、膨張性組成物は、充填剤、着色剤、染料、防腐剤、界面活性剤、セルオープナー(cell opener)、気泡安定剤、殺菌剤等の更なる成分を含んでいてもよい。特に、前記組成物に2,2,6,6−テトラメチルピぺリジニルオキシ(TEMPO)の1種類以上の極性誘導体、例えば、4−ヒドロキシTEMPO等を含ませることによって、焦げを遅延させ、そして/又は架橋を促進するだけではなく、極性物質への接着性を増加させることも可能である。
適切な充填剤としては、タルク、粘土、シリカ、炭酸カルシウム、グラファイト、ガラス、カーボンブラック、ABS等のプラスチック粉末等が挙げられる。また、強磁性粒子等の磁性粒子も充填剤として使用可能である。ヒュームドシリカ、ベントナイト粘土及びモンモリロナイト粘土等の充填剤は、チキソトロープ剤としての作用を有する場合もある。チキソトロープ剤は、好ましくは、膨張性組成物の約8質量%以下の量で使用される。充填剤としては、例えば、ガラス繊維などの繊維物質も挙げられる。
膨張性組成物は、衝撃と熱衝撃に対する耐性を向上させるために、可塑剤を含んでいてもよい。種々のベンゾエート、アジペート、テレフタレート及びフタレートが、好適に、可塑剤として使用できる。テレフタレート又はフタレート、例えば、ジブチルフタレートが好ましい。
更に、膨張性組成物は、水和アルミナ又は酸化アンチモン等の難燃剤を含んでいてもよい。
膨張性組成物は、膨張性物質や他の反応性物質が、著しく活性化されないように、十分に低温で維持することに留意しながら、種々の成分を混合することにより調製される。種々の成分は、一度にすべてを混合してもよく、又は複数の段階に分けて混合してもよい。
好ましい混合方法は、溶融加工法であり、この方法では、ポリマー又はポリマー前駆体が、その軟化温度を超えるまで加熱され、通常は、せん断の下で、1種類以上の他の成分と混合される。種々の溶融混合装置が使用可能であるが、成分を正確に計量でき、温度を良好に調節し、混合された組成物を多様な有用な断面形状に成形可能なことから、押し出し成形機が特に好適な装置である。このような混合工程における温度は、含まれていてもよい熱活性化物質が、著しく活性化されないように十分に低く調節されることが望ましい。しかしながら、このような温度での熱活性化材料の滞留時間が短い場合には、このような温度を超えてもよい。このような物質のうち少量ならば、活性化されても許容できる。架橋剤の場合、混合工程で生じるゲル含有率は、組成物に対して、10質量%未満にするべきであり、好ましくは2質量%未満とするべきである。より多くのゲルが形成されると、組成物の均一性が失われ、膨張工程における膨張率が乏しいものとなる。膨張剤の場合、膨張工程において組成物が初期体積の100%以上、好ましくは、500%以上、そして特に好ましくは1000%以上にまで膨張可能なように、混合工程後に十分な量の膨張剤が残るようにしなければならない。この加工工程での膨張剤のロスが想定される場合、このロスを補うために、余分量を用いてもよい。
架橋剤及び/又は膨張剤は混合工程で添加してもよく、又はパーツの溶融混合と加工の前にポリマー(好ましくはペレット又は粉末状)内に浸透させてもよい。
無論のこと、ある程度のより高温を用いて、非熱活性化成分を溶融混合することも可能である。この方法によれば、比較的高い温度で第1の溶融混合工程を行い、ある程度冷却し、次いで、比較的低い温度で熱活性化成分を添加することにより、組成物を形成することができる。また、複数の加熱区画を有する押し出し成形機を用いて、高温耐性を有する成分を最初に溶融混合し、次いで、この混合物をある程度冷却して、熱活性化物質に混合することも可能である。
また、ポリマー又はポリマー前駆体に含まれる種々の成分の濃縮物又はマスターバッチを1つ以上調製し、この濃縮物又はマスターバッチを、更なるポリマー又はポリマー前駆体と溶融混合することにより、所望の濃度にすることも可能である。また、固体成分は、溶融混合工程を行う前に一緒に乾式混合してもよい。
本発明の溶融混合組成物を冷却して固体の非粘着性生成物を形成する。組成物は、特定の補強用途又は断熱用途に適した形状に成型できる。これは、溶融混合作業の終了時に行うと最も都合よく行える。先の例と同様に、一様な断面を有する断片が許容される場合には、組成物の成形には、押し出し成形法が特に適している。多くの場合、断片の断面形状は、補強又は断熱化すべきキャビティ内にフィットできるように十分に小さい場合には、その操作に決定的に重要なものではない。従って、多くの具体的な用途において、断面が一様な押し出し品を形成して単に必要な長さに切断することにより、特定の用途に必要な材料の量に調整できる。既に述べたように、異なる組成を有するセグメントを共押し出しして、両方のセグメントを含む複合材料を形成することもできる。
特定の用途に必要とされる場合には、押し出し成形、射出成形、圧縮成形、注型成形、射出延伸成形等のいずれかの適切な溶融加工操作により、組成物を特定の形状に成形することができる。先の例と同様に、この工程でも温度を調節して、時期尚早のゲル化と膨張を防ぐ。
溶液混合法によって組成物の種々の成分を混合することも可能である。溶液混合では、混合温度を低めに抑えることが可能であり、それによって時期尚早のゲル化又は膨張の抑制が助けられる。従って、ポリマー又はポリマー前駆体の溶融加工に要する温度と近い温度で架橋剤及び/又は膨張剤が活性化される場合には、溶液混合法が特に有用である。溶液混合された組成物は、先に記載した方法又は種々の注型方法により所望の形状に成形できる。生成物が膨張する際のVOC放出量を減らし、そして非粘着性組成物を生成するため、通常は、組成物を膨張工程で使用する前に溶媒を除去することが望ましい。これは、種々の周知の溶媒除去方法を用いて行うことができる。
膨張した組成物は、主に連続気泡で構成されいてもよく、主に独立気泡で構成されいてもよく、又は連続気泡と独立気泡の組合せを有していてもよい。多くの用途において、吸水率が低いほうが、膨張した組成物の特質として望ましい。ゼネラルモーターズ社プロトコル(General Motors Protocol)GM9640P、「接着剤とシーラントの吸水試験(Water Absorption Test for Adhesives and Sealants)」(1992年1月)に沿って試験した際に、22℃で4時間水に浸漬した場合に、その質量の30%以下の水しか吸収しないことが好ましい。
膨張した組成物は、ヒトが聞ける通常の範囲の周波数の音を抑える良好な性能を示す。膨張したポリマーの音響減衰特性の適切な評価方法は、挿入損失試験を介したものである。この試験では、残響室と半反響室を用意し、これらの部屋は、各部屋を連結させる3″×3″×10″(7.5×7.5×25mm)のチャネルを有する壁によって隔てられている。チャネルを満たすようにフォームサンプルを切断して、これをチャネルに挿入する。ホワイトノイズシグナルを残響室に伝搬する。マクロフォンが、残響室と半反響室内の音圧を測定する。これらの部屋の音圧の違いを用いて、挿入損失を計算する。この試験法を用いた場合、膨張した組成物は、典型的には、100〜10,000Hzの全周波数の範囲において20dBの挿入損失を起こさせる。広範囲の周波数に渡る上記の性能は、非常に稀有であり、ポリウレタンや他の種類のフォームバフル材料(foam baffle material)に相当に匹敵するものである。
本発明の膨張性組成物は、多種多様な用途において有用である。特に対象となる用途は、構造補強、並びに音、振動及び/又は熱の遮断、装置、海上船舶、航空宇宙機又は建築部材である。本発明は、特に輸送工業において特に有用であり、これを用いて海上、航空宇宙又は地上(特に自動車)の輸送手段のキャビティを埋めることができる。また、本発明を用いて建築部材のキャビティを埋めることもできる。本発明の組成物は、構造補強及び/又は遮断を要するキャビティ内に直ちに付着し、その場所で膨張してキャビティを部分的に又は完全に満たす。この文脈において、「キャビティ」とは、補強材料又は遮断材料で満たすべき空間のみを意味する。特定の形状は、暗示又は意図されていない。しかしながら、キャビティは、組成物が、少なくとも1つの方向において、その初期体積の100%以上、好ましくは500%以上、そしてより好ましくは1000%以上に自由に膨張できるものでなければならない。好ましくは、キャビティは、発泡が進行してもキャビティ内の圧力が著しく増加しないように大気に対して開放されている。
本発明を用いて好適に補強する輸送構造物の例としては、補強チューブ及びチャネル、ロッカーパネル、ピラーキャビティ、後部テールランプのキャビティ、上部Cピラー、下部Cピラー、前部ロードビーム又は他の中空品が挙げられる。構造体は、金属(冷延鋼板、亜鉛めっき表面、ガルバネル表面(galvanel surface)、ガルバリウム(galvalum)、ガルファン(galfan)等)、セラミック、ガラス、熱可塑性プラスチック、熱硬化性樹脂、塗面等の種々の材料で構成されていてもよい。特に対象となる構造体は、本発明の組成物がキャビティに導入される前又は後に電着される。このような場合、組成物の膨張は、電着の焼付硬化と同時に行うことができる。
膨張性組成物は、後に膨張するセグメントが、10〜40分以内、特に10〜30分以内に、初期体積の1500%以上に膨張することが好ましい。
以下の実施例は、本発明を例示するために提供されるものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。他に表示のない限り、全ての「部」及び「パーセント」は、質量を基準とする。
実施例1
Haake Blend 600ブレンダー内の60.7部のLDPE(ダウ・ケミカル社(Dow Chemical)製LDPE 621i)と、15部のアゾジカルボンアミド(クロンプトン・インダストリーズ社(Crompton Industries)製AZ130)、7部の酸化亜鉛/ステアリン酸亜鉛混合物(ホースヘッド社(ペンシルバニア州モナカ)製Zinstaube 2426)、5部のエチレン/ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体(デュポン社(DuPont)製Elvaloy 4170)、8部の酸化亜鉛(ジンク・コーポレーション・オブ・アメリカ社(Zinc Corporation of America)製Kadox(登録商標)720)を添加することにより、膨張性組成物を調製する。これらの成分をブレンダー内でポリマーへと混合する。次に、2.5部のジクミルペルオキシド(アクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)製Perkadox BC−40BP)と1.8部の抗酸化剤混合物を添加して混合する。次いで、この混合物を取り出して室温に冷ます。次に、この混合物の一部を、2つの薄い末端セグメントと1つのより厚い中央セグメントを有する成型パーツ(図6に図示される成型パーツと同様)に成形する。このパーツの全体の高さは、43mmである。このパーツの全幅は、62mmである。より厚い中央部分の横幅は38mmで、厚さは7.6mmである。より薄い末端セグメントは、それぞれ横幅が12mmで、厚さが3.8mmである。このパーツの全質量は18グラムである。
このパーツを、水平方向にある50×75×300mmのスチール製キャビティの側面上に垂直に固定する。このパーツは、スチール製キャビティの縦方向に沿って、真ん中に位置する。このスチール製キャビティは、ガラス面を有しており、これによってパーツの膨張が観察できる。このアセンブリーを160℃で30分間焼き付ける。加熱工程中に薄い部分が最初に膨張し(約15分後)、このパーツのより厚い中央部分が続いて膨張してキャビティの左端又は右端に向かって流れ出すのを防ぐダムを形成する。この結果、キャビティの一部が満たされたが、左端と右端の両方に空間が残る。キャビティの中央部分は、膨張したポリマーに満たされ、キャビティは良好な密封性を有する。
実施例2
実施例1の膨張性組成物の一部を、薄い下端セグメントとより厚い上端セグメントを有する成型パーツ(図5に図示される成型パーツと同様)に成形する。このパーツの全体の高さは、50mmである。このパーツの全幅は、150mmである。より厚い上端部分の厚さは7.6mmである。より薄い下端セグメントは、厚さが3.8mmである。このパーツの全質量は42.6グラムである。
パーツの膨張が観察できるようにガラス面を有し、垂直方向にある200×50×300mmのスチール製キャビティの側面上に垂直にこのパーツを固定する。このパーツは、スチール製キャビティの水平方向の200mmの横幅と、該キャビティの垂直方向の300mmの高さの中央部分にパーツの最も長い寸法が水平方向を向くように位置する。このアセンブリーを160℃で30分間焼き付ける。加熱工程中に薄い下方部分が最初に膨張し(約15分後)、キャビティの下方部分(しかし、基底部分ではない)を封鎖する障壁を形成する。上端部分も膨張するが(約22分後)、その膨張は、既に膨張した下端セグメントにより形成された障壁が存在するために、強制的に上方向に向かう。その結果、キャビティの一部が満たされるが、下方部分に空間が残る。キャビティの中央部分及び上部分は、膨張したポリマーに満たされ、キャビティは良好な密封性を有し、垂れ下りは殆ど認められない。
実施例3
実施例1に記載する組成物の別の一部を、11×28×5.6mmの寸法のブロックに成形する。65.7部のLDPE樹脂、20部のAZ130物質、10部のKadox(登録商標)720物質、2.5部のPerkadox BC−40BP物質及び1.8部の抗酸化剤混合物から調製される別の組成物から第2のブロックを成形する。この組成物は、実施例1に記載される組成物と比べて、酸化亜鉛成分とステアリン酸亜鉛成分の混合物の濃度を少なくしているので、より高温で膨張すると期待される。第2のブロックのサイズは、38×28×5.6mmである。
これら2つのブロックを1つにまとめて、寸法が49×28×5.6mmのより大きなブロックを形成する。このより大きなブロックを、ガラス面を有する25×50×300mmのスチール製キャビティの50mmの側面状に取り付ける。このブロックは、キャビティの50 mmの側面上の中央部で、かつキャビティの300mmの長軸の中央部に位置する。このキャビティは、300mmの長軸が水平方向を向き、50mmの横軸が垂直方向を向いている。
このアセンブリーを160℃で30分間焼き付ける。11×28×5.6mmのセグメントが最初に膨張し、キャビティの一方の末端に障壁を形成する。このセグメントは、長軸が57mmの既膨張ポリマーを形成する。そのより大きなセグメントは、89mmの長軸にまで膨張し、キャビティの他端を完全に満たす。この結果、キャビティの一端は完全に満たされるが、他端に空間が残る。

Claims (12)

  1. 1)少なくとも2つの固体の熱膨張性ポリマー組成物のセグメントをキャビティ内に挿入する工程、
    2)前記キャビティ内の前記熱膨張性ポリマー組成物のセグメントを、該ポリマー組成物のセグメントが膨張するのに十分な温度にまで加熱する工程、及び
    3)前記ポリマー組成物のセグメントを初期体積の500%以上に膨張させて前記キャビティの少なくとも一部を満たすフォームを形成する工程
    を含む方法であって、
    i)少なくとも1つの第1のセグメントが、少なくとも1つの第2のセグメントとは異なる化学組成を有するか、又はii)前記少なくとも2つのセグメントは同一の化学組成を有しそして少なくとも1つの第1のセグメントの平均厚さが少なくとも1つの第2のセグメントの平均厚さの50%以下であり、
    加熱条件下で前記ポリマー組成物のうち少なくとも1つの第1のセグメントが、少なくとも1つの第2のセグメントよりも先に膨張することで、前記キャビティ内で該第2のセグメントの少なくとも1方向の膨張を抑制する支持体又は障壁を形成し、膨張した第1のセグメントに隣接するキャビティ部分が、少なくとも1つの第2のセグメントの膨張後においても充填されないまま残る、方法。
  2. 前記キャビティが垂直方向にあり、膨張した第1のセグメントにより、少なくとも1つの第2のセグメントの下方向への膨張が抑制されることで、膨張した組成物より下のキャビティ部分が充填されないまま残る、請求項記載の方法。
  3. 前記キャビティが垂直方向にあり、膨張した第1のセグメントにより、少なくとも1つの第2のセグメントの上方向への膨張が抑制されることで、膨張した組成物より上のキャビティ部分が充填されないまま残る、請求項又は記載の方法。
  4. 少なくとも1つのセグメントが膨張して硬化することでポリウレタンポリマー及び/又はポリウレアポリマーが形成される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 少なくとも1つのセグメントが1種類以上のエポキシ樹脂を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 少なくとも1つのセグメントが、(1)架橋性エチレンホモポリマー、(2)エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィン又は非共役ジエンコモノマー若しくは非共役トリエンコモノマーの少なくとも1つとの架橋性共重合体、(3)架橋性エチレンホモポリマー若しくはエチレンと加水分解性シラン基を含む炭素数3〜20のα−オレフィンの少なくとも1つとの架橋性共重合体、又は(4)これらの2種類以上からなる混合物、から選択されるポリマーの1種類以上を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記第1及び第2のセグメントのそれぞれが、
    a)前記組成物の質量を基準として40〜99.5質量%の、(1)架橋性エチレンホモポリマー、(2)エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィン又は非共役ジエンコモノマー若しくは非共役トリエンコモノマーの少なくとも1つとの架橋性共重合体、(3)架橋性エチレンホモポリマー若しくはエチレンと加水分解性シラン基を含む炭素数3〜20のα−オレフィンの少なくとも1つとの架橋性共重合体、又は(4)これらの2種類以上からなる混合物であって、190℃/荷重2.16kgの条件でASTM D1238で測定した場合に、メルトインデックスが、0.1〜500g/10分であるホモポリマー、共重合体又は混合物;
    b)前記組成物の質量を基準として0〜7質量%の、成分a)用の熱活性化架橋剤であって、120℃以上かつ300℃以下の温度に加熱された際に活性化される架橋剤;
    c)前記組成物の質量を基準として1〜25質量%の、100℃以上かつ300℃以下の温度に加熱された場合に活性化される熱活性化膨張剤;
    d)前記組成物の質量を基準として0〜20質量%の、前記膨張剤用の促進剤;
    e)前記組成物の質量を基準として0〜10質量%の、エチレンと1種類以上の酸素含有コモノマーとの共重合体;並びに
    f)前記組成物の質量を基準として0〜20質量%の、1種類以上の抗酸化剤、
    を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記キャビティが、自動車のパーツ、アセンブリー又はサブアセンブリーに含まれる、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記パーツ、アセンブリー又はサブアセンブリーが、焼付硬化性コーティングでコーティングされており、前記焼付硬化性コーティングが硬化するとともに前記加熱膨張工程が行われる、請求項記載の方法。
  10. 前記パーツ、アセンブリー又はサブアセンブリーが、補強チューブ、補強チャネル、ロッカーパネル、ピラーキャビティ又はフロントロードビームを含む、請求項記載の方法。
  11. 前記キャビティが、電気器具、海上船舶、航空宇宙機又は建築部材に含まれる、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記組成物が、支持体上に担持されていない、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
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