JP5230369B2 - 原稿読取装置 - Google Patents
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Description
このような画像読取装置において、走査範囲内で往復運動する読取ユニットと装置本体に設けられた制御回路との接続には、複数のケーブル導体と各ケーブル導体を被覆する被覆部材とを有する帯状の多極ケーブルである、フラットフレキシブルケーブル(以下、FFCと称する)が用いられている。このFFCは、装置本体内に対して占有するスペースが小さい状態で、読取ユニットと制御回路との間に複数のケーブルを配線することができるので、さまざまな画像読取装置に適用されている。
図9で前記構成例を説明する。図9(a)は画像読取装置の上視図であり、図9(b)は副走査方向の断面図である。
読取ユニット702は、CCDのような撮像素子を実装したセンサ基板706で、原稿台ガラス710上に置かれた原稿を読み取る際、駆動軸704、ガイドレール705に沿って、図9の左側から右側に向かって所定の範囲で移動する。
読取ユニット702で読み込まれた画像データはケーブル703を介して制御基板711へ伝送される。
ケーブル703はFFCを用いることで、読取ユニット702の移動に追従できる。また、読取ユニット702の移動に応じてケーブル703の可動範囲外において図9(a)に示すように、読取ユニット702の移動方向に対し直角に折り曲げることにより、一本のケーブルで制御基板711に接続可能である。
しかし、画像読取装置の高速化により、センサ基板706やケーブル703が放射源となる場合があり、基板の電源層のプレーンを複数のプレーンに分割構成し、放射ノイズを抑制する手段が提案されている(特許文献3)。
図10は、図9に示す原稿読取装置のセンサ基板706とケーブル703の部分のみを電磁界シミュレーション用にモデル化したものである。これにより、センサ基板706とケーブル703に画像読取時のクロック信号を伝搬する際に放射される電磁界の強度をシミュレートした。図11はそのシミュレーション結果である。
グラフ中の(1)〜(5)に示される強度のピークは、センサ基板706とケーブル703の長さとそこを伝搬する電気信号の波長に応じて発生する共振点である。電気信号の波長をλとした場合、
(1)〜(5)は
(1)(センサ基板長)+(ケーブル長)をλ/2とする共振
(2)(ケーブル長)をλ/2とする共振
(3)(センサ基板長)+(ケーブル長)をλとする共振
(4)(ケーブル長)をλとする共振
(5)(ケーブル長)を3λ/2とする共振
である。このような場合、共振周波数が最も小さいものは(1)であり、最も大きいものは(5)である。
前記の事例のように装置の構造、形状等が主原因で発生するような放射ノイズは、装置のそれ自体を変更しない限り、抑制することは困難である。
これらから、装置の構造、形状等が主原因で発生するような放射ノイズが発生してしまう場合でも発生周波数が230MHzより大きければ対策の余裕度を確保できる。
(1)原稿を読み取る原稿読取装置であって、イメージセンサが実装されたイメージセンサ基板を有し、前記原稿読取装置の筺体内部を所定方向に移動可能な読取ユニットと、前記読取ユニットから出力された前記原稿の画像信号を処理する制御部と、前記読取ユニットの前記イメージセンサ基板に接続される第1ケーブルと、前記受信ユニットに接続される第2ケーブルと、前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルが接続され、前記筺体に固定されている中継部と、を有し、前記中継部のグランドが前記筺体に電気的に接続されており、前記イメージセンサ基板の長手方向の長さと前記第1ケーブルの長さとの組み合わせに応じて生じる共振周波数が230MHz以上であることを特徴とする原稿読取装置。
原稿読取ユニット102は、イメージセンサ基板106、原稿照明107a、107b、反射板108a、108b、および図示しない光学部品で構成されている。
原稿照明107a、107bはLEDのような点光源を印刷配線板上に主走査方向に線状に集合させたもので、画像読取領域の主走査方向の長さとほぼ等しい長さを有する。反射板108a、108bは、前記原稿照明107a、107bから照射される光を反射集光するように所定の反射率を有するよう基材上に金属を蒸着させたもので、前記原稿照明107a、107bと同等以上の長さを有する。
原稿読取ユニット102に搭載されるイメージセンサ基板106に実装されるイメージセンサ111は、前記原稿照明107により照射された原稿からの反射光を前記光学部品を介して受光し、画像データ115として電気信号に変換され出力される。出力された画像データ115は増幅器112を介してAD変換器113でデジタル信号209に変換され、ケーブル103、中継基板120、ケーブル121を介して制御基板201上の画像処理回路204へ伝送される。画像処理回路204では入力されたデジタル信号209に対してγ補正等所定の画像処理後、インターフェース回路213を介して図示しない画像形成装置へ伝送する。本実施例では、ケーブル121が直接、画像処理回路204に接続されているが、ケーブル121以降に別のケーブル、回路が挿入された後に画像処理回路が接続されることも有り得る。
L1101:250mm、L1102:200mm、L1201:200mm
と設定している。
図5の1301は、ケーブルが1本の場合、1302はケーブルが2本で構成された場合の放射ノイズ強度である。ケーブルが1本の場合1301の最も低い共振周波数は約230MHz付近でピーク1303を有しているが、ケーブルを2本で構成した場合1302では、ピーク1304が300MHzを超える領域まで移動している様子が確認できる。
以上より、ケーブル103の長さL1101とイメージセンサ基板106の長手方向の長さL1102との合計の長さの2倍に一致した波長を有する周波数が最も共振周波数の小さいものである。すなわち
中継基板120は、ケーブル103をコネクタ301に、ケーブル121をコネクタ302にそれぞれ接続し、コネクタ301、302間はケーブル103とケーブル121との信号線をパターン群304で1対1に接続している。
パターン群304はコネクタ301、302が実装されている面とは別の面に形成され、パターン群304を形成するパターンは、それぞれケーブル103、ケーブル121とインピーダンスが等しくなるように施されていて、周囲はグランドパターン303が設けられている。
コネクタ301、302の実装面には、グランドパターン313が形成され、グランドパターン303とは図示しない複数箇所のVIA(スルーホール)で接続されている。ケーブル103は、シールド付きのコネクタ301を介してグランドパターン313と接続される。また、コネクタ301、302の近傍に導電性のネジ305〜308で固定できる穴が設けられている。
導電性部材である下枠109と、中継基板120のグランドパターン313が電気的に接続されることにより、イメージセンサ基板106の長さとケーブルの長さで発生する共振現象に関わるケーブルの長さが前述の条件を満たすことができる。その結果、この部分における共振周波数を230MHzより大きくさせることが可能となる。
図7(a)は、原稿読取ユニット102が原稿読取装置の読み取り動作中の最右端に、図7(b)は最左端にある場合を示す図である。
図7(a)の場合、ケーブル103は中継基板120に接続している個所からすぐに下枠109から離れている状態となっているが、図7(b)ではケーブル103のほとんどの部分が下枠109に接触している状態である。
ケーブル121は、原稿読取ユニット102の動作に関わり無く一定位置に固定できる。
ケーブル121は中継基板120から引き出された直後に下枠109に密着させるため、抑え部材502により複数箇所にわたって固定されて、下枠109の一部に設けられた開口部501を介して制御基板201へ接続される。
ケーブル121は下枠109に固定されるため、インピーダンスが安定していて、また下枠109を導電性部材で構成することによりシールドケーブルと同等の効果が得られるため、安価なFFCを用いることが可能である。
106 イメージセンサ基板
120 中継基板
121 ケーブル
201 制御基板
301 コネクタ
302 コネクタ
Claims (3)
- 原稿を読み取る原稿読取装置であって、
イメージセンサが実装されたイメージセンサ基板を有し、前記原稿読取装置の筺体内部を所定方向に移動可能な読取ユニットと、
前記読取ユニットから出力された前記原稿の画像信号を処理する制御部と、
前記読取ユニットの前記イメージセンサ基板に接続される第1ケーブルと、
前記制御部に接続される第2ケーブルと、
前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルが接続され、前記筺体に固定されている中継部と、を有し、
前記中継部のグランドが前記筺体に電気的に接続されており、
前記イメージセンサ基板の長手方向の長さと前記第1ケーブルの長さとの組み合わせに応じて生じる共振周波数が230MHz以上であることを特徴とする原稿読取装置。 - 前記中継部は、
前記第1ケーブルが接続される第1コネクタと、
前記第2ケーブルが接続される第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの間に設けられた配線パターンと、
前記配線パターンの周囲に設けられたグランドと、を有することを特徴とする請求項1記載の原稿読取装置。 - さらに、前記第2ケーブルを前記筺体に固定する抑え部材を有することを特徴とする請求項1又は2記載の原稿読取装置。
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