JP5229391B2 - 内燃機関の排気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気装置に関し、特に、排気ガスの排気方向の最下流に設けられたテールパイプの気柱共鳴による音圧の増大を抑制するようにした内燃機関の排気装置に関する。
自動車等の車両に用いられる内燃機関の排気装置としては、図32に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図32において、この排気装置4には、内燃機関としてのエンジン1から排気される排気ガスが、排気マニホールド2を通り、触媒コンバータ3によって浄化された後に導入されるようになっている。
排気装置4は、触媒コンバータ3に連結されたフロントパイプ5、フロントパイプ5に連結されたセンターパイプ6、センターパイプ6に連結された消音器としてのメインマフラ7、メインマフラ7に連結されたテールパイプ8およびテールパイプ8に介装されたサブマフラ9とから構成されている。
図33に示すように、メインマフラ7は、センターパイプ6の小孔6aから排気ガスが拡張されて導入される拡張室7aと、センターパイプ6の下流開口端6bが挿通される共鳴室7bとを備えており、センターパイプ6の下流開口端6bから共鳴室7bに導入される排気ガスは、ヘルムホルツ共鳴によって特定の周波数の排気音が消音される。
ここで、共鳴室7bに突出する部分のセンターパイプ6の突出部分の長さをL(m)、センターパイプ6の断面積をS(m)、共鳴室7bの容積をV(m)、空気中の音速をc(m/s)とするとき、空気中の共鳴周波数fn(Hz)は、ヘルムホルツ共鳴に関する下記の式(1)により求められる。
Figure 0005229391

式(1)から明らかなように、共鳴室7bの容積Vを大きくしたり、センターパイプ6の突出部分の長さLを長くして共鳴周波数を低周波数側にチューニングしたり、共鳴室7bの容積Vを小さくしたり、センターパイプ6の突出部分の長さLを短くして共鳴周波数を高周波数側にチューニングするようにしている。
サブマフラ9は、エンジン1の運転時の排気脈動によってテールパイプ8内でテールパイプ8の管長に対応した気柱共鳴が発生することによって音圧が増大するのを抑制するようになっている。
一般に、排気ガスの排気方向上流側および下流側にそれぞれ上流開口端8aおよび下流開口端8bを有するテールパイプ8は、エンジン1の運転時の排気脈動による入射波がテールパイプ8の上流開口端8aおよび下流開口端8bで反射することにより、テールパイプ8の管長Lを半波長とした周波数の気柱共鳴を基本成分として、その半波長の自然数倍の波長の気柱共鳴が発生する。
具体的には、基本振動(一次成分)の気柱共鳴の波長λは、テールパイプ8の管長Lの略2倍となり、二次成分の気柱共鳴の波長λは、管長Lの略1倍となる。また、三次成分の気柱共鳴の波長λは、管長Lの2/3倍となる。このように、テールパイプ8内には上流開口端8aおよび下流開口端8bが音圧の節となるような定在波ができる。
また、気柱共鳴周波数faは、下記式(2)で表される。
Figure 0005229391

ただし、c:音速(m/s) L:テールパイプの管長(m) n:次数
式(2)から明らかなように、音速cは、温度に応じた一定の値となるので、テールパイプ8の管長Lが長い程、気柱共鳴周波数faが低周波数側に移行して、低周波領域において、排気音の気柱共鳴による騒音の問題が起き易くなってしまうことがわかる。
例えば、音速cを400m/sとすると、テールパイプ8の管長Lが1.2mの場合、気柱共鳴による排気音の一次成分fは166.7Hz、二次成分fは333.3Hzとなる。他方、テールパイプ8の管長Lが3.0mの場合、気柱共鳴による排気音の一次成分fは66.7Hz、二次成分fは133.3Hzとなる。このように、テールパイプ8の管長Lを長くする程、気柱共鳴周波数faは、低周波数側に移行する。
また、エンジン1の排気脈動の周波数fe(Hz)は、下記式(3)に示される。
Figure 0005229391

ただし、Ne:エンジン回転数(rpm)、N:エンジンの気筒数(自然数)
また、特定のエンジン回転数Neに対応して発生した気柱共鳴による排気音の一次成分fで排気音の音圧レベル(dB)が著しく高くなっている。また、二次成分fでも排気音の音圧レベル(dB)が著しく高くなっている。
例えば、音速cを400m/sとすると、4気筒エンジンの場合には、N=4であるため、テールパイプ8の管長Lが3.0mの場合には、エンジン回転数Neが2000rpmになると、周波数66.7Hzの一次成分fの気柱共鳴が発生し、エンジン回転数Neが4000rpmになると、周波数133.3Hzの二次成分fの気柱共鳴が発生する。
特に、エンジン1の排気脈動の周波数が100Hz以下の低い周波数領域で気柱共鳴が発生するような場合に騒音が問題となる。例えば、前述のようにエンジン1の回転数が2000rpmの低回転数でテールパイプ8内に気柱共鳴が発生すると、この気柱共鳴の排気音が車室内に伝達され、車室内にこもり音を生じさせてしまい、運転者に不快感を与えてしまうことになる。
このため、気柱共鳴により発生する定常波の音圧が高い腹の部分に対して、テールパイプ8の最適な位置に、メインマフラ7より容量の小さなサブマフラ9を設け、気柱共鳴の発生を防止するようにしている。
したがって、例えば、音速cを400m/sとすると、サブマフラ9が設けられていない状態のテールパイプ8の管長Lが3.0mの場合には、上述したようにエンジン1の排気脈動の周波数が100Hz以下(エンジン回転数Neが3000rpm以下)で気柱共鳴が発生する。これに対して、テールパイプ8にサブマフラ9を介装してサブマフラ9から後方に延在するテールパイプ8の管長が1.5mとなると、気柱共鳴による排気音の一次成分fは、周波数=133.3Hzでエンジン回転数Neが4000rpmとなり、気柱共鳴周波数faが高周波数側に移行する。
このため、テールパイプ8にサブマフラ9を設けることで、エンジン1の回転数が2000rpmの低回転数で車室内にこもり音を生じさせてしまうのを抑制することができ、運転者に不快感を与えてしまうのを防止することができる。
他方、サブマフラ9を廃止するよう対策して、排気装置4の製造コストや重量を低減することが考えられる。この対策として、例えば、テールパイプ8の上流開口端8aに接続されるメインマフラ7の共鳴周波数を気柱共鳴周波数に合わせることによって、メインマフラ7の共鳴室内においてテールパイプ8の気柱共鳴の排気音を消音することが考えられる。
すなわち、式(1)に基づいて、共鳴室7bの容積Vを大きくしたり、センターパイプ6の突出部分の長さLを長くして、共鳴室7bの共鳴周波数を低周波数側にチューニングすることで、テールパイプ8内で発生する気柱共鳴を共鳴室7bで予め消音することが考えられる。
特開2006−46121号公報
このような従来のエンジン1の排気装置4にあっては、テールパイプ8の気柱共鳴をメインマフラ7の共鳴室7bによって低減するような構成では、共鳴室7bの容積Vを大きくする必要があるため、メインマフラ7が大型化してしまうという問題がある。また、メインマフラ7の大型化に伴って排気装置4の重量が増大してしまうとともに、排気装置4の製造コストが増大してしまうという問題がある。
また、車両の減速時にはアクセルペダルが解放されるため、エンジン1から排気装置4に排気されるガス量が急激に低減された排気流のみとなり、共鳴室7bに導入される空気圧が小さくなる。
このため、共鳴室7bにおいてヘルムホルツ共鳴を行うのに充分な空気量を得ることができず、テールパイプ8の気柱共鳴を抑制することが困難となってしまう。特に、車両の減速時にはエンジン1の回転数が急激に低下するため、2000rpm程度(気柱共鳴による排気音の一次成分f)の低回転数で車室内にこもり音を生じさせてしまい、運転者に不快感を与えてしまうことになる。
したがって、テールパイプ8の最適な位置にサブマフラ9を設け、テールパイプ8の気柱共鳴によって音圧が増大してしまうのを抑制する必要があり、結果的に、排気装置4の重量が増大してしまうとともに、排気装置4の製造コストが増大してしまうという問題が発生する。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、テールパイプにサブマフラを介装したり、テールパイプの上流開口端側に大容量の共鳴室を有する消音器を設けるのを不要にして、テールパイプの気柱共鳴によって音圧レベルが増大してしまうのを抑制することができ、重量を低減することができるとともに製造コストや設置スペースを低減することができる内燃機関の排気装置を提供することを課題とする。
本発明に係る内燃機関の排気装置は、上記課題を解決するため、一端部に内燃機関から排出された排気ガスの排気方向上流側の消音器に接続される上流開口端と、他端部に前記排気ガスを大気に排出するための下流開口端と、を有する排気管を備えた内燃機関の排気装置であって、前記排気管の前記排気方向上流側および前記排気方向下流側の少なくとも一方が、前記上流開口端および前記下流開口端のいずれかに向かうに従って拡径される拡径構造を有し、前記拡径構造の内部に、前記排気ガスの排気方向に貫通する開口部および前記排気管を閉口する閉口部を形成したプレートを、前記排気ガスの排気方向に対向して設け、前記開口部により生じる開口端反射波と、前記閉口部により生じる閉口端反射波と、が干渉するように、前記プレートを設けたことを特徴とする。
この排気装置においては、排気管の排気方向上流側および排気方向下流側の少なくとも一方が、上流開口端および下流開口端のいずれかに向かうに従って拡径される拡径構造を有し、拡径構造の内部に開口部を形成したプレートを設け、開口部により生じる開口端反射波と、閉口部により生じる閉口端反射波と、を干渉させるので、内燃機関の作動により脈動する排気ガスが排気管内に流入することにより発生する排気音が、拡径構造によって内部の反射が抑制され、また、排気音の周波数と排気管の気柱共鳴周波数とが一致したときに、排気音の入射波に対して同位相で開口部から反射される開口端反射波と、入射波に対して180°位相が異なるプレートから反射される閉口端反射波と、が干渉することにより打ち消し合い、排気音の音圧レベルを抑制することができる。
このように排気管における気柱共鳴の発生が抑制され、排気管の気柱共鳴による音圧レベルの増大が抑制されるので、特に、従来問題となっていた内燃機関の低回転時における車室内に発生するこもり音がなくなる。
その結果、従来のようにメインマフラに相当する消音器を大型化したり、排気管にサブマフラを介装することが不要となり、排気装置の重量の増大が防止されるとともに、排気装置の製造コストの増大が防止され、設置スペースが低減される。
上記構成を有する内燃機関の排気装置は、好ましくは、前記排気管の前記排気方向上流側および前記排気方向下流側の少なくとも一方に設けた前記拡径構造が、エクスポネンシャル形状部を有し、前記エクスポネンシャル形状部は、開口端に向かうに従って指数曲線を描くように拡径したことを特徴とする。
この排気装置においては、排気方向上流側に設けた拡径構造および排気方向下流側に設けた拡径構造の少なくとも一方が、エクスポネンシャル形状部を有しているので、排気方向上流側および排気方向下流側で入射波が途中反射することなく、プレートに確実に到達する。その結果、前述の開口端反射による反射波と閉口端反射による反射波とが、確実に打ち消し合い、排気音の反射波による気柱共鳴の発生がより確実に抑制される。ここで、指数曲線とは、一の変数の値に対して他の変数の値が定まる指数関数によって描かれる曲線をいう。
上記構成を有する内燃機関の排気装置は、好ましくは、前記プレートの前記開口部と前記閉口部とを合わせた総面積に対して前記開口部の開口面積を1/3の大きさに設定したことを特徴とする。
この排気装置においては、プレートの開口部の面積が、開口部を含むプレートの総面積の1/3となっているので、プレートにおける音波の反射率が0.5となり、閉口端反射波と、開口端反射波と、が1:1の割合で起こることとなり、位相差が180°異なり干渉により打ち消し合う互いの反射波が同一量となり、音圧レベルの低減効果を最大限に高めることができる。
本発明によれば、テールパイプにサブマフラを介装したり、テールパイプの上流開口端に大容量の共鳴室を有する消音器を設けるのを不要にして、テールパイプの気柱共鳴によって音圧レベルが増大してしまうのを抑制することができ、重量を低減することができるとともに製造コストや設置スペースを低減することができる内燃機関の排気装置を提供することができる。
本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、内燃機関の排気系の構成を示す斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、テールパイプが連結されたマフラの一部を断面で示すマフラの斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、図2のテールパイプとセンターパイプとの中心軸を通る面で切断されたマフラの縦断面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、テールパイプの下流開口端の斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、テールパイプの下流開口端の正面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、図5のA−A断面を示す断面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、マフラおよびテールパイプ内の排気ガスの流れを示す図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、テールパイプ内に発生する開口端反射による気柱共鳴の定在波を、縦軸に粒子速度を表し横軸にテールパイプの位置を模式的に表した粒子速度分布で説明する図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、テールパイプの音圧レベルとエンジン回転数との関係を示す図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、上流開口端で入射波Gが反射波R、Rに分配される状態を、縦軸に粒子速度を表し横軸にテールパイプの位置を模式的に表した粒子速度分布で説明する図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、テールパイプ内に発生する閉口端反射による気柱共鳴の定在波を、縦軸に粒子速度を表し横軸にテールパイプの位置を模式的に表した粒子速度分布で説明する図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、構成の一部が異なるテールパイプが連結されたマフラの一部を断面で示すマフラの斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図であり、構成の一部が異なる図12のテールパイプとセンターパイプとの中心軸を通る面で切断されたマフラの縦断面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第2実施形態を示す図であり、内燃機関の排気系の構成を示す斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第2実施形態を示す図であり、テールパイプが連結されたマフラの一部を断面で示すマフラの斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第2実施形態を示す図であり、図15のテールパイプとセンターパイプとの中心軸を通る面で切断されたマフラの縦断面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第2実施形態を示す図であり、テールパイプの下流開口端の斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第2実施形態を示す図であり、テールパイプの下流開口端の正面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第2実施形態を示す図であり、図18のB−B断面を示す断面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第2実施形態を示す図であり、エクスポネンシャル拡径構造を説明するための説明図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第3実施形態を示す図であり、テールパイプの下流開口端の斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第3実施形態を示す図であり、図21の断面を示す断面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第3実施形態を示す図であり、テールパイプの開口端補正を説明する模式図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第3実施形態を示す図であり、構成の一部が異なるテールパイプの下流開口端の正面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第4実施形態を示す図であり、テールパイプの下流開口端の斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第4実施形態を示す図であり、図25の断面を示す断面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第5実施形態を示す図であり、テールパイプの下流開口端の斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第5実施形態を示す図であり、図27の断面を示す断面図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第6実施形態を示す図であり、テールパイプの下流開口端の斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第7実施形態を示す図であり、テールパイプの下流開口端の斜視図である。 本発明に係る内燃機関の排気装置の第7実施形態を示す図であり、図30の断面を示す断面図である。 従来の排気装置を備えた排気系の構成を示す斜視図である。 従来の排気装置を備えた排気系を示す図であり、両端が開口端となるテールパイプが連結されたマフラの縦断面図である。
以下、本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態ないし第7実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図13は、本発明に係る内燃機関の排気装置の第1実施形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
本第1実施形態に係る排気装置20は、図1に示すように、直列4気筒の内燃機関としてのエンジン21に適用されたもので、このエンジン21に接続された排気マニホールド22に接続されている。この排気装置20においては、エンジン21から排出される排気ガスが浄化されるとともに、排気音が抑制されて排気ガスが大気に排出されるようになっている。
なお、エンジン21は、直列4気筒に限らず、直列3気筒または直列5気筒以上であってもよく、左右に分割されたそれぞれのバンクに3気筒以上の気筒を有するV型エンジンであってもよい。
排気マニホールド22は、エンジン21の第1気筒から第4気筒にそれぞれ連通する排気ポートにそれぞれ接続される4つの排気枝管22a、22b、22c、22dと、排気枝管22a、22b、22c、22dの下流側を集合させる排気集合管22eとから構成されており、エンジン21の各気筒から排気される排気ガスが排気枝管22a、22b、22c、22dを介して排気集合管22eに導入されるようになっている。
排気装置20は、触媒コンバータ24、円筒状のフロントパイプ25、円筒状のセンターパイプ26、消音器としてのマフラ27および円筒状の排気管としてのテールパイプ28を備えている。この排気装置20は、車体の床下に弾性的に垂下されるようにしてエンジン21の排気ガスの排気方向下流側に設置されている。なお、排気方向下流側または上流側とは、エンジン21から排出される排気ガスが排気装置20内で流動する方向の上流側を示し、排気方向下流側または下流側とは、排気ガスが排気装置20内で流動する方向の排気ガスの下流側、すなわち、上流側と反対方向を示す。
触媒コンバータ24の上流側の端部は、排気集合管22eの下流側の端部に接続されており、触媒コンバータ24の下流側の端部は、自在継手29を介してフロントパイプ25に接続されている。この触媒コンバータ24は、ハニカム基材または粒状の活性アルミナ製担体に白金、パラジウム等の触媒を付着させたものが本体ケースに収納されたものから構成され、NOxの還元やCO、HCの酸化を行うようになっている。
自在継手29は、ボールジョイント等の球面継手から構成されており、触媒コンバータ24とフロントパイプ25との相対変位を許容するようになっている。また、フロントパイプ25の下流側の端部には自在継手30を介してセンターパイプ26の上流側の端部が接続されている。自在継手30は、ボールジョイント等の球面継手から構成されており、フロントパイプ25とセンターパイプ26との相対変位を許容するようになっている。
センターパイプ26の下流側の端部は、マフラ27に接続されており、このマフラ27は、排気音の消音を行うようになっている。
図2、図3に示すように、マフラ27は、中空筒状に形成されたアウタシェル31と、アウタシェル31の両端を閉塞するエンドプレート32、33と、エンドプレート32とエンドプレート33との間に介装された仕切板34とを備えている。このアウタシェル31、エンドプレート32、33および仕切板34は消音器本体を構成している。
本第1実施形態に係るマフラ27は、本発明に係る内燃機関の排気装置の消音器を構成している。
アウタシェル31内に設けられた仕切板34は、アウタシェル31内を排気ガスを拡張するための拡張室35およびヘルムホルツ共鳴によって特定の周波数の排気音を消音するための共鳴室36に区画している。また、エンドプレート32と仕切板34にはそれぞれ挿通孔32a、34aが形成されており、この挿通孔32a、34aにはセンターパイプ26の下流側の端部、すなわち、センターパイプ26のうちマフラ27の内部に収納されている部分からなるインレットパイプ部26Aが挿通されている。
このインレットパイプ部26Aは、拡張室35および共鳴室36に収納されるようにしてエンドプレート32および仕切板34に支持されており、下流開口端としての下流開口端26bが共鳴室36に開口している。
また、インレットパイプ部26Aにはインレットパイプ部26Aの延在方向(排気ガスの排気方向)および周方向に複数の小孔26aが形成されており、インレットパイプ部26Aの内部と拡張室35とは、小孔26aを介して連通している。
したがって、センターパイプ26のインレットパイプ部26Aを通してマフラ27に導入される排気ガスは、小孔26aを介して拡張室35に導入されるとともに、インレットパイプ部26Aの下流開口端26bから共鳴室36に導入される。
そして、共鳴室36に導入される排気ガスは、ヘルムホルツ共鳴によって特定の周波数(Hz)の排気音が消音される。
すなわち、共鳴室36に突出するインレットパイプ部26Aの突出部分の長さをL(m)、インレットパイプ部26Aの断面積をS(m)、共鳴室36の容積をV(m)、空気中の音速をc(m/s)とするとき、空気中の共鳴周波数fb(Hz)はヘルムホルツ共鳴に関する下記の式(4)により求められる。
Figure 0005229391
式(4)から明らかなように、共鳴室36の容積Vを小さくしたり、インレットパイプ部26Aの突出部分の長さLを短くしたり、インレットパイプ部26Aの断面積Sを大きくすることにより、共鳴周波数を高周波数側にチューニングすることができる。また、共鳴室36の容積Vを大きくしたり、インレットパイプ部26Aの突出部分の長さLを長くしたり、インレットパイプ部26Aの断面積Sを小さくすることにより、共鳴周波数を低周波数側にチューニングすることができる。
一方、仕切板34とエンドプレート33にはそれぞれ挿通孔34b、33aが形成されており、この挿通孔34b、33aにはテールパイプ28の上流側の端部、すなわち、テールパイプ28のうちマフラ27の内部に収納されている部分からなるアウトレットパイプ部28Aが挿通されている。
テールパイプ28は、円筒状のパイプからなり、アウトレットパイプ部28Aの上流側の端部には上流開口端28aが設けられている。また、テールパイプ28の下流側の端部には下流開口端28bが、図3に示すように、上流開口端28aから距離Lだけ離隔して設けられている。また、アウトレットパイプ部28Aは、上流開口端28aが拡張室35に開口するようにして挿通孔34b、33aに挿通されることにより、マフラ27に接続されている。
このテールパイプ28の排気方向下流側には、図4、図5および図6に示すように、開口端の外方に向かうに従って拡径される拡径構造38が設けられるとともに、排気ガスの排気方向に対向してプレート41が設けられている。
この拡径構造38は、図6に示すように、テールパイプ28と同じ内径Dを有し、テールパイプ28と接続される基端部38aと、内径Dよりも大きい内径Dを有し、基端部38aと対向する先端部38bと、基端部38aと先端部38bとの間に形成され、内径が基端部38aから先端部38bに近づくほど内径がDからDに徐々に大きくなる円錐部38cとを備えている。
円錐部38cは、基端部38aの内周上の点Paと、先端部38bの内周上の点Pbとを結ぶ直線Laと、テールパイプ28の内周部28cに接し、点Paを通りテールパイプ28の軸線方向に延びる直線Lbとがなす角がθとなるように形成されている。
したがって、点Paと点Pbとの間の軸線方向の距離Lは、次式(5)で表される。
Figure 0005229391

一般に、断面積が一定のパイプ内を通過する音波は、平面波となって進行するが、その断面積が変化すると、その変化した部分で音波の反射が起きることが知られている。
しかしながら、その断面積が変化した場合でも、その変化した部分が、このような円錐部38cを備えていると、排気音がテールパイプ28に入射し、その入射波が、円錐部38cを通過する際、排気音の平面波の変化が抑制され、円錐部38c内で反射が抑制されるようになっている。
ここで、内径D、内径Dおよびなす角θは、本第1実施形態に係る排気装置20が適用される車両の設計諸元、シミュレーション、実験や経験値などのデータに基づいて適宜選択される。なお、基端部38aの内周上の点Paと、先端部38bの内周上の点Pbとを結ぶ線を直線Laで説明したが、この基端部38aの内周上の点Paと、先端部38bの内周上の点Pbとを結ぶ線を緩やかな凹形状を形成する大きな曲率半径を有する曲線で構成するようにしてもよい。
プレート41は、拡径構造38の先端部38bの内径Dとほぼ同じ外径を有する外周部41aと、テールパイプ28内を流動する排気ガスの排気方向に対向する側面部41bとを備えている。この側面部41bには、内径Dとほぼ同じ直径Dの円形の貫通孔が形成され、この貫通孔によってプレート41の開口部41dが構成されている。したがって、この側面部41bは、この開口部41dと、この開口部41d以外の部分で構成される閉口部41eとを備えており、この開口部41dから排気ガスが大気に排出されるようになっている。
ここで、このプレート41は、テールパイプ28内を流動する排気ガスの排気方向に対向するように設けられているが、より具体的には、テールパイプ28の軸線方向に直交するようにテールパイプ28に取り付けられている。また、プレート41は、外周部41aとテールパイプ28の内周部28cとが密着するよう、テールパイプ28に取り付けられている。ここで、プレート41のテールパイプ28に対する取付方法は、接合や圧力などの固定方法が好ましい。なお、この取付方法に代えて、絞り加工などの一体形成方法により加工してもよい。
プレート41は、側面部41bの排気方向上流側の反射面部41fが、テールパイプ28の下流開口端28bから、距離Lだけ離隔するよう、外周部41aでテールパイプ28の内周部28cに設けられている。この反射面部41fには、拡径構造38を通過した排気音が、平面波の状態を維持しつつ到達するようになっている。
このプレート41の側面部41bにおいては、テールパイプ28に入射した入射波に対して、開口部41dで、いわゆる開口端反射が起き、閉口部41eで、いわゆる閉口端反射が起きるようになっている。すなわち、プレート41の反射面部41fで排気音の反射が行われている。
この場合、開口部41dおよび閉口部41eで分配された開口端反射および閉口端反射による反射波が互いに打ち消し合い、その結果、互いの干渉効果により反射音の音圧レベルが低減される。なお、反射面部41fは、排気音の入射波や反射波を反射する面からなり、開口部41dおよび閉口部41eの一部により構成されている。
この反射音の最適な消音効果を得るため、図5に示す開口部41dの開口面積S(m)と、プレート41の開口部41dを含む側面部41bの総面積S(m)は、次式(6)を満たすよう、その開口部41dが形成されている。
Figure 0005229391
式(6)は、次のようにして導くことができる。すなわち、反射音の最適な消音効果を得るためには、開口部41dの排気音の粒子速度の反射率をRvとし、開口部41dの排気音の粒子速度の透過率をTvとし、閉口部41eの排気音の粒子速度の反射率をRvとすると、(Rv×Tv)とRvとを、重ね合わせるため、正負が逆で同等にすればよいということが知られている。すなわち、(Rv×Tv)+Rv=0、とすればよい。
ここで、テールパイプ28の内部の媒質の固有音響インピーダンスをZ、テールパイプ28のプレート41の開口部41d付近の媒質の固有音響インピーダンスをZ、テールパイプ28の外部の下流開口端28b付近、すなわち大気側の媒質の固有音響インピーダンスをZとし、大気開放側の開口面積Sに対向する面積をSとすると、反射率Rv、透過率Tvおよび反射率Rvは、次式(7)、(8)、(9)によりそれぞれ表される。
Figure 0005229391
Figure 0005229391
Figure 0005229391

したがって、(Rv×Tv)+Rv=0、は次のように表される。
Figure 0005229391
ここで、固有音響インピーダンスは、媒質の密度ρ(Kg/m)と音速c(m/s)の積で表されるので、Z=ρ、Z=ρ、Z=ρとなる。そして、テールパイプ28の内部の媒質ρおよび音速cと、テールパイプ28のプレート41の開口部41d付近の媒質ρと、テールパイプ28の外部の下流開口端28b付近、すなわち大気側の媒質ρは、ともに排気ガスである。なお、エンジン21が、燃料の無噴射状態で回転している場合には、ともに空気となることがある。ともに排気ガスおよび空気の場合には、ρ=ρ=ρとなるので、Z=Z=Zとなり、式(10)は、次式(11)で表される。
Figure 0005229391

ここで、面積Sは、大気開放となるため、その面積Sは∞、すなわち無限大となる。したがって、式(11)の面積Sを∞として計算すると、前述の式(6)が得られることになる。
次に、排気装置20の作用および気柱共鳴の発生する理由について説明する。
排気装置20の上流側のエンジン21が始動されると、エンジン21の各気筒から排気される排気ガスは、排気マニホールド22から触媒コンバータ24に導入され、触媒コンバータ24によってNOxの還元やCO、HCの酸化が行われる。
触媒コンバータ24で浄化されて排気される排気ガスは、フロントパイプ25およびセンターパイプ26を通して排気装置20のマフラ27に導入される。マフラ27に導入される排気ガスは、図7の矢印で示すように、インレットパイプ部26Aの小孔26aを介して拡張室35に導入されるとともに、インレットパイプ部26Aの下流開口端26bから共鳴室36に導入される。
拡張室35に導入された排気ガスは、アウトレットパイプ部28Aの上流開口端28aを通してテールパイプ28に導入された後、テールパイプ28の下流開口端28bにおける拡径構造38の先端部38bに設けられたプレート41の開口部41dを通って大気に排出される。この下流開口端28b側に設けられたプレート41は、拡径構造38によって、テールパイプ28内径Dよりも、大きい内径Dになっており、プレート41の開口部41dがテールパイプ28の内径Dと同等の大きさを有する内径Dで形成されているので、排気ガスが開口部41dを通過する際、スムースに通過し、排気ガスの背圧が高まるのが抑制される。
エンジン21の運転時にエンジン21の各爆発気筒で励起される排気脈動により、エンジン21の回転数(rpm)に応じて変化する周波数(Hz)の排気音が各爆発気筒から発生する。この排気音は、エンジン21の回転数が増大するにつれて周波数が大きくなるものであり、排気ガスを媒体として、排気マニホールド22、触媒コンバータ24、フロントパイプ25およびセンターパイプ26を通ってマフラ27のインレットパイプ部26Aに入射する。
インレットパイプ部26Aに入射した排気音は、インレットパイプ部26Aの小孔26aを介して拡張室35に侵入し、拡張されて、全周波数帯域に亘って排気音の音圧レベルが低減される。また、インレットパイプ部26Aに入射した排気音は、下流開口端26bから共鳴室36に侵入する。共鳴室36に侵入した排気音は、ヘルムホルツ共鳴によって設定された特定周波数の排気音の音圧レベルが低減される。
また、拡張室35に侵入した排気音は、テールパイプ28に入射し、この入射波がテールパイプ28の下流開口端28bのプレート41で反射して反射波となる。
ここで、下流開口端28b側に形成された拡径構造38によって、プレート41の開口部41dを含む側面部41bの総面積Sが、テールパイプ28の断面積よりも大きくなっているが、拡径構造38が、前述の円錐部38cを有しているので、拡径構造38内で、排気音が反射することを抑制することができる。
したがって、テールパイプ28に入射した排気音は、拡径構造38内を通過する際、反射することなく、確実にプレート41の反射面部41fに到達する。
また、開口端反射による反射波および閉口端反射による反射波は、互いに打ち消し合う干渉が起きるとともに、開口端反射による反射波および閉口端反射による反射波は、テールパイプ28の上流開口端28aでさらに反射し下流開口端28b方向に入射波と同様にそれぞれ進行し、プレート41で入射波と同様に再反射する。このような反射が繰り返されることになり、定在波が発生する。
本来、パイプの開口端のような同じ媒質を有する媒体同士の境界では、媒質が同じであり、反射は起きず音波は透過してしまうようにも思われる。しかしながら、テールパイプ28のような、排気音の波長に対して充分に小さな断面の寸法を有するパイプ内を進行する排気音は疎密波からなる平面波となり、下流開口端28bおよび上流開口端28aで反射する。
下流開口端28bで開口端反射が起こる理由としては、次のものが挙げられる。すなわち、テールパイプ28内を流れる排気ガスの圧力は高くなっており、テールパイプ28の下流開口端28bの外側の大気圧はテールパイプ28内を流れる排気ガスの圧力よりも低くなっている。このため、入射波が下流開口端28bから勢いよく大気に飛び出すことで下流開口端28b内の排気ガスの圧力が低くなる低圧部が発生し、この低圧部分がテールパイプ28内を上流開口端28aに向かって進行し始めるからである。
したがって、反射波は、入射波と逆向きの平面波となり入射波と逆向きに進行することになる。また、上流開口端28a側で反射波が発生する理由も下流開口端28bで反射波が発生する理由と同様である。
そして、下流開口端28bの開口部41dに向かう入射波と下流開口端28bの開口部41dと離隔する方向に向かう第1の反射波とが干渉する。さらに、第1の反射波が、上流開口端28aの開口で反射し、開口部41dに向かう第2の反射波となり、この第2の反射波と、第1の反射波および入射波が上流開口端28aと下流開口端28bとの間で繰り返され、それぞれが干渉する。
このように、入射波の反射が繰り返されることで、テールパイプ28の上流開口端28aの開口および下流開口端28bの開口部41dとの間で定在波ができることになる。
また、この定在波は、テールパイプ28の管長Lと定在波の波長λとが特定の関係にあるとき、テールパイプ28の上流開口端28aの開口および下流開口端28bの開口部41dがそれぞれ粒子速度の腹となるような定在波ができ、この場合には、振幅が著しく大きくなり、気柱共鳴が生じる。この気柱共鳴は、テールパイプ28の管長Lを半波長とした周波数を基本として、この基本周波数の自然数倍の周波数の気柱共鳴が発生、波長としては基本の波長を自然数で割った長さの波長の気柱共鳴が発生して音圧が著しく増大し、騒音となってしまう。
具体的には、図8に気柱共鳴の定在波の粒子速度分布を示すように、排気音の基本振動からなる一次成分の気柱共鳴の波長λは、テールパイプ28の管長Lの略2倍となり、基本振動の二倍の二次成分の気柱共鳴の波長λは、管長Lの略1倍となる。また、基本振動の三倍の三次成分の気柱共鳴の波長λは、管長Lの2/3倍となり、図8から明らかなように、それぞれの定在波は、テールパイプ28の上流開口端28aおよび下流開口端28bが粒子速度の腹となり、粒子速度が最大となる。
また、排気音の一次成分ないし三次成分の気柱共鳴の定在波における音圧分布は、図8に示す粒子速度分布の腹と節がそれぞれと逆になり、テールパイプ28の上流開口端28aおよび下流開口端28bが音圧の節となり、音圧が0となる。
さらに、図9に示すように、排気音の音圧レベル(dB)は、エンジン回転数Ne(rpm)が増大するのに伴って一次成分f、二次成分fの共鳴周波数(Hz)に対応するエンジン回転数Neで増大する。
ここで、音速をc(m/s)、テールパイプ28の長さをL(m)、次数をnとしたときの気柱共鳴周波数fc(Hz)は、次式(12)で表される。
Figure 0005229391
音速cを400m/sとし、テールパイプ28の管長Lを3.0mとした場合には、上記式(12)に基づいてテールパイプ28の気柱共鳴による排気音の一次成分fは、66.7Hz、二次成分fは、133.3Hzとなり、エンジン21の回転数に対応した気柱共鳴による共鳴周波数の一次成分fと二次成分fで排気音の音圧レベル(dB)が高くなる。
また、本第1実施形態では、エンジン21が4気筒であるため、前述の式(3)において、N=4となり、エンジン回転数Neが2000rpmのときに一次成分fの気柱共鳴により排気音の音圧レベル(dB)が増大し、エンジン回転数Neが4000rpmのときに二次成分fの気柱共鳴により排気音の音圧レベル(dB)が増大する。
特に、排気音の一次成分fの気柱共鳴のような100Hz以下の低周波の低速回転域では、車室内にこもり音を生じさせてしまい、運転者に不快感を与えてしまうことになる。三次成分の気柱共鳴周波数では、エンジン回転数Neは、6000rpmとなり、四次成分の気柱共鳴周波数では、エンジン回転数Neは、8000rpmとなるように、多数次成分の気柱共鳴周波数も起こりうるが、このような気柱共鳴による騒音は、運転者に気にならないものとなるので、図9では、三次成分以降の多数次成分については、図示していない。
本第1実施形態に係る排気装置においては、エンジン回転数Neが低回転の2000rpm(一次成分f)および中回転の4000rpm(二次成分f)のときに、従来のテールパイプにおいて発生する気柱共鳴によって音圧レベル(dB)が増大してしまうのを確実に抑制するようにしたものである。
次に、気柱共鳴によって音圧レベルが増大してしまうのを抑制することができる理由を説明する。
前述のようにプレート41の開口部41dで、テールパイプ28に入射した入射波に対して、開口端反射が起き、閉口部41eで、閉口端反射が起きる。換言すれば、プレート41の反射面部41fで開口端反射および閉口端反射が起きる。
具体的には、反射波は、入射波に対して同位相で、プレート41の開口部41dを含む側面部41bの総面積Sの約33%を占める開口部41dで反射する開口端反射による反射波と、入射波に対して180°位相が異なり、前述の総面積Sの約67%を占めるプレート41の側面部41bの閉口部41eで反射する閉口端反射による反射波とに分配される。開口部41dおよび閉口部41eで分配された開口端反射および閉口端反射による反射波は、互いに打ち消し合い、その結果、反射音の音圧レベルが低減され、気柱共鳴によって音圧レベル(dB)が増大してしまうのが抑制される。
この場合、この反射音の最適な消音効果を得るため、前述のように開口端反射と閉口端反射との分配の割合が半分づつになるよう、プレート41における入射する排気音の反射率Rpが0.5に設定されている。この反射率Rpを0.5にするため、図5に示す開口部41dの開口面積S(m)と、プレート41の開口部41dを含む側面部41bの総面積S(m)は、前述の式(6)に示すように、S≒(1/3)Sを満たすよう、その開口部41dが形成されている。
まず、図10を参照して、エンジン21の運転時の排気脈動による排気音の入射波Gがテールパイプ28内に入射し、この入射波Gがテールパイプ28の管長Lを半波長とする入射波Gである場合、すなわち開口端反射について説明する。
入射波Gの周波数がテールパイプ28が有している気柱共鳴周波数に合致すると、図10に示すように、テールパイプ28の下流開口端28b側に設けられたプレート41の開口部41dから入射波Gの一部が透過波Gとなって大気中に侵入する。他方、プレート41の開口部41dにおいて前述の開口端反射が起こり、開口部41dにおける入射波Gが実線で示す反射波Rとなってプレート41と離隔する方向に進行する。
この反射波Rは、入射波Gに対して同位相となる。すなわち、テールパイプ28内の狭い気柱を伝わってきた密または疎の排気ガスや空気の固まりは、開口部41dにおいて大気の広い空間との境界に達した途端、一気に膨張し、その慣性でそれまで密だったところに疎が形成され、この疎が新たな波源となって反射波Rは気柱を今進行してきた向きに引き返していくことになり、密は疎に、疎は密になるので入射波Gの位相がそのまま反射波Rの位相となり、反射波Rは、入射波Gに対して同位相となる。
このように、入射波Gと反射波Rとが同位相であるので、本来この反射波Rは入射波Gと同一線上に重なっているが、説明の便宜上、図10においては、反射波Rを入射波Gに対して下方にずらしている。
他方、テールパイプ28の下流開口端28b側に設けられたプレート41の閉口部41eにおいて前述の閉口端反射が起こり、閉口部41eにおける入射波Gが破線で示す反射波Rとなってプレート41と離隔する方向に進行する。
この反射波Rは、入射波Gに対して逆位相となり、反射波Rに対して180°位相が異なっている。すなわち、テールパイプ28内の狭い気柱を伝わってきた密または疎の排気ガスや空気の固まりは、閉口部41eにおいて、その壁面に衝突し密は密のまま、疎は疎のまま跳ね返るので入射波Gの位相が逆転し、反射波Rの位相となり、反射波Rは、入射波Gに対して逆位相となる。
このように、入射波Gと反射波Rとが逆位相となる。本来この反射波Rは入射波Gと位相0の横線を中心として対称となっているが、説明の便宜上、図10においては、反射波Rと反射波Rとが位相0の横線を中心として対称になるよう、反射波Rを位相0の横線方向にずらしている。
この反射波Rと反射波Rは位相が逆であるが、粒子速度の大きさは同じであるため、互いに打ち消し合うよう干渉し、テールパイプ28内の気柱においては、気柱共鳴は起きないことになる。その結果、図9に示すように、気柱共鳴による排気音の破線で示す一次成分fが実線で示すように抑制され、排気音の音圧レベルが大幅に低減される。
また、一次成分fを基本振動とした二次成分fの気柱共鳴に対しても、図10と同様にテールパイプ28の下流開口端28bから反射される反射波が、入射波Gに対して同位相の開口部41dによる反射波Rと入射波Gに対して180°位相が異なる閉口部41eによる反射波Rとに分配されて、反射波Rと反射波Rとが互いに打ち消し合うよう干渉する。その結果、図9に示すように、気柱共鳴による排気音の破線で示す二次成分fが実線で示すように抑制され、排気音の音圧レベルが大幅に低減される。
次に、エンジン21の運転時の排気脈動による入射波Gがテールパイプ28内に入射し、この入射波Gの波長がテールパイプ28の管長Lの1/4波長を基本とする入射波Gである場合について説明する。
開口端反射は、図8に示すように、テールパイプ28の管長Lを半波長とした周波数を基本として、このときの基本波長を自然数で割った長さの波長の気柱共鳴が発生するものである。
これに対し、閉口端反射は、図11に示すように、テールパイプ28の管長Lを1/4波長とした周波数の気柱共鳴を基本成分として、このときの基本波長を奇数で割った長さの波長の気柱共鳴が発生するものであり、テールパイプ28の上流開口端28aから管内に入射された入射波が閉口端で入射波と180°異なる位相で反射するものである。
具体的には、図11に示すように、基本振動からなる一次成分の気柱共鳴の波長λは、テールパイプ28の管長Lの略4倍となり、二次成分の気柱共鳴の波長λは、管長Lの略4/3倍となる。また、三次成分の気柱共鳴の波長λは、管長Lの4/5倍となり、閉口端が粒子速度の節、開口端が粒子速度の腹となるような定在波ができる。
また、一次成分ないし三次成分の気柱共鳴の定在波における音圧分布は、粒子速度分布と腹と節がそれぞれ逆になり、閉口端が音圧の腹、開口端が音圧の節となるような定在波ができる。
排気音の音圧レベル(dB)の共鳴周波数による増大は、入射波Gの波長がテールパイプ28の管長Lの1/4波長を基本とする入射波Gである場合も、入射波Gの波長がテールパイプ28の管長Lの半波長を基本とする入射波Gである場合と同様に起きる。
すなわち、図9に示すグラフと同様に、排気音の音圧レベル(dB)は、エンジン回転数Ne(rpm)が増大するのに伴って一次成分f、二次成分fの共鳴周波数(Hz)に対応するエンジン回転数Neで増大する。
ここで、音速をc(m/s)、テールパイプ28の長さをL(m)、次数をnとしたときの気柱共鳴周波数fd(Hz)は、次式(13)で表される。
Figure 0005229391
音速cを400m/sとし、テールパイプ28の管長Lを3.0mとした場合には、上記式(13)に基づいてテールパイプ28の気柱共鳴による排気音の一次成分fは、33.3Hz、二次成分fは100Hzとなり、エンジン21の回転数に対応した気柱共鳴による共鳴周波数の一次成分fと二次成分fで排気音の音圧レベル(dB)が高くなる。
また、本第1実施形態では、エンジン21が4気筒であるため、前述の式(3)において、N=4となり、エンジン回転数Neが1000rpmのときに一次成分fの気柱共鳴により排気音の音圧レベル(dB)が増大し、エンジン回転数Neが3000rpmのときに二次成分fの気柱共鳴により排気音の音圧レベル(dB)が増大する。
本第1実施形態では、エンジン21の運転時の排気脈動によりテールパイプ28の管長Lを1/4波長とする入射波Gがテールパイプ28内に入射すると、この入射波Gの周波数とテールパイプ28の気柱共鳴周波数とが一致することになる。
このとき、テールパイプ28の下流開口端28bから反射される反射波が、入射波Gに対して同位相の開口部41dによる開口端反射の反射波Rと入射波Gに対して180°位相が異なる閉口部41eによる閉口端反射の反射波Rとに分配される。
この反射波Rと反射波Rは位相が逆であるが、粒子速度の大きさは同じであるため、互いに打ち消し合うよう干渉し、気柱共鳴による排気音の一次成分fが抑制され、排気音の音圧レベルが大幅に低減される。
また、一次成分fを基本振動とした二次成分fの気柱共鳴に対しても、図10と同様にテールパイプ28の下流開口端28bから反射される反射波が、入射波Gに対して同位相のプレート41の開口部41dで反射する反射波Rと入射波Gに対して180°位相が異なるプレート41の閉口部41eで反射する反射波Rとに分配される。このとき、反射波Rと反射波Rとが互いに打ち消し合い、気柱共鳴による排気音の二次成分fが抑制され、排気音の音圧レベルが大幅に低減される。
本第1実施形態に係る排気装置20のマフラ27の長さ(mm)、外形の大きさ(mm)および共鳴室や拡張室の個数、インレットパイプ部26Aおよびテールパイプ28の内径(mm)、厚さ(mm)および長さ(mm)、プレート41の厚さ(mm)、プレート41の開口部41dを含む側面部41bの総面積S、開口面積S、距離L(mm)、L(mm)、L(mm)、L(mm)は、本第1実施形態に係る排気装置20が適用される車両の設計諸元、シミュレーション、実験や経験値などのデータに基づいて適宜選択される。
本第1実施形態に係る内燃機関の排気装置20においては、前述のように構成されているので、次の効果が得られる。
すなわち、本第1実施形態に係る内燃機関の排気装置20は、エンジン21から排出された排気ガスを大気に排出するテールパイプ28を備えている。そして、このテールパイプ28が、排気ガスの排気方向上流側のマフラ27に接続される上流開口端28aと、マフラ27よりも下流側で大気に排気ガスを排出するための下流開口端28bとを有している。このテールパイプ28の排気方向下流側に、下流開口端28bに向かうに従って拡径される拡径構造38が設けられるとともに、この拡径構造38の内部に排気ガスの排気方向に対向してプレート41が設けられ、このプレート41の排気方向に貫通する1つの開口部41dが形成されたことを特徴としている。そして、この開口部41dの開口面積Sは、プレート41の開口部41dを含む側面部41bの総面積Sに対して約1/3の大きさに設定されている。そして、この拡径構造38には、円錐部38cが形成されている。
その結果、テールパイプ28の下流側に拡径構造38が設けられているので、プレート41に形成する開口部41dの開口面積Sを大きくすることができる。そして、この拡径構造38に円錐部38cが形成されているので、テールパイプ28内に入射した排気音は、この拡径構造38で反射することなく、確実にプレート41の反射面部41fに到達することができるという効果が得られる。
そして、プレート41に開口部41dが形成されるので、プレート41によって下流開口端28bに開口部41dだけでなく閉口部41eも画成されることになる。
このように下流開口端28bに閉口部41eも画成されるようにすれば、エンジン21の運転時の排気脈動による入射波が、テールパイプ28内に入射し下流開口端28bに到達した際、テールパイプ28の下流開口端28bから反射される反射波を、次のように分配することができる。
すなわち、入射波に対して同位相で開口部41dから反射される、いわゆる開口端反射による反射波と、入射波に対して180°位相が異なる閉口部41eから反射される、いわゆる閉口端反射による反射波とに分配することができる。
このため、開口端反射による反射波と閉口端反射による反射波とが互いに打ち消し合うよう干渉することで、テールパイプ28の気柱共鳴によって音圧レベルが増大してしまうのを抑制することができ、高い消音効果が得られる。
特に、この入射波の周波数とテールパイプ28の固有の気柱共鳴周波数とが一致したときに、開口端反射による反射波と閉口端反射による反射波との干渉効果が顕著に現われ、テールパイプ28における気柱共鳴の発生が抑制されるという効果が得られる。
このようにテールパイプ28の下流開口端28b側に開口部41dを有するプレート41が設けられると、テールパイプ28の気柱共鳴による音圧の増大が抑制される。特に、エンジン21の低回転時に車室内におけるこもり音の発生が防止されるという効果が得られる。
また、従来のようにメインマフラに相当する消音器を大型化したり、テールパイプ28にサブマフラを介装することが不要となるため、テールパイプ28にプレート41を設けるだけの簡単構造で、排気装置の重量の増大が防止されるとともに、排気装置の製造コストの増大が防止され、設置スペースが低減されるという効果が得られる。
特に、プレート41の側面の開口部41dを含む側面部41bの総面積Sに対して開口部41dの開口面積Sが約1/3の大きさ、すなわちテールパイプ28の下流開口端28bの開口率を約33%にすることができる。この場合、エンジン21の運転時の排気脈動による入射波がテールパイプ28内に入射し下流開口端28bに到達した際、テールパイプ28の下流開口端28bから反射される反射波を、次のように効果的に分配することができる。
すなわち、入射波に対して同位相で、総面積の約33%を占める開口部41dから反射される開口端反射による反射波と、入射波に対して180°位相が異なり、前述の総面積の約67%を占める閉口部41eから反射される閉口端反射による反射波とに分配することができる。
このため、開口端反射による反射波と閉口端反射による反射波とが互いに確実に打ち消し合うよう干渉することで、テールパイプ28の気柱共鳴によって音圧が増大してしまうのを確実に抑制することができるという効果が得られる。したがって、高い消音効果を得ることができる。
この入射波の周波数とテールパイプ固有の気柱共鳴周波数とが一致したときに、開口端反射による反射波と閉口端反射による反射波との干渉効果が顕著に現われ、テールパイプ28における気柱共鳴の発生がより一層抑制されるという効果が得られる。
本第1実施形態に係る排気装置20においては、テールパイプ28の管長Lを半波長とする波長を基本波長として、この基本波長を自然数で割った長さの波長の気柱共鳴が発生した場合であっても、テールパイプ28の気柱共鳴によって音圧が増大してしまうのを抑制することができ、エンジン21の低回転時(2000rpm)に車室内にこもり音が発生するのを防止することができるという効果が得られる。
また、テールパイプ28の管長Lを1/4波長とする波長を基本波長として、この基本波長を奇数で割った長さの波長の気柱共鳴が発生した場合であっても、テールパイプ28の気柱共鳴によって音圧が増大してしまうのを抑制することができ、エンジン21の低回転時(1000rpm)に室内にこもり音が発生するのを防止することができる。
すなわち、本第1実施形態に係る排気装置20においては、下流開口端28bの開口率を33%に設定したので、テールパイプ28の管長Lを半波長とする波長を基本波長として、この基本波長を自然数で割った長さの波長の気柱共鳴の定在波を有する完全開口端の反射モードと、テールパイプ28の管長Lを1/4波長とする波長を基本波長として、この基本波長を奇数で割った長さの波長の気柱共鳴の定在波を有する完全閉口端の2つの反射モードが発生することがある。
しかしながら、いずれの反射モードが発生した場合であっても、図10に示すように反射波Rと反射波Rとを互いに打ち消し合うことができ、気柱共鳴による排気音の音圧レベルを大幅に低減することができるという効果が得られる。したがって、高い消音効果を得ることができる。特に、エンジン21の低回転領域におけるテールパイプ28の気柱共鳴の発生を反射モードにかかわらず確実に抑制することができるという効果が得られる。
また、本第1実施形態に係る排気装置20においては、拡径構造38およびプレート41をテールパイプ28の下流開口端28bのみに設けた場合について説明した。しかしながら、拡径構造38およびプレート41をテールパイプ28の下流開口端28bのみに設けた構造以外の構造であってもよい。
例えば、図12および図13に示すように、拡径構造38およびプレート41を、テールパイプ28の上流開口端28aおよび下流開口端28bの両方に設けた構造であってもよい。また、拡径構造38およびプレート41を、テールパイプ28の上流開口端28aのみに設けた構造であってもよい。
このような拡径構造38およびプレート41を、テールパイプ28の上流開口端28aおよび下流開口端28bの両方に設けた構造、および、テールパイプ28の上流開口端28aのみに設けた構造においても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
(第2実施形態)
図14ないし図20に示すように、本第2実施形態に係る排気装置60は、第1実施形態に係る排気装置20と同様に構成されている。
なお、第2実施形態に係る排気装置60においては、第1実施形態に係る排気装置20のマフラ27のテールパイプ28が異なっているが、他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成については、図1ないし図13に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
まず、構成を説明する。
本第2実施形態に係る排気装置60は、図14に示すように、第1実施形態と同様、エンジン21に適用されたもので、排気装置60を構成するテールパイプ68のみが第1実施形態と異なっている。
テールパイプ68は、図15および図16に示すように、円筒状のパイプからなり、アウトレットパイプ部68Aの上流側の端部には、上流開口端68aが設けられており、テールパイプ68の下流側の端部には下流開口端68bが、図16に示すように、上流開口端68aから距離Lだけ離隔して設けられている。また、アウトレットパイプ部68Aは、上流開口端68aが拡張室35に開口するようにして挿通孔34b、33aに挿通されることにより、マフラ27に接続されている。
このテールパイプ68の下流開口端68bには、図17、図18および図19に示すように、その下流開口端68bの外方に向かうに従って拡径される拡径構造78が設けられるとともに、排気ガスの排気方向に対向してプレート41が設けられている。
この拡径構造78は、図19および図20に示すように、テールパイプ68と同じ内径Dを有する基端部78aと、内径Dよりも大きい内径Dを有する先端部78bと、基端部78aと先端部78bとの間に形成され、断面の形状が基端部78aから先端部78bに向かうに従って指数曲線に沿って拡径されたエクスポネンシャル形状部78cとを備えている。
エクスポネンシャル形状部78cにおいては、基端部78aの内周上の点Eaと、先端部78bの内周上の点Ebとを結ぶ曲線Ecが、指数曲線となるように形成されている。ここで、点Eaを通る断面積をSとし、点Eaを通りテールパイプ68に直交する基準線をLとし、この位置をx=0とする。
また、点Ebを通るエクスポネンシャル形状部78cの断面積をSとし、点Ebを通りテールパイプ68に直交する基準線をLとし、この位置をx=Lとし、xをx=0からx=Lまでの間のx=0からの任意の距離とし、εを定数とし、mをエクスポネンシャル形状部78cの断面積Sxの増加率とし、mを自然対数に基づく次式(14)で表されるものとする。この場合、この指数曲線に基づくxの位置における断面積Sxは、次式(15)の指数関数で表される。なお、Lnは、定数e(2.71828182845904)を底とする自然対数を表す。
Figure 0005229391
Figure 0005229391

この場合、拡径された各断面の中心が、テールパイプ68の軸線Lpと同一になっている。すなわち、図20に示すように、断面積Sの断面、断面積Sの断面、断面積Sxの断面、断面積Sの断面のそれぞれの中心は、軸線Lpと同一になっている。
この拡径構造78は、エクスポネンシャル形状部78cを備えているので、排気音がテールパイプ68に入射し、その入射波が、プレート41に到達する際、拡径構造78内で反射が起きないよう確実に抑制されるようになっている。
一般に、断面積が一定のパイプ内を通過する音波は、平面波となって進行するが、その断面積が変化すると、その変化した部分で音波の反射が起きることが知られている。
しかしながら、その断面積が変化した場合でも、その変化した部分が指数曲線に基づく次式(15)で表されるエクスポネンシャル形状で形成されると、0≦x≦Lの範囲における位置xの指数曲線に基づいて断面積Sxが変化することになる。
この場合、エクスポネンシャル形状部78c内において、ほぼ理想的な平面波伝播が実現され、エクスポネンシャル形状部78c内を通過する入射波は、反射することがない。したがって、テールパイプ68に入射した入射波は、エクスポネンシャル形状部78c内を通過する際、反射することなく、プレート41の反射面部41fに平面波の状態で到達することになる。
ここで、断面積S、断面積をSおよび距離Lは、本第2実施形態に係る排気装置60が適用される車両の設計諸元、シミュレーション、実験や経験値などのデータに基づいて適宜選択される。
なお、エクスポネンシャル形状部78cは、前述の指数関数だけでなく、次式(16)で表される、いわゆるハイパボリック形状を有するハイパボリック形状部で形成するようにしてもよい。
Figure 0005229391

ここで、coshは、ハイパボリックコサイン、sinhはハイパボリックサイン、mは前述の式(14)で表される関数、Sxは、このハイパボリック形状に基づくxの位置におけるハイパボリック形状部の断面積、Tは、0ないし∞をそれぞれ表す。
この場合にも、ハイパボリック形状部が式(16)で表される形状に形成されると、0≦x≦Lの範囲における位置xの関数に基づいて断面積Sxが変化することになる。この場合にも、ハイパボリック形状部内において、ほぼ理想的な平面波伝播が実現され、ハイパボリック形状部内を通過する入射波は、反射することがない。したがって、テールパイプ68に入射した入射波は、ハイパボリック形状部内を通過する際、反射することなく、プレート41の反射面部41fに平面波の状態で到達することになる。
次に、排気装置60の作用および気柱共鳴の発生する理由について説明する。
排気装置60の上流側のエンジン21が始動されると、エンジン21の各気筒から排気される排気ガスは、第1実施形態と同様に、拡径構造78の先端部78bに設けられたプレート41の開口部41dを通って大気に排出される。
この下流開口端68b側のプレート41は、第1実施形態と同様に、拡径構造78によって、テールパイプ68の内径Dよりも、大きい内径Dになっており、プレート41の開口部41dがテールパイプ68の内径Dと同等の内径Dで形成されているので、排気ガスが開口部41dを通過する際、スムースに通過し、排気ガスの背圧が高まるのが抑制される。
第1実施形態と同様に、エンジン21の運転時にエンジン21の各爆発気筒で励起される排気脈動により、エンジン21の回転数(rpm)に応じて変化する周波数(Hz)の排気音が各爆発気筒から発生する。この排気音は、インレットパイプ部26Aに入射する。インレットパイプ部26Aに入射した排気音は、下流開口端26bから共鳴室36に侵入する。共鳴室36に侵入した排気音は、ヘルムホルツ共鳴によって設定された特定周波数の排気音の音圧レベルが低減される。
また、拡張室35に侵入した排気音は、テールパイプ68に入射し、この入射波がテールパイプ68の下流開口端68bのプレート41で反射して反射波となる。
ここで、下流開口端68bに形成された拡径構造78によって、プレート41の開口部41dを含む側面部41bの総面積Sが、テールパイプ68の断面積よりも大きくなっているが、拡径構造78が、前述のエクスポネンシャル形状部78cを有しており、拡径構造78内で、ほぼ完全な平面波として伝播するので、排気音が反射してしまい、プレート41の反射面部41fに到達しないことが防止される。したがって、テールパイプ68に入射した排気音は、拡径構造78内を通過する際に、反射による損失を受けることなく、確実にプレート41の反射面部41fに到達する。
また、開口端反射による反射波および閉口端反射による反射波は、互いに打ち消し合う干渉が起きるとともに、開口端反射による反射波および閉口端反射による反射波は、テールパイプ68の上流開口端68aでさらに反射し下流開口端68b方向に入射波と同様にそれぞれ進行し、プレート41で入射波と同様に再反射する。このような反射が繰り返されることになる。
本第2実施形態に係る内燃機関の排気装置60においては、前述のように構成されているので、次の効果が得られる。
すなわち、本第2実施形態に係る内燃機関の排気装置60は、エンジン21から排出された排気ガスを大気に排出するテールパイプ68を備えている。そして、このテールパイプ68が、排気ガスの排気方向上流側のマフラ27に接続される上流開口端68aと、マフラ27よりも下流側で大気に排気ガスを排出するための下流開口端68bとを有している。
この下流開口端68bに、その外方に向かうに従って拡径される拡径構造78が設けられるとともに、排気ガスの排気方向に対向してプレート41が設けられ、このプレート41の排気方向に対向する側面部41bに1つの開口部41dが形成されたことを特徴としている。そして、この開口部41dの開口面積Sは、プレート41の開口部41dを含む側面部41bの総面積Sに対して約1/3の大きさに設定されている。拡径構造38には、エクスポネンシャル形状部78cが形成されている。
その結果、テールパイプ68の下流開口端68bに拡径構造78が設けられているので、プレート41に形成する開口部41dの開口面積Sを大きくすることができる。そして、この拡径構造78にエクスポネンシャル形状部78cが形成されているので、テールパイプ68内に入射した排気音は、この拡径構造78で反射することなく、ほぼ完全な平面波として、確実にプレート41の反射面部41fに到達することができるという効果が得られる。したがって、開口端反射による反射波と閉口端反射による反射波とが、確実に打ち消し合い、排気音の反射波による気柱共鳴の発生がより確実に抑制される。
また、本第2実施形態に係る排気装置60においては、拡径構造78およびプレート41をテールパイプ68の下流開口端68bのみに設けた場合について説明した。しかしながら、拡径構造78およびプレート41をテールパイプ68の下流開口端68bのみに設けた構造以外の構造であってもよい。
例えば、拡径構造78およびプレート41をテールパイプ68の上流開口端68aおよび下流開口端68bの両方に設けた構造であってもよい。また、拡径構造78およびプレート41を、テールパイプ68の上流開口端68aのみに設けた構造であってもよい。
このような拡径構造78およびプレート41を、テールパイプ68の上流開口端68aおよび下流開口端68bの両方に設けた構造、および、テールパイプ68の上流開口端68aのみに設けた構造においても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図21ないし図23は、第3実施形態に係るテールパイプ110を示す図である。
第3実施形態に係るテールパイプ110は、図21に示すように、第2実施形態に係る排気装置60のテールパイプ68に対して、貫通孔78dを新たに設けたものである。この貫通孔78dは、プレート41の開口部41dでの開口端反射における入射波の反射位置を補正するために設けられたものであり、以下、この開口端補正について説明する。
(開口端補正)
一般に、このようなパイプの開口端反射がある場合、厳密にはパイプ内で発生する気柱共鳴における気柱の長さは、パイプの両端で画成される実際のパイプの気柱の長さよりも長くなることが知られている。開口端反射の場合は、実際の音波の反射位置が、パイプから所定の距離だけ離隔した位置になるからである。
例えば、図23に模式的に示すように、テールパイプP内で発生する気柱共鳴における実際の気柱の長さは、テールパイプPの上流開口端aから下流開口端bまでの管長Lよりも僅かに長い気柱の長さLhとなってしまう。このような実際の気柱の長さをより正確に把握するには、一般的に開口端補正といわれる長さ補正が必要となる。
具体的には、上流開口端aから外方に離隔した実際の排気音の反射位置までの距離および下流開口端bから外方に離隔した実際の排気音の反射位置までの距離をそれぞれΔLとし、テールパイプPの内径をDとすると、距離ΔLは次式(17)で表される。
Figure 0005229391

したがって、開口端補正を考慮した気柱の長さLhは、Lh=L+2ΔLで表される。
このような開口端補正を必要とする理由としては、次のものが挙げられる。
すなわち、前述のようにテールパイプP内を伝播する進行波は、下流開口端bのから下流側にΔLだけ離隔した位置で実際に反射し、この反射波は、上流開口端aから上流側にΔLだけ離隔した位置で実際に反射することになる。このような両端が開口するテールパイプPにおいては、下流開口端bおよび上流開口端aから外側にもテールパイプP内の排気ガスと同じ温度(℃)を有する同様の排気ガスが存在しており、厳密には音のエネルギ(J)は、テールパイプPから排出される下流開口端bおよび上流開口端a近傍の外側にも伝達されてしまう。
そのため、下流開口端bおよび上流開口端aで音圧(Pa)はゼロにならず、下流開口端bおよび上流開口端aからΔLだけ外側に離隔した位置で音圧(Pa)がゼロとなり、下流開口端bおよび上流開口端aからΔLだけ外側に離隔した位置が実効的な管端になってしまう。その結果、入射波は、下流開口端bからΔLだけ外側に離隔した実効的な管端で反射することになる。また、下流開口端bで反射した反射波は、上流開口端aからΔLだけ外側に離隔した位置が実効的な管端で反射することになる。
このように、より高い消音効果を得るためには、下流開口端bからΔLだけ補正して下流開口端bを実効的な管端とすることが好ましい。
本第3実施形態に係るテールパイプ110においては、貫通孔78dを設け、実効的な管端をテールパイプ110の下流開口端110bに近づけるよう補正することにより、高い消音効果を得るようにしている。
すなわち、図21および図22に示すように、テールパイプ110のエクスポネンシャル形状部78cにおいて、直径Dの貫通孔78dが、プレート41の側面部41bに対してテールパイプ110の軸線方向内方に、プレート41の側面部41bから距離Lだけ離隔した位置に、テールパイプ110の内周部110aと外周部110cとを貫通して形成される。換言すれば、貫通孔78dは、プレート41に対して、テールパイプ110内の排気ガスの、下流開口端110bに対して排気方向上流側に位置する。
なお、この貫通孔78dを、複数の貫通孔で構成するようにしてもよい。例えば、図24に示すように、貫通孔78dを、プレート41に対して、テールパイプ110内の排気ガスの、下流開口端110bに対して排気方向上流側に位置するよう、プレート41の側面部41bから距離Lだけ離隔した位置に、3個形成するようにしてもよい。
これにより、この1または複数の貫通孔78dが擬似的にプレート41の開口部41dの一部を構成することになり、下流開口端110bから距離ΔLだけ外方に離隔していた気柱共鳴の実効的な管端が、下流開口端110bに近づくことになる。すなわち、距離ΔLが限りなく0に近づき、実効的な開口端反射がプレート41の開口部41dで行われることになる。
ここで、直径D、距離Lは、本第3実施形態のテールパイプ110が適用される車両の設計諸元、シミュレーション、実験や経験値などのデータに基づいて適宜選択される。なお、距離Lは、前述の開口端補正における式(17)で表される距離ΔLとほぼ等しいことが好ましい。この距離Lは、貫通孔78dにより擬似的にプレート41の開口部41dの一部を構成し、実効的な開口端反射がプレート41の開口部41dで行われるという効果を得るために設定されている。
したがって、本第3実施形態に係るテールパイプ110は、貫通孔78dを設けるだけの簡単な構造で、プレート41の開口部41dにおける開口端反射と、閉口部41eにおける閉口端反射とをほぼ完全な逆位相にすることができる。
このため、開口端反射による反射波と閉口端反射による反射波とが互いに確実に打ち消し合うよう干渉することで、テールパイプ110の気柱共鳴によって音圧が増大してしまうのを確実に抑制することができるという効果が得られる。
(第4実施形態)
図25および図26は、第4実施形態に係るテールパイプ120を示す図である。
図25に示すように、第2実施形態に係るテールパイプ68が、円形の断面を有しているのに対して、本第4実施形態に係るテールパイプ120は、略楕円形の断面を有している。また、テールパイプ120には、その排気方向下流側に拡径構造121およびプレート部122が一体的に形成されている。
この拡径構造121は、図26に示すように、テールパイプ120と同じ略楕円形の断面積Sを有する基端部121aと、略楕円形の断面積Sを有する先端部121bと、基端部121aと先端部121bとの間に形成され、断面の形状が基端部121aから先端部121bに向かうに従って指数曲線に沿って拡径され、略楕円形の断面積Sを有するエクスポネンシャル形状部121cとを備えている。この拡径構造121は、第2実施形態に係る拡径構造78とは異なり、図26に示すように、徐々に拡径されたそれぞれの断面が、各図面の下方で同一直線上になるよう形成されている。すなわち、図26に示すように、断面積Sの下方と、断面積Sの下方と、断面積Sの下方が同一直線上になっている。
エクスポネンシャル形状部121cにおいては、その断面積の変化は第2実施形態に係るテールパイプ68と同様に形成されている。すなわち、前述の式(14)および式(15)をも満たすよう形成されている。
プレート部122は、例えば、絞り加工などの機械加工やダイカストなどの成形加工により先端部121bと一体的に形成されており、側面部122aと、この側面部を貫通して形成された開口部122bと、この開口部122b以外の部分からなる閉口部122cとを有している。この開口部122bは、図34および図35に示すように、その下方が、側面部122aの下方側を貫通して形成されており、テールパイプ120内に滞留した排気ガス凝縮水が外部に排出されるようになっている。
この構成により、第2実施形態に係るプレート41と同様に、開口部122bにおける開口端反射と、閉口部122cにおける閉口端反射とが完全な逆位相になり、互いの打消し効果が得られ、高い消音効果が得られる。さらに、プレート41の下方に開口部122bが形成されているので、テールパイプ120内に滞留した排気ガス凝縮水を開口部122bから排出させることができ、簡単な構造で、テールパイプ120の耐蝕性などの耐久性の向上を図ることができる。
(第5実施形態)
図27および図28は、第5実施形態に係るテールパイプ130を示す図である。
図27に示すように、第2実施形態に係るテールパイプ68が、その排気方向下流側に拡径構造78および中央部が開口したプレート41を有するのに対して、本第5実施形態に係るテールパイプ130は、その排気方向下流側に拡径構造78および中央部が閉口したプレート131を有している。
詳細には、第2実施形態に係るプレート41が、中央部に円形の断面を有する開口部41dを有しているのに対して、本第5実施形態に係るプレート131は、中央部に閉口部131aを有するとともに、閉口部131aの周囲に均等間隔で形成された切欠きからなる開口部131b、131c、131d、131eを有している。
この構成により、第2実施形態に係るプレート41と同様に、開口部131b、131c、131d、131eにおける開口端反射と、閉口部131aにおける閉口端反射とが完全な逆位相になり、互いの打消し効果が得られ、高い消音効果が得られる。さらに、プレート131に開口部131dが形成されているので、テールパイプ130内に滞留した排気ガス凝縮水を開口部131dから排出させることができ、簡単な構造で、テールパイプ130の耐蝕性などの耐久性の向上を図ることができる。
(第6実施形態)
図29は、第6実施形態に係るテールパイプ140を示す図である。
第6実施形態に係るテールパイプ140は、図29に示すように、第2実施形態に係るテールパイプ68が拡径構造78および中央部に1つの開口部41dが形成されたプレート41を有しているのに対して、本第6実施形態に係るテールパイプ140は、排気方向下流側に拡径構造78および中央部に複数の貫通孔141aが形成されたプレート141を有している。
詳細には、第2実施形態に係るプレート41が、中央部に円形の断面を有する1つの開口部41dを有しているのに対して、本第6実施形態に係るプレート141は、中央部に8個の貫通孔141aからなる開口部141bを有するとともに、下部に切欠きからなる開口部141cを有している。また、この開口部141bおよび開口部141c以外の側面部141dで構成される閉口部141eを有している。
この構成により、第2実施形態に係るプレート41と同様に、開口部141b、141cにおける開口端反射と、閉口部141eにおける閉口端反射とが完全な逆位相になり、互いの打消し効果が得られ、高い消音効果が得られる。さらに、開口部141cが、プレート141の下部に設けられているため、テールパイプ140内に滞留した排気ガス凝縮水を排出させることができ、簡単な構造で、テールパイプ140の耐蝕性などの耐久性の向上を図ることができる。
(第7実施形態)
図30および図31は、第7実施形態に係るテールパイプ150を示す図である。
第7実施形態に係るテールパイプ150は、図30に示すように、第2実施形態に係るテールパイプ68が拡径構造78と一体形成されているのに対して、本第7実施形態に係るテールパイプ150は、テールパイプ150と別体の拡径構造151を有している。
詳細には、このテールパイプ150は、第2実施形態に係る拡径構造78がテールパイプ68と一体的に形成されているのに対し、拡径構造151はテールパイプ150とは別個に形成され、テールパイプ150の下流開口端150aを囲むようにしてテールパイプ150に取り付けられている。
また、この拡径構造151は、テールパイプ150と接続される基端部151aと、この基端部151aと対向し基端部151aよりも内径の大きな先端部151bと、基端部151aと先端部151bとの間に位置するエクスポネンシャル形状部151cとを有している。
このエクスポネンシャル形状部151cは、第2実施形態に係る拡径構造78のエクスポネンシャル形状部78cと同様に、前述の式(14)および式(15)を満たすよう各構成要素が形成されている。
また、先端部151bは、図31に示すように、その端部が絞り加工などの形成加工により、折り返し加工が施されており、円周の縁部151dが滑らかに形成され美観を向上させている。
また、第2実施形態に係るテールパイプ68のプレート41が、円盤状に形成されているのに対して、本第7実施形態に係るプレート152は、円周の縁部分が一方向に突出して形成され、この突出部分が、先端部151bの折り返し部分に収容されるよう先端部151bに組み込まれている。
このプレート152の中央部分には、貫通孔152aからなる開口部152bが形成され、さらにこの貫通孔152aを囲んで、プレート152に形成された突出部分と同じ方向に突出した環状突出部152cが形成されている。また、この開口部152b以外の側面部152dで構成される閉口部152eを有している。
この構成により、第2実施形態に係るプレート41と同様に、開口部152bにおける開口端反射と、閉口部152eにおける閉口端反射とが完全な逆位相になり、互いの打消し効果が得られ、高い消音効果が得られる。さらに、このテールパイプ150は、拡径構造151およびプレート152を有しているので、できるだけ僅かな圧力損失で流体を所要箇所へ導くことができるいわゆるディフューザと、その外観のみを同じくすることができる。このテールパイプ150の下流開口端150aにディフューザが装着しているという外観を呈することができ、美観の向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関の排気装置は、テールパイプにサブマフラを介装したり、テールパイプの上流開口端に大容量の共鳴室を有する消音器を設けるのを不要にして、テールパイプの気柱共鳴によって音圧レベルが増大してしまうのを抑制することができ、重量を低減することができるとともに製造コストおよび設置スペースを低減することができる内燃機関の排気装置全般に有用である。
20、60 排気装置
21 エンジン
22 排気マニホールド
24 触媒コンバータ
25 フロントパイプ
26 センターパイプ
26A インレットパイプ部
27 マフラ
28、68、110、120、130、140、150 テールパイプ
28A、68A アウトレットパイプ部
28a、68a 上流開口端
28b、68b、110b、150a 下流開口端
28c 内周部
38、78、121、151 拡径構造
41、131、141、152 プレート
41b、141d、152d 側面部
41d、131b、131c、131d、131e、141b、141c、152b 開口部
41e、131a、141e、152e 閉口部
41f 反射面部
78c、121c、151c エクスポネンシャル形状部
78d 貫通孔
、L 距離
総面積
開口面積

Claims (3)

  1. 一端部に内燃機関から排出された排気ガスの排気方向上流側の消音器に接続される上流開口端と、他端部に前記排気ガスを大気に排出するための下流開口端と、を有する排気管を備えた内燃機関の排気装置であって、
    前記排気管の前記排気方向上流側および前記排気方向下流側の少なくとも一方が、前記上流開口端および前記下流開口端のいずれかに向かうに従って拡径される拡径構造を有し、
    前記拡径構造の内部に、前記排気ガスの排気方向に貫通する開口部および前記排気管を閉口する閉口部を形成したプレートを、前記排気ガスの排気方向に対向して設け、
    前記開口部により生じる開口端反射波と、前記閉口部により生じる閉口端反射波と、が干渉するように、前記プレートを設けたことを特徴とする内燃機関の排気装置。
  2. 前記排気管の前記排気方向上流側および前記排気方向下流側の少なくとも一方に設けた前記拡径構造が、エクスポネンシャル形状部を有し、前記エクスポネンシャル形状部は、開口端に向かうに従って指数曲線を描くように拡径したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気装置。
  3. 前記プレートの前記開口部と前記閉口部とを合わせた総面積に対して前記開口部の開口面積を、1/3の大きさに設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排気装置。
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