JP7074878B2 - 防音構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、共鳴型防音構造を用いて高い吸収を実現することができる防音構造体に関する。
従来、ダクト、及び管路等の通気性の確保を前提とした構造物は、気体、及び/又は熱と同時に音も通過させてしまうことから、騒音対策が求められる場合がある。そのため、ダクト、及び管路等、特に騒音性の機械に取り付けられる用途においては、ダクト、及び管路等の構造を工夫することにおいての防音が必要となる。
ここで、ダクト、及び管路等内の騒音を、吸音材等を用いて吸音することが考えられる(特許文献1参照)。
特許文献1には、遮音材製の2本の通気ダクトを、グラスウール等製の同一断面積の吸音材で接続し、吸音ダクトの全周囲を、吸音材を内張りした消音ボックスで囲んだ消音装置が開示されている。この消音装置では、消音ボックスの断面積は、通気ダクトの断面積に比して大きいので、通気ダクト内を伝搬してきた音の一部、特に低周波音は、音の開口端反射の現象により、吸音ダクトから消音ボックス内に透過した後通気ダクト内に返されて、特に、低周波音の減衰が高められるとしている。
一般に、ピーク音を静音化する場合、所望の周波数で高い透過損失を得るためには、共鳴型防音構造(ヘルムホルツ共鳴器、気柱共鳴筒、膜振動型共鳴構造等の共鳴体)をダクト、及び管路等に置いたり、取り付けたりすることが対策の一つとして考えられる。
ここで、ダクト、及び管路等に設置された音響回路的に並列に設置された1つの共鳴型防音構造体は、その音響インピーダンスから一意に決まる吸収率を有する。このため、音の吸収率をさらに高めたいという場合には、防音構造を多数配置するという方法が考えられる(特許文献2参照)。
特許文献2に記載の消音装置は、風路における音伝播方向の上手側位置、及び下手側位置に、消音対象周波数帯域で共鳴する上手側、及び下手側の2つの共鳴器の共鳴口をそれぞれ開口させ、2つの共鳴器の共鳴口の間隔を、音源側からの伝播音と下手側共鳴器からの反射音との干渉で消音対象周波数帯域の音圧が増大する位置に上手側共鳴器の共鳴口が臨む間隔にし、上手側共鳴器を、インピーダンス抵抗成分による吸音性を備える共鳴器にしてある。また、上手側共鳴器と下手側共鳴器との共鳴口間隔Lを、消音対象周波数帯域における特定周波数の音の波長λに対し、式L=(2n-1)・λ/4(nは自然数)で与えられる値にしてある。
これにより、特許文献2に記載の消音装置は、低周波域の音についても高い消音効果を得ることができ、また、通風抵抗の増大も少なく、しかも、風路構造上の音響特性の影響を受けることなく高い消音効果を安定的に得ることができる。
実公昭60-008232号公報 特許2944552号公報
ところで、特許文献1に開示の消音装置では、一般に吸音材を用いても吸音が難しい低周波音を吸音できるようにしているが、通気ダクトに比して断面積の大きい消音ボックスを用いる必要があるため、装置構成が大型化し、コンパクトに消音できないという問題があった。また、特許文献1に開示の消音装置では、吸音材を用いて消音するので、騒音源がピーク音を発している場合には、ピーク音を効率的に消音できないという問題があった。
また、特許文献2に記載の消音装置では、下手側共鳴器からの反射波と入射波の干渉により音圧が高いところに上手側共鳴器を置く必要があるし、上手側共鳴器、及び下手側共鳴器との2つの共鳴器のそれぞれが周方向に8つの共鳴口を持つ必要があるので、例えば空間的な制約がある場合には、この方法は不適であるという問題があった。また、特許文献2に開示の消音装置では、高い吸収を出すには、少なくとも2つの共鳴器が必要であるし、さらに少なくとも対象音の波長の4分の1程度の長さが必須となってしまうため、小型化には適さないという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を克服し、ダクト、及び管路等の開口端部と共鳴型防音構造の位置を適切に規定することによって、共鳴型防音構造体からの反射波と開口端反射との効果的な打ち消し合いを図り、共鳴型防音構造単一の吸収率を高めることができる防音構造体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記目的に加え、より少ない共鳴型防音構造で高い吸収を実現することができ、その結果、小型で高い吸収を得ることができる防音構造体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の防音構造体は、開口部を有する管状の管体と、共鳴型防音構造と、からなる防音構造体であって、共鳴型防音構造における反射波と、共鳴型防音構造を透過した透過波が開口部から反射される反射波との、共鳴型防音構造の上流側における位相差θが、共鳴型防音構造の共鳴周波数において、下記不等式(1)を満足することを特徴とする。
|θ-π|≦π/3 …(1)
ここで、共鳴型防音構造の、管体と同一太さの導波路中における単一での吸収率が、反射率よりも大きいことが好ましい。
また、共鳴型防音構造から管体の開口部までの開口端補正を含む導波路距離をLとし、管体が有する導波路の平均断面積S1、開口部による開口端反射率をRx(f)とするときに、下記式(3)で定義される音響インピーダンスZ1が、周波数fがf<c/(4×(√(S1/π))を満たす周波数範囲内において、複素平面上で、下記式(2)を満足することが好ましい。
Figure 0007074878000001
Z1=(A×Z0+B)/(C×Z0+D) …(3)
A、B、C、及びDは、伝達マトリックスTを表わす下記式(4)で与えられる。
Figure 0007074878000002
Z0は、下記式(5)で与えられる。
Z0=ρc/S1 …(5)
Sxは、下記式(6)で与えられる。
Sx=(1+Rx(f))/(1-Rx(f))×S1 …(6)
は共鳴型防音構造のインピーダンス、cは音速、ρは空気の密度、kは波数である。
また、管体の出口側界面が、開放空間と見做せることが好ましい。
また、共鳴型防音構造に加え、更に、少なくとも1つの共鳴型防音構造を有することが好ましい。したがって、複数の共鳴型防音構造を有することが好ましい。
また、共鳴型防音構造は、開口部からλ/4以内に配置されていることが好ましい。
また、管体が内部に騒音源を含み、共鳴型防音構造の共鳴周波数frが、騒音源を含む管体の共鳴周波数をfn(nは共鳴次数であり、正の整数)とし、騒音源を含む管体の隣りあう共鳴周波数の差分をΔfとするときに、下記式(7)を満足するnが存在することが好ましい。
fn-Δf/4<fr<fn+Δf/4 …(7)
また、共鳴型防音構造の共鳴周波数frと、騒音源を含む管体の共鳴周波数をfnとが、一致していることが好ましい。
また、騒音源が、ファンであることが好ましい。
また、騒音源の騒音のスペクトルのピーク周波数と、共鳴型防音構造の共鳴周波数とが一致していることが好ましい。
また、管体は、開口部に加え、更に、少なくとも1つの開口部を有することが好ましい。したがって、管体は、複数の開口部を有することが好ましい。
また、共鳴型防音構造が、膜型共鳴体、ヘルムホルツ共鳴体、又は気柱共鳴体であることが好ましい。
本発明によれば、ダクト、及び管路等の開口端部と共鳴型防音構造の位置を適切に規定することによって、共鳴型防音構造体からの反射波と開口端反射との効果的な打ち消し合いを図り、共鳴型防音構造単一の吸収率を高めることができる。
また、本発明によれば、より少ない共鳴型防音構造で高い吸収を実現することができ、その結果、小型で高い吸収を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る防音構造体の一例を概念的に示す断面模式図である。 図1に示す防音構造体に用いられるヘルムホルツ共鳴構造を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防音構造体に用いられる膜型共鳴構造の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防音構造体に用いられる気柱共鳴構造の一例を模式的に示す断面図である。 図1に示す防音構造体における防音原理を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態に係る防音構造体の一例を概念的に示す断面模式図である。 図6に示す防音構造体の騒音源を含む管体の複数の共鳴周波数における音圧(管体内ホワイトノイズ音源音圧)を示すグラフである。 実施例1の防音構造体の2つの反射波の位相差θとπの差分θ-πの周波数特性を示すグラフである。 実施例1の防音構造体の音響管における反射率、透過率、及び吸収率の周波数特性を示すグラフである。 実施例1-1の防音構造体の反射率、透過率、及び吸収率の周波数特性を示すグラフである。 実施例1-1の防音構造体の反射係数の絶対値、及び開口端反射の反射係数の絶対値の周波数特性を示すグラフである。 実施例1-1の防音構造体の開口端反射率を計算するための円筒対象モデルを説明する説明図である。 実施例1-1の防音構造体の開口端反射率の周波数特性を示すグラフである。 比較例1-1の防音構造体の2つの反射波の位相差θとπの差分θ-πの周波数特性を示すグラフである。 比較例1-1の防音構造体の反射率、透過率、及び吸収率の周波数特性を示すグラフである。 比較例1-1の防音構造体の反射係数の絶対値、及び開口端反射の反射係数の絶対値の周波数特性を示すグラフである。 比較例1-2の防音構造体の2つの反射波の位相差θとπの差分θ-πの周波数特性を示すグラフである。 比較例1-2の防音構造体の反射率、透過率、及び吸収率の周波数特性を示すグラフである。 比較例1-2の防音構造体の反射係数の絶対値、及び開口端反射の反射係数の絶対値の周波数特性を示すグラフである。 実施例1-2の防音構造体の2つの反射波の位相差θとπの差分θ-πの周波数特性を示すグラフである。 実施例1-2の防音構造体の音響管における反射率、透過率、及び吸収率の周波数特性を示すグラフである。 実施例1-2の防音構造体の反射率、透過率、及び吸収率の周波数特性を示すグラフである。 実施例、及び比較例の防音構造体の最大吸収率と位相差θ、及びπの差分θ-πとの関係を示すグラフである。 実施例2の防音構造体の一例を概念的に示す断面模式図である。 実施例2-1の防音構造体の管体の音圧のスペクトルを示すグラフである。 実施例2-1の防音構造体の挿入損失を示すグラフである。 実施例2-2の防音構造体の管体の音圧のスペクトルを示すグラフである。 実施例2-2の防音構造体の挿入損失を示すグラフである。 音響管4マイク測定法を実施する音響特性測定系の模式図である。
以下に、本発明に係る防音構造体を添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「直交」および「平行」とは、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、「直交」および「平行」とは、厳密な直交あるいは平行に対して±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な直交あるいは平行に対しての誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本明細書において、「同一」、「同じ」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
本発明の一実施態様の防音構造体は、少なくとも1つの開口部を有する管状の管体と、少なくとも1つの共鳴型防音構造と、からなる防音構造体であって、共鳴型防音構造における反射波と、共鳴型防音構造を透過した透過波が開口部から反射される反射波との、共鳴型防音構造の上流側における位相差θが、共鳴型防音構造の共鳴周波数において、不等式|θ-π|≦π/3を満足する。
まず、本発明の第1実施形態に係る防音構造体について詳細に説明する。
(防音構造体)
図1は、本発明の第1実施形態に係る防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す防音構造体10は、断面円形の円管状の管体12と、管体12の壁面に設置される共鳴構造14とを有する。
管体12は、開口管路12aを有し、一方の端部境界12bと、他方の開口端の開口部12cとを有する。他方の開口部12cの端部は、断面円形の円管状の第2の管体16の端面16bに接続されている。第2の管体16の断面円形の管路16aの断面積S2は、管体12の断面円形の貫通孔からなる開口管路12aの断面積S1より大きい。なお、一方の端部境界12bは、無限遠に長いと仮定しており、即ち、左端からの音波の反射を考えない系と仮定している。
ここで、第2の管体16の管路16aの一方の側の端部は、端面16bの開口が管体12の開口部12cに接続されており、他方の側の端部は開放されている。その結果、管体12の開口管路12aは、第2の管体16の管路16aに連通しており、管路16aを介して開放された空間に連通している。ここで、管体16の管路16aの断面積S2は、管体12の開口管路12aの断面積S1よりはるかに大きい(S2>>S1)と見做すことができ、管体12の開口部12cの出口側界面は、開放空間と見做せることが好ましい。
なお、図1に示す例においては、管体12の開口部12cに管体16が接続されているが、本発明においてはこれに限定されず、管体16に接続されることなく、管体12の開口部12cが直接開放空間に開放されていても良い。即ち、管体12の開口部12cの出口側界面は、開放空間であっても良い。
本発明では、管体12の開口断面の断面積は、管体12における導波路順方向(音波の進行方向)に垂直な管体12の共鳴器(共鳴構造14)から開口端までの開口管路12aの断面の平均面積と定義する。また、第2の管体16の開口断面の断面積は、管体12における導波路順方向(音波の進行方向)に垂直な管体16の管路16aの断面の平均面積と定義する。
共鳴構造14は、本発明の共鳴型防音構造であって、管体12の開口部12cから管体12の開口管路12a内に間隔L0を開けて設置される。
また、共鳴構造14と管体12の開口部12cとの間隔L0は、共鳴構造14における音波入射面の中心間の距離と定義する。音波入射面の中心とは、例えばヘルムホルツ共鳴構造であれば共鳴穴の中心、膜共鳴構造であれば膜面の中心、気柱共鳴構造であれば、孔部の中心である。図1に示す例は、共鳴構造14は、図2に示すようなヘルムホルツ共鳴構造20である。また、管体12が直線でなく、例えば管体が屈曲しているような場合には、共鳴構造14と管体12の開口部12cとの間隔L0は、導波路順方向ベクトルと直行する平面で且つ共鳴構造14における音波入射面の中心を通る平面の導波路断面形状重心から、開口部12cの断面形状の重心まで、各断面位置での断面形状の重心位置を結びながら形成される線分の長さと定義する。
図1に示す防音構造体10においては、管体12内の開口管路12aに1つの共鳴構造14が設置されているが、本発明はこれに限定されず、2つ以上の共鳴構造14が設置されていても良い。2つ以上の共鳴構造14が設置される場合においても、その内の少なくとも1つの共鳴構造14は、図1に示す1つの共鳴構造14のように、管体12の開口部12cから管体12の開口管路12a内に間隔L0を開けて設置される必要があるし、後述する本発明の要件を満たす必要がある。ここで、間隔L0は、共鳴音の波長をλとする時、L0≦λ/4であることが好ましい。即ち、共鳴構造14は、管体12の開口部12cからλ/4以内に配置されていることが好ましい。
なお、共鳴音の波長λの決定に際しては、管体12と同じ開口面積の音響管において、4マイク測定法を用いて測定した吸収率が最大となる周波数をfとするとき、共鳴音の波長は、λ=c/fと定義される。
なお、本発明の防音構造体10が防音のために適用される防音対象物は、特に制限的ではなく、どのようなものであっても良いが、例えば複写機、送風機、空調機器、換気扇、ポンプ類、発電機、又はダクト、その他にも塗布機、回転機、又は搬送機など音を発するさまざまな種類の製造機器等の産業用機器、自動車、電車、又は航空機等の輸送用機器、若しくは冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、テレビジョン、コピー機、電子レンジ、ゲーム機、エアコン、扇風機、PC、掃除機、又は空気清浄機等の一般家庭用機器等を挙げることができる。
(管体)
ここで、管体12は、気体の通過を遮断する物体の領域内に形成される管体であるが、管体12の管壁は、気体の通過を遮断する物体、例えば2つの空間を隔てる物体等の壁を構成し、管体12の内部は、気体の通過を遮断する物体の一部の領域に形成された開口管路12aを構成する。
開口断面は、管体12の軸方向に直交する管体12の開口管路12aの断面ということができる。なお、管体12内を進行する音波は、管体12の軸方向に沿って進行するので、開口断面は、導波路順方向(音波の進行方向)に垂直な管体12の開口管路12aの断面ということもできる。なお、管体12の開口管路12aは、真直ぐな管路であることが好ましいが、曲がっていても良い。また、管体12の開口管路12aの開口断面は、中心軸方向に沿って同一である方が好ましいが、拡縮があっても良い。
ここで、管体12は、開口管路12aの他方の端部に開口部12cを有しているが、更に開口部を有していても良い。
なお、本発明において、管体は、気体の通過を遮断する物体の領域内に形成される開口を有するものであり、2つの空間を隔てる壁に設けられることが好ましい。
ここで、開口管路等の開口が形成される領域を持ち、気体の通過を遮断する物体とは、2つの空間を隔てる部材、又は壁等を言い、部材としては、ダクト、又はスリーブ等の管体、及び筒状体等の部材を言い、壁としては、例えば、家、ビル、又は工場等の建造物の構造体を構成する固定壁、建造物の部屋内に配置され、部屋内を仕切る固定間仕切り(パーティション)等の固定壁、若しくは建造物の部屋内に配置され、部屋内を仕切る可動間仕切り(パーティション)等の可動壁等を言う。
本発明の管体は、ダクト、又はスリーブ等の管体、又は筒状体であっても良いし、ルーバ、又はガラリ等の換気孔、若しくは窓等を取り付けるための開口を持つ壁自体であっても良いし、壁に取り付けられる窓枠等の取付枠等であっても良い。
なお、本発明の管体の開口の形状は、断面形状で、図示例では円形であるが、本発明においては、共鳴構造を管体の壁面に配置できれば、特に制限的ではなく、例えば、正方形、長方形、ひし形、又は平行四辺形等の他の四角形、正三角形、2等辺三角形、又は直角三角形等の三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形を含む多角形、若しくは楕円形等であっても良いし、不定形であっても良い。
管体のサイズは、特に制限的ではなく、管体の用途に応じて適切なサイズとすれば良いが、例えば吸音したい周波数の音波の波長をλとする時、開口断面の面積Sは、S<π(λ/2)を満足することが好ましい、この理由は、この条件を満足しない周波数においては、管路断面方向に空間モード(横モード)が形成され、平面波が維持されなくなるためである。
また、本発明の管体の材料としては、特に制限的ではなく、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、又はこれらの合金等の金属材料、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、又はトリアセチルセルロース等の樹脂材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、カーボンファイバ、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)、若しくは建造物の壁材と同様なコンクリート、又はモルタル等の壁材等を挙げることができる。
次に、本発明に係る共鳴構造について説明する。
(共鳴構造)
図1に示す共鳴構造14は、音波に対して共鳴するヘルムホルツ共鳴構造20である。
ヘルムホルツ共鳴構造20は、図1、及び図2に示すように、外部と連通する共鳴穴22、及び内部の中空空間24を持つ筺体26からなる共鳴体であり、ヘルムホルツ共振器、又はヘルムホルツ共鳴器ともいう。
ここで、ヘルムホルツ共鳴構造20は、筺体26内に共鳴空間となる中空空間24を有する。共鳴穴22は、筺体26の上部に所定長さで設けられ、筺体26の内部の中空空間24と外部とを連通する。
また、図1、及び2に示す例では、筺体26は、平面視長方形の直方体形状であり、共鳴空間である中空空間24も同様に、平面視長方形の直方体形状である。なお、筺体26の形状は、内部に中空空間24を形成でき、ヘルムホルツ共鳴構造20を管体12の壁面に配置できれば、どのような形状でも良い。例えば、筺体26の断面形状は、本発明においては、特に制限的ではなく、例えば、平面形状で、正方形、長方形、ひし形、又は平行四辺形等の他の四角形、正三角形、2等辺三角形、又は直角三角形等の三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形を含む多角形、若しくは円形、又は楕円形等であっても良いし、不定形であっても良い。
なお、中空空間24の形状も、特に制限的ではなく、筺体26の形状と同じであることが好ましいが、異なっていても良い。
筺体26の材料は、硬い材料が好ましいが、特に制限的ではない。筺体26の材料は、上述の防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があれば、特に制限的ではなく、防音対象物、及びその防音環境に応じて選択することができる。例えば、筺体26の材料としては、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、又はこれらの合金等の金属材料、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、又はトリアセチルセルロース等の樹脂材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、カーボンファイバ、若しくはガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等を挙げることができる。
また、筺体26の材料としてこれらの複数種の材料を組み合わせて用いてもよい。
なお、筺体26の中空空間24内には、従来公知の吸音材を配置してもよい。
筺体26のサイズ(平面視)は、筺体26の外側表面間のサイズと定義できるが、特に制限的ではない。筺体26のサイズは、例えば、筺体26が直方体形状であり、ヘルムホルツ共鳴構造20が管体12の壁面に設置されている時、導波路順方向に沿った幅daと、導波路順方向に直交する側面の面積Sh(高さ×奥行)とで表すことができる。
ここで、筺体26の幅daは、筺体26の共鳴周波数に対応する波長をλとするとき、λ/2≦daであることが好ましく、λ/4≦daであることがより好ましい。
また、筺体26の側面の面積Shは、管体12の開口断面の1%~99%であることが好ましく、5%~50%であることがより好ましい。
なお、ヘルムホルツ共鳴構造20を構成する筺体26は、中空空間24を形成する有底枠体からなる筺体本体の上面に、共鳴穴22が穿孔された筺体上部を接着して、又は固定具を用いて固定することにより、製造することができる。
共鳴穴22は、断面円形であることが好ましいが、特に限定されず、断面形状が正方形などの多角形であっても良い。
共鳴穴22の断面サイズ(断面積)Sn、及び軸方向の長さlcは、特に制限的ではないが、共に、ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴周波数を決めるパラメータになるものであるので、必要な共鳴周波数に応じて決めることができる。
ここで、ヘルムホルツ共鳴構造20のインピーダンスZは、Fundamentals of Physical Acoustics, Wiley-Interscience(2000)を参考に、下記式(8)で与えられる。
Figure 0007074878000003
ρは、空気の密度(1.205kg/m(常温20°))であり、Cは音速(343m/sec)である。kは、波数(k=2π/λ=2πC/f:λ波長、f:周波数)である。Snは共鳴穴22の軸方向に垂直な断面積(ヘルムホルツのネックの断面積)、lcは共鳴穴22の軸方向長さ(ヘルムホルツのネック長さ)、Vcは筺体26の共鳴空間となる中空空間(ヘルムホルツ内部空間)24の体積である。
なお、ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴穴22の形状、及び/又は背面の中空空間24の空気層が、極端に細長い場合等は、音がヘルムホルツ共鳴構造20中に入っていかなくなるため、上記式(8)が成り立たなくなる場合がある。
しかしながら、そのような場合にも、インピーダンスZは、実験(音響管4マイク測定)、又はシミュレーションで求められる反射係数から、インピーダンスZの実験値、又はシミュレーション値を下記式(12)により求めることができる。
Z=-(1+r)Z0/2r …(12)
したがって、上記式(8)が成り立たなくなる場合には、上記式(12)により、実験値、又はシミュレーション値を求めれば良い。
勿論、ヘルムホルツ共鳴構造20、及び後述する膜型共鳴構造30の場合は、それぞれ上述の理論式(8)、及び後述する理論式(10)によっても、インピーダンスZの値を得ることができる。なお、理論値、実験値、及びシミュレーション値の間に乖離がある場合には、理論値、実験値、及びシミュレーション値の間の範囲の任意の値をインピーダンスの値として採用することができる。
なお、ヘルムホルツ共鳴構造20によっては、共鳴穴22の形状、及び/又は背面の中空空間24の形状によっては、上記式(8)が成り立たなくなる場合がある。
しかしながら、インピーダンスZは、実験(音響管4マイク測定)、又はシミュレーションで求められる反射係数から、インピーダンスZの実験値、又はシミュレーション値を求めることができる。
例えば、実験でインピーダンスZを求めるためには、図29に示す音響特性測定系60のように、アルミニウム製音響管(管体62)に4つのマイクロフォン64を用いて伝達関数法による測定を行う。この手法は「ASTM E2611-09: Standard Test Method for Measurement of Normal Incidence Sound Transmission of Acoustical Materials Based on the Transfer Matrix Method」に従うものである。音響管としては、例えば日東紡音響エンジニアリング株式会社製のWinZacと同一の測定原理であるものとして、アルミニウム製の管体を用いる(WinZacについては、ウェブ資料「https://www.noe.co.jp/en/download/pdf/winzac.pdf」を参考にすることができる。)。ここで、音響管の断面積は管体62の断面積と同一に設定し、管体62の内部にスピーカを収納した円筒状の函体68を配置し、函体68に管体62を載置する。スピーカ66から所定音圧の音を出力し、4本のマイクロフォン64で測定する。
例えば、WinZacの原理に関して記述されている上記ウェブ資料中におけるP22中の式(A1-45c)から、上記の反射係数r(資料中ではRと記載)を求めることができる。ここで、測定の際、構造体の音波入射面の重心を通り、且つ音響管の音波進行方向に垂直な断面の位置をx=0とする。
一方で、シミュレーションにおいても、管体62と同一の断面積を有する音響管の片端から平面波を入射する場合の反射係数rを計算することができる。例えば、入射面上での入射音圧波をpi、反射音圧波をpr、入射面と、共鳴構造体の音圧波入射面との距離をL、波数k(=2π/λ)とするとき、r=pr*exp(i*2kL)/piにより計算することができる。
音響インピーダンスZ1は、反射係数rを用いて下記式(13-1)で表すことができる。
Z1=Z0*(1+r)/(1-r) (13-1)
一方で、音響インピーダンスZ1は、共鳴体のインピーダンスZを用いて下記式(13-2)で表すことが出来る。
Z1=Z*Z0/(Z+Z0) (13-2)
ここで、上記式(13-1)、及び(13-2)からZ1を消去して、上記式(12)を求めることができるので、実験的に求めた反射係数r、及び音響管の導波路断面形状から一意に決まるZ0を用いてZを決定することができる。なお、上記式(12)で求められるZは、上記式(4)における共鳴型防音構造のインピーダンスZと同義である。
したがって、上記式(8)が成り立たなくなる場合には、上記の方法によってもインピーダンスを求めることができる。上述したように、ヘルムホルツ共鳴構造、及び後述する膜型共鳴構造の場合は、それぞれ上述の理論式(8)、及び後述する理論式(10)によっても、インピーダンスZの値を得ることができるのは勿論である。また、上述したように、理論値と実験値の値に乖離がある場合には、理論値と実験値の間の範囲の任意の値をインピーダンスZ値として採用することができるのも勿論である。
例えば、理論値、実験値、シミュレーション値がずれている場合には、そのずれの範囲内の値を共鳴体のインピーダンスZ値とすることができる。具体的には、理論、実験、及びシミュレーションそれぞれから求めることができるインピーダンスをそれぞれZt、Ze、及びZsとする時に、下記式(A)、及び(B)の両不等式を満足するようなZを、本発明の共鳴体のインピーダンスとして用いることができる。
min(real(Zt), real(Ze), real(Zs))≦real(Z)≦max(real(Zt), real(Ze), real(Zs)) ・・・(A)
min(imag(Zt), imag(Ze), imag(Zs))≦imag(Z)≦max(imag(Zt), imag(Ze), imag(Zs)) ・・・(B)
real(Z)、及びimag(Z)は、それぞれ複素数Zの実部、虚部を表す。
また、ヘルムホルツ共鳴周波数fhは、Cを音速とし、Snを共鳴穴22の軸方向に垂直な断面積とし、lcを共鳴穴22の軸方向長さ(開口端補正した値)とし、Vcを筺体26の共鳴空間となる中空空間24の体積とする時、下記式(9)で与えられる。
fh=(C/2π)・{Sn/(lc・Vc)}1/2 …(9)
したがって、必要なヘルムホルツ共鳴周波数fhが決っている時には、上記式(9)を満たすように、共鳴穴22の断面積Sn、共鳴穴22の長さlc、及び筺体26の中空空間24の体積Vcを適切に選択すればよい。
図1に示す防音構造体10は、共鳴構造14として、ヘルムホルツ共鳴構造20を用いるものであるが、本発明はこれに限定されず、いかなる共鳴構造を用いても良い。例えば、共鳴構造14として、ヘルムホルツ共鳴構造20の代わりに、図3に示す膜型共鳴構造30を用いても良いし、図4に示す気柱共鳴構造40を用いても良い。なお、複数の共鳴構造14を用いる場合には、図2に示すヘルムホルツ共鳴構造20、図3に示す膜型共鳴構造30、及び図4に示す気柱共鳴構造40をそれぞれ単独で複数用いても良いが、混合して用いても良い。
図3に示す膜型共鳴構造30は、枠32と、枠32の孔部34の開口を覆うように枠32の一端側に固定される膜36とを有し、枠32と膜36によって膜36の背面空間38を形成する。
なお、本発明の防音構造体10においては、複数の膜型共鳴構造30は、その膜36が管体12の壁面に配置されるようにそれぞれ設置される。
枠32は、孔部34を囲む囲み部33aと、孔部34の一方の開口に対向する底部33bによって構成される有底枠である。
枠32は、孔部34を覆うように膜36を固定し、かつ支持するためのもので、この枠32に固定された膜36の膜振動の節となるものである。したがって、枠32は、膜36に比べて、剛性が高く、具体的には、単位面積当たりの質量及び剛性は、共に高いことが好ましい。
図3に示す枠32は、底部33bを持ち、一方のみが開放された開口を持つ孔部34を備える有底枠であるが、本発明はこれに限定されず、両方に開放された開口を持つ孔部34を備える囲み部33aのみを有する枠であっても良い。この囲み部33aのみの枠である場合には、他方の開口には、膜36と同様の膜を有するものであっても良いし、枠材料と同様な材料の背面板を有するものであっても良い。
なお、枠32は、膜36の全周を抑えることができるように膜36を固定できる閉じた連続した形状であることが好ましいが、本発明は、これに限定されず、枠32が、これに固定された膜36の膜振動の節となるものであれば、一部が切断され、不連続な形状であっても良い。即ち、枠32の役割は、膜36を固定し支持して膜振動を制御することにあるため、枠32に小さな切れ目が入っていても、接着していない部位が存在していても効果を発揮する。
また、枠32の孔部34の形状は、平面形状で、正方形であることが好ましいが、本発明においては、特に制限的ではなく、例えば、長方形、ひし形、又は平行四辺形等の他の四角形、正三角形、2等辺三角形、又は直角三角形等の三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形を含む多角形、若しくは円形、又は楕円形等であっても良いし、不定形であっても良い。なお、枠32の孔部34の端部は、閉塞されておらず、そのまま外部に開放されている。この開放された孔部34の端部に孔部34を覆うように膜36が枠32に固定される。
図3Bでは、枠32の孔部34は、その端部が、閉塞されておらず、そのまま外部に開放されているが、孔部34の両方の端部が外部に開放され、一方の端部が背面板等の部材で閉塞されていてもよい。
また、枠32のサイズaは、平面視のサイズであり、その孔部34のサイズLaに枠32の両幅を加えたものとして定義できるが、枠32の幅は小さいので、孔部34のサイズLa(≒a)とすることもできる。枠32のサイズaは、枠32の形状が円形、又は正方形のような正多角形の場合には、その中心を通る対向する辺間の距離、又は円相当直径と定義することができ、多角形、楕円、又は不定形の場合には、円相当直径と定義することができる。本発明において、円相当直径、及び半径とは、それぞれ面積の等しい円に換算した時の直径、及び半径である。
このような枠32のサイズaは、特に制限的ではなく、本発明の防音構造体10が防音のために適用される上述の防音対象物に応じて設定すればよい。
例えば、枠32のサイズaは、特に制限的ではないが、例えば、0.5mm~300mmであることが好ましく、1mm~100mmであることがより好ましく、10mm~50mmであることが最も好ましい。
ここで、枠32の厚さは、囲み部33aの厚さということができ、枠32の孔部34の深さdbとして定義できるので、以下では、孔部34の深さdbとする。
枠32の厚さdb、即ち孔部34の深さdbは、特に制限的ではないが、膜36の振動の共鳴周波数に影響を与えるので、共鳴周波数に応じて設定しても良いし、例えば、孔部34のサイズLaに応じて設定しても良い。
孔部34の深さdbは、0.5mm~200mmであることが好ましく、0.7mm~100mmであることがより好ましく、1mm~50mmであることが最も好ましい。
また、枠32の幅は、枠32を構成する部材の厚さということができるが、膜36を固定することができ、膜36を確実に支持できれば、特に制限的ではない。枠32の幅は、例えば、枠32のサイズaに応じて設定することができる。ここで、枠32の底部33bの厚さも、枠32の幅と同様に定義することができる。
例えば、枠32の幅は、枠32のサイズaが、0.5mm~50mmの場合には、0.5mm~20mmであることが好ましく、0.7mm~10mmであることがより好ましく、1mm~5mmであることが最も好ましい。
また、枠32の幅は、枠32のサイズaが、50mm超、300mm以下の場合には、1mm~100mmであることが好ましく、3mm~50mmであることがより好ましく、5mm~20mmであることが最も好ましい。
なお、枠32の幅が、枠32のサイズaに対して比率が大きくなりすぎると、全体に占める枠32の部分の面積率が大きくなり、デバイス(共鳴構造14)が重くなる懸念がある。一方、上記比率が小さくなりすぎると、その枠32部分において接着剤などによって膜36を強く固定することが難しくなってくる。
枠32の材料は、膜36を支持でき、上述した防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があれば、特に制限的ではなく、防音対象物、及びその防音環境に応じて選択することができる。例えば、枠32の材料としては、筺体26の材料と同様な材料を用いることができる。
また、枠32の材料としてこれらの複数種の材料を組み合わせて用いてもよい。
また、枠32の孔部34内には、従来公知の吸音材を配置してもよい。
吸音材を配置することで、吸音材による吸音効果により、遮音特性をより向上できる。また、吸音材としては、特に限定はなく、ウレタン板、不織布等の種々の公知の吸音材が利用可能である。なお、ヘルムホルツ共鳴構造20の筺体26の中空空間24内に吸音材を配置した場合も、同様である。
以上のように、本発明の共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20、膜型共鳴構造30)内に、又は共鳴構造14と共に、公知の吸音材を組み合わせて用いることにより、本発明の共鳴構造14による防音効果と、公知の吸音材による吸音効果との両方の効果を得ることができる。
膜36は、枠32の内部の孔部34を覆い、且つ枠32に抑えられるように固定されるもので、外部からの音波に対応して膜振動することにより音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するものである。即ち、枠32と膜36とは、膜型共鳴体を構成するものであると言える。
ところで、膜36は、枠32を節とし、膜振動する必要があるので、枠32に確実に抑えられるように固定され、音波のエネルギを吸収して、もしくは反射して防音する必要がある。このため、膜36は、可撓性のある弾性材料製であることが好ましい。
このため、膜36は、枠32の孔部34の形状に孔部34の外側の枠32の幅(囲み部33aの幅)を加えた外側形状を有する。
また、膜36の(外側形状の)サイズは、枠32に確実に固定されて、振動膜として機能する必要があるので、孔部34のサイズLaより大きい必要がある。なお、膜36の(外側形状の)サイズは、孔部34のサイズLaに孔部34の両側の枠32の囲み部33aの幅を加えた枠32のサイズaより大きくても良いが、この大きい部分は、振動膜としての機能もなく、膜36を固定する機能もないので、枠32のサイズa以下であることが好ましい。
また、膜36の厚さは、音波のエネルギを吸収して防音するために膜振動することができれば、特に制限的ではないが、揺れが最も大きい振動モードを高周波側に得るためには厚く、低周波側に得るためには薄くすることが好ましい。例えば、図3に示す膜36の厚さは、本発明では、枠32のサイズa、又は孔部34のサイズLa、したがって膜36のサイズに応じて設定することができる。
例えば、膜36の厚さは、孔部34のサイズLaが0.5mm~50mmの場合には、0.001mm(1μm)~5mmであることが好ましく、0.005mm(5μm)~2mmであることがより好ましく、0.01mm(10μm)~1mmであることが最も好ましい。
また、膜36の厚さは、孔部34のサイズLaが、50mm超、300mm以下の場合には、0.01mm(10μm)~20mmであることが好ましく、0.02mm(20μm)~10mmであることがより好ましく、0.05mm(50μm)~5mmであることが最も好ましい。
なお、膜36の厚さは、1つの膜36で厚さが異なる場合などは、平均厚さで表すことが好ましい。
ここで、膜型共鳴構造30のインピーダンスZは、J. Sound Vib. (1969)10(3),411-423、及びThe 22th International Congress on Sound and Vibration(Florence, Italy 12-16 July 2015)予稿集 LOW-FREQUENCY SOUND ABSORPTION USING A FLEXIBLE THIN METAL PLATE AND A LAYER OF POLYURETHANE FORM(1258)を参考に、下記式(10)で与えられる。
Figure 0007074878000004
但し、Dは、膜36の曲げ硬さであり、下記式(11)で与えられる。
Figure 0007074878000005
但し、ωは角周波数、aは、枠32の一辺の長さ、Ai、及びBi(i=1、2、……)は、膜36のインピーダンス定数、Eは、膜36のヤング率、σは、膜36のポアソン比、hは、膜36の厚み、gは、減衰定数、ρsは、膜36の面密度である。
ここで、膜36が正方形膜の場合Ai、及びBiは決まっており、文献から以下の値を用いることができる。
Ai=2.02、Bi=2.64×10
減衰定数は、経験的に決定されるが、例えば、g=0.04という値を用いることができる。また、dcは、背面空気層の長さである。
なお、長方形等の多角形の膜、円形の膜、及び楕円形の膜等の場合には、膜36のインピーダンス定数Ai、及びBi(i=1、2、……)の値は、その形状に応じて変わるので、文献等で示された値を用いることができる。
なお、膜型共鳴構造30によっては、膜36の形状、厚み、及び/又は背面空間38の形状によっては、上記式(10)が成り立たなくなる場合がある。
このような場合には、上述したように、インピーダンスZは、実験(音響管4マイク測定)、又はシミュレーションで求められる反射係数から、インピーダンスZの実験値、又はシミュレーション値を上記式(12)により求めることができる。なお、上述したように、理論値、実験値、及びシミュレーション値の間に乖離がある場合には、理論値、実験値、及びシミュレーション値の間の範囲の任意の値をインピーダンスZ値として採用することができる。
また、本発明の共鳴構造14である膜型共鳴構造30の枠32に固定された膜36は、共鳴構造14の構造において、誘起可能な最も低次(1次)の振動モードの周波数である最低次の共鳴周波数(第1共鳴周波数)を持つものである。
また、枠32、及び膜36からなる膜型共鳴構造30である共鳴構造14における、即ち、枠32に抑えられるように固定された膜36に対して音波が膜面に平行に入射する場合の共鳴周波数は、音波が膜振動を最も揺らすところで、その周波数で共鳴構造側に音が引き込まれ、最も大きい吸収ピークを発現する(即ち、吸収率が極大となる)周波数である。また、最低次の共鳴周波数は、枠32と膜36からなる膜型共鳴構造30によって決まる、膜振動が最も低次の振動モードを発現する第1共鳴周波数である。
枠32に固定された膜36の最低次の共鳴周波数(例えば、剛性則に従う周波数領域と質量側に従う周波数領域との境界が最も低次の第1共振(共鳴)周波数となる)は、人間の音波の感知域に相当する10Hz~100000Hzであることが好ましく、人間の音波の可聴域である20Hz~20000Hzであることがより好ましく、40Hz~16000Hzであることが更により好ましく、100Hz~12000Hzであることが最も好ましい。
ここで、本発明の共鳴構造14である膜型共鳴構造30において、枠32、及び膜36からなる構造における膜36の共振周波数、例えば最低次の共鳴周波数は、共鳴構造14の枠32の幾何学的形態、例えば枠32の形状及び寸法(サイズ)と、共鳴構造14の膜36の剛性、例えば膜36の厚さ及び可撓性と、膜36の背面空間38の体積によって定めることができる。
例えば、膜36の振動モードを特徴づけるパラメータとしては、同種材料の膜36の場合は、膜36の厚み(t)と孔部34のサイズ(La)の2乗との比、例えば、正四角形の場合には一辺の大きさとの比[La/t]を用いることができ、この比[La/t]が等しい場合には、上記振動モードが同じ周波数、即ち同じ共振周波数となる。即ち、比[La/t]を一定値にすることにより、スケール則が成立し、適切なサイズを選択することができる。
また、膜36のヤング率は、膜36が音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができる弾性を有していれば、特に制限的ではないが、膜36の振動モードを高周波側に得るためには大きく、低周波側に得るためには小さくすることが好ましい。例えば、膜36のヤング率は、本発明では、枠32(孔部34)のサイズ、即ち膜のサイズに応じて設定することができる。
例えば、膜36のヤング率は、1000Pa~3000GPaであることが好ましく、10000Pa~2000GPaであることがより好ましく、1MPa~1000GPaであることが最も好ましい。
また、膜36の密度も、音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができるものであれば、特に制限的ではなく、例えば、5kg/m~30000kg/mであることが好ましく、10kg/m~20000kg/mであることがより好ましく、100kg/m~10000kg/mであることが最も好ましい。
膜36の材料は、膜状材料、又は箔状材料にした際に、上述した防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があり、膜36が音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができるものであれば、特に制限的ではなく、防音対象物、及びその防音環境などに応じて選択することができる。例えば、膜36の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、アクリル(PMMA)、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニリデン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、芳香族ポリアミド、シリコーン樹脂、エチレンエチルアクリレート、酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、又はポリブテン等の膜状にできる樹脂材料、アルミニウム、クロム、チタン、ステンレス、ニッケル、スズ、ニオブ、タンタル、モリブデン、ジルコニウム、金、銀、白金、パラジウム、鉄、銅、又はパーマロイ等の箔状にできる金属材料、紙、又はセルロースなどその他繊維状の膜になる材質、不織布、ナノサイズのファイバーを含むフィルム、薄く加工したウレタン、又はシンサレートなどのポーラス材料、若しくは薄膜構造に加工したカーボン材料など、薄い構造を形成できる材質または構造等を挙げることができる。
また、膜36は、枠32の孔部34の開口を覆うように枠32に固定される。
枠32への膜36の固定方法は、特に制限的ではなく、膜36を枠32に膜振動の節となるように固定できればどのようなものでも良く、例えば、接着剤を用いる方法、又は物理的な固定具を用いる方法などを挙げることができる。
接着剤を用いる方法は、接着剤を枠32の孔部34を囲む表面上に接着剤を塗布し、その上に膜36載置し、膜36を接着剤で枠32に固定する。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤(アラルダイト(登録商標)(ニチバン社製)等)、シアノアクリレート系接着剤(アロンアルフア(登録商標)(東亜合成社製)など)、又はアクリル系接着剤等を挙げることができる。
物理的な固定具を用いる方法としては、枠32の孔部34を覆うように配置された膜36を枠32と棒等の固定部材との間に挟み、固定部材をネジやビス等の固定具を用いて枠32に固定する方法等を挙げることができる。
なお、膜型共鳴構造30は、枠32と膜36とを別体として構成し、膜36を枠32に固定した構造であるが、これに限定されず、同じ材料からなる膜36と枠32が一体化した構造であっても良い。
本発明の共鳴構造14として、図4に示す気柱共鳴構造40を用いることもできる。
気柱共鳴構造40は、一端側に外側に開放された開口42を有し、他端側に閉塞された底面44を有する管状体46からなる気柱共鳴管である。
なお、本発明の防音構造体に用いられる気柱共鳴構造は、一端が開放され、他端が閉塞された管状体、例えば閉管であっても、両端が開放された管状体、例えば、開管であっても良い。このように、気柱共鳴構造は、閉管、又は開管からなる気柱共鳴管によって構成することができる。
このような気柱共鳴管40の管状体46の構造は、長さ、及び形状は異なるが、膜型共鳴構造30の枠32と同様な構成とすることができ、同様の材料を用いることができる。
なお、管状体46(気柱共鳴管)の長さdcは、図4に示すように、管状体46の開口42の平面の中心と、管状体46の底面44との距離であると定義される。
ところで、上記気柱共鳴管40の場合には、上述したように、ヘルムホルツ共鳴構造20、及び膜型共鳴構造30の場合と同様に、実験(音響管4マイク測定)、又はシミュレーションで求められる反射係数から、インピーダンスZの実験値、又はシミュレーション値を上記式(12)により求めることができる。
上述したように、こうして求められたインピーダンスZの実験値、又はシミュレーション値をインピーダンスZの値として用いれば良い。
なお、上述したように、理論値、実験値、及びシミュレーション値の間に乖離がある場合には、理論値、実験値、及びシミュレーション値の間の範囲の任意の値をインピーダンスZ値として採用することができる。
本発明の防音構造体10、及びこれに用いられる共鳴構造14は、基本的に以上のように、構成される。
以下では、本発明の防音構造体10の防音原理となる理論について説明する。
まず、図1に示すように、管体12の一方の端部境界12bから入射波piが管体12の開口管路12a内に入射して、管体12の開口部12cの側に向って、管体12の開口管路12a内を伝搬し進行する。上述したように、端部境界12bは、反射が無いと仮定できる境界である。なお、ここでの入射波、透過波、及び反射波等の波動は、音圧を意味する。
管体12の壁面には、共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20)があるので、入射波piの内の一部は、共鳴構造14に吸収されるが、共鳴構造14において入射波piの内の一部の反射が生じる。即ち、ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴穴22、好ましくはその中心を通る面R1が反射端1となり、入射波piの内の一部が反射され、入射側の管体12の開口部12bに向う反射波pr1となる。入射波piの内の残りの部分(吸収も、反射もされなかった部分)は、反射端1(R1)を透過し、透過波pt1となり、管体12の開口部12cの側に向って、管体12の開口管路12a内を伝搬し進行する。入射波piは、共鳴構造14に吸収され、また、反射端1(R1)で反射されるので、透過波pt1は、入射波piに比べて小さい。
管体12の開口部12cにおいて、断面積S1の開口管路12aは、第2の管体16の断面積S2の管路16aに急激に拡大するので、開口部12cの開口面(管体16の端面16b)が、断面積が不連続となる界面となり、反射が生じる反射端2となる。現実には、管体12の開口部12cにおいては、開口端補正が必要であるので、反射端2は、図1に点線で示すR2となる。
その結果、透過波pt1の一部は、反射端2(R2)において反射され、入射側の管体12の開口部12bに向う反射波pr2となって、管体12の開口管路12a内を伝搬し進行する。特に、管体16の断面積S2と管体12の断面積S1の差が大きい場合には、反射波pr2が大きくなる。
透過波pt1の残りの部分は、管体16の管路16aに放射される。図5に点線で示すように、開放空間に放射される透過波Ptは、入射波piの内、共鳴構造14で吸収され、また、その反射端1(R1)で反射され、開口端による反射端2(R2)で反射された残りであるので十分に小さくなっている。
なお、入射側の管体12の開口部12bに向う反射波pr2は、再び共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20)に向って進行し、その反射端1(R1)に到達する。そうすると、反射波pr2の内の一部は、共鳴構造14に吸収されるが、反射波pr2の内の他の一部は、反射端1(R1)で反射され、反射波pr3となり、再び管体12の開口部12cに向って進行する。図5に示すように、反射端1(R1)で反射された反射波pr3は、その一部が再び共鳴構造14に吸収され、また、他の一部が反射端2(R2)で反射される。元々、透過波pt1も、反射波pr2、及びpr3も小さいので、反射波pr2、及び反射波pr3は、反射端1(R1)と反射端2(R2)との間に、閉じ込められながら多重反射を繰り返して、いつかは共鳴構造14に吸収される。
本発明においては、共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20)では、反射よりも吸収の方が大きいことが好ましい。即ち、共鳴構造14の、管体12と同一太さの導波路(開口管路12a)中における単一での吸収率が、反射率よりも大きいことが好ましい。
一方、反射波pr2の残りの部分は、反射端1(R1)を透過し、反射波pr1’となり、管体12の開口部12bに向って進行する。
したがって、共鳴構造14による反射波pr1と、開口端反射による反射波pr1’とは、共鳴構造14の上流側において、重なり合って、管体12の開口部12bに向って進行することになる。このため、本発明においては、反射波pr1と反射波pr1’とが干渉効果で打ち消し合うように、反射波pr1と反射波pr1’との位相をできるだけ、例えばπ/2~3π/2の範囲内、好ましくは完全に互いに反転させる必要がある。
即ち、反射波pr1と反射波pr1’とが干渉効果で打ち消し合うようにするには、反射波pr1と反射波pr1’との位相差θがπに近い値にする必要がある。
本発明においては、反射波pr1と反射波pr1’との位相差θが、下記不等式(1)を満足する必要がある。
|θ-π|≦π/3 …(1)
こうすることにより、図5に点線で示すように、入射側の管体12の開口部12bに向って進行する反射波Prを小さくすることができる。
即ち、このように、管体12の開口管路12aの開口部12cと共鳴構造14の位置を適切に規定することによって、共鳴構造14(R1)からの反射波pr1と開口端(R2)反射pr1’との効果的な打ち消し合いを図り、共鳴構造14単一の吸収率を高めることができる。
また、図1に示すように、本発明の防音構造体10では、1つの共鳴構造14で高い吸収を実現できる。したがって、本発明では、より少ない共鳴構造14で高い吸収を実現することができ、その結果、小型で高い吸収を得ることができる。
なお、pr1は、音響管中に共鳴構造14等の共鳴体を置いて、4マイク測定を用いて、共鳴体1個だけの場合の反射係数を測定することで、反射波prの反射における位相差を得ることができる。
pr2は、開口端からの反射波であり、同じく音響管(但し、2マイク法で周端部が開放している)を用いて、開口端のみの反射係数を測定することで、反射波pr2の反射における位相変化を得ることができる。
なお、断面積S1の管体12の開口管路12aの導波路の音響インピーダンスZaは、Za=ρc/S1であり、断面積S2の管体16の管路16aの導波路の音響インピーダンスZbは、Zb=ρc/S2である。しかしながら、開口端付近、および管体16(出口側空間)中では平面波が維持されなくなるため、以降の反射率を計算する際に補正をかけた取扱いが必要になる。このとき、音響インピーダンスZbは、上記のような単純な式では表せず、補正をかけた式として、Zb=ρc/Sxとなる。ここで、Sxは、開口端補正した開口端の補正断面積であり、開口端部R2の反射率の関数である。
したがって、このとき、開口端反射率Rは、下記式(14)となる。
R=|(Zb―Za)/(Zb+Za)| …(14)
次に、上述した共鳴構造14の反射端1(R1)と、開口端補正反射端2(R2)と、これらの間の導波路を含む3つの界面を考慮した合成された特性インピーダンスZ1を求める。
即ち、3つの界面を考慮した伝達マトリックスTは、下記式(4)によって与えられる。
Figure 0007074878000006
ここで、上記式(3)の右辺の第1項は、音響的に並列に接続された共鳴構造14の効果を表わすマトリックスとなっている。上記式(3)の右辺の第2項は、共鳴構造14の反射端1(R1)と開口端補正反射端2(R2)との間の導波路の距離Lを伝搬する波の伝達マトリックスを表わしている。上記式(3)の右辺の第3項は、開口端補正反射端2(R2)という界面における反射を規定するマトリックスになっている。
インピーダンスZ0は、上述した管体12の導波路の音響インピーダンスZaであり、下記式(5)で与えられる。
Z0=ρc/S1 …(5)
開口端補正した開口端の補正断面積Sxは、下記式(6)で与えられる。
Sx=(1+Rx(f))/(1-Rx(f))×S1 …(6)
は、共鳴構造14のインピーダンスZであり、kは、波数であり、cは、音速であり、ρは、空気の密度であり、Rx(f)は、管体12の開口部12cの補正された開口端反射率であり、fは、周波数であり、f<c/(4×(√(S1/π))、即ち下記式(15)を満足する必要がある。
Figure 0007074878000007
防音構造体10の音響インピーダンスZ1は、こうして上記式(4)において求められたマトリックスの成分A、B、C、及びDを用いて、下記式(3)のように表すことができる。
Z1=(A×Z0+B)/(C×Z0+D) …(3)
こうして求められた音響インピーダンスZ1の値が、Z0に近くなれば反射を下げることができる。
したがって、本発明においては、音響インピーダンスZ1は、複素平面上で、上記式(14)を考慮すると、下記式(2)を満足することが好ましい。
Figure 0007074878000008
即ち、本発明においては、共鳴構造14から管体12の開口部12cまでの開口端補正を含む導波路距離をLとし、管体12が有する導波路の平均断面積S1、開口部12cによる補正後の開口端反射率をRx(f)とするときに、下記式(2)で定義される防音構造体10の音響インピーダンスZ1が、周波数fがf<c/(4×(√(S1/π))(上記式15)を満たす周波数範囲内において、複素平面上で、上記式(1)を満足することが好ましい。
こうして、音響インピーダンスZ1を管体12の導波路の音響インピーダンスZ0に近づけることにより、反射端1、及び反射端2における反射を減らすことができ、防音構造体10における吸収を高い効率で行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る防音構造体について詳細に説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図6に示す防音構造体11は、管体12と、管体12の開口管路12a内に設置されるファン50と、管体12の開口部12c側の壁面に設置される共鳴構造14とを有する。
なお、図6に示す防音構造体11は、図1に示す防音構造体10と、管体12内に騒音源となり、かつ送風源となるファン50を有しており、管体12の開口部12cに断面積S2が大きい管体16が接続されておらず、開口部12cが開放空間に開口している点以外は、同一であるので、同一の構成要素には、同一の番号を付し、その説明は省略する。なお、管体16の断面積S2が管体16の断面積S1よりはるかに大きい場合には、管体12の開口部12cは、開放空間に開口していると見做せるので、その詳細な説明も省略する。
ここで、管体12内に騒音源となるファン50があると、インピーダンスがあるため、ファン50が反射体となり、ファン50を含む管体12は複雑な共鳴モードを持つ。このため、共鳴構造14の共鳴周波数と、騒音源となるファン50を含む管体12の共鳴周波数とを近づけて反射を減らし、吸収を効率よく行うことが好ましい。
即ち、共鳴構造14の共鳴周波数frとし、騒音源となるファン50を含む管体12の共鳴周波数をfnとし、nを共鳴次数で、正の整数とし、騒音源となるファン50を含む管体12の隣り合う共鳴周波数の差分をΔfとするとき、共鳴構造14の共鳴周波数frが下記式(7)を満足するnが存在することが好ましい。
fn-Δf/4<fr<fn+Δf/4 …(7)
なお、fnは、例えば図6の場合には、ファン50を含む管体12内にファン50に接するようにスピーカ音源を設置し、音源からホワイトノイズを発生させた場合に管から30cm程度離れた位置のマイク音圧を計測した際の、その音圧スペクトルが極大となる周波数ということができる。
なお、図7に示すように、騒音源となるファン50を含む管体12の共鳴周波数fnが複数存在する時、共鳴周波数の差分Δfは、Δf=fn+1-fn、又はfn-fn+1で表される。したがって、上記式(7)で示される範囲は、図7に太い点線で示される範囲となる。
また、共鳴周波数frと、共鳴周波数fnとは、一致していることがより好ましい。
更に、騒音源となるファン50の騒音のスペクトルのピーク周波数と、共鳴構造14の共鳴周波数とが一致していることが好ましい。
本発明に用いられる騒音源となるファン50としては、特に制限的では無く、従来公知の種々のファンを用いることができる。例えば、プロペラファン、軸流ファン、ブロアファン、シロッコファン、又はクロスフローファン等を挙げることができる。
また、騒音源としては、ファン50に限定されず、モータ、又はポンプ等の回転体、インバータ、パワーサプライ、昇圧器、昇圧コンバータ、インバータを含むパワーコントロールユニット(PCU)、若しくは空気の流路を妨げる障害物等によって生じる風切り音等を用いることができる。
ところで、音は、音圧と粒子速度、それぞれについての波動関数が存在するが、基本的に本願明細書中の位相、及び振幅等の議論では全て音圧の波動関数を扱う。
本発明においては、反射波、及び透過波の位相差(位相変化)に関しては、以下のようにして求めることができる。
第1の方法としては、ヘルムホルツ共鳴構造、及び膜型共鳴構造等の一般的な共鳴体の場合は、その構造の寸法サイズから共鳴体のインピーダンスを求めることができるので、伝達マトリクス法を用いて、反射係数、及び透過係数(いずれも複素数)を算出することができる。これらの係数の偏角が位相変化に相当するので、反射波、及び透過波の位相変化(位相差)を計算することができる。
第2の方法としては、上記のように、理論式で単純に表せない場合には、反射波、及び透過波の位相差(位相変化)は、実験でも求めることができる。
管状の管体と同じ断面積を有する音響管において、共鳴型防音構造を4マイク法で測定する。この4マイク法測定から反射係数、透過係数を実験的に測定することができる、即ち反射波、及び透過波の位相変化(位相差)を求めることができる。これらの位相変化量を用いてθを計算することができる。
また、反射波、及び透過波の位相差(位相変化は、)シミュレーション(有限要素法)でも求めることができる。
有限要素法のシミュレーションにおいて、各位置における音圧の波動関数の位相差を出すことができる、例えば入射波の波動関数pi(z)、反射波、及び透過波の波動関数をpr(z)、pt(z)とするとき、共鳴体の位置をz=dとすれば、反射係数r=pr(d)/pi(d)、透過係数t=pt(d)/pi(d)を計算する。これらの偏角が位相変化量となる。これらの位相変化量を用いて、位相差θを計算することができる。
また、本発明においては、共鳴型防音構造の吸音率等の音響特性は、音響管4マイク法によって測定することができる。音響管の太さは、管状管体と同一の断面積のものを使用する。音響特性の測定系60を図29に示す。
図29に示す測定系60において、アルミニウム製音響管(管体62)内に共鳴構造(共鳴型防音構造)14配置し、音響管(管体62)に配置された4つのマイクロフォン64を用いて伝達関数法による音響特性の測定を行った。この手法は「ASTM E2611-09: Standard Test Method for Measurement of Normal Incidence Sound Transmission of Acoustical Materials Based on the Transfer Matrix Method」に従うものである。音響管としては、例えば日東紡音響エンジニアリング株式会社製のWinZacと同一の測定原理であるものとして、アルミニウム製の管体62を用いた。管体62の下側には内部にスピーカ66を収納した円筒状の函体68を配置し、函体68の上面に管体62を載置した。スピーカ66から所定音圧の音を出力し、4本のマイクロフォン64で測定した。この方法で広いスペクトル帯域において音響透過損失を測定することができる。
本発明の防音構造体を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
まず、図1に示す本発明の防音構造体10を実施例1として用いた。
図1に示すように、実施例1の防音構造体10においては、共鳴構造14として、ヘルムホルツ共鳴構造20を用い、管体12の壁面に、ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴穴22、及び背面の中空空間24が開口管路12a内に連通するように設置した。
当該実施例1の防音構造体10の各種パラメータは以下の通りであった。
管体12の長さLd=500mm
管体12の開口管路12aの半径r1=30[mm]
管体12の開口管路12aの断面積S1=2827[mm
管体16の管路16aの半径r2=1000[mm]
管体16の管路16aの断面積S2=3.142×10[mm
共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴穴22の中心:反射端1(R1))と、管体12の開口部12cとの距離L0=20mm
共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴穴22の中心:反射端1(R1))と、開口端補正後の開口端(補正後の反射端2(R2))との距離L=38mm
ヘルムホルツ共鳴構造20aの共鳴穴22(9.5mm角)の断面積Sn=90.25[mm
ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴穴22の長さlc=5[mm]
ヘルムホルツ共鳴構造20の中空空間24の体積Vc=4000[mm
なお、管体12の左端は、音波の入射面であり、且つ共鳴構造や開口部から反射してきた波が管体12に到達した場合における左端からの反射の影響は考えないものとする。
<位相差θのシミュレート方法>
実施例1においては、以下の手順で共鳴構造14からの反射による音圧の位相変化θr1、共鳴構造14を透過した透過波が開口端部(反射端2(R2))から反射される反射波との、共鳴構造14の位置に至るまでの位相変化θr2をシミュレートした。
以下の共鳴構造のみを考慮した伝達マトリクスTから、下記式(16)、及び(17)を使って、以下の反射係数r1、位相変化θr1を計算した。
反射係数r1=(Zx―Z0)/(Zx+Z0)
位相変化θr1=arg(r1)
Figure 0007074878000009
Zx=(AZ0+B)/(CZ0+D) …(17)
Z0=ρc/S1 …(5)
は、ヘルムホルツ共鳴構造20のインピーダンスである。
一方で、同様に、以上の共鳴構造のみを考慮した伝達マトリクスTから、上記式(16)、及び(17)を使って、以下の透過係数t1、位相変化θr2を計算した。
透過係数t1=t=2/(A+B/Z0+CZ0+D
位相変化θr2=2arg(t1)+arg(exp(ikL))+π
(S2>>S1の場合、開口端R2における反射で音圧については自由端となるために、位相が反転する。したがって、R≒-1となる。)
ここで、Lは、共鳴構造14と補正開口端R2との距離であり、kは波数である。
こうして求めた位相変化θr1とθr2とから下記式(18)で位相差θを求めた
θ=θr1-θr2 …(18)
こうして求めた位相差θから、位相差θとπとの差分θ―πと、周波数との関係を求めた。その結果を図8に示す。
なお、共鳴構造14であるヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴周波数は、上記Zxの虚部が0となる周波数ということができ、この周波数は2180Hzであった。
図8のグラフから、この共鳴周波数2180Hzにおいて差分θ-π≒0.20[rad.]であり、π/3より小さいことが分かる。
即ち、|θ-π|≦π/3となっており、実施例1は、本発明の請求項1に記載の発明特定事項を満足することが分かる。
また、実施例1においては、以下の手順で透過(T)、反射(R)、及び吸収(Ab)をシミュレートした。
上記式(2)~(4)に基づく下記式(19)、及び(20)を計算した。但し、上記式(4)のマトリクスの左辺1項目のみを用いて、反射係数、及び透過係数を求めた。
反射係数r=(Z1-Z0)/(Z1+Z0) …(19)
透過係数t=2/(A+B/Z+CZ+D) …(20)
こうして求められた反射係数r、及び透過係数tを用いて、反射率R、透過率T、及び吸収率Abを求めた
反射率R=r
透過率T=t
吸収率Ab=1-R-T
こうして求めた音響管(管体12)における反射率R、透過率T、及び吸収率Abを、図9に示す。
図9に示すように、特に、共鳴周波数2180Hz前後では、吸収率Abは、反射率Rよりも高いことが分かる。
したがって、実施例1は、更に本発明の請求項2に記載の発明特定事項を満足することが分かる。
(実施例1―1)
次に、以下の手順で、本発明の実施例1-1の防音構造体における透過、反射、及び吸収を、伝達マトリクス法を用いてシミュレートした。本モデルは、従来モデルとは、断面積不連続の段差が存在する(開口端がある)点で異なる新しいモデルである。上記と同様に、上記式(2)~(4)式に基づく式を計算した。
即ち、音響インピーダンスZ1に基づいて、反射係数、透過係数を求めた。
反射係数r=(Z1-Z0)/(Z1+Z0) …(19)
透過係数t=2/(A+B/Z+CZ+D) …(20)
こうして求められた反射係数r、及び透過係数tを用いて、反射率R、透過率T、及び吸収率Abを求めた
反射率R=r
透過率T=t×(Sx/S1)
吸収率Ab=1-R-T
こうして求めた反射率R、透過率T、及び吸収率Abを、図10に示す。
実施例1-1では、実施例1の開口端が無い場合の防音構造体単独の吸収率よりも高い吸収率が実現できており、開口端部からの反射波を効率よく捉えることで、効率的な吸音が実現できていることが分かる。
また、図11に、防音構造体の反射係数rの絶対値|(Z1-Z0)/(Z1+Z0)|を実線で、開口端反射(開口端のみの場合)の反射係数の絶対値|√(Rx(f))|を点線で示す。
ここで、c/(4×(√(S1/π))は、2858Hzであった。
以上から、f<2858Hzの周波数領域に渡って、上記式(2)を満足しており、実施例1-1は、更に本願の請求項3に記載の発明特定事項を満足することが分かる。
ここで、開口端部の開口端反射率Rx(f)は以下のようにして求めた。
COMSOL MaltiPhysicsVer5.3aの音響モジュールを用いて、以下のような計算モデルにおいて、計算を行い、反射波の大きさを計算することで開口端部からの反射率を計算した。
計算モデルとしての円筒対象モデルを、図12に示す。
図12に示すように、計算モデルは、半径30mm、長さ300mmの円筒管の一方の開口部から平面波の入射波piが入射し、反射波prが出射する円筒対象モデルである。円筒管の他方の開口部による開口端は、媒質は空気である半径500mmの1/4円の領域からなり、1/4円の外周から内側に100mmの部分に完全吸収境界(PML:Perfectly Matched Layer)を設定した。
この計算モデルによる開口端反射率Rx(f)の計算結果を図13に示す。本モデルにおいて、開口端反射率は、入射音圧piと反射音圧prとするとき、Rx(f)=|pr/pi|として求めることができる。
図13に示すグラフから、反射率の関数Rx(f)を求めると、以下のようになる。
Rx(f)=9.03E-18×f-1.05E-13×f+4.41E-10×f-7.15E-7×f-1.12E-5×f+1
反射係数の絶対値(上記式(19)の絶対値)と√Rx(f)を比較したのが図11である。なお、√Rx(f)は、共鳴構造を管体内に設置しない場合の反射係数の絶対値に相当する。この図11から、管体内部にヘルムホルツ共鳴構造を置いた場合の方が、置かない場合に比較して、反射係数の絶対値が小さくなっていることが分かる(請求項3を満足している)。即ち、反射波を効率的に抑制出来ていることが分かる。更に、図9と図10の吸収率を比較すると、ヘルムホルツ構造はどちらも1つだけ設置しているにも関わらず、開口端がある場合の図10の方が、吸収ピークが大きくなっていることが分かる、即ち、効率的に吸収できていることが分かる。
(比較例1-1)
距離Lが、68[mm]であることをのぞいては、実施例1と同様であった。
比較例1-1においても、同様に、位相差θ求め、位相差θとπとの差分θ―πと、周波数との関係を求めた。その結果を図14に示す。
共鳴構造14の共鳴周波数は、上述したように、上記Zxの虚部が0となる周波数ということができる。この共鳴周波数は、実施例1と同様に2180Hzであった。
図14に示すグラフから、この共鳴周波数2180Hzにおいて差分θ-π≒2.2[rad.]であり、π/3より大きいことが分かる。即ち、|θ-π|>π/3となっているために、本願の請求項1に記載の発明の不等式(1)を満足しないことが分かる。
なお、半径30mmの音響管となる管体12における透過率、反射率、及び吸収率は、図9と同じで実施例1と同じであった。
比較例1-1においても、防音構造体と開口端反射とを考慮して、防音構造体の透過率、反射率、及び吸収率を計算した。計算結果を図15に示す。
また、図16に、防音構造体の反射係数rの絶対値|(Z1-Z0)/(Z1+Z0)|を実線で、開口端反射(開口端のみの場合の)の反射係数の絶対値|√(Rx(f))|を点線で示す。
図16に示すように、f<2858Hzの周波数領域において、上記式(2)を満足しない領域があり、比較例1-1は、ヘルムホルツ共鳴構造を設置した場合において、設置しない場合に比較して反射係数の絶対値が大きくなっている周波数領域がある、即ち、反射を効率的に抑制できていない。更に、図9と図15の吸収値を比較すると、ヘルムホルツ構造はどちらも1つだけ設置しているにも関わらず、開口端がある図15の場合の方が吸収ピーク値が小さくなっていることが分かる。従って、吸収が効果的に発現せず、本願の請求項1、及び3に記載の発明の発明特定事項を満たしていない場合において、吸収が効率的に実現できていないことが分かる。
(比較例1-2)
距離Lが、8[mm]であることをのぞいては、実施例1と同様であった。
比較例1-2においても、同様に、位相差θ求め、差分θ―πと、周波数との関係を求めた。その結果を図17に示す。
共鳴構造14の共鳴周波数は、上述したように、上記Zxの虚部が0となる周波数ということができる。この共鳴周波数は、実施例1と同様に2180Hzであった。
図17に示すグラフから、この共鳴周波数2180Hzにおいてθ-π≒2.6[rad.]であり、π/3より大きいことが分かる。即ち、|θ-π|>π/3となっているために、本願の請求項1に記載の発明の不等式(1)を満足しないことが分かる。
なお、半径30mmの音響管となる管体12における透過率、反射率、及び吸収率は、図9と同じで実施例1と同じであった。
比較例1-2においても、防音構造体と開口端反射とを考慮して、防音構造体の透過率、反射率、及び吸収率を計算した。計算結果を図18に示す。
また、図19に、防音構造体の反射係数rの絶対値|(Z1-Z0)/(Z1+Z0)|を実線で、開口端反射(開口端のみの場合の)の反射係数の絶対値|√(Rx(f))|を点線で示す。
図19に示すように、f<2858Hzの周波数領域において、上記式(2)を満足しない領域があり、比較例1-2は、ヘルムホルツ共鳴構造を設置した場合において、設置しない場合に比較して反射係数の絶対値が大きくなっている周波数領域がある、即ち、反射を効率的に抑制出来ていない。更に、図9と図18の吸収値を比較すると、ヘルムホルツ構造はどちらも1つだけ設置しているにも関わらず、開口端がある図18の場合の方が吸収ピーク値が小さくなっていることが分かる。従って、吸収が効果的に発現せず、本願の請求項1、及び3に記載の発明の発明特定事項を満たしていない場合において、吸収が効率的に実現できていないことが分かる。
(実施例1-2)
断面積S1の管体12の半径が15mmであることを除いては、実施例1と同様であった。
実施例1-2においても、同様に、位相差θ求め、差分θ―πと、周波数との関係を求めた。その結果を図20に示す。
共鳴構造14の共鳴周波数は、上述したように、特性インピーダンスZxの虚部が0となる周波数ということができる。この共鳴周波数は、実施例1と同様に2180Hzであった。
図20に示すグラフから、この共鳴周波数2180Hzにおいてθ-π≒0.22[rad.]となっていることが分かる。即ち、|θ-π|>π/3であり、実施例1-2は、本願の請求項1の不等式(1)を満足していることが分かる。
次に、実施例1-2においても、実施例1と同様にして、半径が15mmの音響管における反射率R、透過率T、及び吸収率Abを求め、その結果を図21に示す。
図21に示すように、実施例1-2の半径が15mmの音響管では、特に、共鳴周波数2180Hz前後では、反射率Rが、吸収率Abよりも高くなっており、本願の請求項2は満足しないことが分かる。
なお、実施例1と同様の手順で、半径15mmの管体12における開口端反射率Rx(f)を求めた。その結果は、以下のようになった。
Rx(f)=-7.31E-15×f+6.55E-11×f-2.10E-7×f+1.83E-5×f+1
実施例1-2においても、防音構造体と開口端反射とを考慮して、防音構造体の透過率、反射率、及び吸収率を計算した。計算結果を図22に示す。
図22に示すように、実施例1-2では、本願の請求項1を満足しており、共鳴構造14単独の場合よりも高い吸収率を実現できている。
しかしながら、元々共鳴構造14の反射率が大きいために、一定の反射率が残存している。したがって、本願の請求項2の要件を満たしている実施例1の場合の方が、より高い吸収を実現できることが分かる。
実施例1において、距離Lを変えていき、したがって、差分の絶対値|θ-π|を変えていき、差分の絶対値|θ-π|に対する最大吸収率をプロットすると、図23のようになった。
図23から、本発明の請求項1の不等式(1)の範囲を満たすπ/3以下の場合、即ち|θ-π|≦π/3の場合に高い吸収率が得られていることが分かる。
なお、共鳴構造14(共鳴型防音構造)単体での吸収率は、図23に一点鎖線で示す0.5より少し下である。また、図23には、共鳴構造14(共鳴型防音構造)を開口端部に設置した場合の最大吸収率も示す。
(実施例2)
図24に実施例2の防音構造体10aを示す。
図24に示す防音構造体10aは、一方(入射側)の端部が剛体反射面52で、及び他方(出射側)の端部が開口部12cである管体12と、管体12の開口部12cの側の壁面に設置される共鳴構造14としてのヘルムホルツ共鳴構造20と,管体12の開口部12cに接続される管体16とを有する。
なお、図24に示す防音構造体10aは、実施例1に用いられる図1に示す防音構造体10と、管体12の長さLdが長く、一方(入射側)の端部が、剛体反射面52となっている点以外は、同一であるので、同一の構成要素には、同一の番号を付し、その説明は省略する。
したがって、当該実施例2の防音構造体10aの各種パラメータは、実施例1と重複するが、以下の通りであった。
管体12の長さLd=150mm、及び200mmの2種
管体12の開口管路12aの半径r1=30[mm]
管体12の開口管路12aの断面積S1=2827[mm
管体16の管路16aの半径r2=1000[mm]
管体16の管路16aの断面積S2=3.142×10[mm
共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴穴22の中心:反射端1(R1))と、管体12の開口部12cとの距離L0=20mm
共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴穴22の中心:反射端1(R1))と、開口端補正後の開口端(補正後の反射端2(R2))との距離L=38mm
ヘルムホルツ共鳴構造20aの共鳴穴22(9.5mm角)の断面積Sn=90.25[mm
ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴穴22の長さlc=5[mm]
ヘルムホルツ共鳴構造20の中空空間24の体積Vc=4000[mm
(実施例2-1)
管体12の長さLdが150mmの場合である。したがって、管体12の導波路も、150mmとなる。
図25に、実施例2-1の防音構造体10aの管体12の音圧スペクトルを示す。即ち、図25は、共鳴構造14(共鳴型防音構造)が無い場合の防音構造体10aの音圧モードを表わすことになる。
図20に示す音圧スペクトルから、1次モードの共鳴周波数は、460Hz、2次モードの共鳴周波数は、1380Hz、3次モードの共鳴周波数は、2290Hz、4次モードの共鳴周波数は、3190Hzである。したがって、隣接する共鳴周波数の差分Δfは、約900Hz(Δf≒900Hz)となる。
一方、共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20)の共鳴周波数frは、2180Hzであるので、図25に示す3次モードの2290Hzの共鳴周波数fn(n=3)に対して、以下に示すように、上記不等式(7)を満足し、その結果、本願の請求項7の不等式(7)を満足する。
即ち、2290Hz-900Hz=2065/4<2180Hz<2290Hz+900Hz/4=2515となる。
図26に、実施例2-1の防音構造体10aの挿入損失を示す。
図26に示すように、周波数2000Hz超から2500Hz迄において、特に、ヘルムホルツ共鳴構造20の共鳴周波数fr=2180Hz付近において、10dBを超過する高い挿入損失を得ることができていることが分かる。
(実施例2-2)
管体12の長さLdが200mmの場合である。したがって、管体12の導波路も、200mmとなる。
図27に、実施例2-2の防音構造体10aの管体12の音圧スペクトルを示す。即ち、図27は、共鳴構造14(共鳴型防音構造)が無い場合の防音構造体10aの音圧モードを表わすことになる。
図20に示す音圧スペクトルから、1次モードの共鳴周波数は、360Hz、2次モードの共鳴周波数は、1090Hz、3次モードの共鳴周波数は、1810Hz、4次モードの共鳴周波数は、25300Hz、5次モードの共鳴周波数は、3520Hzである。したがって、隣接する共鳴周波数の差分Δfは、約720Hz(Δf≒720Hz)となる。
一方、共鳴構造14(ヘルムホルツ共鳴構造20)の共鳴周波数frは、2180Hzであるので、図27に示す3次モードの1810Hzの共鳴周波数fn(n=3)に対して、以下に示すように、上記不等式(7)を満足しない、その結果、本願の請求項7の不等式(7)を満足しない。
即ち、1810Hz-720Hz/4=1630<1810Hz+720Hz/4=2515<2180Hzとなる。
図28に、実施例2-2の防音構造体10aの挿入損失を示す。
図28に示すように、実施例2-2の防音構造体10aは、周波数1800Hzから2200Hz迄、及び周波数2300Hzから3200Hz迄において、低いが、3dB程度の挿入損失を得ることができていることが分かる。
以上から、本願の請求項7を満足する実施例2-1と、満足しない実施例2-2を比較すると、本願の請求項7を満足する実施例2-1の場合の方が、満足しない実施例2-2より挿入損失が大きくなっていることが分かる。
以上から、本発明の効果は明らかである。
以上、本発明の防音構造体についての種々の実施形態及び実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
10、10a、11 防音構造体
12、16 管体
12a 開口管路
12b、12c 開口部
14 共鳴構造(共鳴型防音構造)
16a 管路
16b 端面
20 ヘルムホルツ共振構造
22 共鳴穴
24 中空空間
26 筺体
30 膜型共鳴構造
32 枠
33a 囲み部
33b 底部
34 孔部
36 膜
38 背面空間
40 気柱共鳴構造
42 開口
44 底面
46 管状体
50 ファン
52 剛体反射面

Claims (12)

  1. 開口部を有する管状の管体と、共鳴型防音構造と、からなる防音構造体であって、
    前記共鳴型防音構造における反射波と、前記共鳴型防音構造を透過した透過波が前記開口部から反射される反射波との、前記共鳴型防音構造の上流側における位相差θが、前記共鳴型防音構造の共鳴周波数において、下記不等式(1)を満足することを特徴とする防音構造体。
    |θ-π|≦π/3 …(1)
  2. 前記共鳴型防音構造の、前記管体と同一太さの導波路中における単一での吸収率が、反射率よりも大きい請求項1に記載の防音構造体。
  3. 前記共鳴型防音構造から前記管体の前記開口部までの開口端補正を含む導波路距離をLとし、前記管体が有する導波路の平均断面積S1、前記開口部による開口端反射率をRx(f)とするときに、下記式(3)で定義される音響インピーダンスZ1が、周波数fがf<c/(4×(√(S1/π))を満たす周波数範囲内において、複素平面上で、下記式(2)を満足する請求項1、又は2に記載の防音構造体。
    Figure 0007074878000010
    Z1=(A×Z0+B)/(C×Z0+D) …(3)
    A、B、C、及びDは、伝達マトリックスTを表わす下記式(4)で与えられる。
    Figure 0007074878000011
    Z0は、下記式(5)で与えられる。
    Z0=ρc/S1 …(5)
    Sxは、下記式(6)で与えられる。
    Sx=(1+Rx(f))/(1-Rx(f))×S1 …(6)
    は、前記共鳴型防音構造のインピーダンス、cは音速、ρは空気の密度、kは波数である。
  4. 前記管体の出口側界面が、開放空間と見做せる請求項1~3のいずれか1項に記載の防音構造体。
  5. 前記共鳴型防音構造に加え、更に、少なくとも1つの共鳴型防音構造を有する請求項1~4のいずれか1項に記載の防音構造体。
  6. 前記共鳴型防音構造は、前記開口部からλ/4以内に配置されている請求項1~5のいずれか1項に記載の防音構造体。
  7. 前記管体が内部に騒音源を含み、前記共鳴型防音構造の共鳴周波数frが、前記騒音源を含む前記管体の共鳴周波数をfn(nは共鳴次数であり、正の整数)とし、前記騒音源を含む前記管体の隣りあう共鳴周波数の差分をΔfとするときに、下記式(7)を満足するnが存在する請求項1~6のいずれか1項に記載の防音構造体。
    fn-Δf/4<fr<fn+Δf/4 …(7)
  8. 前記共鳴型防音構造の共鳴周波数frと、前記騒音源を含む前記管体の共鳴周波数fnとが、一致している請求項7に記載の防音構造体。
  9. 前記騒音源が、ファンである請求項7、又は8に記載の防音構造体。
  10. 前記騒音源の騒音のスペクトルのピーク周波数と、前記共鳴型防音構造の共鳴周波数とが一致している請求項7~9のいずれか1項に記載の防音構造体。
  11. 前記管体は、前記開口部に加え、更に、少なくとも1つの開口部を有する請求項1~10のいずれか1項に記載の防音構造体。
  12. 前記共鳴型防音構造が、膜型共鳴体、ヘルムホルツ共鳴体、又は気柱共鳴体である請求項1~11のいずれか1項に記載の防音構造体。
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