JP5224158B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、負極活物質に、ケイ素、スズまたはこれらの化合物を用いた非水電解質二次電池に関するものである。
近年、小形で軽量な非水電解質二次電池は、携帯電話およびデジタルカメラなどの電子機器の電源として広く用いられている。この非水電解質二次電池は、一般的には正極にリチウム遷移金属複合酸化物が、負極に炭素材料が、電解質にリチウム塩を含んだカーボネートが使用されており、作動電圧が高く、エネルギー密度が高いことを特徴としている。近年、エネルギー密度をさらに高くするために、負極活物質を炭素材料からケイ素やスズやこれらを含む合金(以後、単に合金系材料と記す)に変更することが検討されている。
非特許文献1で報告されているように、ケイ素やスズなどの材料は炭素材料に比べて高いLiイオン拡散係数を有するため、高率放電性能や出力特性が向上するものと考えられる。そのため、負極活物質にケイ素やスズなどを用いた非水電解質二次電池を大型化して、電気自動車(EV)やハイブリッド型電気自動車(HEV)などの用途に適用することが期待される。
非水電解質二次電池をHEVに適用する場合、空間的余裕があるエンジンルーム近辺に電池を設置することが望まれる。しかしながら、HEVのエンジンルーム近辺は60℃以上の高温に曝される可能性が高いため、60℃以上の高温下における電池の信頼性が求められる。
特許文献1には、Siを薄膜状に設けた負極を用い、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:7の混合溶媒に、溶質として0.9モル/リットルのLiN(CSO]と0.1モル/リットルのLiPFとを溶解した電解液を用いたリチウム二次電池が開示されており、25℃での充放電サイクル特性が向上することが報告されている。
また、特許文献2〜4では、ケイ素やスズ、あるいはこれらの化合物を負極活物質に用いた非水電解質二次電池にいて、高温特性を改善するために、電解質のリチウム塩として、一般的にはLiN(CFSOなどのイミド塩とLiPFとを混合して用いることができると報告されている。
さらに、特許文献5には、負極活物質にケイ素またはケイ素化合物を用いた非水電解質二次電池において、電解質のリチウム塩としてLiN(CFSOとLiPFとを混合して用いる技術が開示され、LiPFの濃度は0.1mol/dm未満がよいとされている。
また、特許文献6には、リチウム二次電池の負極活物質に低結晶性炭素を用いた場合、高容量化のために、リチウム塩として、LiPFとイミド塩とを混合して用いる技術が開示され、特許文献7には、リチウム二次電池の負極活物質に人造黒鉛を用いた場合、ハイレート特性や低温特性、高温時の保存特性に優れた電池を得るために、リチウム塩として、LiPFとイミド塩とを混合して用いる技術が開示されている。
WO2002/058182 特開2006−019274号公報 特開平10−208742号公報 特開2001−185214号公報 特開2001−176545号公報 特開2000−195554号公報 特開2001−223025号公報 J.O.Besenhard et.al. Electrochimica Acta 45,31(1999)
ケイ素やスズ、あるいはこれらの化合物を負極活物質に用いた非水電解質二次電池において、電解質のリチウム塩として、イミド塩とLiPFとを混合して用いる技術は、前述のように、特許文献1〜5で開示されている。
しかし、特許文献1の試験条件は25℃の常温環境下におけるものであり、このデータから60℃といった高温環境下で電池が使用された際の出力性能を推測することは不可能である。また、特許文献5では、充放電サイクル特性は室温で測定しており、リチウム塩と電池の高温特性との関係は不明であった。
また、特許文献2〜4では、イミド塩とLiPFとを用いた場合の、具体的な混合比や、試験温度の記載がないため、60℃以上の高温での電池特性が改善されるかどうかは不明であった。
さらに、特許文献6および特許文献7では、負極活物質にケイ素やスズ、あるいはこれらの化合物を用いた電池についてのデータがないため、これらの負極活物質と、イミド塩とLiPFとを組み合わせた場合の効果は不明であった。
本発明の目的は、ケイ素、スズまたはこれらの化合物を含む負極を備えた非水電解質二次電池において、高温下で充電した時の電池の内部抵抗を低減することにあり、そのための最適なリチウム塩の組み合わせおよび電解液を提供することにある。
請求項1の発明は、正極、負極、セパレータ、非水電解質を備えた非水電解質二次電池において、前記負極がケイ素、スズまたはこれらの化合物を含み、前記非水電解質がビニレンカーボネートと1.5〜0.5mol/LのLiPFと0.02〜0.5mol/Lのイミド塩とを含み、前記イミド塩がLi[N(CF SO ]、Li[N(C SO ]、及びLi[N(CF SO )(C SO )]からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記非水電解質が0.3〜5.0質量%のビニレンカーボネートと0.95〜0.85mol/LのLiPF と0.05〜0.15mol/Lのイミド塩とを含むことを特徴とする。
本発明のように、非水電解質二次電池の負極活物質にケイ素、スズまたはこれらの化合物を用い、電解質中に、ビニレンカーボネートと1.5〜0.5mol/LのLiPFと0.02〜0.5mol/LのLi[N(CF SO ]、Li[N(C SO ]、及びLi[N(CF SO )(C SO )]からなる群から選ばれる少なくとも1つであるイミド塩とを同時に含むことにより、負極活物質の表面に柔軟性のあるSEI被膜が形成される。その結果、充放電によって負極活物質が大きな体積変化を起こした場合でも、SEI被膜は負極表面から脱落しないため、いったん形成されたSEI被膜の厚みが大きく増大することはなく、高温保存時の電池の内部抵抗の増大が抑制されるものと推定される。
本発明の手法によって、60℃以上の高温環境下において充電したときの、電池の内部抵抗を低減した非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明は、正極、負極、セパレータ、非水電解質を備えた非水電解質二次電池において、負極が活物質としてのケイ素、スズまたはこれらの化合物を含み、さらに、非水電解質が、ビニレンカーボネートとLiPFと0.02〜0.5mol/Lのイミド塩とを含むことを特徴とするものである。
本発明に用いる負極活物質は、ケイ素、スズまたはこれらの化合物を含むものとする。ここで、ケイ素化合物またはスズ化合物とは、化合物中に含まれる元素のモル比で、ケイ素またはスズが40%を超えるものをさすものとする。これは、これらの元素が40%以上含まれていない場合、これらの材料の電気化学的特性が電池の性能に与える影響が小さく、発明の効果が現れなくなるからである。
本発明に用いる負極活物質を例示すると、Si、SiO(0.8≦x≦1.2)、SiO/Si/SiO複合材料、SiNなどのケイ素化合物、Sn、SnNi、(SnNi)0.52Sn0.48、SnCuなどのスズ化合物が挙げられる。また、負極活物質の形状はどのようなものでもよく、たとえば、粉末状やめっき法や気相蒸着法などで形成した膜状などが挙げられる。
また、本発明の非水電解質二次電池において、電解液が、ビニレンカーボネートと1.5〜0.5mol/LのLiPFと0.02〜0.5mol/Lのイミド塩とを含むものである。なお、イミド塩の好ましい濃度範囲は0.03〜0.15mol/Lである。
本発明のように、負極活物質としてケイ素、スズまたはこれらの化合物を用い、同時に、非水電解質がビニレンカーボネートと1.5〜0.5mol/LのLiPF0.02〜0.5mol/Lのイミド塩とを含むことにより、高温保存時の電池の内部抵抗増大を抑制することができる。その理由として、つぎのようなことが考えられる。
非水電解質二次電池においては、負極表面にSEI被膜が形成される。ここでSEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜とは、非水電解質中で金属リチウムや炭素材料の初充電をおこなった場合、電解質中の溶媒が還元されて、金属リチウムや炭素材料の表面に形成されるパシベーション膜をさす(芳尾真幸、小沢昭弥編集、「リチウムイオン二次電池−材料と応用」、日刊工業新聞社(1996))。そして、金属リチウムや炭素材料の表面に形成されたSEI被膜が、リチウムイオン伝導性の保護膜として働き、その後の金属リチウムや炭素材料と溶媒との反応が抑制される。
このSEI被膜形成に最も適した電解質塩は六フッ化リン酸リチウム(LiPF)である。なお、LiN(CFSOなどのイミド塩もSEI被膜形成には有効であるが、イミド塩単独では、電解質の伝導度がやや小さくなる。
負極活物質が黒鉛などの炭素材料の場合、充放電に伴う負極活物質の体積変化が小さいため、いったん形成されたSEI被膜の厚みはフロート充電によって大きく増加することはなく、高温フロート充電時の内部抵抗が著しく増大する、という問題はなかった。
ところが、本願発明のように、負極活物質にケイ素、スズまたはこれらの化合物を用いた場合、60℃以上の高温でフロート充電した時に電池の内部抵抗が高くなる。その原因は、主として負極表面のSEI被膜の厚みが増加することにある。
すなわち、フロート充電時のSEI被膜の形成は、Liを吸蔵した状態の負極活物質が電解液溶媒および電解質塩を還元する反応に起因する。この時、負極活物質からLiの放出を伴う。
ケイ素、スズまたはこれらの化合物は、Liの吸蔵・放出(充放電)に伴う体積変化(Li吸蔵時には膨張、放出時には収縮)が大きいため、電池の充放電に伴って、負極活物質表面のSEI被膜が体積変化に耐え切れず、剥がれ落ちやすい。SEI被膜が剥がれ落ちると、負極活物質と電解液とが直接接触し、新たなSEI被膜形成反応を引き起こす。このようにして、SEI被膜の形成と剥離を繰り返すことで、電池の高抵抗化が生じているものと推察される。
電解液中のリチウム塩がLiPFのみの場合、電解液溶媒とともにLiPFが分解され、LiFなどの無機系成分を主成分とするSEI被膜が形成されやすい。この無機系成分を主成分とするSEI被膜は、柔軟性に乏しく、負極活物質の体積変化によって剥がれ落ちやすいため、負極活物質にケイ素、スズまたはこれらの化合物を用い、電解質塩にLiPFを用いた電池では、高温フロート充電時の内部抵抗が増加するという問題があった。
ビニレンカーボネート(VC)の還元分解によって生成されるSEI被膜は、有機系の成分を多く含むので、比較的柔軟性に優れているものと考えられる。負極にSiやSnなどの膨張収縮の大きい負極活物質を用いた場合についても、炭素材料を用いた場合と同様に、電解液中にVCを添加すれば、充放電初期においては良好なSEI被膜が形成されるものと考えられる。
しかしながら、SiやSnなどの負極活物質を用いた場合は、充放電初期に柔軟性に優れるSEI被膜を形成させても、その後、フロート充電などをおこなった場合に、その脱離および再形成が生じやすい。この時に、電解液中に十分なVCが存在しない場合には、LiFなどの無機系成分を主成分とするSEI被膜が形成されてしまう。
したがって、電化液中に充放電初期に消費されるよりも多くの十分な量のVCを添加しなければ、フロート充電などをおこなった場合の高抵抗化を抑制することはできないものと考えられる。
しかしながら、酸化力の増した正極によってVCが酸化分解されてガス発生を生じるだけでなく、高温であることで、負極でのSEI被膜の成長が促進され、逆に、電池の高抵抗化を引き起こす問題があった。
以上のように、電解液にVCを添加するだけでは、高温でフロート充電などをおこなった場合の高抵抗化を抑制することはできなかった。
また、LiPFの代わりにLiN(CFSOなどのイミド塩を適量用いた場合には、形成されるSEI被膜の柔軟性が増すことによって安定になり、さらなるSEI被膜形成を抑制することができるため、電池の内部抵抗の増加を抑制する効果が見られるが、その効果は不十分であった。
そこで、本発明は、電解質中に、ビニレンカーボネート(VC)と1.5〜0.5mol/LのLiPF0.02〜0.5mol/Lのイミド塩とを同時に含むことによる相乗効果により、負極活物質表面に、LiPF単独の場合やVCとLiPFの組み合わせでは得られなかった、柔軟性に優れたSEI被膜を形成することができ、その結果、高温フロート充電時の電池の内部抵抗増加を抑制することができるものと推定される。
なお、電解液中のイミド塩の濃度は0.02〜0.5mol/Lの範囲とする必要がある。イミド塩の濃度が0.02mol/Lより小さいと、高温保存時の電池の内部抵抗増加を抑制する効果がなく、0.5mol/Lより大きい場合は、正極に用いたアルミニウム集電体が腐食され、電池の不良を生じやすくなる。
また、電解液中のVCの濃度は5質量%以下とすることが好ましい。VCの濃度が5質量%よりも大きい場合、未反応のVCが電解質中に多く残存し、このような電池を高温で保存すると、VCが正極または負極で分解されてガスが発生し、また、SEI被膜生長による抵抗増加が生じるためである。
さらに、本発明において、イミド塩が、Li[N(CFSO]、Li[N(CSO]、Li[N(CFSO)(CSO)]からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。これらのイミド塩は入手が容易であるためである。
負極に用いられる導電剤としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、Ni、Ti、Al、Feまたはこれらの二種以上の合金もしくは炭素材料が挙げられる。なかでも、炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ニードルコークスなどの無定形炭素が挙げられる。なお、負極活物質が導電性物質である場合には、導電剤は必ずしも用いなくてもよい。
本発明の非水電解質電池に用いるセパレータとしては、例えば、微多孔膜、織布、不織布などが挙げられる。なかでも、シャットダウン性能を持つために安全性に優れるので、微多孔膜が好ましい。またポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、および、ポリブテンなどが挙げられ、なかでもポリエチレン、ポリプロピレン、および、これらの共重合体が、膜強度などの面で好ましい。また、材料、重量平均分子量や空孔率の異なる複数の微多孔膜が積層してなるものや、これらの微多孔膜に各種の可塑剤、酸化防止剤、難燃剤などの添加剤を適量含有しているものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデンやポリアクリロニトリルなどを担持することができる。
本発明に用いる正極活物質としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、二酸化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金属化合物や、硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属カルコゲン化合物、さらにはこれらの遷移金属とリチウムとの複合酸化物LiMO2-δ(ただし、Mは、Co、NiまたはMnから選ばれる少なくとも1つの元素を表し、0.4≦x≦1.2、0≦δ≦0.5である複合酸化物)、またはこれらの複合酸化物にAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、およびZnからなる群から選択される少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素を含有して使用することができる。
さらに、リチウムとニッケルの複合酸化物、すなわちLiNiM1M22-δで表される正極活物質(ただし、M1、M2はAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、およびZnからなる群から選択される少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素を表し、0.4≦x≦1.2、0.8≦p+q+r≦1.2、0≦δ≦0.5である複合酸化物)などを用いることができる。なかでも、高電圧、高エネルギー密度が得られ、サイクル性能も優れることから、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガンの複合酸化物や、リチウム・コバルト複合酸化物や、リチウム・コバルト・ニッケル複合酸化物が好ましい。
正極に用いられる導電剤としては、負極に用いたのと同じ材料を用いることができる。
正極に用いられる結着剤としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース、またはこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。
負極に用いられる結着剤としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシ変成ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはこれらの誘導体などからなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。負極活物質の形状をめっき法や気相蒸着法などで形成した膜状にする場合、結着剤を用いなくてもよい。
電極合剤を作製する場合、活物質、結着剤、導電剤などを混合する時に用いる溶媒としては、非水溶媒または水溶液を用いることができる。非水溶媒には、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤などを加えてもよい。
本発明に用いる電極の集電体基板としては、銅、鉄、ニッケル、SUSなどを用いることができる。中でも、熱伝導性および電子伝導性が高いことから、銅が好ましい。なお、皮膜形成過程において0.5Vよりも卑な電位範囲に曝されるため、アルミニウム基材は用いることができない。また、その形状としては、シート、発泡体、焼結多孔体、エキスパンド格子などが挙げられる。さらに、その集電体に任意の形状で穴を開けたものを用いることができる。
本発明の非水電解質電池に用いる電解液の有機溶媒としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、エーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、硫黄化合物、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、カーボネート類、ニトロ化合物、リン酸エステル系化合物、スルホラン系炭化水素類などを用いることができるが、これらのうちでもエーテル類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、ハロゲン化炭化水素類、カーボネート類、スルホラン系炭化水素類が好ましく、とくにカーボネート類が望ましい。
さらに、これらの例としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、アニソール、モノグライム、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジクロロエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メチルフォルメイト、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルチオホルムアミド、スルホラン、3−メチル−スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、およびホスファゼン誘導体およびこれらの混合溶媒などを挙げることができる。
なかでも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、およびジエチルカーボネートを単独でまたは2種以上を混合して使用することが好ましい。
また、電解質中にブチレンカーボネートなどのカーボネート類、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼンなどのベンゼン類、プロパンスルトンなどの硫黄類、エチレンサルファイド、フッ化水素、トリアゾール系環状化合物、フッ素含有エステル類、テトラエチルアンモニウムフルオライドのフッ化水素錯体またはこれらの誘導体、ホスファゼンおよびその誘導体、アミド基含有化合物、イミノ基含有化合物、または窒素含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有しても使用できる。また、電解質中に、CO、NO、CO、SOなどから選択される少なくとも1種を含有してもよい。
また、上記電解質に固体またはゲル状のイオン伝導性電解質を組み合わせて使用することができる。組み合わせる場合、非水電解質電池の構成としては、正極、負極およびセパレータと有機または無機の固体電解質と上記非水電解液との組み合わせ、または正極、負極およびセパレータとしての有機または無機の固体電解質膜と上記非水電解液との組み合わせが挙げられる。また、イオン伝導性電解質には有孔性高分子固体電解質膜も使用することができる。
イオン伝導性電解質としてはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレングリコールおよびこれらの誘導体、LiI、LiN、Li1+xTi2−x(PO(M=Al、Sc、Y、La)、Li0.5−3x0.5+xTiO(R=La、Pr、Nd、Sm)、またはLi4−xGe1−xに代表されるチオリシコンを使用することができる。さらに、LiI−LiO−B系、LiO−SiO系などの酸化物ガラス、またはLiI−LiS−B系、LiI−LiS−SiS系、LiS−SiS−LiPO系などの硫化物ガラスを使用することができる。
また、電池の形状は特に限定されるものではなく、本発明は、角形、長円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形電池などの様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能である。
つぎに、本発明の好適な実施例について説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その趣旨が変わらない範囲において適宜変更できるものとする。
[実施例1〜6および比較例1〜3]
[実施例1]
厚さ20μmの銅箔(表面粗さRa=0.4μm)の表面に、負極活物質としてのケイ素(純度99.999%)を、RFスパッタリングで取りつけた。なお、Siの製膜量は精密天秤で秤量し、0.7mg/cmであることを確認した。銅箔のリード部に樹脂付Ni線を超音波溶着して、銅箔の片面にケイ素の層を備えた負極N1を製作した。
つぎに、90質量%のLiNi1/3Mn1/3Co1/3(正極活物質)と、5質量%のアセチレンブラック(導電剤)と、5質量%のPVdF(結着剤)とを、N−メチルピロリドン(NMP)中で分散させることによりペーストを製作し、このペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔上に塗布し、150℃で乾燥してNMPを蒸発させ、これをロールプレスで圧縮成型した。さらに、Al箔のリード部に樹脂付Al線を超音波溶着して、片面に正極合剤層を備えた正極を製作した。正極合剤層の塗布重量は16mg/cmであった。
正極、負極および厚さ25μmの連通多孔体であるポリエチレン製セパレータを積層し、これを高さ48mm、幅30mmの電池容器中に挿入した。なお、電池容器としては、外側からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム/アルミニウム箔/ポリエチレンフィルムからなる、厚みが200μmの金属ラミネート樹脂フィルムケースを用いた。
さらに、この容器内部に非水電解液を0.4g注入した後、封口して、定格容量が20mAhの実施例1の非水電解質二次電池A1(なお、以下では「電池A1」と略す。他の非水電解質二次電池の場合も同様とする)を得た。
電解液としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)の体積比1:1:1の混合溶媒X(以下では「混合溶媒X」と略す)に、0.98mol/LのLiPFと0.02mol/LのLiN(CSO(以下では「2,2−イミド」と略す)を溶解し、この電解液に対し、ビニレンカーボネート(VC)を3重量%添加したものを用いた。
なお、電池の定格容量とは、電池に含まれる正極活物質および負極活物質の重量から、次の反応式から求めた理論容量の小さい方の値とする。なお、活物質が異なる場合も、つぎの反応式に準ずるものとする。
正極:LoCoO→0.6Li+Li0.4CoO+0.6e
負極:Si+4.4Li+4.4e→Li4.4Si
[実施例2]
電解液として、混合溶媒Xに、0.95mol/LのLiPFと0.05mol/Lの2,2−イミドを溶解し、この電解液に対しVCを3重量%添加したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の電池A2を製作した。
[実施例3]
電解液として、混合溶媒Xに、0.90mol/LのLiPFと0.10mol/Lの2,2−イミドを溶解し、この電解液に対しVCを3重量%添加したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の電池A3を製作した。
[実施例4]
電解液として、混合溶媒Xに、0.85mol/LのLiPFと0.15mol/Lの2,2−イミドを溶解し、この電解液に対しVCを3重量%添加したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の電池A4を製作した。
[実施例5]
電解液として、混合溶媒Xに、0.75mol/LのLiPFと0.25mol/Lの2,2−イミドを溶解し、この電解液に対しVCを3重量%添加したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の電池A5を製作した。
[実施例6]
電解液として、混合溶媒Xに、0.50mol/LのLiPFと0.50mol/Lの2,2−イミドを溶解し、この電解液に対しVCを3重量%添加したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の電池A6を製作した。
[比較例1]
電解液として、混合溶媒Xに、1.00mol/LのLiPFを溶解したものを用い、VCを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の電池R1を製作した。
[比較例2]
電解液として、混合溶媒Xに、1.00mol/LのLiPFを溶解し、この電解液に対しVCを3質量%添加したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の電池(R2)を製作した。
[比較例3]
電解液として、混合溶媒Xに、1.00mol/Lの2,2−イミドを溶解し、この電解液に対しVCを3質量%添加したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の電池(R3)を製作した。
[比較例4]
電解液として、混合溶媒Xに、0.90mol/LのLiBFと0.10mol/Lの2,2−イミドを溶解し、この電解液に対しVCを3重量%添加したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の電池A4を製作した。
[高温保存後の交流インピーダンス測定]
実施例1〜6で作製した電池A1〜A6、および比較例1〜4で作製した電池R1〜R4を用いて、高温保存後の交流インピーダンス測定をおこなった。
これらの電池について、まず、25℃環境下で初期化成をおこなった。初期化成は4.1Vまでの4mAの定電流充電とそれに引き続く総通電時間が8時間となるまでの定電圧充電、10分間の開回路放置、4mAでの2.5Vまでの定電流放電、10分間の開回路放置とした。
つぎに、充放電試験をおこなった。その試験条件は、20mAの定電流で4.1Vまでの充電およびそれに続く4.1Vの定電圧で総通電時間が3時間となるまで充電し、開回路状態で10分間放置し、つづいて20mAで2.5Vまでの定電流での放電をして、さらに開回路状態で10分間放置することとした。
つづいて、この電池を60℃に保持した恒温槽に入れてから3時間保持したのちに、4.1Vまでの20mAの定電流充電とそれに引き続く総通電時間が72時間となるまでの定電圧充電(フロート充電)をおこない、60分間の開回路状態で放置し、さらに、この電池を25℃の恒温槽に移したのち、24時間経過したあとに、交流インピーダンス測定をおこなった。条件は、交流印加電圧10mV、測定周波数範囲10kHz〜10mHzとした。
電池A1〜A6および電池R1〜R3の電解液の組成および交流インピーダンス測定の結果を表1に示す。なお、表1において「インピーダンス」の欄は、100mHzにおける交流インピーダンスの値を示す。また、イミド塩濃度とインピーダンスとの関係を図1に示す。
Figure 0005224158
表1および図1から、次のことが明らかとなった。電池R1と電池R2とを比較すると、電池R2ではインピーダンスが非常に小さくなっている。したがって、非水電解液中にLiPFとVCを共存させると、電池のインピーダンスが低下することがわかった。
つぎに、電池A3、電池R2、電池R3を比較すると、電解質塩がLiPF単独である電池R2、あるいは2,2−イミド単独である電池R3では、高温下で充電した場合にインピーダンスがそれぞれ4.4Ωおよび5.2Ωと大きいが、電解質塩としてLiPF0.90mol/Lと2,2−イミド0.10mol/Lを混合した電池A3の場合には2.4Ωまで低下し、LiPFを単独で用いた電池R2の場合に比べて45%も大幅に低減できることがわかった。
また、電池A1〜電池A6の結果から、電解質塩にLiPFと2,2−イミドを同時に用い、さらに電解液中にVCを存在させることで、インピーダンスを低減させる効果が生じたものと考えられる。
また、電解質塩にLiPFに代えてLiBFを用いた比較例4の電池R4の場合には、安定なSEI被膜が形成されず、非常に高抵抗化してしまう。LiPFを用いた場合には、SEI被膜中にP(リン)元素も含まれている。したがって、安定なSEI被膜を得るためには、電解質塩中にP(リン)元素を存在させることが不可欠であるものと考えられる。
[実施例7〜12および比較例5]
[実施例7]
2,2−イミドの代わりにLiN(CFSO(以下では「1,1−イミド」と略す)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の電池A7を作製した。
[実施例8]
2,2−イミドの代わりに1,1−イミドを用いたこと以外は実施例2と同様にして、実施例8の電池A8を作製した。
[実施例9]
2,2−イミドの代わりに1,1−イミドを用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例9の電池A9を作製した。
[実施例10]
2,2−イミドの代わりに1,1−イミドを用いたこと以外は実施例4と同様にして、実施例10の電池A10を作製した。
[実施例11]
2,2−イミドの代わりに1,1−イミドを用いたこと以外は実施例5と同様にして、実施例11の電池A11を作製した。
[実施例12]
2,2−イミドの代わりに1,1−イミドを用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例12の電池A12を作製した。
[比較例5]
2,2−イミドの代わりに1,1−イミドを用いたこと以外は比較例3と同様にして、比較例5の電池R5を作製した。
実施例7〜12で作製した電池A7〜A12、および比較例5で作製した電池R5を用いて、実施例1と同様の条件で初期化成と充放電試験をおこない、同じ条件で高温保存後の交流インピーダンス測定をおこなった。電池A7〜A12および電池R5の電解液の組成および交流インピーダンス測定の結果を表2に示す。なお、表2において「インピーダンス」の欄は、100mHzにおける交流インピーダンスの値を示す。また、イミド塩濃度とインピーダンスとの関係を図2に示す。
Figure 0005224158
表2および図2の結果から、2,2−イミドに代えて1,1−イミドを用いた場合も同様の結果が得られ、電解質塩にLiPFと1,1−イミドを同時に用い、さらに電解液中にVCを存在させることで、インピーダンスを低減させる効果が生じることを確認することができた。
[実施例13〜18および比較例6]
[実施例13]
2,2−イミドの代わりにLiN(CFSO)(CSO)(以下では「1,4−イミド」と略す)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例13の電池A13を作製した。
[実施例14]
2,2−イミドの代わりに1,4−イミドを用いたこと以外は実施例2と同様にして、実施例14の電池A14を作製した。
[実施例15]
2,2−イミドの代わりに1,4−イミドを用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例15の電池A15を作製した。
[実施例16]
2,2−イミドの代わりに1,4−イミドを用いたこと以外は実施例4と同様にして、実施例16の電池A16を作製した。
[実施例17]
2,2−イミドの代わりに1,4−イミドを用いたこと以外は実施例5と同様にして、実施例17の電池A17を作製した。
[実施例18]
2,2−イミドの代わりに1,4−イミドを用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例18の電池A18を作製した。
[比較例6]
2,2−イミドの代わりに1,4−イミドを用いたこと以外は比較例3と同様にして、比較例6の電池R6を作製した。
実施例13〜18で作製した電池A13〜A18、および比較例6で作製した電池R6を用いて、実施例1と同様の条件で初期化成と充放電試験をおこない、同じ条件で高温保存後の交流インピーダンス測定をおこなった。電池A13〜A18および電池R6の電解液の組成および交流インピーダンス測定の結果を表3に示す。なお、表3において「インピーダンス」の欄は、100mHzにおける交流インピーダンスの値を示す。また、イミド塩濃度とインピーダンスとの関係を図3に示す。
Figure 0005224158
表3および図3の結果から、2,2−イミドに代えて1,4−イミドを用いた場合も同様の結果が得られ、電解質塩にLiPFと1,4−イミドを同時に用い、さらに電解液中にVCを存在させることで、インピーダンスを低減させる効果が生じることを確認することができた。
[実施例19〜24および比較例7]
[実施例19]
負極活物質としてケイ素の代わりにSn−Ni合金を用いた。負極は次のようにして作製した。銅箔を市販のSn−Niめっき液(高純度化学研究所製、SNS−200E)に浸した。その後、対極にNiを28質量%含むSn−Ni合金を用いて、カソード電流密度が2A/dmとなるように通電し、銅箔上にSn−Ni合金を合成した。これをイオン交換水で洗浄後に150℃で乾燥したものを負極N2とした。
なお、元素定量分析をおこなった結果、このSn−Ni合金の組成は、Sn85質量%、Ni15質量%であった。また、このSn−Ni合金のX線回折パターンには、CuKα線によるピークが2θ=30.3°および30.6°に存在した。このことから、この合金はSnNiとSnとが含まれることが分かった。この合金がこれらの相のみから構成されると仮定すると、この合金の組成は(SnNi0.52Ni0.48と決定される。なお、めっき物の質量は5mg/cmであった。
そして、負極N1に代えて負極N2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例19の電池A19を作製した。
[実施例20]
負極N1に代えて負極N2を用いたこと以外は実施例2と同様にして、実施例20の電池A20を作製した。
[実施例21]
負極N1に代えて負極N2を用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例21の電池A21を作製した。
[実施例22]
負極N1に代えて負極N2を用いたこと以外は実施例4と同様にして、実施例22の電池A22を作製した。
[実施例23]
負極N1に代えて負極N2を用いたこと以外は実施例5と同様にして、実施例23の電池A23を作製した。
[実施例24]
負極N1に代えて負極N2を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例24の電池A24を作製した。
[比較例7]
負極N1に代えて負極N2を用いたこと以外は比較例3と同様にして、比較例7の電池R7を作製した。
実施例19〜24で作製した電池A19〜A24、および比較例7で作製した電池R7を用いて、実施例1と同様の条件で初期化成と充放電試験をおこない、同じ条件で高温保存後の交流インピーダンス測定をおこなった。電池A19〜A24および電池R7の電解液の組成および交流インピーダンス測定の結果を表4に示す。なお、表4において「インピーダンス」の欄は、100mHzにおける交流インピーダンスの値を示す。また、イミド塩濃度とインピーダンスとの関係を図4に示す。
Figure 0005224158
表4および図4の結果から、負極N1に代えて負極N2を用いた場合、言い換えると、負極活物質をSiからSn−Ni合金に代えた場合も同様の結果が得られ、電解質塩にLiPFと2,2−イミドを同時に用い、さらに電解液中にVCを存在させることで、インピーダンスを低減させる効果が生じることを確認することができた。
[実施例25〜29および比較例8]
[実施例25]
電解液にVCを0.3重量%添加したこと以外は実施例3と同様にして、実施例25の電池A25を作製した。
[実施例26]
電解液にVCを0.5重量%添加したこと以外は実施例3と同様にして、実施例26の電池A26を作製した。
[実施例27]
電解液にVCを2.0重量%添加したこと以外は実施例3と同様にして、実施例27の電池A27を作製した。
[実施例28]
電解液にVCを5.0重量%添加したこと以外は実施例3と同様にして、実施例28の電池A28を作製した。
[実施例29]
電解液にVCを7.5重量%添加したこと以外は実施例3と同様にして、実施例29の電池A29を作製した。
[比較例8]
電解液にVCを添加しなかったこと以外は実施例3と同様にして、比較例8の電池R8を作製した。
実施例25〜29で作製した電池A25〜A29、および比較例8で作製した電池R8を用いて、実施例1と同様の条件で初期化成と充放電試験をおこない、同じ条件で高温保存後の交流インピーダンス測定をおこなった。電池A25〜A29および電池R8の電解液の組成および交流インピーダンス測定の結果を表5に示す。なお、表5において「インピーダンス」の欄は、100mHzにおける交流インピーダンスの値を示す。なお、表5には比較のため、実施例3の結果も示した。また、電解液へのVC添加量(wt%)と100mHzにおける交流インピーダンス(Ω)との関係を図5に示す。
Figure 0005224158
表5および図5の結果から、電解質塩にLiPFと2,2−イミドを同時に用い、さらに電解液にVCを添加した電池A25〜A29のインピーダンスは、電解液にVCを添加しなかった電池R8と比較して、インピーダンスが低減していることがわかった。また、VCの添加量が3wt%の時に、インピーダンスは最も小さくなることがわかった。
なお、一般的に、イオン伝導度が高い観点から、LiPFの濃度は0.5mol/L以上、1.5mol/L以下であることが望ましい。
以上の実施例および比較例では、高温保存後の電池の内部抵抗を100mHzの交流を用いて測定した。周波数100mHzの交流は10秒周期であるので、この周波数における交流インピーダンスは、HEVに必要とされる数秒〜60秒程度の直流抵抗値と相関関係が深いものと考えられ、交流インピーダンスの値が小さいほど数秒〜60秒程度の出力が大きい電池が得られるものと推測される。
電池の周波数100mHzでの交流インピーダンスと電解質組成との関係について検討する。電解液中にVCが含まれていない場合で、電解質塩にLiPFのみを用いた比較例1の電池R1の交流インピーダンスは15.0Ωであったが、電解質塩にLiPFと2,2−イミドとを混合して用いた比較例8の電池R8では、交流インピーダンスは4.9Ωまで低下した。
さらに、電解液がVCを含む場合で、電解質塩にLiPFのみを用いた比較例2の電池R2では、交流インピーダンスは4.4Ωまで低下し、電解質塩にリチウムイミド塩のみを用いた比較例3、比較例5〜7の電池R3、R5〜R7では、交流インピーダンスは5.2〜6.8Ωであった。このように、電池R2や電池R3、R5〜R7では、交流インピーダンスは4.0Ωより小さくはならなかった。
一方、実施例1〜29の電池R1〜R29のように、電解液がVCを含み、電解質塩にLiPFとリチウムイミド塩とを混合して用いた場合には、交流インピーダンスは3.5Ω以下に低下した。交流インピーダンス3.5Ωは、電解液がVCとLiPFとリチウムイミド塩のいずれか一つを含まない電池の最小値4.4Ω(比較例2の電池R2)に比べ20%もの低下であり、電池の内部抵抗減少の効果がきわめて大きいことを示している。
すなわち、ケイ素やスズまたはこれらの化合物を負極活物質に用いたHEV用途の非水電解質二次電池の出力向上には、電解質塩にLiPFとリチウムイミド塩とを混合して用い、電解液中にビニレンカーボネート(VC)を添加することがきわめて有効な処方であると考えられる。
なお、100mHz交流インピーダンスを低減できるメカニズムについては、現段階では未解明であるが、XPS分析により負極上に形成される皮膜の性状が異なっていたことから、リチウムイミド塩が負極で分解されたときに比較的低抵抗の皮膜が形成されたことが原因かもしれない。
なお、イミド塩の濃度が0.02mol/以下の場合はインピーダンス低減効果が小さく、また0.15mol/以上用いた場合はむしろインピーダンスが増大する傾向があることから、イミド塩の添加量は0.03〜0.15mol/であることが好ましいといえる。
イミド塩を添加しすぎた場合にインピーダンスの増加が見られる原因としては、正極集電体であるAlが過剰なイミド塩によって腐食された可能性が考えられる。
2,2−イミドを用いた場合の、イミド塩濃度とインピーダンスとの関係を示す図。 1,1−イミドを用いた場合の、イミド塩濃度とインピーダンスとの関係を示す図。 1,4−イミドを用いた場合の、イミド塩濃度とインピーダンスとの関係を示す図。 負極にSn−Ni合金を用い、2,2−イミドを用いた場合の、イミド塩濃度とインピーダンスとの関係を示す図。 電解液へのVC添加量とインピーダンスとの関係を示す図。

Claims (2)

  1. 正極、負極、セパレータ、非水電解質を備えた非水電解質二次電池において、前記負極がケイ素、スズまたはこれらの化合物を含み、前記非水電解質がビニレンカーボネートと1.5〜0.5mol/LのLiPFと0.02〜0.50mol/Lのイミド塩とを含み、前記イミド塩がLi[N(CF SO ]、Li[N(C SO ]、及びLi[N(CF SO )(C SO )]からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 記非水電解質が0.3〜5.0質量%のビニレンカーボネートと0.95〜0.85mol/LのLiPFと0.05〜0.15mol/Lのイミド塩とを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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