JP5223725B2 - クローズドデッキタイプのシリンダブロック - Google Patents

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Description

本発明は、インサート部材を鋳包むことによりウォータジャケットを形成するクローズドデッキタイプのシリンダブロックに関する。
水冷式のエンジンに用いられるシリンダブロックは、エンジン冷却のためにウォータジャケットを備えている。ウォータジャケットは、シリンダとブロック外壁との間に形成され、その内部に冷却水が流される。ウォータジャケット内に冷却水を流すことにより、シリンダを冷却する効果が得られるとともに、シリンダボアで発生する音を吸収して静音化を図ることができる。
ところで、シリンダブロックの各シリンダボアを仕切るシリンダ壁には、両側のボアから燃焼熱が伝えられるため、高い冷却性が要求されている。しかしながら、シリンダのボア間という狭い領域において、適切な冷却を得ることは困難であった。こうした要求を満たす技術として、例えば特許文献1には、シリンダ壁にドリルによって冷却水路を機械加工するものが知られている。
特開2001−107801号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術によると、機械加工によりシリンダ壁に冷却水路を形成しているため、コストが上昇するという問題があった。また、冷却通路の形状が機械加工しやすい直線的な形状に限定されるため、必要な冷却効果を得にくいという問題があった。さらに、加工後に冷却通路の開口端等を基点とした応力割れなどが発生しやすいため、強度上の問題が懸念されていた。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、安価に製造でき、高い強度及び冷却効果を得ることができるクローズドデッキタイプのシリンダブロックを提供することを課題とする。
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るクローズドデッキタイプのシリンダブロックは、内部をピストンが摺動する複数のシリンダと、前記シリンダを冷却する冷却水を流通するウォータジャケットとを備えるクローズドデッキタイプのシリンダブロックにおいて、前記シリンダ軸方向の両端部が折り曲げられて断面コ字状に成形された内筒部と外筒部とを、互いに折り曲げ部同士を重ね合わせて接合することにより形成され、前記シリンダの周囲に配置されてウォータジャケットを形成する中空部材と、前記シリンダの各ボアを仕切るシリンダ壁の内部に配置され、前記中空部材に連通してボア間冷却通路を形成する通路形成部材とを有し、前記中空部材と前記通路形成部材とが、連結された状態でダイカスト鋳造により鋳包まれており、前記通路形成部材は、外側へ膨らむように屈曲したバルジ形状の位置決め部が形成されているパイプ材であり、前記通路形成部材の両端部が、前記内筒部の貫挿孔に挿入されて、前記位置決め部が前記内筒部の内壁面に当接し、前記通路形成部材のうち前記内筒部から外側へはみ出した部位を、前記内筒部の外壁面にかしめることにより、前記通路形成部材が前記内筒部に固定されていることを特徴とする。
本発明に係るシリンダブロックでは、ウォータジャケットを形成する中空部材と、ボア間冷却通路を形成する通路形成部材とがダイカスト鋳造により鋳包まれている。また、通路形成部材が、中空部材に連通している。したがって、ウォータジャケットに冷却水を導入することにより、その冷却水の一部をボア間冷却通路に流して高い冷却性が要求されるボア間を積極的に冷却することができる。
このシリンダブロックによれば、ダイカスト鋳造によりボア間冷却通路が形成されているので、機械加工等の後加工を省略することができる。これにより、シリンダブロックの製造コストを低減させることができる。また、通路形成部材の形状を変更することにより、ボア間冷却通路の形状を容易に変更することができる。これにより、ボア間の必要な部位に必要な冷却効果を得ることができる。さらに、機械加工等の影響による応力割れの発生を防止できるので、シリンダブロックの強度を向上させることができる。また、中空部材と通路形成部材とが連結されているので、中空部材の強度を向上させることができる。その結果、鋳造圧力が50〜80MPaとなる高圧ダイカスト鋳造であっても、中空部材が変形してウォータジャケット内において部分的に冷却水通路が閉塞することを防止することができる。
ところで、一般にウォータジャケットの内部では、高さ位置に応じて冷却水の流れる速度が異なっている。これは、高さ位置に応じて要求される冷却効果が異なることや、通常ジャケット内の冷却水がジャケット上部からヘッド側へ排出されること等の事情によるものである。
そこで、本発明に係るシリンダブロックにおいて、前記通路形成部材の端部の一方は、他方と異なる高さ位置にて前記中空部材に連通していることが望ましい。
このように、通路形成部材の端部の一方を、他方と異なる高さ位置にて中空部材に連通させることにより、通路形成部材の各端部に意図的に水圧差を発生させることができる。このように水圧差を発生させることにより、通路形成部材を流れる冷却水の速度を高め、ボア間においてより高い冷却効果を得ることができる。
本発明に係るクローズドデッキタイプのシリンダブロックにおいて、前記中空部材には、前記内筒部の内壁面と前記外筒部の内壁面とを連結する複数の連結部材が分散して設けられていることが望ましい。
このように、中空部材に対して内筒部の内壁面と外筒部の内壁面とを連結する複数の連結部材を分散して設けることにより、中空部材の機械的強度を大幅に向上させることができる。その結果、高圧ダイカスト鋳造であっても、中空部材が変形するのをより確実に防止することができる。
本発明に係るクローズドデッキタイプのシリンダブロックによれば、上記した通り、安価に製造でき、高い強度及び冷却効果を得ることができる。
本発明の実施形態に係るシリンダブロックの概略構成を示す上面図である。 同シリンダブロックに鋳包まれた冷却用中空材及び通路形成部材を示す斜視図である。 同冷却用中空材及び通路形成部材を示す分解斜視図である。 同冷却中空部材を示す拡大断面図である。 同通路形成部材を示す拡大断面図である。 同通路形成部材の組付後の様子を示す拡大断面図である。 第二実施形態に係るシリンダブロックに鋳包まれた冷却用中空材及び通路形成部材を示す拡大断面図である。 変更例に係る冷却用中空材及び通路形成部材を示す拡大断面図である。
以下、本発明に係るクローズドデッキタイプのシリンダブロックを具体化した好適な実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。ここでは、直列4気筒のエンジンに用いられるシリンダブロックに本発明を適用した場合について説明する。
まず、本実施形態に係るシリンダブロックの全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシリンダブロックの概略構成を示す上面図である。図2は、同シリンダブロックに鋳包まれた冷却用中空材及び通路形成部材を示す斜視図である。
シリンダブロック10は、図1に示すように、直列に配置された4つのシリンダ12と、シリンダ12を冷却する冷却水を流通するウォータジャケット16と、ウォータジャケット16の周囲を構成するブロック外壁13とを備えている。このシリンダブロック10は、クローズドデッキタイプであって、シリンダ12とブロック外壁13とがブリッジ14で接続されている。
各シリンダ12は、円筒形状をなしてシリンダ12内部にピストンを摺動させるためのシリンダボア11を備えている。そして、各シリンダボア11は、シリンダ壁12aにより仕切られている。
ブロック外壁13は、図示しないシリンダヘッドとの締結に用いられるヘッドボルト穴15を備えている。そして、シリンダヘッドの下面をシリンダブロック10の上面に当接させて、ヘッドボルト穴15にヘッドボルトを締め付けることにより、シリンダブロック10とシリンダヘッドが締結されるようになっている。
ウォータジャケット16は、4つのシリンダ12のすべてを覆うように設けられている。このウォータジャケット16は、図2に示すように、内部に冷却水を流通させる中空部を形成する冷却用中空材30により形成されている。
また、図1に示すように、ウォータジャケット16には、シリンダ12のボア11間を冷却するためのボア間冷却通路17が連通している。ボア間冷却通路17は、シリンダ壁12aの内部に、ボア間を通過するように設けられている。このボア間冷却通路17は、図2に示すように、シリンダ壁12aの内部に配置された通路形成部材20により形成されている。そして、冷却用中空材30と通路形成部材20とは、連結された状態でダイカスト鋳造により鋳包まれている。
ここで、本実施形態の冷却用中空材30及び通路形成部材20について、図3〜図6を参照しながら詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る冷却用中空材及び通路形成部材を示す分解斜視図である。図4は、同冷却中空部材を示す拡大断面図である。図5は、同通路形成部材を示す拡大断面図である。図6は、同通路形成部材の組付後の様子を示す拡大断面図である。
冷却用中空材30は、図3に示すように、内側(シリンダ12側)に配されて内筒を形成する内筒部30aと、内筒部30aを外側から覆うように外筒を形成する外筒部30bと、内筒部30aの内壁面と外筒部30bの内壁面とを連結する複数の連結部材45(図4参照)と、冷却用中空材30の内部に冷却水を導入するための冷却水導入口46とを備えている。なお、本実施形態の冷却用中空材30が、本発明の「中空部材」に相当する。
内筒部30aは、2枚の内筒金属板31,32により構成されている。各内筒金属板31,32は、シリンダ軸方向両端(上下端)を外側に折り曲げて形成された折り曲げ部31a,31b,32a,32bと、側面から外側(外筒部30b側)へ向けて突出形成された複数の突起37と、通路形成部材20を貫挿可能な貫挿孔21とを備えている。
折り曲げ部31a,32aは、後述する外筒部30bのウォータジャケット突起40に対応する位置に、シリンダ軸方向へ貫通形成された貫通孔41を備えている。そして、各金属板31〜34を組み合わせたとき、ウォータジャケット突起40の下側開口部が貫通孔41に連通するようになっている。なお、貫通孔41の代わりに、切り欠きを設けてもよい。
貫挿孔21は、各内筒金属板31,32におけるボア11間に対応する位置に一つずつ、つまり両内筒金属板31,32で合わせて6つ設けられている。これらすべての貫挿孔21は、ウォータジャケット16の上部に対応する同じ高さ位置に形成されている。
外筒部30bは、2枚の外筒金属板33,34により構成されている。各外筒金属板33,34は、シリンダ軸方向両端(上下端)を内側に折り曲げて形成された折り曲げ部33a,33b,34a,34bと、内側(内筒部30a側)へ向けて突出形成された複数の突起38とを備えている。また、一方の外筒金属板33には、冷却水導入口46と連通する開口部39が設けられている。
折り曲げ部33a,34aは、複数のウォータジャケット突起40を備えている。各ウォータジャケット突起40は、円筒形状をなしており、所定間隔をおいて複数設けられている。このウォータジャケット突起40の上部は、シリンダブロック10のアッパーデッキ面に開口しており、ウォータジャケット突起40の下部は、内筒金属板31,32の貫通孔41を介して冷却用中空材30の内部に連通している。こうした構成により、ウォータジャケット16の内部を流れる冷却水を、ウォータジャケット突起40からシリンダヘッドへと導くことができる。
冷却水導入口46は、冷却水を取り入れるための取水口36と、取水口36を開口部39へと接続するための接続部材35とを備えている。すなわち、取水口36は、接続部材35を介して開口部39に連通している。そして、エンジン運転時に、取水口36に取り込まれた冷却水が、開口部39から冷却用中空材30の内部(ウォータジャケット16)へ流れるようになっている。
各金属板31〜34は、それらを組み合わせたときにウォータジャケット16の形状となるように、所定形状にプレス成形されている。なお、これらの金属板31〜34は、耐食性を考慮してステンレス製であってもよいし、リサイクル性を考慮してシリンダブロック10の素材と同じくアルミニウム合金製であってもよい。また、各金属板31〜34同士の接合には、溶接やロウ付けなどが行われる。
そして、このような金属板31〜34を組み合わせて接合することにより冷却用中空材30が形成されている。具体的には、図4に示すように、折り曲げ部31a,31b,32a,32bと折り曲げ部33a,33b,34a,34bとが重ね合わせられ、それぞれが接合されて冷却用中空材30が形成されている。このように、冷却用中空材30の上下端部では、折り曲げ部31a,31b,32a,32bと折り曲げ部33a,33b,34a,34bとが重ね合わされているので、冷却用中空材30の機械的強度が全体的に高められている。
連結部材45は、内筒金属板31,32に外側へ向けて突出形成された複数の突起37と、外筒金属板33,34に内側へ向けて突出形成された複数の突起38とから構成されている。
各突起37,38は、エンボス加工により分散して設けられており、突起37と突起38とは略対称(同一)形状をなしている。そして、突起37と突起38とは先端部同士を突き当てるように当接している。こうした構成により、冷却用中空材30の内部には、内筒部30aと外筒部30bとを連結した複数の連結部材45が分散して設けられている。なお、本実施形態では、各突起37,38は、略円形の断面形状をなしており、ウォータジャケット16の内部を流れる冷却水の流れに抵抗を持たせ、施工ピッチを調整して冷却水の流量を制限する機能を有している。
通路形成部材20は、図5に示すように、ストレート形状のパイプ材である。この通路形成部材20の両端から所定距離だけ中央側の位置には、外側へ膨らむように屈曲したバルジ形状の位置決め部20aが形成されている。そして、内筒金属板31,32を組み付けて内筒部30aを形成する際、図6に示すように、通路形成部材20の両端部が、各内筒金属板31,32の貫挿孔21に挿入される。通路形成部材20の位置決め部20aが内筒金属板31,32の内壁面に当接すると、通路形成部材20と各内筒金属板31,32とが位置決めされる。その後、通路形成部材20のうち各内筒金属板31,32から外側へはみ出した部位20bを、各内筒金属板31,32の外壁面にかしめることにより、通路形成部材20が内筒部30aに固定されている。なお、本実施形態では、通路形成部材20の両端は、図6に示すように、同じ高さ位置にて冷却用中空材30に連通している。
次に、上記のように構成されたシリンダブロック10の鋳造時の様子について簡単に説明する。シリンダブロック10では、ウォータジャケット16を形成する冷却用中空材30と、ボア間冷却通路17を形成する通路形成部材20とが、連結された状態でダイカスト鋳造により鋳包まれている。すなわち、金型のキャビティ内に溶湯を射出し充填することにより、金型に保持した冷却用中空材30及び通路形成部材20を鋳包んでシリンダブロック10がダイカスト成形される。ところで、ダイカスト製品は、鋳造圧力を上げることにより、成形条件が良好になり品質が向上するため、鋳造圧力を下げると、成形条件が悪化して高品質な製品(シリンダブロック)を得ることができなくなる。このため、本実施の形態では、鋳造圧力が50〜80MPaである高圧ダイカスト鋳造を行っている。これにより、シリンダブロック10の品質を向上させている。
ここで、冷却用中空材30には突起37,38により形成された連結部材45が分散配置されており、機械的強度が高められている。また、突起37,38が対称形状(同一形状)とされており、突起部分において、冷却用中空材30の内筒部30a側から受ける溶湯の圧力と外筒部30b側から受ける溶湯の圧力とが同等とされている。そして、金属板31,32の折り曲げ部31a,31b,32a,32bと、金属板33,34の折り曲げ部33a,33b,34a,34bとが重ね合わせて接合しており、冷却用中空材30のシリンダ軸方向の両端部(上下端部)における機械的強度が高められている。さらに、冷却用中空材30と通路形成部材20とが連結されており、強度をより向上させている。こうした構成により、鋳造圧力が50〜80MPaとなる高圧ダイカスト鋳造においても、溶湯の圧力による冷却用中空材30の変形を確実に防止することができる。
このため、冷却用中空材30を鋳包んで高圧ダイカスト鋳造を行っても、冷却用中空材30が変形してウォータジャケット16内において部分的に冷却水通路が閉塞することがない。したがって、冷却用中空材30の内部に充填物を配置することなく、高圧ダイカスト鋳造によりシリンダブロック10を形成しても、所望形状のウォータジャケット16を設けることができる。その結果、クローズドデッキタイプのシリンダブロック10を高圧ダイカスト鋳造により生産性を低下させることなく製作することができる。
また、シリンダブロック10によれば、ダイカスト鋳造によりボア間冷却通路17が形成されているので、機械加工等の後加工を省略することができる。これにより、シリンダブロックの製造コストを低減させることができる。また、通路形成部材20の形状を変更することにより、ボア間冷却通路17の形状を容易に変更することができる。これにより、ボア間の必要な部位に必要な冷却効果を得ることができる。さらに、機械加工等の影響による応力割れの発生を防止できるので、製造されたシリンダブロック10の強度を向上させることができる。
また、シリンダブロック10では、通路形成部材20のうち各内筒金属板31,32から外側へはみ出した部位20bを、各内筒金属板31,32の外壁面にかしめることにより、通路形成部材20が内筒部30aに固定されている。これにより、鋳造時に、各内筒金属板31,32に設けられた貫挿孔21の隙間から溶湯が侵入するのを防止することができる。
次に、上記のように構成されたシリンダブロック10のウォータジャケット16を流れる冷却水の様子について簡単に説明する。
このシリンダブロック10では、エンジン運転時に、導入口46からウォータジャケット16内に冷却水が導入される。そして、ウォータジャケット16内に導入された冷却水は、各シリンダ12を順に冷却しながら、シリンダ径方向へと流れていく。その後、冷却水は、ウォータジャケット16の上部に複数設けられたウォータジャケット突起40から、シリンダヘッド側に設けられたウォータジャケットへと流れていく。
ここで、このシリンダブロック10では、連結部材45が分散して設けられている。このように、連結部材45が分散して設けられているので、ウォータジャケット16内における冷却水の流れが乱れるのを抑制することができる。すなわち、連結部材45を設けても分散して配置していることにより、冷却水がスムーズに流れて剥離流れが発生しないため、キャビテーションの発生がなくシリンダブロック10の冷却効果を低下させることもない。
ところで、シリンダブロック10の各シリンダボア11を仕切るシリンダ壁12aには、両側のボア11から燃焼熱が伝えられるため、高い冷却性が要求されている。これに対して、このシリンダブロック10では、ウォータジャケット16を形成する冷却用中空材30に、ボア間冷却通路17を形成する通路形成部材20が連通している。これにより、ウォータジャケット16に冷却水が導入されると、その冷却水の一部がボア間冷却通路17に流れて、ボア間(シリンダ壁12a)を積極的に冷却することができる。
以上、詳細に説明したように本実施形態に係るシリンダブロック10によれば、ボア間冷却通路17を形成する機械加工の工程を省略して安価に製造し、冷却用中空材30の変形を防止して所望のウォータジャケット16を形成することができる。また、このシリンダブロック10によれば、高い強度を発揮して応力割れ等を防止できるとともに、ボア間に対しても効果的な冷却効果を得ることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係るシリンダブロックの第二実施形態について、図7を参照しながら説明する。図7は、第二実施形態に係るシリンダブロックに鋳包まれた冷却用中空材及び通路形成部材を示す拡大断面図である。なお、上記実施形態のものと同一の構成部品については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係るシリンダブロックは、図7に示すように、通路形成部材50の端部の一方が、他方と異なる高さ位置にて冷却用中空材30の各内筒金属板31,32に連通している点で、上記第一実施形態のものと相違する。
具体的に、本実施形態では、内筒金属板31に設けられた貫挿孔52が、内筒金属板32に設けられた貫挿孔51より下方に位置している。
通路形成部材50は、中央付近に形成された段差部50aを備えている。そして、通路形成部材50の両端は、高さ位置の異なる貫挿孔51,52に、各内筒金属板31,32の垂直方向から貫挿されている。
ここで、一般にウォータジャケット16の内部では、高さ位置に応じて冷却水の流れる速度が異なっている。これは、高さ位置に応じて要求される冷却効果が異なることや、通常ジャケット16内の冷却水がジャケット上部からヘッド側へ排出されること等の事情によるものである。そこで、本実施形態では、通路形成部材50の端部の一方を、他方と異なる高さ位置にて冷却用中空材30に連通させることにより、通路形成部材50の各端部に意図的に水圧差を発生させることができる。このように水圧差を発生させることにより、通路形成部材50を流れる冷却水の速度を高め、ボア11間においてより高い冷却効果を得ることができる。また、段差部50aを利用して、通路形成部材50の両端を、高さ位置の異なる貫挿孔51,52に、各内筒金属板31,32の垂直方向から貫挿できるので、通路形成部材50の各内筒金属板31,32への組付作業を困難にすることもない。
[変更例]
ここで、第二実施形態の変更例について、図8を参照しながら説明する。図8は、変更例に係る冷却用中空材及び通路形成部材を示す拡大断面図である。なお、上記実施形態のものと同一の構成部品については、同一符号を付してその説明を省略する。
変更例に係る通路形成部材60は、図8に示すように、上記段差部50aを備えておらず、ストレート形状のパイプ材を斜めにカットしたものである。そして、内筒金属板31,32には、高さ位置の異なる貫挿孔61,62が、通路形成部材60を斜めに貫挿できるように斜めの孔形状に形成されている。なお、この変更例では、バルジ状の位置決め部20aが形成されていない。
この変更例によれば、通路形成部材60を各内筒金属板31,32の貫挿孔61,62へ斜めに貫挿するため上記第二実施形態のものより組付作業が困難となるが、段差部50aの加工を省略できる点で有利となる。また、この変更例では、位置決め部20aを有さないため位置決め機能は失われるが、通路形成部材60の加工作業をさらに容易にすることができる点で有利となる。
なお、上記した実施形態及びその変更例は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。以下にその例を示す。
上記した実施形態では、直列4気筒のエンジンに本発明を適用した場合について説明したが、本発明は直列4気筒以外のエンジンにも適用することができる。例えば、V型や水平対向等の他のシリンダレイアウトや気筒数の増減を行ったエンジンであっても本発明を適用することができる。
また、上記した実施形態では、内筒金属板31,32に設けた突起37と外筒金属板33,34に設けた突起38とにより連結部材45を形成しているが、内筒金属板31,32あるいは外筒金属板33,34にのみ突起を設け、その突起で連結部材45を形成することもできる。さらに、連結部材45を内筒金属板31,32、外筒金属板33,34に突起を設けるのではなく、内筒金属板31,32、外筒金属板33,34とは別部材で構成することもできる。
また、上記した実施形態では、冷却用中空材30を4枚の金属板により構成した場合について説明したが、これに限られることなく、例えば2枚の金属板(内筒部と外筒部をそれぞれ1枚の金属板で構成)、3枚の金属板(内筒部を1枚金属板、外筒部を2枚の金属板で構成)、あるいは4枚以上の金属板により冷却用中空材を構成してもよい。
また、上記した実施形態では、略円形の断面形状をなす円形突起37,38を採用しているが、これに限られず、例えば略誘導流線形の断面形状(フラップ形状)をなす誘導流線型突起や、略長丸形の断面形状をなす長丸形突起などを採用することもできる。
また、上記実施形態で示した突起37,38にガス抜き溝を設けて、効率よくガス抜きを行えるようにしてもよい。これにより、鋳造欠陥の発生を防止することができる。
10 シリンダブロック
11 シリンダボア
12 シリンダ
12a シリンダ壁
13 ブロック外壁
14 ブリッジ
16 ウォータジャケット
17 ボア間冷却通路
20 通路形成部材
20a 位置決め部
20b はみ出し部位
21 貫挿孔
30 冷却用中空材(中空部材)
30a 内筒部
30b 外筒部
37 突起
38 突起
45 連結部材

Claims (3)

  1. 内部をピストンが摺動する複数のシリンダと、前記シリンダを冷却する冷却水を流通するウォータジャケットとを備えるクローズドデッキタイプのシリンダブロックにおいて、
    前記シリンダ軸方向の両端部が折り曲げられて断面コ字状に成形された内筒部と外筒部とを、互いに折り曲げ部同士を重ね合わせて接合することにより形成され、前記シリンダの周囲に配置されてウォータジャケットを形成する中空部材と、
    前記シリンダの各ボアを仕切るシリンダ壁の内部に配置され、前記中空部材に連通してボア間冷却通路を形成する通路形成部材とを有し、
    前記中空部材と前記通路形成部材とが、連結された状態でダイカスト鋳造により鋳包まれており、
    前記通路形成部材は、外側へ膨らむように屈曲したバルジ形状の位置決め部が形成されているパイプ材であり、
    前記通路形成部材の両端部が、前記内筒部の貫挿孔に挿入されて、前記位置決め部が前記内筒部の内壁面に当接し、
    前記通路形成部材のうち前記内筒部から外側へはみ出した部位を、前記内筒部の外壁面にかしめることにより、前記通路形成部材が前記内筒部に固定されている
    ことを特徴とするクローズドデッキタイプのシリンダブロック。
  2. 請求項1に記載するクローズドデッキタイプのシリンダブロックにおいて、
    前記通路形成部材の端部の一方は、他方と異なる高さ位置にて前記中空部材に連通している
    ことを特徴とするクローズドデッキタイプのシリンダブロック。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するクローズドデッキタイプのシリンダブロックにおいて、
    前記中空部材には、前記内筒部の内壁面と前記外筒部の内壁面とを連結する複数の連結部材が分散して設けられている
    ことを特徴とするクローズドデッキタイプのシリンダブロック。
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