JP5222089B2 - ホスゲンの製造方法 - Google Patents
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1.固体触媒を用いて、ニッケル化合物を含有する一酸化炭素と塩素とを反応させてホスゲンを製造する方法において、一酸化炭素と塩素の合流箇所とホスゲン反応槽の触媒層との間にニッケルを含有する固体の化合物を捕集する機能を有したプレフィルターを設置することを特徴とするホスゲンの製造方法、および
2.プレフィルターは、フィルターおよび/または充填物を有するプレフィルターである前項1記載のホスゲンの製造方法、が提供される。
ニッケルを含有する固体の化合物を捕集する方法として、例えば超音波集塵機、サイクロン、電気集塵機を用いる方法、バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、(充填物を有する)充填材方式、コアレッサー方式によるろ過方式等の方法があり、本発明のホスゲンの製造方法においては、これらの機能を有する装置(プレフィルター)が設置される。なかでも、プレフィルターとして、バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、充填材方式等によるろ過装置が好ましく採用される。
また、支持器の材質は特に制限はないが耐食性の素材が好ましく、例えばSUS316L製が使用される。
(2)CO中の硫黄含有量;ガスクロマトグラフ装置(日立製作所製)にCOを注入し測定した。
(3)CO中のニッケル化合物含有量;ニッケルカルボニル分析は以下の方法で実施した。まず、COガス100Lを、ガス洗浄瓶に入れたヨウ素−エタノールに通した後、乾固させた。これを純水に溶解させてJIS K−0083に記載の方法に従って測定した。その他のCO中のニッケル化合物はJIS K−0083に記載の方法で試料採取および分析を行った。
コークスと酸素を反応させて得られたCOを苛性ソーダ水溶液と向流接触させた後、熱交換器を用いて5℃に冷却させ、次に活性アルミナ充填槽を通気させた。得られたCOの純度は98.5%、COの露点は−45℃以下、CO中の硫黄濃度は0.2ppm以下、CO中のニッケル化合物(Ni(CO)4)濃度は0.15ppmであった。
図1に示す装置を用いた。ホスゲン反応槽として反応熱を除去する機能を有した多管式反応槽のシェル側に35℃の冷却水を通水し、チューブ側に活性炭(比表面積1300m2/g、平均径2.7±0.3mm、平均長さ5.5±0.5mmの日本エンバイロケミカルズ社製白鷺C2X6/8)を充填した。この多管式反応槽の上部に設置したプレフィルターに充填材支持器として目開き1.0mmのSUS316L製金網を使用し、その支持器の上に平均粒径1.6mmφのセラミックボールを厚さ100mmとなるよう充填した。上記の方法により得られたCO1モルに対しCl20.97モルの混合ガスを、プレフィルター内の空塔速度は0.18m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。なお、空塔速度は充填物の存在を考えず、COとCl2の混合ガス流量を断面積で割った値とした。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
図2に示す装置を用いた。なお、プレフィルター14は3基中2基並列で使用した。ただし、ホスゲン反応槽内のプレフィルター15は使用しなかった。2基のプレフィルターの充填物は平均粒径1.6mmφのセラミックボールを厚さ100mmとなるよう充填した。上記の方法により得られたCO1モルに対しCl20.97モルの混合ガスを、並列に設置したプレフィルター内の空塔速度は0.09m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.2kPa上昇した。
図2に示す装置を用い、プレフィルター14は3基中3基並列で使用した。ただし、ホスゲン反応槽内のプレフィルター15は使用しなかった。3基のプレフィルターの充填物は平均粒径1.6mmφのセラミックボールを厚さ100mmとなるよう充填した。上記の方法により得られたCO1モルに対しCl20.97モルの混合ガスを、並列に設置したプレフィルター内の空塔速度は0.06m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.1kPa上昇した。
図3に示す装置を用い、プレフィルター24、25を直列で使用した。ただし、ホスゲン反応槽内のプレフィルター26は使用しなかった。2基のプレフィルターの充填物は平均粒径1.6mmφのセラミックボールを厚さ100mmとなるよう充填した。上記の方法により得られたCO1モルに対しCl20.97モルの混合ガスを、直列に設置したプレフィルター内の空塔速度は0.18m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
充填材支持器として目開き0.2mmのSUS製金網を使用し、その支持器の上にプレフィルター充填物として平均粒径0.3mmφのセラミックボールを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
充填材支持器として目開き1.0mmのSUS製金網を使用し、その支持器の上にプレフィルター充填物として平均粒径3.0mmφのセラミックボールを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.3kPa上昇した。
プレフィルター充填物として直径2mm×長さ2mmのラッシヒリングを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.3kPa上昇した。
プレフィルター充填物として直径2mm×長さ2mmのセラミック製円柱(ペレット)を充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.2kPa上昇した。
プレフィルター充填物としてスチールウール(繊維状)を充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.5kPa上昇した。
プレフィルター充填物として平均粒径1.6mmφガラスビーズを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
プレフィルター充填物として平均粒径1.6mmφSUS316製の球を充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
図2に示す装置を用いた。なお、プレフィルター14は3基中1基を使用した。ただし、ホスゲン反応槽内のプレフィルター15は使用しなかった。3基中1基のプレフィルターは充填材の代わりに公称ろ過精度15μmのSUS316L製のカートリッジフィルター(日本ポール株式会社製 製品NoP24106M150)10本(ろ過面積2800cm2/本×10本=28000cm2)で構成した装置を使用し、カートリッジフィルター通過時のCOとCl2混合ガスの空塔速度は0.0004m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.1kPa上昇した。
プレフィルター充填物の厚さが50mmとなるように充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.8kPa上昇した。
プレフィルター充填物の厚さが400mmとなるように充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
実施例1において、プレフィルター内の上部に平均粒径1.6mmφセラミックボールを充填物の厚さが50mmとなるように、下部に平均粒径0.6mmφセラミックボールを充填物の厚さが50mmとなるように充填した。なお、その中間における充填物の混合を防止する為、金網を設置した。それ以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.2kPa上昇した。
実施例1において、プレフィルター内に平均粒径1.6mmφセラミックボールと平均粒径0.6mmφセラミックボールとを体積比率1対1で混合し、充填物の厚さが100mmとなるように充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
実施例1において、プレフィルター内に平均粒径1.6mmφセラミックボールと直径2mm×長さ2mmのラッシヒリングとを体積比率1対1で混合し、充填物の厚さが100mmとなるように充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.6kPa上昇した。
プレフィルターを設置しない以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.5kPa上昇した。
充填材支持器として目開き1.0mmのSUS製金網を使用し、その支持器の上にプレフィルター充填物として平均粒径5mmφのセラミックボールを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.5kPa上昇した。
充填材支持器として目開き0.08mmのSUS製金網を使用し、その支持器の上にプレフィルター充填物として平均粒径0.1mmφのセラミックボールを充填した以外は実施例1と同じ方法で行った。プレフィルターの圧力損失が大きく、COとCl2を充分に通気することができず、ホスゲン製造を途中で中止した。
2:塩素(Cl2)
3:圧力計
4:混合器
5:プレフィルター
6:チューブ(活性炭層)
7:ホスゲン反応槽
8:圧力計
9:ホスゲン
10:一酸化炭素(CO)
11:塩素(Cl2)
12:圧力計
13:混合器
14:プレフィルター
15:プレフィルター
16:ホスゲン反応槽
17:チューブ(活性炭層)
18:圧力計
19:ホスゲン
20:一酸化炭素(CO)
21:塩素(Cl2)
22:圧力計
23:混合器
24:プレフィルター
25:プレフィルター
26:プレフィルター
27:ホスゲン反応槽
28:チューブ(活性炭層)
29:圧力計
30:ホスゲン
Claims (2)
- 固体触媒を用いて、ニッケル化合物を含有する一酸化炭素と塩素とを反応させてホスゲンを製造する方法において、一酸化炭素と塩素の合流箇所とホスゲン反応槽の触媒層との間にニッケルを含有する固体の化合物を捕集する機能を有したプレフィルターを設置することを特徴とするホスゲンの製造方法。
- プレフィルターは、フィルターおよび/または充填物を有するプレフィルターである請求項1記載のホスゲンの製造方法。
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