JP5221672B2 - 形状記憶合金作動構造の制御 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、加熱によって収縮すると、支持構造に対する可動エレメントの運動を実行するようになされたSMAアクチュエータを備えたSMA(形状記憶合金)作動構造の制御に関する。
本発明は、比較的小さい可動エレメント、たとえばカメラレンズエレメント、とりわけ、移動電話あるいは移動ディジタルデータ処理および/または送信デバイスなどの携帯型電子デバイスに使用することができる小型カメラに使用されるタイプのカメラレンズエレメントを正確に作動させるための特定の用途を有している。
近年、時によってはPDA(携帯型ディジタルアシスタント)として知られている携帯型情報端末および携帯型電話の爆発的な普及により、イメージセンサを使用したコンパクトディジタルカメラ装置を組み込んだデバイスの数が増加している。イメージセンシング面積が比較的小さいイメージセンサを使用してこのようなディジタルカメラ装置を小型化する場合、それに伴って、1つまたは複数のレンズを含んだその光学システムも同様に小型化しなければならない。
焦点調節またはズーム調節を達成するためには、あるタイプの作動構造は、光軸に沿ったカメラレンズエレメントの運動を実行するために、このような小型カメラの制限された体積の中に収納しなければならない。カメラレンズエレメントは微小であるため、作動構造は、微小範囲の運動にわたり相応して正確な作動を提供することができなければならない。
広範囲にわたる他の微小対象のための作動構造にも同様の考察が適用される。
既存のカメラのほとんどは、よく知られている電気コイル電動機の変形形態を利用しているが、レンズシステムのための小型駆動ユニットとして他の多くの作動構造が提案されている。このような他の作動構造には、一般に電気活性デバイスと呼ばれている、圧電材料、電気ひずみ材料または磁気ひずみ材料に基づく変換器を含むことができる。
提案されている他のタイプの作動構造には、SMA材料がアクチュエータとして使用されている。SMAアクチュエータは、加熱時にカメラレンズエレメントの運動を実行するようになされている。作動は、SMAアクチュエータがマルテンサイト相とオーステナイト相の間で変化し、その応力およびひずみが変化する活性温度範囲にわたってSMAアクチュエータの温度を制御することによって達成することができる。SMAアクチュエータは、低温ではマルテンサイト相にあり、一方、SMAアクチュエータは、高温では、SMAアクチュエータを収縮させる変形を誘導するオーステナイト相に変化する。SMAアクチュエータの温度は、SMAアクチュエータに選択的に駆動電流を流してSMAアクチュエータを加熱することによって変化させることができ、それにより相を変化させることができる。相変化は、SMA結晶構造中における遷移温度の統計的広がりのため、一定の温度範囲にわたって生じる。SMAアクチュエータは、収縮することによって可動エレメントの運動を実行するようになされている。
小型カメラのカメラレンズエレメントなどの微小エレメントのためのアクチュエータとしてSMA材料を使用することにより、本質的に線形であり、大きい単位質量当たりの電力を提供し、低コスト商品アイテムであり、また、比較的小さいコンポーネントである、という利点が提供される。
本発明は、このようなSMA作動構造の制御に関しており、とりわけ、位置の正確な制御を提供する必要性に関している。これは、一般に、SMA材料の固有物理特性のため容易ではない。位置は、SMA材料の温度を変化させることによって制御され、また、この温度は、SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給することによって制御することができる。しかしながら、位置と駆動電流の間には単純な関係は存在していない。たとえば温度と位置の間の関係は非線形で、かつ、ヒステレシス的(hysteretic)であり、加熱および冷却の間、異なる曲線を追従する。さらに、SMAアクチュエータの駆動電流と温度の間の関係は複雑であり、この関係は、加熱の履歴および冷却の量に依存しており、この冷却の量自体は、環境温度(ambient temperature)に強く依存している。したがって、実際にはSMAアクチュエータの制御は複雑である。
様々な異なる制御技法を適用することができるが、アクチュエータは熱によって駆動されるため、制御にはアクチュエータモジュールの環境温度の知識が必要であり、あるいは環境温度の恩恵を受けることができることは理解されよう。環境温度は、SMAアクチュエータからの熱損失の速度に実質的な影響を及ぼし、また、SMAアクチュエータを収縮させるために必要な電力に実質的な影響を及ぼす。また、熱損失は、膨張の間の冷却時間にも影響を及ぼすことになり、また、長期間にわたって位置を保持する場合、アクチュエータの位置が変化する速度にも影響を及ぼすことになる。本発明の第1の態様は、SMA作動構造の環境温度の決定に関している。
本発明の第1の態様によれば、加熱によって収縮すると、支持構造に対する可動エレメントの運動を実行するようになされたSMAアクチュエータを備えたSMA作動構造の環境温度を決定する方法が提供され、この方法には、
SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給するステップと、
SMAアクチュエータの抵抗の測度を検出するステップであってと、SMAアクチュエータの抵抗の測度に基づいて駆動電流が制御されるステップと、
環境温度を表すSMAアクチュエータの電気的特性(electrical characteristic)の測度を導出するステップと
が含まれている。
さらに、本発明の第1の態様によれば、対応する方法を実施するSMA作動構造のための制御システムが提供される。
本発明のこの態様は、SMAアクチュエータの抵抗の測度に基づいて駆動電流が制御されるとき、SMAアクチュエータの様々な電気的特性が環境温度を代表する、という認識に基づいている。したがってSMAアクチュエータのこのような電気的特性の測度は、環境温度を表す測度として導出される。
SMAアクチュエータの前記電気的特性の測度は、駆動電流を制御する場合に考慮することができる。これは、駆動電流を制御するための、閉ループ制御および開ループ制御を始めとする多くの異なる制御技法に適用することができる。閉ループ制御の場合、流源によって供給される駆動電流の電力が、検出器回路によって検出されるSMAアクチュエータの抵抗の測度と、SMAアクチュエータの抵抗に対する目標値との間の誤差に基づいて制御される。この場合、SMAアクチュエータの前記電気的特性の測度は、以下でさらに説明されているように、制御ループにおけるオフセットのための基本として使用することができる。開ループ制御の場合は、電源によって供給される駆動電流の電力自体が目標値に制御される。この場合、SMAアクチュエータの前記電気的特性の測度を使用して、環境温度に大いに依存する所与の位置のために必要な目標値を決定することができる。
SMAアクチュエータの抵抗を極大抵抗(local maximum resistance)まで大きくするために、非加熱状態のSMAアクチュエータに最初に駆動電流が付与される際に適用される、SMAアクチュエータの前記電気的特性の第1の可能測度は、駆動電流が最初に付与される際の非加熱状態のSMAアクチュエータの抵抗と、SMAアクチュエータの最大抵抗との間の差である。
SMAアクチュエータの前記電気的特性の第2の可能測度は、SMAアクチュエータの抵抗をSMAアクチュエータの最大抵抗および/または最小抵抗に対して所定のレベルに保持するために必要な駆動電流の電力である。
本発明の第2の態様は、SMAアクチュエータの抵抗の測度がフィードバック信号として使用される、SMA作動構造の閉ループ制御に関している。この場合、駆動電流の電力を制御するための閉ループ制御信号は、検出器回路によって検出されるSMAアクチュエータの抵抗の測度と、SMAアクチュエータの抵抗に対する目標値との間の誤差に基づいて生成される。抵抗を使用することにより、SMAアクチュエータを加熱する駆動電流を提供するために必要なエレメントを補足する追加電子コンポーネントを単純に提供することにより、精度が優れていること、実施が容易で、かつ、コンパクトであることを始めとする、センサを使用して可動エレメントの実際の物理位置を検出する場合に優る著しい利点が得られる。
しかしながら、このような閉ループ制御には、定常誤差(steady state error)に遭遇する、という潜在的な問題があることが分かっている。単純な比例制御が制御ループに適用されると、達成される安定抵抗と目標抵抗との間に定常誤差が存在することになる。利得は有限であるため、冷却損失に等しい電力を付与する駆動電流を生成する場合、必ずこのような誤差が存在することになる(あるいは逆に、抵抗誤差が存在しないということは、電力が付与されていないこと、したがって冷却が定常状態ではないことを暗に意味している)。
このような定常誤差は、利得を大きくすることによって小さくすることができるが、利得を大きくすると制御ループが共振し、そのために制御が損失し、レンズが発振し、また、ステップ運動に対する著しいオーバーシュートの原因になる可能性がある、という実際的な限界が存在している。この観点から、実際には比較的小さい利得が選択され、したがって大きな定常誤差が存続している。
定常誤差を小さくするための理論的可能性の1つは、制御ループに積分制御を適用することである。しかしながら、積分器を極めて慎重にシステムに同調させなければならないため、この積分制御を適用することは実際には困難である。積分が速すぎると、システムがオーバーシュートする傾向が強くなり、また、実際に、システムの機械的な共振から離れた自己持続発振の原因になることがある。積分が遅すぎると、整定に要する時間が極めて長くなり、そのために作動中にドリフトすることになる。実際には、積分制御を回避すること、あるいは定常誤差が存続するDCまで広がっていない比較的狭い帯域幅にわたる積分制御の適用を望ましくしているのは、場合によってはこのドリフトである。
本発明の第2の態様によれば、加熱によって収縮すると、支持構造に関係する可動エレメントの運動を実行するようになされたSMAアクチュエータを備えたSMA作動構造を制御する方法が提供され、この方法には、
SMAアクチュエータを加熱するために、SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給するステップと、
SMAアクチュエータの抵抗の測度を検出するステップと、
電源によって供給される駆動電流の電力を、検出器回路によって検出されるSMAアクチュエータの抵抗の測度と、SMAアクチュエータの抵抗に対する目標値との間の誤差に基づいて制御するための閉ループ制御信号を生成するステップと、
前記誤差の定常値(steady state value)を小さくするオフセットを制御信号に加えるステップであって、電源によって供給される駆動電流の電力が、オフセットが加えられた制御信号に従って制御されるステップと
が含まれている。
さらに、本発明の第2の態様によれば、対応する方法を実施するSMA作動構造のための制御システムが提供される。
したがって、本発明の第2の態様によれば、電源に供給される制御信号にオフセットを加えることにより、達成される安定抵抗と目標抵抗との間の定常誤差の問題が抑制される。したがってこのようなオフセットによって駆動電流の電力がオフセットされ、それにより定常誤差を小さくすることができ、さらには、このオフセットによって冷却損失に等しい量だけ駆動電流の電力が大きくなる理想的なケースの場合、定常誤差を除去することも可能である。
オフセットは、環境温度の測度に依存する値を有することができる。定常誤差は環境温度によって決まり、この定常誤差によって冷却損失に等しい電力を提供する駆動電流が生成される、つまり定常状態を保持するために必要な電力が環境温度の上昇に伴って小さくなるため、環境温度の測度に依存する値をオフセットが有することは有利である。したがって、環境温度によるオフセットの変化が、作動する環境温度にわたってより良好な定常誤差のオフセットを可能にしている。
一般的には、環境温度の任意の測度を使用することができるが、この測度は、SMAアクチュエータの抵抗をSMAアクチュエータの最大抵抗および/または最小抵抗に対して所定のレベルに保持するために必要な駆動電流の電力であることが有利である。SMAアクチュエータは、収縮中に抵抗が極大抵抗から極小抵抗(local minimum resistance)まで小さくなる曲線に沿って長さと共に抵抗が変化する特徴を有している。環境温度のこの測度は、それが定常状態を所定のレベルの抵抗に保持するために必要な電力であるため、必要なオフセットに緊密に関係している。したがって、環境温度のこの測度により、最少の余分な計算を必要とするだけで電力オフセットを正確に計算することができる。
また、オフセットは、SMAアクチュエータの収縮の度合いに依存する値および/またはSMAアクチュエータが加熱されているのか、あるいは冷却されているのかどうかに依存する値を有することも可能である。必要な処理電力が増加することにはなるが、定常誤差、したがって必要な電力オフセットは、SMAアクチュエータの温度変化に伴って変位範囲にわたって変化し、また、ヒステリシスのために加熱と冷却の間で変化するため、これにより、精度がさらに改善される。
オフセットのこのような変化によって利点が提供されるが、オフセットは、代替として、たとえば、製造されたSMA装置に対する典型的な定常誤差に基づく固定値を有することも可能である。この場合も、精度が低下することになる可能性はあるが、依然として定常誤差を小さくすることは可能である。
SMAアクチュエータ構造の正確な制御を提供するための可能性の1つは、SMAアクチュエータの抵抗の測度に基づく閉ループ制御下でSMAアクチュエータを介して駆動電流を供給する電源に供給される制御信号を生成することである。SMAアクチュエータの抵抗は、SMAアクチュエータの長さに伴って予測可能な方法で変化するため、このような閉ループ制御によって位置を正確に制御することができる。さらに、抵抗を使用することにより、SMAアクチュエータを加熱する駆動電流を提供するために必要なエレメントを補足する追加電子コンポーネントを単純に提供することにより、精度が優れていること、実施が容易で、かつ、コンパクトであることを始めとする、センサを使用して可動エレメントの実際の物理位置を検出する場合に優る著しい利点が得られる。
しかしながら、このような閉ループ制御は、実際には、SMAアクチュエータの収縮から利用することができる最大運動範囲の一部に制御を限定している。詳細には、SMA材料は、加熱によってSMA材料が収縮すると、抵抗が最初に極大抵抗まで大きくなり、次にその極大抵抗から極小抵抗まで小さくなり、また、次にその極小抵抗から大きくなる曲線に沿った長さと共にその抵抗が変化する特性を有している。極大抵抗と極小抵抗の間の領域は、高度に線形であり、したがって抵抗フィードバックを使用した閉ループは、通常、この領域に適用される。しかしながら、閉ループ制御は、極大抵抗および極小抵抗に近づくと、位置−抵抗利得が無限大に近づくため、実際的ではなくなる。したがって、実際には、極大抵抗および極小抵抗からオフセットしているリミットが閉ループ領域に設定される。これは、極大抵抗および極小抵抗を超えるSMAアクチュエータの収縮の一部が運動を実行するために使用されない点で、可動エレメントの可能運動範囲を制限している。
運動範囲のこの制限は、SMAアクチュエータに付与される機械的応力が大きくなるにつれてますます深刻になる。しかしながら、機械的応力によってマルテンサイト相からオーステナイト相への相変化が生じる相転移温度が高くなるため、SMAアクチュエータを作動させることができる温度範囲の上限を高くするためには、比較的大きい機械的応力がSMAアクチュエータに付与されることが望ましい。言い換えると、閉ループ制御が適用される場合、作動温度範囲を高くするために機械的応力を大きくすることは、利用可能な運動範囲の制限に影響を及ぼすことになる。
本発明の第3の態様によれば、加熱によって収縮すると、支持構造に対する可動エレメントの運動を実行するようになされたSMAアクチュエータと、供給される制御信号に従ってSMAアクチュエータを介して駆動電流を供給するようになされた電源とを備えたSMA作動構造を制御する方法であって、
可動エレメントを所定の位置へ移動させるために選択された駆動電流を提供するために、電源に制御信号を供給するステップであって、較正ステージの間に測定されるSMAアクチュエータの電気的特性を考慮した開ループ制御の下で制御信号が生成されるステップ
を含み
較正ステージが、SMAアクチュエータの抵抗の測度を検出している間、SMAアクチュエータの温度を変化させるための制御信号を電源に供給するステップと、それと同時にSMAアクチュエータの電気的特性を測定するステップとを含む
方法が提供される。さらに、本発明のこの第3の態様によれば、対応する方法を実施するSMA作動構造のための制御システムが提供される。
本発明のこの第3の態様によれば、開ループ制御が適用される。詳細には、可動エレメントを所定の位置へ移動させるために選択された駆動電流を提供するために、開ループ制御の下で制御信号が生成される。一般に、上で説明したSMA材料の複雑な固有物理特性のため、これは、先験的に、困難であると見なすことができる。しかしながら、このような開ループ制御は、SMAアクチュエータの抵抗の測度を検出している間の較正ステージ中に測定されるSMAアクチュエータの電気的特性を考慮することによって実行可能であることが分かっている。これは、事実上、測定された電気的特性に基づく開ループ制御のスケール化を可能にしている。電気的特性は、抵抗を検出している間に測定されるため、これは、任意選択で閉ループ制御の下で、周囲条件および製造公差の変化に対する開ループ制御の適合を可能にしており、それにより開ループ条件における十分な精度での制御を可能にしている。開ループ制御の使用は、延いては極大抵抗および/または極小抵抗までの運動範囲の拡張、およびそれを超える運動範囲の拡張を可能にしている。
より深い理解を可能にするために、以下、本発明の一実施形態について、添付の図面を参照して、非制限の例によって説明する。
SMA作動構造を組み込んだカメラの略横断面図である。 カメラの制御構造全体の略図である。 収縮中におけるSMAの抵抗−長さ特性のグラフである。 制御回路の線図である。 制御回路のための2つの可能回路実施態様の線図である。 制御回路のための2つの可能回路実施態様の線図である。 制御回路の制御ユニットによって実施される閉ループ制御の略図である。 開ループ制御を適用した場合の制御ユニットの作動全体の流れ図である。 制御ユニットによって実施される開ループ制御の流れ図である。 SMAモデルのパラメータによって表される曲線のグラフである。 図9の流れ図に対する修正を示す流れ図である。 電力のステップ変化に対するSMAアクチュエータの温度応答のグラフである。 混合モードにおける制御ユニットの作動を示す流れ図である。
最初に、SMA作動装置を組み込んだカメラ1の構造について説明する。このカメラ1は、移動電話、メディアプレーヤあるいは携帯型ディジタルアシスタントなどの携帯型電子デバイスに組み込まれるカメラである。
図1は、カメラ1を概略的に示したものである。カメラ1は、ベース部分3を有する支持構造2を備えており、ベース部分3の上には、CCD(電荷結合デバイス)またはCMOS(相補性金属酸化膜半導体)デバイスであってもよいイメージセンサ4が取り付けられている。支持構造2は、さらに、イメージセンサ4が取り付けられているベース3の前面から突出している環状壁5を備えている。支持構造2は、プラスチック製であってもよい。
カメラ1は、さらに、1つまたは複数のレンズ8からなるレンズシステム7を保持しているレンズエレメント6を備えている。一例として、図1に示されているレンズシステム7は、2つのレンズ8からなっているが、一般的には、光学性能と低コストの所望のバランスを提供するために必要な単一のレンズ8または複数のレンズ8を存在させることができる。レンズエレメント6は、レンズキャリア20およびレンズキャリア20の内側の、レンズキャリア20の内側に形成された内部ねじ山22に取り付けられたレンズホルダ21を備えた二部構造を有している。カメラ1は、典型的には最大10mmの直径を有するレンズシステム7のレンズ8を備えた小型カメラである。
レンズエレメント6は、レンズシステム7の光軸Oがイメージセンサ4に対して直角になるように配置されている。この方法によれば、レンズシステム7は、イメージセンサ4の上に光を集束させる。
レンズエレメント6は、支持構造2の環状壁5とレンズエレメント6の間に接続された2つのサスペンションエレメント10からなるサスペンションシステム9によって支持構造2の上にサスペンションされている。サスペンションエレメント10の各々は湾曲部13を備えており、湾曲部13の各々は、その両端でレンズエレメント6および支持構造2の環状壁5に結合されている。サスペンションシステム9は、レンズエレメント6の運動を光軸Oに沿ってガイドする。レンズエレメント6のこのような運動によって、イメージセンサ4の上に形成されるイメージの焦点が変化する。
カメラ1は、複数の長さのSMAワイヤ31を備えたSMAアクチュエータ30を備えている。SMAアクチュエータ30は、任意の適切なSMA材料、たとえばニチノールまたは他のチタン合金SMA材料から製造することができる。SMA材料は、加熱されると、固体相が変化してSMA材料を収縮させる特性を有している。SMA材料は、低温ではマルテンサイト相に入る。SMAは、高温では、SMA材料を収縮させる変形を誘導するオーステナイト相に入る。相変化は、SMA結晶構造中における遷移温度の統計的広がりのため、一定の温度範囲にわたって生じる。したがって、これらの複数の長さのSMAワイヤ31を加熱することにより、それらの長さが短くなる。これらの複数の長さのSMAワイヤ31は、収縮すると、それらが、光軸Oに沿った成分を有する引張り力を、詳細にはレンズエレメント6をイメージセンサ4から遠ざけるように付勢する方向に付与するよう、張力がかかった状態で、光軸Oに対して一定の角度で、支持構造2の環状壁5とレンズエレメント6の間に接続されている。これを使用して、以下で説明するように、光軸Oに沿ったレンズエレメント6の運動が実行される。
SMAアクチュエータ30によって付与される力によってサスペンションシステム10の湾曲部13が偏向し、それにより光軸Oに沿った逆方向の付勢力(biassing force)が生成される。したがってサスペンションシステム9は、SMAアクチュエータ30のための受動付勢構造として作用する機能、ならびにカメラレンズエレメント6をサスペンションさせ、かつ、その運動をガイドする機能を提供している。
SMAアクチュエータ30が非加熱状態では、レンズエレメント6は、その運動範囲内において、イメージセンサ4に最も近い位置に位置している。カメラ1は、特に自動焦点機能が提供される場合、この位置がカメラ1に対する最も一般的な設定である遠視野すなわち過焦点に対応するように設計されている。SMAアクチュエータ30は、加熱されると、イメージセンサ4から遠ざかる方向のレンズエレメント6の運動を実行する。レンズエレメント6は、SMAアクチュエータ30の温度が、SMA材料がマルテンサイト相からオーステナイトへ転移する温度範囲にわたって上昇するにつれて、一定の運動範囲にわたって移動する。支持構造2に対する光軸Oに沿ったレンズエレメント6の位置は、SMAアクチュエータ30の温度を制御することによって制御することができる。作動中、SMAアクチュエータ30の加熱は、SMAアクチュエータ30に電流を流すことによって提供され、それにより抵抗性加熱が提供される。冷却は、電流を停止し、周囲への伝導によるSMAアクチュエータ30の冷却を許容することによって提供される。電流は、以下でさらに説明する制御回路50によって供給される。
カメラ1は、参照により本明細書に組み込まれているWO−2007/113478、WO−2008/099156またはWO−2008/099155に記載され、かつ、示されている任意のカメラの詳細構造を有することができる。他の代替として、カメラ1は、サスペンションシステムに加えて、たとえば、参照により本明細書に組み込まれている共有所有国際特許出願第PCT/GB08/003657号に記載され、かつ、示されている詳細構造を有する個別の付勢エレメント(biassing element)を含むことができる。しかしながら、これらの詳細構造は、いずれも本質的ではなく、一般に、本発明は、カメラを制限することなく、正確な制御を必要とするあらゆる種類の可動対象のためのSMA作動装置に適用することができる。
次に、制御回路50の性質および制御回路50によって実施される制御の性質について説明する。
図2は、制御構造全体の略図を示したものである。制御回路50はSMAアクチュエータ30に接続されており、レンズエレメント6を移動させ、イメージセンサ4の上に形成されるイメージの焦点を変化さるSMAアクチュエータ30の温度を制御するためにSMAアクチュエータ30に電流を付与している。イメージセンサ4の出力は制御回路50に供給され、焦点の品質の測度を決定するために処理される。
制御回路50は、レンズエレメント6の位置の測度として使用されるSMAアクチュエータ30の抵抗に応答して、SMAアクチュエータ30を通って流れる電流の電力を変化させることによってSMAアクチュエータ30を加熱する度合いを制御している。温度センサによって測定される温度あるいは位置センサによって出力されるレンズエレメント6の位置の直接測度などの位置の他の測度を使用することも可能であるが、抵抗センサは、制御回路50中の追加コンポーネントによって単に実施され、したがってカメラのパッケージサイズが大きくならないため、有利である。抵抗を使用する根拠をなしている物理的現象は、次の通りである。
SMAを加熱すると、ほとんどの材料の場合と同様、温度と共に抵抗率が大きくなる。これは、相変化が生じる温度範囲(相転移範囲)、したがってSMAが収縮する温度範囲の内側および外側で生じる。しかしながら、相転移範囲内では、さらに2つの効果が生じる。第1に、オーステナイト相は、マルテンサイト相より大きい抵抗率を有しており、そのため、温度と共に抵抗が大きくなる傾向にある。しかしながら、相反する効果は、幾何構造が変化することであり、この幾何構造の変化には、長さが短くなり、また、断面積が広くなることが含まれており、温度と共に抵抗が小さくなる傾向がある。この相反する効果は、他の効果より著しく大きい。したがって、低い温度から加熱している間に相転移範囲に到達し、SMAが収縮を開始すると、抵抗が初期上昇した後、幾何学的効果が急速に支配的になり、そのため、収縮の主要部分の間、SMAアクチュエータの抵抗が小さくなる。これは、相変化がほぼすべてのSMA中で生じ、したがって収縮の度合いが小さくなって抵抗の上昇を許容するまで生じる。
したがって、SMA材料は、図3に示されている形態の曲線に沿った加熱および収縮中、長さと共に抵抗が変化スル特徴を有している。図3は、レンズエレメント6の位置xに対応しているSMAアクチュエータの長さに対するSMAアクチュエータの抵抗のグラフであり、この長さは、SMA材料が収縮すると長くなり、上昇する温度に対応している。したがって相転移範囲を横切ると、レンズエレメント6は、SMAの収縮によって位置範囲Δxの両端間を移動する。抵抗は、位置範囲Δxの初期微小部分を横切って、抵抗値Rmaxを有する極大60まで上昇する。抵抗は、位置範囲Δxの主要部分を横切って、抵抗値Rminを有する極小61まで降下し、その後、抵抗は、位置範囲Δxの最後の部分を横切って上昇する。抵抗に影響を及ぼし、また、抵抗を大きくしている他の要因が、温度と抵抗の間の総合的な関係を著しく非線形にしているが、収縮およびそれに関連する抵抗の低減過程は、極大60と極小61の間の位置範囲Δxのより広い部分にわたる測定に基づいて、抵抗と位置の間のほぼ線形の従属性をもたらしている。基礎をなしている物理学は完全には理解されていないが、現象は、実験によって観察されており、以下で説明されているように、閉ループ制御を適用する際に補助している。
制御回路50は、パルス幅変調(PWM)を使用している。詳細には、制御回路50は、パルス幅変調電流パルスを付与しており(これは、定電流パルスであっても、あるいは定電圧パルスであってもよい)、付与される電流の電力、したがって加熱の電力を変化させるためにデューティサイクルを変化させている。PWMを使用することにより、供給される電力の量を細かい分解能で正確に制御することができる利点が提供される。この方法によれば、小さい駆動電力においても高い信号対雑音比が提供される。PWMは、知られているPWM技法を使用して実施することができる。通常、制御回路50は、たとえばデューティサイクルが5%から95%までの範囲で変化する電流のパルスを連続的に供給することができる。デューティサイクルがこの範囲内の小さい値である場合、SMAアクチュエータ30内の平均電力は小さく、したがってある程度の電流が供給されている場合であっても、SMAアクチュエータ30は冷却される。逆に、デューティサイクルがこの範囲内の大きい値である場合、SMAアクチュエータ30は加熱される。抵抗は、たとえばパルスの開始から所定の短い遅延の後、電流パルスの間、測定される。
SMAアクチュエータ30を相転移範囲未満の冷却状態から加熱している間、抵抗は、サンプル間で、かつ連続する加熱サイクルにおいて一貫した方法である図3に示されている方法で位置と共に変化する。しかしながら、冷却中は、抵抗は、類似した形態ではあるが、異なる曲線に沿って変化する。
図4は制御回路50を示したもので、以下のコンポーネントが含まれている。
制御回路50には、SMAアクチュエータ30に電流を供給するために接続された駆動回路53が含まれている。駆動回路53は、定電圧電源であっても、あるいは定電流電源であってもよい。たとえば、後者の場合、120mA程度の定電流にすることができる。
制御回路50には、さらに、SMAアクチュエータ30の抵抗を検出するようになされた検出回路54が含まれている。
駆動回路53が定電流電源である場合、検出回路54は、SMAアクチュエータ30の抵抗の測度であるSMAアクチュエータ30の両端間の電圧を検出するように作動させることができる電圧検出回路であってもよい。
駆動回路53が定電圧電源である場合、検出回路54は電流検出回路であってもよい。
精度の程度をより高くする場合、検出回路54は、SMAアクチュエータの両端間の電圧および電流を検出し、かつ、それらの比として抵抗の測度を導出するように作動可能な電圧検出回路及び電流検出回路を備えることができる。
図5および6は、制御回路50のための2つの詳細回路実施態様を示したものである。
図5の第1の回路実施態様は、安価ではあるが、性能に限界がある。詳細には、駆動回路53は、バイポーラトランジスタ120の単純な構造を使用して実施された定電流電源である。電圧検出器回路54は、一対のダイオード121および抵抗器122の単純なブリッジ構造として形成されている。
図6の第2の回路実施態様は、より正確ではあるが、より高価である。詳細には、駆動回路53は、演算増幅器124によって制御されるMOSFETトランジスタ123によって実施された定電流電源である。検出回路125は、2つの抵抗器125のブリッジ構造によって実施されており、その出力は、演算増幅器126によって増幅されている。演算増幅器126は、制御ユニット52(以下で説明する)のA/D変換器によるその全ダイナミックレンジの利用を可能にしている。
制御回路50には、さらに、駆動回路にPWM駆動電流を供給させるために駆動回路53に供給される制御信号を生成するように作動する制御ユニット52が含まれている。制御ユニット52は、PWM駆動電流のデューティサイクルを変化させることによって駆動電流の電力を変化させている。制御ユニット52は、適切なプログラムを実行するマイクロプロセッサによって実施されている。制御ユニット52は、これから説明するSMAアクチュエータ50のSMA材料の特性に基づいて制御を実施している。
一般に、制御ユニット52は、閉ループ制御または開ループ制御を提供することができる。
最初に、閉ループ制御について説明する。閉ループ制御では、制御ユニット52は、検出回路54によって測定された抵抗を受け取り、受け取った抵抗に応答して、測定されたSMAアクチュエータ30の抵抗をフィードバック信号として使用して駆動電流の電力を変化させ、それにより、測定される抵抗をSMAアクチュエータ30の抵抗に対する目標値へ促す。詳細には、制御ユニット52は、測定された抵抗と目標値との間の誤差に基づいて駆動電流の電力を変化させている。制御ユニット52は、駆動電流の電力を変化させるために多くの制御アルゴリズムを実施することができる。1つの可能性は、検出された抵抗と目標抵抗との間の差に比例する量だけ電力が変化する比例制御である。
図7は制御回路50を示したもので、制御ユニット52の中で実施される閉ループ制御ループが概略的に示されている。
閉ループ制御は、検出回路54によって測定されたSMAアクチュエータ30の測定抵抗Rを目標値Rへ促している。これらの測定抵抗Rおよび目標値Rが減算器70に供給され、それらの間の誤差Eが導出されてコントローラ71に供給される。
コントローラ71は、SMAアクチュエータ30に供給すべき電力を表す電力制御信号Pを誤差Eから導出している。電力制御信号Pは、測定抵抗Rが目標値Rへ向けて促されるように選択される。これを達成するために、コントローラ71は、多くの閉ループ制御アルゴリズムを実施して駆動電流の電力を変化させることができる。1つの可能性は、誤差Eに比例する量だけ電力が変化する比例制御である。他の可能性には、同じく誤差Eの積分および/または微分を考慮した比例−積分制御および比例−積分−微分制御がある。積分制御を適用する場合、積分器を極めて慎重にシステムに同調させなければならない。積分が速すぎると、システムがオーバーシュートする傾向が強くなり、また、実際に、システムの機械的な共振から離れた自己持続発振の原因になることがある。積分が遅すぎると、整定に要する時間が極めて長くなり、そのために作動中にドリフトすることになる。実際には、積分制御を回避すること、あるいはDCまで広がっていない比較的狭い帯域幅にわたる積分制御の適用を望ましくしているのは、場合によってはこのドリフトである。
電力制御信号Pは、この電力制御信号PにオフセットAを加える加算器72に供給されている。このオフセットAは、以下でさらに説明されているように、誤差Eの定常値が小さくなるように選択される。加算器72の出力は、オフセットAが加えられた電力制御信号Pの値に応じてPWM変調されるPWM制御信号Cを生成するPWM発生器73に供給されている。PWM制御信号Cは、このPWM制御信号Cに応じてSMAアクチュエータ30に駆動電流を供給する駆動回路53に供給されている。
オフセットAは、さもなければ存在することになる誤差Eの定常値を小さくしている。閉ループ制御ループの利得は有限であるため、比例制御を使用することにより、冷却損失に等しい電力を付与する駆動電流を生成するためのこのような誤差が存在する。このような定常誤差は、利得を大きくすることによって小さくすることができるが、利得を大きくすると制御ループが共振し、そのために制御が損失し、発振し、また、ステップ運動に対する著しいオーバーシュートの原因になる可能性がある、という実際的な限界が存在している。この観点から、実際には比較的小さい利得が選択され、したがって大きな定常誤差が存続している。オフセットAは、駆動電流の電力がオフセットし、それにより定常誤差を小さくすることができ、さらには、このオフセットによって冷却損失に等しい量だけ駆動電流の電力が大きくなる理想的なケースの場合、この定常誤差を除去することができるように選択される。
オフセットAは、制御ユニット52によって選択される。
オフセットAは、たとえば、製造されたSMA装置に対する典型的な定常誤差に基づく固定値を有することも可能である。より高い精度にする場合、オフセットAは、以下のパラメータのうちの任意のパラメータに依存して変化する値を有することも可能である。
オフセットAは、環境温度の測度に依存する値を有することができる。これは、定常誤差は環境温度によって決まり、この定常誤差によって、冷却損失に等しい電力を提供する駆動電流が生成される、つまり定常状態を保持するために必要な電力が、環境温度が高くなるにつれて小さくなるため、有利である。したがって環境温度の変化によるオフセットの変化が、このオフセットによる、一定の範囲の作動環境温度にわたるより良好な定常誤差の整合を可能にしている。環境温度の測度は、温度センサから導出することができ、あるいは、以下でさらに説明されているように、作動中、SMAアクチュエータ30の電気的特性から導出することができ、たとえば、SMAアクチュエータ30の抵抗をSMAアクチュエータ30の極大抵抗および/または極小抵抗に対して所定のレベルに保持するために必要な駆動電流の電力を導出することができる。環境温度のこの測度は、それが定常状態を所定のレベルの抵抗に保持するために必要な電力であるため、必要なオフセットに緊密に関係している。したがって、環境温度のこの測度により、最少の余分な計算を必要とするだけで電力オフセットを正確に計算することができる。
オフセットAは、SMAアクチュエータ30の収縮の度合いに依存する値および/またはSMAアクチュエータ30が加熱されているのか、あるいは冷却されているのかどうかに依存する値を有することができる。必要な処理電力が増加することにはなるが、定常誤差、したがって必要な電力オフセットは、SMAアクチュエータの温度変化に伴って変位範囲にわたって変化し、また、ヒステリシスのために加熱と冷却の間で変化するため、これにより、精度がさらに改善される。
抵抗の測度に基づく閉ループ制御により、位置を正確に制御することができる。フィードバック制御の安定性は、加熱中におけるSMAアクチュエータ30自体の固有比例−積分アクションによって維持される。総合フィードバック応答は、SMAアクチュエータ30の加熱全体の応答によって支配される。明らかに、その相転移温度を介してSMAアクチュエータ30を駆動し、かつ、比例位置を保持するために必要な電力は、環境温度に大いに依存している。しかしながら、閉ループ制御におけるフィードバックパラメータとしての抵抗の使用は、相変化の温度ヒステリシス、相転移の温度範囲および環境温度に対する高い依存性の両方を相手にして戦っている。
このような閉ループ制御を使用して、抵抗値Rmaxを有する極大60と、抵抗値Rminを有する極小61抵抗との間の、曲線が高度に線形である範囲の両端間にわたる可動エレメント6の運動を実行することができる。しかしながら、閉ループ制御は、極大抵抗および極小抵抗に近づくと、位置−抵抗利得が無限大に近づくため、実際的ではなくなる。したがって、実際には、極大抵抗および極小抵抗からオフセットしているリミットが閉ループ領域に設定される。たとえば、初期較正ステージでSMAアクチュエータ30が加熱され、加熱している間に極大60および極小61が検出され、その抵抗RmaxおよびRminが検出され、かつ、記憶される。その後、閉ループ作動において、抵抗Rmaxより所定の減少分だけ低い上限と、抵抗Rminより所定の増分だけ高い下限との間で抵抗が変化する。適用可能な制御アルゴリズムの他の例は、WO−2007/113478、WO−2008/099156およびWO−2008/099155に開示されている。しかしながら、このような手法は、SMAアクチュエータ30の収縮の一部が極大抵抗および極小抵抗の近傍およびそれを超えた値に達しないため、すべての位置範囲Δxを使用していない。したがって運動範囲が制限されている。
運動範囲のこの制限は、SMAアクチュエータに付与される機械的応力が大きくなるにつれてますます深刻になるため、SMAアクチュエータを作動させることができる温度範囲の上限を高くすることが望ましい。通常、SMA材料の可逆相変化は、付与される機械的応力に依存する温度範囲にわたって生じるが、一般的には10℃と60℃の間である。また、温度ヒステリシスが存在しており、加熱によるマルテンサイトからオーステナイトへの相変化は、通常、冷却によるオーステナイトからマルテンサイトへの相変化より約10℃ないし30℃高い温度で生じる(この場合も機械的応力に依存する)。SMA材料の電気−機械結合は、機械的応力に対する温度の依存性を説明している。応力が大きくなると、相転移温度も高くなる。したがって、より高い温度での作動を許容するためには、選択される材料の応力限界にはるかに近い、より大きい応力で作動させることによって相転移温度を高くしなければならない。しかしながら、SMAアクチュエータ30に付与される機械的応力が大きくなると、上で説明した運動範囲の制限が厳しくなる。詳細には、達成可能な、詳細には極小61を超えた、より可能性の高い運動が存在している。
開ループ制御は、閉ループ制御によって達成可能な制限された運動範囲外の運動を可能にする利点を有しており、以下、この開ループ制御について詳細に説明する。
開ループ制御では、制御ユニット52は、SMAアクチュエータ30を所望の位置へ駆動するための駆動電流の電力を、SMAアクチュエータ30の測定抵抗を参照することなく変化させる。これは、事実上、必要な電力付与プロファイル(power application profile)の計算に基づいてSMAアクチュエータ30が制御されることを意味している。必要な電力は、適切な精度および適切な応答速度で位置から位置へ移動させるためのSMAアクチュエータ30の1つまたは複数のモデルに基づいている。全体としてのシステムに必要な位置精度、再現性および直線性に応じて様々な複雑性のモデルを使用することができる。以下で詳細に説明されているように、制御ユニット52には、SMAアクチュエータ30の温度を可動エレメント6の位置に関連付けるSMAモデル、および駆動電流の電力をSMAアクチュエータの温度に関連付ける熱モデルが使用されている。
このような開ループモデルの使用にかかわる問題は、たとえば環境温度によって高い度合いで変化し、また、製造公差および経年変化過程によって個々のカメラ1毎に高い度合いで変化することである。制御ユニット52は、閉ループ制御の下で作動している間にSMAアクチュエータ30の電気的特性を測定し、次に、引き続いて開ループ制御の下で作動する際にこのような電気的特性を考慮することによってこの問題を処理している。閉ループ制御の固有の精度のため、この手法によれば、開ループ制御のパラメータを正確に決定し、かつ、設定することができ、したがって開ループ制御による閉ループ制御の精度の利用が有効に許容される。
一例として、図8は、これを達成するために適用することができる制御ユニット52の作動を示したものである。
電力が付与されると作動が開始する(ステップS1)。次に、較正ステージ(ステップS2)で、制御ユニット52は、SMAアクチュエータ30の温度を変化させてSMAアクチュエータ30を収縮させるために、SMAアクチュエータ30に供給するための制御信号を生成する。これは、上で説明したように閉ループ制御の下で実施することができる。しかしながら、この制御信号は、やがては開ループで単純に駆動電流の電力を大きくすることも可能であるため、これは必ずしも本質ではない。較正ステージ(ステップS2)では、位置範囲Δx全体にわたってSMAアクチュエータ30が加熱され、SMAアクチュエータ30の電気的特性が検出され、かつ、記憶される。
次に、作動ステージ(ステップS3)で、制御ユニット52は、以下で説明されているように、開ループ制御の下でSMAアクチュエータ30に供給するための制御信号を生成する。この作動ステージ(ステップ3)の間、較正ステージ(ステップS2)の間に測定された電気的特性を更新することができる。
使用される開ループモデルに応じて、極大抵抗および/または極小抵抗に関係して予め定められたレベルの抵抗値、あるいは抵抗を極大抵抗および/または極小抵抗に対して所定のレベルに保持するために必要な駆動電流の電力値などの様々な電気的特性を使用することができる。以下、特定の例についてさらに説明する。
所与の位置を達成するために必要な電力は環境温度に高度に依存しているため、主要な要因の1つは環境温度である。したがって、測定される電気的特性には、環境温度を表すSMAアクチュエータの電気的特性を含むことができる。様々なこのような電気的特性を使用することができる。
環境温度を表すSMAアクチュエータ30の第1の可能電気的特性は、図3に示されているように、駆動電流が最初に付与される際の非加熱状態のSMAアクチュエータ30の抵抗Rinitと、極大60の抵抗値Rmaxとの間の差ΔRである。これは、SMAアクチュエータ30の抵抗を極大60まで大きくするために、非加熱状態のSMAアクチュエータ30に最初に駆動電流が付与される較正ステージ(ステップS2)で測定される。
この測度は、極大60に対応するSMAアクチュエータ30の温度は、別様に製造された装置に対して、また、典型的な環境温度範囲にわたって、有用なベンチマークを形成するだけの十分な不変量であることから理解することができる。逆に、非加熱状態のSMAアクチュエータ30に最初に駆動電流が付与される際のSMAアクチュエータ30の抵抗Rinitは、環境温度にはるかに依存している。駆動電流が最初に付与される際の非加熱状態のSMAアクチュエータ30の抵抗Rinitの絶対値からは、有用な情報を高い信頼性で決定することはほとんど不可能であるが、この抵抗Rinitと極大60の抵抗Rmaxとの間の差ΔRは、環境温度と良好に相関している。一般に、環境温度が低くなると初期抵抗Rinitが小さくなり、したがって差ΔRが大きくなる。
これを具体的に表現すると、多くの金属と同様、SMA材料の抵抗率は、相変化が全くない場合、1℃当たり約+0.1%変化する。したがって、一例として、非加熱状態でたとえば27Ωの抵抗RinitをSMAアクチュエータ30が有する所与の構造の場合、その抵抗は、1℃当たり約27mΩ変化する。相転移は、SMAアクチュエータ30の温度がたとえば80℃に到達すると(環境温度に無関係に)、SMAアクチュエータ30を極大60に到達させるだけ十分に生じる。位置−抵抗勾配は、このポイントに到達する頃には極めて小さくなっており(相転移は瞬時には生じないため)、したがって場合によっては実験によって基準温度を決定しなければならない。この場合、たとえば測定されたRinitが26.5Ωであり、測定されたRmaxが27.9Ωである場合、環境温度は約28℃である。このタイプの計算の精度は、通常、約±10℃であり、多くの目的のためには十分である。
環境温度のこの測度は、特定のカメラ1のSMAアクチュエータ30の幾何構造には特に依存しない利点を有している。抵抗の絶対値は、別様に製造されたカメラ1間の主な変動源として、SMAアクチュエータ30の幾何構造、たとえばSMAワイヤ31の場合であれば直径に依存している場合もあるが、その差は、はるかに小さい依存性を有している。
測度の可変性をさらに小さくするために、SMAアクチュエータの特性抵抗、たとえば極大60の抵抗Rmax、極小61の抵抗Rminあるいはそれらの線形結合で除された差として測度を導出することも可能である。これにより測度が無次元になり、幾何構造に対する依存性がさらに小さくなる。したがって、この測度によって環境温度の最良の絶対予測値が提供される。
環境温度を表すSMAアクチュエータ30の第2の可能電気的特性は、SMAアクチュエータの抵抗をSMAアクチュエータ30の極大60の抵抗Rmaxおよび/または極小61の抵抗Rminに対して所定のレベルに保持するために必要な駆動電流の電力である。たとえば、これは、この抵抗を極大60の抵抗Rmaxと極小61の抵抗Rminの間の中間点に保持するために必要な電力であってもよい。中間点のこのような使用は、相変化が相変化の限界から離れた温度に対して極めて敏感であり、したがって温度がより良好に画定されるため、頑強である。
この第2の測度には、SMAアクチュエータ30からの熱損失自体が環境温度に依存しているため、SMAアクチュエータ30の抵抗を所与の値に維持するために必要な定常電力(steady state power)が環境温度に高度に依存していることが使用されている。したがって測度される定常電力は、したがって環境温度と良好に相関している。
SMAアクチュエータ30の抵抗、したがって測定される電力は、SMAアクチュエータ30およびカメラ1を取り囲んでいるコンポーネントの幾何構造に対する若干の依存性を有しており、したがってこの第2の測度は、別様に製造されたカメラ1間で変化し、環境温度の絶対測度としては、第1の測度ほどには良好ではない。しかしながら、この第2の測度は、駆動電流を制御するために、たとえば上で説明したオフセットAを導出するために電力測定値を利用しなければならないいくつかの用途のためにはとりわけ有用である。
図9は、制御ユニット52の中で実施される開ループ制御の流れ図であり、以下、この流れ図について説明する。
開ループ制御では、制御ユニット52は、入力データ80として位置xを受け取り、アクチュエータに供給される駆動電流の電力Pをデータ82として導出する。これを達成するために、制御ユニット52は、以下の作動を実行する。
ステップS11で、SMAアクチュエータ30の温度を可動エレメント6の位置に関連付けるSMAモデルを使用して、目標温度Ttがデータ81として位置xから導出される。
ステップS12およびS13で、駆動電流の電力をSMAアクチュエータ30の温度に関連付ける熱モデルを使用して、以下のように駆動電流の電力Pが目標温度Ttから導出される。
ステップS12で、駆動電流の電力Pが、目標温度Ttおよびデータ83であるSMAアクチュエータ30の温度の瞬時値の予測値Teから導出される。この電力Pは、目標温度Ttと予測値Teの間の誤差に比例していてもよい。この場合、P=G(Tt−Te)であり、Gは、実験によって調整される値である開ループ制御の比例利得であり(通常、共振を励起することなく最良の動的応答を提供する)、通常、良好な動的応答および小さい定常誤差を保証するために比較的大きい値に設定される。一例として、カメラ1の特定の一構造では、この利得Gは13mW/℃に設定される。
ステップS12と同時に、ステップS13で、駆動電流の電力をSMAアクチュエータ30の温度に関連付ける熱モデルを使用して、SMAアクチュエータ30の温度の瞬時値の予測値Teが駆動電流の計算電力Pから導出される。熱モデルは、カメラ1の環境温度Taをデータ84として考慮しており、このデータ84は、上で説明したようにして導出することができ、SMAアクチュエータ30の温度の瞬時値の予測値Teを維持する。
したがって制御ユニット52は、入力位置xと出力電力PすなわちSMAアクチュエータの温度Teとの間の仮想変数を利用している。必ずしもこの仮想変数を利用する必要はないが、それには、符号の複雑性およびモデル特性化の点で利点を有している。実際、SMAアクチュエータ30に電力が付与されると、制御ユニット52は、SMAアクチュエータの予測温度Teを追跡し続ける。マルテンサイト相およびオーステナイト相の相対比例を決定し、したがってSMAアクチュエータ30の位置を決定しているのは、実際にはSMAアクチュエータ30の温度(およびその温度履歴)であるため、これは直観的に有用である。しかしながら、システムには特定の温度センサが存在していないため、温度変化が計算される。
ステップS14で、電力Pに応じてPWM変調されるPWM制御信号が電力Pから生成される。
次に、ステップS11で使用されるSMAモデルについて説明する。
SMAモデルは、SMAアクチュエータ30の温度を可動エレメント6の位置に関連付ける1つまたは複数の曲線を表すパラメータを備えている。パラメータによって表される位置xに対する温度Tの2つの適切な曲線90、91のグラフである図10に一例が示されている。第1の曲線90は、加熱中における関係を表しており、また、第2の曲線91は、冷却中における関係を表している。通常、第1の曲線90は、第2の曲線91より高い温度に位置しており、相変化および収縮の大部分に対応する重要な中央領域に存在している。これらの2つの曲線90と91の間には、ほぼ一定の温度ヒステリシスが存在している。
パラメータを記憶するために必要なデータの量を最少化し、かつ、それらの使用を単純化するために、これらのパラメータは、個々の曲線90、91を一連の複数の線形セグメント93、詳細には、この例では8つのセグメント93として表している。曲線90、91を表すこれらのパラメータを画定し、かつ、記憶するための多くの可能性が存在している。オプションの1つは、個々のセグメントノード94の温度値を記憶し、次に、個々のセグメント93の勾配を同じく記憶することであり、この特定の例の場合、32個のパラメータを記憶しなければならない。代替の1つは、個々のノード94が図10に点線で示されているように温度Tの所定の変化に対応している(あるいは位置xの所定の変化に対応している)ものとして位置を仮定することであり、その場合、記憶する必要があるのは勾配のみであり、この特定の例では16個のパラメータの記憶が必要である。
ステップ11で、制御ユニット52は、曲線90、91上の位置xに対応する目標温度Tを単純に導出する。
個々の曲線90および91は、SMAアクチュエータ30の加熱または冷却に関しては、ヒステリシスを考慮するために提供されている。ステップS11で、SMAアクチュエータ30の温度が上昇中であるか、あるいは低下中であるかどうかに基づいて、適切な曲線90または91が選択されるが、それは、目標温度TtとSMAアクチュエータ30の温度の瞬時値の予測値Teとの比較によるものである。
移動の末端から離れた曲線間の切換えを必要とするSMAアクチュエータ30の加熱と冷却の間の変化が存在するステップS11では、複雑性および精度が異なる様々な異なる手法を適用することができるが、これは、小さいヒステリシスループを動き回る場合である。単純な手法の1つは、曲線90の上に存在している場合、運動は加熱方向にのみ生じ、また、曲線91の上に存在している場合、運動は冷却方向にのみ生じる、と仮定することであり、その場合、これらの2つの曲線90と91の間で温度が変化しても、運動(位置xの変化)は生じないことが仮定される。
言い換えると、運動の方向が変化すると、位置が変化することなく一方の曲線90(または91)からもう一方の曲線91(または90)への移行、つまり曲線90と91の間の垂直方向の移動が存在する。
幾分かより複雑ではあるが、原理的にはより正確なアルゴリズムは、運動の方向が変化すると、位置xに基づいて曲線90または91をスケール化し、次に、スケール化された曲線を追従することである。曲線91のすべてのスケーリングは、冷却に関しては、無限大位置および温度Tが固定される(SMAモデルの原点)ことが仮定されている。同様に、曲線90のすべてのスケーリングは、加熱に関しては、マクロ位置および温度Tが固定されることが仮定されている。実際には、加熱および冷却時における主なヒステリシス誤差は、SMAモデルにおけるヒステリシス処理誤差ではなく、以下で説明されている熱モデルにおける誤差に実際に関連していることが分かっている。これは、事実上、加熱および冷却サイクルが極めて遅い場合、SMAモデルによって極めて良好にヒステリシスが除去されることを意味している。しかしながら、サイクルが速くなると、温度を予測する際の誤差のために再びヒステリシスが存在することになる。サイクルが速くなると、モデルは、時定数を予測する際により誤差を生じやすくなる。これに基づいて、運動が主加熱曲線上および主冷却曲線上でのみ生じることが仮定されているヒステリシスの単純な一次モデルが適切であること、つまり小さいループは無視することができることが実験によって分かっている。
SMAモデルのパラメータは、カメラ1の設計を代表する固定値、あるいは製造中に測定され、かつ、制御ユニット52に記憶される固定値を有することができ、また、実験および特性化を介してこれらのパラメータを決定することができる。
一代替として、SMAモデルは、較正ステージ(ステップ2)の間に測定される電気的特性に基づいて、温度軸および位置軸の両方に沿って調整し、かつ、スケール化することができる。
これを達成することができる基本的な方法の1つは、極大60および極小61の近傍の線形抵抗領域の限界を利用することによるものである。温度軸および位置軸の両方に沿って、これらの限界は、すべてのアクチュエータモジュールに対する曲線に沿って同じ比率で生じることが仮定されている。したがって、原理的には、加熱曲線および冷却曲線の両方に対する線形抵抗領域(最大抵抗および最小抵抗の近傍の)の両方の限界に対する温度および位置の座標が分かると、それらを使用してSMAモデルを両方の軸の中でスケール化することができる。これらは、SMAモデルをスケール化するために使用される、温度対位置空間内の4つの点に対応している。したがって、較正ステージ(ステップ2)の主要な機能の1つは、このスケーリングを可能にするための十分な等価情報を測定することである。
この原理は、SMAモデルをアルゴリズムに直接符号化し、それにより電子機器を駆動し制御するために使用されるシンプルな駆動プロセッサのRAM空間の消費を回避するためのオプションが存在することを意味する。この場合、基本モデルを変換するスケールファクタは、較正後、すべてRAMの中に記憶させなければならないことになるが、これらのパラメータは、数が少なくなっている。
実際には、温度および位置の測値を直接測定することはできない。測定することができるのは、閉ループ領域における抵抗と、その抵抗を維持するための定常電力である。次に、様々なアルゴリズムを使用して、適切な温度および位置の座標を使用して抵抗および電力測値を相関させることができる。
以下で説明されている熱モデルは、抵抗を保持するために測定された電力をSMAアクチュエータ30の温度の予測値に翻訳するための最良の方法を提供している。したがって、電力測値を容易に温度座標に翻訳することができる。
位置軸のスケーリングは、より挑戦的である。位置軸におけるスケール化の必要性は、位置の変化を抵抗の変化に関連付ける「利得」が異なるカメラ1間で本質的に極めて類似しているため、それほど明確ではない。しかしながら、精度を改善するためには、この利得を調整することが望ましい。「定抵抗−位置利得」仮定に対する誤差は、主としてSMAアクチュエータ30の抵抗率および直径の変化に関連している。
改善するためには、抵抗対位置利得が一定であると仮定するのではなく、線形抵抗領域における2点で取得された定常電力の測値を利用しなければならない。この2点間の電力の差は、本質的にSMAアクチュエータ30の熱質量と相関している。この相関は、延いてはSMAアクチュエータ30の直径に大いに対応している。抵抗間の電力の差が大きいほど、アクチュエータ30の直径が大きいか、あるいは抵抗率が大きいことを暗に意味している。いずれにせよ、この情報を使用して抵抗対位置利得を調整することができる。
一代替調整アルゴリズムは、極大60および極小61の近傍の線形抵抗領域の限界から移動する際の抵抗の変化を、極大60における抵抗Rmaxの百分率として考慮することである。これは、「抵抗」および「抵抗の変化」が「長さ」および「長さの変化」に置き換えられる点を除き、機械的なひずみを定義する場合に類似している。したがってこの測度は、SMAアクチュエータ30のひずみの変化に相関しており、したがって位置の変化の測度であり、これを使用して、特定のアクチュエータモジュールの抵抗対位置利得を調整することができる。限界部分における抵抗以外の抵抗を使用することも可能である。
したがってこれらのアルゴリズムにより、取得された電力および抵抗の測値を使用して温度対位置特性をスケール化することができる。
SMAモデルをスケール化するためのアルゴリズムの一環として取得された特定の抵抗および電力の測値に関して、基本手法に関連して上で説明したように、加熱曲線上および冷却曲線上の閉ループ抵抗領域に対する限界を測定する際の3つの実際的な困難性が存在している。
第1の困難性は、冷却時における極小61の近傍の限界を測定することである。冷却時にこの位置を見出し、かつ、保持電力を測定することは困難である。これは、SMAアクチュエータ30が極小61を通り越して冷却され、この最小が浅いため、アルゴリズムが検出することができるのは、通常、SMAアクチュエータ30が極小61を通り越して冷却された後の限界のみであり、したがって電力の測値が無効になることによるものである。
第2の困難性は、極大60の近傍の限界部分における測定に関連している。極大60は、機構が依然として機械的エンドストップ上に位置している場合に生じる。エンドストップ上に位置している場合、SMAアクチュエータ30内の応力が曖昧になり、したがって転移温度が曖昧になる。したがってエンドストップ上ではSMAモデルは有効ではない(同じく温度および位置も有効ではない)。したがって、エンドストップ上に位置している場合に取得された抵抗および電力の測値は、温度−位置モデルをスケーリングするためには適切な有効性を有していない。したがって、極大60の近傍の限界を使用して温度−位置モデルをスケーリングすることは危険である。
第3の困難性は、較正ステージ(ステップ2)のための時間に関連している。較正ステージ(ステップ2)は、イメージセンサをブートアップしている間に実施することができる。較正ステージ(ステップ2)に要する時間がイメージセンサのブートアップに要する時間より短い場合、性能を制限することはない。しかしながら、較正ステージ(ステップ2)の時間の方が長い場合、性能を制限することになる。システムを整定させる必要があるため、抵抗を維持するために定常電力を評価するべく測定を実施する毎に、この時間が必要である。手引きとして、整定特性を仮定し、恐らく環境温度に基づいてこの予測値を調整することによって可能ではあるが、50ms未満で定常抵抗(steady state resistance)を測定することは課題である。一方、イメージセンサのブートアップ時間は、センサによって変化するが、200ms程度である。したがって、温度−位置モデルをスケール化するための基準点の数を制限することが望ましく、たとえば、加熱曲線をスケール化し、次に加熱曲線から冷却曲線をスケール化するために必要な時間が最小であるため、この基準点の数を3点に制限することが望ましい。
これらの3つの困難性に基づいて、妥協点である線形領域の中央部分、つまり極大60と極小61の間の中間の、いずれも加熱曲線上および冷却曲線上で測値が取得され、次に、加熱曲線上の極小61の近傍の線形抵抗領域の限界部分で同じく測値が取得される。これらの中央抵抗を見出すためには、依然として最大抵抗Rmaxと最小抵抗Rminの間の差を計算しなければならず、したがって依然として最大抵抗を使用しなければならない。しかしながら、最大抵抗Rmaxの絶対値は、転移温度に対する依存性が小さく、したがって線形抵抗領域の中央部分の抵抗値は誤差を生じ難い。
SMAモデルの典型的な一例は、次の通りである。
セグメント93毎に相対勾配(1℃当たりのμmの運動)が割り当てられる。RminとRmid−加熱の間の領域を表すために2つのセグメント93が選択される。対称性により、これは、制御された閉ループであってもよい応答部分を表すために大まかに4つのセグメント93が使用され、Rmax未満の領域を表すために2つのセグメント93が使用され、また、Rminを超える領域を表すために2つのセグメント93が使用されていることを意味している。セグメント93はすべて同じ温度変化(たとえば公称デバイスの場合12℃)をカバーしていると仮定すると、典型的なモデルでは、8つのセグメント93は、次の利得(℃/μm)を有している。0.8625、0.575、0.4313、0.23、0.115、0.23、0.4313、0.575。これは、個々のセグメント93から次の変位を利用することができることを意味している(μm)。14、21、28、52、104、52、28、21。SMAモデルは、加熱時および冷却時にRmidが参照される。本出願人らの場合、104μmストロークを含むゾーンの中心はRmidに対応することが仮定されている。加熱時および冷却時に異なる基準温度を使用することにより、0次(zeroth order)のヒステリシス補正が得られる。
目標モデル温度の計算は、上記の基本が与えられると極めて単純である。
たとえば、要求が、60μmから100μm変位まで(つまり加熱方向に)移動せよ、というものであると仮定する。これは、目標点が、4番目のセグメント93を通る行程の71%に存在していることを暗に意味している(最初の3つのゾーンから利用することができる総変位は、14+21+28=63μmである。これは、利用可能な変位が52μmであるゾーンから獲得すべき変位が37μmであることを意味している。基準点(TRmid−加熱)は、セグメント5を通る行程の50%である。したがって目標点は、この基準点から離れた1つのゾーンサイズの79%である。本出願人らは、110℃でTRminを測定し、また、90℃でTRmid−加熱を測定したことを想像されたい(つまり、24℃の公称と比較すると温度差は20℃であり、12℃の公称ではなく、1セグメント当たり10℃が得られた)。これは、本出願人らは、モデル目標温度を82.1℃(90℃マイナス10℃の79%)に設定したことになることを暗に意味している。
要求が、140μmから100μmまで(つまり冷却方向に)移動せよ、というものであると仮定する。計算の第1のステージは、全く同じ方法で進行することになる。本出願人らが同じく110℃でTRminを測定し、90℃でTRmid−加熱を測定し、かつ、80℃でTRmin−冷却を測定したと仮定すると、本出願人らは、冷却基準を使用し、かつ、目標温度を72.1℃(80℃マイナス10℃の79%)に設定したことになる。既に解説したように、これ自体が0次のヒステリシス補正である。
デフォルトモデルは、320μmの運動を示している。350μmの変位まで加熱する要求がもたらされると、最後に示された位置からの補外が使用される。つまり、最初の7つのセグメントの総延長は299μmの運動を示しており、したがって要求は、最後のセグメントから51μmを抽出することである。最後のセグメントは、0.575℃/μmの公称利得を有している。これは、特定のアクチュエータの特性利得によってスケール化しなければならず、上記と同じ測値を仮定すると、最後のセグメントの利得は、0.479℃/μm(0.575℃×10℃/12℃)になる。これは、最後のセグメントの境界を通過すると、本出願人らは、要求を24.4℃に設定しなければならないことを暗に意味している。これは、ゾーンサイズの244%である。この場合も、基準点は、セグメント5を通る行程の50%であり、したがって目標点は、この基準点の上の1つのゾーンサイズの494%である。これにより139.4℃(90℃プラス10℃の494%)の目標モデル温度が得られた。
当然、このタイプの補外(extrapolation)を漠然と適用してはならない。通常、補外される温度要求には180℃の厳格な上限が課せられる。
図9のステップS13で使用される熱モデルについて説明する。
ステップS13で、SMAアクチュエータ30の瞬時温度の予測値Teが熱モデルを表す次の式に従って更新される。
dTe/dt=k1.(P−k2.(Te−Tenv))
上式で、Teは、SMAアクチュエータ30の瞬時温度の予測値であり、tは時間、Pは駆動電流の電力、Tenvは、SMAアクチュエータ30の周囲の環境の仮定温度、k1は、SMA材料の熱容量の逆数を表す定数(つまり材料特性)、k2は、SMAから環境への熱損失を表す定数(つまり幾何構造の特性)である。この式は、SMAアクチュエータ30の温度が変化する速度が付与される電力に比例し、また、SMAアクチュエータ30と環境の間の温度差によって決まる環境への熱損失に同じく比例する物理現象を表している。この微分方程式モデルは、電力が付与される際に、予測されたSMAアクチュエータ30の温度を追跡し続けるために使用される。
単純な実施形態では、SMAアクチュエータ30の周囲の環境の仮定温度Tenvは、上で説明したようにして導出された環境温度Taになるように取得され、それにより熱モデルは環境温度Taを考慮することになる。
次に、精度および性能を改善するさらなる洗練と、この熱モデルに対する変更の要求によって提供されるクリープ補正について説明する。
生じる現象の1つは、SMAアクチュエータ30に電力が付与されると、やがてはSMAアクチュエータ30の周囲の環境、具体的には空気およびカメラ1の周囲のコンポーネントが加熱されることである。カメラ1の他のコンポーネントと接触しているSMAアクチュエータ30の末端は、熱がSMAアクチュエータ30の長さに沿ってカメラ1のコンポーネント中に伝導されるため、SMAアクチュエータ30の長さの中央部分より冷たい。したがって、機構の運動に関係しているSMAアクチュエータ30の能動部分は総自由長より短い。しかしながら、やがては環境が加熱され、熱損失が減少するため、能動アクチュエータ30の割合も大きくなる。これは、SMAアクチュエータ30の所与の温度に対して、可動エレメントが機構のエンドストップから持ち去られると、その温度に対応する位置がやがてはエンドストップからさらに移動し、SMAアクチュエータ30がますます活性化して収縮するようになる効果を有している。
さらに、SMAアクチュエータ30を使用し、かつ、加熱する作用によってSMAアクチュエータ30の周囲の環境が加熱されることになり、実際、その結果としてこれらの領域からの熱損失が減少するため、やがてはSMA取付けポイントの近傍のSMAアクチュエータ30のより多くの部分が活性化することになる。これは、SMAアクチュエータ30からの熱損失に影響を及ぼす。環境の加熱は、SMAアクチュエータ30自体を加熱するための時定数よりかなり長い少なくとも1つの時定数によって制御される。
したがって、ステップS13で使用される熱モデルを図11に示されているように適合させ、2次数モデル(two order model)を使用してこの余分の熱クリープをモデル化することによって開ループ制御の精度を改善することができる。
詳細には、制御ユニット52は、SMAアクチュエータ30の周囲の環境の温度の予測値Tenvをデータ85として維持し、かつ、SMAアクチュエータ30の温度の瞬時値の予測値Teを維持する。したがってステップS13は、それぞれ熱モデルの2次数モデルを使用している2つのステップからなるように適合されている。
ステップS131で、ステップS13のために既に設定されている、一次の熱モデルを表す式に従って、SMAアクチュエータ30の瞬時温度の予測値Teがデータ83として更新される。しかしながら、この場合、SMAアクチュエータ30の周囲の環境の仮定温度Tenvは、環境温度Taの代わりにSMAアクチュエータ30の周囲の環境の温度の予測値Tenvになるように取得される。
ステップS132で、SMAアクチュエータ30の周囲の環境の温度の予測値Tenvが二次モデル(second order model)である熱モデルを表す次の式に従って更新される。
dTenv/dt=k3(P−k4(Tenv−Ta))
上式で、k3は、SMAアクチュエータ30の周囲の環境の熱容量の逆数を表す定数であり、k4は、SMAアクチュエータ30の周囲の環境からの熱損失を表す定数である。したがって熱モデルは、環境温度Taをデータ84として考慮している。好都合には、二次モデルは、アルゴリズムの複雑性および開発を補助するために一次モデル(first order model)と全く同じ形態を有している。しかしながら、しかしながら、環境の熱時定数はSMAアクチュエータ30の熱時定数よりはるかに長いため、k3およびk4の値は、明らかに基本モデルのk1およびk2とは全く異なっている。
熱モデルの改善が性能を支配している。オプションの1つは、他の環境温度変数を追加し、したがって他の熱時定数を熱モデルに追加するために第3の一次微分方程式を追加することである。実際、熱モデルは、任意の次数に展開することができる。熱モデルを第3の次数まで展開する(つまり第3の一次微分項を追加する)ことは明らかに有利であると思われる。しかしながら、次数が高くなるにつれて、異なる次数の効果を分離することがますます困難になる(既に説明したように)。この場合、場合によっては数値最適化技法が有用である。数値最適化技法には、熱モデルのための第1の係数推測セットの選択、アクチュエータを介した試験信号の走行、およびそれに引き続くパラメータの調整が必要である(係数選択の酔歩法を使用した)。
時定数k1ないしk4は、カメラの設計を代表する固定値、あるいは製造中に測定され、かつ、制御ユニット52に記憶される固定値を有することができる。一代替として、較正ステージ(ステップS2)の間に測定される電気的特性から時定数k1およびk2の値を導出し、あるいはこれらの電気的特性によって調整することも可能である。原理的には、同じ方法で時定数k3およびk4の値を導出することも可能であるが、実際にはこれらの時定数は非常に長いため、それは望ましくない。
時定数k1ないしk4の値は、以下のように導出することができる。
一般に、極大60と極小61の間の線形抵抗領域が一度見出されると、線形領域内の2つの位置の間を移動させるために(したがって測定可能な2つの抵抗の間を移動させるために)、電力のステップ変化を付与することができる。これらの2つの位置の間を移動させるための時定数は、SMAアクチュエータ30の抵抗をモニタすることによって測定することができる。この情報を使用してk1とk2の比率を決定することができる(十分に迅速に実施されると、SMAアクチュエータ30の周囲のすぐ隣の環境の温度変化を無視することができる)。
さらに、極大60と極小61の間の線形抵抗領域内におけるSMAアクチュエータ30の2つの抵抗値の間を移動させるために必要な電力の変化を決定することも可能である。便利なオプションの1つは、極大60の近傍の限界から極小61の近傍の限界まで移動させる際の電力変化を測定することであるが、それは、この電力変化を測定してSMAアクチュエータ30の特定のひずみ変化、したがって特定の位置変化に対応させることができることによるものである。他のモデルのためのパラメータを測定するための要求事項が与えられているが、抵抗範囲内における他の2つのポイント間の電力差を使用することができる。電力の変化は、較正中の特定のモジュールに対するSMAアクチュエータ30の熱容量に関連付けることができる。したがって、たとえば特定のアクチュエータ30がより大きい直径を有している場合、熱容量はより大きく、したがってアクチュエータ30を2つの抵抗の間で加熱するために必要な電力も大きくなる。したがって、事実上、電力の変化はSMAアクチュエータ30の直径と相関しており、延いてはk2の値と相関している。
したがって、モデルには2つの定数が存在しており、また、較正中に2つの情報を導出することができるため、これらの定数の値を個々に調整することができる。当然、この調整には、その調整が適切であることを保証するために、一連のモジュールの詳細な特性化が必要である。また、定義されている可能調整アルゴリズムは、モジュール間の変化の主な原因の補正を促進しているが、すべての変化源を取り上げているわけではなく、したがって依然として性能の予測を表していることに留意されたい。
アクチュエータモジュールを特性化することにより、モデルのその設計は、SMAアクチュエータ30の温度およびSMAアクチュエータ30の周囲の環境の温度に基づいて実効温度を決定することができる。したがって、SMAアクチュエータ30の温度および環境の温度の計算に基づいて、個々の時間間隔でアクチュエータ30の実効温度を容易に計算することができる。
以下、詳細に説明する。
実際の電力を予測温度に関連させるための機構の1つは、定常電力をモニタすることによるものである。定常電力がデバイスに付与されている状態では、レンズの変位に関連するシステムのすべてのパラメータ(実および虚の両方)が定常値に収斂していなければならない、と言うことができる。したがって、dTe/dt=0である、と言うことができ、したがって定常温度(steady state temperature)Tsteadyに対する定常電力Psteadyは、式、
Psteady=k2.(Tsteady−Tenv)
によって与えられる。この関係は、概ね有用であり、モデル較正の間、多くのポイントで使用される。
動的応答は、式、
Te(t)=Tenv+(P/k2)+(P/k2−Te(t=0))exp(−k1.k2.t)
によって与えられる。つまり、所与の定電力入力に対して、モデル温度は減衰指数に従って変化する。
定常電力に影響を及ぼすのは定数k2のみである。これは、モデルのための利得の設定、つまり電力を使用した温度のスケーリングと見なすことができる。k2の値は、何らかのポイントにおける特定のモジュールのための位置に対する電力の未知の利得の中に不可避的に包含されるため、このk2の値は重要ではない。しかしながら、モデルを現実の近くに維持するためにはこのk2の値は有用であり、追加仮定の構築が容易であることを意味している。したがってk2は、所与の定常電力入力に対するアクチュエータ30の温度上昇を測定するか、あるいは予測することによって研究室条件の下で設定することができる。また、環境温度Taの測度に基づいてk2を設定する動的方法も存在している。Rmaxにおける定電力がPRmaxとして測定されると、k2は、式、
k2=PRmax/(Tref−Ta)
によって与えられる。たとえば、PRmaxが60mWであることが分かり、システムのTref(相転移の開始)が80℃であり、また、抵抗検出法によってTaが20℃になるように決定された場合、k2は1mW/℃に等しくなる。
k1はシステムの動的応答に影響を及ぼす。説明されているシステムは、単純な1次のロールオフを有しており、転移(−3dB)周波数は(k1k2)である。理想は、その能動領域にある場合に、熱モデルの応答とカメラの機械的な応答が整合することである(これは、能動領域では、温度、位置および抵抗の間に極めて線形性の関係が存在していることによるものである)。モジュールは、その線形範囲の特定の位置まで付勢することができ、次に、電力のステップ変化を付与することができる。システムには、新しいレンズ位置および抵抗に指数的に収斂する傾向があり、これらはいずれも同じ時定数を有している。時定数は、研究室条件下、または抵抗信号を使用したオンザフライ条件下のいずれかで測定することができ、また、単純に、最終位置または抵抗の63.2%の変化が生じるのに要する時間である。時定数τは、(1/k1.k2)である。したがってシステムの時定数が100msで測定されると、k2=(1/k1.τ)=10℃/mJである。
したがってk1およびk2はいずれもシステムと実時間で決定することができるが、オフラインデータから提供することも可能である。実時間測値およびオフライン測値は、混合することができる。
先行する較正には「定常電力」の測度が利用された。定常電力の測定は、たとえシステムがPWM信号(つまり駆動電流が急激に変化している信号)で駆動されている最中であっても比較的単純である。この場合、アクチュエータ30の熱帯域幅に対する応答を制限する速度(本出願人らのシステムでは約4Hz)でPWM要求を低域通過フィルタリングしなければならない。これは、1次のIIRフィルタまたは同様の構造を使用して達成することができる。「定常状態(steady state)」が達成されたことの決定は、明らかに程度の問題であり、本出願人らのシステムは、抵抗勾配が十分に小さいこと(抵抗が収斂すると、電力も十分に収斂しているであろうことに基づいて、dR/dt<36mΩ/msであること)をチェックする。電力勾配dP/dtは、電力入力がこの較正手順には関連していないいくつかの極めて長い時定数効果に依存することになるため、直接測定されない。
SMAアクチュエータ30の温度の1次の熱モデルは、隣接する環境温度を近似する他の一次モデルで取り囲むことができることは既に言及した。カメラモジュールの内部の部品の温度は、電力がモジュール中に散逸されると変動を開始するため、これは有利である。これらの部品は、通常、極めて長い時定数(たとえば1秒と10秒の間)を有しており、したがって、同様の原理が適用されているが、これを実時間で較正することは明らかに実際的ではない。
システムを詳細に調査すると、明らかに同じ式が外部モデルに適用されている。外部モデルの時定数と比較するとそれほど重要ではない時間スケールに対するすべての試験が実施されている限り、内部モデルのための式はすべて有効である(本出願人らの場合、外部時定数は、通常、1秒より長い)。したがって、初期整定(つまり<1秒)と長期間整定(>>10秒)の間の実際の温度または予測温度の差は、k4を調整することによって適応させることができる。この場合も、これを決定することができる様々な方法が存在している。これらの方法のうちの1つは、閉ループ制御が長期間にわたってアクティブである場合にアクチュエータ30に入力される電力をモニタすることによるものである。短期間整定電力と長期間整定電力の間の電力の差によって、k4に関する情報が得られる。内部モデルのスケーリング因子k2を使用することによってこれらの電力を温度に関連付けることができる。
この場合も、外部モデルの時定数tは(1/k3.k4)によって設定される。外部ループの時定数は、初期準定常状態に到達してから信号が残りの変化の63.2%を完了するのに要する時間から決定される。
システムを測定すると、60mWの電力が付与される場合、環境温度は長期間にわたって0.5℃変化し、その変化は10秒の時定数で生じる、と結論付けることができる。この場合、k4=120mW/℃およびk3=0.833℃/Jである。
実例で説明するために、図12は、結果として得られる、電力のステップ変化によって生じる二重時定数応答の一例を示したものである。この例では、内部ループ定数は、約0.5秒で到達する準定常状態に基づいて設定しなければならない。外部ループ定数は、20秒で到達する準定常状態に基づいて設定しなければならない。
任意選択の二次モデルが使用される場合、それは、通常、一次モデルよりはるかに長い時定数のためにセットアップされることに言及しておくことには価値がある。これは、場合によっては、アクチュエータ30の温度が高速で更新され(1.5kHzのサイクル毎に)、環境温度はもっと低速で更新される(たとえば256番目のサイクル毎に)多重速度モデルを使用することが有利であることを意味している。多重速度モデルを使用することにより、係数精度の維持が促進される。
開ループ制御を実施するための、開ループ制御が閉ループ制御と組み合わせて適用される混合モードである第1のオプションと、開ループ制御のみが使用される第2のオプションの2つのオプションが存在している。
混合モードである第1のオプションでは、閉ループ制御を使用して、その領域内ではSMAアクチュエータの長さが極小抵抗における長さより長い線形領域である第1の運動範囲全体、たとえば図3に示されている範囲Δx1全体にわたる可動エレメント6の運動を実行することができる。この場合、開ループ制御は、その領域内ではSMAアクチュエータの長さが第1の運動範囲内における長さより短い第2の運動範囲全体、たとえば図3に示されている範囲Δx2全体にわたる可動エレメント6の運動を実行するために使用される。したがって、この混合モードによれば、閉ループ制御のみを使用した場合に利用することができる範囲を越えて総運動範囲を拡張することができることが分かる。
図13は、制御ユニットによって混合モードで実施される制御の一例を示したものである。
データ80として要求された位置xに基づいて、ステップS21で、要求された位置xが第1の運動範囲内に存在しているかどうかが決定される。要求された位置xが第1の運動範囲内に存在している場合、作動はステップS22へ進行し、そこで位置要求xが、式、
Rt=Rmax−λ1.x
に従って目標抵抗Rtに変換される。引き続いてステップS23で、上で説明した目標抵抗Rtに基づいてSMAアクチュエータ31の閉ループ制御が提供される。
ステップS21で、要求された位置xが第1の運動範囲内に存在していないことが決定されると、作動はステップS23へ進行し、そこで、上で説明した要求位置に基づいて開ループ制御が実施される。
これを作動させることができる方法の一例は、SMAアクチュエータ30が加熱される較正ステージ(ステップ2)に存在している。モジュールがターンオンされると抵抗が測定される。さらに加熱され、極大60の抵抗Rmaxが記録され、この抵抗Rmaxから、所定の減少分だけ抵抗Rmaxから低い抵抗の上限が設定される。さらに加熱され、極小61の抵抗Rminが記録され、引き続いて所定の増分だけ抵抗Rminから高い抵抗の下限が設定される。引き続いて、作動ステージ(ステップ3)で操作は図13に従って進行する。したがってこの運動全体を通してSMAアクチュエータ30が線形閉ループ領域に存在し続けると、制御は完全に閉ループになる。しかしながら、この運動の間に抵抗の下限に到達すると、制御は開ループアルゴリズムへ移行する。オプションの1つは、位置を最小抵抗の近傍の閉ループ領域の限界に保持するために必要な電力を使用することである。次に、電力対温度および温度対位置の開ループモデルを閉ループ抵抗対位置と共に使用して、閉ループ限界における抵抗と目標閉ループ抵抗との間の抵抗の誤差に対応する、必要な電力の変化が予測される。次に、限界を最小抵抗の近傍に保持するために、この電力の変化が絶対電力に加えられ、それにより目標位置のために必要な電力が得られる。
このようにして、開ループモデルを使用して閉ループ領域から補外される。実際、開ループモデルを設定しているパラメータは、少なくとも部分的には、特定の移動作動サイクルの間に決定することができる。これは、デバイスの使用中にいくつかの定数に対する予測値を決定し、あるいは洗練させることができることを意味している。補外手法が使用されており、また、制御が閉ループから開ループへ移行している場合、通常、開ループコントローラへの移行に先立って、開ループセクションのための基準として使用されることになる電力予測値を再評価し、あるいは洗練させることができる。しかしながら、これには余計な時間が追加されるため、必ずしも有利とは言えない。別法としては、スタートアップ較正サイクルの間にすべてのパラメータを設定することも可能であり、線形領域外の要求抵抗を受け取ると、制御は開ループモデルへ移行する。
作動中、開ループ制御および閉ループ制御の両方が一緒に使用されるこのオプションは、「混合モード」アルゴリズムと呼ばれている。利点は、閉ループ領域における最適位置精度、再現性および直線性を始めとする閉ループアルゴリズムのすべての利点が依然として存在していることである。しかしながら、このアルゴリズムは、さらに、制御が開ループアルゴリズムと閉ループアルゴリズムの間で切り換えられる応答を調整する際の困難性をも特徴としている。より深刻な問題は、領域間にアドレス指定することができない位置が存在する場合、閉ループアルゴリズムおよび開ループアルゴリズムによって制御される。したがって、これに対処するために、領域間にはオーバラップが存在している。しかしながら、これは、単調性における困難性をもたらすことになり、コマンドが増分増加すると、アルゴリズム間で制御が移行するため、位置が降下する可能性がある。いくつかの自動焦点アルゴリズムは、場合によってはこのような不連続性に対して寛大であるが、多くの自動焦点アルゴリズムはそうではなく、したがってこの問題はショーストッパーである。応答が単調であることを保証するための可能なブレンドアルゴリズムが存在している(「ブレンド」は、開ループモデルおよび閉ループモデルが同じ時間に走り、制御信号を生成するためにそれらの応答が可変比率で結合されるオプションを意味している)。しかしながら、そのために閉ループ領域に対する直線性が低下し、その一方で処理オーバヘッドが追加される。したがって混合モードを作動させる利点が減少する。
第2のオプションは、ステップS2で、上で説明した開ループ制御を使用してすべての作動運動を実施することである。これにより、中間移動範囲における直線性および再現性が閉ループ制御の場合より低下するが、単調性にかかわる問題が除去される。したがって、この方法を使用することにより、スタートアップステージ(ステップS2)を使用して環境温度が見出され、また、抵抗および電力測値に基づいて開ループモデルパラメータが設定され、かつ、スケール化される。しかしながら、一度モデルがスケール化されると、モジュールの後続するすべての作動が開ループモデルを使用して実施される。したがって、作動中、閉ループ線形抵抗領域と非線形領域の間の区別が失われる。
上で説明した方法は比較的基本的な方法である。システム内で直線的にスケール化することが仮定されている可動エレメント6の変位は直接測定されていない(つまり、デバイスは、出力を単に直線的にスケール化する「アクティビティ」を有することになり、したがって出力は修正されない)。また、測値が適応したのは0次(zeroth order)のヒステリシスのみにすぎない(つまり加熱と冷却の間のバルク電力オフセット)。しかしながら、カメラの場合、これらのモデルを改善することによって有すべき制限された利得のみが存在しているとされている。変位の較正は困難であり、自動焦点探索方法は、通常、絶対運動ではなく相対運動に基づいて稼動するため、一般的には不要である。アクチュエータがステップサイズに関して100%正確であったとしても、レンズの焦点距離は不正確であり、したがって依然として焦点に対する未知の影響が存在している。いつもの通り、これらのタイプの尤度の論議は、RMS考察によって支配されており、一部分の不確実性をゼロに低減したとしても、システムの性能に必ずしも重大な影響を及ぼさない。
よく知られている、より精巧な利用可能ヒステリシスモデルが存在している。しばしば引用されているヒステリシスモデルは、ヒステリシスの離散Preisachモデルである。このタイプのモデルは、計算連鎖の前段に使用することも(つまり所望の位置を適用する変更子)、あるいは計算連鎖の後段に使用することもできる(つまり所望の温度を適用する変更子)。Preisachモデルは、他のヒステリシスループの中間点における「アイオープニング」とTRMid−加熱およびTRMid−冷却の測値が整合するようにスケール化することができる。しかしながら、既に言及したように、これらのタイプの改善は、それらを追加することに伴う著しい余計な複雑性に直面するため、めったに正当化されない。
上で説明した様々なタイプの制御を使用して可動エレメント6の運動を実行し、それによりその位置を変化させることができる。カメラ1の場合、可動エレメント6の運動を行うことによってレンズシステム7の焦点が変化する。焦点は、任意の所望のアルゴリズムに従って変化させることができる。
焦点を変化させて自動焦点アルゴリズムを提供することができる。オプションの1つは、WO−2007/113478、WO−2008/099156またはWO−2008/099155に開示されているフライバックアルゴリズムを使用することである。この場合、レンズシステム7は、加熱によって常に所定の位置へ移動する。したがって冷却時における位置を正確に制御する必要はない。閉ループ制御の場合、これにより、位置と抵抗の間の関係におけるヒステリシスの問題が回避される。しかしながら、SMAアクチュエータ30に付与される機械的応力が大きくなると、加熱および冷却中、位置と抵抗の間の関係がより緊密になる点において、この特定の形態のヒステリシスが小さくなることが分かっている。閉ループ制御の場合、フライバックアルゴリズムにより、上で説明した第2の曲線91を使用する必要性が回避され、それにより制御が単純化される。
自動焦点アルゴリズムを提供するためのより標準的なオプションである代替の1つは、従来の「ヒルクライミング」自動焦点アルゴリズムを使用することである。この場合、アルゴリズムは、いずれの方向からも所望の位置を目指すことになる。この場合、両方の方向から所与の位置を見出し、かつ、維持する必要があり、したがってSMAアクチュエータ30に関連するヒステリシスを特性化し、かつ、補正する必要がある。必然的に、これは、開ループモデルに複雑性を追加し、また、スタートアップ較正プロセスの間、より多くのパラメータを測値に基づいて設定しなければならないことを意味している。
1 カメラ
2 支持構造
3 ベース部分
4 イメージセンサ
5 環状壁
6 レンズエレメント(可動エレメント)
7 レンズシステム
8 レンズ
9 サスペンションシステム
10 サスペンションエレメント
13 湾曲部
20 レンズキャリア
21 レンズホルダ
22 内部ねじ山
30 SMAアクチュエータ
31 SMAワイヤ
50 制御回路
52 制御ユニット
53 駆動回路
54、125 検出回路
60 SMA材料の極大抵抗値
61 SMA材料の極小抵抗値
70 減算器
71 コントローラ
72 加算器
73 PWM発生器
80 制御ユニットの入力データ
81 目標温度Ttのデータ
82 アクチュエータに供給される駆動電流の電力Pのデータ
83 SMAアクチュエータの温度の瞬時値の予測値Teのデータ
84 カメラの環境温度Taのデータ
85 SMAアクチュエータの周囲の環境の温度の予測値Tenvのデータ
90 加熱中における位置xに対する温度Tの関係を表す曲線
91 冷却中における位置xに対する温度Tの関係を表す曲線
93 曲線90、91を表すセグメント
94 セグメントノード
120 バイポーラトランジスタ
121 ダイオード
122、125 抵抗器
123 MOSFETトランジスタ
124、126 演算増幅器

Claims (14)

  1. 加熱による収縮時に、支持構造に対する可動エレメントの運動を実行するようになされたSMAアクチュエータを備えたSMA作動構造の環境温度を決定する方法であって、
    前記SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給するステップと、
    前記SMAアクチュエータの抵抗の測度を検出し、前記SMAアクチュエータの抵抗の前記測度に基づいて前記駆動電流を制御し、前記SMAアクチュエータが非加熱状態にあるとき、前記SMAアクチュエータの抵抗を極大抵抗まで大きくする駆動電流が最初に付与される、前記ステップと、
    前記環境温度を表す前記SMAアクチュエータの電気的特性の測度を導出するステップであって、前記SMAアクチュエータの前記電気的特性が、前記駆動電流が最初に付与される際の前記非加熱状態の前記SMAアクチュエータの抵抗と、前記SMAアクチュエータの最大抵抗との差である、前記ステップとを含む、方法。
  2. 前記SMAアクチュエータの前記電気的特性の測度が、前記SMAアクチュエータの特性抵抗で除された、非加熱状態の前記SMAアクチュエータに最初に前記駆動電流が付与される際の前記抵抗と、前記SMAアクチュエータの前記最大抵抗との間の前記差である、請求項に記載の方法。
  3. 前記SMAアクチュエータが、収縮時に極大抵抗から極小抵抗まで小さくなる曲線に沿って長さとともに抵抗が変わる特徴を有し、
    前記SMAアクチュエータの特徴的な抵抗が、極大抵抗、極小抵抗、または極大抵抗と極小抵抗との線形結合のうちの1つである、請求項に記載の方法。
  4. 加熱による収縮時に、支持構造に対する可動エレメントの運動を実行するようになされたSMAアクチュエータを備えたSMA作動構造の環境温度を決定する方法であって、前記SMAアクチュエータが、収縮時に極大抵抗から極小抵抗まで小さくなる曲線に沿って長さとともに抵抗が変わる特徴を有し、前記方法は、
    前記SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給するステップと、
    前記SMAアクチュエータの抵抗の測度を検出し、前記SMAアクチュエータの抵抗の前記測度に基づいて前記駆動電流を制御するステップと、
    前記環境温度を表す前記SMAアクチュエータの電気的特性の測度を導出するステップであって、前記SMAアクチュエータの前記電気的特性が、前記SMAアクチュエータの最大抵抗および/または最小抵抗に関係して予め定められたレベルに前記SMAアクチュエータの抵抗を保持するために必要な駆動電流の電力である、前記ステップとを含む、方法。
  5. 前記所定のレベルが前記SMAアクチュエータの最大抵抗と最小抵抗の線形結合である、請求項に記載の方法。
  6. 前記所定のレベルが、前記SMAアクチュエータの最大抵抗から最小抵抗までの範囲の中央部分の80%内に存在する、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記駆動電流が前記SMAアクチュエータの前記電気的特性の測度を考慮して制御される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  8. 加熱によって収縮すると、支持構造に対する可動エレメントの運動を実行するようになされたSMAアクチュエータを備えたSMA作動構造のための制御システムであって、
    前記SMAアクチュエータを加熱するために、前記SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給するように作動する電源と、
    前記SMAアクチュエータの抵抗の測度を検出するように作動する検出器回路と、
    検出された前記SMAアクチュエータの抵抗の測度に基づいて前記電源を制御し、かつ、前記駆動電流の電力を制御するように作動する制御ユニットであって、前記SMAアクチュエータが非加熱状態にあるとき、前記SMAアクチュエータの抵抗を極大抵抗まで大きくする前記駆動電流を最初に付与するように作動する、前記制御ユニットとを備え、
    前記制御ユニットが、環境温度を表す前記SMAアクチュエータの電気的特性の測度を導出するようになされ、前記SMAアクチュエータの前記電気的特性が、前記駆動電流が最初に付与される際の前記非加熱状態の前記SMAアクチュエータの抵抗と、前記SMAアクチュエータの最大抵抗との間の差である、制御システム。
  9. 前記SMAアクチュエータの前記電気的特性の測度が、前記SMAアクチュエータの特性抵抗で除された、前記非加熱状態の前記SMAアクチュエータに最初に駆動電流が付与される際の前記抵抗と、前記SMAアクチュエータの最大抵抗との間の前記差である、請求項に記載の制御システム。
  10. 前記SMAアクチュエータが、収縮時に極大抵抗から極小抵抗まで小さくなる曲線に沿って長さとともに抵抗が変わる特徴を有し、
    前記SMAアクチュエータの特徴的な抵抗が、極大抵抗、極小抵抗、または極大抵抗と極小抵抗との線形結合のうちの1つである、請求項に記載の制御システム。
  11. 加熱によって収縮すると、支持構造に対する可動エレメントの運動を実行するようになされたSMAアクチュエータを備えたSMA作動構造のための制御システムであって、前記SMAアクチュエータが、収縮時に極大抵抗から極小抵抗まで小さくなる曲線に沿って長さとともに抵抗が変わる特徴を有し、前記制御システムは、
    前記SMAアクチュエータを加熱するために、前記SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給するように作動する電源と、
    前記SMAアクチュエータの抵抗の測度を検出するように作動する検出器回路と、
    検出された前記SMAアクチュエータの抵抗の測度に基づいて前記電源を制御し、かつ、前記駆動電流の電力を制御するように作動する制御ユニットとを備え、
    前記制御ユニットが、環境温度を表す前記SMAアクチュエータの電気的特性の測度を導出するようになされ、前記SMAアクチュエータの前記電気的特性が、前記SMAアクチュエータの最大抵抗および/または最小抵抗に関係して予め定められたレベルに前記SMAアクチュエータの抵抗を保持するために必要な駆動電流の電力である、制御システム。
  12. 前記予め定められたレベルが、前記SMAアクチュエータの最大抵抗と最小抵抗との線形結合である、請求項11に記載の制御システム。
  13. 前記予め定められたレベルが、前記SMAアクチュエータの最大抵抗から最小抵抗までの範囲の中央部分の80%内に存在する、請求項11または12に記載の制御システム。
  14. 前記SMAアクチュエータの前記電気的特性の測度を考慮して駆動電流の電力を制御するように制御ユニットが作動する、請求項8から13のいずれか一項に記載の制御システム。
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