JP5219323B2 - 抗腫瘍性エクチナサイジン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、抗腫瘍エクチナサイジン誘導体に関する。
エクチナサイジン類は、海洋被嚢類Ecteinascidia turbinataから単離される、ますます有望視される抗腫瘍剤である。幾つかのエクチナサイジンが、特許及び科学文献において既に報告されている。
米国特許第5,256,663号には、熱帯海洋無脊椎動物、Ecteinascidia turbinataから抽出され、そこでエクチナサイジンと指定される物質を含む製薬組成物、及びこうした組成物の、哺乳類における抗菌剤、抗ウィルス剤、及び/または抗腫瘍剤としての使用が記載されている。
米国特許第5,089,273号には、熱帯海洋無脊椎動物、Ecteinascidia turbinataから抽出され、そこでエクチナサイジン729、743、745、759A、759B、及び770と指定される物質の、新規な組成物が記載されている。これらの化合物は、哺乳類における抗菌剤、及び/または抗腫瘍剤として有用である。
米国特許第5,478,932号には、カリブ海の無脊椎動物、Ecteinascidia turbinataから単離されるエクチナサイジン類が記載されており、これはP388リンパ腫、B16黒色腫、M5076卵巣肉腫、ルイス肺癌、及びLX1ヒトの肺癌及びMX-1ヒトの乳癌の、異種移植片に対して生体内保護を与える。
米国特許第5,654,426号には、カリブ海の無脊椎動物、Ecteinascidia turbinataから単離される数種のエクチナサイジンが記載されており、これはP388リンパ腫、M5076卵巣肉腫、ルイス肺癌、及びLX1ヒトの肺癌及びMX-1ヒトの乳癌の、異種移植片に対して生体内保護を与える。
米国特許第5,721,362号には、エクチナサイジン化合物及び関連構造の形成のための合成方法が記載されている。
本願が優先権を主張する国際出願00/69862号には、シアノサフラシンBからのエクチナサイジン化合物類の合成が記載されている。
興味があれば、以下にも参照されたい。
参考文献1
Figure 0005219323
最も有望なエクチナサイジンは、エクチナサイジン743であり、これは癌の治療のために臨床試用中である。Et743は、下式(I):
Figure 0005219323
の複合トリス(テトラヒドロイソキノリンフェノール)構造を有する。
発明が解決しようとする課題
これは、現在、海洋無脊椎動物、Ecteinascidin turbinataの抽出物からの単離によって調製されている。収率が低く、代替の調製方法が求められている。
エクチナサイジンには、下式(XIV):
Figure 0005219323
の構造に示されるように、(A)乃至(E)の5環の縮合系が含まれる。
エクチナサイジン743においては、1,4架橋は下式(IV):
Figure 0005219323
の構造を有する。
他の既知のエクチナサイジンには、別の架橋した環系、例えばエクチナサイジン722及び736において発生するようなものを有する化合物が含まれ、ここでは前記架橋は下式(V):
Figure 0005219323
の構造を有する。
エクチナサイジン583及び597においては、架橋は下式(VI):
Figure 0005219323
の構造を有する。
更に、エクチナサイジン594及び596においては、架橋は下式(VII):
Figure 0005219323
の構造を有する。
これら及び関連化合物についての完全な構造は、J. Am. Chem. Soc. (1996)118,9017-9023に挙げられている。
更なる化合物が、縮合5環系を有することが知られている。一般的に、これらはエクチナサイジン環中に存在する架橋した環状の環系をもたない。これらはビス(テトラヒドロイソキノリンキノン)抗腫瘍一抗微生物性抗生物質サフラシン及びサフラマイシン、及び海洋天然産物レニエラマイシン(renieramicins)、及び培養された微生物または海綿から単離されたゼストマイシン(xestomycin)を含む。これらは全て、共通の二量体テトラヒドロイソキノリン炭素骨格を有する。これら化合物は、芳香環の酸化パターンに関して、タイプI乃至IVの4つのタイプに分類可能である。
タイプIの二量体イソキノリンキノンは、下記の表1に参照されるが、このクラスの化合物に最も一般的に発生する、式(VIII)の系である。
Figure 0005219323
a 指定の基は交換可能である。
b Q基は下式(IX)の通りである。
Figure 0005219323
タイプI芳香環は、Streptomyces lavendulaeから副成分として単離された、サフラマイシンA、B、及びC;G及びH;及びSに見られる。サフラマイシンAのシアノ誘導体は、シアノキノナミンと呼称されるが、日本国特許公開公報JP−A2 59/225189及び60/084288により既知である。サフラマイシンY3、Yd1、Ad1、及びYd2は、S.lavendulaeから、有向生合成(directed biosynthesis)によって、培地を適当に補足して製造された。1つのユニットのC−25上の窒素を別のユニットのC−14に結合させることによって形成されたサフラマイシンY2b及びY2b-d二量体もまた、S.lavendulaeの補足培地中で製造されている。サフラマイシンAR1(=AH2)は、Rhodococcus amidophilusによって産生される、C−25におけるサフラマイシンAの微生物還元生成物であるが、これもまた、エピマーの1:1混合物としての水素化ホウ素ナトリウムによるサフラマイシンAの非立体選択的化学還元、次いでクロマトグラフィー分離(他方の異性体AH1は極性がより低い)によって調製される。更なる還元生成物サフラマイシンAR3は、21-デシアノ-25-ジヒドロ-サフラマイシンA(=25-ジヒドロサフラマイシンB)であるが、これは同様の微生物変換によって製造された。Nocardia種を利用する、別のタイプのサフラマイシンAの微生物変換によりサフラマイシンBが製造され、Mycobacterium種による更なる還元によってサフラマイシンAH1Acが製造された。サフラマイシンAH2及びAH1の25-O-アセテートもまた、生物学的研究のために化学的に調製されている。
式(X)のタイプI化合物もまた、表IIに示されるように、海生海綿から単離されている。
Figure 0005219323
レニエラマイシンA−Dは、メキシコで採集されたReniera種の海綿の抗菌抽出物から、生物発生的な関連モノマーイソキノリン類レニエロン及び関連化合物と共に単離された。レニエラマイシンAの構造は、当初、C−3、C−11、及びC−13における転位した立体化学によって指定された。しかしながら、パラウで採集された同様の海綿から単離された、新たな関連化合物、レニエラマイシンE及びFについての1H NMRデータを注意深く調査したところ、レニエラマイシンの環接合がサフラマイシンのものと同一であることが判明した。この結果は、レニエラマイシンA乃至Dの、以前に選定された立体化学はサフラマイシンのものと同一に違いないとの結論を導く。
ゼストマイシンは、スリランカ海で採取された Xestospongia種の海綿中に発見された。
還元されたヒドロキノン環を有する式(XI)のタイプII化合物には、S.lavendulaeから単離されるサフラマイシンD及びF、及びMyxococcus xanthusから単離されるサフラマイシンMx−1及びMx−2が含まれる。表IIIを参照のこと。
Figure 0005219323
タイプIII骨格は、培養されたPseudomonas fluorescensから単離された抗生物質、サフラマイシンA及びB中に見出された。式(XII)のこれらの抗生物質は、テトラヒドロイソキノリン-キノンサブユニット及びテトラヒドロイソキノリンフェノールサブユニットからなる。
Figure 0005219323
式中、R21は、サフラマイシンA中においては-Hであり、サフラマイシンB中においては-OHである。
サフラマイシンRは、タイプIV骨格と分類される唯一の化合物であるが、これもまたS.lavendulaeから単離された。1つのフェノール酸素上にグリコールエステル側鎖を有するヒドロキノン環からなる、式(XIII)のこの化合物は、その中程度の毒性により、おそらくはサフラマイシンAのプロドラッグである。
Figure 0005219323
これら既知の化合物には、下式(XIV)の5環の縮合系が含まれる。
Figure 0005219323
環A及びEがエクチナサイジン及び幾つかの他の化合物中においてはフェノール性であり、その一方では他の化合物、特にサフラマイシンにおいては環A及びEはキノール性であることが認識されるであろうが、本願においては、この環構造を、縮合エクチナサイジン5環系と呼称する。該化合物においては、環B及びDはテトラヒドロであり、その一方で環Cはペルヒドロである。
課題を解決するための手段
本発明は、縮合エクチナサイジン5環系を有し、エクチナサイジン583及び597に関連する化合物を提供する。エクチナサイジン583及び597においては、1,4架橋は下式(VIa):
Figure 0005219323
の構造を有する。
本発明の所定の化合物は、エクチナサイジンの縮合5環系及び式(VIa)の架橋構造を有し、-NH2が任意に誘導化されているものである。これらの化合物は、式(VI)中に存在する-CHNH2-基上でアセチル化可能である。本発明の別の誘導体化合物には、この-CHNH2-基が-CHNHX-基または-C(X22-基(式中、X1またはX2は定義通りである)によって置換されているものが含まれる。縮合エクチナサイジン5環系上の残りの置換基は、天然化合物、特に天然のエクチナサイジンのものと同一または相違して良い。
本発明の別の化合物は、エクチナサイジンの縮合5環系及び式(VIb)(式中、架橋上の-NH2基が、任意に誘導化されてよい-OH基で置換されている)の架橋構造を有する。これらの化合物は、式(VIb)中に存在する-CHOH-基上でアシル化可能である。本発明の別の誘導体化合物には、この-CHOH-基が-CHOXまたは-C(X22-基(式中、X1またはX2は定義通りである)によって置換されているものが含まれる。縮合エクチナサイジン5環系上の残りの置換基は、天然化合物、特に天然エクチナサイジン上のものと同一または相違して良い。
本発明の化合物において、-OHまたは-NH基(またはこれらの置換誘導体)を担持する橋頭炭素の立体化学は、天然化合物、特に天然エクチナサイジン上のものと同一または相違して良い。
本発明の化合物においては、式(XIV)の環(A)乃至(E)の縮合系はエクチナサイジンと同様であっても、または別の関連化合物と同様であっても良い。したがって、環A及びEは、フェノール性又はキノール性であってよく、環B及びDはテトラヒドロであり、環Cはペルヒドロである。
本発明の化合物は、抗腫瘍活性を示し、本発明は前記化合物の製薬組成物、並びに該組成物の調製方法、及び前記化合物または組成物を使用する治療方法を提供する。
本発明はまた、本発明の化合物に、新たな半合成及び合成経路を提供する。
式(XIV)の5環(A)乃至(E)の縮合系は、エクチナサイジン類と同様であることが好ましく、好ましくは1,4以外の位置で天然産の置換基で置換されている。
1つの態様においては、本発明は下式:
Figure 0005219323
[式中、R1、R2によって定義される置換基はそれぞれ個別にH、C(=O)R´、置換又は無置換のC1−C18アルキル、置換又は無置換のC2−C18アルケニル、置換又は無置換のC2−C18アルキニル、置換又は無置換のアリールから選択され;各R’基は個別にH、OH、NO2、NH2、SH、CN、ハロゲン、=O、C(=O)H、C(=O)CH3、CO2H、置換又は無置換のC1−C18アルキル、置換又は無置換のC2−C18アルケニル、置換又は無置換のC2−C18アルキニル、置換又は無置換のアリールから選択され;
2は、OX1またはN(X12であり、ここでは各X1がH、C(=O)R’、置換又は無置換のC1−X18アルキル、置換または無置換のC2−C18アルケニル、置換又は無置換のC2−C18アルキニル、置換または無置換のアリールであるか、または2つのX1基が共に窒素原子上に環状置換基を形成してもよく;
3は、OR1、CN、(=O)、またはHから選択され;
4は、-HまたはC1−C18アルキルであり;さらに
5は、H、OH、または-OR1(式中、OR1は上記定義通りである)から選択される]
の新規化合物を提供する。
関連する態様においては、本発明は、下式:
Figure 0005219323
[武中、R1、R2、X3、X4、及びX5によって定義される置換基は、定義通りであり;X1は個別にH、C(=O)R’、置換又は無置換のC1−C18アルキル、置換又は無置換のC2−C18アルケニル、置換又は無置換のC2−C18アルキニル、置換又は無置換のアリールから選択されるか、または2つのX1基が共に窒素原子上に環状置換基を形成してもよい]
の化合物を提供する。
アルキル基は、好ましくは1乃至約12の炭素原子、更に好ましくは1乃至約8の炭素原子、更により好ましくは1乃至約6の炭素原子、最も好ましくは1、2、3、または4の炭素原子を有する。メチル、エチル、及びイソプロピルを含むプロピルは、本発明の化合物において特に好ましいアルキル基である。ここで使用するように、アルキルなる語は、特記のない限りは環式及び非環式の両方の基を意味するが、但し環式基は少なくとも3つの炭素環メンバーを含むであろう。アルキル基は直鎖または分枝鎖のいずれであってもよい。
本発明の化合物中において好ましいアルケニル及びアルキニル基は、1つ以上の不飽和結合及び、2乃至約12の炭素原子、更に好ましくは2乃至約8の炭素原子、更により好ましくは2乃至約6の炭素原子、いっそう好ましくは1、2、3、または4の炭素原子を有する。ここで使用されるアルケニル及びアルキニルなる語は、環式及び非環式の両方の基を意味し、但し、直鎖状または分枝状の非環式基が一般的により好ましい。
本発明の化合物中において好ましいアルコキシ基には、1つ以上の酸素結合及び、1乃至約12の炭素原子、更に好ましくは1乃至約8の炭素原子、更により好ましくは1乃至約6の炭素原子、最も好ましくは1、2、3、または4の炭素原子を有する基が含まれる。
本発明の化合物中において好ましいアルキルチオ基は、1つ以上のチオエーテル結合及び、1乃至約12の炭素原子、更に好ましくは1乃至約8の炭素原子、更により好ましくは1乃至約6の炭素原子を有する。1、2、3、または4の炭素原子を有するアルキルチオ基が特に好ましい。
本発明の化合物中において好ましいアルキルスルフィニル基には、1つ以上のスルホキシド(SO)基及び、1乃至約12の炭素原子、更に好ましくは1乃至約8の炭素原子、更により好ましくは1乃至約6の炭素原子を有する基が含まれる。1、2、3、または4の炭素原子を有するアルキルスルフィニル基が特に好ましい。
本発明の化合物中において好ましいアルキルスルホニル基には、1つ以上のスルホニル(SO2)基及び、1乃至約12の炭素原子、更に好ましくは1乃至約8の炭素原子、更により好ましくは1乃至約6の炭素原子を有する基が含まれる。1、2、3、または4の炭素原子を有するアルキルスルホニル基が特に好ましい。
好ましいアミノアルキル基には、1つ以上の第一級、第二級、及び/または第三級のアミン基及び、1乃至約12の炭素原子、更に好ましくは1乃至約8の炭素原子、更により好ましくは1乃至約6の炭素原子、いっそう好ましくは1、2、3、または4の炭素原子を有する基が含まれる。第二級及び第三級のアミン基が、一般的に第一級アミン部分よりも好ましい。
本発明の化合物中の好適な複素芳香族基には、N、O、またはS原子から選択される1つ、2つ、または3つのヘテロ原子が含まれ、例えば8-クマリニルを含むクマリニル、8-キノリニルを含むキノリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチアゾリルが含まれる。本発明の化合物中における好適な複素脂環式基は、N、O、またはS原子から選択される1つ、2つ、または3つのヘテロ原子を含み、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリノ、及びピロリジニル基を含む。
本発明の化合物において好適な炭素環アリール基には、別々及び/または縮合したアリール基を含む多環式化合物を含む多環式化合物及び単環式化合物が含まれる。典型的な炭素環アリール基には、1乃至3の別々または縮合した環及び6乃至約18の炭素環原子が含まれる。とりわけ好ましい炭素環アリール基には、例えば2-置換フェニル、3-置換フェニル、2,3-置換フェニル、2,5-置換フェニル、2,3,5-置換の及び2,4,5-置換のフェニルなどの置換フェニルを含むフェニルが含まれ、1つ以上のフェニル置換基が電子吸引基、例えばハロゲン、シアノ、ニトロ、アルカノイル、スルフィニル、スルホニル等;1-ナフチル及び2-ナフチルを含むナフチル;ビフェニル:フェナントリル;及びアントラシルである場合が含まれる。
1、R2、X1、X4、及びX5によって定義される置換基は、それぞれ個別にH、OH、OR’、SH,SR’、SOR’、SO2R’、NO2、NH2、NHR’、N(R’)2、NHC(O)R’、CN、ハロゲン、=○、置換又は無置換のC1−C18アルキル、置換又は無置換のC2−C18アルケニル、置換又は無置換のC2−C18アルキニル、置換又は無置換のアリール、置換又は無置換の複素環式芳香族からなる群より選択される。
本発明の化合物中の置換R’基についてのここでの言及は、1つ以上の適当な基、例えばハロゲン、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード;シアノ;ヒドロキシル;ニトロ;アジド;アルカノイル、例えばフルオロ、クロロ、プロモ、及びヨード;シアノ;ヒドロキシル;ニトロ;アジド:アルカノイル、例えばC1−6アルカノイル基、例えばアシル等;カルボキサミド;1乃至約12の炭素原子、または1乃至約6の炭素原子、より好ましくは1−3の炭素原子を有する基を含むアルキル基;1つ以上の不飽和結合及び2乃至約12の炭素または2乃至約6の炭素原子を有する基を含む、アルケニル及びアルキニル基;1つ以上の酸素結合及び1乃至約12の炭素原子または1乃至約6の炭素原子を有するアルコキシ基;アリールオキシ、例えばフェノキシ;1つ以上のチオエーテル結合及び1乃至約12の炭素原子または1乃至約6の炭素原子を有する部分を含むアリールチオ基;1つ以上のスルフィニル結合及び1乃至約12の炭素原子または1乃至約6の炭素原子を有する部分を含むアルキルスルフィニル基;1つ以上のスルホニル結合及び1乃至約12の炭素原子または1乃至約6の炭素原子を有する部分を含むアルキルスルホニル基;1つ以上のN原子及び1乃至約12の炭素原子または1乃至約6の炭素原子を有する基などのアミノアルキル基;6以上の炭素を有する炭素環アリール、特にフェニル(例えばRが置換又は無置換のビフェニル部分である);及びアラルキル、例えばベンジルによって、1つ以上の可能な位置で置換されていて良い、特定の部分を意味する。
1は、好ましくはC(=O)R’(式中、R’は好適にはH、あるいは置換又は無置換のアルキル、より好ましくはアセチルである)である。
2は、好ましくはHまたはメチル、より好ましくはメチルである。
典型的にはX1またはX2の一方はしばしば水素である。X2、または場合によりXlは、好ましくはH;-NHCOアルキルであり、特に前記アルキルが上限16の炭素原子、例えば1、4、7、15の炭素原子を有し、任意にハロ置換、任意にペルハロ置換されているもの;-NHアルキルCOOH、特に前記アルキルが上限4の炭素原子を有するもの;保護-NHCOCH(NH2)CH2SH、ここでNH2及び/またはSHが保護されているもの;-NHビオチン;-NHアリール;-NH(aa)y、ここでaaはアミノ酸アシルであり、yは好適には1、2、または3であり、ここであらゆるNH2が任意に、アミド末端基またはBoc基等で保護されているか誘導化されているもの;フタリミド形成された-NX2-;好ましくは1乃至4の炭素原子を有するアルキル;アリールアルケニル、特に3-トリフルオロメチルなどで置換されていて良いシンナモイルである。
2基の好ましい例には、NHAc、NHCO(CH22COOH、NHCOCH(NHAlloc)CH2SFm、NHCO(CH214CH3、NHTFA、NHCO(CH22CH3、NHCOCH2CH(CH32、NHCO(CH26CH3、NHビオチン、NHBz、NHCOCinn、NHCO-(p-F3C)-Cinn、NHCOVal-NH2、NHCOVal-N-Ac、NHCOVal-N-COCinn,NHCOVal-Ala-NH2、NHCOVal-Ala-N-Ac、NHCOAla-NH2、OH、OAc、NHAc、NHCO(CH22COOH、NHCOCH(NHAlloc)CH2SFm、NHCOCH(NH2)CH2SFm、NPht、NH-(m-CO2Me)-Bz、NHCO(CH2l4CH3、NMe2、NHTFA、NHCO(CH22CH3、NHCOCH2CH(CH32、NHCO(CH26CH3、NHAlloc、NHTroc、NHビオチン、NHBz、NHCOCinn、NHCO-(p-F3C)-Cinn、NHCOVal-NH2、NHCOVal-N-Ac、NHCOVal-N-COCinn、NHCOVal-Ala-NH2、NHCOVal-Ala-N-Ac,NHCOVal-Ala-N-COCinn、NHCOAla-NH2、NHCOAla-N-Ac、NHCOAla-N-COCinn、OH、OAc、NHAc、NHCO(CH22COOH、NHCOCH(NHAlloc)CH2SFm、Npht、並びに炭素原子の数が変化するか、またはアミノ酸が変化するか、またはこの種の別の変化によって得られる類似の基が含まれる。
2基の別の好ましい例には、OH、OAc、OCOCF3、OCOCH2CH2CH3、OCO(CH26CH3、OCO(CH214CH3、OCOCH=CHPh、OSO2CH3、並びに炭素原子の数が変化するか、または別の置換基が導入されるか、またはこの種の別の変化によって得られる類似の基が含まれる。
3は、好ましくはOHまたはCNである。X4は、HまたはMe、好ましくはMeである。X5は、HまたはCl-18アルキル、好ましくはHである。
更に、本発明のより一般的な態様においては、該化合物は、典型的には下式(XVIIa):
Figure 0005219323
または下式(XVIIb):
Figure 0005219323
[式中、R1及びR4は共に下式(VIa)または(VIb):
Figure 0005219323
の基を形成し;
5は、-Hまたは-OHであり;
7が−OCH3、R8が-OHであるか、またはR7及びR8が共に-O-CH2-O-基を形成し;
14a及びR14bはいずれも-Hであるか、または一方が-Hで他方が-OH、-OCH3、または-OCHCH3であるか、R14a及びR14bが共にケト基を形成し;R15は、-Hまたは-Oであり;
21は、-H、-OH、または-CNである]
のもの、及びこれらのアシル誘導体、特にR5がアセチルオキシまたは炭素原子が上限4つである別のアシルオキシ基であるものを含む誘導体、-NCH3-基が12位において-NH-または-NCH2CH3-によって置換された誘導体を含む誘導体、及び式(VIa)の化合物における-NH2-基及び式(VIb)の化合物における-OH基が、任意に誘導化されている誘導体である。
1及びR4基は、式(VIa及びVIb)中に存在する-CHNH2-または-CHOH−基上でアシル化可能である。本発明の別の誘導体化合物には、VIaの-CHNH2−基が−CHNHXまたはC(X22-によって置換されたもの、またはVIbの-CHOH基が-CHOX1またはC(X22-によって置換されたもの(X1及びX2は定義通り)が含まれる。
好ましい化合物は、式(XVIIb)のものである。
更に、本発明の好ましい化合物においては、R7及びR8は共に-O-CH2-O-基を形成する。
アシル誘導体は、これらのN-アシルまたはN-チオアシル誘導体、並びに環状アミドであってよい。前記アシル基は、例示的にアルカノイル、ハロアルカノイル、アリールアルカノイル、アルケニル、複素環アシル、アロイル、アリールアロイル、ハロアロイル、ニトロアロイル、または他のアシル基であってよい。前記アシル基は、式-CO-Ra(ここでRaは、様々な基、例えばアルキル、アルコキシ、アルキレン、アリールアルキル、アリールアルキレン、アミノ酸アシル、または複素環であってよく、前記それぞれがハロ、シアノ、ニトロ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環、複素環オキシ、アルキル、アミノ、または置換アミノで任意に置換されていて良い)であってよい。別のアシル化剤には、イソチオシアネート、例えばアリールイソチオシアネート、特にフェニルイソシアネートが含まれる。Raのアルキル、アルコキシ、またはアルキレン基は、好適には1乃至6、または12の炭素原子を有し、直鎖状、分枝状、または環状であってよい。アリール基は、典型的にはフェニル、ビフェニル、またはナフチルである。複素環基は、芳香族であるかまたは部分的もしくは完全に不飽和であり、好適には4乃至8の環原子、より好ましくは5または6の環原子を有し、窒素、硫黄、及び酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を有する。
徹底的記載ではないが、典型的なRa基には、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアリール、ハロアルコキシアルキル、アリールアルキレン、ハロアルキルアリールアルキレン、アシル、ハロアシル、アリールアルキル、アルケニル、及びアミノ酸を含む。例えばRa-CO-は、アセチル、トリフルオロアセチル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、イソバレリルカルボニル、トランス−3-(トリフルオロメチル)シンナモイルカルボニル、ヘプタフルオロブチリルカルボニル、デカノイルカルボニル、トランス-シンナモイルカルボニル、ブチリルカルボニル、3-クロロプロピオニルカルボニル、シンナモイルカルボニル、4-メチルシンナモイルカルボニル、ヒドロシンナモイルカルボニル、またはトランス-ヘキセノイルカルボニル、またはアラニル、アルギニル、アスパルチル、アスパラギル、シスチル、グルタミル、グルタミニル、グリシル、ヒスチジル、ヒドロキシプロリル、イソロイシル、ロイシル、リシル、メチオニル、フェニルアラニル、プロリル、セリル、スレオニル、チロニル、トリプトフィル、チロシル、バリル、並びに別のより一般的でないアミノ酸アシル基、並びにフタリミド及び他の環状アミド類であってよい。他の例は、列挙した保護基の中に見出される。
-CO-Raがアミノ酸から誘導され、アミノ基を含む化合物は、それ自体アシル誘導体を形成することができる。好適なN-アシル制御には、順次N-アシル誘導体を形成することができるジペプチドが含まれる。
好ましくは、R14a及びR14bは水素である。好ましいR15は水素である。O-アシル誘導体は、好適には脂肪族O-アシル誘導体、特に炭素原子1乃至4、及び典型的にはO-アセチル基が特に5位にあるアシル誘導体である。
フェノール及びヒドロキシ基のための好適な保護基には、エーテル及びエステル、例えば、アルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、アルキルシリルアルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、アジドアルキル、シアノアルキル、クロロアルキル、複素環、アリールアシル、ハロアリールアシル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルアリールアルキル、アルコキシアリールアルキル、ニトロアリールアルキル、ハロアリールアルキル、アルキルアミノカルボニルアリールアルキル、アルキルスルフィニルアリールアルキル、アルキルシリル、及び他のエーテル、及びアリールアシル、アリールアルキルカルボネート、脂肪族カルボネート、アルキルスルフィニルアリールアルキルカルボネート、アルキルカルボネート、アリールハロアルキルカルボネート、アリールアルケニルカルボネート、アリールカルバメート、アルキルホスフィニル、アルキルホスフィノチオイル、アリールホスフィノチオイル、アリールアルキルスルホネート、及び他のエステルが含まれる。こうした基は、R1において既述した基で任意に置換されていて良い。
アミンのための好適な保護基には、カルバメート、アミド、及び他の保護基、例えばアルキル、アリールアルキル、スルホーまたはハロ-アリールアルキル、ハロアルキル、アルキルシリルアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルアリールアルキル、複素環アルキル、ニトロアリールアルキル、アシルアミノアルキル、ニトロアリールジチオアリールアルキル、ジシクロアルキルカルボキサミドアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、ニトロアリールアルケニル、複素環アルケニル、複素環、ヒドロキシ複素環、アルキルジチオ、アルコキシ-またはハロ-、またはアルキルスルフィニルアリールアルキル、複素環アシル、及び他のカルバメート、及びアルカノイル、ハロアルカノイル、アリールアルカノイル、アルケノイル、複素環アシル、アロイル、アリールアロイル、ハロアロイル、ニトロアロイル、及び他のアミド、並びにアルキル、アルケニル、アルキルシリルアルコキシアルキル、アルコキシアルキル、シアノアルキル、複素環、アルコキシアリールアルキル、シクロアルキル、ニトロアリール、アリールアルキル、アルコキシ−またはヒドロキシ-アリールアルキル、及び多くの他の基が含まれる。こうした基は、R1において既述した基で任意に置換されていて良い。
こうした保護基の例を下記の表に挙げる。
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
本発明の化合物の好ましいクラスには、式(XVIIb)の化合物が含まれるが、これは、下記の条件を1つ以上、好ましくは全てを満たす:
式(VIa)の群においてアミノ基は誘導化されている;
式(VIb)の群においてヒドロキシ基は誘導化されている;
5はOR1である;
7及びR8は共に-O-CH2-O-基を形成する;
14a及びR14bはいずれも-Hである;
15はHである;及び/または
21は-OHまたは-CNである。
本発明の特定のエクチナサイジン製品には、式(XVIII):
Figure 0005219323
Figure 0005219323
の基を形成し;
21は、-H、-OH、または-CN、とりわけ-H、または-CNである]
の化合物群、及びこれらのアシル誘導体、とりわけ、5-アセチル誘導体を含む
5-アシル誘導体、及び式(VIa)の構造における-NH2-基及び式(VIb)の構造における-OH基が、任意に誘導化されている誘導体が含まれる。
本発明の化合物、とりわけ2つのX1基の1つを有するものは、米国特許第5721362号に記載の中間体化合物(47)または類似の化合物から合成により調製可能である。こうして本発明は、下記:
Figure 0005219323
[式中、X1は定義される通りであり、当該分子上の別の置換基は、所望により、または適当であれば、保護または誘導化されていることが可能である]
の反応スキームに従って1,4架橋アミノ基の誘導化を含む方法を提供する。
本発明の化合物、とりわけX2基が-OX2であるものは、米国特許第5721362号に記載の中間体化合物(15)または類似の化合物から調製可能である。こうして本発明は、下記:
Figure 0005219323
[式中、X1は定義される通りであり、当該分子上の別の置換基は、所望により、または適当であれば、保護または誘導化されていることが可能である]
の反応スキームに従って1,4架橋アミノ基の誘導化を含む方法を提供する。該反応は、置換基-OX1の生成と共に進行し(ここではX1は水素である)、その後X1が別の基である化合物への転化をもたらしうる。
本発明の化合物が、米国特許第5721362号において使用される合成工程の修正によって調製されうるのは明白であろう。したがって、例えば様々な反応性基を、官能性位置において、例えば5-または18-位置において、導入しても良い。
最初に国際出願00/69862号(本発明が提供されるならば、これに基づいて優先権を主張するものである)に開示された、化合物のより一般的な経路を、ここにその全体を参照のために取り込むこととする。
この国際出願の典型的な処理操作は、下式(XIV):
Figure 0005219323
の縮環構造を有する化合物の調製方法に関し、これは、下式(XVI):
Figure 0005219323
[式中、
1は、アミドメチレン基またはアシルオキシメチレン基であり;
5及びR8は、個別に-H、-OH、または-OCOCH2OHより選択されるか、またはR5及びR8はいずれもケトであり、環Aはp-ベンゾキノン環であり;
14a及びR14bは、いずれも-Hであるか、または一方が-Hであって他方が-OH、-OCH3、もしくは-OCH2CH3であるか、またはR14a及びR14bが共にケト基を成し;さらに、
15及びR18は、個別に-Hまたは-OHから選択されるか、またはR5及びR8はいずれもケトであり、環Aはp−ベンゾキノン環である]
の21-シアノ化合物から出発する1つ以上の反応を含む。
とりわけ、こうした方法は、スキームI及びIIの反応のための出発物質並びに関連化合物への経路を提供することができる。
これらの化合物の抗腫瘍活性には、白血病、肺癌、結腸癌、腎臓癌、前立腺癌、卵巣癌、乳癌、肉腫、及び黒色腫が含まれる。
本願発明の別のとりわけ好ましい実施態様は、抗腫瘍剤として有用な、活性成分として本発明の化合物を含有する製薬組成物、並びにこれらの調製のための方法である。
製薬組成物の例には、経口、局所、非経口の投与に適した組成を有する、あらゆる固体(錠剤、ピル、カプセル、顆粒等)または液体(溶液、懸濁液、またはエマルジョン)が含まれる。
本発明の化合物または組成物の投与は、静脈輸液、経口調剤、腹腔内及び静脈内調剤等のあらゆる適当な方法であってよい。
疑義を避けるため、本特許明細書中に示された立体化学は、我々の、天然物の正確な立体化学に対する理解に基づく。該当する立体化学において誤りが発見された場合には、本明細書全般に渡って記載された式において適当な修正を行う必要がある。さらにまた、合成に調整が可能な限りにおいては、本発明は立体異性体にまで拡大理解される。
本発明の化合物は、米国特許第5721362号に記載の中間体化合物47及び15から、国際出願00/69862号に記載された化合物36から、及び国際出願00/69862の化合物33の、AlCl3を使用する脱保護において得られる二次生成物(ここでは23及び24と番号をふった)から、合成により調製可能である。
Figure 0005219323
化合物(1)は米国特許第5721362号に記載された合成中間体(47)に相当する。化合物27及び28は、表IVに含まれ、国際出願00/69862号に35及び34として記載されている
式Iの化合物の製造の好ましい方法の幾つかを、典型的な置換基の例を用いた以下の反応スキーム(SCHEME)において以下に説明する。これらの典型的な置換基は、本発明を限定せず、該方法は、コード文字によって示される同一性を特に鑑みず、より一般的な意味において理解されるべきである。
多数の活性抗腫瘍化合物が、この化合物から調製されており、本開示の教示に従って、更に多くの化合物を生成させることが可能であると思われる。
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
反応のタイプは下記の通りである:
方法A、B、C、E、及びMには、酸クロライド、無水物、酸、またはスルホニルクロライドを用いる様々なアシル化方法が含まれ、アミドまたはエステル結合を得る。
方法D及びHには、アルデヒトと1との間の、またはアミンと5との間の還元アルキル化反応が含まれ、2mまたは3oを得る。
方法Fは、BnBr及びCs2CO3を用いる反応によって、化合物1を2nに変換する。
方法Gには、トリメチルクロロシラン(TMSCl)及びナトリウムヨーダイドを使用するメトキシメチル基(MOM)またはMOM/tert-ブチルオキシカルボニル基またはMOM/アリルオキシカルボニル基の脱保護が含まれる。
方法I(AgNO3)及びJ(CuBr)は、C−21位においてCNをOHに転換する。
方法Kは、水性トリフルオロ酢酸を使用するカルバメート結合の加水分解を含む。
方法Lは、酢酸の存在下においてNaCNBH3を用いる還元により、カルボニル基をアルコールに転換する。この反応により、新たな不斉中心が発生する。立体効果及びスペクトルデータに鑑みれば、主要化合物(11)はこの中心がR配置になり、二次生成物(12*)ではS配置になっているようである。これに基づけば、13、15、17、19、21はR配置を有し、14*、18*、及び22*はS配置を有するであろう。これらの指定は、入手可能なスペクトルデータに基づいて成されており、前記指定を確認する特定の研究も行われていないので、それ自体単に仮説であると見なされるべきである。
調整された方法を、本発明の別の化合物の調製に使用することができる。とりわけ、出発物質及び/または試薬、及び反応は、置換基の別の組み合わせに適合させるために変化させることができる。
別の態様においては、本発明は既知の化合物、キノンアミンとも呼称されるサフラシンBの、半合成的合成における使用に関する。
より一般的には、本発明は、天然のビス(テトラヒドロイソキノリン)アルカロイドから出発する、エクチナサイジンまたは他のテトラヒドロイソキノリンフェノール化合物類の、中間体、誘導体、及び関連構造物の形成のための半合成的方法に関する。
前記半合成的方法のための好適な出発物質には、様々な培養液から得られるサフラマイシン及びサフラシン抗生物質のクラス、及び海綿から得られるレニエラマイシン及びゼストマイシン化合物のクラスが含まれる。
前記出発物質についての一般式(XV)は下記の通りである。
Figure 0005219323
[式中、R1は、アミドメチレン基、例えばCH2-NH-CO-CR25a25b25c(式中、R25a及びR25bがケト基を成すか、または一方が-OH、-NH2、または-OCOCH3であって他方が-CH2COCH3、-H、-OH、または-OCOCH3である(R25aが-OHまたは-NH2であるならば、R25bは-OHではなく、R25cが-H、-CH3、または-CH2CH3であることを条件とする))であるか、またはR1は、アシルオキシメチレン基、例えば-CH2-O-CO-R(式中、Rは、-C(CH3)=CH-CH3または-CH3である)であり;
5及びR8は、個別に-H、-OH、または-OCOCH2OHより選択されるか、またはR5及びR8はいずれもケトであり、環Aはp-ベンゾキノン環であり;
14a及びR14bは、いずれも-Hであるか、または一方が-Hであって他方が-OH、-OCH3、もしくは-OCH2CH3であるか、またはR14a及びR14bが共にケト基を成し;
15及びR18は、個別に-Hまたは-OHから選択されるか、またはR5及びR8はいずれもケトであり、環Aはp-ベンゾキノン環であり;さらに、
21は、-OHまたは-CNである]
これらのクラスの化合物についてのより一般的な式を以下に示す。
Figure 0005219323
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10に定義される置換基は、個別にH、OH、OCH3、CN、=O、CH3からなる群より選択され;
式中、Xは、既述の天然物に含まれる様々なアミドまたはエステル官能であり;
式中、各点線の輪が1つ、2つ、または3つの任意の二重結合を表す]
然るに、本発明にしたがい、我々はここに、新規化合物及び既知化合物の製造のための、半合成的な経路を提供する。本発明の半合成的な経路は、それぞれが、所望の生成物に到達するまでに多数の変換工程を含む。各工程それ自体が、本発明に従う処理である。本発明は、例示される経路に限定されず、例えば適当であれば変換工程の順序を変えることによって、代替的経路が提案されても良い。
とりわけ、本発明は、一般式(XVI):
Figure 0005219323
[式中、R1、R5、R8、R14a、R14b、R15、及びR18は定義通りである]
の21−シアノ出発物質の準備を含む。
21-位に別の置換基を有する式(XVI)の別の化合物もまた、可能な出発物質を表して良い。一般的には、式(XV)(式中、R21はヒドロキシ基である)の化合物を21-ヒドロキシ基の求核置換によって産生可能な、あらゆる誘導体が候補である。好適な21-置換基の例は、下記:
メルカプト基;
アルキルチオ基(前記アルキル基は1乃至6の炭素原子を有する);
アリールチオ基(前記アリール基は6乃至10の炭素原子を有し、未置換であるかまたは、例えば1乃至6の炭素原子を有するアルキル基、1乃至6の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン原子、メルカプト基、及びニトロ基から選択される1乃至5の置換基によって置換されている);
アミノ基;
モノまたはジアルキルアミノ(該(各)アルキル基は1乃至6の炭素原子を有する);
モノまたはジアリールアミノ基(該(各)アリール基は、アリールチオ基に関する上記の定義通りである);
式-C(Ra)(Rb)-C(=O)Rc[式中、Ra及びRbは、水素原子、1乃至20の炭素原子を有するアルキル基、アリール基(上記アリールチオ基に関して定義される通り)、及びアラルキル基(ここでは1乃至4の炭素原子を有するアルキル基が、上記アリールチオ基に関して定義されるアリール基によって置換されている)から選択され、但しRa及びRbの一方が水素原子であることを前提とする;Rは、水素原子、1乃至20の炭素原子を有するアルキル基、アリール基(上記アリールチオ基に関して定義される通り)、及びアラルキル基(ここでは1乃至4の炭素原子を有するアルキル基が、上記アリールチオ基に関して定義されるアリール基によって置換されている)、1乃至6の炭素原子を有するアルコキシ基、アミノ基、または上記のモノ-もしくはジ-アルキルアミノ基から選択される]のα-カルボニルアルキル基;
を含むが、これらに限定されるものではない。
したがって、より一般的な態様においては、本発明は、その第一工程が求核試薬を使用して21-誘導体を形成するという処理方法に関する。我々は、21-Nuc化合物類などのような化合物に言及する。好ましい出発物質である21-Nuc化合物は、下式(XIV):
Figure 0005219323
[式中、少なくとも1つの環AまたはEがキノール環である]
の構造を有する。
したがって、21-シアノ化合物の使用に加えて、別のヌクレオフィル含有化合物を使用して、式(XVI)(式中、21位は別の求核性基、21-Nuc基によって保護されている)の類似化合物を産生する処理方法もまた予見される。例えば、21位にアルキルアミノ置換を有する、式(XVI)の21-Nuc化合物は、式(XV)(式中、R21はヒドロキシ基である)の化合物を適当なアルキルアミンと反応させることによって産生させることができる。21位にアルキルチオ置換基を有する式(XVI)の21-Nuc化合物もまた、式(XV)(式中、R21はヒドロキシ基である)の化合物を適当なアルカンチオールと反応させることによって産生させることができる。あるいはまた、21位にα-カルボニルアルキル置換基を有する式(XVI)の21-Nuc化合物は、式(XV)(式中、R21はヒドロキシ基である)の化合物を適当なカルボニル化合物と、典型的には塩基の存在下において反応させることによって産生させることができる。別の21-Nuc化合物については別の経路が可能である。
幾つかの最終生成物、とりわけエクチナサイジン770及びフタラシジンにとっては21-シアノ基の存在が必要であるが、これは、一方では、別の最終生成物に対しては21-ヒドロキシ基などの別の置換基に容易に変換可能な保護基として作用する。21-シアノ化合物を出発物質として採用することにより、その後の合成工程の間、これが任意に除去されるまで、該分子は効果的に安定化される。別の21−Nuc化合物はこの利点及び別の利点を与えることができる。
好ましい出発物質は、これらの式(XV)または(XVI)(式中、R14a及びR14bはいずれも水素である)の化合物を含む。好ましい出発物質はまた、式(XV)または(XVI)(式中、R15は水素である)の化合物を含む。さらにまた、好ましい出発物質は、式(XV)または(XVI)(式中、環Eはフェノール環である)の化合物を含む。好ましい出発物質は、さらに、式(XV)または(XVI)(式中、R5、R8、R15、及びR18の少なくとも1つ、より好適には少なくとも2つまたは3つが、水素ではない)の化合物を含む。
本発明について好適な出発物質の例には、サフラマイシンA、サフラマイシンB、サフラマイシンC、サフラマイシンG、サフラマイシンH、サフラマイシンS、サフラマイシンY3,サフラマイシンYd1、サフラマイシンAd1、サフラマイシンYd2、サフラマイシンAH2、サフラマイシンAH2Ac、サフラマイシンAH1、サフラマイシンAH1Ac、サフラマイシンAR3、レニエラマイシンA、レニエラマイシンB、レニエラマイシンC、レニエラマイシンD、レニエラマイシンE、レニエラマイシンF、ゼストマイシン、サフラマイシンD、サフラマイシンF、サフラマイシンMx-1、サフラマイシンMx-2、サフラシンA、サフラシンB、及びサフラマイシンRが含まれる。好ましい出発物質は、R21として、21位にシアノ基を有する。
とりわけ好ましい態様において、本発明は半合成的処理方法を含み、ここでは変換工程がサフラシンB(SAFRACIN B)に適用される。
Figure 0005219323
サフラシンBは、エクチナサイジンに密接に関連する環系を表す。この化合物は、同一の五環構造を有し、右側の芳香環、E環において同一の置換パターンを有する。
本発明のより好ましい出発物質は、21-シアノ基を有する。本発明の現在最も好ましい化合物は、式2の化合物(Compound 2)である。この化合物は、サフラシンBから直接得られ、該半合成的処理方法において鍵となる中間体であると見なされる。
Figure 0005219323
Pseudomonas fluorescensのサフラシンB産生株の発酵、及びシアニドイオンを使用して培養液を加工することによる、シアノサフラシンB。Pseudomonas fluorescensの好ましい株は、株A2−2、FERM BP-14であり、これは欧州特許出願055299の手順において使用されるものである。シアニドイオンの好適なソースはカリウムシアニドである。典型的な加工においては、前記液を濾過して過剰量のシアニドイオンを添加する。例えば1時間の適当な間隔をおいた撹拌の後、pHをアルカリ性、例えばpH9.5とすると有機抽出物が粗製の抽出物を与え、これをさらに精製してシアノサフラシンBとすることができる。
一般的に、21-シアノ出発化合物の本発明の生成物への変換には、
a)必要であれば、E環についてキノン系をフェノール系に変換する工程;
b)必要であれば、A環についてキノン系をフェノール系に変換する工程;
c)A環について、フェノール系をメチレンジオキシフェノール環に変換する工程;
d)環Bにおいて1位と4位とに渡る、式(IV)、(VI)、または(VII)の架橋スピロ環系を形成する工程;及び
e)アシル化などの好適な誘導化を行う工程;
が含まれる。
工程a)は、必要に応じて、E環についてキノン系をフェノール系に変換する工程であるが、これは従来の還元処理によって行うことができる。別の還元システムも使用可能であるが、好適な試薬システムはパラジウム-炭素触媒を伴う水素である。
工程b)は、必要に応じて、A環についてキノン系をフェノール系に変換する工程であるが、工程(a)に類似しており、更なる詳細は不要である。
工程(c)は、A環についてフェノール系をメチレンジオキシフェノール環に変換する工程であるが、おそらくは工程(b)と共に、幾つかの方法で行うことが可能である。例えば、キノン環Aは、7位のメトキシ置換基において脱メチル化し、ジヒドロキノンに還元し、以下の試薬を用いてトラップすることができる。前記試薬は、適当な好適な求電子試薬、例えばCH2Br2、BrCHCl等、または直接メチレンジオキシ環系をもたらす同様の二価の試薬、または、例えば所望の環に変換可能な、置換メチレンジオキシ環系をもたらすチオカルボニルジイミダゾール等の二価の試薬である。
工程(d)は、典型的には、所望の架橋の形成を補助する架橋試薬を用いる、1位での好適な置換によって行われ、4位にエクゼンドキノンメチド(exendo quinone methide)を形成し、前記メチドを1-置換基と反応させて架橋構造をもたらす。好ましい架橋試薬は、下式(XIX):
Figure 0005219323
[式中、Fuは、保護された官能基、例えば-NHProt4aまたはOProt4bを示し、Prot3は保護基であり、点線は任意の二重結合を示す]
のものである。
好適には、前記メチドはまず、環Aとbとの接合部の10位に、ヒドロキシ基を導入して、式(XX):
Figure 0005219323
の部分構造、またはより好ましくは式(XXI):
Figure 0005219323
[上記式(XX)及び(XXI)中、R”基は、式(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の所望の群について選択される。最初の2つの基については、R”基は典型的には-CHFu-CH2-SProt3の形態をとる]
の部分構造を与えることによって形成される。その後保護基は除去され、適当に変性させて所望の化合物を得ることができる。
工程(d)についての典型的な処理操作は、参照のために取り込むこととする米国特許第5721362号に記載されている。とりわけ、前記米国特許の第8欄、工程(1)及び実施例33、及び関連の節が参照される。
工程(e)における誘導化には、例えばRa-CO-基を用いるアシル化、並びに12-NCH3基の12-NHまたは12-NCH2CH3への変換が含まれる。こうした変換は、他の工程の前または後に、利用可能な方法を用いて行うことができる。
例として、中間体25:
Figure 0005219323
に変換させることができ、この誘導体から、本発明の化合物に変換可能な、多数のシステイン誘導体がもたらされる。好ましいシステイン誘導体は、下記の2つの化合物:
Figure 0005219323
によって例示される。
本発明の1つの方法は、シアノサフラシンBを、本質的に(1)環A中に位置するメトキシ基の除去、(2)同一反応器中における環Aの還元及びメチレン-ジオキシ基の形成、(3)炭素1上に位置するアミド官能基の加水分解、(4)生成するアミン基のヒドロキシル基への変換、を含む一連の反応を経て、中間体Int-25に変換する(スキームV参照のこと)。
Figure 0005219323
Figure 0005219323
前記方法は、システイン残基Int-29を直接使用して、化合物Int-25の環Bにおける1位の第一級アルコール官能基の保護及び脱保護を回避し、中間体Int−27を生成させる。システイン誘導体Int-29は、アミノ基においてβ-β-β-トリクロロエトキシカルボニル保護基で保護され、既存のアリル及びMOM基との適合性を有するようになっている。中間体Int-27は直接酸化及び環化される。これらの状況は、該合成の後の段階における別の脱保護ストラテジーと共に、当該経路を、新規且つ、米国特許5721362号の方法よりも工業的発展をより反映するものにしている。
2-シアノ化合物の中間体Int-25への変換には、通常下記の工程:
・Int-2をtert-ブトキシカルボニル無水物と反応させることによって、式Int-14の保護された化合物を生成させる工程;
・Int-14を、アセトニトリル中においてブロモメチルメチルエーテル及びジイソプロピルエチルアミンと反応させることによって、式Int-15の二保護化合物に変換する工程;
・水酸化ナトリウムのメタノール溶液と反応させることにより、Int-15中のキノン系のメトキシ基を選択的に脱離して式Int-16の化合物を得る工程;
・Int-16を、以下の好ましい一連の操作:
(1)化合物Int-16のキノン基を、水素雰囲気下で10%のPd/Cを用いて還元する;
(2)ヒドロキノン中間体を、水素雰囲気下でブロモクロロメタン及びカゼインカルボネートと反応させることにより式Int-17のメチレンジオキシ化合物に変換する;
(3)Int-17を、遊離のヒドロキシル基をOCH2R基として保護することによって式Int-18の化合物に変換する(この反応は、BrCH2R及びカゼインカルボネートを用いて行われるが、ここではRはアリール、CH=CH2、OR’等であってよい。);
を行うことによって、式Int-18のメチレンジオキシ化合物に変換する工程;
・ジオキサン中HClの溶液と反応させることにより、Int-18のtert-ブトキシカルボニル及びメチルオキシメチル保護基を脱離して、式Int-19の化合物を得る工程(この反応はまた、Int-18をジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸の溶液と混合することによっても達成される。);
・Int-19をフェニルイソチオシアネートと反応させることによって式Int-20のチオウレア化合物を形成する工程;
・式Int-20の化合物を、ジオキサン中の塩化水素の溶液と反応させることにより、式Int-21のアミン化合物に変換する工程;
・式Int-21の化合物を、トリクロロエチルクロロホルメート及びピリジンと反応させることによってN-Troc誘導体Int-22に変換する工程;
・Int-22をブロモメチルメチルエーテル及びジイソプロピルエチルアミンと反応させることによって、式Int-23の保護されたヒドロキシ化合物を形成する工程;
・式Int-23の化合物を、酢酸及び亜鉛と反応させることによって、N-H誘導体Int-24に変換する工程;
・式Int-24の化合物を、酢酸中の窒化ナトリウムと反応させることによって、式Int-25のヒドロキシ化合物に変換する工程(あるいはまた、酢酸とアセトニトリルとの混合物中の四酸化窒素を使用し、次いで水酸化ナトリウムで処理を行うことも可能である。また、無水酢酸−酢酸の混合物中における窒化ナトリウムを使用し、次いで水酸化ナトリウムで処理することも可能である);
が含まれる(スキームV参照のこと)。
中間体Int-25からの、本発明の最終中間体化合物Int-35またはInt-36への変換は、スキームVI:
Figure 0005219323
[・Int-24の化合物を、第一級ヒドロキシル基を(S)-N-2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル-S-(9H-フルオレン-9-イルメチル)システインInt-29で保護することにより、誘導体Int-30に変換する工程;
・式Int-30の保護された化合物を、トリブチルチンヒドライド及びジクロロパラジウム-ビス(トリフェニルホスフィン)を用いるアリル基の開裂によって、フェノール誘導体Int-31に変換する工程;
・式Int-31のフェノール化合物を、低温においてベンゼンセレニン酸無水物を用いる酸化により、式Int-32の化合物に変換する工程;
・式Int-32のヒドロキシ化合物を、以下の一連の操作:
(1)式Int-32の化合物を、2当量の無水トリフルオロメタンスルホン酸(Triflic anhydride)及び5当量のDMSOと反応させる;
(2)次いで8当量のジイソプロピルエチルアミンと反応させる;
(3)次いで4当量のt-ブチルアルコールと反応させる;
(4)次いで7当量の2-tert-ブチル−1,1,3,3−テトラメチルグアニジンと反応させる;
(5)次いで10当量の無水酢酸と反応させる;
を行うことによってラクトンInt-33に変換する工程:
・ラクトン化合物Int-33を、TMSIを用いるMOM保護基の除去により、ヒドロキシル化合物Int-34に変換する工程;
・Zn/AcOHを用いる反応により、式Int-34の化合物のN-トリクロロエトキシカルボニル基を開裂させて化合物Int-35とする工程;
・アミノ化合物Int-35を、N-メチルピリジニウムカルボキサルデヒドクロライドを用いる反応により、次いでDBUにより、対応するα−ケトラクトン化合物Int-36に変換する工程。]
に示されるように処理操作することができる。
中間体化合物Int-25の、システイン誘導体Int-37を使用するET-743への変換は、システイン誘導体Int-29の場合と同様の方法及び同一の試薬を用いて(変換(f)及び(g)を例外として)行うことができる。一連の反応は、以下のスキームVII:
Figure 0005219323
に例示される。
これらの合成経路が、特に出発物質及び試薬の好適な変更によって容易に調整可能であり、様々な縮環系または様々な置換基を有する本発明の化合物が提供されることは、容易に認識されるであろう。
新規な活性化合物
我々は、本発明の化合物が、癌、例えば白血病、肺癌、結腸癌、腎臓癌、及び黒色腫の治療において活性を有することを見出した。
したがって、本発明は、癌に罹患したあらゆる哺乳類、とりわけヒトの治療方法を提供するが、該方法は、本発明の化合物、またはその製薬組成物の治療上の有効量を罹患した個人に投与する工程を含む。
本発明はまた、活性剤として本発明の化合物を含む製薬調剤、並びにこれらの調製方法にも関する。
製薬組成物の例には、経口、局所、非経口の投与に適した組成を有する、あらゆる固体(錠剤、ピル、カプセル、顆粒等)または液体(溶液、懸濁液、またはエマルジョン)が含まれ、これらは純粋化合物を含んでも、またはあらゆる担体もしくは別の薬理学的に活性な化合物との組み合わせを含んでもよい。これらの組成物は、非経口的に投与される際は、滅菌されていることが必要とされうる。
本発明の化合物または組成物の投与は、あらゆる好適な方法、例えば静脈輸液、経口調剤、腹腔内及び静脈内調剤等によって良い。輸液時間は24時間までとすることが好ましく、より好ましくは2乃至12時間、最も好ましくは2乃至6時間とする。輸液時間が短く、病院に一晩滞在せずに治療を実行可能なことが、特に望ましい。しかしながら、輸液は12乃至24時間に及び、必要に応じていっそう長くなりうる。輸液は、例えば2乃至4週間の適当な間隔で行っても良い。本発明の化合物を含む製薬組成物は、リポソームまたはナノスフェア被包によって、持続作用性製剤として、または別の標準的送達手段によって、送達されうる。
化合物の正確な用量は、特定の製剤、適用の様式、及び宿主及び治療しようとする腫瘍の特定の位置によって異なるであろう。年齢、体重、性別、食事、投与の時間、***の速度、宿主の状態、薬剤組み合わせ、反応感受性、及び当該疾患の深刻度等の別の要素も考慮されるであろう。投与は、最高耐量以内であれば連続的または定期的に実行可能である。
本発明の化合物及び組成物は、別の薬剤と共に使用して組み合わせ療法を提供してもよい。別の薬剤が同組成物の一部を形成しても、同時または別の時点での投与のための別個の組成物を提供してもよい。別の薬剤の同一性は、特に限定されず、好適な候補には、以下:
a)抗有糸***作用を有する薬剤、とりわけ細胞骨格成分をターゲットとするもの、微小管調節剤、例えばタキサン薬剤類(例えばタキソール、パクリタキセル、タキソテール、ドキセタキセル)、ポドフィロトキシン類、またはビンカアルカロイド類(ビンクリスチン、ビンブラスチン);
b)代謝拮抗剤、例えば5-フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、プリン類似体、例えばペントスタチン、メトトレキセート);
c)アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード(例えばシクロホスファミドまたはイホスファミド);
d)DNAをターゲットとする薬剤、例えばアントラサイクリン薬剤アドリアマイシン、ドキソルビシン、ファーモルビシン、またはエピルビシン;
e)トポイソメラーゼをターゲットとする薬剤、例えばエトポシド;
f)ホルモン及びホルモンアゴニストもしくはアンタゴニスト、例えばエストロゲン類、アンチエストロゲン類(タモキシフェン及び関連化合物)及びアンドロゲン類、フルタミド、ロイプロレリン、ゴセレリン、サイプロトロン、またはオクトレオチド;
g)抗体を含む、腫瘍細胞中におけるシグナル伝達をターゲットとする薬剤、例えばハーセプチン;
h)アルキル化剤、例えば白金剤類(cis-プラチン、カーボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン)、またはニトロソウレア類;
i)腫瘍の転移に作用する可能性のある薬剤、例えばマトリックスメタロプロテアーゼインヒビター類;
j)遺伝子治療及びアンチセンズ剤;
k)抗体療法;
l)海洋由来の別の生物活性化合物、とりわけジデミン(didemnins)類、例えばアプリジン;
m)ステロイド類似体、特にデキサタサゾン;
n)抗炎症剤、特にデキサメタゾン;更に
o)抗嘔吐剤、特にデキサメタゾン
が含まれる。
本発明はまた、治療方法における使用のための本発明の化合物、及び癌の治療のための組成物の調製における該化合物の使用にまで亘る。
細胞毒性活性
細胞培養。細胞は、Eagle´s Minimum Essential Medium中において増殖の対数期に維持したが、Earle´s Balanced Salts、2.0mMのL-グルタミン、可欠アミノ酸類を用い、重炭酸ナトリウム(EMEM/neaa)は用いずに、10%の子牛血清(FCS)、10-2M重炭酸ナトリウム、及び0.1g/lのペニシリン-G+ストレプトマイシンスルフェートを補足した。
これらの化合物の抗腫瘍活性を測定し、比較するために、Bergeronら(1984)により記載された方法の適合形態を用いて簡単なスクリーニング操作が行われた。使用された腫瘍細胞は、P-388(DBA/2マウス由来のリンパ新生物の懸濁培培養)、A-549(ヒトの肺癌の単一層培養)、HT-29(ヒトの結腸癌の単一層培養)、及びMEL-28(ヒトの黒色腫の単一層培養)である。
P-388細胞を、表示濃度の薬剤を含むMEM 5FCSのアリコート1ml中において、16mmウェル中に、ウェル毎に1×10セルにて接種した。薬剤を含まない培養の別のセットを、コントロール培養として接種し、細胞が増殖の対数期に維持されることを確認した。全ての測定は二重に行われた。37℃、10%CO、及び98%湿度の環境におけるインキュベート3日間の後、薬剤を含むウェル中における増殖をコントロールのウェル中における増殖と比較することによって、およそのIC50が測定された。
A-549、HT-29、及びMEL-28を、表示濃度の薬剤を含むMEM 10FCSのアリコート1ml中において、16mmウェル中に、ウェル毎に2×10セルにて接種した。薬剤を含まない培養の別のセットを、コントロール増殖として接種し、細胞が増殖の対数期に維持されることを確認した。全ての測定は二重に行われた。37℃、10%CO、及び98%湿度の環境におけるインキュベート3日間の後、前記ウェルを0.1%のクリスタルバイオレットで染色した。薬剤を含むウェル中における増殖をコントロールのウェル中における増殖と比較することによって、およそのIC50が測定された。
参考文献2
Figure 0005219323
本明細書中に記載された化合物の生物活性の例を、以下の表IV(IC50(ng/mL))に示す。
Figure 0005219323
Figure 0005219323

Figure 0005219323
Figure 0005219323
(実施例1)
方法A: アルゴン下にて、CH2Cl2中の無水トルエンと共に共蒸留した(coevaporated)1当量の1(25については23)の溶液(0.08M)に、1.2当量の無水物を加えた。反応をTLCで追跡し、酸又は塩基でクエンチし、CH2Cl2で抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、純粋化合物を得る。
[NMR1]
Figure 0005219323
Figure 0005219323
(実施例2)
方法B: アルゴン下にて、CH2Cl2中の無水トルエンと共に二度共蒸留した、1当量の1(2t及び9については2p、及び13e−fについては11)と1.5当量の酸との溶液(0.05M)に、2当量のDMAP及び2当量のEDC・HClを加えた。反応物を3時間30分間撹絆した。この時間経過後、CH2Cl2で希釈し、塩水で洗い、有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、純粋化合物を得る。
[NMR2]
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
(実施例3)
方法C: アルゴン下にて、CH2Cl2中の無水トルエンと共に二度共蒸留した、1当量の1の溶液(0.05M)に、1.05当量の無水フタル酸を加えた。30分後には反応物を0℃に冷却し、2.5当量のEt3N及び1.5当量のClCO2Etを加えた。5分後に反応物を室温に加温し、7時間撹拌した。その後これをCHICl2で希釈し、NaHCO3の飽和溶液で洗い、有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex/EtOAc、3:2)により、2dを85%収率で得る。
[NMR3]
Figure 0005219323
(実施例4)
方法D: アルゴン下にて、3:1のCH3CN/CH2Cl2中の1当量の1の溶液(0.025M)に、1当量のホルマリン溶液(37%)及び1当量のNaBH3CNを加えた。該溶液を室温にて30分間撹拌した。その後、2当量の酢酸を加え、橙黄色に変わった前記溶液を1時間30分間撹拌した。この時間経過後、反応混合物をCH2Cl2で希釈し、NaHCO3で中和し、CH2Cl2で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、純粋化合物を得る。
[NMR4]
Figure 0005219323
(実施例5)
方法E: アルゴン下にて、室温のCH2Cl2中の1当量の1(3q−rについて3p、3uについて3s、3xについて3v、13c、13h、13llについて11、及び26について24)の溶液(0.08M)に、1.1当量のピリジンを加えた。その後反応物を0℃に冷却し、1.1当量の酸塩化物を加えた。5分後に反応物を室温に加温し、45分間撹拌した。その後これをCH2Cl2で希釈し、NaClの飽和溶液で洗い、有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、純粋化合物を得る。
[NMR5]
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
(実施例6)
方法F: アルゴン下、室温の、DMF中の1当量の1の溶液(0.03M)に、0・9当量のCs2CO3と0.9当量のBnBrを加えた。2時間30分後に、1μLのAcOHで該反応をクエンチし、Hex/EtOAc(1:3)で希釈し、水で洗い、Hex/EtOAc(1:3)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、純粋化合物2nを得る。
[NMR6]
Figure 0005219323
(実施例7)
方法G: アルゴン下にて、5:4のCH3CN/CH2Cl2中の1当量の2a−n、2t、2w、2y、11、12*、13a−c、13e−f、13h、13ll、14a*、または7−9の溶液(0.026M)に、6当量のNaIと6当量の新たに蒸留したTMSClを加えた。20分後に該反応をNa224の飽和溶液でクエンチし、CH2Cl2で希釈し、Na224で三度洗うか、またはNaClで洗った。水相をCH2Cl2で抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、純粋化合物3a−n、3p、3s−t、3v−w、3y−z、15、16*、17a−c、17e−f、17h、17ll、18a*を得る。
[NMR7]
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
(実施例8)
方法H: アルゴン下、室温にて、CH3CN中の1当量の5の溶液(0.05M)に、アミン及び3当量のAcOHを加えた。40分後、1.5当量のNaBH3CNを加え、該溶液を40分間撹拌した。この時間経過後、反応混合物をCH2Cl2で希釈し、NaHCO3で中和し、CH2Cl2で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、純粋化合物を得る。
[NMR8]
Figure 0005219323
(実施例9)
方法I: 3:2のCH3CN/H2O中の、1当量の3b−i、3k−l、3q、3s、3u−v、3x−y、または15の溶液(0.009M)に、30当量のAgNO3を加えた。24時間後、塩水とNaHCO3との飽和溶液の1:1混合物で該反応をクエンチし、10分間撹拌し、希釈してCH2Cl2で抽出した。
有機相をNa2SO4で乾燥させた。クロマトグラフィーにより、純粋化合物4b−i、4k−l、4q、4s、4u−v、4x−y、または19を得る。
[NMR9]
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
(実施例10)
方法J: 4:1のTHF/H2O中、1当量の3a、3n−p、3r、3t、17a、17cc、17e−f、17h、17ll、または18a*の溶液(0.03M)に、5当量のCuBrを加えた。24時間後に反応物をCH2Cl2で希釈し、NaHCO3及び塩水の飽和溶液で洗い、有機相をNa2SO4で乾燥させた。クロマトグラフィーにより、純粋化合物4a、4n−p、4r、4t、21a、21c、21e−f、21h、21ll、または22a*を得る。
[NMR10]
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
Figure 0005219323
(実施例11)
方法K: 2:1:4のCH2Cl2/H2O/TFA中の7の溶液(0.013M)を、室温にて15分間撹絆した。その後反応物をCH2Cl2で希釈し、NaHCO3及びNa2CO3の飽和溶液で中和し、CH2Cl2で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(CH2C12/MeOH)により、純粋2pを得る。
[NMR11]
Figure 0005219323
(実施例12)
方法L: CH3CN中の10の溶液(0.03M)に、2当量のNaCNBH3と4当量のAcOHとを加えた。4時間後、反応物をCH2Cl2で希釈し、NaHCO3で中和し、CH2Cl2で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(Hex/EtOAc(2:1))により、純粋化合物を得る。
[NMR12]
Figure 0005219323
(実施例13)
方法M: アルゴン下にてCH2Cl2中、13a−bについては11、14*については12*を1当量含む溶液(0.1M)に、30当量のpyr.を加えた。その後反応物を0℃に冷却し、20当量の無水物と5当量のDMAPとを加えた。5分後に該反応物を室温に加温し、24時間撹拌した。この時間経過後、これをNaClでクエンチし、CH2Cl2で抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、純粋化合物を得る。
[NMR13]
Figure 0005219323
(実施例14)
化合物Int−14
Figure 0005219323
エタノール(200ml)中のInt-2(21.53g、39.17mmol)の溶液に、tert-ブトキシカルボニル無水物(7.7g、35.25mmol)を加え、混合物を7時間に亘り23℃にて撹拌した。その後、反応物を真空中にて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:酢酸エチル6:4)により精製し、Int-14(20.6g、81%)を黄色固体として得た。
[NMR14]
Figure 0005219323
(実施例15)
化合物Int-15
Figure 0005219323
CHCN(159ml)中のInt-14(20.6g、31.75mmol)の撹拌した溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(82.96ml、476.2mmol)、メトキシメチレンブロミド(25.9ml、317.5mmol)、及びジメチルアミノピリジン(155mg、1.27mmol)を0℃にて加えた。該混合物を23℃にて24時間撹拌した。反応を0℃にて水性0.1N HCl(750ml)(pH=5)でクエンチし、CHClで抽出した(400mlで二回)。有機相をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:酢酸エチル4:1からヘキサン:酢酸エチル3:2への傾斜にて)により精製し、Int-15(17.6g、83%)を黄色固体として得た。
[NMR15]
Figure 0005219323
(実施例16)
化合物Int-16
Figure 0005219323
メタノール(1.6l)中のInt-15(8g、1.5mmol)を仕込んだフラスコに、1Mの水酸化ナトリウムの水性溶液(3.2l)を0℃にて加えた。反応物をこの温度にて2時間撹拌し、その後6MのHClでクエンチしてpH=5とした。該混合物を酢酸エチルで抽出し(1lで三回)、混成有機相をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、CHClからCHCl:酢酸エチル2:1への傾斜にて)により精製し、Int-16(5.3mg、68%)を得た。
[NMR16]
Figure 0005219323
(実施例17)
化合物Int-17
Figure 0005219323
DMF(221ml)中、化合物Int-16(1.8g、2.64mmol)の脱気溶液に、10%のPd/C(360mg)を加え、H(常圧)下にて45分間撹拌した。反応物をアルゴン下にてセライトで濾過し、無水CsCO(2.58g、7.92mmol)を仕込んだフラスコに入れた。その後ブロモクロロメタン(3.40ml、52.8mmol)を加え、管を密閉して100℃にて2時間撹拌した。反応物を冷却し、セライトのパッドで濾過してCHClで洗った。有機相を濃縮し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、Int-17を褐色オイルとして得たが、これは更なる精製を行わずに次の工程に用いた。
[NMR17]
Figure 0005219323
(実施例18)
化合物Int-18
Figure 0005219323
DMF(13ml)中のInt-17(1.83g、2.65mmol)の溶液を仕込んだフラスコに、CsCO(2.6g、7.97mmol)及びアリルブロミド(1.15ml、13.28mmol)を0℃にて加えた。生じる混合物を23℃にて1時間撹拌した。反応物をセライトのパッドで濾過してCHClで洗った。有機相を乾燥(硫酸ナトリウム)させて濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、CHCl:酢酸エチル1:4)により精製し、Int-18(1.08mg、56%)を白色固体として得た。
[NMR18]
Figure 0005219323
(実施例19)
化合物Int-19
Figure 0005219323
ジオキサン(2ml)中、Int-18(0.1g、0.137mmol)の溶液に、4.2MのHCl/ジオキサン(1.46ml)を加え、該混合物を23℃にて1.2時間撹拌した。反応を0℃にて飽和の重炭酸ナトリウム水溶液(60ml)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(70mlで二回)。有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で濃縮し、Int-19(267mg、95%)を白色固体として得たが、これは更なる精製を行わずに後続の反応に用いた。
[NMR19]
Figure 0005219323
(実施例20)
化合物lnt-20
Figure 0005219323
CHCl(1.5ml)中のInt-19(250mg、0.42mmol)の溶液に、フェニルイソチオシアネート(0.3ml、2.51mmol)を加え、該混合物を23℃にて1時間撹拌した。反応物を真空下で濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサンからヘキサン:酢酸エチル5:1への傾斜にて)により精製し、Int-20(270mg、87%)を白色固体として得た。
[NMR20]
Figure 0005219323
(実施例21)
化合物Int-21
Figure 0005219323
ジオキサン(1ml)中のInt-20(270mg、0.37mmol)の溶液に、4.2NのHCl/ジオキサン(3.5ml)を加え、該反応物を23℃にて30分間撹拌した。その後酢酸エチル(20ml)及びHO(20ml)を加え、有機相をデカントした。水相を飽和重炭酸水素ナトリウム溶液(60ml)(pH=8)で0℃にて塩基性化させた後、CHClで抽出した(50mlで二回)。混成有機抽出物を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル:メタノール5:1)により精製し、Int-21(158mg、82%)を白色固体として得た。
[NMR21]
Figure 0005219323
(実施例22)
化合物Int-22
Figure 0005219323
CHCl(6.13ml)中のInt-21(0.64g、1.22mmol)の溶液に、ピリジン(0.104ml、1.28mmol)及び2,2,2-トリクロロエチルクロロホルメート(0.177ml、1.28mmol)を−10℃にて加えた。該混合物をこの温度で1時間撹拌した後、0.1NのHCl(10ml)の添加により反応をクエンチし、CHClで抽出した(10mlで二回)。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、(ヘキサン:酢酸エチル1:2)により精製し、Int-22(0.84g、98%)を白色発泡固体として得た。
[NMR22]
Figure 0005219323
(実施例23)
化合物Int-23
Figure 0005219323
CHCN(2.33ml)中のInt-22(0.32g、0.46mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.62ml、9.34mmol)、ブロモメチルメチルエーテル(0.57ml、7.0mmol)、及びジメチルアミノピリジン(6mg、0.046mmol)を0℃にて加えた。該混合物を30℃に10時間加熱した。その後、反応物をジクロロメタン(30ml)で希釈し、これをpH=5のHClの水性溶液(10ml)に注いだ。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去して残渣を得たが、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:酢酸エチル2:1)により精製し、Int-23(0.304g、88%)を白色発泡固体として得た。
[NMR23]
Figure 0005219323
(実施例24)
化合物Int-24
Figure 0005219323
90%の水性酢酸(4ml)中のInt-23(0.304g、0.41mmol)の懸濁液に、粉末亜鉛(0.2g、6.17mmol)を加え、反応物を23℃にて7時間撹拌した。混合物をセライトのパッドで濾過して、CHClで洗った。有機相を飽和重炭酸水素ナトリウム溶液(pH=9)(15ml)で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去してInt-24(0.191g、83%)を白色固体として得た。
[NMR24]
Figure 0005219323
(実施例25)
化合物Int-25
Figure 0005219323
O(0.7ml)及びTHF(0.7ml)中のInt-24(20mg、0.035mmol)の溶液に、NaNO(12mg、0.17mmol)及び90%の水性AcOH(0.06ml)を0℃にて加え、該混合物を0℃にて3時間撹拌した。CHCl(5ml)で希釈した後、有機相を水(1ml)で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:酢酸エチル2:1)により精製し、Int-25(9.8mg、50%)を白色固体として得た。
[NMR25]
Figure 0005219323
(実施例29)
化合物Int-29
Figure 0005219323
出発物質(2.0g、5.90mmol)を23℃にてTHF(40ml)中の水素化ナトリウム(354mg、8.86mmol)に加え、次いで懸濁液を23℃にてアリルクロロホルメート(1.135ml、8.25mmol)で処理し、その後3時間還流させた。該懸濁液を冷却し、濾過し、固体を酢酸エチル(100ml)で洗い、その後濾液を濃縮した。粗製のオイルをヘキサン(100ml)とすり混ぜ、4℃に一晩維持した。その後、溶媒をデカントし、明黄色のスラリーをCHCl(20ml)で処理し、ヘキサン(100ml)で沈殿させた。10分後、溶媒を再度デカントした。該操作を、白色固体が現れるまで繰り返した。白色固体を濾過して取り、乾燥させて化合物Int-29(1.80g、65%)を白色固体として得た。
[NMR26]
Figure 0005219323
(実施例30)
化合物Int-30
Figure 0005219323
化合物Int-25(585mg、1.03mmol)と化合物Int-29(1.47mg、3.11mmol)を無水トルエン(10mlを三回)と共沸させた。無水CHCl(40ml)中のInt-25とInt-29との溶液に、23℃にてDMAP(633mg、5.18mmol)及びEDC・HCl(994mg、5.18mmol)を加えた。反応混合物を23℃にて3時間撹拌した。混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(50ml)で分配したところ、相が分離した。水相をCHCl(50ml)で洗った。混成有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン1:3)により精製してInt-30(1.00g、95%)を暗いクリームイエローの固体として得た。
[NMR27]
Figure 0005219323
(実施例31)
化合物Int-31
Figure 0005219323
23℃の無水CHCl20ml中の、Int-30(845mg、0.82mmol)、酢酸(500mg、8.28mmol)、及び(PPhPdCl(29mg、0.04mmol)の溶液に、BuSnH(650mg、2.23mmol)を滴下した。反応混合物をこの温度で通気しつつ15分間撹拌した。粗製物を水(50ml)でクエンチし、CHClで抽出した(50mlを三回)。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、1:5乃至1:3の傾斜にて)により精製して、化合物Int-31(730mg、90%)を暗いクリームイエローの固体として得た。
[NMR28]
Figure 0005219323
(実施例32)
化合物Int-32
Figure 0005219323
−10℃の無水CHCl(15ml)中のInt-31(310mg、0.32mmol)の溶液に、カニューラから、温度を−10℃に維持しつつ、無水CHCl(7ml)中の無水ベンゼンセレニン酸70%の溶液(165mg、0.32mmol)を加えた。反応混合物を−10℃にて5分間撹拌した。重炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(30ml)をこの温度にて加えた。水相をさらなるCHCl(40ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンの1:5乃至1:1の傾斜にて)で精製し、Int-32(287mg、91%、HPLC:91.3%)を、暗いクリームイエローの固体として、また2つの異性体の混合物(65:35)として得た。これらを次の工程に用いた。
[NMR29]
Figure 0005219323
(実施例33)
化合物Int-33
Figure 0005219323
反応フラスコを二回火炎浄化し、数回真空/アルゴンパージし、反応のためにアルゴン雰囲気下に維持した。無水CHCl(4.5ml)中のDMSO(39.1ml、0.55mmol、5当量)の溶液に、無水トリフルオロメタンスルホン酸(37.3ml、0.22mmol、2当量)を−78℃にて滴下した。反応混合物を−78℃にて20分間撹拌し、その後無水CHCl中のInt-32(110mg、0.11mmol、HPLC:91.3%)の溶液(主たる添加のために1ml、及び洗浄のために0.5ml)を−78℃にてカニューラから加えた。添加の間、該温度はいずれのフラスコにおいても−78℃に維持され、色が黄色から褐色に変化した。反応混合物を−40℃にて35分間撹拌した。この時間に、該溶液は黄色から暗緑色に変化した。この時間の経過後、PrNEt(153ml、0.88mmol、8当量)を滴下し、反応混合物を0℃に45分間維持したところ、この時間中に該溶液の色は褐色に変化した。その後、t-ブタノール(41.6ml、0.44mmol、4当量)及び2-ブチル-1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(132.8ml、0.77ml、7当量)を滴下して、反応混合物を23℃にて40分間撹拌した。この時間経過後、無水酢酸(104.3ml、1.10mmol、10当量)を滴下し、該反応混合物をさらに1時間、23℃に維持した。反応混合物をCHCl(20ml)で希釈し、NHCl(50ml)、重炭酸水素ナトリウム(50ml)、及び塩化ナトリウム(50ml)の飽和水溶液で洗った。混成有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサンの1:3乃至1:2の傾斜にて)によって精製して、化合物Int-33(54mg、58%)を暗黄色固体として得た。
[NMR30]
Figure 0005219323
(実施例34)
化合物Int-34
Figure 0005219323
無水ジクロロメタン(1.2ml)及びHPLC等級のアセトニトリル(1.2ml)中のInt-33(12mg、0.014mmol)の溶液に、23℃にてヨウ化ナトリウム(21mg、0.14mmol)及び新たに蒸留した(常圧にて、水素化カルシウムを利用)トリメチルシリルクロライド(15.4mg、0.14mmol)を添加した。反応混合物は燈色になった。15分後、溶液をジクロロメタン(10ml)で希釈し、Naの新たに飽和させた水溶液で洗った(10mlで三回)。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。化合物Int-34(13mg、定量的)が暗黄色固体として得られ、これを更なる精製なしに用いた。
[NMR31]
Figure 0005219323
(実施例35)
化合物Int-35
Figure 0005219323
酢酸/HOの混合物(90:10、1ml)中のInt-34(13mg、0.016mmol)の溶液に、粉末亜鉛(5.3mg、0.081mmol)を23℃にて加えた。反応混合物を70℃に6時間加熱した。この時間経過後、23℃に冷却し、CHCl(20ml)で希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(15ml)及びEtNの水溶液(15ml)で洗った。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣をシリカ-NHを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサンの0:100乃至50:50の傾斜にて)によって精製し、化合物Int-35(68mg、二工程について77%)を暗黄色固体として得た。
[NMR32]
Figure 0005219323
(実施例36)
化合物Int-36
Figure 0005219323
無水DMF(5.8mL)中のN-メチルピリジン-4-カルボキサルデヒドヨーダイド(378mg、1.5mmol)の溶液を、無水トルエンで処理(10mLで二回)し、トルエンの共沸除去によって水を除去した。予め無水トルエンで処理(10mLで二回)した、無水CH2Cl2(CaH2を利用して蒸留、7.2mL)中の35(134mg、0.21mmol)の溶液をカニューラを通じて23℃にてこの橙色溶液に添加した。反応混合物を23℃にて4時間撹拌した。この時間経過後にDBU(32.2L、0.21mmol)を23℃にて滴下し、これを23℃にて15分間撹拌した。シュウ酸の飽和水溶液(5.8mL)を新たに反応混合物に加え、23℃にて30分間撹拌した。その後反応混合物を0℃に冷却し、NaHCO3を少量ずつ加え、次いでNaHCO3の飽和水溶液を加えた。該混合物をEt2Oで抽出した。K2CO3を水相に加え、これをEt2Oで抽出した。混成有機相をMgSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1/3乃至1/1のAcOEt/ヘキサン)により精製して、化合物36(77mg、57%)を暗黄色固体として得た。
[NMR33]
Figure 0005219323
主な参考文献
参考文献3
Figure 0005219323
Figure 0005219323

Claims (39)

  1. 下式:
    【化1】
    Figure 0005219323
    [式中、Rは、HまたはC(=O)R’であり、ここでR’はC-C12アルキルであり、RはC-C12アルキルであり;XはOX又はN(Xであり、ここで各Xは個別にH、C(=O)R’、無置換のC-C18アルキル、置換又は無置換のC-C18アルケニル、置換又は無置換のC-C18アルキニル、置換又は無置換のアリールであるか、あるいは2つのX基が共に窒素原子上に環状置換基を形成してもよく、あるいはXがOXである場合にはXがSOCHであり;あるいはN(XはNHCOアルキルCOOH、NHビオチン、NH(aa)においてaaが無置換のアミノ酸アシルであってyが1、2、3であるもの、保護NHCOCH(NH)CHSHであってNH及び/またはSHが保護されているもの、CFで置換されたNHCOアルケニルアリール、又はm-メトキシカルボニルベンゾイルNHであり;ここでN(XはNHではなく;
    各R’基は個別にH、OH、NO、NH、SH、CN、ハロゲン、C(=O)H、C(=O)CH、COH、C-C18アルキル、C-C18アルケニル、及びC-C18アルキニルからなる群より選択され、ここで各アルキル、アルケニル、及びアルキニル基は独立にハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アジド、C-Cアルカノイル、カルボキサミド、C-C12アルキル、C-C12アルケニル、C-C12アルキニル、C-C12アルコキシ、アリールオキシ、C-C12アルキルチオ、C-C12アルキルスルフィニル、C-C12アルキルスルホニル、6つ以上の炭素環原子を有する炭素環式アリール、及びアラルキルからなる群より選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;あるいは
    R’は無置換アリールであり;
    はOHまたはCNであり;
    は-H又はC-C18アルキルであり;
    はH及びC-C12アルキルから選択される]
    化合物。
  2. はC(=O)R’であり、ここでR’はC-C12アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 基がアセチルである、請求項2に記載の化合物。
  4. がメチルである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. がOHである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. がHである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. がH又はC1-4アルキルである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. がHである、請求項7に記載の化合物。
  9. 下式:
    【化2】
    Figure 0005219323
    [式中、置換基R、R、X、X、X、及びXは請求項1に定義される通りである]
    の、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. 一つのXが水素である、請求項9に記載の化合物。
  11. N(Xが-NHCOアルキルであって任意にハロ置換されたもの;-NHCOアルキルCOOH;保護-NHCOCH(NH)CHSHにおいてNH及び/又はSHが保護されたもの;-NHビオチン、-NHアリール;NH(aa)においてaaが無置換のアミノ酸アシルであってyが1、2、もしくは3であるもの;隣接窒素を有する基である二つのXから形成されるフタルイミド;-NH無置換アルキル;3-トリフルオロメチルで置換された-NHCOアルケニルアリールである、請求項9に記載の化合物。
  12. N(Xが、NHAc、NHCO(CHCOOH、NHCOCH(NHCOOCHCH=CH)CHS-9-フルオレニルメチル、NHCO(CHl4CH、NHCOCF、NHCO(CHCH、NHCOCHCH(CH、NHCO(CHCH、NHビオチン、NHCOPh、NHCOCH=CHPh、NHCOCH=CH-(p-FC)Ph、NHVal-NH、NHVal-Ala-NH、NHAla-NH、NHCOCH(NH)CHS-9-フルオレニルメチル、フタルイミド、NHCOPh-(m-COMe)、またはNMeである、請求項9に記載の化合物。
  13. 下式:
    【化3】
    Figure 0005219323
    [式中、置換基R、R、X、X、X、及びXは請求項1に定義される通りである]
    の、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の化合物。
  14. がHである、請求項13に記載の化合物。
  15. OXが、OH、OAc、OCOCF、OCOCHCHCH、OCO(CHCH、OCO(CH14CH、OCOCH=CHPh、又はOSOCHである、請求項13に記載の化合物。
  16. 下式(XVIIb):
    【化4】
    Figure 0005219323
    [式中、
    は、-OH又はアシルオキシであり;
    が-OCH、Rが-OHであるか、又はR及びRが共に-O-CH-O-基を形成し;
    14a及びR14bはいずれも-Hであり;
    15は、-Hであり;
    21は、-OH又は-CNであり;
    及びRが共に下式(VIa)又は(VIb):
    【化5】
    Figure 0005219323
    の基を形成し、
    式(VIa)の-NH基及び式(VIb)の-OH基が式-CO-Rのアシル基でアシル化され、ここでRは、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、又は複素環から選択され、それぞれがハロ、シアノ、ニトロ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環、複素環オキシ、アルキル、又はNHで任意に置換されているか;又はCORは無置換アミノ酸であり、または
    式(VIa)の-NH基及び式(VIb)の-OH基が誘導化され、(VIa)の-CHNH基が-CHNHX基もしくは-CHN(X基によって置換されるか、又は(VIb)の-CHOH基がCHOXによって置換され、Xが請求項1乃至15のいずれか一項に定義される通りである誘導体化合物を供する]
    の化合物;または
    -NCH基が12位において-NH-または-NCHCH-によって置換された誘導体
    (N-アセチルエクチナサイジン597を除く)。
  17. が、その炭素原子が上限4つのアシルオキシである、請求項16に記載の化合物。
  18. が、アセチルオキシである、請求項17に記載の化合物。
  19. 及びRが共に-O-CH-O-基を形成する、請求項16乃至18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. アシル基が、式-CO-Rのものであり、ここでRが、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、又は複素環であり、それぞれがハロ、シアノ、ニトロ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環、複素環オキシ、アルキル、又はNHで任意に置換されているか;又はCORが無置換アミノ酸である、請求項16に記載の化合物。
  21. 基が、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、アリールアルケニル、ハロアルキルアリールアルケニル、アリールアルキル、またはアルケニルであるか、又はCORが無置換アミノ酸である、請求項20に記載の化合物。
  22. -CO-が、アセチル、トリフルオロアセチル、イソバレリル、トランス-3-(トリフルオロメチル)シンナモイル、ヘプタフルオロブチリル、デカノイル、トランス-シンナモイル、ブチリル、3-クロロプロピオニル、シンナモイル、4-メチルシンナモイル、ヒドロシンナモイル、トランスヘキセノイル、アラニル、アルギニル、アスパルチル、アスパラギル、シスチル、グルタミル、グルタミニル、グリシル、ヒスチジル、ヒドロキシプロリル、イソロイシル、ロイシル、リシル、メチオニル、フェニルアラニル、プロリル、セリル、スレオニル、チロニル、トリプトフィル、チロシル、バリル、又はフタルイミドである、請求項20に記載の化合物。
  23. -CO-Rが、無置換アミノ酸から誘導化される、請求項20乃至22のいずれか一項に記載の化合物。
  24. O-アシル誘導体が脂肪族O-アシル誘導体である、請求項16乃至19のいずれか一項に記載の化合物。
  25. 式(XVIII):
    【化6】
    Figure 0005219323
    [式中、R21は、-OH又は-CNであり、R及びRが式(VIa又はVIb):
    【化7】
    Figure 0005219323
    の基を形成し、
    式(VIa)の-NH基及び式(VIb)の-OH基が式-CO-Rのアシル基でアシル化され、ここでRは、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、又は複素環から選択され、それぞれがハロ、シアノ、ニトロ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環、複素環オキシ、アルキル、又はNHで任意に置換されているか;又はCORは無置換アミノ酸である]
    に表される、請求項16乃至24のいずれか一項に記載の化合物。
  26. 下式:
    【化8a】
    Figure 0005219323
    【化8b】
    Figure 0005219323
    【化8c】
    Figure 0005219323
    【化8d】
    Figure 0005219323
    【化8e】
    Figure 0005219323
    【化8f】
    Figure 0005219323
    【化8g】
    Figure 0005219323
    【化8h】
    Figure 0005219323
    【化8i】
    Figure 0005219323
    【化8j】
    Figure 0005219323
    【化8k】
    Figure 0005219323
    【化8l】
    Figure 0005219323
    【化8m】
    Figure 0005219323
    【化8n】
    Figure 0005219323
    【化8o】
    Figure 0005219323
    【化8p】
    Figure 0005219323
    の化合物。
  27. 式(4b):
    【化9】
    Figure 0005219323
    の化合物。
  28. 式(4h):
    【化10】
    Figure 0005219323
    の化合物。
  29. 式(4p):
    【化11】
    Figure 0005219323
    の化合物。
  30. 式(XVIIb):
    【化12】
    Figure 0005219323
    [式中、R及びRが共に式(VIa)又は(VIb):
    【化13】
    Figure 0005219323
    の基を形成し、
    式(VIa)の-CHNH基が-CHNHX基または-CHN(X基によって置換され、式(VIb)の−CHOH基がCHOX基によって置換され;各Xが個別に無置換のアリールアシルであるか又は置換もしくは無置換の複素環アシルであり;
    は、-OH又はO-アシルであり、アシル基が式-CO-Rのものであって、ここでRはアルキルであり;
    が-OCH、Rが-OHであるか、又はR及びRが共に-O-CH-O-基を形成し;
    14a及びR14bはいずれも-Hであり;
    15は、-Hであり;
    21は、-OH又は-CNである]
    の化合物、または12位の-NCH-が-NH-又は-NCHCH-で置換されている誘導体。
  31. 及びRが共にO-CH-O-基を形成する、請求項30に記載の化合物。
  32. 複素環アシルが、芳香族複素環アシルである、請求項30乃至31のいずれか一項に記載の化合物。
  33. 置換又は無置換の複素環アシルの複素環基が、芳香族複素環基、部分的に飽和した複素環基、又は完全に飽和した複素環基である、請求項30乃至32のいずれか一項に記載の化合物。
  34. 製薬品として許容される担体又は希釈剤と共に請求項1乃至33のいずれか一項に記載の化合物を含む製薬組成物。
  35. 腫瘍の治療のための製薬組成物の調製における、請求項1乃至33のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  36. 請求項1乃至33のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、前記化合物の有効量のこれを必要とする患者への投与を含む腫瘍の治療のための医薬品の製造における使用。
  37. 前記治療対象が白血病、肺ガン、大腸癌、又は黒色腫から選択される、請求項35または36に記載の使用。
  38. 前記腫瘍の治療が、別の薬剤との組み合わせである、請求項35乃至37のいずれか一項に記載の使用。
  39. 前記別の薬剤が、タキソール、パクリタキセル、タキソテール、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、5-フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、ペントスタチン、メトトレキサート、シクロホスファミド、イホスファミド、アドリアマイシン、ドキソルビシン、ファーモルビシン、エピルビシン、エトポシド、タモキシフェン、フルタミド、ロイプロレリン、ゴセレリン、サイプロトロン、オクトレオチド、ハーセプチン、cis-プラチン、カーボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン、アプリジン、又はデキサメタゾンからなる群より選択される、請求項38に記載の使用。

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