JP5216701B2 - ボトム衣類 - Google Patents

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Description

本発明は、ボトム衣類に関し、特に、保湿機能をヒップ側に備え、肌修復作用のある成長ホルモン分泌が活発になる就寝時に着用してヒップ側の肌ケア及びたるみ防止を図るものである。
たるみのない若々しいヒップを保持したい要望が強く、運動等でヒップの筋力を鍛えたり、ボディケア製品を使用するなどの努力をしている女性が多い。しかしながら、これらの努力は時間や体力を要し、長続きしないことも多いため、手軽なケア方法が求められている。
ヒップのたるみは、筋力のたるみと肌のたるみの両面に起因している。肌のたるみは、加齢による肌の角質水分量の低下による肌の乾燥や皮膚損傷に起因するところが大きい。特に、ヒップ部分は、日常生活の動作、例えば着座時や歩行時に皮膚伸展が大きくなる。また、前記動作時および就寝時も常時ショーツと接触しているため、ショーツとの間に摩擦が発生し、かつ、ショーツから圧迫を受ける場合もあり、皮膚損傷が発生しやすい。
このように、ヒップは皮膚伸展やショーツとの接触で、皮膚表面の損傷が発生し易く、肌のバリア機能が損なわれやすい。バリア機能が損なわれると、さらに皮膚乾燥が進んで皮膚表面はダメージを深く受けやすくなる悪循環が生じる。よって、皮膚損傷と肌乾燥によって肌弾力性は益々失われ、たるみが一層進行することになる。よって、皮膚損傷を受けやすいヒップのたるみを防止するには、ヒップの肌を乾燥から守る必要がある。
ヒップなどの肌に直接触れる肌着に関して、従来、保湿成分を配合した繊維を用いる、あるいは、通気性が無い、または通気性が低い生地を用いる等の手法により保湿機能を高めたものが提案されている。
例えば、特開2004−143604号(特許文献1)では、ショーツのマチ部分、またはショーツの全体に、保湿機能を持った保湿糸を使用することが提案されている。この保湿機能を持った保湿糸の例としては、スクワラン、コラーゲン、アロエエキスなどの天然保湿成分を配合したセルロース生成繊維を原料とした糸が挙げられている。
また、肌ケアよりも新陳代謝促進を目的としたものではあるが、特開2006−132032号(特許文献2)では、生地の裏側に通気遮断層を部分的に形成することが提案されており、図8に示すボトムスパッツ1では、前身頃2の腹部4を構成する生地の裏面、および後身頃3の脚部5を構成する生地の裏面に、それぞれシート状のゴム状弾性体を接合して通気遮断層6、7を部分的に形成している。
しかしながら、これら従来の手法でヒップ部分の保湿効果を高めると、ヒップを覆う部分の通気性が全面的に遮断される、あるいは低くなるため、ムレ等による不快感が発生する問題がある。また、ヒップの肌ケアにおいて、ショーツのマチ部分だけの保湿機能を高めても足りないことは明らかである一方、ヒップ全体を全面的に保湿する必要があるかも疑問であり、不必要に広範囲の通気性を低くすると着用時の不快感を高める虞れがある。
特開2004−143604号公報 特開2006−132032号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、ヒップ部分のうち、肌ケアを必要とする部分に対して優れた保湿性を有し、ヒップのたるみ予防機能を備えると共に、着用時のムレを防いで不快感を解消できるショーツ等のボトム衣類の提供を課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、背面側において、ヒップ膨出部の下部の臀溝に当たる部分と、ヒップ膨出部の上部のウエストラインから臍高さ位置との間に当たる部分とに、低通気性を保持する保湿布を本体布に当て布として取り付け、本体布と別の布に切り替えて取り付け、あるいは編み構造を変えて低通気性の保湿布となる部分を設けていることを特徴とするボトム衣類を提供している。
本発明者は、ヒップ部分のうち保湿ケアの必要性が高い部分、即ち、皮膚損傷が大きい部分を特定すべく、肌のキメ状態、動作による皮膚伸展率、角質水分量の3項目に着目して、モニターから各種データを採取し、鋭意研究を重ねた。
まず、肌のキメ状態(細かさ、均一性)については、ヒップが比較的たるんでいるモニターを選定し、該モニターのヒップの複数個所を測定した。測定箇所は、図6に示すように(1)〜(13)の13箇所である。
詳しくは、(1)〜(6)はヒップトップ部位と上下方向に略同一ライン上にあり、上から順番にウエストライン部位(l)、臍高さ部位(2)、腸棘高さ内側部位(3)、ヒップトップ部位(4)、ヒップ下部(5)(ヒップトップ位置と臀溝の中間点)、臀溝部(6)の各部位とした。前記腸棘高さ内側部位(3)から最外側の腸棘部位(12)に向かってやや外側の部位を(7)、さらに外側寄りの部位を(10)、前記ヒップトップ部位(4)から最外側の大転子部位(13)に向かってやや外側の部位を(8)、さらに外側寄りの部位を(11)とし、臀溝部(6)の斜め上方外側の部位を(9)とした。
キメ状態の測定には、モリテックス社製の「エチュード」を用い、キメ細かさについては、皮膚の交差する点の数を画像解析し、キメの均一性については、皮溝の流れ方向を画像解析し、一定方向に多く流れていれば均一性が低いと判断した。
その結果、ヒップにたるみのある人は、ヒップ膨出部の上部に当たるウエストライン部位(1)、臍高さ部位(2)、腸棘高さ内側部(3)、臀溝部(6)、ヒップトップ部位(4)から最外側の大転子部位(13)に向かってやや外側の部位(8)、ヒップトップ外側部(11)、腸棘部位(12)でキメ状態の細かさが良くないことが分かった。
さらに、臍高さ部位(2)、ヒップ下部(5)、臀溝部(6)、臀溝の斜め上方外側部(9)についてはキメ状態の均一性が良くないことが分かった。
下記の表1に、キメ均一性が高い、もしくはキメが細かい部位に「○」、キメ均一性が低い、もしくはキメが細かくない部位に「×」を付けて示している。
前記動作による皮膚伸展率は、図5に示すように、モニターのヒップの各部位、即ち、イ)ウエストライン位置から腸棘高さ位置のやや下方までのヒップ上部、口)ヒップトップ近傍、ハ)ヒップ下部(ヒップトップ位置と臀溝の中間点)、ニ)臀溝近傍の4部位について、通常の立位姿勢で肌にマーキングを行った後、片足上げ時と前屈時のそれぞれの皮膚伸展率を測定した。
その結果、ロ)ヒップトップ近傍では伸展率が130%以下であったのに対し、イ)ヒップ上部および、ハ)ヒップ下部では伸展率が130%〜150%、ニ)臀溝近傍では伸展率が150%以上となり、ヒップ膨出部の上部と下部、特に、下部の臀溝部分で皮膚伸展率が大きいことが分かった。
下記の表1に、皮膚伸展率130%の部位に「○」、皮膚伸展率130%〜150%の部位に「×」、皮膚伸展率150%超の部位に「××」を付けて示した。
前記角質水分量については、ヒップがたるんでいるモニターを選定し、該モニターのヒップトップ部位(4)、ヒップ下部(5)、臀溝部(6)、腸棘高さ外側部(7)−(10)、臀溝の斜め上方外側部(9)の角質水分量を測定した。
測定には、インテグラル社製の「コルネオメータ」を用い、肌に電流を流してその静電容量から水分量を測定した。
その結果、ヒップにたるみのある人は、臀溝部(6)と腸棘高さ外側部(7)−(10)の角質水分量が低いことが分かった。下記の表1には、角質水分量が多い部位に「○」、角質水分量が少ない部位に「×」を付けて示した。
前記各部位(1)〜(13)について、キメ状態、皮膚伸展、角質水分量の3項目の測定結果と、これらの評価を表1に示した。評価は、キメ状態の測定結果でキメ細かさとキメ均一性の両方が「×」の部位を肌ケア最重要部位として「★★」で表し、キメ細かさとキメ均一性のどちらか1つに「×」がついた部位を肌ケア主要部位として「★」で表した。
Figure 0005216701
なお、ヒップにたるみのあるモニターの選定は、ドイツc+k社製の装置「キュートメータ575」を用い、皮膚を吸引、開放し、皮膚の高さを光センサーで測定することによってヒップの肌弾力を測定して判断した。
以上の調査、分析の結果、図7に示すように、肌ケア最重要部位はヒップ膨出部の上部のウエストラインから臍高さ位置との間の部位と、ヒップ膨出部の下部、即ち臀溝に当たる部位であること、および、その他の部位についてはさほど保湿する必要がないことを見出した。
前記調査、分析の結果に基づいて、前記した構成からなる本発明のボトム衣類を提供している。
即ち、本発明のボトム衣類は、ヒップ膨出部の下部の臀溝に当たる部分と、ヒップ膨出部の上部のウエストラインから臍高さ位置との間に当たる部分とに保湿布を配置することにより、ヒップ部分のうち特に皮膚損傷を受けやすい部分の肌ケアを効果的に行うことができるため、着用者のヒップの肌弾力を高めることができ、ヒップラインのたるみ変形を防ぐことができる。また、他の部分の通気性を確保できることにより、着用時のムレを防ぐことができる。よって、保湿による肌ケアとムレのない良好な着用感とをバランスよく両立させることができる。
前記保湿布を、更に、ヒップ膨出部を囲む外周部に配置し、前記ヒップ膨出部の下部および上部に配置する保湿布と連続させ、上端縁はウエストライン、左右両端縁は両側脇線ライン、下端中央部は股部上端位置、下端両側縁は脚の付け根ラインに当たる臀溝、具体的には、臀溝より3〜7cm下に沿わせ、臀裂を含めて左右のヒップ膨出部に当たる背面側中央部を囲むように配置してもよい。ここで、下端両側縁を臀溝より3〜7cm下に沿わせているのは、通常立位時に臀溝に該当するボトム衣類の位置が、着座時や歩行時に皮膚伸展が大きくなった場合には、5cm程度ずれるためであり、サイズ展開も考慮し、3〜7cm下にとしている。
このように、背面側中央部を囲むように保湿布を配置することにより、図7中破線で示すように、肌ケア最重要部位のみでなく肌ケア主要部位も保湿することができ、キメが良好でない部位、あるいは角質水分量が低い部位もケアすることができる。また、ヒップ膨出部の外側(脇側)を保湿することにより、このヒップ膨出部の外側部分の肌のたるみを防ぐことができるため、特に、うつ伏せ寝の習慣がある人のヒップが外側に流れてヒップラインが崩れることを防止できる。
前記保湿布が配置されている部分のボトム衣類の通気量は24cm/cm・S以下で13cm/cm・S以上とし、前記保湿布を取り付けていない部分の本体布の通気量は24cm/cm・Sを超えるものとしていることが好ましい。
これは、保湿布が配置される部分の通気量が13cm/cm・S以下になると、該保湿布で覆われた皮膚に対する保湿機能が高すぎてムレなどの不快感が発生し、24cm/cm・Sを超えると保湿機能が低すぎて肌ケア効果を十分に発現できないことに因る。また、保湿布を取り付けていない部分の本体布について通気量を24cm/cm・S超とするのは、24cm/cm・S以下とすると、ボトム衣類全体の通気性が悪化するため、全体にムレやすく、着用感が悪くなることに因る。
本発明のボトム衣類は、ショートタイプまたはロングタイプのショーツとして好適に用いられ、臀部の皮膚表面への保湿用ジェルの塗布部分を前記保湿布で覆うものとすることが好ましい。
このように保湿用ジェルを塗布すると、該保湿用ジェルが保湿布によってラップされた状態となり、密封性を高めることができる。よって、保湿ジェルの有効成分の肌への浸透力も高まり、優れた肌ケア効果を得ることができる。
前記肌ケアの効果は、本発明者が研究過程で行った下記のモニターによる実験から裏付けられている。
該モニター実験は、ボトム衣類の背面側左半分のみ、即ち、ヒップ膨出部の上部左側から左側部、下部左側にかけて半円環状に保湿布を取り付け、該ボトム衣類を用いて左側ヒップのみを保湿用ジェルと保湿布とで覆うラップケアを8名のモニターが3週間行った。
3週間後、インテグラル社製の「コルネオメータ」を用いて前述の方法でケア部分の角質水分量を測定すると共に、モリテックス社製の「エチュード」を用いて前述の方法でケア部分のキメ状態を測定し、ドイツc+k社製の「キュートメータ575」を用いて前述の方法で肌弾力を測定した。また、「若々しくなった感じ」「潤い感」「キメ整い感」「肌弾力感」の4点についてモニターによる主観評価を行った。
前記各種測定の結果、ケアを行わなかった右ヒップについては、キメ状態、角質水分量、肌弾力のいずれも向上しなかったのに対し、3週間の前記ラップケアを行った左ヒップは、8名中6名の角質水分量が向上し、8名中6名のキメ状態が向上し、8名中4名の肌弾力が向上した。
また、主観評価については、8名中8名が若々しくなったと実感し、8名中8名が潤い感を実感し、8名中7名がキメ整い感を実感し、8名中6名が肌弾力感を実感したと評価した。
なお、本発明のボトム衣類は、ナイト用ブラジャーと連続させた形態としてもよい。
この場合、バストのたるみが発生し易い箇所に当たる部分に保湿布を配置し、肌に密着させる構成とする。バストにも保湿用ジェルを塗布して保湿布で囲むと、バストの肌を若々しい張りのあるものに保つことができる。
上述したように、本発明によれば、各種測定結果に基づいて、ヒップのうち肌ケア最重要部位および肌ケア主要部位と、肌ケアをさほど必要としない部位とを区別し、肌ケア最重要部位であるヒップ膨出部の上部と下部にのみ保湿布を配置することにより、あるいは、肌ケア主要部位も含むように背面側中央部を囲む部位にのみ保湿布を配置することにより、ヒップの乾燥やたるみを効果的に防止できると共に、着用時のムレを防いで着用感を良好なものとすることができる。
また、前記保湿布を取り付けた部分のボトム衣類の通気量を24cm/cm・S以下で13cm/cm・S以上とすると、保湿機能が高すぎてムレなどの不快感が発生することを防ぐ一方、保湿機能が低すぎて肌ケア効果を十分に発現できなくなることも防止できる。さらに、前記保湿布を取り付けていない部分の本体布の通気量を24cm/cm・Sを超えるものとすることにより、ボトム衣類全体の通気性が悪化してムレやすくなることを防止できる。
本発明の第一実施形態に係るロングショーツの着用時の状態を示し、(A)は正面側の斜視図、(B)は背面側の斜視図である。 図1に示すロングショーツの裏面側を示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。 第二実施形態に係るショートショーツを示し、(A)は正面側の斜視図、(B)は背面側の斜視図である。 第三実施形態に係るロングショーツの裏面側の背面図である。 皮膚伸展率の測定部位を説明する図である。 肌のキメ状態および角質水分量を測定する部位を説明する図である。 総合評価をヒップ側の各部位(右半分)に書き込んだ図である。 従来例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1および図2に、本発明のボトム衣類の一種である第一実施形態に係るロングショーツ10−1を示す。
ロングシヨーツ10−1は、本体布11の背面側の肌側に保湿布18を当て布として取り付けている。
前記本体布11は、図1(A)(B)に示すように、正面側中央部に配置される前中央布12と、一対の左右本体布13と、背面側中央部に配置される後中央布14と、該後中央布14を囲むように臀部外周部に配置される臀部外周布15と、クロッチ布16とからなる。本体布11はいずれの部位も通気量が24cm/cm・Sを超えるベア天竺で形成している。
前記前中央布12は、図1(A)に示すように、ウエストライン近傍の上端位置からクロッチ布16の前端に至る位置までに配置し、左右両端を下向きに帽狭となるように傾斜させた逆台形状としている。
左右本体布13は、図1(A)(B)に示すように、ウエスト近傍の上端位置から下端は大腿部を囲む脚裾周りまで達する前身頃部13Aと後身頃部13Bを連続させている。股部よりも上側部分では、前記前中央布12の左右両端から脇側にかけての外腹部分を覆い、股部より下側部分では大腿部上部の全周を囲んでいる。
具体的には、左右本体布13の前側端縁は、股部より上側部分で、前記前中央布12の左右両端の傾斜に対応するように脇側から股側に向けて下向き傾斜した後、脚裾周りに向けて大腿部内側を垂下している。左右本体布13の後側端縁は、ウエストライン位置から前記臀部外周布15の外周縁15cに沿って円弧状に垂下し、股部でクロッチ布16の両側縁に沿って該クロッチ布16の前端まで達した後、脚裾周りに向けて大腿部内側を垂下している。
前記後中央布14は、図1(B)に示すように、略半円形状の一対の左右布14a、14bを後中央で縫着して略円形状としている。該後中央布14は、臀裂を含む左右のヒップ膨出部のうち、左右へはヒップトップ位置近傍まで、下方へはヒップ下部、即ちヒップトップ位置と臀溝の略中間点まで、上方は臍高さ位置近傍までを覆う範囲に配置している。
前記臀部外周布15は、一対の左右布15a、15bを後中央で縫着し、後述の保湿布18と同一形状として同一部位に配置している。
前記クロッチ布16は、股部を形成し、その裏面側には綿素材からなる股部当て布17を取り付けている。
前記左右本体布13の前側端縁のうち、上側部分は前中央布12の左右両側縁と縫着し、下側部分は左右本体布13の後側端縁の下側部分と縫着して左右の脚周り部分を形成し、脚裾周りでは折り返して端始末している。左右本体布13の後側端縁の上側部分は、臀部外周布15の外周縁15cと縫着した後、股部でクロッチ布16の左右両側縁の前側部分と縫着している。臀部外周布15の肌側には前記保湿布18を重ね、外周縁15cと内周縁15dとで互いを縫着して固定し、この臀部外周布15(および保湿布18)の内周縁15dには前記後中央布14の外周縁を縫着している。クロッチ布16の左右両側縁の後側部分から後端縁にかけては、臀部外周布15の下端中央部と縫着し、クロッチ布16の前端縁は前中央布12の下端縁と縫着している。また、前中央布12、左右本体布13、臀部外周布15および保湿布18で形成されるウエスト周り上端には、裏面側に伸縮ゴム19を縫着している。
前記保湿布18は、図2(B)に示すように、高密度ベア天竺素材からなる一対の左右布18a、18bを後中央で縫着してなる。該保湿布18は、図1(B)にも示すように、臀裂を含む左右のヒップ膨出部の中央部分を除き、該中央部分を囲む外周部に配置され、ヒップ膨出部の下部の臀溝にあたる部分と、ヒップ膨出部の上部のウエストラインから臍高さ位置の間に当たる部分と、ヒップ膨出部の左右両側に当たる部分を連続一体の略ドーナツ状に覆っている。
詳しくは、保湿布18の外周縁は、図2(A)(B)に示すように、上端縁18cをウエストラインに沿わせている。左右両端縁18dを、左右脇線に達しながら臀部外周のやや外側を円弧状に沿わせている。下端両側縁18eを臀溝より3〜7cm下に沿わせている。下端中央部18fを前紀クロッチ布16の後端に沿わせている。また、保湿布18の内周縁は上端縁18gを臍高さ位置に沿わせている。左右両側縁18hはヒップトップ位置近傍を通過させ、下端縁18iはヒップ下部、即ち、ヒップトップ高さと臀溝の略中間高さを通過させている。
前記保湿布18の通気量は、該保湿布18が配置されている部分のショーツ10−1の通気量、即ち、保湿布18と臀部外周布15とが重なっている部分の通気量が、24cm/cm・S以下で13cm/cm・S以上に設定している。
前記のように、ロングショーツ10−1は、皮膚損傷を受けやすいうえ肌が乾燥しやすいことから肌ケアが最も求められる部位に、通気量が低い保湿布18をそれぞれ肌側に配置している。即ち、ヒップ膨出部の下部の臀溝にあたる部分と、ヒップ膨出部の上部のウエストラインから臍高さ位置までの間に当たる部分と、肌ケアが比較的求められる部位であるヒップ膨出部の左右両側部分に、前記通気量が低い保湿布18をそれぞれ肌側に配置している。
よって、前記図7に示す部位(4)、(7)−(10)、(13)の部位以外に保湿布を設ければ良いが、部位(3)と(8)に保湿布を設けると臀部の丸みがつぶれる恐れがあるため保湿布を設けていない。また、前記部位(7)−(10)は水分量が前記測定で「×」であったため保湿布を設けている。
これにより、当該部分の肌の潤いを保つことができる。よって、就寝中、着席時、運動時などに起きる皮膚伸展や摩擦などの皮膚ダメージを低減できると共に肌弾力も高めることができるため、ヒップのたるみ変形を効果的に防ぐことができる。
また、前記保湿布18の配置領域を、肌ケアが求められる前記部位に限定し、肌ケアをそれほど必要としない部位、すなわち、背面側中央部、前身頃側、脚周りは、通気量が24cm/cm・Sを超える本体布11のみで覆われる構成としている。これにより、ヒップに対する必要な肌ケア機能を備える一方、不要な保湿機能を削ぎ落とし、ムレによる不快感を効果的に防止することができる。
さらに、前記保湿布18が配置されている部分のショーツ10−1の通気量を、24cm/cm・S以下、13cm/cm・S以上に設定しているため、保湿布18で覆われる部分についても保湿とムレ防止をバランスよく両立させることができる。
さらにまた、前記保湿布18は、肌ケア最重要部位であるヒップ膨出部の上部と下部のみでなく、肌ケアが比較的重要な部位であるヒップ膨出部の左右両側部にも配置しているため、該ヒップ膨出部の左右両側部分の肌弾力を保つことができ、ヒップ膨出部を左右両側からサポートする作用が生じる。これにより、特にうつ伏せ寝の際にヒップ膨出部の肉が左右両側に流れてたるみ変形することを防ぐことができる。
図3(A)(B)に、本発明の第二実施形態に係るショートタイプのショーツ10−2を示す。
前記第一実施形態との相違点は、左右本体布13の下端を両脚繰りに沿った位置とし、左右本体布13の下端縁とクロッチ布16の左右両側縁で左右の脚繰り周縁を形成している。その他の構成は前記第一実施形態と同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
図4に、本発明の第三実施形態に係るロングショーツ10−3を示す。
本実施形態は、前記第一実施形態と異なり、ヒップ膨出部の下部の臀溝に当たる部分と、ヒップ膨出部の上部のウエストライン位置から臍高さ位置の間に当たる部分のみに保湿布を配置すると共に、ヒップ膨出部の下部を覆う下部保湿布18−1と、ヒップ膨出部の上部を覆う上部保湿布18−2とを分離して別体としている。また、後中央布14を用いず、左右本体布13を背面側中央部の臀裂に当たる位置まで延在して後中央で縫着している。その他の構成は前記第一実施形態と同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、ヒップ膨出部の左右両側部を保湿布で覆わないが、本発明者の前記研究結果に基づき肌ケアを最も必要とする最重要部位を保湿布18−1、18−2で覆うことができるため、保湿によるヒップのたるみ防止効果は十分に得ることができる。また、保湿布で覆う範囲を最小領域に狭めることができるため、不快なムレを一層防ぎ、快適な着用感を得ることができる。
前記第一〜第三実施形態では、保湿布を本体布に当て布として取り付けているが、第四実施形態では、保湿布の取付部分に本体布を設けず、本体布より低通気性の別布からなる保湿布を切り替えて取り付け、保湿布と本体布との接合部を縫着あるいは融着している。
該保湿布の取付部分は前記第一〜第三実施形態と同様な部分であるため、図示を省略する。該別布からなる保湿布の通気量は24cm/cm・S以下、13cm/cm・S以上に設定している。
さらに、第五実施形態では、保湿布は本体布と別体とせず、編み密度を細かくして低通気性としている。即ち、第一〜第三実施形態において保湿布を取り付けている部分は編み密度を変えて細かくし、通気量は24cm/cm・S以下、13cm/cm・S以上に設定している。
(実施例)
本発明の実施例1〜3と比較例1〜3について詳述する。
実施例1〜3と比較例1〜3は、前記第一実施形態と同一形状で本体布11をベア天竺で形成したロングショーツからなる。実施例1〜3および比較例1、2は、第一実施形態と同じように臀部外周布15の肌側に保湿布を重ねて取り付けている。
通気量の測定は、カトーテック株式会社製「KES−F8−AP1」を用い、KES法にて通気抵抗を測定し、その測定値を変換して通気量を求めた。
(実施例1)
保湿布として高密度ベア天竺素材からなる生地を用い、該保湿布をその表側が肌側となるように1枚取り付けて、この保湿布を取り付けた部分のボトム衣類の通気量を13cm/cm・Sに設定した。
(実施例2)
保湿布として高密度ベア天竺素材からなる生地を用い、該保湿布をその裏側が肌側となるように1枚取り付けて、この保湿布を取り付けた部分のボトム衣類の通気量を18cm/cm・Sに設定した。
(実施例3)
保湿布には本体素材と同じベア天竺からなる生地を用い、該保湿布を1枚取り付けて、この保湿布を取り付けた部分のボトム衣類の通気量を24cm/cm・Sに設定した。
(比較例1)
保湿布として高密度ベア天竺素材からなる生地を用い、該保湿布を2枚重ねて取り付けて、この保湿布を取り付けた部分のボトム衣類の通気量を8cm/cm・Sに設定した。
(比較例2)
保湿布にはフリーカットからなる生地を用い、該保湿布を1枚取り付けて、この保湿布を取り付けた部分のボトム衣類の通気量を27cm/cm・Sに設定した。
(比較例3)
いずれの部位にも保湿布を取り付けず、ベア天竺からなる本体布のみでボトム衣類を構成し、通気量を43cm/cm・Sに設定した。
前記実施例1については9名のモニターが1ヶ月着用した。実施例2、3および比較例2についてはそれぞれ3名のモニターが1ヶ月着用した。比較例3については5名のモニターが1ヶ月着用し、比較例1については3名のモニターが一晩のみ着用した。
インテグラル社製の「コルネオメータ」を用いて前述同様の方法で臀溝部の角質水分量を測定し、着用前よりも水分量が向上したかどうかの評価、および、不快感、ムレ、ベタツキ等の主観評価を行った。
その結果、臀溝部の角質水分量については、実施例1は9名中8名、実施例2は3名中2名、実施例3は3名中2名が向上したが、比較例2は3名中0名、比較例3は5名中1名しか向上しなかった。
不快感があると評価した人は、実施例1〜3については0名だったが、比較例1については1晩でも3名中1名が不快感を訴えた。
前記モニターによる実験結果から、保湿布を取り付けた部分のボトム衣類の通気量が13cm/cm・S以上24cm/cm・S以下の範囲内にある実施例1〜3は、臀溝部の角質水分量が向上し、保湿効果が得られると共に、ムレやベタツキのない良好な着用感が得られることが確認できた。
一方、通気量が24cm/cm・Sを起える比較例2、3については、保湿効果が殆ど見られず、通気量が13cm/cm・S未満の比較例1は、一晩着用しただけでも不快感が強いことが確認できた。
なお、本発明は前記実施形態、実施例に限定されるものではない。前記保湿布は、臀部の皮膚に塗布した保湿用ジェルを前記保湿布で覆うものとしてもよい。また、保湿布は、前記実施例のように本体布の肌側に当て布として取り付ける場合のみではなく、本体布の外側に取り付けてもよい。
さらに、本発明のボトム衣類はショーツ以外の膝下位置や足首まで丈のあるタイツ状のボトム衣類であっても良い。かつ、ボトム部分を備えておればトップ部分と連続した衣類でもよい。
10−1、10−3 ロングショーツ
10−2 ショートショーツ
11 本体布
12 前中央布
13 左右本体布
14 後中央布
15 臀部外周布
18 保湿布

Claims (3)

  1. 背面側において、ヒップ膨出部の下部の臀溝に当たる部分と、ヒップ膨出部の上部のウエストラインから臍高さ位置との間に当たる部分とに、低通気性を保持する保湿布を本体布に当て布として取り付け、本体布と別の布に切り替えて取り付け、あるいは編み構造を変えて低通気性の保湿布となる部分を設けていることを特徴とするボトム衣類。
  2. 前記保湿布を、更に、ヒップ膨出部を囲む外周部に配置し、前記ヒップ膨出部の下部および上部に配置する保湿布と連続させ、上端縁はウエストライン、左右両端縁は両側脇線ライン、下端中央部は股部上端位置、下端両側縁は臀溝より3〜7cm下に沿わせ、
    臀裂を含めて左右のヒップ膨出部に当たる背面側中央部を囲むように配置している請求項1に記載のボトム衣類。
  3. 前記保湿布が配置されている部分の前記ボトム衣類の通気量は24cm/cm・S以下、13cm/cm・S以上とし、前記保湿布を取り付けていない部分の本体布の通気量は24cm/cm・Sを超えるものとしている請求項1または請求項2に記載のボトム衣類。
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