次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における銀行取引システム100の構成例を示すブロック図である。図1では、銀行取引システム100において、銀行110の顧客であるユーザ140が、顧客端末300を用いて銀行110との間で住宅ローンの申込および契約をする場合における全体構成を概略的に示す。なお、本発明の実施の形態では、金利(利率)として、利息(利子)の支払期間を1年(365日)単位とする年利を用いる例について説明するが、利息の支払期間を1日単位とする日歩等の金利を用いる場合についても、本発明の実施の形態を適用することができる。また、金利は、「利子/元本」で求めることができる。
なお、銀行110は、都市銀行、地方銀行、金融公庫、信用金庫等の金融機関を意味するものとする。また、銀行110には銀行サーバ200が設けられているものとする。図1では、銀行サーバ200が銀行110内に設置されている場合を一例として示すが、銀行サーバ200が銀行110とは物理的に離れている場所に設置されている場合についても同様に考えることができる。また、金融市場130は、金融機関を主な取引参加者として、お金の貸し借りを行う市場を示すものである。銀行110は、金融市場130から金利情報等を取得する。また、本発明の実施の形態では、ユーザ140として、銀行110に口座を開設している甲田一郎を例にして説明する。
このように、銀行取引システム100は、銀行サーバ200と顧客端末300とを備える。また、銀行サーバ200および顧客端末300は、インターネット等の通信網であるネットワーク120と接続され、各種情報のやりとりを行うことができる。また、銀行サーバ200および金融市場130は、電話回線や他の通信回線で接続される。
なお、本発明の実施の形態では、1つの銀行に1つの銀行サーバが設定されている場合において、顧客端末と、その銀行サーバとの間で行われるローン申込システムを例にして説明するが、1つまたは複数の情報処理装置からなる銀行システムが1つの銀行に構築されている場合において、顧客端末と、その銀行システムとの間で行われるローン申込システムについて、本発明の実施の形態を適用することができる。また、その銀行システムを銀行サーバとして機能させる場合についても、本発明の実施の形態を適用することができる。また、本発明の実施の形態では、1つの顧客端末と1つの銀行サーバとのやりとりを例にして説明するが、複数の顧客端末と銀行サーバとのやりとりについても適用することができる。
ここで、銀行が長期固定金利により資金を顧客に貸し出す一般的な仕組みについて簡単に説明する。例えば、顧客から10年間のローン返済期間で3,000万円の固定金利ローンの申し込みを受けた場合、基本的には、銀行は各預金者の預金残高の合計額から3,000万円を確保して、そのローン申込者に貸し出すことになる。そして、この銀行は、10年間の固定金利に応じた利息と貸出金額をローン申込者から受け取ることができる。
また、銀行は、一般に、各預金者に対しては、変動金利に基づいて預金残高に応じた利息を支払う必要がある。このため、将来的に金利が高くなった場合には、10年間の固定金利に応じて受け取る利息の金額よりも、各預金者へ支払う預金利息の金額の方が大きくなる可能性がある。このリスクを回避するために、以下で示す金利スワップという手法が一般的に用いられている。
銀行は、インターバンク市場において他の金融機関に対して、10年間で3,000万円分の変動金利による利息を負担してもらう代わりに、10年間の固定金利に応じた利息を支払う旨の申し出を行う。そして、将来の一定期間において一定の資金を確保したいと考える他の金融機関は、その銀行の申し出を受けることによって、変動金利によるリスクを負う代わりに一定資金を受け取ることが可能となる。
これにより、銀行は、変動金利によるリスクを固定金利とする(スワップする)ことによって、将来のリスクを回避することが可能となる。
ここで、銀行が他の金融機関に支払う利息の元となる固定金利を円金利スワップレートと呼ぶ。そして、銀行は、この円金利スワップレートに基づいてユーザに対するローン返済のための固定金利を決定する。
次に、住宅ローンの金利の計算方法について図面を参照して詳細に説明する。
図2は、住宅ローンの予約期間およびローン返済期間と、金利との関係を示す図である。
図2では、甲田一郎が新築マンション購入の契約を行う際に、この新築マンション購入のための資金として3,000万円のローンを銀行110に申し込む場合を例にして説明する。また、この新築マンションの完成および購入代金の支払いは、申込時点から1年後であるものとする。さらに、甲田一郎は、将来の金利の上昇を懸念して銀行110からの借入金の返済利息の金利として固定金利を選択するものとする。
このように、固定金利を申込時点で選択した場合においても、銀行110から甲田一郎に借入金が振り込まれる時期は1年後になるため、従来の金利設定では、申込時点から1年後の金利が固定金利として適用される。すなわち、固定金利を申込時点で選択した場合において、実際に金利が確定するのは申込時点から1年後である。そこで、本発明の実施の形態では、甲田一郎が、申込時点で返済のための利息金利を確定したい場合、申込時点で1年先の金利を予約し、1年後から10年間(すなわち、申込時点から11年後)の間に借入金の返済を完了するものとする。
ここで、予約期間は、融資の申込時から融資の実行時までに一定の金利が予約された予約期間(申込をした時点から融資希望日までの期間)であり、ローン返済期間は、融資がされた日からその融資の返済が完了する日までの期間である。
図2(a)は、住宅ローンの申込時点t0から返済完了時t11までの年数を11年とした場合における各年の円金利スワップレートを示す図である。この例では、11年物円金利スワップレートが1.968%である場合を示す。また、住宅ローンの申込時点t0から返済完了時t11までの11年間のうちで、住宅ローンの予約期間を1年とし、ローン返済期間を10年とする。
図2(b)は、住宅ローンの申込時点t0から返済完了時t11までの年数を11年とした場合における予約期間t21とローン返済期間t22の各年のベース金利を示す図である。図2(b)では、ローン返済期間とローン金利予約期間との合計期間において、ローン金利予約期間における利息を銀行が負担する例を示す。なお、ベース金利は、ローン申込者のローンの返済に用いられる固定金利を算出するためのベースとなる金利である。
例えば、申込時点t0の各スワップレートについて、1年物円金利スワップレートを0.884%とし、10年物円金利スワップレートを1.765%とし、11年物円金利スワップレートを1.968%とした場合において、予約期間を1年とし、ローン返済期間を10年とした場合における返済のための固定金利の算出方法について説明する。これらの各円金利スワップレートは、金融市場130から銀行110が取得する。
例えば、予約時金利(申込時金利)は、ある時点における固定金利に基づいて所定期間で得ることが可能な運用益が、その所定期間を分割した期間のそれぞれの期間で得られる運用益の和と等価(運用成果の等価性)となるように計算される。すなわち、11年物円金利スワップレートが1.968%である場合において、11年間の年利合計は、1.968%×11=21.648%である。また、予約期間である1年間を1年物円金利スワップレート0.884%で運用するため、この1年間の年利合計は0.884%×1=0.884%となる。なお、年利合計とは、所定期間における年利の値に、その所定期間の値(年単位)を乗算させた値である。
ここで、この例では、予約期間(1年間)は、銀行110が1年物円金利スワップレート「0.884%」でローン申込者の借入金を運用したと仮定して、この予約期間の運用益をローン申込者が支払うべき利息から控除する。すなわち、その運用益が控除された利息と、実際の返済期間とに基づいて、返済のための固定金利が計算される。
具体的には、運用成果の等価性より、1年後から11年後までの10年間の年利合計は、図2(b)に示すように、21.648%−0.884%=20.764%と計算される。そして、ベース金利は、10年間の年利合計を10年の期間で除算した値となるため、2.0764%と計算される。
ここで、算出されたベース金利は、ある時点での理論値であり、この理論値に銀行110の手数料等を考慮した金利を加算した値が、ローン返済の予約時金利としてローン申込者に提示される。ここで、銀行110の手数料等を考慮した金利を、例えば、1.7%とする場合には、予約時金利は、2.0764%+1.7%=3.7764%と計算することができる。
ここで、上述したように、申込時点t0の10年物円金利スワップレートは、1.765%であるため、予約時における10年間のベース金利は、1.765%である。そして、上述した予約時金利「3.7764%」から手数料等を考慮した金利を除いた値であるベース金利「2.0764%」と、10年物円金利スワップレートのベース金利「1.765%」とを比較した場合には、10年物円金利スワップレートの値が低くなる。このように、運用成果の等価性に基づいて予約時金利を算出する場合には、予約時点における10年固定金利よりも予約時金利が高めに算出される。
このため、マンション購入時における金利リスクを金利確定によって回避したとしても、予約期間内に金融市場の金利が上昇しない場合には、融資時における固定金利よりも有利ではない条件で銀行から購入資金の融資をローン申込者が受ける可能性がある。
これを回避するために、銀行取引システム100においては、ローン申込者に実際に資金を融資するまでの間、ローン申込者に提示した予約時金利を、顧客情報とともに銀行サーバ200に関連付けて記憶しておく。そして、ローン申込者に実際に資金を融資する際に、予約時(申込時)に提示した予約時における固定金利(予約時金利)と融資時における固定金利(融資時金利)とを選択可能としてローン申込者に提示する。
このようにすることによって、ローン申込者は、さらに有利な条件で銀行から融資を受けることが可能となる。
ここで、ローン申込者が予約時金利ではなく融資時金利を選択した場合、銀行110は、他の金融機関への支払いのために予定していたスワップされた固定金利よりも安い固定金利に応じた利息のみをユーザから受けることになるため、損失が生じる可能性がある。したがって、ローン申込者が融資時金利を選択した場合には、銀行110は他の金融機関に違約金を支払うことによってスワップ取引の解除を申し出ることができる。
このため、銀行システムは、ローン申込時において、その違約金を補填するための預かり金をローン申込者から受け取っておき、予約時金利をローン申込者が選択した場合には、その預かり金を返却し、一方、融資時金利を選択した場合には、その預かり金を返却しない。
なお、その預かり金の額(以下、「預かり金額」という。)の算出方法は、融資額に比例した金額とすることができる。これは、銀行110が他の金融機関に支払う利息は融資額に応じて多くなるため、その利息に期待していた他の銀行に対する損失も、融資額に応じて多くなるからである。また、預かり金額は、融資額に所定の率を乗じた値でもよく、予約期間に応じてその率を変化させた値でもよい。すなわち、申込時点で予測される世情の変化を加味した預かり金額の設定が可能である。
図2(c)は、住宅ローンの申込時点t0から返済完了時t11までの年数を11年とした場合における予約期間t21とローン返済期間t22の各年のベース金利を示す図である。図2(c)では、ローン返済期間とローン金利予約期間との合計期間において、ローン金利予約期間における利息も含めてローン申込者が全ての利息を支払う例を示す。
例えば、申込時点t0の各スワップレートについて、11年物円金利スワップレートを1.968%とした場合において、予約期間を1年とし、ローン返済期間を10年とした場合における返済のための固定金利の算出方法について説明する。11年物円金利スワップレートが1.968%である場合において、11年間の年利合計は、1.968%×11=21.648%である。
図2(c)に示す例では、予約期間(1年間)における利息も含めてローン申込者が全ての利息を支払う。すなわち、実際の返済期間に基づいて返済のための固定金利が計算される。具体的には、運用成果の等価性より、1年後から11年後までの10年間の年利合計は、図2(c)に示すように、21.648%と計算される。そして、ベース金利は、10年間の年利合計を10年の期間で除算した値となるため、2.1648%と計算される。なお、予約時金利の計算方法等については、図2(b)で説明したものと同様であるため、ここでの説明を省略する。
次に、銀行取引システム100を構成する銀行サーバ200および顧客端末300の機能構成例について図面を参照して詳細に説明する。
図3は、本発明の実施の形態における銀行サーバ200の機能構成例を示すブロック図である。銀行サーバ200は、通信制御部210と、金利取得部220と、金利計算部230と、預かり金額計算部240と、データベース制御部250と、表示制御部260と、金利計算時期検出部270と、金利選択部280と、データベース400とを備える。
通信制御部210は、ネットワーク120を介して接続される顧客端末300との間で行われる通信制御を行うものである。具体的には、通信制御部210は、顧客端末300から送信された各表示画面要求等を表示制御部260に出力し、顧客端末300から送信された住宅ローン申込情報を金利取得部220、金利計算部230、預かり金額計算部240および表示制御部260に出力し、顧客端末300から送信された住宅ローン契約確認画面を表示制御部260および金利選択部280に出力する。また、通信制御部210は、表示制御部260から出力された各表示画面を、ネットワーク120を介して接続される顧客端末300に送信する。ここで、住宅ローン申込情報は、顧客が住宅ローンを銀行110に申し込む場合における資金借り入れのために必要な情報であり、ローン借入金額、ローン返済期間、ローン金利予約期間、融資希望日、氏名、口座番号等である。
金利取得部220は、ローン返済期間またはローン金利予約期間に基づいて、金融市場130における各金利情報を取得するものであり、取得された各金利情報を金利計算部230に出力するものである。具体的には、金利取得部220は、ローンの申込時において、通信制御部210から出力された住宅ローン申込情報に含まれるローン金利予約期間、および、ローン金利予約期間とローン返済期間との合計期間のそれぞれに対応する円金利スワップレートを金融市場130に要求して取得する。例えば、ローン金利予約期間が1年である場合には、1年物円金利スワップレートが金融市場130から取得される。また、ローン返済期間が10年であり、ローン金利予約期間が1年である場合には、ローン返済期間とローン金利予約期間との合計期間が11年であるため、11年物円金利スワップレートが金融市場130から取得される。また、金利取得部220は、融資時において、データベース400に記憶されているローン返済期間に対応する円金利スワップレートを金融市場130に要求して取得する。例えば、ローン返済期間が10年である場合には、10年物円金利スワップレートが金融市場130から取得される。なお、これらの円金利スワップレートは、ローン金利予約期間およびローン返済期間に基づいて金融市場130から取得された円金利スワップレートを金利取得部220に手動で入力するようにしてもよく、ローン金利予約期間およびローン返済期間に基づいて金融市場130から自動で円金利スワップレートを取得するようにしてもよい。
金利計算部230は、金利取得部220から出力された各金利情報に基づいて金利を計算するものである。すなわち、金利計算部230は、ローン申込時には、顧客端末300から送信された住宅ローン申込情報に関する予約時金利を計算し、計算された予約時金利をデータベース制御部250および表示制御部260に出力する。また、金利計算部230は、融資時には、金利計算時期検出部270から金利計算指示情報が入力されると、金利取得部220から出力された各金利情報に基づいて、データベース400に記憶されているローン返済期間に対応する融資時金利を計算し、計算された融資時金利をデータベース制御部250および表示制御部260に出力する。
すなわち、金利計算部230は、顧客端末300から送信された住宅ローン申込情報に含まれるローン返済期間およびローン金利予約期間の合計期間と、金融市場130から取得されたその合計期間に対応する円金利スワップレートとに基づいて、その合計期間に支払うべき利息に係る年利合計を計算し、この計算して求められた年利合計の値をその返済期間の値で除算してそのローン返済期間における年利を求める。そして、このローン返済期間における年利に基づいて予約時金利を算出する。
ここで、ローン金利予約期間における利息を銀行が負担する場合には、ローン返済期間における年利を求める前に、年利合計の値から予約期間金利の値が引き算される。この予約期間金利は、銀行が負担する利息に係る金利であり、ローン金利予約期間に対応する円金利スワップレートと、ローン金利予約期間とに基づいて算出される値である。
つまり、銀行110が、ローンの申込時において、インターバンク市場から取得された円金利スワップレートに基づく予約時金利(例えば、ローン金利予約期間を1年とし、ローン返済期間を10年とする)を確定することができるものの、ユーザに実際に融資を行う時期は1年後である。このため、銀行110は、このローン金利予約期間(1年)に、手元にあるそのローンの申込に係る融資金により資金運用(貸し出し等)を行うことができる。そこで、ローン金利予約期間の利息を銀行が負担することによって、さらに公平な条件でユーザに住宅ローンを提供することができる。
言い換えると、金利計算部230は、図2(a)に示すように、ローンの申込時において、ローン返済期間とローン金利予約期間との合計期間に対応して金融市場130から取得された円金利スワップレートに、その合計期間を乗じた値である第1の値を計算するとともに、図2(b)に示すように、ローン金利予約期間に対応して金融市場130から取得された円金利スワップレートに、そのローン金利予約期間を乗じた値である第2の値を計算し、計算して求められた第1の値から第2の値を引いた値である第3の値を計算し、この第3の値をローン返済期間で除した値である金利予約期間経過後のベース金利を計算して求める。そして、計算して求められたベース金利に、銀行110の諸費用等を加味した所定のレートを加算して予約時金利を求める。
すなわち、ローン返済期間とローン金利予約期間との合計期間において、ローン金利予約期間における利息を銀行が負担する場合には、金利計算部230は、その合計期間に対応する円金利スワップレートにその合計期間を乗じた値である第1の値と、ローン金利予約期間に対応する円金利スワップレートにローン金利予約期間を乗じた値である第2の値とを計算し、この第1の値から第2の値を引いた値である第3の値を計算し、この第3の値をローン返済期間で除した値に基づいて予約時金利を求める。一方、ローン返済期間とローン金利予約期間との合計期間において、ローン金利予約期間における利息も含めてローン申込者が全ての利息を支払う場合には、金利計算部230は、その合計期間に対応する円金利スワップレートにその合計期間を乗じた値である第1の値を計算し、この第1の値をローン返済期間で除した値に基づいて予約時金利を求める。
また、金利計算部230は、融資時において、ローン返済期間に対応して金融市場130から取得された円金利スワップレートを、ローン返済期間におけるベース金利とし、このベース金利に、銀行110の諸費用等を加味した所定のレートを加算して融資時金利を求める。この融資時金利は、ローン申込者がローンの返済に用いることができる利息支払いの固定金利である。
このようにして求められた予約時金利または融資時金利が、データベース制御部250に出力されて、ローン申込者の口座番号に関連付けられてデータベース400に記憶される。また、これらの予約時金利または融資時金利が、表示制御部260に出力されて、入力確認のための確認画面等に含ませて、顧客端末300に送信される。
なお、予約時金利は、顧客端末300から住宅ローン申込情報が送信された時点で計算され、融資時金利は、その住宅ローン申込情報に含まれるローン金利予約期間の経過前の所定期間内に計算される。
預かり金額計算部240は、ローンの申込時において、顧客端末300から送信された住宅ローン申込情報に関する預かり金額を計算するものであり、計算された預かり金額をデータベース制御部250および表示制御部260に出力するものである。具体的には、預かり金額計算部240は、ローンの申込時において、顧客端末300から送信された住宅ローン申込情報に含まれるローン借入金額に応じた金額を預かり金額として計算する。
このようにして求められた預かり金額が、データベース制御部250に出力されて、ローン申込者の口座番号に関連付けられてデータベース400に記憶される。この場合に、円普通預金テーブル420(図4に示す)内のローン申込者の預金残高423から、求められた預かり金の額を減算するとともに、銀行勘定テーブル430(図4に示す)内の入金433に、求められた預かり金の額を記録する。これにより、ローン申込者の円普通預金口座から預かり金額を引き落すことができる。また、この預かり金額が、表示制御部260に出力されて、申込確認のための確認画面等に含ませて、顧客端末300に送信される。この預かり金は、ローン申込者が、その融資時において、融資時金利を選択した場合には銀行110により徴収される。一方、予約時金利を選択した場合にはローン申込者の円普通預金口座に戻される。なお、預かり金額については、所定の割合をローン借入金額に乗じた値を用いるようにしてもよい。また、この所定の割合を、ローン金利予約期間に応じて予め決められた割合とするようにしてもよい。
データベース制御部250は、金利計算部230、預かり金額計算部240および金利選択部280から出力された情報をデータベース400に記憶させるとともに、金利取得部220、金利計算部230、表示制御部260および金利計算時期検出部270からの要求に応じてデータベース400に記憶されている情報を取得して、その要求に応答して出力するものである。
表示制御部260は、ネットワーク120を介して接続される顧客端末300に対して、通信制御部210を介して各表示画面の内容を提供する制御を行うものである。例えば、表示制御部260は、通信制御部210から出力された顧客端末300からの各表示画面要求に応答する表示画面を通信制御部210に出力する。また、表示制御部260は、金利計算部230から出力された予約時金利と、預かり金額計算部240から出力された預かり金額とを含む住宅ローン申込確認画面を通信制御部210に出力する。また、表示制御部260は、金利計算部230から出力された融資時金利に基づいて、融資時期通知メールを通信制御部210に出力する。さらに、表示制御部260は、データベース400の住宅ローンテーブル440(図5に示す)に記録されている予約時金利448、預かり金額449、融資時金利453を含み、予約時金利または融資時金利のいずれか一方をローン申込者に選択可能とする住宅ローン契約画面を通信制御部210に出力する。また、表示制御部260は、金利選択部280から出力された予約時金利または融資時金利を含む住宅ローン契約確認画面を通信制御部210に出力する。これらの各表示画面については、図11および図12等を参照して詳細に説明する。
金利計算時期検出部270は、データベース400の住宅ローンテーブル440(図5に示す)に記録されている店番号441、口座番号442および金利計算日451をデータベース制御部250から定期的に取得して、取得された金利計算日のうちで、現在日と一致する金利計算日を検出するものであり、検出された金利計算日451に対応する店番号441および口座番号442を含む金利計算指示情報を金利計算部230に出力する。なお、現在日から所定の範囲内に含まれる融資日を検出するようにしてもよい。例えば、現在日から1月の範囲内に含まれる融資日を検出することができる。例えば、図5に示す甲田一郎の場合には、融資日が2007年1月11日であるため、1月の範囲内は、2006年12月12日から2007年1月11日までの間となる。また、金利計算時期検出部270は、例えば、住宅ローンテーブル440に記録されている金利計算日等をデータベース制御部250から1日の所定時刻に取得する。
金利選択部280は、顧客端末300に送信された住宅ローン契約画面において選択された予約時金利または融資時金利を通信制御部210から入力すると、入力された予約時金利または融資時金利をデータベース制御部250に出力するとともに、表示制御部260に出力するものである。
データベース400は、銀行110の顧客に関する各種情報が記録されるデータベースである。なお、データベース400に記録される各種情報については、図4または図5を参照して詳細に説明する。
図4は、データベース400に記録されている各種情報の概略を示す図である。データベース400には、顧客情報テーブル410と、円普通預金テーブル420と、銀行勘定テーブル430と、住宅ローンテーブル440とが記録されている。なお、住宅ローンテーブル440については、図5を参照して詳細に説明する。
ここで、顧客情報テーブル410と、円普通預金テーブル420と、銀行勘定テーブル430と、住宅ローンテーブル440とのそれぞれには店番号および口座番号が記録され、この店番号および口座番号によって、各テーブルに記録されている顧客のデータが関連付けられている。また、各テーブルには、テーブルを識別する識別子(テーブルの名前、ID等)や顧客毎の情報が格納されている。
顧客情報テーブル410は、銀行110の顧客に関する各種情報が記録されているテーブルであり、店番号411と、口座番号412と、氏名413と、連絡先414と、円普通預金テーブルフラグ415と、住宅ローンテーブルフラグ416とが互いに関連付けて記録されている。なお、顧客情報テーブル410には、顧客に関する情報として、住所等も記録されるが、ここでの説明および図示を省略する。
店番号411は、銀行110の各支店に付与される識別番号であり、例えば、甲田一郎が口座を開設している銀行の店番号として「001」が記録される。
口座番号412は、銀行110に口座を開設した顧客毎に付与される銀行の口座番号であり、例えば、甲田一郎の口座番号として「12345」が記録される。
氏名413は、銀行110に口座を開設した顧客の氏名であり、例えば、甲田一郎の氏名として「甲田一郎」が記録される。
連絡先414は、銀行110に口座を開設した顧客の連絡先であり、例えば、甲田一郎の連絡先として電子メールアドレス「aaa@bb…」が記録される。
円普通預金テーブルフラグ415は、データベース400に記録されている円普通預金テーブル420に、対応する顧客の口座の記録が存在するか否かを示すフラグであり、例えば、円普通預金テーブル420に顧客の口座の記録が存在する場合には「1」が記録され、円普通預金テーブル420に顧客の口座の記録が存在しない場合には「0」が記録される。例えば、甲田一郎については、銀行110に口座が開設されていて、円普通預金テーブル420に甲田一郎の口座の記録が存在するため、「1」が記録される。
住宅ローンテーブルフラグ416は、データベース400に記録されている住宅ローンテーブル440に、対応する顧客の住宅ローンの記録が存在するか否かを示すフラグであり、例えば、顧客の住宅ローンの記録が存在する場合には「1」が記録され、顧客の住宅ローンの記録が存在しない場合には「0」が記録される。例えば、甲田一郎については、住宅ローンテーブル440に甲田一郎の住宅ローンの記録が存在するため、「1」が記録される。
なお、顧客情報テーブル410に記録されている顧客の情報が必ず存在するテーブルについては、円普通預金テーブルフラグ415または住宅ローンテーブルフラグ416のようなフラグ情報を顧客情報テーブル410に設けなくてもよい。例えば、顧客情報テーブル410に記録されている全ての顧客についての情報が円普通預金テーブル420に格納されている場合には、円普通預金テーブルフラグ415を顧客情報テーブル410に設けなくてもよい。また、フラグ情報の代わりに、例えば、契約数を示す情報を顧客情報テーブル410に設けるようにしてもよい。例えば、住宅ローンテーブルフラグ416の代わりに、住宅ローン契約数を示す情報を顧客情報テーブル410に設け、この住宅ローン契約数を示す情報には、顧客情報テーブル410に記録されている顧客が契約している住宅ローンの数を記録する。これにより、この住宅ローン契約数を示す情報に「0」が記録されている顧客の場合には、この顧客に関する情報が住宅ローンテーブル440に存在しないことを示す。
このように、顧客に関する情報が、データベース400の各テーブルに存在するか否かを示す情報を、顧客情報テーブル410に設けるようにする。このような情報を顧客情報テーブル410に設けることによって、データベース制御部250が、顧客情報テーブル410にアクセスした際に、所望の顧客に関する情報が記録されているテーブルを迅速に検索することができる。また、データベース制御部250が、所望の顧客に関する情報が記録されているテーブルにアクセスして、その顧客に関する情報をメモリに保持しておくことによって、再生時に迅速な表示をすることができる。
例えば、顧客端末300から銀行サーバ200にログインがされた場合において、顧客情報テーブル410の住宅ローンテーブルフラグ416に記録されている情報によって、ログインされた顧客端末300に対応する顧客の情報が住宅ローンテーブル440に存在するか否かを迅速に判断することができる。そして、顧客端末300に対応する顧客の情報が住宅ローンテーブル440に存在すると判断された場合には、住宅ローンテーブル440においてその顧客の店番号および口座番号をデータベース制御部250が検索し、検索された店番号および口座番号と関連付けて記録されている各情報を抜き出してメモリに保持することができる。
ここで、データベース400の各テーブルから各情報を抜き出す方法として、各テーブルに記録されている各データがデータ固有のタグ番号で管理されている場合には、必要とする情報のタグ番号をさらに検索することによって必要とする情報を抜き出すことができる。一方、タグ番号で管理されていない場合には、顧客毎に記録されているデータの種類を固定し、データ長を固定長とすることにより、必要なデータの位置まで読み飛ばすことができる。これにより、必要な情報を迅速に顧客端末300に表示させることが可能となる。なお、データベース400の各テーブルから抜き出される各情報については、図7に示す表示画面を参照して説明する。
円普通預金テーブル420は、銀行110の顧客に関する円普通預金口座に関する預金口座情報が記録されているテーブルであり、店番号421と、口座番号422と、預金残高423とが互いに関連付けて記録されている。なお、円普通預金テーブル420には、円普通預金口座に関する預金口座情報として、入金時刻および引出時刻等も記録されるが、ここでの説明および図示を省略する。また、店番号421および口座番号422は、顧客情報テーブル410に記録されている店番号411および口座番号412に対応するものである。
預金残高423は、銀行110に口座を開設している顧客の口座に関する預金残高であり、例えば、甲田一郎の預金残高として「3,000,000円」が記録される。
銀行勘定テーブル430は、銀行110に住宅ローンの申込をした顧客の預かり金に関する預かり金額情報が記録されているテーブルであり、年月日431と、口座番号432と、入金433と、出金434とが互いに関連付けて記憶されている。なお、口座番号432は、顧客情報テーブル410に記録されている口座番号412に対応するものである。また、年月日431は、銀行勘定テーブル430に入金または出金が記録された年月日である。
入金433には、預かり金額計算部240により計算された預かり金額が記録される。また、出金434には、ローンの融資時において、予約時金利または融資時金利の何れかが選択された場合に、このローンの予約時に入金433に記録された預かり金額が記録される。なお、入金433または出金434に預かり金額が記録される場合には、記録された年月日とローンの申込をした顧客の口座番号とが関連付けて記録される。また、銀行勘定テーブル430の入金433に預かり金額が記録された場合には、この預かり金と同じ金額が、円普通預金テーブル420の預金残高から引かれる。さらに、ローンの融資時において、予約時金利が選択された場合には、このローンの予約時に入金433に記録された預かり金額が、出金434に記録されるとともに、この預かり金と同じ金額が、円普通預金テーブル420の預金残高に加算される。一方、ローンの融資時において、融資時金利が選択された場合には、このローンの予約時に入金433に記録された預かり金額が出金434に記録されるものの、この預かり金と同じ金額は、円普通預金テーブル420の預金残高に加算されない。
図5は、データベース400に含まれる住宅ローンテーブル440の概略を示す図である。
住宅ローンテーブル440は、銀行110に住宅ローンの申込をした顧客に関する住宅ローン情報が記録されているテーブルであり、店番号441と、口座番号442と、借入金額443と、ローン残高444と、選択金利445と、ローン予約日446と、ローン予約期間447と、予約時金利448と、預かり金額449と、ローン融資日450と、融資時金利計算日451と、ローン返済期間452と、融資時金利453と、連絡先454とが互いに関連付けて記憶されている。なお、店番号441および口座番号442は、顧客情報テーブル410に記録されている店番号411および口座番号412に対応するものである。
借入金額443は、銀行110に住宅ローンの申込をした顧客に関する住宅ローンの借入金額であり、例えば、甲田一郎の借入金額として「30,000,000円」が記録される。
ローン残高444は、銀行110に住宅ローンの申込をした顧客に関する住宅ローンの残高であり、例えば、甲田一郎のローン残高として「30,000,000円」が記録される。この場合には、一度も返済をしていないことになる。
選択金利445は、銀行110に住宅ローンの申込をした顧客に関する住宅ローンの返済金利であり、ローンの融資時において選択された予約時金利または融資時金利の何れかが記録される。また、選択された予約時金利または融資時金利に応じたフラグが記録される。このフラグとして、例えば、融資時金利が選択された場合には「0」が記録され、予約時金利が選択された場合には「1」が記録される。この予約時金利または融資時金利の選択については、図11を参照して詳細に説明する。例えば、甲田一郎の選択金利として「3.456%」が記録され、これに対応するフラグとして「1」が記録される。この場合には、甲田一郎が予約時金利を選択していることになる。
ローン予約日446は、ローン申込者が、銀行110に住宅ローンの申込をした日であり、例えば、甲田一郎のローン予約日として「2006.01.11」が記録される。このローン予約日は、銀行110の審査が終了した日等を記録するようにしてもよい。
ローン予約期間447は、銀行110に住宅ローンの申込をした顧客が設定したローンの予約期間であり、例えば、甲田一郎のローン予約期間として「365日」が記録される。
予約時金利448は、ローン申込者が、銀行110に住宅ローンの申込をした際に、金利計算部230により計算された金利であり、例えば、甲田一郎の予約時金利として「3.456%」が記録される。
預かり金額449は、ローン申込者が、銀行110に住宅ローンの申込をした際に、預かり金額計算部240により計算された金額であり、例えば、甲田一郎の預かり金額として「300,000円」が記録される。
ローン融資日450は、銀行110に住宅ローンの申込をした顧客が設定したローンの融資希望日であり、例えば、甲田一郎のローン融資日として「2007.01.11」が記録される。
融資時金利計算日451は、銀行110に住宅ローンの申込をした顧客が設定したローンの融資希望日から所定日数前の日であり、例えば、融資希望日から1ヶ月前の日が記録される。例えば、甲田一郎の融資時金利計算日として「2006.12.11」が記録される。
ローン返済期間452は、銀行110に住宅ローンの申込をした顧客が設定したローン返済期間であり、例えば、甲田一郎のローン返済期間として「10年」が記録される。
融資時金利453は、融資時金利計算日451に記録されている日に、金利計算部230により計算された金利であり、例えば、甲田一郎の融資時金利として「3.963%」が記録される。
なお、図4に示すデータベース400では、顧客情報テーブル410、円普通預金テーブル420、銀行勘定テーブル430、住宅ローンテーブル440のみを示すが、顧客の円定期預金情報を記録する円定期預金テーブルや、顧客の外貨預金情報を記録する外貨預金テーブル等をデータベース400に格納することができる。
図6は、本発明の実施の形態における顧客端末300の機能構成例を示すブロック図である。この顧客端末300は、例えば、専用の表示部を備えるパーソナルコンピュータである。この顧客端末300は、CPU(Central Processing Unit)310と、ROM(Read Only Memory)320と、RAM(Random Access Memory)330と、HDD(Hard Disk Drive)340と、表示部350と、操作受付部360と、通信部370とを備える。また、各ブロック間における各信号のやりとりは、バス380を介して行われる。
CPU310は、ROM320に記憶されている各種制御プログラムに基づいて、顧客端末300の各部を制御するものである。また、CPU310は、HDD340から読み出された各種情報や操作受付部360により受け付けられた操作入力等に基づいて顧客端末300の各部を制御する。
ROM320は、読み出し専用のメモリであり、各種制御プログラム等を記憶するものである。
RAM330は、CPU310のメインメモリ(主記憶装置)に用いられるメモリであり、CPU310において実行されるプログラムの作業領域等を記憶するものである。
HDD340は、各種アプリケーションプログラム等が格納されているハードディスクである。
表示部350は、CPU310の制御に基づいて各種情報を表示する表示部である。表示部350としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを用いることができる。
操作受付部360は、各種入力キーからなるキーボードやマウス(ポインティングデバイス)を備え、これらのマウス等から操作入力を受け付けると、受け付けた操作入力の内容をCPU310に出力するものである。なお、操作受付部360の少なくとも一部と表示部350とをタッチパネルとして一体として構成するようにしてもよい。
表示部350に表示される画面上には、各マウスの動きに応じて移動するカーソル(マウスポインタ)が表示される。カーソルは、表示部350に表示される画面上において、指示や操作の対象を指し示すために用いられるマウスポインタである。カーソルについては、図面を参照して説明する。
通信部370は、ネットワーク120と接続され、CPU310の制御に基づいて、ネットワーク120と接続されている銀行サーバ200との間で各種情報の送受信を実行するものである。
図7は、顧客端末300の表示部350に表示される表示画面630を示す図である。表示画面630は、銀行サーバ200の表示制御部260から出力された表示画面であり、円預金表示画面631と、外貨預金表示画面632と、住宅ローン表示画面633との何れかを表示させることが可能な銀行取引画面である。円預金表示画面631には、円普通預金テーブル420に記録されている各情報が含まれ、住宅ローン表示画面633には、住宅ローンテーブル440に記録されている各情報が含まれる。なお、表示画面630には、甲田一郎に関連付けてデータベース400に記録されている各情報が表示されるものとする。
例えば、銀行取引に用いられる表示画面630には、円預金表示画面631と、外貨預金表示画面632と、住宅ローン表示画面633とを含むため、データベース400における対応する各テーブルに記録されている各情報を表示する可能性が高い。例えば、顧客端末300の操作者である甲田一郎が、カーソル634により住宅ローン表示画面633の上部にある「住宅ローン」タブをクリックした場合には、住宅ローンテーブル440に記録されている各情報を含む住宅ローン表示画面633が表示される。そこで、上述したように、顧客端末300に対応する顧客の情報をデータベース制御部250が抜き出してメモリに保持しておくことにより、住宅ローン表示画面633に含まれる各情報を迅速に表示させることができる。
次に、銀行取引システム100において顧客端末300から銀行110にローンを申し込む場合について図面を参照して詳細に説明する。
図8は、顧客端末300から銀行110にローンを申し込む場合におけるローン申込処理を示すシーケンスチャートである。本発明の実施の形態では、顧客端末300から銀行110にローンを申し込む顧客は、銀行サーバ200を設置する銀行110の銀行口座を所有し、顧客端末300から銀行サーバ200へのログインが可能であることを想定する。この例では、銀行110の銀行口座を所有するユーザ140が顧客端末300を用いて、銀行110にローンを申し込む場合について説明する。
顧客端末300から銀行サーバ200にログインする場合には、例えば、顧客端末300の表示部350に銀行110のホームページを表示させ、このホームページにおいて、ユーザ140が顧客端末300を用いて、「銀行ログイン」ボタンを押下する。続いて、銀行サーバ200から顧客端末300に送信される銀行取引ログイン画面において、必要事項が入力され、銀行サーバ200により認証されると、顧客端末300から銀行サーバ200にログインすることができる。
銀行サーバ200にログインされている状態で、ユーザ140が銀行110にローンの申込をするための住宅ローン申込画面を要求する旨の操作入力を、ユーザ140が顧客端末300の操作受付部360において行うと、顧客端末300から銀行サーバ200に住宅ローン申込画面要求が送信される(501)。そして、銀行サーバ200が住宅ローン申込画面要求を受信すると(502)、住宅ローン申込画面要求を送信した顧客端末300に住宅ローン申込画面を送信する(503)。
顧客端末300が銀行サーバ200から住宅ローン申込画面を受信すると(504)、この住宅ローン申込画面を表示部350に表示する(505)。そして、表示部350に表示されている住宅ローン申込画面において、住宅ローンの申込に必要な事項の操作入力を、ユーザ140が顧客端末300の操作受付部360において行う。そして、住宅ローン申込画面において、住宅ローンの申込に必要な事項に関する情報である住宅ローン申込情報が入力された後に、ユーザ140による操作受付部360の送信操作により、住宅ローン申込情報が銀行サーバ200に送信される(506)。
銀行サーバ200が顧客端末300から住宅ローン申込情報を受信すると(507)、この住宅ローン申込情報に含まれるローン借入金額に基づいて、預かり金額計算部240が預かり金額を計算する(508)。続いて、計算して求められた預かり金額をデータベース制御部250がデータベース400の銀行勘定テーブル430および住宅ローンテーブル440に甲田一郎の口座番号「12345」に関連付けて記録するとともに(509)、計算して求められた預かり金額と同じ金額をデータベース制御部250がデータベース400の円普通預金テーブル420の甲田一郎の口座番号「12345」に対応する預金残高から減算する(510)。
続いて、金融市場130から供給される(511)円金利スワップレートを金利取得部220が取得し(512)、取得された円金利スワップレートと、顧客端末300から送信された住宅ローン申込情報に含まれるローン返済期間およびローン金利予約期間とに基づいて、金利計算部230が予約時金利を計算する(513)。続いて、計算して求められた予約時金利をデータベース制御部250がデータベース400の住宅ローンテーブル440に甲田一郎の口座番号「12345」に関連付けて記録する(514)。続いて、住宅ローン申込情報を送信した顧客端末300に、預かり金額およびローン予約時金利を含む住宅ローン申込確認画面を送信する(515)。
顧客端末300が銀行サーバ200から住宅ローン申込確認画面を受信すると(516)、この住宅ローン申込確認画面を表示部350に表示する(517)。そして、表示部350に表示されている住宅ローン申込確認画面において、住宅ローンの申込の確認をユーザ140が行う。そして、住宅ローン申込確認画面において住宅ローンの申込の確認をユーザ140が行った後に、ユーザ140が所定の操作入力を行い、住宅ローンの申込処理を終了する。なお、506および507における住宅ローン申込情報のユーザ140と銀行110とのやりとりを、住宅ローン申込情報が記載された紙等の書類のやりとりで行い、この書類の内容を銀行110内で手動で銀行サーバ200に入力するようにしてもよい。
次に、銀行取引システム100において顧客端末300と銀行サーバ200との間で行われるローンの契約処理について図面を参照して詳細に説明する。
図9および図10は、顧客端末300と銀行サーバ200との間で行われるローンの契約処理を示すシーケンスチャートである。本発明の実施の形態では、予約期間終了の1ヶ月前において、例えば、電子メールで銀行サーバ200から顧客端末300に振り込みの日が近い旨の通知をして、この通知を受け取ったユーザ140が顧客端末300から銀行サーバ200にアクセスしてローンの契約処理をする場合を例にして説明する。
図11および図12は、顧客端末300と銀行サーバ200との間で行われるローンの契約処理における表示画面例を示す図である。この表示画面例については、図9および図10に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
銀行サーバ200の金利計算時期検出部270は、データベース400の住宅ローンテーブル440に記録されている金利計算日等をデータベース制御部250から定期的に取得して、取得された金利計算日のうちで現在日と一致する金利計算日を検出する。そして、検出された金利計算日に対応する口座番号等を含む金利計算指示情報を金利計算部230に出力する(521)。例えば、口座番号「12345」の甲田一郎の金利計算日が検出される。
金利計算時期検出部270から金利計算指示情報が金利計算部230に入力されると、金融市場130から供給される(522)円金利スワップレートを金利取得部220が取得する(523)。続いて、金利計算部230が、入力された金利計算指示情報に含まれる口座番号等に対応して住宅ローンテーブル440に記録されているローン返済期間等をデータベース制御部250から取得して、このローン返済期間等と金利取得部220から出力された円金利スワップレートとに基づいて、入力された金利計算指示情報に含まれる口座番号等に対応する顧客の融資時金利を計算する(524)。そして、金利計算部230が、計算して求められた融資時金利をデータベース制御部250および表示制御部260に出力して、データベース制御部250が住宅ローンテーブル440の甲田一郎の口座番号「12345」に関連付けて、求められた融資時金利を記録する(525)。
続いて、入力された金利計算指示情報に含まれる口座番号等に対応して住宅ローンテーブル440に記録されている連絡先(メールアドレス)をデータベース制御部250から取得して、取得された顧客の連絡先に、融資日の1ヶ月前に達した旨が記載された融資時期通知の電子メールを送信する(526)。また、この電子メールには、銀行サーバ200にログインするためのリンク先が含まれる。
顧客端末300が銀行サーバ200から融資時期通知の電子メールを受信すると(527)、この融資時期通知の電子メールを表示部350に表示する(528)。そして、表示部350に表示されている融資時期通知の電子メールにおいて、銀行サーバ200にログインするためのリンク先が、ユーザ140によりクリックされると、住宅ローン契約画面要求が、顧客端末300から銀行サーバ200に送信される(529)。なお、電子メールにおけるリンク先のクリックにより、銀行110のホームページが表示され、このホームページにおいての所定の操作入力によって、住宅ローン契約画面要求が顧客端末300から銀行サーバ200に送信されるようにしてもよい。
銀行サーバ200が顧客端末300から住宅ローン契約画面要求を受信すると(530)、この住宅ローン契約画面要求に対応する顧客の口座番号に関連付けてデータベース400の住宅ローンテーブル440に記録されている予約時金利、融資時金利等を取得して(531)、この取得された予約時金利および融資時金利を含む住宅ローン契約画面を表示制御部260が顧客端末300に送信する(532)。
顧客端末300が銀行サーバ200から住宅ローン契約画面を受信すると(533)、この住宅ローン契約画面を表示部350に表示する(534)。
図11には、住宅ローン契約画面600を示す。なお、住宅ローン契約画面600には、契約に関する他の文字等が記載されるものの、ここでの図示および説明については省略する。
住宅ローン契約画面600には、住宅ローンの返済金利を選択する旨のメッセージ601と、予約時金利または融資時金利を選択するためのラジオボタン602および605と、選択の対象となる金利表示603および606と、選択の対象となる金利の内容604および607と、確認ボタン608と、カーソル609とが含まれる。
選択の対象となる金利表示603には、選択の対象となる予約時金利に関する文字が記載され、選択の対象となる金利表示606には、選択の対象となる融資時金利に関する文字が記載されている。
選択の対象となる金利の内容604および607は、金利計算の基準となる日(予約日、融資日)と、選択可能な金利(予約時金利、融資時金利)とが含まれる。また、選択の対象となる金利の内容607には、融資時金利を選択した場合には、預かり金を徴収する旨の注意を促すメッセージが含まれる。
確認ボタン608は、ユーザ140が住宅ローンの金利を選択した後に押下して、契約処理を進めるためのボタンである。
表示部350に表示されている住宅ローン契約画面において、ユーザ140が操作受付部360において、カーソル609によりラジオボタン602または605の何れかを選択して確認ボタン608を押下すると、選択された金利に関する情報であるローン選択情報を顧客端末300が銀行サーバ200に送信する(535)。
ローン選択情報を顧客端末300から受信すると(536)、銀行サーバ200が、ローン選択情報に対応する金利を含むローン契約確認画面を顧客端末300に送信する(537)。顧客端末300が銀行サーバ200からローン契約確認画面を受信すると(538)、このローン契約確認画面を表示部350に表示する(539)。
図12には、ローン契約確認画面610および620を示す。なお、ローン契約確認画面610および620には、契約に関する他の文字等が記載されるものの、ここでの図示および説明については省略する。
図12(a)に示すローン契約確認画面610は、予約時金利が選択された場合におけるローン契約確認画面であり、住宅ローンの返済金利を設定する旨のメッセージ611と、予約時金利が選択された旨を示す文字612と、選択された予約時金利の内容613と、預かり金を顧客の口座に振り込む旨を示すメッセージ614と、確認ボタン615と、カーソル616とが含まれる。
図12(b)に示すローン契約確認画面620は、融資時金利が選択された場合におけるローン契約確認画面であり、住宅ローンの返済金利を設定する旨のメッセージ621と、融資時金利が選択された旨を示す文字622と、選択された融資時金利の内容623と、預かり金を徴収する旨を示すメッセージ624と、確認ボタン625と、カーソル626とが含まれる。
表示部350に表示されているローン契約確認画面610または620において、ユーザ140が内容を確認した後に、確認ボタン615を押下することによって、ローン契約内容を確認した旨の情報であるローン契約確認情報を顧客端末300が銀行サーバ200に送信する(540)。
銀行サーバ200が顧客端末300からローン契約確認情報を受信すると(541)、このローン契約確認情報に応じて、預かり金額および返済金利の設定を行う(541、542)。具体的には、ローン契約確認情報に対応する金利が予約時金利である場合には、ローン契約確認情報に対応する預かり金額を、円普通預金テーブル420内の甲田一郎の預金残高に加算するとともに、銀行勘定テーブル430の出金434に甲田一郎の口座番号に関連付けて記録する(542)。続いて、住宅ローンテーブル440内の甲田一郎の返済金利445に、ローン契約確認情報に対応する予約時金利の値を記録する(543)。この値は、住宅ローンテーブル440内の甲田一郎の予約時金利448の値と同じである。
一方、ローン契約確認情報に対応する金利が融資時金利である場合には、ローン契約確認情報に対応する預かり金額を、銀行勘定テーブル430の出金434に甲田一郎の口座番号に関連付けて記録する(542)。続いて、住宅ローンテーブル440内の甲田一郎の返済金利445に、ローン契約確認情報に対応する融資時金利の値を記録する(543)。この値は、住宅ローンテーブル440内の甲田一郎の融資時金利453の値と同じである。
次に、本発明の実施の形態における銀行サーバ200の動作について図面を参照して説明する。
図13は、銀行サーバ200によるローン申込処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、顧客端末300が銀行サーバ200にログインしている状態において、顧客端末300の表示部350に表示されている住宅ローン申込画面で住宅ローンの申込に必要な事項の入力がされ、この住宅ローンの申込に必要な事項に関する情報である住宅ローン申込情報が、顧客端末300から銀行サーバ200に送信された場合について説明する。
最初に、顧客端末300からの住宅ローン申込情報を通信制御部210が受信すると(ステップS901)、この住宅ローン申込情報に含まれるローン借入金額に基づいて、預かり金額計算部240が預かり金額を計算する(ステップS902)。続いて、計算して求められた預かり金額をデータベース制御部250がデータベース400の銀行勘定テーブル430および住宅ローンテーブル440に甲田一郎の口座番号「12345」に関連付けて記録する(ステップS903)とともに、計算して求められた預かり金額と同じ金額をデータベース制御部250がデータベース400の円普通預金テーブル420の甲田一郎の口座番号「12345」に対応する預金残高から減算する(ステップS904)。
続いて、金融市場130から供給される円金利スワップレートを金利取得部220が取得し(ステップS905)、取得された円金利スワップレートと、顧客端末300から送信された住宅ローン申込情報に含まれるローン返済期間およびローン金利予約期間とに基づいて、金利計算部230が予約時金利を計算する(ステップS906)。
続いて、計算して求められた予約時金利をデータベース制御部250がデータベース400の住宅ローンテーブル440に甲田一郎の口座番号「12345」に関連付けて記録する(ステップS907)。続いて、住宅ローン申込情報を送信した顧客端末300に、預かり金額およびローン予約時金利を含む住宅ローン申込確認画面を送信する(ステップS908)。
なお、顧客端末300が銀行サーバ200から住宅ローン申込確認画面を受信すると、この住宅ローン申込確認画面を表示部350に表示して、表示部350に表示されている住宅ローン申込確認画面において、住宅ローンの申込の確認をユーザ140が行う。
図14は、銀行サーバ200によるローン契約処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、融資日の1ヶ月前において、例えば、電子メールで銀行サーバ200から顧客端末300に振り込みの日が近い旨の通知をして、この通知を受け取ったユーザ140が顧客端末300から銀行サーバ200にアクセスしてローンの契約処理をする場合を例にして説明する。
金利計算時期検出部270は、データベース400の住宅ローンテーブル440に記録されている金利計算日等をデータベース制御部250から定期的に取得して、取得された金利計算日のうちで現在日と一致する金利計算日を検出する(ステップS921)。そして、検出された金利計算日に対応する口座番号等を含む金利計算指示情報を金利計算部230に出力する。
金利計算時期検出部270から金利計算指示情報が金利計算部230に入力されると、金融市場130から供給される円金利スワップレートを金利取得部220が取得する(ステップS922)。続いて、金利計算部230が、入力された金利計算指示情報に含まれる口座番号等に対応して住宅ローンテーブル440に記録されているローン返済期間等をデータベース制御部250から取得して、このローン返済期間等と金利取得部220から出力された円金利スワップレートとに基づいて、入力された金利計算指示情報に含まれる口座番号等に対応する顧客の融資時金利を計算する(ステップS923)。そして、金利計算部230が、計算して求められた融資時金利をデータベース制御部250および表示制御部260に出力して、データベース制御部250が住宅ローンテーブル440の甲田一郎の口座番号「12345」に関連付けて、求められた融資時金利を記録する(ステップS924)。
続いて、入力された金利計算指示情報に含まれる口座番号等に対応して住宅ローンテーブル440に記録されている連絡先(メールアドレス)をデータベース制御部250から取得して、取得された顧客の連絡先に、融資日の1ヶ月前に達した旨が記載された融資時期通知の電子メールを送信する(ステップS925)。また、この電子メールには、銀行サーバ200にログインするためのリンク先が含まれる。
通信制御部210が顧客端末300から住宅ローン契約画面要求を受信すると(ステップS926)、この住宅ローン契約画面要求に対応する顧客の口座番号に関連付けてデータベース400の住宅ローンテーブル440に記録されている予約時金利、融資時金利等を取得して(ステップS927)、この取得された予約時金利および融資時金利を含む住宅ローン契約画面を表示制御部260が顧客端末300に送信する(ステップS928)。例えば、図11に示す住宅ローン契約画面600が送信される。
顧客端末300に送信した住宅ローン契約画面に対応する応答として、ローン選択情報を通信制御部210が顧客端末300から受信すると(ステップS929)、ローン選択情報に対応する金利を含むローン契約確認画面を顧客端末300に送信する(ステップS930)。例えば、図12に示すローン契約確認画面610または620が送信される。
顧客端末300に送信したローン契約確認画面に対応する応答として、ローン契約確認情報を通信制御部210が顧客端末300から受信すると(ステップS931)、このローン契約確認情報に対応する金利が予約時金利であるか否かを金利選択部280が判断する(ステップS932)。
ローン契約確認情報に対応する金利が予約時金利である場合には(ステップS932)、ローン契約確認情報に対応する預かり金額を、データベース制御部250がデータベース400の円普通預金テーブル420内の甲田一郎の預金残高に加算するとともに、銀行勘定テーブル430の出金434に甲田一郎の口座番号に関連付けて記録する。これにより、甲田一郎の円普通預金口座に預かり金額を戻すことができる。続いて、データベース制御部250がデータベース400の住宅ローンテーブル440内の甲田一郎の返済金利445に、ローン契約確認情報に対応する予約時金利の値を記録する(ステップS934)。この値は、住宅ローンテーブル440内の甲田一郎の予約時金利448の値と同じである。
一方、ローン契約確認情報に対応する金利が融資時金利である場合には(ステップS932)、データベース制御部250が、ローン契約確認情報に対応する預かり金額を、銀行勘定テーブル430の出金434に甲田一郎の口座番号に関連付けて記録する(ステップS935)。これにより、甲田一郎の円普通預金口座から銀行勘定テーブル430に振り替えた預かり金を銀行110が徴収することができる。続いて、データベース制御部250がデータベース400の住宅ローンテーブル440内の甲田一郎の返済金利445に、ローン契約確認情報に対応する融資時金利の値を記録する(ステップS936)。この値は、住宅ローンテーブル440内の甲田一郎の融資時金利453の値と同じである。
次に、本発明の実施の形態における変形例について図面を参照して詳細に説明する。
図15は、図3に示す銀行サーバ200の一部を変形した銀行サーバ700の一構成例を示すブロック図である。銀行サーバ700は、図3に示す銀行サーバ200において、比較部710を設けた銀行サーバである。なお、比較部710以外の構成は、図3に示す銀行サーバ200と同様であるため、比較部710以外の構成についての説明は省略する。
比較部710は、顧客端末300に送信された住宅ローン契約画面においてローン申込者により選択された予約時金利または融資時金利を金利選択部280から入力すると、そのローン申込者に対応して住宅ローンテーブル440に記録されている予約時金利、融資時金利、預かり金額、借入金額等を取得して、そのローン申込者により選択された金利に基づく返済額の合計値と、そのローン申込者により選択されなかった金利に基づく返済額の合計値とを比較するものであり、比較結果を表示制御部260に出力する。比較部710は、例えば、ローン申込者により選択された予約時金利または融資時金利を入力すると、以下の式を用いて、返済額差分値Zを計算して求める。
Z=A1−(A2+A3)
ここで、A1は、予約時金利で支払う返済額の合計値を示し、A2は、融資時金利で支払う返済額の合計値を示し、A3は、預かり金額を示す。
そして、ローン申込者により予約時金利が選択された場合において、Z>0の場合には、その旨を示す比較結果を表示制御部260に出力する。その比較結果を表示制御部260が入力すると、ローン申込者に対して注意を促す表示画面を、通信制御部210を介して顧客端末300に送信する。この表示画面を図16(a)に示す。
また、ローン申込者により融資時金利が選択された場合において、Z<0の場合には、その旨を示す比較結果を表示制御部260に出力する。その比較結果を表示制御部260が入力すると、ローン申込者に対して注意を促す表示画面を、通信制御部210を介して顧客端末300に送信する。この表示画面を図16(b)に示す。
図16は、顧客端末300と銀行サーバ200との間で行われるローンの契約処理における表示画面例を示す図である。
図16(a)および(b)には、ローン契約注意画面640および650を示す。なお、ローン契約注意画面640および650には、契約に関する他の文字等が記載されるものの、ここでの図示および説明については省略する。
図16(a)に示すローン契約注意画面640は、予約時金利が選択された場合において、予約時金利で支払う返済額の合計値A1が、融資時金利で支払う返済額の合計値A2と預かり金額A3との合計値よりも大きい場合に表示されるローン契約注意画面であり、住宅ローンの返済金利として融資時金利が有利である旨のメッセージ641と、予約時金利が選択された旨を示す文字642と、選択された予約時金利の内容643と、戻るボタン644と、確認ボタン645と、カーソル646とが含まれる。ここで、ローン申込者により戻るボタン644が押下されると、直前に表示されていた図11に示す住宅ローン契約画面600が表示部350に表示される。
図16(b)に示すローン契約注意画面650は、融資時金利が選択された場合において、予約時金利で支払う返済額の合計値A1よりも、融資時金利で支払う返済額の合計値A2と預かり金額A3との合計値が大きい場合に表示されるローン契約注意画面であり、住宅ローンの返済金利として予約時金利が有利である旨のメッセージ651と、融資時金利が選択された旨を示す文字652と、選択された融資時金利の内容653と、戻るボタン654と、確認ボタン655と、カーソル656とが含まれる。ここで、ローン申込者により戻るボタン654が押下されると、直前に表示されていた図11に示す住宅ローン契約画面600が表示部350に表示される。
このように表示してローン申込者に注意を促すことによって、ローン申込者はさらに適切な金利を選択することができる。
図17は、図11に示す住宅ローン契約画面600の一部を変形した住宅ローン契約画面660を示す図である。図11では、固定金利である予約時金利および融資時金利のみを選択することが可能な住宅ローン契約画面600を示したが、これらの固定金利とともに変動金利を選択することを可能とするようにしてもよい。なお、住宅ローン契約画面660には、契約に関する他の文字等が記載されるものの、ここでの図示および説明については省略する。
住宅ローン契約画面660には、住宅ローンの返済金利を選択する旨のメッセージ661と、予約時金利または融資時金利を選択するためのラジオボタン662および665と、選択の対象となる金利表示663および666と、選択の対象となる金利の内容664と、融資時における変動金利または固定金利を選択する旨のメッセージ667と、金利タイプを選択する旨の文字668と、融資時における変動金利または固定金利を選択するためのラジオボタン669および670と、下ボタン671と、固定金利一覧672と、確認ボタン673と、カーソル674とが含まれる。なお、住宅ローンの返済金利を選択する旨のメッセージ661と、予約時金利または融資時金利を選択するためのラジオボタン662および665と、選択の対象となる金利表示663および666と、選択の対象となる金利の内容664と、確認ボタン673と、カーソル674とについては、図11に示す住宅ローン契約画面600と同様である。
ラジオボタン669をカーソル674により押下することによって、融資時における変動金利を選択することができる。また、ラジオボタン670をカーソル674により押下することによって、融資時における固定金利を選択することができる。さらに、融資時における固定金利を選択した場合には、下ボタン671をカーソル674により押下することによって、固定金利一覧672を表示させることができる。そして、固定金利一覧672に表示されている各返済期間の中から所望の返済期間をカーソル674により押下することによって、所望の返済期間および返済金利を選択することができる。
なお、住宅ローン契約画面660に表示される融資時における変動金利および各固定金利は、金利取得部220から出力された各金利情報に基づいて、金利計算部230によって計算される。
また、固定金利一覧672の中から選択された返済期間が、予約時金利が適用される返済期間と同じ場合には、図15に示す比較部710が上述した比較を行い、この比較結果に基づいて、図16(a)または(b)に示すローン契約注意画面を表示するようにしてもよい。
以上では、銀行取引システム100において顧客端末300から銀行110にローンを申し込む場合において、申込時点で計算された予約時金利を融資時に選択可能とする例について説明した。しかしながら、一度のローンの申し込みについて、複数回の予約時金利を設定して、この予約時金利を融資時または返済期間中に選択可能とするようにしてもよい。
図18(a)および(b)は、予約期間と返済期間との関係を時系列で示す図である。
最初に、予約期間中において予約時金利を新たに設定する例について図面を参照して詳細に説明する。
図18(a)において、予約期間t40は、ローンの申込時点t31からローンの融資時点t33までの期間を示し、返済期間t41は、ローンの融資時点t33から返済完了日t36までの期間を示す。また、ローンの申込時点t31で、ローン申込者の口座預金から預かり金が引き落とされる。この預かり金の額は、銀行勘定テーブル430および住宅ローンテーブル440に記録される。
例えば、予約期間t40における所定時点t32において、市場金利が申込時点t31よりも大幅に下落している場合には、申込時点t31に設定された予約時金利よりも所定時点t32におけるスワップレートに基づく予約時金利を用いる方がローン申込者にとって有利なことがある。そこで、このような場合には、申込時点t31に設定された予約時金利を解除して、所定時点t32における予約時金利を新たに設定することを可能にする。
このように新たな予約時金利を設定する場合には、ローン申込者は預かり金を放棄するものとする。
また、所定時点t32における予約時金利を新たに設定する場合には、所定時点t32から融資時点t33までの期間を新たな予約期間として、この新たな予約期間および返済期間と、所定時点t32におけるスワップレートとに基づいて予約時金利が設定される。
また、申込時点t31と同様に借入金額に応じた預かり金が設定され、ユーザの預金残高からその預かり金額が減算される。なお、所定時点t32において設定される預かり金額は、申込時点t31と同額とする。ただし、申込時点t31と比較した場合に、予約期間が短くなるため、その期間の長さに応じて預かり金額を減額するようにしてもよい。
そして、融資時点t33においては、所定時点t32において設定される予約時金利および預かり金額と、融資時点t33におけるスワップレートに基づく融資時金利とを含む住宅ローン契約画面において、ローン申込者が金利選択を行い、返済期間t41における金利を選択することができる。
次に、返済期間が複数の区間に分割されている場合において、この分割された各区間で予約時金利を設定する例について図面を参照して詳細に説明する。
図18(b)において、予約期間t40は、ローンの申込時点t31からローンの融資時点t33までの期間を示す。また、返済期間t41、t42は、返済期間が複数の区間に分割されている場合における各区間を示す。ここでは、返済期間が2区間に分割されている場合を例にして説明する。
例えば、返済期間を20年とし、返済期間t41、t42をそれぞれ10年とする。この場合に、例えば、返済期間20年のうちで、最初の10年間である返済期間t41においては、申込時点t31において設定された予約時金利を用いて返済を行い、次の10年間である返済期間t42においては、新たな予約時金利を用いて返済を行うことを可能にする。
融資時点t33においてローン申込者により選択された返済金利に基づく返済が、返済期間t41の最終日である時点t35で終了する場合には、銀行サーバ200が、時点t35の前の所定範囲の期間内において、ローン申込者に金利予約を新たに行うか否かの通知を行う。例えば、所定範囲の期間は、所定時点t34から時点t35までの範囲とする。
この通知時期は、申込時点t31において、時点t35の何日前に通知するかをローン申込者が指定して、データベース400の住宅ローンテーブル440に記録するようにしてもよい。
この通知を受けたローン申込者が、新たな予約時金利を設定する旨を選択すると、予約期間t44と返済期間t42とに基づいて、所定時点t34における予約時金利が計算される。また、予約期間t44において設定される預かり金額は、時点t35での支払残高に基づいて計算される。
そして、時点t35においては、所定時点t34において設定される予約時金利および預かり金額と、時点t35におけるスワップレートに基づく金利とを含む住宅ローン契約画面において、ローン申込者が金利選択を行い、返済期間t42における金利を選択することができる。
なお、本発明の実施の形態では、銀行110に口座を開設している甲田一郎が、銀行110にローンを申し込んで融資を受けた場合について説明したが、銀行110以外の他の金融機関に口座を開設している人物が、銀行110にローンを申し込んで融資を受ける場合についても、本発明の実施の形態を適用することができる。この場合において、データベース400の銀行勘定テーブル430および住宅ローンテーブル440に申込時に記録される預かり金の額と同じ金額を、そのローン申込者が他の金融機関に開設している口座から銀行110の銀行口座に振り込みをする。また、融資時において、そのローン申込者が予約時金利を選択した場合には、銀行110の銀行口座から、そのローン申込者が他の金融機関に開設している口座に預かり金を振り込む。
以上で示したように、返済の利息の計算に用いられる金利情報を、ローン申込時にローン申込者が確認することができるとともに、融資の際には、実際の融資日における金利情報およびローン申込時における金利情報を、ローン申込者が確認してから、何れかの金利情報を選択することができる。これにより、ローン申込者が申込時と融資時における金利の乖離状況を容易に確認することができるとともに、ローン申込者のライフプラン等に応じて有利な金利を容易に選択することができる。
また、ローン申込者は、実際の融資時に予期せぬ返済利息額の請求となることを回避することができる。すなわち、融資の申込者による選択の幅を広げて、金利上昇によるリスクを軽減させることができる。
また、ローン申込時に銀行側で預かり金を設定することによって、予約時金利が選択されなかった場合においても、予約時に調達した資金をキャンセルし、再度調達する際の損失を銀行側で低減させることができる。
なお、本発明の実施の形態では、銀行取引システム100において住宅ローンの申込および契約をする例について説明したが、他の融資の申込および契約をする場合についても本発明の実施の形態を適用することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。