JP5212014B2 - 車両端部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、キャビンの車両前後方向端部に衝突時の衝撃を吸収する衝突エネルギー吸収手段を備えた車両端部構造に関する。
車両には、衝突時の衝撃を吸収するために、キャビンとバンパーリンフォースとの間にクラッシュボックスと呼ばれる衝突エネルギー吸収手段を設けている場合がある(例えば、特許文献1参照)。このクラッシュボックスは、軸方向に圧縮変形することで、衝突エネルギーを吸収する構成となっている。
特開2005―271858号公報。
ところで、特に、クラッシュボックスが車両前後方向に長い(即ち、クラッシュストロークが長い)場合は、クラッシュボックスが予期せぬ方向に変形する、即ち、変形モードが大きく変わる可能性があり、衝突時の衝撃吸収性能に影響する場合がある。
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術は、衝突時のバンパーリンフォースからの荷重に対して、特にオフセット衝突時にクラッシュボックスに応力集中させないことを目的としており、クラッシュボックスの変形方向や、軽衝突時でのバンパーリンフォースの動きに対しても、変形モードを積極的に制御する技術思想がなく、また、変形モードを積極的に制御する構成にもなっていなかった。
本発明は上記事実を考慮し、衝突時に衝突エネルギー吸収手段の挙動を安定させ、高い衝撃吸収性能を確実に得ることのできる車両端部構造の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、キャビンを有する車体の前後方向端部側に設けられ、車両幅方向に非直線状に形成されて衝突時に車幅方向へ伸びるように変形するバンパーリンフォースと、前記バンパーリンフォースのキャビン側に車両前後方向に延びるように設けられ、前記バンパーリンフォースがキャビン側へ向かう方向の荷重を受けたときに、車両前後方向に圧縮されて塑性変形する前にバンパーリンフォース側の間隔が、キャビン側の間隔よりも広がる方向へ弾性変形すると共に、車両前後方向の長さが車幅方向の長さよりも長い軸部材としての左右1対の衝突エネルギー吸収手段と、を有し、前記衝突エネルギー吸収手段のキャビン側には、前記キャビン側との締結部分が前記衝突エネルギー吸収手段の上下部分において車幅方向に複数設けられていると共に、車両幅方向内側の前記締結部分は、車両幅方向外側の前記締結部分よりも前記キャビンから離れた位置に設定されており、前記衝突エネルギー吸収手段の前記バンパーリンフォース側の端部から車両幅方向外側の前記締結部分までの距離が前記衝突エネルギー吸収手段の前記バンパーリンフォース側の端部から車両幅方向内側の前記締結部分までの距離よりも長く設定されている。
次に、請求項1に記載の車両端部構造の作用を説明する。
請求項1に記載の車両端部構造によれば、衝突時に、バンパーリンフォースに衝突荷重が入力されると、該衝突荷重は、バンパーリンフォース、衝突エネルギー吸収手段を介して車体キャビン側へ伝達される。
バンパーリンフォースがキャビン側へ向かう方向の荷重を受ける衝突の初期段階では、先ず、非直線状に形成されたバンパーリンフォースが車幅方向に伸びるように変形(即ち、直線状に近くなるように変形)し、左右1対の衝突エネルギー吸収手段がバンパーリンフォース側の間隔がキャビン側の間隔よりも広がるように弾性変形する。即ち、請求項1に記載の車両端部構造では、バンパーリンフォース、及び衝突エネルギー吸収手段が必ず上述した様に変形するように変形モードがコントロールされている。
また、請求項1に記載の車両端部構造によれば、この変形モードは、衝突エネルギー吸収手段が車両前後方向に長くなっても変わることが無く、車両前後方向の寸法が長い衝突エネルギー吸収手段を用いても、衝突時に衝突エネルギー吸収手段の挙動が安定し、高い衝撃吸収性能を確実に得ることができる。
例えば、衝撃の程度が比較的小さな軽衝突時では、バンパーリンフォースの変形、及び衝突エネルギー吸収手段の弾性変形により衝突エネルギーが吸収され、衝突エネルギー吸収手段が車両前後方向に圧縮変形(塑性変形)することが抑えられる。このため、軽衝突後に、バンパーリンフォースの交換は必要となっても、衝突エネルギー吸収手段は元の形状に戻るので、衝突エネルギー吸収手段の交換はせずに済ませることができる。
なお、軽衝突時で、フラットバリアにバンパーリンフォースが平行に衝突する場合には、左右1対の衝突エネルギー吸収手段は必ず車幅方向外向きに広がるような変形モードとなるが、軽衝突時で、バンパーリンフォースの幅方向中央部のみに衝突荷重が入力する場合においても、衝突初期においてバンパーリンフォースが車幅方向外向きに広がる方向となり、バンパーリンフォースの幅方向中央部が折れるモードを回避することができる。
また、大衝突時には、上記軽衝突時で説明した変形を経てから、衝突エネルギー吸収手段が車両前後方向に圧縮変形(塑性変形)し、大衝突時の衝突エネルギーを吸収する。したがって、軽衝突時よりも衝突による変形が進行する大衝突時においても、効率良く衝突時のエネルギーを吸収することができる。
なお、非直線状に形成されて衝突時に車幅方向へ伸びるように変形するバンパーリンフォースのより具体的な形状は、好ましくは、車幅方向中央部が車両前後方向外側へ凸となる円弧形状等の曲線形状を上げることができるが、他の形状であっても良い。
仮に、左右1対のクラッシュボックスが衝突の初期段階で車両幅方向内側に倒れる方向に変形すると、変形が進行するにしたがってバンパーリンフォースが車両幅方向中央部で折れて左右1対のクラッシュボックスが内側に倒れ込み、クラッシュボックスを軸方向に圧縮変形(塑性変形)させることが出来なくなる。即ち、クラッシュボックスを軸方向に圧縮変形させて衝突エネルギーを吸収するというクラッシュボックス本来の作用を得ることができなくなる。
一方、請求項1に記載の車両端部構造では、バンパーリンフォースが直線状に伸びきってしまえば、左右1対のクラッシュボックスのバンパーリンフォース側が車両幅方向外側へ開きすぎて左右1対のクラッシュボックスが倒れ過ぎることは無く、衝突による変形が進行した際に、クラッシュボックスを軸方向に確実に圧縮変形させることができる。
さらに、衝突エネルギー吸収手段のキャビン側に、キャビン側との締結部分を車幅方向に複数設け、車両幅方向内側の締結部分を、車両幅方向外側の締結部分よりもキャビンから離れた位置に設定すると、衝突エネルギー吸収手段の衝突エネルギー入力点、即ち、衝突エネルギー吸収手段のバンパーリンフォース側の端部から締結部までの長さは、車両幅方向外側の方が車両幅方向内側よりも長くなり、衝突エネルギー入力点から締結部までの距離が長い車両幅方向外側部分が車両幅方向内側部分よりも先に大きく弾性変形して、左右1対の衝突エネルギー吸収手段のバンパーリンフォース側が車幅方向外向きに広がるような変形モードとすることができる。
請求項に記載の発明は、前記衝突エネルギー吸収手段は、請求項1に記載の車両端部構造において、車幅方向外側部分の剛性が、車幅方向内側部分の剛性よりも低く形成されている。
次に、請求項に記載の車両端部構造の作用を説明する。
衝突エネルギー吸収手段の車幅方向外側部分の剛性が、車幅方向内側部分の剛性よりも低く設定されることで、車幅方向外側部分が車幅方向内側部分よりも先に大きく弾性変形し、左右1対の衝突エネルギー吸収手段のバンパーリンフォース側が車幅方向外向きに広がるような変形モードとすることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両端部構造において、前記左右1対の衝突エネルギー吸収手段は、バンパーリンフォース側の間隔が、バンパーリンフォース側とは反対側の間隔よりも広く設定されている。
次に、請求項に記載の車両端部構造の作用を説明する。
左右1対の衝突エネルギー吸収手段のバンパーリンフォース側の間隔を、予めバンパーリンフォース側とは反対側の間隔よりも広く設定することで、左右1対の衝突エネルギー吸収手段のバンパーリンフォース側が車幅方向外向きに広がるような変形モードとすることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の車両端部構造において、前記バンパーリンフォースと前記衝突エネルギー吸収手段とは、前記衝突エネルギー吸収手段が塑性変形する前に変形して衝突エネルギーを吸収する連結部材を介して連結されている。
次に、請求項に記載の車両端部構造の作用を説明する。
請求項に記載の車両端部構造では、衝突時に、バンパーリンフォースに衝突荷重が入力されると、該衝突荷重は、バンパーリンフォース、連結部材、及び衝突エネルギー吸収手段を順に介して車体キャビン側へ伝達される。
ここで、衝突時には、連結部材は衝突エネルギー吸収手段が塑性変形する前に変形して衝突エネルギーを吸収する。
従って、軽衝突時には、衝突エネルギー吸収手段が塑性変形させずに連結部材を変形させて衝撃を吸収することができ、軽衝突後に、連結部材の交換は必要となるものの、衝突エネルギー吸収手段を交換せずに済ませることが可能となる。
また、大衝突時においては、バンパーリンフォースが車幅方向外側へ延びきった状態であっても、連結部材が変形することで、左右1対の衝突エネルギー吸収手段のバンパーリンフォース側が車幅方向外側へ開き過ぎないように変形モードをコントロール出来る。
以上説明したように本発明の車両端部構造によれば、衝突時の衝突エネルギー吸収手段の挙動が安定し、高い衝撃吸収性能を確実に得ることができる。
[第1の実施形態]
以下、図1〜図4を用いて、本発明に係る車両端部構造の第1の実施形態について説明する。なお、図において、矢印FR方向は車両前方、矢印RE方向は車両後方、矢印L方向は車両左方向、矢印R方向は車両右方向、矢印UP方向は車両上方、矢印DN方向は車両下方を示している。
図1に示すように、車体10は、客室12を構成するキャビン14、キャビン14の車両前方側に設けられた左右1対のフロントサイドメンバ16、キャビン14の車両後方側に設けられた左右1対の方のリアサイドメンバ18を備えている。
図2、及び図3に示すように、リアサイドメンバ18の車両後方側端部には、クラッシュボックス20を取り付けるためのクラッシュボックス取付ブラケット22が固定されている。
クラッシュボックス取付ブラケット22は、リアサイドメンバ18の中空部分に挿入される挿入部22Aと、挿入部22Aの一端に一体的に設けられるフランジ部22B、及びフランジ部22Bに一体的に設けられて、断面矩形の中空状に形成されたクラッシュボックス20の中空部分に挿入されるボルト受け部22Cを備えている。
クラッシュボックス20は、挿入されたボルト受け部22Cに対し、図示しないボルト等によって固定されている。
ボルト受け部22Cには、車両幅方向外側に外側ねじ孔24が鉛直方向に形成され、車両幅方向内側に内側ねじ孔26が鉛直方向に形成されている。
一方、クラッシュボックス20には、内側ねじ孔26、及び外側ねじ孔24と対向する位置に各々ボルト孔28が形成されている。
内側ねじ孔26は、外側ねじ孔24よりもリアサイドメンバ18の端部から遠い位置に形成されている。したがって、リアサイドメンバ18の車両後方側端部から外側ねじ孔(中心)24までの車両前後方向に計測する長さをLOUT、リアサイドメンバ18の車両後方側端部から内側ねじ孔(中心)26までの車両前後方向に計測する長さをLINとしたときに、LOUT<LINとされている。
なお、本実施形態のクラッシュボックス20は、車両前後方向に直線状に形成されており、バンパーリンフォース側の端部は、車両幅方向に沿って平行に形成されている。
これにより、クラッシュボックス20のバンパーリンフォース側の端部から外側ねじ孔(中心)24までの車両前後方向に計測する長さLは、クラッシュボックス20のバンパーリンフォース側の端部から内側ねじ孔(中心)26までの車両前後方向に計測する長さLよりも相対的に長くなる。
クラッシュボックス20は、ボルト受け部22Cのボルト受け部22Cが挿入された状態で、クラッシュボックス外側からボルト孔28を貫通したボルト29が内側ねじ孔26、外側ねじ孔24に螺合することでボルト受け部22Cに固定されている。
このボルト29による締結部分が、本発明の締結部分となる。
なお、図示はしていないが、このクラッシュボックス20には、衝撃吸収性能を調整するために、側壁(場合によっては角部(稜線部分)にあっても良い)に公知のビードを形成しても良い。
図1,2に示すように、クラッシュボックス20の車両後方向側端部には、バンパーアーム30が取り付けられており、このバンパーアーム30の車両後方側にバンパーリンフォース32が取り付けられている。
図2に示すように、バンパーアーム30は、水平方向(車両幅方向)に沿った断面形状が略台形状に形成されており、その内側に車両前後方向に沿って延びる2枚の縦壁30Aが架け渡されている。
バンパーアーム30は、バンパーリンフォース側に配置され、バンパーリンフォース32の前壁32Bに沿って車両幅方向に対して傾斜して配置された縦壁部30Bと、リアサイドメンバ側に配置され、車両幅方向に対して平行に配置された平面状の接合部30Cとを備えていると共に、縦壁部30Bは更に車両幅方向両側に向けて延設されている。
なお、バンパーアーム30の接合部30Cは、図示しないボルトによってクラッシュボックス20の車両後方側端部に固定され、バンパーアーム30の縦壁部30Bは、図示しないボルトによってバンパーリンフォース32の前壁32Bに固定されており、これにより、バンパーリンフォース32がクラッシュボックス20に支持されている。
本実施形態のバンパーリンフォース32は、例えば、断面形状がロ字状とされた中空の角パイプ形状であり、車両幅方向中央部が車両後方側へ凸となるように湾曲形成されている。
なお、本実施形態では、バンパーアーム30、バンパーリンフォース32、及びクラッシュボックス20は、各々アルミニューム合金からなる押出し成形品、クラッシュボックス取付ブラケット22はアルミニューム合金の鋳造品であるが、これらの部材を構成する材料はアルミニューム合金に限らず、他の軽合金でも良く、鉄等の軽合金以外の金属、CFRP等の繊維強化樹脂であっても良く、複数種類の材料からなる複合材料であっても良い。また、バンパーアーム30、バンパーリンフォース32、及びクラッシュボックス20は、ロ字状以外の断面形状であっても良く、開断面形状であっても良い。
(作用)
次に、本実施形態の車両端部構造の作用を説明する。
本実施形態の車両端部構造によれば、衝突時に、バンパーリンフォース32に対して車両前後方向に沿ってキャビン側へ向かう衝突荷重が入力されると、該衝突荷重は、バンパーリンフォース32、左右1対のクラッシュボックス20を介してリアサイドメンバ18へと伝達される。
次に、衝突時の各部の変形に付いて詳細に説明する。なお、図4の符号35は、一例として、車両等であるが、車両以外であっても良い。
先ず、図4(A)の衝突前に示す状態から図4(B)の様に、バンパーリンフォース32の車幅方向中央部に対して後方から車両35が接触して車両前後方向に沿った衝突荷重がバンパーリンフォース32に入力すると(いわゆる後突)、湾曲形成されたバンパーリンフォース32が車幅方向に伸びるように(直線状となる方向に)変形する。
また、本実施形態のクラッシュボックス20では、クラッシュボックス20のバンパーリンフォース側の端部から外側ねじ孔24までの車両前後方向に計測する長さLは、クラッシュボックス20のバンパーリンフォース側の端部から内側ねじ孔26までの車両前後方向に計測する長さLよりも相対的に長くなっているので、バンパーリンフォース32を介して衝突荷重が左右1対のクラッシュボックス20に入力すると、クラッシュボックス20は、衝突エネルギー入力点から締結部までの距離が長い車両幅方向外側部分が車両幅方向内側部分よりも先に大きく弾性変形し、その結果、左右1対のクラッシュボックス20は、バンパーリンフォース側が車幅方向外向きに広がる変形モードとなる。
このように、本実施形態の車両端部構造によれば、バンパーリンフォース32が伸びる方向と、左右1対のクラッシュボックス20のバンパーリンフォース側が変位する方向とを一致させているため、左右1対のクラッシュボックス20は、衝突時にバンパーリンフォース側が確実に広がるような変形モードとなる。
衝突の初期段階では、バンパーアーム30、及びクラッシュボックス20は塑性変形せず、バンパーリンフォース32の変形、及びクラッシュボックス20の弾性変形によって衝突荷重が吸収される(衝突エネルギーが吸収される)。
衝突による変形がさらに進んだ場合は、図4(C)に示すように、バンパーリンフォース32が車幅方向に伸びるように更に(図4(B)よりも直線状となる方向に)変形すると共に、バンパーアーム30が車両前後方向に圧縮変形(塑性変形)して、衝突荷重が吸収される(図4(C)の状態では、バンパーリンフォース32は車幅方向に伸びきって略直線状となっている。)。
衝突による変形がさらに進んだ場合は、図4(D)に示すように、バンパーリンフォース32は、車幅方向にほぼ伸びきって略直線状になっている状態で、バンパーアーム30の取り付け部分が車両前後方向に圧縮変形(塑性変形)し、衝突荷重が吸収される。
衝突による変形がさらに進んだ場合は、図4(E)に示すように、最終的にクラッシュボックス20が車両前後方向に圧縮変形(塑性変形)されて衝突荷重が吸収される。
本実施形態の車両端部構造では、このような順番で変形が進行するように変形モードがコントロールされているので、衝突時のエネルギーを効率良く、確実に吸収することができる。
なお、例えば、大衝突時には、図4(B)の状態から図4(E)の状態まで変形が進行するが、例えば、図4(B)または図4(C)の状態までしか変形が進行しない小衝突時、クラッシュボックス20は車幅方向外側に開くように弾性変形するものの、塑性変形は免れるため、バンパーリンフォース32を外せばクラッシュボックス20は元の形状に戻り、衝突後の修理において、クラッシュボックス20を交換する必要は無い。
なお、小衝突時においては、衝突の程度によって、図4(B)に示すように、バンパーリンフォース32のみ塑性変形していればバンパーリンフォース32を交換し、図4(C)に示すように、バンパーアーム30も塑性変形していればバンパーアーム30も交換すれば良い。
また、本実施形態の車両端部構造によれば、例えば、軽衝突時で、バンパーリンフォース32の幅方向中央部のみに衝突荷重が入力する場合においても、初期段階で左右1対のクラッシュボックス20は、バンパーリンフォース側が車幅方向外側に広がるように変形するので、バンパーリンフォース32の幅方向中央部が折れるモードを回避することが可能となる。
ところで、鉄等に比較して、繊維強化樹脂は、荷重がある限度を超えると破壊されるような変形を生ずる。クラッシュボックスは、軸方向に圧縮変形することで衝突エネルギーを吸収するよう設計されているため、繊維強化樹脂でクラッシュボックスを形成した場合、軸方向に衝突エネルギーが入力すれば、衝突エネルギーを吸収することができる。しかしながら、圧縮変形せず、クラッシュボックスが曲って折れる様な変形をすると衝突エネルギーを吸収することが出来なくなる。
本実施形態の車両端部構造を用いれば、クラッシュボックス20を繊維強化樹脂で形成した場合であっても、衝突時に、クラッシュボックス20を確実に圧縮変形させ、衝突エネルギーを確実に吸収することができる。
なお、クラッシュボックス20をCFRP等の繊維強化樹脂で形成すれば、金属で形成した場合に比較して軽量化を図ることができる。
また、本実施形態の車両端部構造を用いれば、クラッシュボックス20を長く形成しても衝突時の挙動が安定し、高い衝撃吸収性能を確実に得ることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の車両端部構造の第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態の車両端部構造では、左右1対のクラッシュボックス20が、バンパーリンフォース側の間隔がリアサイドメンバー側の間隔よりも広くなるように、クラッシュボックス20の軸線方向が車両前後方向に対して傾斜するように取り付けられている。このため、車両前後方向に沿った衝撃荷重に入力した際に、クラッシュボックス20のバンパーリンフォース側端部には、車両前後方向の力Faと、車両幅方向外側の力Fbとが作用することとなり、左右1対のクラッシュボックス20のバンパーリンフォース側が車幅方向外側へ開く方向へ変形させることができる。
本実施形態のクラッシュボックス20は、直線状に形成されているが、左右1対のクラッシュボックス20のバンパーリンフォース側の間隔がリアサイドメンバー側の間隔よりも広くなればクラッシュボックス20の形状は直線状に限らず、円弧形状、曲線状等他の形状であっても良い。
[第3の実施形態]
次に、本発明の車両端部構造の第3の実施形態を図面に従って説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の車両端部構造では、左右1対のクラッシュボックス20が、各々、車両幅方向外側の板厚tが、車両幅方向内側の板厚tよりも薄く形成されている。
車両幅方向外側部分を車両幅方向内側部分よりも薄く形成することで、車両幅方向外側部分の剛性が車両幅方向内側部分の剛性よりも低くなる。このため、車両前後方向に沿った衝撃荷重に入力した際に、車両幅方向外側部分が車両幅方向内側部分よりも先に大きく弾性変形し、左右1対のクラッシュボックス20のバンパーリンフォース側が車幅方向外側へ開く方向へ変形させることができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の車両端部構造の第4の実施形態を図面に従って説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態のクラッシュボックス20のバンパーリンフォース側の端面には、車両内側から外側に向かうにしたがって車両前後方向外側へ離れる方向へ傾斜した斜面を有する楔部材34が取り付けられている。
一方、本実施形態のバンパーアーム30は、クラッシュボックス側の接合部30Cが楔部材34の斜面と平行となるように、車幅方向に対して傾斜している。
車幅方向に対して傾斜した接合部30Cを有するバンパーアーム30と、楔部材34とで本発明の変形制御部材が構成されている。
本実施形態では、楔部材34の斜面とバンパーアーム30の接合部30Cとが互いに接しているだけであり、斜面と接合部30Cとが相対移動可能となっており、左右1対のクラッシュボックス20のバンパーリンフォース側の間隔が開く余地を残している。また、バンパーアーム30の車両幅方向外側端部には、クラッシュボックス20の車幅方向外側への移動量を制限するストッパ30Dが形成されている。
なお、バンパーアーム30とクラッシュボックス20とは、左右1対のクラッシュボックス20のバンパーリンフォース側の間隔が開くことが可能なように、バンパーアーム30と、楔部材34及びクラッシュボックス20とを上下で挟み込む保持部材36で互いに連結されている。
本実施形態では、楔部材34の斜面とバンパーアーム30の接合部30Cとが互いに傾斜して接しているため、バンパーリンフォース32から衝突荷重が入力すると、クラッシュボックス20はバンパーリンフォース側が車両幅方向外側に広がる方向へ力を受け、左右1対のクラッシュボックス20は、バンパーリンフォース側が車両幅方向外側に広がる方向に変形する。即ち、本実施形態の構成においても、変形をコントロールすることができる。
[その他の実施形態]
前記第3の実施形態では、クラッシュボックス20の車両幅方向外側部分の剛性を車両幅方向内側部分の剛性よりも低くするために、車両幅方向外側部分の板厚tを車両幅方向内側部分の板厚tよりも薄くしたが、例えば、車両幅方向外側部分の板厚tと車両幅方向内側部分の板厚tを同じに設定し、車両幅方向外側部分に孔、スリット等を形成して車両幅方向外側部分の剛性を車両幅方向内側部分の剛性よりも相対的に低くするようにしても良い。また、クラッシュボックス20の側面に形成するビード部の数を車両幅方向内側部分よりも車両幅方向外側部分で多くすることで、車両幅方向外側部分の剛性を車両幅方向内側部分の剛性よりも相対的に低くするようにしても良い。
上記実施形態のクラッシュボックス20は、断面形状が矩形の閉断面形状であったが、6角形、8角形等の多角形でも良く、円形、楕円形等の矩形、多角形以外の形状であっても良く、また、断面コ字状、H字状等の開断面形状であっても良い。
また、第1の実施形態のクラッシュボックス20において、第2の実施形態のように軸線を傾斜させ、かつ第3の実施形態のように板厚を変えても良く、第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態を適宜組み合わせることもできる。
また、上記実施形態では、車両後部側に本発明を適用した例を示したが、本発明を車両前部側に適用しても良いのは勿論である。即ち、フロントサイドメンバ16にクラッシュボックス20、バンパーアーム30、及びバンパーリンフォース32を連結する構成としても良い。
なお、クラッシュボックス20とバンパーリンフォース32とは、バンパーアーム30で連結する構成が好ましいが、クラッシュボックス20とバンパーリンフォース32とを直接連結しても良い。
車体の要部を示す斜視図である。 車体後部側の端部構造を示す平面図である。 (A)はリアサイドメンバとクラッシュボックスとの連結部分を示す平面図であり、(B)は該連結部分の断面図(図3(A)の3A−3A線断面図)である。 (A)〜(E)は、車体後部側の端部構造の変形の順番を示す平面図である。 第2の実施形態に係る車体後部側の端部構造を示す平面図である。 (A)は、第3の実施形態に係る車体後部側の端部構造を示す平面図であり、(B)はクラッシュボックスの断面図((図6(A)の6A−6A線断面図)である。 第4の実施形態に係る車体後部側の端部構造を示す平面図である。
符号の説明
10 車体
14 キャビン
18 リアサイドメンバ
20 クラッシュボックス(衝突エネルギー吸収手段)
24 外側ねじ孔(締結部分)
26 内側ねじ孔(締結部分)
28 ボルト孔(締結部分)
29 ボルト(締結部分)
30 バンパーアーム(連結部材、変形制御部材)
32 バンパーリンフォース
34 楔部材(変形制御部材)

Claims (4)

  1. キャビンを有する車体の前後方向端部側に設けられ、車両幅方向に非直線状に形成されて衝突時に車幅方向へ伸びるように変形するバンパーリンフォースと、
    前記バンパーリンフォースのキャビン側に車両前後方向に延びるように設けられ、前記バンパーリンフォースがキャビン側へ向かう方向の荷重を受けたときに、車両前後方向に圧縮されて塑性変形する前にバンパーリンフォース側の間隔が、キャビン側の間隔よりも広がる方向へ弾性変形すると共に、
    車両前後方向の長さが車幅方向の長さよりも長い軸部材としての左右1対の衝突エネルギー吸収手段と、
    を有し、
    前記衝突エネルギー吸収手段のキャビン側には、前記キャビン側との締結部分が前記衝突エネルギー吸収手段の上下部分において車幅方向に複数設けられていると共に、
    車両幅方向内側の前記締結部分は、車両幅方向外側の前記締結部分よりも前記キャビンから離れた位置に設定されており、前記衝突エネルギー吸収手段の前記バンパーリンフォース側の端部から車両幅方向外側の前記締結部分までの距離が前記衝突エネルギー吸収手段の前記バンパーリンフォース側の端部から車両幅方向内側の前記締結部分までの距離よりも長く設定された、車両端部構造。
  2. 前記衝突エネルギー吸収手段は、車幅方向外側部分の剛性が、車幅方向内側部分の剛性よりも低く形成されている、請求項1に記載の車両端部構造。
  3. 前記左右1対の衝突エネルギー吸収手段は、バンパーリンフォース側の間隔が、バンパーリンフォース側とは反対側の間隔よりも広く設定されている、請求項1又は請求項2に記載の車両端部構造。
  4. 前記バンパーリンフォースと前記衝突エネルギー吸収手段とは、前記衝突エネルギー吸収手段が塑性変形する前に変形して衝突エネルギーを吸収する連結部材を介して連結されている、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の車両端部構造。
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