JP5210588B2 - 熱式流量計、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子 - Google Patents

熱式流量計、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5210588B2
JP5210588B2 JP2007260187A JP2007260187A JP5210588B2 JP 5210588 B2 JP5210588 B2 JP 5210588B2 JP 2007260187 A JP2007260187 A JP 2007260187A JP 2007260187 A JP2007260187 A JP 2007260187A JP 5210588 B2 JP5210588 B2 JP 5210588B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
flow
value
heating resistor
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007260187A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009092385A (ja
Inventor
義寛 助川
徳安  昇
浩昭 星加
香織 樫尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2007260187A priority Critical patent/JP5210588B2/ja
Priority to US12/242,347 priority patent/US7814785B2/en
Priority to EP08017400.6A priority patent/EP2045584B1/en
Publication of JP2009092385A publication Critical patent/JP2009092385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5210588B2 publication Critical patent/JP5210588B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F1/00Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow
    • G01F1/68Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow by using thermal effects
    • G01F1/684Structural arrangements; Mounting of elements, e.g. in relation to fluid flow
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F1/00Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow
    • G01F1/68Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow by using thermal effects
    • G01F1/696Circuits therefor, e.g. constant-current flow meters
    • G01F1/698Feedback or rebalancing circuits, e.g. self heated constant temperature flowmeters
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F15/00Details of, or accessories for, apparatus of groups G01F1/00 - G01F13/00 insofar as such details or appliances are not adapted to particular types of such apparatus
    • G01F15/02Compensating or correcting for variations in pressure, density or temperature
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F15/00Details of, or accessories for, apparatus of groups G01F1/00 - G01F13/00 insofar as such details or appliances are not adapted to particular types of such apparatus
    • G01F15/02Compensating or correcting for variations in pressure, density or temperature
    • G01F15/04Compensating or correcting for variations in pressure, density or temperature of gases to be measured
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F1/00Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow
    • G01F1/74Devices for measuring flow of a fluid or flow of a fluent solid material in suspension in another fluid

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

本発明は、熱式流量計、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子に係り、特に、エンジンの吸気や排気ガスの流量を検出するのに適した熱式流量計、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子に関する。
従来、この種の熱式流量計としては、図28に示すように、流体中に少なくとも2つの抵抗体を配置し、一つは流体の温度を検出する測温抵抗体として、もう一方は流量を検出する発熱抵抗体として用い、それぞれの温度差(ΔTh)を常に一定に保持することで流体の質量流量の計量を実現している。
また、従来の熱式流量計として、流体中に配置される少なくとも2つの温度依存性抵抗を用いて流体の流量、特に内燃機関の燃焼に必要な空気流量を測定する流体の流量測定装置において、温度依存性抵抗を接続した抵抗測定回路、特にブリッジ回路を2つ設け、各ブリッジ回路に接続された温度依存性抵抗をそれぞれ所定の異なる温度に発熱させる流体の流量測定装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−136620号公報
ところで、前記構造の熱式流量計、及び特許文献1に記載の流量測定装置を用いて、エンジンの排ガスの流量を測定すると、エンジンの排気ガス中には、オイル、未燃燃料、水などの液体成分が含まれることが多く、これら液体成分が熱式流量計の発熱抵抗体に付着すると、大きな流量検出誤差が発生する。即ち、発熱抵抗体に付着した液体成分は、発熱抵抗体から熱を受け取り、気化する。このとき気化潜熱を発熱抵抗体から奪うため、これが流量誤差の発生原因となる。
まず、従来の熱式流量計を示す図28と図29を用いて、熱式流量計の原理について簡単に説明する。図28は一般的な熱式流量計の構成を示す。熱式計量方式は、流体中に少なくとも2つの抵抗体が配置され、一つは流体の温度を検出する測温抵抗体として、もう一方は流量を検出する発熱抵抗体として用いられ、それぞれの温度差(ΔTh)を常に一定に保持することで流体の質量流量の計量を実現している。ΔThは例えばエンジンの吸気流量計の場合、計量精度・応答性・埃等による汚損防止・使用材料の耐久性あるいは耐熱性など総合的な判断により、ΔThを100〜200℃程度に設定するのが一般的である。
図29はブリッジ制御回路の構成を示す。発熱抵抗体と測温抵抗体はブリッジ回路抵抗として配置されている。発熱抵抗体の抵抗をRh、発熱抵抗体を流れる電流をIhとすると、発熱抵抗体の全発熱量Phと発熱抵抗体に流れる流体の質量流量ρU及びΔThは、(1)式で表される。
Figure 0005210588
Aは発熱抵抗体から支持体への熱伝導分(熱漏れ)であり、またBは流体に奪われる熱伝達分で、熱的定数としてまとめられる。この(1)式から、発熱抵抗体Rhと固定抵抗R1の中点の電圧Vsは、(2)式で表され、流体の質量流量に依存する電圧であることが分かる。センサ出力VoutはVsを増幅しアナログ電圧値として出力される。
Figure 0005210588
センサ出力Voutと流体の質量流量Q(=ρU)の関係を示した一例を図30に示す。(2)式で示されるように、流体の質量流量Qはセンサ出力Voutの4乗に比例する。よって、センサ出力電圧Voutを測定することで、(2)式、もしくは図30の関係を用いてセンサ表面を流れる流体の質量流量Qを求めることができる。これが熱式流量計の測定原理である。
次に、熱式流量計の誤差発生要因について説明する。被測定ガス中に液滴や未気化燃料などの液相成分が含まれている場合、図31に示すように発熱抵抗体Rhの表面にガス中の液相成分が付着する。発熱抵抗体は一般に被測定ガスより100〜200℃程度高い温度に保たれているため、発熱抵抗体の表面に付着した液相成分は発熱抵抗体からの熱を受けて蒸発する。このとき、発熱抵抗体の表面から気化潜熱を奪い、発熱抵抗体Rhが冷却される。前記のように、熱式流量計は流体の熱伝達による冷却熱量から流量を検出するため、気化潜熱によって余分な冷却が起こると、熱式流量計は実際の流量よりも大きな流量値を示す。これが熱式流量計の誤差発生の一要因である。
次に、エンジンの排ガス流量を熱式流量計で検出することを想定した場合の具体的な誤差発生メカニズムを説明する。エンジン制御では、燃焼室内の空燃比(空気と燃料の比)を理論混合比より燃料リッチにして運転する場合がある。これは、例えば排気の後処理のためにNOx吸着触媒を備えたエンジンにおいて、NOx吸着触媒を再生する場合、もしくは冷機始動において低温での始動性確保のために燃料を増量する制御をした場合などである。この場合、排ガスには燃焼室内で燃えきらなかった燃料成分が含まれる。この排ガスの温度が排気管での放熱などによって燃料の沸点より下がった場合には、排ガス中の未燃燃料が液相成分として排ガス中へ凝縮して出てくる。これが熱式流量計の発熱抵抗体に付着して気化することで、前述した流量検出誤差が発生する。
図32は、熱式流量計を用いたエンジンの排気流量計測において、空燃比に対する流量検出誤差を示した実験結果の一例である。本実験結果において、理論空燃比より燃料リッチ側で大きな流量検出誤差が生じることが示されている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、流量を測定しようとする流体中に液体成分が含まれていても、その流量を正確に測定することができる熱式流量計と、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る熱式流量計は、被測定ガス流中に配置されたセンサ素子の発熱抵抗体に電圧を印加して該発熱抵抗体を所定の温度状態に設定し、該設定した所定の温度状態における前記被測定ガス流の流量値を検出する熱式流量計であって、前記流量値は、複数の異なる所定の温度状態で検出された複数の流量値であり、該複数の流量値から算出された値に基づき、前記流量値の被測定ガス流中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を補正することを特徴とする。
また、本発明に係る熱式流量計の制御方法は、被測定ガス流中に配置されたセンサ素子の発熱抵抗体に電圧を印加して該発熱抵抗体を所定の温度状態に設定し、該設定した所定の温度状態における前記被測定ガス流の流量値を検出する熱式流量計の制御方法であって
、該制御方法は、複数の異なる所定の温度状態で複数の流量値を検出し、検出された複数の流量値から算出された値に基づき、前記流量値の被測定ガス流中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を補正制御することを特徴とする。
前記のごとく構成された本発明の熱式流量計、及び熱式流量計の制御方法は、被測定ガス流中に含まれる液体成分が発熱抵抗体に付着して気化し、気化潜熱を発熱抵抗体から奪うため流量検出誤差が発生するが、この流量検出誤差は所定の温度状態で検出されて算出された値に基づき、補正手段によって実際の流量値方向に補正されるため、被測定ガスの流量を精度良く測定することができる。
本発明に係る熱式流量計の好ましい具体的な態様としては、前記複数の流量値から算出された値は、前記複数の流量値の比であることを特徴とする。また、熱式流量計の制御方法の好ましい具体的な態様としては、前記制御方法は、前記複数の比から前記値を算出し、算出された値に基づいて前記流量検出誤差を補正制御することを特徴とする。この構成によれば、複数の異なる所定の温度状態で検出された複数の流量値の比から前記値を算出し、算出された値に基づいて流量検出誤差を補正するため、精度の高い流量を測定することができる。
本発明の係る熱式流量計では、前記複数流量値から算出された値は、前記複数の流量値の比のべき乗値であることが好ましい。また、本発明に係る熱式流量計の制御方法では、前記複数の流量値の比のべき乗値から前記値を算出し、該値に基づいて前記流量検出誤差を補正制御することが好ましい。この構成によれば、複数の流量値の比のべき乗値、例えば4乗値に基づく補正量により、被測定ガス中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を補正して、被測定ガスの流量をより正確に測定することができる。
前記した熱式流量計において、前記複数の異なる所定の温度状態は、前記発熱抵抗体への電圧の印加時期を異にすることにより生じる温度状態であることが好ましい。また、前記した熱式流量計の制御方法で、前記発熱抵抗体への電圧の印加時期を異にすることにより、前記複数の異なる温度状態を設定し、設定された温度状態における流量値により算出された前記値に基づき前記流量検出誤差を補正制御することが好ましい。この構成によれば、例えば、単一の発熱抵抗体に印加時期をずらして電圧を印加することで複数の異なる温度状態を設定でき、異なる温度状態で検出された各流量値に基づいて前記値を算出して流量検出誤差を補正するため、検出された流量値の精度を高めることができる。この場合、発熱抵抗体が1つであるため、構成が簡単となり、スペースを削減することができる。
さらに、前記した熱式流量計において、前記複数の異なる所定の温度状態は、複数に構成した前記発熱抵抗体のそれぞれへの異なる電圧の印加により生じる温度状態であることが好ましい。また、前記した熱式流量計の制御方法で、複数に構成した前記発熱抵抗体のそれぞれへの異なる電圧の印加により前記複数の異なる温度状態を設定し、設定された温度状態における流量値により算出された前記値に基づき前記流量検出誤差を補正制御することが好ましい。この構成によれば、複数に構成した発熱抵抗体のそれぞれに、異なる電圧を印加することで複数の異なる温度状態を設定でき、異なる温度状態で検出された各流量値に基づいて前記値を算出して流量検出誤差を補正するため、測定された流量値の精度を高めることができる。
本発明に係る熱式流量計の他の態様としては、被測定ガス流中に配置されたセンサ素子の発熱抵抗体に電圧を印加して該発熱抵抗体を第一の温度状態と第二の温度状態に設定し、該設定した前記第一の温度状態における前記被測定ガス流の第一の流量値及び前記第二の温度状態における前記被測定ガス流の第二の流量値を検出する熱式流量計であって、前記第一の流量値もしくは前記第二の流量値の被測定ガス流中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を、前記第一の流量値と前記第二の流量値との比に基づいて補正することを特徴とする。
本発明に係る熱式流量計の制御方法の他の態様としては、被測定ガス流中に配置されたセンサ素子の発熱抵抗体に電圧を印加して該発熱抵抗体を第一の温度状態と第二の温度状態に設定し、該設定した前記第一の温度状態における前記被測定ガス流の第一の流量値及び前記第二の温度状態における前記被測定ガス流の第二の流量値を検出する熱式流量計の制御方法であって、該制御方法は、前記第一の流量値もしくは前記第二の流量値の被測定ガス流中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を、前記第一の流量値と前記第二の流量値との比に基づいて補正制御することを特徴とする。
このように構成された熱式流量計、及び熱式流量計の制御方法では、発熱抵抗体の第一の温度状態における被測定ガス流の第一の流量値と、第二の温度状態における被測定ガス流の第二の流量値を検出し、被測定ガス流中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を、第一の流量値と第二の流量値との比に基づいて補正制御するため、検出された流量の測定精度を高めることができる。
本発明に係る熱式流量計の具体的な好ましい他の態様としては、前記第一の温度状態と前記第二の温度状態は、前記発熱抵抗体への電圧の印加時期を異にすることにより生じる温度状態であることを特徴とする。また、本発明に係る熱式流量計の制御方法の具体的な好ましい他の態様としては、前記制御方法は、前記発熱抵抗体への電圧の印加時期を異にすることにより前記第一の温度状態及び第二の温度状態を設定し、前記流量検出誤差を補正制御することを特徴とする。この構成によれば、発熱抵抗体への電圧の印加時期をずらすことにより、第一の温度状態及び第二の温度状態を設定し、これらの温度状態における第一の流量値と、第二の流量値との比に基づいて流量検出誤差を補正制御するため、被測定ガスの正確な流量測定が可能となる。
さらに、本発明に係る熱式流量計の具体的な好ましい他の態様としては、前記第一の温度状態と前記第二の温度状態は、複数に構成した前記発熱抵抗体のそれぞれへの異なる電圧の印加により生じる温度状態であることを特徴とする。また、本発明に係る熱式流量計の制御方法の具体的な好ましい他の態様としては、前記制御方法は、複数に構成した前記発熱抵抗体のそれぞれへの異なる電圧の印加により前記第一の温度状態及び第二の温度状態を設定し、前記流量検出誤差を補正制御することを特徴とする。この構成によれば、複数に構成した発熱抵抗体のそれぞれへの異なる電圧の印加により、第一の温度状態及び第二の温度状態を設定し、これらの温度状態における第一の流量値と、第二の流量値との比に基づいて流量検出誤差を補正制御するため、被測定ガスの正確な流量測定が可能となる。
本発明に係る熱式流量計の好ましい具体的な態様としては、軸体と、該軸体に巻回された第1の発熱抵抗体及び第2の発熱抵抗体と、前記軸体の軸方向に沿って形成された溝と、該溝内に配置された支持体とを備え、前記第1の発熱抵抗体及び第2の発熱抵抗体は前記支持体に接続固定され、該支持体を介して通電されるセンサ素子を備えることを特徴としている。
そして、前記の熱式流量計のセンサ素子は、前記軸体に巻回された測温抵抗体をさらに備え、該測温抵抗体は前記支持体に接続固定され、該支持体を介して通電されることが好ましい。この構成によれば、センサ素子をユニット化できるため、設置が容易であり、異常発生時には交換も容易に行える。
本発明の熱式流量計、熱式流量計の制御方法は、流量を測定しようとするガス中に液相成分が含まれており、熱式流量計で流量を測定するとき、ガス中の液相成分が気化して流量誤差が発生しても、その流量を精度良く測定することができる。また、本発明の熱式流量計のセンサ素子は、小型化が可能で設置が容易であり、交換も容易に行える。
先ず、本発明の第一の実施形態を説明する前に、本発明による流量誤差の補正原理について図33、図34を用いて説明する。本発明においては、図33に示すように被測定ガス中に2つの発熱抵抗体(それぞれRh1、Rh2)を並列に設置する。発熱抵抗体Rh1の温度とガスとの温度差をΔTh1、発熱抵抗体Rh2の温度とガスとの温度差をΔTh2とし、ΔTh1とΔTh2は異なる温度に設定されている。これら発熱抵抗体Rh1、Rh2にはそれぞれ図示しないブリッジ回路等が接続されており、発熱抵抗体Rh1からは流量検出値Q1、発熱抵抗体Rh2からは流量検出値Q2がそれぞれ検出される。2つの発熱抵抗体は同一の流れの中に並行に設置されるため、流量検出誤差が無い場合にはそれぞれの流量検出値は同じ(Q1=Q2)である。一方、被測定ガス中に燃料や水滴などの液相成分が含まれた場合には、前述した気化潜熱効果によって流量検出値Q1、Q2にはそれぞれ誤差が生じる。
図34は、2つの発熱抵抗体Rh1、Rh2によって検出された流量値の比(Q1/Q2)と、Q1に対する流量誤差との関係を示した例である。2つの発熱抵抗体Rh1、Rh2の設定温度が異なるため、気化潜熱効果によって流量誤差が生じたときに、流量値の変化幅がRh1とRh2で異なる。このとき流量誤差と検出流量比Q1/Q2との間には、図34に示すような相関がある事が実験により明らかとなった。すなわち、2つの発熱抵抗体の温度とガスとの温度差ΔTh1、ΔTh2が決まれば、測定するガス流量が変化しても、流量検出誤差と流量比(Q1/Q2)とには一定の関係があることが判った。このことから、発熱抵抗体の温度とガスとの温度差ΔTh1、ΔTh2と、発熱抵抗体Rh1が検出する流量Q1、発熱抵抗体Rh2が検出する流量Q2が判れば、図34の関係から現在の検出流量にどれだけの誤差が生じているかを求めることができ、その流量誤差分を検出流量から減算もしくは検出流量に加算することで流量誤差を低減することができる。これが本発明における流量誤差補正原理である。
次に、本発明の第一の実施形態を図1を用いて説明する。
図1では、発熱抵抗体Rh1、測温抵抗体Rc1、図示しない固定抵抗等から構成されたブリッジ回路1の出力がリニアライザ3に連結されている。また、発熱抵抗体Rh2、測温抵抗体Rc2、図示しない固定抵抗等から構成されたブリッジ回路2の出力がリニアライザ4に入力されている。2つのリニアライザ3,4の出力が流量補正回路500に入力されている。ブリッジ回路1及びブリッジ回路2はそれぞれ図29に示すように、発熱抵抗体Rh、測温抵抗体Rc、固定抵抗、トランジスタTR等から構成され、測温抵抗体Rhの温度が被測定ガス温度から一定温度ΔTだけ高い温度になるように発熱抵抗体Rhに流れる電流がフィードバックにより調整される。発熱抵抗体Rh1の温度と被測定ガスとの温度差ΔTh1と、発熱抵抗体Rh2の温度と被測定ガスとの温度差ΔTh2には、ΔTh2>ΔTh1の関係となるように、それぞれのブリッジ回路を構成する抵抗値等が設定されている。
リニアライザ3,4は、図2に示すようにブリッジ回路から出力されるセンサ出力Voutとセンサが検出する質量流量Qとの線形化を行い、質量流量Qに比例した電圧値を出力するものである。すなわちリニアライザ3からは発熱抵抗体Rh1によって検出された流量に比例した出力Q1が出力される。同様に、リニアライザ4からは発熱抵抗体Rh2によって検出された流量に比例した出力Q2が出力される。
流量補正回路500は、除算器5、乗算器6、減算器7,71から構成される。リニアライザ3及びリニアライザ4の出力は除算器5に入力され、発熱抵抗体Rh1とRh2で検出された流量Q1、Q2の比に比例した電圧値(Q1/Q2)が出力される。減算器71によって、(Q1/Q2)−1が求められ、これが乗算器6に入力される。乗算器6のもう片方の入力値Cと(Q1/Q2)−1の積、C{(Q1/Q2)−1}が乗算器6から出力される。
流量比Q1/Q2と流量誤差との間には図34で示したように、ほぼ線形の関係がある。したがって、図3に示すように流量比(Q1/Q2)−1と流量補正値ΔQとの関係を、発熱抵抗体の温度とガスとの温度差ΔTh1、ΔTh2の組合せ毎に求めておき、現在のΔTh1、ΔTh2に対応したグラフの傾きd(ΔQ)/d{(Q1/Q2)−1}をCとして乗算器6の入力に設定する。
乗算器6によって求められた流量補正値ΔQは減算器7へ入力され、減算器7によって、発熱抵抗体Rh1によって検出された流量値Q1と流量補正値ΔQの差が、本熱式流量計の検出流量値Qとして減算器7から出力される。
本実施形態によれば、被測定ガス中に含まれた液相成分が発熱抵抗体の表面で気化した場合において、気化潜熱効果によってQ1に生じる流量変化量ΔQ(流量誤差)が図3に示す(Q1/Q2)と補正量ΔQとの関係から求められる。そして、ΔQをQ1から差し引くことで、気化潜熱効果によって、算出されたQ1に生じる流量誤差を補正することができる。あるいは、ΔQをQ2に加算することで、算出されたQ2に生じる流量誤差を補正することができる。
前記した実施形態では、異なる2つの発熱抵抗体から検出される流量値の比(Q1/Q2)に比例する量として流量補正値ΔQを求めた。しかし、図34で示されるように(Q1/Q2)と流量誤差とは完全な線形関係ではなく、流量補正値が大きい場合には流量補正値に誤差を生じる虞がある。
図4は、2つの発熱抵抗体から検出される流量値の比(Q1/Q2)の4乗値と、流量検出誤差の関係を示した例である。(Q1/Q2)の4乗値と流量検出誤差とは、図34に示す(Q1/Q2)と流量検出誤差との関係に比べ、より直線性の高い関係となっていることが示されている。これは(2)式で示されるように、熱式流量計で検出される流量が、センサ出力電圧の4乗根の関係になっているためである。よって、図4の関係を使うことによって、流量補正幅の大きい場合においてもより精度良く流量を補正することができる。
これを実現するための、本発明の第二の実施形態を図5に示す。本実施形態は図1に示した本発明の第一の実施形態において、補正回路500内の除算器5と乗算器6の間に乗算器8,9を直列に挿入した補正回路500Aとした点が異なる。その他の構成については、図1に示す第一の実施形態と同様である。本発明の第二の実施形態においては、除算器5によって2つの発熱抵抗体で検出された流量の比(Q1/Q2)が得られる。(Q1/Q2)が直列に繋がった2つの乗算器8,9に入力されることで、流量比の4乗値(Q1/Q2)が得られ、減算器71によって(Q1/Q2)−1が得られる。これが乗算器6へ入力される。乗算器6のもう片方の入力値Cと(Q1/Q2)の積、C(Q1/Q2)が乗算器6から出力される。
流量比の4乗値(Q1/Q2)と流量誤差との間には図4に示したように、ほぼ線形の関係がある。したがって、図6に示すように、流量比の4乗値(Q1/Q2)−1と流量補正値ΔQとの関係を、発熱抵抗体の温度とガスとの温度差ΔTh1、ΔTh2の組合せ毎に求めておき、現在のΔTh1、ΔTh2に対応したグラフの傾きd(ΔQ)/d{(Q1/Q2)−1}をCとして乗算器6の入力に設定する。
乗算器6によって求められた流量補正値ΔQは減算器7へ入力され、減算器7によって、発熱抵抗体Rh1によって検出された流量値Q1と流量補正値ΔQの差が、熱式流量計の検出流量値Qとして減算器7から出力される。
本実施形態によれば、被測定ガス中に含まれた液相成分が発熱抵抗体の表面で気化した場合において、気化潜熱効果によってQ1に生じる流量変化量ΔQ(流量誤差)が図6に示す(Q1/Q2)の4乗値と補正量ΔQとの関係から求められる。そして、ΔQをQ1から差し引くことで、気化潜熱効果によってQ1に生じる流量誤差を補正することができる。(Q1/Q2)の4乗値と流量検出誤差の関係は、(Q1/Q2)と流量検出誤差の関係に比べより線形に近いため、流量の補正量が大きい場合にも、本発明の第一の実施形態に比べより適正な流量補正を行うことができる。
前記した第一の実施形態、第二の実施形態では、いずれもアナログ回路を用いた流量補正の方法を示したが、アナログ回路の代わりにマイコンを用いて補正してもよい。
図7は、本発明の第三の実施形態で、マイコンを用いた流量補正の実施形態を示す。
本実施形態では、発熱抵抗体Rh1にヒータ駆動回路10によって電圧が印加される。ヒータ駆動回路10はマイコン12からの指示によって、発熱抵抗体Rh1に印加する電圧値を変化させるものである。
発熱抵抗体Rh1と固定抵抗R1が直列に接続される。ヒータ駆動回路10と発熱抵抗体Rh1の間のアナログ電圧値VRh1と、Rh1とR1間のアナログ電圧値VR1がそれぞれローパスフィルタLP1を通った後、A/D変換器13に入力される。そしてA/D変換器13によってデジタル値変換されたVRh1とVR1がそれぞれマイコン12に入力される。
発熱抵抗体Rh2にヒータ駆動回路11によって電圧が印加される。ヒータ駆動回路11はマイコン12からの指示によって、発熱抵抗体Rh2に印加する電圧値を変化させるものである。
発熱抵抗体Rh2と固定抵抗R2が直列に接続される。ヒータ駆動回路11と発熱抵抗体Rh2の間のアナログ電圧値VRh2と、Rh2とR2間のアナログ電圧値VR2がそれぞれローパスフィルタLP2を通った後、A/D変換器14に入力される。そしてA/D変換器14によってデジタル値変換されたVRh2とVR2がそれぞれマイコン12に入力される。
さらに、測温抵抗体Rcと固定抵抗R3が直列に接続されRcとR3間のアナログ電圧値がA/D変換器15によってデジタル値Vcoutに変換された後、マイコン12に入力される。測温抵抗体Rcには電源VBから一定の電圧が印加されている。ここで、測温抵抗体Rcに流れる電流値はきわめて小さな値となるよう、測温抵抗体Rcと固定抵抗R3の抵抗値、測温抵抗体に印加される電圧値VBが定められる。測温抵抗体Rcに流れる電流が微小であることから、測温抵抗体Rcによるジュール発熱量は小さく、測温抵抗体Rcの温度は被測定ガスの温度とほぼ一致する。
ヒータ駆動回路10,11の動作例について、図8、図9を用いて説明する。
図8は、ヒータ駆動回路から発熱抵抗体に印加される電圧波形の一例を示している。ヒータ駆動回路から発熱抵抗体へ出力される電圧波形は図8に示すように矩形波であり、電圧値はゼロもしくはVonの2値を取る。ここでは1つの矩形波において、電圧がゼロである期間をΔToff、電圧がVonである期間をΔTonとする。また、ΔToff+ΔTonは常に一定であるとする。すなわち、矩形パルスの周波数は常に一定であるとする。ここで、Duty比を(3)式で定義する。
Duty比=ΔTon/(ΔTon+ΔToff) …(3)
すなわち、Duty比は、1パルス周期間でのVonの時間割合を表す。このDuty比は、マイコンからの指示によって0から1の間で任意に設定されるものである。図9は、Duty比に対してヒータ駆動回路から発熱抵抗体へ印加される電圧の時間平均値との関係の一例を示す。ここで、電圧の時間平均値とは、例えば矩形パルス100個分の電圧の平均値であり、また、例えば1秒間の電圧平均値である。時間平均をとる間隔は、流量計に要求される応答速度や回路の時定数、マイコンの動作周波数など、種々の要因、要求仕様から適宜決定される。図9に示すように、Duty比と平均電圧は比例関係にある。すなわち、マイコンはヒータ駆動回路に指示するDuty比を0から1の範囲で適宜変えることにより、発熱抵抗体への時間平均の印加電圧値を0からVonの範囲で任意に変化させることができる。
図10に、マイコンによる流量の補正手順を示す。ステップS1において、測温抵抗体Rcと固定抵抗R3間の電圧値VR3を読み込み、ステップS2でVR3から被測定ガスの温度Tgを算出する。
マイコン内での被測定ガスの温度Tgの算出方法について、図11と(4)式を用いて説明する。測温抵抗体Rcの温度と測温抵抗体Rcの抵抗値の間には、図11に示すように、ほぼ線形の関係がある。前述したように、測温抵抗体Rcに流れる電流は微小であるため、測温抵抗体Rc自身のジュール発熱量は小さく、測温抵抗体Rcの温度と、被測定ガスの温度Tgはほぼ一致する。このため、図11の関係より測温抵抗体Rcの抵抗値が判れば被測定ガスの温度Tgを求めることができる。測温抵抗体Rcの抵抗値はオームの法則より(4)式により算出される。
Rc=(V−VR3)R3/V …(4)
すなわち、マイコンでは固定抵抗R3の電圧値VR3から(4)式を用いて測温抵抗体Rcの抵抗値を求め、Rcと図11の関係から被測定ガスの温度Tgを求めることができる。
図10のステップS3では、式(5)、式(6)によって、発熱抵抗体Rh1とRh2の設定温度、Th1、Th2をそれぞれ求める。
Th1=Tg+ΔT1 ・・・(5)
Th2=Tg+ΔT2 ・・・(6)
ここで、ΔT1、ΔT2は被測定ガス温度Tgに対する発熱抵抗体の設定温度差であり、ΔT1<ΔT2となるように予め設定されている。またΔT1は100℃以上に設定するのが望ましい。これは被測定ガスの温度と発熱抵抗体温度の差が小さいと、発熱抵抗体からガスへの伝熱量が小さくなり、S/N比の悪化により流量の検出精度が低下するためである。また、エンジンの排ガスなど、被測定ガス中にオイルやカーボンなどの汚損物質が含まれている場合には、発熱抵抗体の温度が600℃以上になるようにΔT1を設定するのが望ましい。これは発熱抵抗体の温度が高いと発熱抵抗体に付着したオイル等を短期間で気化させることが可能であり、発熱抵抗体の表面に汚損物質が堆積することを未然に防止できる。
続いてステップS4では、発熱抵抗体Rh1、Rh2の温度がステップS3で求めた設定温度Th1、Th2になるように、発熱抵抗体の駆動回路に出力するDuty比、Duty1、Duty2をそれぞれ制御する。
図12に、ステップS4の詳細フローの一例を示す。ステップS10において、ヒータ駆動回路1に出力するDuty比、Duty1の初期値を定め、ステップS11でヒータ駆動回路1にDuty1を出力する。ヒータ駆動回路1では図9に示したように入力されるDuty比に基づいた電圧が発熱抵抗体1に対して印加される。次に、ステップS12で発熱抵抗体Rh1の両端電圧の時間平均値VRh1とVR1がマイコンに読み込まれ、ステップS13で現在の発熱抵抗体Rh1の温度Th10が求められる。発熱抵抗体の温度算出の原理は、前述した測温抵抗体の温度算出原理と同様である。即ち、図13に示すように発熱抵抗体の抵抗値と温度には線形の関係があるため、発熱抵抗体Rh1の抵抗値が判れば、図13の関係より発熱抵抗体Rh1の温度Th10が求められる。発熱抵抗体Rh1の抵抗値は、オームの法則より導かれる式(7)式により、VRh1とVR1を用いて算出することができる。
Rh1=(VRh1−VR1)R1/VRh1 …(7)
ステップS14により、目標設定温度Th1と現在の発熱抵抗体温度Th10との差δ1が求められ、ステップS15によりδ1の絶対値が予め設定された閾値ε(収束判定をするための微小値)と比較される。δ1の絶対値が閾値εより大きい場合には、ステップS16により現在のDuty値、Duty1を比例制御(P制御)により更新する。ここで、Gは予め設定された比例制御のゲインである。
Duty1+G・δ1 → Duty1
Duty1の更新後、ステップS11に戻り、以後、発熱抵抗体Rh1の温度が設定温度Th1に収束するまで、ステップS11からステップS16が繰り返される。
なお、本実施形態では、ステップS16におけるDuty比の更新に比例制御(P制御)を用いたが、比例積分制御(PI制御)、比例積分微分制御(PID制御)などを用いることで、発熱抵抗体Rh1の温度を短時間で、精度良く設定温度に収束させることが可能である。
ステップS15において、δ1の絶対値が閾値εより小さいと判断された場合には、発熱抵抗体Rh1が設定温度Th1に収束したと見なし、引き続いて、ステップS17によりDuty2の制御に移行する。Duty2の制御については、ステップS10からステップS16で示したDuty1の制御と同様の方法により、発熱抵抗体Rh2の温度が設定温度Th2になるようにDuty2が設定される。
以上で説明したように、Duty1、Duty2の制御により発熱抵抗体が所定の温度に設定されると、引き続いて、図10、ステップS5により、発熱抵抗体Rh1による流量検出値Q1と発熱抵抗体Rh2による流量検出値Q2が求められる。発熱抵抗体1の検出電圧値VR1、発熱抵抗体温度Th1、ガス温度Tgと発熱抵抗体1で検出される流量Q1の間には(8)式の関係がある。
=αR1 /(TRh1-T …(8)
ここに、α1は発熱抵抗体の構造や、物性値などによって決まる係数である。同様に発熱抵抗体Rh2の検出電圧値VR2、発熱抵抗体温度Th2、ガス温度Tgと発熱抵抗体Rh2で検出される流量Q2の間には(9)式の関係がある。
=αR2 /(TRh2-T …(9)
なお、ガス物性値は温度によって変化するため、α1、α2は一般に温度の関数となる。被測定ガスの温度変化範囲が比較的小さい場合には、α1、α2を定数としてもよい。また、被測定ガスの温度変化範囲が広い場合には、あらかじめα1、α2の温度変化特性を関数またはテーブル等で与えることで、より精度の高い流量検出が可能となる。
次に、図10、ステップS6により、流量の補正値ΔQを求める。流量の補正値ΔQの求め方の一例としては、図4で示したように、流量比Q1/Q2の4乗と、流量誤差の間にほぼ線形の関係があることから、(10)式に示す近似関数で求められる。
ΔQ=K{(Q1/Q2)−1} ・・・(10)
ここに、Kは係数であり、発熱抵抗体の温度Th1、Th2の関数である。
K=K(Th1、Th2) ・・・(11)
Kについては、予め種々の検定実験により、図14に示すように発熱抵抗体温度Th1、Th2の2次元マップデータとしてマイコン内に記憶されており、Th1、Th2を与えることで本マップから容易に係数Kの値を得ることができる。
図10、ステップS7において、(10)式で得られた流量補正値ΔQを発熱抵抗体Rh1の流量検出値Q1から差し引くことで、補正後の流量値Qが求められ、マイコンから検出流量値として出力される。
本実施形態によれば、被測定ガス中に含まれる液相成分が発熱抵抗体の表面で気化した場合において、気化潜熱効果によって流量値Q1に生じる流量変化量ΔQ(流量誤差)が図6に示す(Q1/Q2)の4乗値と補正量ΔQとの関係から求められる。そして、ΔQをQ1から差し引くことで、気化潜熱効果によってQ1に生じる流量誤差を補正することができる。流量の検出、補正をマイコンで行うことで、発熱抵抗体の設定温度をマイコンによって柔軟に変化させることができる。
エンジンの排ガスのように、ガス温度が比較的低温(例えば常温)から高温(例えば500℃以上)に変化する場合には、発熱抵抗体の温度とガスとの温度差ΔTを、ガス温度に応じて変化させるのが良い。即ち、ガス流量検出のS/N比を高くするには、ガス温度と発熱抵抗体の温度差はある程度大きい方が良い(例えばΔT=200℃)。一方で、ガス温度が高温なった場合には、ΔTを大きくすると、発熱抵抗体自身の温度が非常に高温になり、耐熱限界を超える虞がある。そこで、ガス温度が高い場合にはΔTを小さくとることでセンサの熱破損を未然防止できる。
また、例えばエンジンの排ガス中に多量のオイル、カーボン等の汚損物質が含まれる運転状態の場合には、一時的に発熱抵抗体の温度を高温にして汚損を未然に防いだり、発熱抵抗体に付着したカーボン等の汚損物質を焼損させたりするなど、マイコンを用いることで多様な温度制御が可能となる。さらに、マイコンを用いると、(10)式で示される流量補正関数を(Q1/Q2)の多項式としたり、式(10)の係数Kに物性値の温度依存性を考慮したりすることで、補正流量の算出精度をより高めることが可能となる。
前記の実施形態では、2つの発熱抵抗体を用いて流量の誤差を補正する実施形態について説明したが、1つの発熱抵抗体を用いても流量補正が可能である。
図15は、単一の発熱抵抗体Rh1での構成例による本発明の第四の実施形態を示す。
本実施形態においては、発熱抵抗体Rh1の温度を図16に示すように変化させる。すなわち、Rh1の温度を低温Th1と高温Th2の2つの状態に交互に切り替える。このように時間的に発熱抵抗体の温度を変化させ、それぞれの温度設定状態での流量値Q1、Q2を検出することで、2つの発熱抵抗体を用いた場合と同様に、Q1、Q2を用いて流量補正を行うことができる。
本実施形態での処理フローを図17に示す。ステップS1、ステップS2からガス温度Tgを求め、ステップS3により発熱抵抗体Rh1の設定温度Th1、Th2を求める。ここで、ΔT1<ΔT2であり、ΔT1は100〜200℃程度とするのが望ましい。ステップS20でヒータ駆動回路に出力するDuty比を制御することで、発熱抵抗体の温度をTh1に設定する。ステップS21で設定温度Th1の状態での流量検出値Q1を求める。ステップS22でヒータ駆動回路に出力するDuty比を制御することで、発熱抵抗体の温度をTh2に設定し、ステップS23で設定温度Th2の状態での流量検出値Q2を求める。ステップS6でQ1とQ2から補正流量ΔQを求める。補正流量の求め方については、前述した2つの発熱抵抗体を用いる場合と同様である。続いて、ステップS7でQ1からΔQを引くことで補正後の流量値Qを求める。
流れが定常状態にある場合、または流量の時間変動が比較的遅い場合には、本実施形態のように、単一の発熱抵抗体を用いて、時間をずらして流量値Q1、Q2を検出しても、流量検出精度に対する影響は小さい。また、本実施形態では、2つの発熱抵抗体を用いる場合に比べて、単一の発熱抵抗体を用いることで、センサの構造が簡単になり製造コストが低減できる。また、センサ素子が小型化することで設置スペースが小さくて済むという利点がある。
図18〜図20に、2つの発熱抵抗体を用いる場合のセンサ素子の構成の一例を示す。図18,19は、エンジンの吸気用流量計に使用されている巻線式の素子を基本としたセンサ素子構成の例である。センサ素子30の先端から第1発熱抵抗体Rh1、測温抵抗体Rs、第2発熱抵抗体Rh2の順に配置されており、アルミナパイプ20に導線が複数回巻きつけて配置され、さらに、その表層に導体を絶縁保護するガラス21でコーティングされている。
好適なアルミナパイプ20形状の例を図19に示す。アルミナパイプ20の外周には支持体23,23…を配置する溝22が複数形成されている。図19では、6溝の例を示すが、この場合は一つの抵抗体に対して2溝を利用する構造となる。各溝22に対して支持体23を側面から挿入した後、各抵抗体となる導体を巻きつける。したがって、支持体挿入溝の深さXは支持体の外形より十分に大きくとる必要がある。巻線からなる第1発熱抵抗体Rh1、測温抵抗体Rs、第2発熱抵抗体Rh2の両端は、各抵抗体と支持体23,23…の接続点25,25…を溶接等により接続固定する。また、測温抵抗体の配置の仕方であるが、生産性を考慮すると、第1発熱抵抗体Rh1と測温抵抗体Rsを近接させガラス21で一塊にした構成が有効と考えるが、汚損が発生しない程度に距離を保ち、それぞれをガラスでコートしてもよい。
このように構成された熱式流量計のセンサ素子は、第1の発熱抵抗体Rh1、測温抵抗体Rs、第2発熱抵抗体Rh2がユニット化され、支持体23,23…を介して通電することができるため、設置が極めて容易となる。また、センサ素子に異常が発生した場合、容易に交換することもできる。
別の構成としては、積層基板技術の応用も考えられる。図20に積層基板式センサ素子の構造例を示す。積層された絶縁基板26の間に、複数の抵抗体(導体)を形成した構造である。図20には4層の例を示すが、各抵抗体で必要となる抵抗値に応じて、積層数を増減してもよい。積層間を跨いで抵抗体を形成する場合は、基板26に形成されたビアホール27を利用して電気的な接続を行う。特に注意点としては、高温に加熱された発熱部(第2発熱抵抗体Rh2)からの伝熱により、筐体との接続点となるパッド部28が劣化する可能性がある。発熱部Rh2とパッド部28の距離は十分に確保などの工夫が必要である。
図21は、本発明の流量センサをエンジンに実装した例を示す。エンジンの排気系配管31の側面から流量センサを挿入し、エンジンの排気ガス流量を計測する例を示している。流量センサは、図18で示した熱線式のセンサ素子30と、測温抵抗体30c、センサ素子のカバー32、支持体23等から構成される。なお、本図ではセンサ素子30内の測温抵抗体Rsの代わりに、測温抵抗体30cを外部に分けて取り付けている。
図21には、センサの斜視図を示す。センサ素子のカバー32は、ガスの順流方向に対向した面S1と、底面の一部S2が開口しており、順流方向のガスはS1からセンサ内に入って、センサ素子30の表面を通過して、底面の開口部S2から出て行く。ガスの流れ方向が逆流の場合には、開口部S2が底面にあるためセンサ内にガスが入って行き難い。すなわち、センサは順流方向のガス流れを感知し、逆方向の流れに対する感度は低下させることで、逆流によって流量の検出精度が悪化するのを防止する構造となっている。また、カバー内の狭い通路にガスを導入することでガスの流れを整える効果があり、ガスの乱れや脈動を低減し精度向上を図ることができる。
測温抵抗体30cは、ガスの温度を検出する素子である。センサ素子30の熱によってガス温度が上昇するため、測温抵抗体30cはセンサ素子30の上流側で、かつ、センサ素子30の表面を流れるガス流を阻害しない位置に設けることが望ましい。また本例では、センサ素子30と測温抵抗体30cを1つの素子カバー32内に設置したが、測温抵抗体30cを素子カバー32外に出して、ガス流路内のいずれかに独立して設けてもよい。
図23は、本発明による流量センサを実装したエンジンの構成例である第4の実施形態を示す。本構成例はディーゼルエンジンの排気再循環ガス(EGRガス)の流量計測に、本発明の流量センサを適用した例である。内燃機関40は、4サイクル4気筒のディーゼルエンジンであり、ターボチャージャ41を備えており、エアクリーナ42、インタークーラ43、吸気マニホルド、コレクタ44、などからなる吸気経路45が接続されている。また、内燃機関40には、排気マニホルド、触媒46、などからなる排気経路47が接続されている。
内燃機関40には、燃焼室に燃料を噴射するインジェクタ48が設けられている。インジェクタ48は、燃料を燃焼室へ供給する燃料噴射手段であり、内燃機関40に形成されるシリンダごとに設置されている。EGRガスを環流する還流配管49の途中にはEGRクーラ50が設けられている。
EGRクーラ50は還流配管49の内部を流通するEGRガスを冷却する冷却手段である。EGRクーラ50としては、例えば、水冷式のものが用いられ、冷却水の循環により還流配管49を流通するEGRガスを冷却する。また、EGRクーラ50は、積層型、多管型など何れの型式のものを用いてもよい。
還流配管49の途中であってEGRクーラ50の下流側には、EGR制御弁51が設けられている。EGR制御弁51は、還流配管49を開閉する弁体であり、弁体の開閉によりEGRガスの還流量を調整する。本構成例では、EGRクーラ50が排気側に配置された構成例を示しているが、EGRクーラ50とEGR制御弁51の配置関係については特に制約はない。
吸気経路45と還流配管49は、スロットル弁52の下流で接続されている。還流配管49の途中には、流量センサ53が設けられている。また、エアクリーナ42の下流には流量センサ54が設けられている。流量センサ53は還流配管49を流れるEGRガスの質量流量を測るためのセンサであり、その構成は例えば図18、図21に示したように、2つの発熱抵抗体を有するセンサ素子と測温抵抗体が素子カバー内に設置された構成となっている。一方、流量センサ54は吸気経路を通過する新気の質量流量を検知するものであり、その構成として、広くエンジンの吸気流量計で用いられている、単一の発熱抵抗体と測温抵抗体が素子カバー(バイパス通路)に設置された構成などが考えられる。また、流量センサ54は流量センサ53と同様に、2つの発熱抵抗体を有するセンサ素子と測温抵抗体が素子カバー内に設置された構成であってもよい。
本構成例では、流量センサ53をEGRクーラ50の下流に設置したが、EGRクーラ50の上流側に流量センサ53を設置してもよい。EGRクーラ50の下流側に流量センサ53を設置した場合は、EGRガス温度がEGRクーラ50によって冷却されるため、流量センサ53の耐熱性が比較的低くてもよい利点がある。一方で、EGRガス温度が低下するため、ガス中に凝縮水やオイルミストが発生しやすく、凝縮水の中に溶け込んだ種々の物質(例えばEGRクーラのろう付けに用いる金属材)やオイルによって流量センサが汚損しやすい。一方、EGRクーラ50の上流に流量センサを設置した場合には、センサの耐熱性は厳しくなるがセンサは汚損しにくい利点がある。
流量センサ53は流量センサコントローラ55に接続される。ここに、流量センサコントローラ55は図7に示す流量算出、補正用マイコン12と、ヒータ駆動回路(10,11)、固定抵抗(R1〜R3)、ローパスフィルタ(LP1、LP2)、A/D変換器(13〜15)を含んだ回路で構成される。流量センサコントローラ55によって、発熱抵抗体の加熱温度制御や流量値、ガス温度の読み込みと流量補正等が行われ、エンジンコントロールユニット(ECU)60へ流量検出値、ガス温度検出値が送られる。また、ECU60から流量センサコントローラ55に制御指令が送られる。
また、ECU60は、流量センサ54による吸気流量検出、クランク角センサ56による回転速度、クランク角の検出等を行う。ECU60は、これらECU内に取り込まれたEGRガス流量、EGRガス温度、吸気流量、回転速度等の検出量を基にインジェクタ48による燃料噴射量や噴射タイミング制御、スロットル弁52やEGR弁51の開度制御などエンジン全体の統括制御を行う。
本発明の効果を検証するための試験設備の構成として、本発明の第5の実施形態を図24を用いて説明する。図24において、ガソリンエンジン70の排気管71に流量センサ65が取り付けられており、流量センサコントローラ66によって発熱抵抗体の温度制御や流量値、ガス温度の読み込みと本発明による流量補正等が行われる。排気管71内の排ガスはガスクーラ72によって冷却される。ガスクーラ72は冷却水路、冷却水を循環するポンプ73から構成される。排気ガスの温度は温度センサ76によって検出され、排ガス温度は、水の沸点以上かつガソリン中の高沸点成分の沸点温度以下で一定に保たれるように、クーラコントローラ75によってガスクーラ72に循環する冷却水の流量が制御される。
表1にガソリンに含まれる代表成分と沸点を示す。ガソリンの高沸点成分であるデカンの沸点は174℃、ノナンが151℃であることから、排ガス温度はこれら高沸点成分の沸点より低い例えば140℃に設定する。
Figure 0005210588
ガソリンエンジンの吸気管77には、エアフロセンサ78が設けられ、エンジン70に吸入される空気量が検出される。ガソリンエンジン70はエンジンコントローラ79によって、エンジンの回転数をほぼ一定に保ちつつ、燃料の噴射量を増減することでエンジンシリンダ内の燃空比(燃料と空気の比)が種々に設定される。
図24に示したエンジンシステムによって、エンジンの燃空比(燃料と空気の比)を種々に変えて流量センサ65によって流量が計測される。エアフロセンサ78、及びエンジンコントローラ79によって指令された燃料噴射量から真の排ガス流量が求められる。これらから、流量センサ65によって測定された流量の誤差が求められる。
図25は燃空比に対して、流量センサ65によって計測された流量誤差の関係を示す。本発明の流量補正を行わない従来の方法では、燃空比が理論燃空比より大きくなる(燃料リッチになる)と燃空比の増加に従いほぼ線形に流量誤差が増大する。これは、排ガス温度がガソリンの高沸点成分の沸点より低い温度に維持されているため、ガソリン内に含まれる高沸点成分が凝縮して、ミスト状の液体成分となって現れ、これが流量センサ65の発熱抵抗体の表面で蒸発するためである。発熱抵抗体の表面でガソリンの液体成分が蒸発することで発熱抵抗体から気化潜熱が奪われ、流量が実流量より大きく検出される。
燃空比が大きくなるにつれ、排ガス中の未燃燃料の割合が高くなり、結果として排ガス中の液相燃料成分の濃度が高くなるため、発熱抵抗体表面での液体成分の蒸発量が増え、流量検出誤差が増大する。一方、本発明では、気化潜熱によって生じる量誤差が補正されるため、燃空比が理論混合比より燃料リッチになった場合でも流量誤差が増大せず、ほぼ一定の誤差に抑えることができる。
次に、本発明の第6の実施形態として、水蒸気/空気の混合気を用いた試験設備の構成を図26を用いて説明する。図26において、ガス配管80内にポンプ87によって導入された空気はチャンバ82に入り、インジェクタ83によって空気中に水が噴射される。ここで、インジェクタ83はポンプ85によってタンク86から送り込まれた水を高圧で噴射することで、空気中に微細な液滴を供給するものである。インジェクタからの水の噴射量は、インジェクタコントローラ84によって制御される。
水/空気二相流は加熱器97によって水の沸点以上に加熱され、空気中の液滴は完全に気化し、蒸気/空気の混合気が形成される。その後、混合気はガスクーラ72によって冷却される。混合気の温度は温度センサ76によって検出され、混合気の温度が一定に保たれるように、クーラコントローラ75によってガスクーラ72に循環する冷却水の流量が制御される。ガスクーラ72の下流で流量センサ65によって混合気の流量が検出され、流量センサコントローラ66によって発熱抵抗体の温度制御や流量値、ガス温度の読み込みと本発明による流量補正等が行われる。
図26に示したガス流量計測システムによって、混合気の温度を種々に変えて流量センサ65によって混合気の流量が計測される。エアフロセンサ78、及びインジェクタコントローラ84によって指令された水の噴射量から真の混合気流量が求められる。これらから、流量センサ65によって測定された流量の誤差が求められる。
図27は混合気温度に対して、流量センサ65によって計測された流量誤差の関係を示す。本発明の流量補正を行わない従来の方法では、混合気温度が水の沸点より低くなると混合気温度低下に従い流量誤差が増大する。これは、混合気温度が水の沸点より低くなることで、混合気中の蒸気が凝縮して、ミスト状の液相成分となって現れ、これが流量センサ65の発熱抵抗体の表面で蒸発するためである。発熱抵抗体の表面で液体成分が蒸発することで発熱抵抗体から気化潜熱が奪われ、流量が実流量より大きく検出される。混合気温度が低くなるにつれ混合気中の液相成分の濃度が高くなるため、発熱抵抗体表面での蒸発量が増え、流量検出誤差が増大する。一方、本発明では、気化潜熱によって生じる流量誤差が補正されるため、混合気温度が水の沸点よりも低くなった場合でも流量誤差が増大せず、ほぼ一定の誤差に抑えることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、補正量は、第1の流量値と第2の流量値との比のべき乗値に比例する例として4乗の例を示したが、3乗、5乗等のべき乗値でもよいことは勿論である。
本発明の活用例として、この熱式流量計、滅し気流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子を用いて、あらゆる流体の流量を正確に測定することができ、これらを各種の流体の流れる配管等を取り付けることによって、精度良い流量測定が可能となる。
本発明の熱式流量計の第一の実施形態を示す構成図。 本発明の第一の実施形態におけるリニアライザと流量の関係を示すグラフ。 図1の熱式流量計の流量比と流量補正値との関係を示すグラフ。 図1の熱式流量計の流量比の4乗値と流量補正値との関係を示すグラフ。 本発明の熱式流量計の第二の実施形態を示す構成図。 流量比の4乗値と流量補正値との関係を示すグラフ。 本発明の熱式流量計の第三の実施形態を示す構成図。 ヒータ駆動回路に印加される電圧波形図。 Duty比と印加電圧との関係を示すグラフ。 本発明の第三の実施形態におけるマイコンの処理フロー。 測温抵抗体の抵抗値と温度との関係を示すグラフ。 ヒータ駆動回路に対するマイコンの処理フロー。 発熱抵抗体の抵抗値と温度との関係を示すグラフ。 (10)式における係数Kの補正マップの例。 本発明の熱式流量計の第四の実施形態を示す構成図。 図15の熱式流量計における発熱抵抗体の温度変化を示すグラフ。 図15の熱式流量計におけるマイコンの処理フロー。 本発明の熱式流量計のセンサ素子の一実施形態の正面図。 図18のセンサ素子を構成するアルミナパイプの平面図と正面図。 本発明の熱式流量計のセンサ素子の他の実施形態を示す積層基板式センサ素子の分解状態の斜視図と、組立状態の斜視図。 本発明の流量センサをエンジンに実装した断面図。 図21の流量センサの要部斜視図。 本発明による流量センサを実装したエンジンを示す第4の実施形態の構成図。 本発明の効果を検証するための試験設備の構成として、本発明の流量センサをガソリンエンジンに適用した本発明の第5の実施形態の構成図。 燃空比に対する流量誤差の関係を示すグラフ。 本発明の効果を検証するための試験設備の構成として、本発明の流量センサを水蒸気/空気の混合気を噴射する装置に適用した本発明の第6の実施形態の構成図。 混合気温度に対する流量誤差の関係を示すグラフ。 従来の熱式流量計の概略構成図。 図28の熱式流量計のブリッジ制御回路構成図。 熱式流量計におけるセンサ出力電圧と質量流量の関係を示すグラフ。 熱式流量計の誤差発生要因図。 エンジンの排気流量計測結果であり、空燃比に対する流量検出誤差を示した実験結果を示すグラフ。 本発明による流量誤差の補正原理図であり、2つの発熱抵抗体の配置した構成図。 本発明による流量誤差の補正原理図であり、流量比と流量補正値との関係を示すグラフ。
符号の説明
1,2・・・ブリッジ回路、3,4・・・リニアライザ、5・・・除算器、6・・・乗算器、7・・・減算器、10,11・・・ヒータ駆動回路、12・・・マイコン、20・・・アルミナパイプ、21・・・ガラス、22・・・溝、23・・・支持体、30・・・センサ素子、32・・・センサ素子カバー、53,54,65・・・流量センサ、500,500A・・・補正回路、Rc,Rs・・・測温抵抗体、Rh1・・・第一の発熱抵抗体、Rh2・・・第二の発熱抵抗体、Q1,Q2・・・流量値、ΔQ・・・流量補正値

Claims (18)

  1. 被測定ガス流中に配置されたセンサ素子の発熱抵抗体に電圧を印加して該発熱抵抗体を所定の温度状態に設定し、該設定した所定の温度状態における前記被測定ガス流の流量値を検出する熱式流量計であって、
    前記流量値は、複数の異なる所定の温度状態で検出された複数の流量値であり、該複数の流量値から算出された値に基づき、前記流量値の被測定ガス流中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を補正することを特徴とする熱式流量計。
  2. 前記複数の流量値から算出された値は、前記複数の流量値の比であることを特徴とする請求項に記載の熱式流量計。
  3. 前記複数の流量値から算出された値は、前記複数の流量値の比のべき乗値であることを特徴とする請求項に記載の熱式流量計。
  4. 前記複数の異なる所定の温度状態は、前記発熱抵抗体への電圧の印加時期を異にすることにより生じる温度状態であることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の熱式流量計。
  5. 前記複数の異なる所定の温度状態は、複数に構成した前記発熱抵抗体のそれぞれへの異なる電圧の印加により生じる温度状態であることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の熱式流量計。
  6. 被測定ガス流中に配置されたセンサ素子の発熱抵抗体に電圧を印加して該発熱抵抗体を第一の温度状態と第二の温度状態に設定し、該設定した前記第一の温度状態における前記被測定ガス流の第一の流量値及び前記第二の温度状態における前記被測定ガス流の第二の流量値を検出する熱式流量計であって、
    前記第一の流量値もしくは前記第二の流量値の被測定ガス流中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を、前記第一の流量値と前記第二の流量値との比に基づいて補正することを特徴とする熱式流量計。
  7. 前記第一の温度状態と前記第二の温度状態は、前記発熱抵抗体への電圧の印加時期を異にすることにより生じる温度状態であることを特徴とする請求項に記載の熱式流量計。
  8. 前記第一の温度状態と前記第二の温度状態は、複数に構成した前記発熱抵抗体のそれぞれへの異なる電圧の印加により生じる温度状態であることを特徴とする請求項に記載の熱式流量計。
  9. 軸体と、該軸体に巻回された第1の発熱抵抗体及び第2の発熱抵抗体と、前記軸体の軸方向に沿って形成された溝と、該溝内に配置された支持体とを備え、前記第1の発熱抵抗体及び第2の発熱抵抗体は前記支持体に接続固定され、該支持体を介して通電されるセンサ素子を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱式流量計
  10. 前記センサ素子は、前記軸体に巻回された測温抵抗体をさらに備え、該測温抵抗体は前記支持体に接続固定され、該支持体を介して通電されることを特徴とする請求項に記載の熱式流量計
  11. 被測定ガス流中に配置されたセンサ素子の発熱抵抗体に電圧を印加して該発熱抵抗体を所定の温度状態に設定し、該設定した所定の温度状態における前記被測定ガス流の流量値を検出する熱式流量計の制御方法であって、
    該制御方法は、複数の異なる所定の温度状態で複数の流量値を検出し、検出された複数の流量値から算出された値に基づき、前記流量値の被測定ガス流中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を補正制御することを特徴とする熱式流量計の制御方法。
  12. 前記制御方法は、前記複数の流量値の比から前記値を算出し、該値に基づいて前記流量検出誤差を補正制御することを特徴とする請求項11に記載の熱式流量計の制御方法。
  13. 前記制御方法は、前記複数の流量値の比のべき乗値から前記値を算出し、該値に基づいて前記流量検出誤差を補正制御することを特徴とする請求項11に記載の熱式流量計の制御方法。
  14. 前記制御方法は、前記発熱抵抗体への電圧の印加時期を異にすることにより、前記複数の異なる温度状態を設定し、設定された温度状態における流量値により算出された前記値に基づき前記流量検出誤差を補正制御することを特徴とする請求項12又は13に記載の熱式流量計の制御方法。
  15. 前記制御方法は、複数に構成した前記発熱抵抗体のそれぞれへの異なる電圧の印加により前記複数の異なる温度状態を設定し、設定された温度状態における流量値により算出された前記値に基づき前記流量検出誤差を補正制御することを特徴とする請求項12又は13に記載の熱式流量計の制御方法。
  16. 被測定ガス流中に配置されたセンサ素子の発熱抵抗体に電圧を印加して該発熱抵抗体を第一の温度状態と第二の温度状態に設定し、該設定した前記第一の温度状態における前記被測定ガス流の第一の流量値及び前記第二の温度状態における前記被測定ガス流の第二の流量値を検出する熱式流量計の制御方法であって、
    該制御方法は、前記第一の流量値もしくは前記第二の流量値の被測定ガス流中に含まれる液相成分の気化によって生じる流量検出誤差を、前記第一の流量値と前記第二の流量値との比に基づいて補正制御することを特徴とする熱式流量計の制御方法。
  17. 前記制御方法は、前記発熱抵抗体への電圧の印加時期を異にすることにより前記第一の温度状態及び第二の温度状態を設定し、前記流量検出誤差を補正制御することを特徴とする請求項16に記載の熱式流量計の制御方法。
  18. 前記制御方法は、複数に構成した前記発熱抵抗体のそれぞれへの異なる電圧の印加により前記第一の温度状態及び第二の温度状態を設定し、前記流量検出誤差を補正制御することを特徴とする請求項16に記載の熱式流量計の制御方法。
JP2007260187A 2007-10-03 2007-10-03 熱式流量計、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子 Expired - Fee Related JP5210588B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007260187A JP5210588B2 (ja) 2007-10-03 2007-10-03 熱式流量計、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子
US12/242,347 US7814785B2 (en) 2007-10-03 2008-09-30 Thermal flow meter, thermal flow meter control method, and sensor element of thermal flow meter
EP08017400.6A EP2045584B1 (en) 2007-10-03 2008-10-02 Thermal flow meter control method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007260187A JP5210588B2 (ja) 2007-10-03 2007-10-03 熱式流量計、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009092385A JP2009092385A (ja) 2009-04-30
JP5210588B2 true JP5210588B2 (ja) 2013-06-12

Family

ID=39952171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007260187A Expired - Fee Related JP5210588B2 (ja) 2007-10-03 2007-10-03 熱式流量計、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7814785B2 (ja)
EP (1) EP2045584B1 (ja)
JP (1) JP5210588B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5094212B2 (ja) * 2007-05-25 2012-12-12 日立オートモティブシステムズ株式会社 熱式流量計と制御方法
JP4836988B2 (ja) 2008-04-30 2011-12-14 日立オートモティブシステムズ株式会社 熱式流量計
JP2010131264A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Nippon Koden Corp 呼吸気情報測定センサ
JP4766149B2 (ja) * 2009-04-10 2011-09-07 トヨタ自動車株式会社 内燃機関装置およびその制御方法並びに車両
WO2011040327A1 (ja) * 2009-09-30 2011-04-07 株式会社堀場エステック 流量センサ
JP2011132849A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Hitachi Automotive Systems Ltd 燃料噴射弁の制御方法
DE102010033175B3 (de) * 2010-08-03 2011-12-08 Pierburg Gmbh Verfahren zur Bestimmung eines resultierenden Gesamtmassenstroms an einem Abgasmassenstromsensor
DE102010056279B4 (de) * 2010-12-24 2013-07-04 Abb Technology Ag Vortex-Durchflussmessgerät mit optimierter Temperaturerfassung
DE102011083287A1 (de) * 2011-09-23 2013-03-28 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Erfassung einer Strömungseigenschaft eines strömenden fluiden Mediums
US20140000359A1 (en) * 2012-06-29 2014-01-02 Los Robles Advertising, Inc. Operating a thermal anemometer flow meter
US9506791B2 (en) 2012-12-17 2016-11-29 Los Robles Advertising, Inc. Operating a high accuracy thermal anemometer flow meter in gas stream containing liquid droplets
EP2932204B1 (en) * 2012-12-17 2022-07-27 Los Robles Advertising, Inc. Operating a high accuracy thermal anemometer flow meter in gas stream containing liquid droplets
JP5916637B2 (ja) 2013-01-11 2016-05-11 日立オートモティブシステムズ株式会社 流量センサおよびその製造方法
CN109991043B (zh) * 2017-12-31 2022-07-05 中国人民解放军63653部队 基于高温管式气氛炉的差压式取气测量***
US11402253B2 (en) * 2018-06-26 2022-08-02 Minebea Mitsumi Inc. Fluid sensing apparatus and method for detecting failure of fluid sensor
CN114578091B (zh) * 2022-05-06 2022-08-23 河南氢枫能源技术有限公司 一种加氢流量调节检测装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2008A (en) * 1841-03-18 Gas-lamp eok conducting gas pkom ah elevated buhner to one below it
DE3248603A1 (de) * 1982-12-30 1984-07-12 Robert Bosch Gmbh, 7000 Stuttgart Einrichtung zur messung des massendurchsatzes eines stroemenden mediums
DE3931308C2 (de) * 1989-09-20 1997-02-20 Bosch Gmbh Robert Verfahren und Vorrichtung zur Temperatursteuerung eines erhitzten Meßwiderstandes
JP3486511B2 (ja) * 1996-11-11 2004-01-13 サンポット株式会社 フローセンサ
JP3468727B2 (ja) * 1999-09-24 2003-11-17 株式会社日立製作所 熱式空気流量計
JP2007248136A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Hitachi Ltd 熱式ガス流量測定装置
JP5097355B2 (ja) 2006-03-29 2012-12-12 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 放射線断層撮影装置
JP5080020B2 (ja) 2006-04-13 2012-11-21 日立オートモティブシステムズ株式会社 熱式流量センサ
JP4341651B2 (ja) 2006-07-28 2009-10-07 株式会社日立製作所 熱式ガス流量計
JP4713437B2 (ja) * 2006-10-18 2011-06-29 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の排気ガス再循環装置
JP5094212B2 (ja) * 2007-05-25 2012-12-12 日立オートモティブシステムズ株式会社 熱式流量計と制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2045584A3 (en) 2014-04-16
EP2045584A2 (en) 2009-04-08
EP2045584B1 (en) 2016-03-09
US20090090177A1 (en) 2009-04-09
JP2009092385A (ja) 2009-04-30
US7814785B2 (en) 2010-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5210588B2 (ja) 熱式流量計、熱式流量計の制御方法、及び熱式流量計のセンサ素子
JP5094212B2 (ja) 熱式流量計と制御方法
JP4836988B2 (ja) 熱式流量計
US20100170483A1 (en) Film resistor in an exhaust-gas pipe
JP5226933B2 (ja) 流量センサおよび空気流量の測定方法
US9482570B2 (en) Device and method for recalibrating an exhaust gas mass flow sensor
US20060096305A1 (en) Fluid flowmeter and engine control system using the same
JP5201187B2 (ja) 空気流量計測装置
JPS6140924B2 (ja)
US20040244461A1 (en) Method for compensating the measurement deviation of an air-flow sensor
JPS61194317A (ja) 直熱型流量センサ
JPH0578668B2 (ja)
JP2007101426A (ja) 熱式流量計
JP2005181096A (ja) 発熱抵抗体式流体流量測定装置
JP3764841B2 (ja) 空燃比センサの素子温度計測装置及びヒータ制御装置
JP5295078B2 (ja) 内燃機関のガス流量計測装置
JP3200005B2 (ja) 発熱抵抗式空気流量測定装置
JP2006170803A (ja) ガス流量計
JPH0467577B2 (ja)
JP2006170804A (ja) ガス流量計
JPS61122556A (ja) 酸素濃度センサ用ヒ−タの電力量制御装置
JP6787255B2 (ja) エンジンの排気処理装置
JP2875948B2 (ja) 吸入空気流量検出装置
WO2003095947A1 (en) Hot wire mass flow measurement device for a high temperature gas
JP2001003820A (ja) 蒸発燃料量測定方法及び装置、空燃比制御方法及び装置、並びにキャニスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130225

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5210588

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees