JP5207639B2 - 点灯管及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光ランプを始動させる点灯管及びその製造方法に関する。
従来から蛍光灯の起動用には点灯管(グロースタータ)が用いられている。近年、蛍光灯の自動オンオフシステムによる点滅回数の増加や、メンテナンスが困難な高所等に設置された蛍光灯のメンテナンスフリー化の対策として、点灯管の長寿命化の要求は増大している。
この点灯管はグロー放電を伴う点滅を繰り返して長期間使用されると、放電容器の各部材から徐々に不純ガスが放出され、点灯管の特性が低下するという問題がある。特に不純ガスとして水素の影響が大きく、水素の放出により、水素と他の不純物とが反応して放電阻害物質が生成され、点灯管の電極間にこの放電阻害物質が介在することにより、電極間の放電開始電圧が上昇し、点灯管の寿命特性が低下すると考えられる。この問題を解決するために、不純ガスを吸収する物質として、金属バリウムを点灯管の電極の表面に被着させることがよく知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、不純ガスを吸収する物質として、パラジウムとジルコニウムの合金を点灯管の内部に配置することも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−21974号公報 特開平7−105857号公報
しかし、特許文献1に記載された方法では、アジ化バリウム〔Ba(N32〕を約210℃で加熱分解し、分解された窒素を放電容器から排出する必要があるため生産性が悪く、窒素の排出が不十分であると封入ガスのアルゴンに窒素が混入して不動作限界電圧が低下する問題がある。
また、特許文献2に記載された方法では、高価なパラジウム等を用いる必要があるため、経済的に不利であるという問題がある。
本発明は上記問題を解決したもので、生産性が高く、高価な材料が不要で、長寿命の点灯管を提供するものである。
本発明の点灯管は、熱応動素子を含む可動極及び前記可動極の対電極からなる1対の電極と、放電ガスとを、密閉容器の内部に備えた点灯管であって、前記熱応動素子を構成する金属材料中の水素含有量が、0.1重量ppm以上1.0重量ppm以下であり、前記密閉容器の内表面には、アルミン酸塩が被着していることを特徴とする。
また、本発明の点灯管の製造方法は、熱応動素子を含む可動極及び前記可動極の対電極からなる1対の電極と、放電ガスとを、密閉容器の内部に備えた点灯管の製造方法であって、前記熱応動素子を構成する金属を125℃以上300℃以下で、1時間以上5時間以下で加熱することにより、前記熱応動素子を構成する金属材料中の水素含有量を0.1重量ppm以上1.0重量ppm以下にする工程と、前記密閉容器の内表面に、アルミン酸塩及び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つを被着させる工程を含むことを特徴とする。
本発明の点灯管は、生産性及び経済性が高く、長寿命化を実現できる。また、本発明の点灯管の製造方法は、長寿命の点灯管を合理的に製造できる。
(実施形態1)
先ず、本発明の点灯管の実施形態について説明する。本発明の点灯管は、熱応動素子を含む可動極及び可動極の対電極からなる1対の電極と、放電ガスとを、密閉容器の内部に備えている。また、熱応動素子を構成する金属材料中の水素含有量は、0.1重量ppm以上1.0重量ppm以下、より好ましくは0.3重量ppm以上0.5重量ppm以下に設定されている。
熱応動素子を構成する金属材料中の水素含有量を上記範囲内に設定することにより、点灯管がグロー放電を伴う点滅を繰り返して長期間使用されても、熱応動素子からの水素の放出が低減され、点灯管の寿命特性が向上する。即ち、熱応動素子としては、通常、金属薄板を2枚以上積層したバイメタルやトリメタルが用いられるが、その熱応動素子を作製する工程で水素等の不純ガスが、金属薄板自体に吸蔵又はその金属薄板の積層内面に吸着されやすい。このため、熱応動素子を点灯管に組み込む前に、熱応動素子を構成する金属材料中から水素を除去することにより、結果として密閉容器(バルブ)内の水素量を低減できる。その結果、点灯管の電極間の放電阻害物質が減少し、電極間の放電開始電圧の上昇が防止され、点灯管の寿命低下を抑制できる。
上記水素含有量が1.0重量ppmを超えると、点灯管の使用中に熱応動素子から放出される水素量が増大し、点灯管の長寿命化を図ることができない。また、上記水素含有量が0.1重量ppm未満では、金属材料自体の強度が低下し、また金属薄板同士の接合力も低下し、熱応動素子として機能しなくなるおそれがある。
また、熱応動素子を構成する金属材料中の水素だけでなく、対電極を構成する金属材料中の水素含有量を低減してもよいが、通常熱応動素子からの水素の放出量が多いため、少なくとも熱応動素子を構成する金属材料中の水素含有量を低減すれば、点灯管の長寿命化を図ることができる。
また、上記対電極の表面にランタンを被着させることもできる。ランタンは電子放出物質であり、対電極の表面に被着させることにより、点灯管の動作作動電圧を下げる効果があり、これにより、定格入力電圧(100V、200V等)に合わせた最適な作動電圧に設定できる。ランタンの被着は、対電極の表面にランタンを塗布してもよいし、ペレット状のランタンを対電極に溶接してもよい。ランタンの被着量は、0.1mg以上100mg以下とすればよい。
なお、熱応動素子にランタンを被着すると、熱応動素子の開閉動作に伴いランタンが剥離するおそれがあるので、好ましくない。
また、上記1対の電極の少なくとも一方の電極の表面に亜鉛を被着させることもできる。電極の表面に亜鉛を被着させることにより、電極からの電子放出性が向上し、蛍光ランプの暗所始動遅れ時間を短くできる。亜鉛の被着は、電極の表面に亜鉛をメッキしてもよいし、ペレット状の亜鉛を電極に溶接してもよい。亜鉛の被着量は、0.005mg以上1.0mg以下とすればよい。
また、上記密閉容器(バルブ)の内表面に、アルミン酸塩及び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つを被着させることもできる。アルミン酸塩及び酸化アルミニウムは、動作電圧上昇抑制物質であり、密閉容器の内表面に被着させることにより、蛍光ランプの暗所始動遅れ時間を短くでき、それと同時に寿命後半の動作電圧の上昇を抑制することができる。アルミン酸塩又は/及び酸化アルミニウムの被着量は、0.1mg/cm2以上0.6mg/cm2以下とすればよい。
上記動作電圧上昇抑制物質としては、例えば、アルミン酸バリウム(BaAl1219)、アルミン酸マグネシウム(MgAl24)、アルミン酸ストロンチウム(SrAl1219)、アルミン酸カルシウム(CaAl1219)等のアルミン酸塩、又は例えば、アルミン酸バリウムストロンチウム(Ba,Sr)Al24等のアルカリ土類金属を一種以上含むアルカリ土類アルミン酸塩、又はγ族アルミナ、即ち高活性アルミナや、η−アルミナ及びθ−アルミナからなる活性アルミナ等が使用できる。高活性アルミナは、アルコール水溶液を分散媒にして使用するか、あるいは乾式塗布等の導入プロセスを適正に選ぶことにより、約120m2/gという極めて大きいBET値を確保できるため、不純ガス吸蔵能力に優れている。また、上記動作電圧上昇抑制物質としては、バリウム(Ba)を含みユーロピウム(Eu)などの付活剤を有するアルミン酸塩系の蛍光体であってもよい。
以下、本発明の点灯管の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の点灯管の一例を示す部分断面図である。本実施形態の点灯管1は、密閉された容器2の内部(容器内部8)に、電極(可動極)3と、可動極3と対をなす電極(対電極)4と、放電ガスとを備えている。
容器2は、バルブ6、フレアステム7及び排気管9によって密閉されている。フレアステム7には、容器内部8に放電ガスを封入する際に使用される排気管9が、排気孔10を介して容器内部8に連通して接続されている。排気管9の一方の端部は、排気孔10でフレアステム7に接着され、もう一方の端部は塞がれている。また、容器2の電極3、4が固定されている側の端部を覆うように、口金5が取り付けられ、電極3、4と電気的に接続されている。
可動極3は、熱応動素子であるバイメタル素子14と、内部リード線13とを備えている。また、内部リード線15が伸びて形成されている対電極(固定極)4は、可動極3と接離可能な状態で対向している。バイメタル素子14に代えて、トリメタル素子又は加熱により変形する形状記憶合金からなるモノメタル素子を使用することもできる。
バイメタル素子14を構成する金属材料中の水素含有量は、0.1重量ppm以上1.0重量ppm以下、より好ましくは0.3重量ppm以上0.5重量ppm以下に設定されている。これにより、容器内部8に放出される水素量を低減でき、点灯管1の長寿命化を図ることができる。
対電極4の表面には前述のランタンを被着することもでき、また、可動極3及び対電極4の少なくとも一方には前述の亜鉛を被着させることもできる。さらに、バルブ6の内表面には前述のアルミン酸塩又は/及び酸化アルミニウムを被着させることもできる。
フレアステム7の材料は限定されず、ガラス、樹脂等を用いることができる。また、フレアステム7の形状は、傘のような形であり、その裾部がバルブ6の開放側の端部に封着された構造であるが、この形状に特に限定されるものではない。
バルブ6の材料は、上記放電及び加熱に耐えうる材料であれば特に限定されないが、一般的にはガラス、樹脂等を用いればよい。また、バルブ6の形状は、一端部が閉塞した略円筒形であるが、この形状に特に限定されるものではない。
放電ガスは、放電に適した気体であれば特に限定されないが、一般的にはヘリウム、ネオン、アルゴン及びキセノンから選ばれる1種のガス、又はこれらの混合ガス等を用いればよい。特に、アルゴンガス、又はネオンとアルゴンとの混合ガスが好適に用いられる。
放電ガスの封入量は、放電を開始でき持続できれば特に限定されないが、容器内部8のガス圧を数kPa〜数100kPa、より好ましくは1〜10kPaとすればよい。
内部リード線13、15の材料は、特に限定されるものではなく、例えばマンガン・ニッケル合金等を用いることができる。
ここで、点灯管1を使用して蛍光灯(図示せず)を点灯させる際の点灯管1の動作について説明する。
点灯管1の電極3、4に所定の電圧が印加されると、電極間にグロー放電が生じる。本実施形態の点灯管1に用いたバイメタル素子14を構成する金属材料中の水素含有量は、前述のように低減されているので、結果として容器内部8に放出される水素量も低減され、そのためグロー放電がスムーズに生じるものと考えられる。
このグロー放電の熱によって、バイメタル素子14が変形、即ち電極3が可動して、電極4に接触する。これにより、短絡電流が流れて蛍光ランプのフィラメント電極(不図示)が予熱される。電極3、4同士が接触すると、短絡電流が流れ、グロー放電が停止する。グロー放電が停止すると、バイメタル素子14は次第に冷却されるので、元の形状に変形、即ち電極3が可動して、電極4から離れ、短絡電流も停止する。その際にパルス電圧が生じて、蛍光ランプ内に放電が生じ、蛍光ランプは点灯する。
本実施形態では、対電極4として、固定極を用いたが、可動極としてもよい。即ち、1対の電極は、一方が可動極であっても両方が可動極であってもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の点灯管の製造方法の実施形態について説明する。但し、実施形態1の説明と重複する事項の説明は省略する場合がある。
本発明の点灯管の製造方法は、実施形態1の点灯管を製造する方法であり、熱応動素子を構成する金属を125℃以上300℃以下、より好ましくは200℃以上260℃以下で、1時間以上5時間以下、より好ましくは2時間以上3時間以下で加熱することにより、熱応動素子を構成する金属材料中の水素含有量を0.1重量ppm以上1.0重量ppm以下、より好ましくは0.3重量ppm以上0.5重量ppm以下に設定する工程を含んでいる。
上記工程を行うことにより、点灯管がグロー放電を伴う点滅を繰り返して長期間使用されても、熱応動素子からの水素の放出が低減され、点灯管の長寿命化を図ることができる。また、上記工程は、従来の点灯管の製造工程を大きく変更することなく行え、さらに高価な材料も不要であるため、生産性及び経済性が高い。
加熱温度が125℃未満では水素含有量を1.0重量ppm以下にすることが困難で、300℃を超えるとバイメタル素子の高膨張側金属と低膨張側金属との剥離が生じ、バイメタルとしての機能が低下するおそれがある。また、加熱時間が1時間未満では水素含有量を1.0重量ppm以下にすることが困難で、5時間を超えるとバイメタル素子の水素含有量が少なくなりすぎて、バイメタル素子の強度が低下し、バイメタルとしての機能が低下するおそれがある。
上記工程における雰囲気は特に限定されず、大気中で行うことができる。
また、熱応動素子を構成する金属だけでなく、対電極を構成する金属も上記と同様にして加熱処理してもよいが、通常熱応動素子からの水素の放出量が多いため、少なくとも熱応動素子を構成する金属材料中の水素含有量を低減すれば、点灯管の長寿命化を図ることができる。
また、上記対電極の表面にランタンを被着させる工程をさらに行ってもよい。これにより、点灯管の動作作動電圧を下げることができる。
また、上記1対の電極の少なくとも一方の電極の表面に亜鉛を被着させる工程をさらに行ってもよい。これにより、電極からの電子放出性が向上し、蛍光ランプの暗所始動遅れ時間を短くできる。
また、上記密閉容器の内表面に、アルミン酸塩及び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つを被着させる工程をさらに行ってもよい。これにより、蛍光ランプの暗所始動遅れ時間を短くでき、それと同時に寿命後半の動作電圧の上昇を抑制することができる。
以下、本発明の点灯管の製造方法の実施形態を図面を用いて説明する。但し、図1及び図2において同じ部位には、同一の符号を付けて、重複する説明を省略する場合がある。
先ず、本発明で用いる熱応動素子の製造方法の一例を説明する。ここでは、熱応動素子の一例であるバイメタル素子の製造方法を説明する。通常、バイメタル素子の材料は、予め2枚の金属薄板を接合させたワイヤー状のバイメタル前駆体として供給される。供給されたワイヤー状のバイメタル前駆体は洗浄された後、大気中で加熱処理される。加熱温度は、125℃以上300℃以下、より好ましくは200℃以上260℃以下とすればよい。また、加熱時間は、1時間以上5時間以下、より好ましくは2時間以上5時間以下とすればよい。次に、加熱処理後のワイヤー状のバイメタル前駆体を所定の大きさに切断して、バイメタル素子が作製される。
図2は、本発明の点灯管のステム部の製造方法の一例を説明する図である。本実施形態の点灯管の製造方法では、まず、図2Aに示すように、フレアガラス16の小開口16aに内部リード線13、15を、フレアガラス16の開口16bに細管17を、それぞれ挿入する。次に、図2Bに示すように、フレアガラス16の上部(小開口16a側)に、内部リード線13、15及び細管17を固定して、ステム部20を得る。
フレアガラス16は、例えば傘のような形状であり、傘の裾にあたる開口16bと、傘の上部に小開口16aとを備えればよい。
内部リード線13、15には、外部リード線11、12が導通接続されている。また、内部リード線15は、内部リード線13より長尺に設定してある。
上記小開口16aに内部リード線13、15を挿入する際には、外部リード線11、12は、フレアガラス16の内表面側から開口16bを通って外部に出るように配置すればよい。
上記内部リード線13、15及び細管17をフレアガラス16に固定する際には、フレアガラス16の上部(小開口16a側)を、例えば外部から加熱しながら圧潰して、内部リード線13、15及び細管17をフレアガラス16に封装すればよい。フレアガラス16の上部を外側から圧潰することによって、内部リード線13、15と、細管17とを、フレアガラス16に密着できる。また、上記圧潰する際には、フレアガラス16の外部にある細管17の端部から、フレアガラス16の内側の端部へ、エアを吹き込み、軟化しているフレアガラス16の側面の一部をエアで吹き破って、排気孔10を形成すればよい。排気孔10によって、細管17は、その管口が塞がれることなくフレアガラス16に接着させることができる。
次に、図1に示すように、内部リード線13の端部に、前述のように作製したバイメタル素子14を接続する。また、ステム部20(図2)と、バルブ6とを気密密着して、フレアステム7(図2においてフレアガラス16)と排気管9(図2において細管17)とバルブ6とから構成される容器2を形成する。排気管9から、容器2の内部の空気を排気して、放電ガスを吹き込み、排気管9の端部を溶封して、容器2を密閉する。次に、内部リード線13及びバイメタル素子14から構成される電極(可動極)3、及び内部リード線15から構成される電極(対電極)4をそれぞれ電気的に接続した口金5を容器2に取り付ける。これにより、点灯管1が完成する。
上記ステム部20とバルブ6との気密密着では、例えばバルブ6の有底の略円筒形の縁部と、フレアガラス16の開口16bとを、加熱して密着すればよい。また、電極3、4は、口金5と外部リード線11、12とを接続することによって、容器2の外部と電気的に接続される。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、フレアガラスとして、鉛ガラス(K2O:4.7重量%、SiO2:57.5重量%、PbO:29.0重量%、Al23:1.0重量%、Na2O:7.8重量%)を、上部に開口を有するフレア状に形成した。外部リード線としてジュメット線が接続された内部リード線(ニッケル:96.4重量%、マンガン:3重量%、鉄0.6重量%)を2本と、ガラス製の細管とを準備した。次に、図2に示したように、フレアガラスに内部リード線及び細管を、加熱しながら圧潰することによって、固定した。
次に、幅2mm、厚さ0.2mmのワイヤー状のバイメタル前駆体(高膨張側組成:銅16.5重量%−ニッケル10.5重量%−マンガン73重量%、低膨張側組成:鉄64重量%−ニッケル36重量%)を準備し、このバイメタル前駆体を200℃で3時間大気中で加熱した。その後、このワイヤー状のバイメタル前駆体を長さ8mmに切断してバイメタル素子を得た。このバイメタル素子の水素含有量を電子化学社製の昇温脱離分析装置(四重極型質量分析計)により測定したところ、0.3重量ppmであった。
その後、図1に示したように、一方の内部リード線の端部に、上記バイメタル素子を接続した。そして、上記フレアガラスと、ガラス製のバルブとを気密密着した。
このようにして、フレアステム(上述のフレアガラス)と排気管(上述の細管)とバルブとから構成され、内部に可動極と固定極からなる1対の電極を含む容器を形成した。次に、排気管を用いて、容器の内部の空気を排気して、放電ガス(ネオン:94体積%、キセノン:6体積%)を吹き込んだ。このとき、容器内部のガス圧は、3.7kPaとした。排気管のフレアステムに接続されていない端部を溶封して、容器を密閉した。最後に、口金に2本の外部リード線をそれぞれ電気的に接続してから、容器に口金を取り付けて、本実施例の点灯管を得た。
(実施例2)
バイメタル前駆体を200℃で1時間加熱した以外は、実施例1と同様にして点灯管を作製した。用いたバイメタル素子の水素含有量を実施例1と同様にして測定したところ、1.00重量ppmであった。
(比較例1)
バイメタル前駆体を加熱処理しなかった以外は、実施例1と同様にして点灯管を作製した。用いたバイメタル素子の水素含有量を実施例1と同様にして測定したところ、1.40重量ppmであった。
(比較例2)
バイメタル前駆体を加熱処理しなかった以外は、実施例1と同様にして点灯管を作製した。用いたバイメタル素子の水素含有量を実施例1と同様にして測定したところ、3.00重量ppmであった。
(比較例3)
水素雰囲気中で高膨張側金属と低膨張側金属を接合してバイメタル前駆体を作製し、且つ作製後のバイメタル前駆体を加熱処理しなかった以外は、実施例1と同様にして点灯管を作製した。用いたバイメタル素子の水素含有量を実施例1と同様にして測定したところ、4.40重量ppmであった。
(比較例4)
バイメタル前駆体を200℃で10時間加熱した以外は、実施例1と同様にして点灯管を作製した。用いたバイメタル素子の水素含有量を実施例1と同様にして測定したところ、0.05重量ppmであった。
<寿命特性試験>
実施例1、2、比較例1〜4の点灯管をそれぞれ5個ずつ用意して、下記のとおり寿命特性試験を行った。試験温度は室温(25℃)とした。
先ず、点滅回数が0回の各点灯管を、蛍光ランプ(電力:40W)に接続して、通電してからグロー放電するまでの時間(放電遅れ時間)及び通電してから蛍光ランプが点灯するまでの時間(点灯所要時間)を測定した。そして、各グループの点灯管のうち1個でも、定格電圧(200V)で暗所放電遅れ時間が1秒以上又は下限電圧(180V)で明所点灯所要時間が8秒以上となった時点の点滅回数をそのグループの点灯管の寿命点滅回数とした。その結果を図3と表1に示す。なお、図3及び表1では、重量ppmをwtppmと表記し、以下も同様にした。
Figure 0005207639
図3及び表1から、バイメタル素子の水素含有量を1.00重量ppm以下とすることにより寿命点滅回数を18000回以上とすることができ、特にバイメタル素子の水素含有量を0.50重量ppm以下とすることにより寿命点滅回数を20000回以上とすることができる。一方、バイメタル素子の水素含有量が1.00重量ppmを超えて増加するにつれて寿命点滅回数が減少することが分かる。
また、比較例4の点灯管は、バイメタル素子の水素含有量が少なすぎるため、バイメタル素子の強度が低下し、寿命特性試験開始直後からバイメタル素子が動作不良となった点灯管が1個発生したため、その後の寿命特性試験はすべて中止した。
以上より、バイメタル素子の水素含有量は、0.1重量ppm以上1.0重量ppm以下とすることが好ましく、より好ましくは0.3重量ppm以上0.5重量ppm以下である。
なお、JIS規格C7622で規定されている耐久性試験の判定基準で、点灯管の寿命点滅回数は6000回と設定されているので、本実施例の点灯管は、従来の点灯管に比べて長寿命の点灯管であるといえる。
<熱処理時間の最適化>
次に、バイメタル前駆体の加熱温度を200℃に固定して熱処理時間を変化させて、熱処理時間とバイメタル素子の水素含有量との関係を検討した。熱処理時間が0時間のバイメタル素子として比較例2のバイメタル素子の水素含有量を採用し、熱処理時間が1時間のバイメタル素子として実施例2のバイメタル素子の水素含有量を採用し、熱処理時間が3時間のバイメタル素子として実施例1のバイメタル素子の水素含有量を採用した。また、実施例1のバイメタル前駆体の加熱時間を2時間、5時間にして、それぞれのバイメタル素子の水素含有量を実施例1と同様に測定した。その結果を図4に示す。
図4から、バイメタル前駆体の加熱温度が200℃の場合、1時間以上加熱すれば、バイメタル素子の水素含有量を1.0重量ppm以下にすることができることが分かる。また、前述の比較例4の結果を考慮すると、加熱時間は1時間以上5時間以下が好ましく、2時間以上3時間以下がより好ましいことが分かる。
<熱処理温度の最適化>
さらに、バイメタル前駆体の加熱時間を3時間に固定して熱処理温度を変化させて、熱処理温度とバイメタル素子の水素含有量との関係を検討した。熱処理温度が25℃(室温)のバイメタル素子として比較例2のバイメタル素子の水素含有量を採用した。また、実施例1のバイメタル前駆体の加熱温度を100℃〜320℃まで変化させて、それぞれのバイメタル素子の水素含有量を実施例1と同様に測定した。その結果を図5に示す。
図5から、バイメタル前駆体の加熱時間が3時間の場合、125℃以上で加熱すれば、バイメタル素子の水素含有量を1.0重量ppm以下にすることができることが分かる。また、加熱温度が300℃を超えるとバイメタルの機能が低下することを考慮すると、加熱温度は125℃以上300℃以下が好ましく、200℃以上260℃以下がより好ましいことが分かる。なお、図5において、200℃での水素含有量は0.3質量ppmであり、260℃での水素含有量は0.2質量ppmである。
上記実施例では、対電極の表面へのランタンの被着、1対の電極の少なくとも一方の電極の表面への亜鉛の被着、及び容器の内表面へのアルミン酸塩又は/及び酸化アルミニウムの被着を行っていないが、これらを行っても同様の寿命特性を実現できる。
以上説明したように、本発明は、生産性及び経済性が高く、長寿命の点灯管を提供でき、その産業上の利用価値は大きい。
本発明の点灯管の一例を示す部分断面図である。 本発明の点灯管のステム部の製造方法の一例を説明する図である。 水素含有量と寿命点滅回数との関係を示す図である。 熱処理時間と水素含有量との関係を示す図である。 熱処理温度と水素含有量との関係を示す図である。
符号の説明
1 点灯管
2 容器
3 電極(可動極)
4 電極(固定極)
5 口金
6 バルブ
7 フレアステム
8 容器内部
9 排気管
10 排気孔
11、12 外部リード線
13、15 内部リード線
14 バイメタル素子
16 フレアガラス
16a 小開口
16b 開口
17 細管
20 ステム部

Claims (6)

  1. 熱応動素子を含む可動極及び前記可動極の対電極からなる1対の電極と、放電ガスとを、密閉容器の内部に備えた点灯管であって、
    前記熱応動素子を構成する金属材料中の水素含有量が、0.1重量ppm以上1.0重量ppm以下であり、
    前記密閉容器の内表面には、アルミン酸塩が被着していることを特徴とする点灯管。
  2. 前記対電極の表面には、ランタンが被着している請求項1に記載の点灯管。
  3. 前記1対の電極の少なくとも一方の電極の表面には、亜鉛が被着している請求項1に記載の点灯管。
  4. 熱応動素子を含む可動極及び前記可動極の対電極からなる1対の電極と、放電ガスとを、密閉容器の内部に備えた点灯管の製造方法であって、
    前記熱応動素子を構成する金属を125℃以上300℃以下で、1時間以上5時間以下で加熱することにより、前記熱応動素子を構成する金属材料中の水素含有量を0.1重量ppm以上1.0重量ppm以下にする工程と、
    前記密閉容器の内表面に、アルミン酸塩及び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つを被着させる工程を含むことを特徴とする点灯管の製造方法。
  5. 前記対電極の表面にランタンを被着させる工程をさらに含む請求項4に記載の点灯管の製造方法。
  6. 前記1対の電極の少なくとも一方の電極の表面に亜鉛を被着させる工程をさらに含む請求項4に記載の点灯管の製造方法。
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